自治体レベルの事例を中心に行政が行う優先順位づけ住民が行う優先順位づけ優先順位づけの制度設計上の論点 1

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ひろきかりこめ
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1 国行政のあり方に関する懇談会資料 4 政策の優先順位づけあれもこれもからあれかこれかへの試み 2014 年 5 月 16 日高崎経済大学地域政策学部教授地域政策研究センター長佐藤徹 ( 行政学政策科学政策評価論 )

2 自治体レベルの事例を中心に行政が行う優先順位づけ住民が行う優先順位づけ優先順位づけの制度設計上の論点 1

3 行政が行う優先順位づけ住民が行う優先順位づけ優先順位づけの制度設計上の論点 2

4 優先度の高い事務事業の順に A B C] をつける施策を担当する部局の次長出所 : 平成 25 年度戸田市施策評価シートに一部加筆 3

5 目的ー手段の階層構造政策施策事務事業保存樹木補助金事業 B 生け垣等設置奨励補助金事業 B 潤いのある緑地空間の創造屋上等緑化奨励補助金事業 B 緑地緑道の整備促進苗木の無料配布事業 C 緑と潤いのあるまち出所 : 戸田市第 4 次総合振興計画をもとに作成魅力ある公園づくり水と緑のネットワーク推進事業環境マネジメントシステ水辺環境の整備 A 4

6 施策評価における事務事業間の優先順位づけ 61 1 ( 注 ) 行政評価と行政経営に関する全国自治体調査 ( 調査対象 = 全国の市区 810 団体回収率 73.8% 2012 年実施 ) において施策評価で事業間の優先順位 ( 狭義 ) づけ又は優先度づけを実施していると回答した 84 団体の行政評価担当課宛に調査票を送付 61 団体から有効回答が得られた ( 年度 ) 出所 : 佐藤徹施策評価での優先順位づけ優先度づけに関する全国自治体調査 (H24 年 11 月 ) 5

31% 28% 組織の目標管理を行う 26% 36% 28% 10% 施策事業の見直し

7 優先順位づけの目的 N=61 0% 20% 40% 60% 80% 100% 予算配分を効率的効果的に行う 51% 41% 8% 職員定数の管理を行う 5% 36% 31% 28% 組織の目標管理を行う 26% 36% 28% 10% 施策事業の見直し再構築を行う 44% 49% 7% 納税者への説明責任を果たす 15% 43% 30% 13% 意思決定の透明性を高める 18% 56% 16% 10% 組織内での政策議論を活発化させる 21% 56% 20% 3% 職員の政策能力を高める 16% 48% 33% 3% 大いに重視しているある程度重視しているあまり重視していないほとんど重視していない出所 : 佐藤徹施策評価での優先順位づけ優先度づけに関する全国自治体調査 (H24 年 11 月 ) 6

8 優先順位づけの評価基準行政評価担当部門が施策担当部門に対してあらかじめ優先順位づけの際の評価基準を示していない自治体は 57.4%(35 団体 ) 経済性効率性有効性需要性先進性 % 50.0% 88.5% 57.7% 7.7% 緊急性負の外部性地域性公約実現性その他 % 3.8% 0.0% 19.2% 34.6% ( 注 ) 基準を提示している26 団体に対する比率出所 : 佐藤徹施策評価での優先順位づけ優先度づけに関する全国自治体調査 (H24 年 11 月 ) 7

9 行政が行う優先順位づけ住民が行う優先順位づけ優先順位づけの制度設計上の論点 8

10 優先順位づけの結果 ( 抜粋 ) - たかさき市民討議会 VOICE2011(2011 年 9 月 )- 健康福祉分野保健医療の充実地域福祉の推進高齢者福祉の充実障害者福祉の充実児童福祉の充実社会保障制度の充実環境安全分野地球温暖化対策の推進安心で快適な生活環境の確立廃棄物の発生抑制と適正な処理緑豊かで快適な空間の創出地域防災の強化消費者保護の推進 2 地域安全の充実教育文化分野生涯学習の充実社会教育の充実学校教育の充実健康教育の充実高等教育の充実青少年の健全育成芸術文化の振興文化遺産の保護継承生涯スポーツの推進産業観光分野商業の振興観光の振興工業の振興農業の振興林業の振興就労の促進 ( 注 ) 全てのグループ発表を聞き終えた後に参加者各自が投票シートに記入した優先順位をもとに第 1 位から第 3 位までの課題 ( 施策 ) にそれぞれ 3 点 2 点 1 点を付与し課題別の得点を集計したものである 9

11 市民討議会の年度別実施件数実施件数累積件数新規実施自治体数年度 2007 年度 2008 年度 2009 年度 2010 年度出所 : 佐藤徹市民討議会の広がりとその動向月刊地域開発 (2012 年 7 月号 ) 10

12 市民討議会とプラーヌンクスツェレたかさき市民討議会 VOICE2011 高崎市の今後のまちづくりの重要課題を討議満 18 歳以上の市民 2000 名を住民基本台帳から無作為抽出プラーヌンクスツェレ解決が必要な真剣な課題に対して実施参加者を住民基本台帳から無作為で抽出有償 (5000 円 ) 1 日半有償で一定期間参加 (4 日間 ) 高崎青年会議所と高崎市が実行委員会をつくり実施中立的独立機関が実施機関となりプログラムを実施する 42 名で構成 1 回のみ開催原則 25 名で構成複数開催専門家や利害関係者から実行委員会メンバーが情報提供者情報提供をうける毎回メンバーチェンジしながら右同約 5 名の小グループで参加者のみが討議を繰り返す市民答申という形で報告書を作成し意見を報告書としてまとめ参加した市民が正式な形で実行委員会が高崎市長に手渡す委託者 ( 行政機関 ) に渡す出所 : 佐藤徹討議デモクラシーの実践過程市民討議会の到達点と課題地域社会研究第 22 号 2013 年 3 月 11

13 当日のタイムテーブル 1 日目 (H23 年 9 月 3 日 ( 土 )) 2 日目 (H23 年 9 月 4 日 ( 日 )) 12:00~12:30 受付 09:30~09:50 受付 12:30~12:35 主催者挨拶 09:50~10:00 前日のおさらい 12:35~12:40 高崎市長挨拶 5 コマ目 10:00~10:15 情報提供 15 分 1 コマ目 12:40~12:50 進め方の説明 10 分産業観光 10:15~10:55 討議 40 分 (30 分 ) 12:50~13:10 アイスブレーク 20 分 (85 分 ) 10:55~11:25 発表投票 30 分 13:10~13:15 休憩 (5 分 ) 11:25~12:15 休憩昼食 50 分 2 コマ目 13:15~13:30 情報提供 15 分 6 コマ目 12:15~12:30 情報提供 15 分健康福祉 13:30~14:10 討議 40 分都市建設 12:30~13:10 討議 40 分 (85 分 ) 14:10~14:40 発表投票 30 分 (85 分 ) 13:10~13:40 発表投票 30 分 14:40~14:50 休憩 (10 分 ) 13:40~13:55 休憩 (15 分 ) 3 コマ目 14:50~15:05 情報提供 15 分 7 コマ目 13:55~14:10 情報提供 15 分教育文化 15:05~15:45 討議 40 分地域自治 14:10~14:50 討議 40 分 (85 分 ) 15:45~16:15 発表投票 30 分 (85 分 ) 14:50~15:20 発表投票 30 分 16:15~16:25 休憩 (10 分 ) 15:20~15:35 休憩 (15 分 ) 4 コマ目 16:25~16:40 情報提供 15 分 8 コマ目 15:35~16:35 討議 60 分環境安全 16:40~17:20 討議 40 分まとめ 16:35~17:05 発表投票 30 分 (85 分 ) 17:20~17:50 発表投票 30 分 17:05~17:20 事後アンケート 15 分 17:50~18:00 2 日目のスケジュール説明 17:20~17:30 閉会挨拶 10 分出所 : 佐藤徹討議デモクラシーの実践過程市民討議会の到達点と課題地域社会研究第 22 号 2013 年 3 月 12

14 グループ内の討議風景グループ発表の様子出所 : たかさき市民討議会 VOICE2011 事業報告 ( 高崎青年会議所 ) 13

15 行政が行う優先順位づけ住民が行う優先順位づけ優先順位づけの制度設計上の論点 14

16 優先順位づけの制度設計上の論点優先順位づけは意思決定者に合理的な判断材料を提供するもの誰が優先順位をつけるかどのような方法で優先順位をつけるかどのタイミングで優先順位をつけるかどの対象レベルで優先順位をつけるか優先順位づけの結果を何に活用するか 15

17 参考資料編

18 (団体)( 年度 ) 行政評価の導入年度事務事業評価施策評価政策評価 H11 H12 H13 H14 H15 H16 H17 H18 H19 H20 H21 H22 H23 H24 ( 注 ) 行政評価と行政経営に関する全国自治体調査 ( 調査対象 = 全国の市区 810 団体回収率 73.8% 2012 年実施 ) 出所 : 佐藤徹行政経営システムにおける行政評価の機能と構造高崎経済大学論集第 56 巻第 2 号 2013 年 17

19 テの評価施策評価の基本フレーム上位レベル政策 P ベンチマーキング政策施策の水準と目標達成施策の水準と目標達成度などを評価する度などを評価する ( 目的 ) 下位レベル ( 手段 ) タ事務事業 A 施策 X 1 事務事業 B ヨコの評価施策 X2 事務事業 C 有効性分析施策に対する事業の貢施策に対する事業の貢献度な献度など上位の目的に対してどの程度有効かど上位の目的に対してどの程度どうかを分析する有効かどうかを評価する優先順位づけ施策を構成する事務事施策を構成する事務事業間業間の重みや優先順位の重みや優先順位をつけるをつける妥当性評価事業メニュー ( 事業群 ) の構成が妥当であるか否かを評価する出所 : 佐藤徹自治体行政と政策の優先順位づけ大阪大学出版会 2009 年 p.25 を一部修正加筆 18

20 優先順位の表記公表優先順位 ( 第 1 位第 2 位第 3 位など ) 優先度 (A B C 高中低など ) 住民にも公表している行政の内部資料であり公表していない 28% 49% 51% 72% N=61 N=61 出所 : 佐藤徹施策評価での優先順位づけ優先度づけに関する全国自治体調査 (H24 年 11 月 ) 19

21 行政が用いる主な住民参加の手法アンケートグループインタビュー市政モニター意見アイデア等の募集公聴会住民説明会シンポジウムフォーラム地域別懇談会パブリックコメントワークショップ審議会市民会議パブリックインボルブメント市民討議会 (PZ) 討論型世論調査 (DP) 出所 : 高橋秀行佐藤徹編新説市民参加改訂版公人社 2013 年 3 月 pp を一部修正加筆 20

22 参加承諾者の年齢構成分布 40.0% 母集団参加承諾者 30.0% 20.0% 10.0% 0.0% 18~19 歳 20~29 歳 30~39 歳 40~49 歳 50~59 歳 60~69 歳 70~79 歳 80 歳以上 ( 注 ) 参加承諾者とはたかさき市民討議会 VOICE2011 への参加を承諾した住民をさす出所 : 高崎の今後のまちづくりに向けての市民アンケート調査の結果をもとに作成 21

23 市民討議会の参加理由 (人)( 注 ) たかさき市民討議会 VOICE2011の2 日目の参加者 41 名全員の回答結果 ( 複数回答可 ) 出所 : 佐藤徹討議デモクラシーの実践過程市民討議会の到達点と課題地域社会研究第 22 号 2013 年 3 月 22

24 謝礼金 (5000 円 ) に対する参加者の評価その他, 5 名, 12% 少なすぎ, 2 名, 5% 不要, 7 名, 17% 多すぎ, 0 名, 0% 妥当, 27 名, 66% ( 注 ) たかさき市民討議会 VOICE2011 の 2 日目の参加者 41 名全員の回答結果出所 : 佐藤徹討議デモクラシーの実践過程市民討議会の到達点と課題地域社会研究第 22 号 2013 年 3 月 23

2. 住民アンケート調査以下の既往のアンケート調査から都市計画及びまちづくりに関する住民ニーズや方向性等を以下のとおり把握解析する (1) 第 2 次長久手町土地利用計画策定にあたってのアンケート調査 1 調査の概要調査対象は町内在住住民及び市街化調整区域の土地所有者としそれぞれ 2,

2. 住民アンケート調査以下の既往のアンケート調査から都市計画及びまちづくりに関する住民ニーズや方向性等を以下のとおり把握解析する (1) 第 2 次長久手町土地利用計画策定にあたってのアンケート調査 1 調査の概要調査対象は町内在住住民及び市街化調整区域の土地所有者としそれぞれ 2, 2. 住民アンケート調査以下の既往のアンケート調査から都市計画及びまちづくりに関する住民ニーズや方向性等を以下のとおり把握解析する (1) 第 2 次長久手町土地利用計画策定にあたってのアンケート調査 1 調査の概要調査対象は町内在住住民及び市街化調整区域の土地所有者としそれぞれ 2,000 人合計 4,000 人 ( 平成 13 年度調査においてはそれぞれ 1,000 人合計

自治体レベルの事例を中心に 行政が行う優先順位づけ 住民が行う優先順位づけ 優先順位づけの制度設計上の論点 1

自治体レベルの事例を中心に行政が行う優先順位づけ住民が行う優先順位づけ優先順位づけの制度設計上の論点 1