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1 JNSA 2010 年度活動報告会 調査研究部会 発生確率調査と 2010 年個人情報漏えい調査の報告 セキュリティ被害調査 WG 大谷尚通 ( 株 )NTT データ 2011 年 6 月 8 日 Copyright (c) N P O 日本ネットワークセキュリティ協会 Page 1/28

2 セキュリティリスク対策三兄弟 セキュリティ被害調査 WG インシデント 個人情報漏えい発生確率調査被害調査 対策の適用と効果測定 情報セキュリティインシテ ント被害額算定モデル 投資対効果 (ROSI) 対策マップ ( 対策ツリー, 対策 メソッド図 ) 対策マップ作成法 ( 対策オブジェクトモデル, 対策メソッド標準構文, 標準辞書, 対策構造図 ) 要因分析 セキュリティ対策マップ検討 WG アセスメント手法エンタープライズ化 リスク定量化 合理的な情報セキュリティ対策方法論 合理的な対策 被害推定 リスク評価検討 WG 情報セキュリティ事象の統計解析 情報セキュリティリスク定量化モデル リスク推定手法 リスク推定手法 三位一体 Copyright (c) N P O 日本ネットワークセキュリティ協会 Page 2/28

3 セキュリティ被害調査 WG メンバ リーダー 大谷 尚通 株式会社 NTT データ メンバー 井口 洋輔 NKSJリスクマネジメント株式会社 猪俣 朗 トレンドマイクロ株式会社 大溝 裕則 株式会社 JMC 岡本 一郎 株式会社インフォセック 佳山 こうせつ 富士通株式会社 北野 晴人 日本オラクル株式会社 佐藤 康彦 マイクロソフト株式会社 佐藤 耕太郎 日本オラクル株式会社 田中 洋 株式会社インフォセック 広口 正之 リコー ヒューマン クリエイツ株式会社 丸山 司郎 株式会社ラック 山田 英史 株式会社ディアイティ Copyright (c) N P O 日本ネットワークセキュリティ協会 Page 3/28

4 本日の内容 2010 年情報セキュリティインシデント に関する調査 ~ 個人情報漏えい編 ~ 2010 年情報セキュリティインシデント に関する調査 ~ 発生確率編 ~ Copyright (c) N P O 日本ネットワークセキュリティ協会 Page 4/28

5 2010 年情報セキュリティインシデントに関する調査 ~ 個人情報漏えい編 ~ Copyright (c) N P O 日本ネットワークセキュリティ協会 Page 5/28

6 2010 年個人情報漏えいインシデント 期間 :2010 年 1 月 1~12 月 31 日インターネットニュースなどで報道されたインシデントの記事 組織からリリースされたインシデントの公表記事などをもとに集計 漏えい人数 557 万 9316 人 -15 万 6357 人 漏えい件数 1,679 件 +140 件 想定損害賠償総額 (2009 年比較 ) 1215 億 7600 万円 億 3544 万円 一件当たりの漏えい人数 3,468 人 -466 人 一件当たり平均想定損害賠償額 7556 万円 -1 億 9153 万円 一人当たり平均想定損害賠償額 4 万 3306 円 円 Copyright (c) N P O 日本ネットワークセキュリティ協会 Page 6/28

7 2010 年インシデント トップ 10 No. 漏えい人数業種原因 万 5841 人情報通信業不正アクセス 情報通信業 2 46 万 3360 人情報通信業が増加内部犯罪 内部不正行為 3 31 万人医療, 福祉不正な情報持ち出し 4 25 万 4122 人卸売業, 小売業不正アクセス 5 20 万 1414 人学術研究, 専門 技術サービス業管理ミス 6 19 万 7907 人情報通信業盗難 7 19 万 7077 人製造業設定ミス 8 19 万 5132 人サービス業 ( 他に分類されないもの 金融業, 保険業 ) 不明 9 17 万 755 人サービス業 ( 他に分類されないもの 公務 が減少 ) 不正アクセス 万 325 人金融業, 保険業管理ミス 悪意を含む原因が増加 管理ミス が減少 100 万人を超える大規模なインシデントは 1 件のみ Copyright (c) N P O 日本ネットワークセキュリティ協会 Page 7/28

8 公表されたインシデント漏えい人数と件数 (2005~2010 年 ) 3500 万人 3000 万人 漏えい人数インシデント件数 3,053 万人 1,539 件 1,679 件 1,600 件 1,400 件 2500 万人 2,224 万人 1,373 件 1,200 件 2000 万人 1500 万人 1,032 件 993 件 864 件 1,000 件 800 件 件数は最も多い漏えい人数が最も少ない 1000 万人 500 万人 881 万人 723 万人 572 万人 558 万人 600 件 400 件 200 件 0 万人 0 件 2005 年 2006 年 2007 年 2008 年 2009 年 2010 年 2000~2004 年は 母数データが少ないため グラフから除外 ( 2005 年以降 ) Copyright (c) N P O 日本ネットワークセキュリティ協会 Page 8/28

9 漏えい人数と損害賠償総額 (2005~2010 年 ) 3053 万 1004 人 2 兆円 2223 万 6576 人 合計 / 損害賠償総額 ( 万円 ) 漏えい人数 3000 万人 2500 万人 1 兆 5000 億円 2000 万人 1 兆円 2 兆 2710 億 8943 万円 1500 万人 5000 億円 0 円 881 万 4735 人 5328 億 万円 4570 億 万円 2005 年 (n=1032) 2006 年 (n=993) 2007 年 (n=864) 723 万 2763 人 572 万 1498 人 1000 万人 500 万人 127 万 0383 人 3890 億 万円 2366 億 万円 1214 億 万円 0 人 2008 年 (n=1373) 2009 年 (n=1539) 2010 年 (n=1579) 2000~2004 年は 母数データが少ないため グラフから除外 想定損害賠償総額が最も少ない ( 2005 年以降 ) Copyright (c) N P O 日本ネットワークセキュリティ協会 Page 9/28

10 1 業種別の漏えい件数 複合サービス事業 23 件 1.4% 1.4% 不動産業, 物品賃貸業 39 件 2.3% 卸売業, 小売業 55 件 3.3% サービス業 ( 他に分類されないもの ) 58 件 3.5% 電気 ガス 熱供給 水道業 製造業 24 件 情報通信業 80 件 4.8% 29 件 1.7% 建設業 医療, 福祉 156 件 9.3% 教育, 学習支援業 191 件 11.4% 運輸業, 郵便業 9 件 0.5% 19 件 1.1% 公務 ( 他に分類されるものを除く ) 555 件 33.1% 金融業, 保険業 420 件 25.0% 宿泊業, 飲食サービス業 8 件 0.5% 学術研究, 専門 技術サービス業 4 件 0.2% 生活関連サービス業, 娯楽業 9 件 0.5% 上位 4 業種で約 80% 2009 年 2010 年 金融業, 保険業 (626 件 ) 公務 (398 件 ) 教育, 学習支援業 (81 件 ) 情報通信業 (81 件 ) 漏えい件数が多い上位 3 業種は同じ 公務 (555 件 ) 金融業, 保険業 (420 件 ) 教育, 学習支援業 (191 件 ) 医療, 福祉 (156 件 ) 増加傾向の業種 Copyright (c) N P O 日本ネットワークセキュリティ協会 Page 10/28

11 2 原因別の漏えい件数 設定ミス 17 件 1.0% バグ セキュリティホール 25 件 1.5% 内部犯罪 内部不正行為不正アクセス目的外使用 17 件 10 件 6 件 1.0% 0.6% 0.4% 不正な情報持ち出し 73 件 4.3% 盗難 128 件 7.6% 紛失 置忘れ 211 件 12.6% 9 件 0.5% ワーム ウイルス 誤操作 543 件 32.3% 不明 12 件 0.7% 管理ミス 609 件 36.3% その他 19 件 1.1% 2009 年 2010 年 管理ミス (784 件 ) 誤操作 (369 件 ) 紛失 置忘れ (122 件 ) 盗難 (117 件 ) 管理ミス (609 件 ) 誤操作 (543 件 ) 紛失 置忘れ (211 件 ) 盗難 (128 件 ) 誤操作 (= ケアレスミス ) による漏えいの割合が増加 上位 3 要因で約 80% 多発する要因は これらの 3 つで決まり Copyright (c) N P O 日本ネットワークセキュリティ協会 Page 1 1 /28

12 3 媒体別の漏えい件数 インターネット 82 件 4.9% 電子メール 115 件 6.8% USB 等可搬記録媒体 208 件 12.4% PC 本体 55 件 3.3% その他 40 件 2.4% 不明 14 件 0.8% 紙媒体 1,165 件 69.4% 2009 年 2010 年 紙媒体 (1,117 件 ) USB 等可搬記録媒体 (144 件 ) 電子メール (108 件 ) インターネット (70 件 ) 紙媒体 (1,165 件 ) USB 等可搬記録媒体 (208 件 ) 電子メール (115 件 ) インターネット (82 件 ) 紙媒体による漏えいが多い ( 例年通り ) 情報漏えいが起きやすい経路 媒体も これらの 4 つに絞られる傾向にある Copyright (c) N P O 日本ネットワークセキュリティ協会 Page 12/28

13 4 一件当たりの漏えい人数 10 万 ~100 万人未満 10 件 0.6% 1 万 ~10 万人未満 29 件 1.7% 1000~1 万人未満 186 件 11.1% 100 万人以上 1 件 0.1% 不明 70 件 4.2% 大事件は起きてない 100 万人を超える大規模なインシデントは 1 件だけ 100~1000 人未満 332 件 19.8% 1~10 人未満 644 件 38.4% 10~100 人未満 407 件 24.2% 1000 人 / 件未満の小さなインシデントの件数が約 80% を占める Copyright (c) N P O 日本ネットワークセキュリティ協会 Page 13/28

14 5 一件当たりの想定損害賠償額 想定損害賠償が高いインシデントも発生する可能性があることに注意 1~10 億円未満 65 件 3.9% 10~100 億円未満 15 件 0.9% 1000~1 億円未満 295 件 17.6% 100~1000 万円未満 219 件 13.0% 不明 70 件 4.2% 1 万円未満 153 件 9.1% 10~100 万円未満 443 件 26.4% 1~10 万円未満 417 件 24.8% 100 万円未満 / 件の小さなインシデントの件数が約 60% を占める 想定損害賠償額は 漏えい人数分の損害賠償額を JO モデルに基づいて算出した金額であり 実際に賠償された金額ではない Copyright (c) N P O 日本ネットワークセキュリティ協会 Page 14/28

15 2010 年の調査結果より インシデント件数が最多で 漏えい人数が最少 ( 2005 年以降 ) 想定損害賠償額の総額も過去 6 年間で最少 2008~2010 年の傾向 小規模なインシデントも報告 ( 公表 ) されている 想定損害賠償額が大きいインシデントが少ない インシデント トップ 10 は 悪意を含む原因が増加 原因の新たな変化 : 誤操作によるインシデントが増加 誤操作 によるインシデント件数および割合が増加 ケアレスミスの顕在化? 管理ミス は減少傾向 内部統制対応や誤廃棄対策の効果? ケアレスミス( 誤操作 ) と 悪意による漏えい の二極化!? 件数の増加 : 小規模なインシデントを公表する傾向 説明責任 業種別では 公務のインシデント件数がトップ よい姿勢 特定の自治体が積極的に公表している (A=212 件 B=108 件 ) 発生件数は改善していない (2008 年 =212 件, 2009 年 =190 件,2010 年 =239 件 ) 公表するだけでなく 継続的な改善を 情報セキュリティ報告書にて改善効果を報告 Copyright (c) N P O 日本ネットワークセキュリティ協会 Page 15/28

16 インシデント公表率の推定 10,000 件 (28,504 件 ) (5,343 件 ) 2010 年の件数分布 1000 人 / 件以上に基づく推定分布 ある自治体 A は 小規模なインシデントから大規模なインシデントまで ありのままを公表している 漏えい人数が 1000 人 / 件以上のインシデントは 隠さず公表される 1,000 件 100 件 10 件 1 件 未検出 未公表の件数 644 件 1~10 人未満 407 件 10~100 人未満 332 件 100~1000 人未満 (1,002 件 ) 2.3% 7.6% 33.1% 公表率 1000~1 万人未満 186 件 1 万 ~10 万人未満 29 件 10 万 ~100 万人未満 自治体 A の分布と 1000 人 / 件以上のインシデントの分布から インシデント全体の発生件数の分布を推定 10 件 100 万人以上 1 件 事前に公表の基準を設ける 1000 人を越えると連絡が困難な被害者が増える メディアを利用して公表 小規模なインシデントは 被害者へ個別対応できれば その都度公表する必要性は低い 情報セキュリティ報告書にて報告 継続的な改善状況を報告 Copyright (c) N P O 日本ネットワークセキュリティ協会 Page 16/28

17 2010 年情報セキュリティインシデントに関する調査 ~ 発生確率編 ~ Copyright (c) N P O 日本ネットワークセキュリティ協会 Page 17/28

18 おっちょこちょいの確率 携帯電話 USB メモリ パソコンを紛失しやすい人 ( 通称 : おっちょこちょい ) は 存在するのか? 業務データが入った携帯電話 パソコン USB メモリの紛失 盗難にあった人が 複数の物の紛失 盗難にあっている確率を調査 業務データが入った会社貸与の携帯電話を紛失 盗難 (n=184 人 ) 業務データが入った会社貸与のパソコンを紛失 盗難 (n=148 人 ) 業務データが入った会社貸与の USB メモリを紛失 盗難 (n=146 人 ) 全回答者 (n=4886 人 ) 会社携帯紛失 盗難 108 人 (73.0%) 102 人 (69.9%) 18.4 人 (3.8%) 会社 PC 紛失 盗難 108 人 (58.7%) 97 人 (66.4%) 148 人 (3.0%) 会社 USB 紛失 盗難 102 人 (55.4 人 ) 97 人 (65.5%) 146 人 (3.0%) アンケート回答者約 5000 人のうち 複数の物を紛失した人は約 100 人 = 約 2% 紛失しやすい人 ( おっちょこちょい ) は存在する Copyright (c) N P O 日本ネットワークセキュリティ協会 Page 18/28

19 被害額を計算できますか? ALE = SLE ARO 情報セキュリティインシデントの年間予想被害額 個別の情報セキュリティインシデントの予想被害額 1 年間の発生確率 業務内容によって異なるので各自で用意してください 一朝一夕では求めることができない 公開された値が非常に少ない インシデントの発生確率を知りたい! Copyright (c) N P O 日本ネットワークセキュリティ協会 Page 19/28

20 アンケート調査方法 インターネット Web アンケート 調査期間 :2010 年 10 月 15 日 ( 金 )~19 日 ( 火 ) 調査対象 : 全国の就業者 ( 男女 ) 18~69 歳 有効回答数 :4,884 名 ( 予備調査 ) 500 名 ( 本調査 ) 調査方法 : 予備調査と本調査の 2 段階 携帯電話 / パソコン /USB メモリの盗難 紛失 電子メール /FAX の誤送信の経験について調査 予備調査 ( 発生確率調査 ) 本調査 ( 発生状況調査 ) 表 : 職種の内訳 職種人数 % 会社経営者 役員 団体役員 会社員 団体職員 240 人 4.9% 正社員 2,787 人 57.1% 契約 派遣 388 人 7.9% 地方公務員 144 人 2.9% 国家公務員 40 人 0.8% 自営業 個人事業主 フリーランス 自由業 ( 開業医 弁護士事務所経営 プロスポーツ選手など ) パート アルバイト フリーター 582 人 11.9% 101 人 2.1% 602 人 12.3% Copyright (c) N P O 日本ネットワークセキュリティ協会 Page 20/28

21 情報セキュリティインシデントの経験 これまでに 携帯電話 / パソコン /USB メモリを紛失 盗難 電子メール /FAX の誤送信を経験したことがある人は どのくらい? 携帯電話の紛失 盗難約 20% パソコン USB メモリの紛失 盗難約 10% 電子メール FAX の誤送信を経験約 70% Copyright (c) N P O 日本ネットワークセキュリティ協会 Page 21/28

22 紛失 盗難の年間発生確率 紛失 盗難 誤送信は 1 年間にどのくらい発生するのか? 予備調査と本調査の結果をもとに 以下 5 種類の紛失 盗難 誤送信の年間の発生確率を算出 調査対象 2010 年 2009 年発生確率 携帯電話 ( ) 6.4% 6.6% 約 6.5% 両私含( ) 紛失未遂を含む パソコン ( ) 方物を 3.7% 3.1% 約 3.5% 会社む貸USBメモリ 4.7% 4.1% 約 4.5% 与の電子メール 40.3% 17.1% 約 40.0% FAX 39.0% 12.1% 約 40.0% 社員が携帯電話 パソコン USB メモリの紛失 盗難にあう確率は約 4~6% 社員が電子メール FAX を誤送信する確率は約 40% 注 1) 紛失 盗難や誤送信にあった年を 1 つ選択させている 2009 年も 2010 年も誤送信した人は 2010 年を選択している したがって 年の誤送信の割合が少ないとは言えない 注 2) 年 1 回以上あった人の割合 1 年間に複数回あった人も 1 人としている Copyright (c) N P O 日本ネットワークセキュリティ協会 Page 22/28

23 紛失リスクと セキュリティ対策投資額 Copyright (c) N P O 日本ネットワークセキュリティ協会 Page 23/28

24 1 企業プロファイル 個人情報漏えいが発生した場合の想定被害金額を試算し それを対策するためのセキュリティ対策投資額を算出してみよう 情報セキュリティインシデントの年間予想被害額の算出式 ALE = SLE ARO SLE ( 個別の情報セキュリティインシデントの予想被害額 ) ARO(1 年間の発生確率 ) 緊急的な対策費用などの間接被害の想定被害額 USB メモリの紛失盗難発生確率 企業プロファイル ( 想定 ) 雑誌やインターネット上のカタログに商品を掲載し 商品の販売を行う通信販売業 インターネットショッピングサイトも運用し 売り上げは 会社全体の約 10% 程度 2003 年度情報セキュリティインシデントに関する調査報告書 参照 企業規模売上高約 1000 億円従業員約 1000 名カタログ販売部門会員数約 600 万人売上げ約 900 億円インターネットショップ部門 会員数 約 100 万人 売上げ 約 100 億円 収集 管理している CRM 用の顧客情報 氏名 氏名フリガナ 性別 年齢 ( 区分 ) 職業 郵便番号 住所 電話番号 購入履歴情報 ( 商品コード 購入日時 ) ショッピングサイトのログイン ID/ パスワード クレジットカード番号 有効期限 金融機関の口座番号 クレジットカード番号 有効期限等の信用情報は 分離された別システムのため 企業内から参照できない 会社支給の USB メモリを使用してショッピングサイトの出店企業や配送委託先と顧客情報をやりとりしている 上記業務に従事している従業員は全体の 10%(100 名 ) 程度 Copyright (c) N P O 日本ネットワークセキュリティ協会 Page 24/28

25 2 被害額の想定 USB メモリ等の可搬型媒体を経由した平均の漏えい人数 =2 万 8340 人 ( 3) USB メモリの紛失によって 会員情報 2 万人分が漏洩したと仮定 サイトの閉鎖などの対応なし = 逸失利益 機会損失などの直接被害なし 被害額は 緊急的な対策費用などの間接的な想定被害額 表 : 間接的な想定被害額の内訳 項目 費用 対策組織業務に係る人件費 (1ヶ月分) 500 万円 業務継続費用 損害賠償費用 ( 訴訟参加率 1 =0.1%) 36 万円 弁護士費用 2 裁判費用 30 万円 見舞い品費用 見舞い品代 + 送料他 (2 万人分 3 ) 1,400 万円 謝罪訪問費 謝罪訪問に掛かる費用 (10 人分 ) 110 万円 広報費用 謝罪広告費なし情報公開ページ作成費用 (2 回 ) 10 万円 臨時的な対策費用 コールセンター設置費用 (1ヶ月分) 500 万円問い合わせ窓口常駐人員 (1ヶ月分) 200 万円 合計 2,786 万円 1 訴訟参加率については 近年の個人情報保護意識の高まり等を鑑み やや高めの想定 2 弁護士費用については 実務的な現実では相当額の着手金が必要なことから 民事訴訟等の着手金における現実的な金額として 30 万円を想定した ( 参考 : 日本弁護士連合会 中小企業のための弁護士報酬目安 [2009 年アンケート結果版 ] ) 3 ( 3) 2009 年情報セキュリティインシデントに関する調査報告書 =2786 万円 Copyright (c) N P O 日本ネットワークセキュリティ協会 Page 25/28

26 3 想定被害額と対策投資額の算出 想定企業における USB メモリの紛失状況 USB メモリを使って顧客情報をやり取りしている社員 =100 名 紛失 盗難の発生確率 = 約 4.5% 紛失した USB メモリに個人情報が含まれている確率 = 約 33% 漏えい被害額とセキュリティ対策投資額の検討 USB メモリの紛失 盗難に遭う 事象と 紛失した USB メモリに個人情報が含まれている 事象が同時に起こる確率 : 4.5% 33% = 約 1.5% 社員 100 名の中で 1 年間に個人情報を含むUSBメモリを紛失するインシデントを引き起こす人 : 100 人 1.5% = 1.5 人 1 年間の USB メモリからの個人情報漏えいリスク : 2,786 万円 1.5 人 = 4,179 万円 / 年 3 年分としてまとめて投資をする場合 :(IT 機器 ソリューションなどのライフサイクル = 約 3 年 ) 4,179 万円 / 年 3 年 = 1 億 2,537 万円 最大 最大 ARO(1 年間の発生確率 ) SLE ( 個別の情報セキュリティインシデントの予想被害額 ) 投資額 投資先の対策 ( システム / 体制整備 / 教育など ) は 各自判断 Copyright (c) N P O 日本ネットワークセキュリティ協会 Page 26/28

27 発生確率調査の結果より 携帯電話 パソコン USB メモリの紛失 盗難 電子メール FAX の誤送信は 一定の確率で発生している インシデントの年間発生数が推定可能 ケアレスミスと ( 悪意 ) が次の対策のポイント インシデント対応費用の確保のめやす 業務で私物の携帯電話 パソコン USBメモリが使われている 業務と個人 ( プライベート ) の分離が不十分 会社貸与 支給の不足 電子メール FAX の誤送信発生確率が高い 電子メール FAX 使用の危険性の認識不足 Copyright (c) N P O 日本ネットワークセキュリティ協会 Page 27/28

28 2010 年の成果物の公開 2010 年情報セキュリティインシデントに関する調査 ~ 発生確率編 ~ ( 公開済み 2011/4/1) 2010 年情報セキュリティインシデントに関する調査 ~ 個人情報漏えい編 ~ ( 近日公開予定 ) 2011 年も上記の成果物を 公開予定です WG メンバも募集 Copyright (c) N P O 日本ネットワークセキュリティ協会 Page 28/28

29 Copyright (c) N P O 日本ネットワークセキュリティ協会 Page 29/32

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