平成25年度　事例問題案（GLHJ No

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えりかきちや
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1 [Ⅳ] 事例試験問題解答のポイント問 1 [ 解答のポイントと配点 ] この事例は (1) ブラウスの着脱時や着用中における負荷や引掛けなどによる糸切れから生地の裂け破れが生じた現象 (2) 製品の縫製工程や家庭洗濯後でのアイロン掛け条件が過酷 ( 温度が高温長時間圧力が強い ) であったことによりよこ糸のナイロンが溶融切断され生地のたて方向の裂け破れが生じた現象を示している解答のポイントとして一つには製品が細身であり生地が薄地織物で糸も細いため着用時や洗濯時での引張り引裂き摩耗などによって破れやすい点に留意しているかもう一つには生地は綿リッチな素材でしわが生じやすいのでアイロン掛けが必要であるが耐熱性の低いナイロンが交織のため取扱い絵表示を確認して適正なアイロン条件に留意しているかなどに置いているキーワードはよこ糸がナイロン破損付近の生地に硬さあたり薄地の平織物細身のシルエットなどであるなおこの解答のポイントは代表的な例でありこれ以外でも的確な内容もありうる設問 1.(30 点 ) (1) 苦情品について観察すべき事項 ( 解答 2つ ) 1 破損した部位の生地において糸の切断はよこ糸だけかを確認し切断された糸端の形状状態を拡大鏡 ( ルーペなど ) で観察するこれにより引きちぎられた状態か鋭利なもので切られた状態か溶融した状態かなどが分かると発生状況を推察することができる 2 生地の風合い硬化やあたりは破れている部位だけか全体にも見られるかを観察する局部的であれば着用や取扱いに要因があり全体的であれば生地段階に要因があると推察される 3 破損した部位の生地と破損していない部位の生地において織組織や厚さなど生地規格に違いがないか観察する違いがあれば強度や耐熱性などに差異が生じることが推察される 4 破損が生じた部位に特徴的なことがないか製品全体を見ながらその状態を観察する着用時にカバンなどで摩擦が繰り返された部位か着用や着脱時に負荷が強く掛かった部位かなどの状況が推察できる (2) 消費者に聞き取るべき事項 ( 解答 2つ ) 1 家庭洗濯は取扱い表示通りに行ったかそのときの条件 ( 洗い方洗い温度時間洗剤乾燥方法 : 吊り干し乾燥かタンブラー乾燥かなど ) を聞き取り破損が生じる要因を推察する 2 洗濯乾燥後の仕上げでアイロン掛けを行ったか掛けたならアイロン温度時間やあて布の有無などを聞き取り繊維の溶融や生地のあたりが生じる操作がなかったかを推察する 3 苦情品を着用していたときにサイズにゆとりはあったか着用中に強い力が瞬時に生地に掛かるような動きがあったかまた強い力が常に掛かりやすい部位はなかったかなどを聞き取り製品にどのような負荷が掛かったかを推察する (3) アパレルメーカーに調査すべき事項 ( 解答 2つ ) 1 苦情品の生地の織組織たて糸よこ糸の組成目付などの生地規格を調査し破損の原因究明の試験に役立てる 2 苦情品の生地についての引裂強さや引張強さの試験データを調査する細身のブラウスは着用で負荷が掛かりやすくこのデータから実用に耐える十分な生地強度を満たしていたかを確認する 3 苦情品の生地の染色条件や仕上げ加工の処理方法などを調査する生地の強度を低下させるような処理条件ではなかったかまた仕上げセット温度などはナイロン繊維に影響を与えることが考えられるので生地段階から問題がなかったかを推察する

2 4 本事例と同様な苦情は他に発生していないか発生しているなら何が原因であったかを調査する類似の苦情があればどのような生地素材かを確認し今回の苦情原因究明の参考にする設問 2.(28 点 ) (1) 消費者の段階 ( 解答 2つ ) 1 破損した部位付近に風合いの硬化が見られたことから家庭のアイロン掛けでの温度が高すぎたためによこ糸のナイロン糸が溶融切断や硬化を生じ着用時にその部位がたて方向に裂けて破損が発生したと考えられる 2 破損した部位付近にあたりが見られたことからその原因は家庭のアイロン掛けは中温であったが押え圧力が強く長時間で同様な操作を繰り返し行ったためにナイロン糸が溶融変形や硬化したことが考えられる 3 製品を着用中に突起物やカバンの金具などに引掛けて少し生地に引裂けが生じその後の着用時にその部位に力が加わり破れが広がったものと考えられる 4 製品は細身のシルエットのブラウスなので急いで着ようと袖を通すときや無理に脱ごうとしたときに身頃を強い力で瞬時に引張ったため生地が破損したものと考えられる (2) アパレルメーカーの段階 ( 解答 2つ ) 1 苦情品の生地は薄地織物で細デニールのナイロン糸を用いており元々強度が不足していたために細身のシルエットのブラウスなので着用時に強い力で引っ張られ裂けて破損したと考えられる 2 苦情品の生地に風合い硬化が見られたことから生地の染色仕上げで高い温度のセットをしたのでナイロン繊維が熱の影響を受けて熱変形し強度が低下していたためにブラウスの着用時に強く引っ張られ裂けて破損したと考えられる 3 苦情品の生地にあたりが部分的に見られたことから縫製工場のプレス仕上げの温度や圧力が高かったのでナイロン繊維が熱変形し強度が低下していたために着脱時に強く引張られて裂けて破損したと考えられる設問 3.(14 点 ) 発生原因を確認するための試験方法 (1) 消費者の段階の原因を確認する試験方法 ( 解答 1 つ ) 1 苦情品の破損部分を顕微鏡で拡大観察する特定の繊維が破損しているか溶融して他の繊維と融着状態にあるかなど調査するそしてよこ糸のみが溶融していることを確認する 2 苦情品の耐アイロン性の試験を行うアイロンの温度 ( 低温中温高温 ) 圧力時間の条件を変えて試験を行い糸の溶融の有無や生地の硬化あたりの有無を確認する 3 苦情品の破損部分の生地強度試験を行う引裂強さ試験 (JIS L 1096 D 法ペンジュラム法 ) を行い生地の強度を調査し事前の試験結果と比較して強度低下の有無を確認する (2) アパレルの段階の原因を確認する試験方法 ( 解答 1 つ ) 1 苦情品及び同一新品の生地について生地強度試験 ( 引裂強さ引張強さ ) を行い薄地の品質基準を満たす強度を有しているかを確認する目付や風合いなどの生地規格に違いがないかを観察し各パーツの生地を選んで試験する 2 同一の新品生地を用いて製品仕上げをセット温度や時間圧力の条件を変えて行い生地表面の変化を調査する緩い条件から厳しい条件を各設定しあたりや風合い硬化が生じるかを確認する

3 設問 4.(28 点 ) (1) アパレルメーカーとしての対策 ( 解答 2つ ) 1 ナイロン繊維はナイロン6と考えその軟化点が 180 融点が 215~220 なので高い温度でのヒートセットやアイロン掛けであたりや溶融が生じ硬化破損が生じる場合があるよって軟化点や融点がさらに高く耐熱性のあるポリエステル (PET) 糸に変えることが必要である 2 苦情品のようにアイロン掛けが必要で細身で着脱時に局部的に負荷が掛かりやすい製品にはできるだけ耐熱性や強度の高い薄地素材を用いるか厚目の生地設計にして耐熱性や強度を上げる必要がある 3 製品の取扱い絵表示 (JIS L 0217) は中温アイロン (302) にあて布を付けたり注意表示にはアイロン掛けは一箇所にあまり強い圧力で長時間行わないなどを付記し消費者に十分な情報を提供する 4 製品は薄地素材を考慮して無理なサイズのシルエットにはせず少しゆとりを持たせて着用時に負荷が掛からないようにデザインや製品寸法を設計する (2) 消費者 ( 解答 2つ ) 1 製品をアイロン掛けするときは取扱い絵表示をよく見て指定された温度や条件注意表示をよく確認して行う 2 製品のアイロン掛けによる破損を避けるためには適正な温度 ( 中温 ) であて布をする 3 製品の洗濯後のしわを伸ばし美しく仕上げるには霧吹きやアイロン掛け用のりなどを用いてアイロン掛けを高い温度や強い押え圧力で行わずに済むように工夫をする 4 製品を購入時には試着をして体型に合ったゆとりのあるサイズの製品を選び着用中や着脱時に強い負荷が局部的に掛からないように注意して取扱う問 2 [ 解答のポイントと配点 ] この問題は格子柄プリントのニットセーターにおけるリバース現象と風合い変化を苦情例としている 2つの現象を組み合わせることによりその発生原因が消費者の着用や取扱いによるものクリーニング業者の取扱いによるものの 2 種類に及ぶことをにおわせている問題中にヒントとなる状況を入れることにより解答者に答えやすくし苦情の原因から再発防止に至るまでの解答内容を求めているなおこの解答のポイントは代表例でありこれ以外でも的確な内容もありうる設問 1.(30 点 ) (1) 苦情品について観察すべき事項 ( 解答 2 つ ) 1 脇の下は汗を多くかき強い摩擦が起きる部分でその部分のみの特殊な現象なのか確認のため脇の下周辺以外にも同じような現象がみられるかまた脇の下周辺が収縮していないか観察する 2 どのような取扱いがなされたかを予測するために新品と比較して白っぽくなっている度合いや風合い変化がどの程度かまた苦情品の編地の伸縮性はどの程度変化しているか観察する 3 糸の撚りや編組織の設計によってはこのような問題が起きやすいため糸の撚りが甘すぎないか編組織がルーズでないかなどを観察する 4 アームホールのデザインやプリント柄によってはこのような問題が起きやすいため運動時に余裕のあるデザインになっているかまたプリント柄の大きさはどのようなものかなどを観察する (2) 消費者に聞き取るべき事項 ( 解答 2 つ ) 1 セーターにゆとりのない場合は脇の下で摩擦が生じやすいため購入したときにサイズが

4 適正であったかどうか購入しておろすまでの間に体形が変わらなかったかどうかアームホールにゆとりがあったかなどを聞き取る 2 羊毛繊維は水分の影響を受けやすいため着用中に過度の汗をかいたかどうか雨に濡れることはなかったかなどを聞き取る 3 洗濯条件によってはこのような問題が起きやすいため汗をかき汚れたので家庭で部分的に水洗いをしなかったかどうかまた汗をかいたり雨に濡れた状態でクリーニングに出さなかったかなどを聞き取る (3) 販売店がクリーニング業者に調査すべき事項 ( 解答 2 つ ) 1 着用中にすでに変化していたかどうかを確認するためクリーニング受付時に白っぽく柄がぼやけていたり風合いが硬くなっていることを確認したかどうか調査する 2 濡れた状態でドライクリーニングすると羊毛繊維が水分の影響を受けやすいためクリーニング受付時に脇の下周辺が濡れていなかったかどうかまた濡れた状態でドライクリーニングをしなかったかどうかなどを調査する 3 羊毛繊維はクリーニング中の水分と摩擦の影響を受けやすいため他のものといっしょに洗いクリーニング溶剤の水分濃度があがっていなかったかどうかまた強い擦れを生じなかったかどうかなどを調査する 4 汗の汚れを落とすため脇の下周辺をタオル等で擦らなかったかどうか調査する設問 2.(28 点 ) (1) 発生している現象 ( 解答 2 つ ) 1 柄が白っぽくなった現象はウール地のプリント柄に反転 ( リバース現象 ) によるものである羊毛繊維の表面にはスケールがあり水分が付着した湿潤状態で揉まれると繊維は一方向に進み移動するプリント製品は表側は染まっているが裏側は染色されないままの状態が多く表側の繊維が裏側に移動し裏側の染まっていない繊維が表側に移動する 2 風合いが硬くなっていた現象はウールのフェルト化による収縮によるものである羊毛繊維の表面にはスケールがあり水分が付着した湿潤状態で揉まれると繊維は一方向に進みフェルト化が発生するフェルト化した部分は寸法変化とともに組織が乱れ毛羽立ったり密度が高くなり風合いが硬くなる (2) 消費者の着用取扱い段階での原因 ( 解答 1 つ ) 1 セーターのサイズが合わないのに無理をして着用し雨にぬれてしまったため脇の下の部分が湿潤状態で擦れて糸返りによる柄の反転およびフェルト化が発生した 2 スポーツなどをして過度に汗をかいたため脇の下の部分が湿潤状態で擦れて糸返りによる柄の反転およびフェルト化を発生させてしまった 3 汗をかくなどして脇の下の部分が汚れたため絵表示を無視して部分的に手洗いなどをしてクリーニングに出すまでに柄の反転やフェルト化が発生していることに気がつかなかった (3) 商業クリーニング段階での原因 ( 解答 1 つ ) 1 脇の下が汗などで湿潤状態になったまま気がつかずにドライクリーニングをしてしまい洗いやタンブラー乾燥時での機械力により脇の下の部分が擦れて糸返りによる柄の反転およびフェルト化を発生させてしまった 2 汚れがひどいためチャージソープの水分濃度を上げ脇の下の部分が擦れるような状態でクリーニングをしてしまい糸返りによる柄の反転およびフェルト化を発生させてしまった 3 多くの他のものといっしょに洗いをおこなったため脇の下の部分が異常に擦れた状態となりクリーニング中の水分の影響もあり糸返りによる柄の反転およびフェルト化を発生させてしまった設問 3.(14 点 ) (1) 柄が白っぽくなった現象に対する試験方法 ( 解答 1 つ )

5 リバースウールの柄反転を確認する試験方法 1 JIS L 1901 織物及び編物のリバース試験 (4 級以上 ) 水分を与えた後 TO 形試験機でもみ作用を加え糸の反転による色や柄の変化を標準写真と比較して判定する 2 簡易の手揉み試験を行う含水率 80% に調整し部分的に吸水させた試験片を人差し指と親指でつまみ手もみ試験を行い拡大鏡や顕微鏡で繊維や糸の状態を調べ糸の反転による色や柄の変化程度を評価する (2) 風合いが硬くなっていた現象に対する試験方法 ( 解答 1 つ ) フェルト化による収縮を確認する試験方法 1 編密度から寸法変化率を測定する ( 密度が高くなることによる風合い硬化 ) 格子柄の大きさや形を測定したり編密度 ( 単位長さ当たりのコース数ウエール数 ) を測定し正常部 ( あるいは新品 ) と比較することにより寸法変化を測定する 2 JIS L 1096 織物及び編物の生地試験方法寸法変化 C 法 ( 浸透浸せき法 ) や J 法 ( ドライクリーニング法 ) などで寸法変化率を測定する寸法変化の大きいものは風合い硬化につながる設問 4.(28 点 ) (1) アパレルメーカーの企画表示面からの対策 ( 解答 2 つ ) 1 事前に柄反転や寸法変化風合い硬化の確認をし基準値に満たないものは採用せず素材選定や糸の撚り編組織編密度などを見直し合格したもので企画する 2 脇の下の摩擦を極力少なくするためデザインやパターンでアームホールなどのゆとり量を多くとる 3 リバース現象が目立ちにくい大柄のプリントにしたり脇の下にはプリント柄がこないようなデザインにする 4 実際に着用試験を行い問題のある場合はスポーツなどを行う激しい運動は避けることなどのデメリット表示および取扱い注意表示をつける 5 洗濯シミ抜きの際湿った状態で強く揉んだり擦ったりしないように取扱い注意表示をつける (2) アパレルメーカーの生地素材面からの対策 ( 解答 2 つ ) 1 ウールプリント製品はスケール先端の改質やスケールの被覆などによる防縮加工をした素材を使用する 2 毛 100% ではなくアクリルまたはナイロン等の合成繊維との混紡素材を使用する 3 糸の中の繊維をできるだけ移動しにくくするため糸の撚りはできるだけ甘くしないようにまた編組織はルーズなものにしないようにする 4 柄反転してもわからないようにするため裏側まで十分染まるようなプリント法にしたりまたプリントに替わり先染め糸を用いて柄を出すようにする問 3 [ 解答のポイントと配点 ] この問題は茶色のスーツを購入した消費者が翌日着用したら上着とスカートの色がやや違って見えると友人から指摘された事例に関するものであるそしてこのようにスーツ企画でありながら上下の色目が微妙に違う要因が生地段階染色工程縫製工程においてどのような原因があるかまた演色性メタメリズムにより上下の色がやや違って見えたのかを問うているなお解答のポイントは代表的な例でありこれ以外でも的確な内容もありうる設問 1.(30 点 )

6 (1) 苦情品について観察すべき事項 ( 解答 2つ ) 1 上着とスカートの生地が同じものかを確認するためにそれぞれの織組織織密度目付生地の厚みなどを調査観察する上着とスカートの生地が違えば染色差がでるため発生原因が推察できる 2 上着とスカートの色差について太陽光 ( 自然光 ) 標準光源蛍光灯白熱電灯それぞれの光源下で演色性やメタメリズムによるものかどうかを調査観察するあらゆる光源下でも色差があるなら演色性メタメリズムによる色差ではないことが推察できる 3 上着とスカートの生地の方向性 ( タテ使いヨコ使い ) が同じかどうかを調査観察する上着とスカート及びパーツでの生地のタテヨコ使いがあれば光の屈折によって色差が推察できる 4 上着とスカートの色差が全体的なのかパーツで違うのか部分的に変色しているのかを観察する上着とスカートで色差があるのなら生地のロット違いパーツで色差があるのなら生地の方向性の違いまたは染色の中希エンディングの問題部分的変色であれば紫外線や酸化窒素ガスの影響が推察できる (2) 消費者から聞き取るべき事項 ( 解答 2つ ) 1 上着とスカートは単品の組み合わせでなくスーツ企画として購入したかまた風合いの相違など購入時に上着とスカートの生地の違いを感じなかったか聞き取り色差の要因を推察する 2 購入店で試着はしたかまた色の確認はどのような光源であったかを聞き取り演色性やメタメリズムによる色差なのかを推察する 3 友人から色差を指摘された時の光源は何であったかを聞き取り購入店での光源を確認し演色性なのか染色ロット違いなのかを推察する 4 上着とスカートのサイズは同じものを購入したかを聞き取りロット違いの生地が使用されてないかを推察する (3) 販売店がアパレルメーカーに対して調査すべき事項 ( 解答 2つ ) 1 陳列商品は生地を染色後縫製するまでの期間また縫製後どの位の期間が経過しているかを調査し外的な要因での問題はなかったかを推察する 2 上着とスカートは同時に縫製されたのか別々に縫製されたのかを調査し同じロットの生地が使用されていたのかを推察する 3 他の販売店で同様の申し出はないかを調査し生地での問題か製品での問題かを推察する 4 染色堅ろう度特に耐光試験酸化窒素ガス試験結果は問題なかったかを調査し陳列時に起因したものかどうかを推察する設問 2.(28 点 ) * 考えられる発生原因 (1) 生地や染色加工の要因 ( 解答 2つ ) 1 精練ロットの異なる生地や染色ロットの異なる生地を縫製工場に投入し上着とスカートをロットの異なる生地で縫製したため色差が生じた 2 2 社の染工場で染色された生地が縫製工場に投入され上着とスカートが異なる染工場で染色された生地で縫製されたため色差が生じた 3 1 反の中から上着とスカートを縫製したが反物の両耳間の色差 ( 中希 ) や反頭と反末間の色差 ( エンディング ) が生じていた 4 染工場を 2 社に分けていたため上着とスカートの生地を染めた染料レシピが間違って色差が生じた (2) 縫製の要因 ( 解答 2つ ) 1 同一反物から上着スカートを裁断してなかったため色差が生じた

7 2 上着とスカートの生地の方向性 ( たてよこ ) を間違えて縫製したため光の屈折違いにより色差が生じた 3 縫製工場が上着とスカートで生地の裏表を間違い縫製したため色差が生じた 4 生地を長期間高温多湿の場所に保管し紫外線および酸化窒素ガス等の影響で変退色していたものを気づかず縫製した設問 3.(14 点 ) * 設問 2の (1) と (2) の原因を確認するための方法 (1) 生地や染色工程の要因からの確認方法 ( 解答 1つ ) 1 上着とスカートの生地組織繊度密度目付が同じかどうか公的試験機関に依頼するか自社 ( 自分 ) で顕微鏡等を使い生地の比較を行い上着とスカートが全く同じ生地かどうか確認する 2 上着とスカートの生地が同じ染料で染められているかコンピューターカラーマッチング (CCM) システムを用い確認する 3 上着とスカートの新品の生地をカットしそれらの寸法変化風合い強度などの測定を行い苦情品の生地と差があるかどうか比較確認する (2) 縫製の要因からの確認方法 ( 解答 1つ ) 1 アパレルメーカーからの縫製仕様書を取りよせスーツ企画か単品企画かを確認しスーツ企画であれば同一反から上着スカートを裁断するように指示されていたかを確認する 2 上着とスカートの生地の方向性があっているかまた生地が裏使いされていないかを拡大鏡等で確認する設問 4.(28 点 ) * この事例の再発を防止するために (1) アパレルメーカーの対策 ( 企画生産 )( 解答 2つ ) 1 精練染色ロットの同じ生地を縫製工場に入れ 1 反の中から上着スカートを裁断するよう指示する 2 縫製工場にロット番号の徹底管理を行うように指示する 3 染色工場は 1 社に限定し出来るだけ色差が起こりうる要因をなくす 4 最終整理工場での検反時中希エンディングや特に反間での色差を厳しく検査し縫製工場にスーツ企画であることを連絡する (2) 販売店消費者が注意すべき事項を ( 解答 2つ ) 1 販売店は消費者が購入する時点でスーツ上下の色は光源によって色差が出る場合があるのであらゆる光源下で色を確認するよう説明する 2 販売店はスーツ上下の変退色トラブルを避けるため高温多湿の場所や紫外線の当たる場所に長期の陳列展示はしない 3 消費者は購入前に試着し光源の違う場所で色を確認し購入する 4 消費者は販売店に上着とスカートはスーツ企画なのか単品企画なのか確認して購入する

(2)< 苦情 2について > a. 縫製状況や縫製条件が影響していると考えられるため苦情品を縫製したのは何月かその時の工場の温湿度はどれくらいであったかを工場に問い合わせる b. ハイグラルエキスパンションは保管時の湿度に影響されるため家庭での保管方法保管場所の湿度などを聞き取る c. ハ

(2)< 苦情 2について > a. 縫製状況や縫製条件が影響していると考えられるため苦情品を縫製したのは何月かその時の工場の温湿度はどれくらいであったかを工場に問い合わせる b. ハイグラルエキスパンションは保管時の湿度に影響されるため家庭での保管方法保管場所の湿度などを聞き取る c. ハ [Ⅳ] 事例試験問題解答のポイント事例の試験では繊維製品の品質性能に関する消費者苦情の発生を未然に防止するための応用能力の有無が問われる 2 つの問題から 1 つの問題を選択する方式を取りこれらの問題は繊維製品の品質苦情ガイドで分類されている 7 分野から複合問題として出題されているそれぞれの設問は苦情を解決するための道筋をヒントも交えて問う構成としているが設問の問いかけに合わない解答や

平成25年度 事例問題案（GLHJ No

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