図 1 日本のスギ丸太生産量の推移資料 : 木材需給報告書 丸太生産量 (1000m3) 年 図 1 日本

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1 Ⅰ 原木広域流通モデル総論 1. 広域連携による原木の安定供給とは? 本報告書は 原木の安定供給に向けた広域連携のあり方を検討したものである 原木の安定供給という政策課題が出始めたのは 昭和 58 年度に実施された林野庁の事業 国産材安定供給基地づくり の頃からである それ以後 現在に至るまでこの課題はわが国の国産材振興にとってきわめて重要な課題であった では 国産材安定供給基地づくり が実施された当時の 原木の安定供給の課題とは次のようなものであった すなわち 需要者が国産材に対して最も期待することは何か それは供給が質 量 価格に関して安定的 ( 固定的という意味ではなく ) に行われるということである とくに 量的に不安定であるというのが国産材供給の最大の欠点とされてきた この欠点を克服していかなければ いくら資源が充実してきたからといって そう簡単に国産材時代を迎えることは困難である 国産材も資源的に少ないうちはあまり需要確保とかマーケッティングには気をつかわなくてもよかったが これからはそうはいかなくなる 国産材安定供給基地づくり事業は 国産材供給のもつ不安定さを ある一定の地域をまとめることによって克服し 資源的に増大してくる国産材を確実に需要に結びつけていくために足腰の強い供給体制を作っていこうとするものである ( 橋本智他著 国産材時代を創るー国産材安定供給基地づくりー 林業改良普及双書 87 全国林業改良普及協会 昭和 59 年 49~50 頁 ) 現在でも十分に当てはまる指摘である しかし 広域連携を図りながら原木を安定的に需要に結びつけていこうという考え方が浮上してきたのはここ数年のことである もっとも原木の広域流通そのものはかなり古くから見られた現象であった 例えば 素材流通業者 ( いわゆるブローカー ) がA 市場から丸太を購入して より単価の高いB 市場へ転売してその差額を利益として得ることなどは昭和 50 年代中頃までは広範にみられた また ヒノキのように資源が地域的に偏在している場合 需要サイドがかなり広域にわたってヒノキ丸太を集荷することがみられた ( その典型は 東濃ヒノキ ) さらに現在でも 例えば青森県のように 県内にスギを消費する製材 加工業がほとんどない地域では 県境を越えて隣接の秋田や岩手の需要地へ原木が移出する現象も全国的にみられる しかし 本報告書でとりあげた 原木の安定供給に向けた広域連携のあり方 を探るというのは これらとは多少ニュアンスが異なる やはり時代の変化に対応した新しい原木の安定供給の仕組みづくりということであろう 2. 原木の大口需要の発生 その背景には 2000 年代に入ってからの国産材丸太の急増がある 特に 2003 年以降 スギ丸太の生産量が増加に転じたが ( 図 1) この背景には 国産材製材業の規模拡大や合板業界でのロシア材や米材からスギへの樹種転換がある 1

2 図 1 日本のスギ丸太生産量の推移資料 : 木材需給報告書 丸太生産量 (1000m3) 年 図 1 日本のスギ丸太生産量の推移 資料 : 木材需給報告書 まず国産材製材 加工工場大手は表 1のように大規模化が著しいし 表 2のように最近では新たな大型製材 加工工場の稼働 ( 予定も含む ) も始まっている 一方 合板工場の国産材消費もリーマンショックなどあり一時期減産を余儀なくされたものの増加基調にある その増加量は図 2に示したように驚異的である このように製材 加工業の規模拡大 合板業の国産材消費量の増加など国産材の大型設備投資には目を見張るものがある そして 原木の安定供給という視点から両者に共通して言えることは 大口需要の発生ということである 例えば 表の上位にランクされている木脇産業 ( 宮崎県都城市 ) のスギ原木消費量は 13 万 5000 m3である 月間 1 万 1250 m3の消費量である 単純に月 23 日稼働として計算すると 1 日当たりの挽き量は489m3に達する 約 500 m3である 10 トントラック50 台が同社の土場に出入りすることになる いかに大口の需要であるかが窺い知れる 3. 大口需要に対応した新たな素材流通の担い手の誕生 そしてこれらの大口需要に対しての原木の安定供給とは 従来の原木市売市場経由とは異なった新たな流通構造が形成されつつある すなわち直送のパイプの増大であり またそれを担う新たな素材流通の担い手の誕生である 2

3 それらをいくつか例示してみると 次のタイプに分類できる 第 1 のタイプは 数こそ まだまだ少ないが 都道府県森林組合連合会の商社化である ここでいう商社化とは 1 素材生産業者 ( 単位森林組合の林産事業及び民間の素材生産業者の素材生産 ) と製材 加工業 合板業などの仲介をしながら丸太の販売業務をすること 2 商取引だけでなく与信機能の一部も担っていること 3 立木の購買や丸太の購買にも積極的に参入していること などである こうした商社化が従来の丸太の売市業務と大きく異なることは明らかである すなわち これまでの原木市売りは いわば丸太が欲しい者はセリに参加して落札し 相応の金額を置いていけばそれでおしまいというビジネスであったが 商社化した都道府県森連は こうした 売ってやる という 士族の商法 から脱却して 1~3の業務を担うようになった 大きな変化である その典型的な例が 青森県森林組合 栃木県森連 岐阜県森連 宮崎県森連などの活動である ここでは青森県森連を紹介する 青森県森連の丸太取扱量 ( 系統事業 ) は平成 18 年度は 9 万 8000 m3であったが 平成 21 年度には 29 万 2000 m3と 3 倍の伸びを示している 青森県内にはスギを消費する製材 加工業などがほとんどないため県外への移出が中心であるが 東北各地の製材工場 集成材工場 合板工場などへ丸太を販売しているが 航路 ( 日本海側の七里長浜港 陸奥湾内の野辺地港 太平洋側の八戸港など ) を利用して北陸や山陰へも合板用スギ丸太を移出して 3

4 いる 丸太はすべて納入場所における買取りである そして 買い取った丸太を仕訳して それぞれの大口需要に供給している 素材需給量 ( 千 m3) 6000 図 2 外材 国産材別合板用素材需給量の推移資料 : 木材需給報告書 国産材外材 年 第 2のタイプは 国生協や素生協などが 大型製材工場 集成材工場 合板工場などへ丸太を供給するために新たに再編された組織である これは東北などの国有林地帯でみられるが その代表例が協同組合ノースジャパン ( 盛岡市 ) である ノースジャパンの母体は平成 15 年 4 月に設立された岩手県素材流通協同組合である 合板工場向けの丸太供給を中心に右肩上がりで事業量を伸ばしたが この過程で岩手県以外の素材生産業者 すなわち秋田県 青森県 宮城県の素材生産業者が協同組合に組合員として加入し 岩手県では括りきれないほどの丸太の集荷範囲が拡大した 設立当初 24 名だった組合員数が現在では 100 名を数えるまでに増加している 開設当時の丸太取扱量は 2 万 6500 m3であったが 平成 22 年度は 26 万 5000 m3の取扱量にまで増加した ノースジャパンでも八戸港を利用した航路による素材の供給を手がけている 4

5 第 3のタイプは 原木市売市場の商社化である これは原木市売市場が未成熟であった東北とは対照的に西日本でみられる その代表例は ( 株 ) 伊万里木材市場である 同社はもともと丸太と製材品を扱う市売問屋であったが 中国木材 ( 株 ) が伊万里に進出し米マツとスギの異樹種集成材 ( ハイブリッド ) 生産を開始したのに伴って 隣接する団地にスギラミナを供給する西九州木材事業協同組合を開設した これをきっかけに丸太の取扱い量を増加させた その特徴は同社のシステム販売と呼ばれる丸太の集荷販売方式である 同社では伐採 搬出労務班を 13~15 班抱え ( うち直営班は 3 班 ) 素材生産を行っている その月間丸太取扱量は 4 万 ~4 万 5000 m3に達する しかも特徴的なことは 素材生産を行った伐採跡地の再造林まで手がけていることである すなわち 森林所有者と立木売買契約を結ぶ際に 皆伐後 森林所有者に代わって伊万里木材市場が5 年間森林整備 ( 再造林と下刈り ) を行う契約を結び 5 年目の下刈り終了後に森林所有者に林地を返還するというものである これまでに約 30 箇所 50HA の実績を挙げている 4. 事業体別素材生産の特徴 以下では 素材生産の主要な担い手である森林組合 民間の素材生産業者 製材業者の特徴について概観しておく ( 木材建材ウィクリー No 年 2 月を参考にした ) (1) 森林組合森林組合の行う素材生産 ( 林産事業 ) の特徴は間伐が多いことである 特に2008 度以降は間伐と主伐の割合が逆転し 平成 21 年度は間伐が 188 万 5000 m3 (58.3%) と主伐の 134 万 6000 m3 (41.7%) を上回った この背景には 国が間伐に対する補助制度を設けているからで 特に森林組合に対しては育成林業整備事業などで切り捨て間伐にも補助金が支給されており 零細な森林所有者が森林組合に間伐を依頼して実施した場合でも同様である しかし平成 24 年度からはじまる森林環境保全支払事業では 森林経営計画の樹立と間伐が一体となった森林施業に補助の対象が移されることになっている これが今後の林産事業の整備拡充につながっていくのかどうかがポイントになる (2) 民間の素材生産業者民間の素材生産業の大半は小規模で個人経営である 2010 年世界農林業センサス によれば 受託もしくは立木買いによって素材生産を行った林業経営体は 3399 あるが このうち個人経営体が 51% その他の会社などの法人組織が 26% 森林組合が 15% のうちわけになっている さらに素材生産規模別の経営体では 54% が年間の素材生産量 1000 m3未満の小規模な事業体である この一方で 年間の素材生産量が 1 万m3以上の経営体数は 8% にすぎないが素材生産量の 55% を占めている こうした中で 林業作業 ( 植林 下刈など 間伐 主伐 ) では 素材生産業者などの会社が主伐の7 割を占めており 間伐のウエイトが多い森林組合とは対照的である また農林水産省が素材生産業者を対象に実施した調査 (2008 年公表 ) によれば 今後 安定的な経営を行うために取組みたい方策について質問したところ 作業の機械化 5

6 がもっとも多く (68%) 次いで 人材の確保 育成 (65%) 事業量の拡大 (48%) 事業の多角化 (22%) となった 以上から 民間の素材生産業者は高性能林業機械などの導入を望んでいるものの 実態としては生産規模が小さい零細経営であるため資金力に乏しく 高額な高性能機械への投資に消極的な姿勢であることが窺える しかし国内の人工林が本格的な利用期に入りつつあり これを資源基盤として前述のように製材工場が規模拡大をしたり 合板工場が国産材利用量を著しく増加させていることを考えれば 民間の素材生産業者の事業規模拡大や地域的な連携も視野にいれた原木の広域供給体制の確立が求められている (3) 製材業者の素材生産こうした森林組合や民間の素材生産業者の行う素材生産とは別に 製材業者が自ら素材生産を手がけるケースが多くなり その存在感は年々増している 前掲表 1および表 2のように 年間の丸太消費量が10 万m3を超える製材工場が続出する中 外部 すなわち原木市売市場 素材生産業者 国有林システム販売などからの購入だけでは必要量を確保することが難しくなりつつあることが背景にある 製材業者自らが素材生産 ( 立木購入 ) に乗り出すメリットは 丸太の低コスト安定調達が見込めることであるが その一方で 自社で製材できない径級の丸太やB 材 C 材の処理に難儀をきたすことである 下手をすれば赤字になりかねない しかし 合板 集成材の大口需要の増加や木質バイオマス需要の拡大に伴ってチップの需要が拡大しており B 材 C 材の受け皿が整備されつつある 条件次第では立木購入も採算ベースに乗る可能性も出てきたことが 大手製材業者の素材生産への参入に拍車をかけている 前出の木脇産業 ( 株 )( 宮崎県都城市 ) は外部からの調達を含めたグループの丸太集荷量は 16 万m3に達する 自社の 13 万 5000 m3を上回る材積である この集荷力をビジネスとして飛躍させようと 宮崎県内の有力素材生産業者 4 社 ( 木脇林業 井上林産 松岡林産 日北木材 ) を中心にフォーエバーウッド事業協同組合を設立した 安定出材をめざしたい素材生産業者と 原木の安定確保を実現したい製材業者の橋渡し役になりそうな可能性を秘めている 広域連携の1つのありかたであることはまちがいない 以上をまとめると次のようになる すなわち 2000 年代に入って 製材 集成材 合板需要の拡大によってスギを中心とする国産材丸太の生産量が増加したが このことは換言すればこれまでの需要と異なって大口需要 ( しかも直送 ) が発生したことになる こうした新たな需要に素材生産サイドが対応していくためには これまでの小規模 分散的な供給体制では不十分であり 広域連携を視野に入れた新たな供給体制の確立が焦眉の課題になっている 本報告書は こうした時代の変化を踏まえて 広域連携による原木の安定供給のあり方を検討するために 次の9つの地域を選定してビジネスモデルをつくってみた 6

7 5. 原木広域モデル地域選定の考え方 (1) 素材生産の動向 1 全国的動向本事業の取り組みに当たっては全国から9 地域を選定した その選定の考え方を説明する前に わが国の素材生産の動向について概観しておく 図 3( 興梠克久原図 ) は森林資源成熟度と森林生産力の関係を示したものである その地域的特徴点を整理すると次のようになる 第 1のグループは宮崎 熊本 大分 ( 九州中部 ) のように森林資源の成熟度が高く素材生産量も多い 第 2のグループは愛媛 高知 徳島 福岡 佐賀 ( 四国 北九州 ) で 森林蓄積は第 1のグループに比べて遜色がないものの 素材生産量はそれほど多くないのが特徴である 第 3のグループは栃木 茨城 福島 ( 東北 北関東 ) で森林蓄積は第 2グループに比較すると少ないものの 第 2グループと同じような素材生産量を実現している地域である 以上 しごく当然のことであるが 森林資源の成熟度と素材生産量には相関関係が見出せるものの 例外的なのは和歌山 奈良などのように森林資源の成熟度が高いにもかかわらず素材生産量が少ない地域の存在である これらの地域はかつて先進林業地といわれた地域であるが 木造軸組住宅が真壁工法から大壁工法へと大きく転換したため 良質材の需要が減少したことが素材生産量の減少につながっているものと考えられる 2 素材生産の地域性以上のことは素材生産の地域性にもそのまま反映されている 図 4は県別のスギ素材生産量の推移を指数で示したものであるが スギ素材生産量を増加させている九州 年代は低迷していたものの 2000 年代に入って増加に転じた東北地域 減少の一途をたどっている東海 近畿という地域性を表している 7

8 図 3 森林資源の成熟度と森林生産力 ( 興梠克久原図 ) 以上の素材生産の動向を視野に入れながら以下 9 つの地域を選定した 指数 (%) 180 図 4 地域別スギ素材生産量の推移 ( 割合 ) 資料 : 木材需給報告書 注 :1985 年 =100 とした指数 全国東北九州東海近畿中国 年 資料 : 木材需給報告書 図 4 地域別スギ素材生産量の推移 ( 割合 ) 注 :1985 年 =100 とした指数 8

9 (2) モデル地域の選定 原木広域流通モデル地域 石狩 胆振 東北北部 飛騨 石川 福島南部 北関東 中国東部 東三河 静岡西部 阿波 土佐 愛知 三重 豊後 日向 原木流通広域会議開催地 1 石狩 胆振 ( 北海道 ) 札幌市 2 東北北部 ( 青森県 秋田県 ) 秋田市 3 福島南部 北関東 ( 福島県 茨城県 栃木県 ) 宇都宮市 4 飛騨 石川 ( 岐阜県 石川県 ) 金沢市 名古屋市 5 東三河 静岡西部 ( 愛知県 静岡県 ) 浜松市 名古屋市 6 愛知 三重 ( 愛知県 三重県 ) 伊勢市 名古屋市 7 中国東部 ( 岡山県 鳥取県 ) 津山市 8 阿波 土佐 ( 徳島県 高知県 ) 徳島市 9 豊後 日向 ( 大分県 宮崎県 ) 佐伯市 大分市 9

10 1 北海道石狩 胆振地域 2010 年の北海道の素材生産量 ( 針葉樹 + 広葉樹 ) は 391 万 9000 m3で 対前年比 7.6% 増と 3 年ぶりに増加に転じた この背景には 製材工場や合板工場による道産カラマツやトドマツ丸太の需要が拡大したことがある また ロシアにおける丸太輸出関税率のアップが予想される中 外材輸入の減少が起こっている こうした状況を考慮し 石狩 胆振地域を中心とした広域連携による原木の安定供給のあり方を検討したが かならずしも石狩 胆振地域にとどまらず 道全体の課題にも言及している 2 東北北部地域具体的には秋田 青森での広域連携のあり方を検討すべくモデル地域として選定した 両県を含む北東北はセイホクグループを中心とした合板工場が多く立地し これまでの北洋材丸太 ( 主として北洋カラマツ ) や米材の代替としてスギ カラマツ アカマツの消費量が増加してきた その反面 国産材製材業は地盤沈下の兆しを示しており こうした窮状を打開すべく 秋田県においては秋田製材事業協同組合を事業主体として大型スギ量産製材工場が建設中であり 順調にいけば 2012 年 4 月から稼働する見込みである したがってこの地域では 製材用材 (A 材 ) 合板用材(B 材 ) チップ用材(C 材 ) を効率よく仕訳して各需要へ供給していくための広域連携のあり方が問われている 3 福島南部 北関東地域福島 栃木 茨城 3 県にまたがる八溝山系をとりまく形で有力な国産材製材工場が多数立地している その原木の需給量は90 万m3にも達するといわれている また表のように 茨城県では宮の郷木材事業協同組合が設立され 構造用集成材のラミナ挽きの量産工場が試運転を経て稼働をする予定であり 原木の需給をいっそうタイトなものにすることが予想されている こうした中で この地域の素材生産の特徴は間伐が多いことであり 今後 広域連携を視野に入れながら原木の安定供給体制を構築していくためには 小面積皆伐をいかに実施するのか そして伐採跡地の再造林をいかにして担保していくのかが大きな課題になっている 4 飛騨 石川地域飛騨 ( 岐阜県 ) はヒノキの産地で 小規模な製材工場が多数立地していたが 多くの工場が力を弱めている 一方の石川県は 福井 富山とならぶ北陸に一角を形成し どちらかというと素材生産はそれほど盛んではなかった しかし石川県に立地している合板工場が 従来の北洋材から国産材丸太への利用へと大きく転換しているし 岐阜県においても資源立地型の新しいタイプの合板工場が稼働を始めた こうした大口需要の発生に対していかに連携を図りながら原木の安定供給体制をつくりあげていくか その検討をふまえてビジネスモデルを提案したい 5 東三河 静岡西部地域静岡西部地域はいわゆる先進林業地 天竜を擁し これに隣接する東三河も新城 鳳来など林業地である 特に天竜林業地は前述のように スギ素材生産量を減少させているだけに ( ヒノキも同様 ) どのような需要に結びつけて林業地としての再生を図っていくか 10

11 が大きな課題になっている 地域内ではスギ製材の量産化の取り組みも含めて新しい動きが見えはじめており 先進林業地における広域連携のあり方を検討するには恰好の地域として選定した次第である 6 愛知 三重地域この地域も (5) と一脈通じる地域である すなわち 三重には尾鷲林業地と松阪の国産材製材産地があり かつて国産材をリードした地域である しかし当地域でも 京都府 岐阜県 石川県などの合板工場向けのB 材 C 材供給が始まり 製材向けのA 材との仕訳を視野に入れながら 原木の安定供給体制を検討していく必要がある 以上から4~6の3 地域は一括りで原木の安定供給のあり方を検討してみる視点も有効であろう 7 中国東部地域当地域は岡山 鳥取である もう少し具体的にいえば 岡山は県北の真庭 勝山地域であり 原木市売市場の丸太の緻密な仕訳 配給機能を中心としたヒノキの有力産地である 一方の鳥取は 若桜 智頭の古いスギ材産地が有名であるが 日南町にスギLVL 製造の ( 株 ) オロチが開設され話題を呼んでいる また 広域連携という視点から範囲をもう少し広げると 鳥取県と隣接する島根県には日新グループを中心とした合板工場が立地している こうした新旧の需給が交錯している地域で どのような広域連携のモデルができるのかが課題である 8 阿波 土佐地域この地域は阿波 ( 徳島県 ) と土佐 ( 高知県 ) で 両者を対象とした広域連携のあり方を検討したものである 徳島県はかつてわが国有数のスギ材産地であり 阿波のスギ三分板 などの言葉に象徴されるように 板挽きを中心とした産地として名を馳せた 一方の高知県も国有林 ( 梁瀬スギ ) を中心としたスギ材産地であったが 西部地域は幡多ヒノキに代表されるようにヒノキの産地でもある 両地域いずれも古い産地であるが 新しい動きがみられる 徳島県には 製材 合板 製紙 MDFといったいわゆるA 材 ~C 材を消費する需要構造がある 一方の高知県にも構造用集成材のスギラミナ挽きの量産工場が開設される予定になっている こうした新しい需要も含めて 両者がどのような広域連携を図りながら原木の安定供給を実現していくかが課題である 9 豊後 日向地域当地域は宗太郎峠 ( 大分 宮崎の県境 ) を挟んで 戦後の拡大造林が早期に開始された地域である 大分県南には佐伯広域森林組合の大型量産工場が稼働しているし 大野郡森林組合も製材工場を設置している また 佐伯市には中国木材大分工場が稼働している 3つの工場でスギの消費量が約 14 万m3に達する 一方 宮崎県の日向地域には耳川広域森林組合や耳川林業事業協同組合の工場が稼働している こうしたスギ材の需要に対して 森林組合 民間の素材生産業者がどのように連携して原木の安定供給を実現していくのか そのあり方を検討する ( 遠藤日雄 ) 11

12 Ⅱ 原木広域流通モデル各論 1. 胆振 石狩地域における原木の広域流通 (1) モデル地域の森林 林業の現状 1 森林資源の状況北海道の森林面積は 554 万 ha で総面積の 71% に当たり, 道民一人当たりでは約 1ha と全国平均の約 5 倍となっている (2010 年 ) 国有林や道有林の割合がそれぞれ 55%,11% と高く, 私有林の割合は 28% と低いこと, 人工林率は 27% と比較的低いことが特徴である しかし, 面積は 151 万 ha(2009 年 ) と広大で, エゾマツ 78 万 ha, カラマツ 45 万 ha, トドマツ 16 万 ha 等となっており, 人工林資源の大半はエゾトドとカラマツで占められている 森林蓄積は 7.2 億 m 3 で, エゾトドやカラマツ人工林の生長により 1980 年代以降増加している 特にこの 10 年は人工林蓄積の増大は顕著で,2001 年 1.87 億 m 3 から 2009 年には 2.23 億 m 3 と 1.2 倍になっている また, エゾトドは 7 齢級にピークがあり, 育成途上の林分がまだ多くを占めているのに対し, カラマツは 8 齢級にピークがあり, 主伐期の林分が多くを占める 2 木材需給の概要北海道全体では 392 万 m 3 の素材が生産されており, そのうちエゾトドが 130 万 m 3, カラマツが 187 万 m 3 とこの 2 つで大半を占め, 総供給量 ( 輸入製品は丸太換算 ) に占める道産材の割合は 56% となっている (2010 年度実績 ) エゾトドは製材用 77 万 m 3, パルプ用 41 万 m 3 の 2 つがほとんどを占めているのに対し, カラマツは製材用が 96 万 m 3 と半数を占めるものの合板用 25 万 m 3, パルプ用 37 万 m 3, その他 29 万 m 3 と多用途向けの素材生産が行われている 表 -1 北海道の木材需給の概要 (2010 年度実績 ) 丸太供給 丸太需要 区分 実数 ( 千 m 3 ) 構成比 (%) 合計 エゾトド等 カラマツ 広葉樹 合計 エゾトド等 カラマツ 広葉樹 道産材 : 製材用 1, 道産材 : 合板用 道産材 : パルプ用 1, 道産材 : その他 道産材合計 3,919 1,304 1, 輸入丸太 合計 4,038 1,352 1, 輸入製品総供給 2,961 1, , ,999 2,493 1,875 2, 資料 : 北海道水産林務部 平成 22 年度木材需給実績 注 : 輸入丸太の 56% が製材用,48% が合板用 輸入製品の 78% がパルプ用,22% が製材用 道産材率 56%( 輸入製品は丸太換算 ) " 12

13 3 木材流通の特徴北海道における木材流通の特徴は, 基本的に原木市売市場がなく, 山元から製材工場等への直送が広く行われており, 近年は東北への合板用ある他の移出が急増するなど, 原木の広域流通が進展している まず, 北海道内で生産された素材の 37% がパルプ用材であり, 大手製紙資本 O 社や N 社の関連会社である O 木材や N 木材等を通じて主に山元からの直送によって原木が供給されている O 木材や N 木材は製紙用丸太だけでなく製材用丸太, 合板用丸太の流通も担っている 1970 年代から 1990 年代前半頃までは, 大手製紙資本と北海道森林組合連合会がパルプ材供給協定を結んでいたようであるが ( 当時は価格を前決めせず数量のみを決める協定内容 ), 流通体制がほぼ確立したということで, 道森連との協定取引は現在はない 合板用丸太については, 道東に立地するカラマツ合板企業 ( 単板製造工場 ) に対して, 国有林, 道有林, 民有林のそれぞれの林業関係団体による原木広域集荷システムが展開し始めており, 原木流通合理化の取り組みが進められている これらの取引ルートにおいて, 価格は協定を結んでいるわけではなく, 市況を参考に双方協議によりその都度決め, これまでの取引実績, 在庫情報等に基づき取引されているようである 国有林, 道有林, 道森連が集まって供給協議をすることは特別にはない ( 素材生産流通 ) ( 単板製造 ) ( 合板製造 ) 国有林 ( 素材販売 ) ( 単板販売 ) 道有林 T 単板協組 M 産業 その他民有林 ( 道森連 ) 年度 原木消費量 (m 3 ) 167, , , ,825 図 -1 北海道内合板メーカーへの原木 単板安定供給体制 資料 : 林野庁業務資料 さらに, 合板用丸太 ( カラマツ ) の本州への移出が商社 ( 例えば,B 社,S 社,N 木材など ) によって行われている 森林組合系統は直接には原木移出に携わらないが, 港で商社へ売り渡している 国内船便による原木の広域流通という, これまでにあまり例のない取引が 2000 年代後半以降活発化し, 立木価格の上昇など山側への影響も大きかった 次ページに掲げる表は北海道の素材の移出入の概要を示しているが, カラマツの移出量のほとんどが本州向け合板用丸太移出分と考えられる 北海道産カラマツ丸太の移出量はリーマンショック直前がピークで, 年度で言えば 2008 年に 29 万 m 3 を記録し, それ以降 13

14 は 10 万 m 3 台後半で推移している しかし,2011 年 3 月の東日本大震災で, 東北太平洋岸に立地する大型合板工場が被災し たため, 丸太移出が大幅に減少している 単位森林組合素材販売 ( 量は少ないもよう, 港渡し ) 商社等素材買取単位森林組合北海道森連素材販売 ( 港渡し ) 移出 本州合板メーカー 図 -2 北海道における森林組合系統の合板用丸太移出経路 資料 : 聞き取り調査 (20111 年 8 月 ) 表 -2 北海道の素材移出入の概要 国産材 外材 単位 :m 3 移出 移入 区分 上半期上半期 エゾトド 10,973 22,169 4, カラマツ 194, , ,692 88, スギ 18,127 16,193 4, ヒノキ その他針葉樹 6, 広葉樹 2,330 1,190 2, , 合計 233, , ,305 88,579 1, 針葉樹 , ,800 - 広葉樹 ,787 12, 合計 ,768 12,827 1,800 - 合計 233, , ,331 88,579 15,081 12,827 1,820 - 資料 : 北海道林務水産部 平成 21 年度素材移出 移入調査 (2) モデル地域の課題と広域連携のあり方 ( モデル ) 北海道では, 資源量の増大を背景に皆伐が増加傾向にあり,2001 年の 4,488ha から 2009 年には 8,043ha と 2 倍弱に増えており, 再造林の推進が大きな課題となっている 行政による助成のほか, 大分県森林再生機構の取り組みに見られるような, 林業 木材産業の関係業界が一丸となって再造林を推進する仕組みをいかに構築するかということについても今後検討が必要である また, カラマツについては生長量を超えた伐採が行われており, 現在は豊富に資源があるものの, 近い将来資源不足に陥るのではないかとの不安の声も業界から聞かれる 先述のようにエゾトドに比べてカラマツは多用途向けに生産されているが, このような資源の動向を踏まえると, 今後の用途別資源附存量の把握は不可欠となっている カラマツについては, 資源量の把握以外にも, 製材, 合板, パルプ, その他の多用途向けのバランスのとれた供給 ( 適切な仕訳等 ) が可能かどうか, 木材供給の季節的変動の平 14

15 準化 ( 定時定量取引 ) とそれによる製材工場の経営安定化, 長距離輸送上の諸課題 ( 帰り荷問題, 作業道規格の問題等 ) 等に基づいた検討が必要となっている 以上の点に関して,2011 年度に道央地域原木安定供給協議会が林野庁補助事業を活用して原木安定供給プランを作成しているが, その検討過程において現地調査に基づく伐採可能量のシミュレーションと今後 10 年間の径級別品等別伐採可能量の推定作業が行われている そうした資源情報を基盤にして, 原木供給側と需要側の原木のマッチングを行うことになっており, 当地域全体の課題に先行した取り組みとして注目される (3) カラマツ合板用丸太の本州移出構造の現状と課題国内船便による原木の広域流通という, 他地域には例を見ない特徴的な原木広域流通における問題点と課題に接近するため, カラマツ合板用丸太の本州移出を牽引していると言える商社 2 社の取り組みを事例に, 丸太移出構造の特徴と課題等について整理する 1 商社 B 社 a 事業, 組織の概要 B 社の総売上は 264 億円で, うち北海道支店取扱は 72 億円, そのうち原木取扱は 25 億円となっている (2010 年 ) 2010 年の原木取扱量合計は 27.1 万 m 3 で, うち北海道 20.8 万 m 3, 他は東北である 2011 年に原木営業担当部署を改組し, 東北営業室を素材営業部に組み入れ, 秋に東京 素材営業部に 1 名配置する予定で, 関東以西方面の原木取扱を担当することとなっている 素材営業部 ( 東京以西担当 ) (2011 年 1 名配置予定 ) 北海道営業室 ( 旭川 1 名, 北見 3 名, 苫小牧 1 名, 札幌 4 名 ) 東北営業室 ( 盛岡 2 名 ) 図 -3 B 社の原木営業部署の組織図 (2011 年 ) 資料 : 聞き取り調査 (2011 年 8 月 ) b 原木の用途別, 樹種別, 主間伐別取扱量と流通経路 ( 北海道 ) 2010 年の原木取扱量は 20.8 万 m 3, ピークは 2009 年の 25.7 万 m 3 で, 主間伐の割合ははっきりしないが, カラマツの 7 割は主伐, エゾトドほぼ 100% は間伐という B 社の関連企業である商社大手の M 社の社有林だけでなく, 一般民有林の原木買付けも行っている 合板用丸太は森林組合や素材生産業者から港で丸太を買い取るケースと,B 社が直接立木買いをして下請け業者に伐出させるケースとがあるが, 後者はまだ少ない 後者は供給調整弁的役割としての位置づけにある 10 数年前の M 社の十勝社有林から産出された木材を石巻の合板メーカーに移出したことがあったが, 数量は数千 m 3 とわずかであった その後,2006 年に合板用丸太の移出再 15

16 開し,2008 年は 14.5 万 m 3 と突出しているがそれ以降は 7~8 万 m 3 で推移している 2006 年当時, 移出をしていたのは当社のみで, 他社は翌年から参入している 前出の北海道における原木移出入の状況から,2010 年では北海道全体の合板用丸太移出の約 3 分の 1 を当社が担ったとみられる 当社でも東日本大震災後, 石巻方面への移出がストップするなど影響を受けたが, 当社は秋田方面への移出が中心なので, 東日本大震災の影響は次に見る S 社 ( 石巻方面への移出が主 ) に比べればそこまで大きくはなかった 表 -3 B 社 ( 北海道営業室 ) の樹種別木材取扱量 (2010 年 ) 樹種 数量 (2010 年 ) 摘要 エゾトド 5.9 万 m 3 国有林材がほとんど, 原木移出はなし一般製材用 90%( 羽柄, 土建用材を含む ), 合板用 10% 民有林材が主 ( 関連企業の商社大手 M 社社有林は10% 強 ) カラマツ 9.4 一般製材用 15%, 合板用 85%, スギ広葉樹パルプ材合計 移出量 7.3 万 m 3 ( 秋田方面 65%, 残りは石巻, 松江方面 ),7 割は十勝港より 資料 : 聞き取り調査 (2011 年 8 月 ) 表 -4 B 社 ( 北海道営業室 ) の合板用丸太の移出量の推移 年度 見込み 移出量 ( 万 m 3 ) ~8 資料 : 聞き取り調査 (2011 年 8 月 ) c 木材安定供給, 生産流通合理化の取り組み本来, 素材仕入れ価格は多少上下するが, 国産材を扱うには品質の安定 価格の安定 量の安定が不可欠であり, 合板メーカーへの売り値はその都度変えるわけにもいかず, 年間通じて安定した価格で販売しており, その差は業務の効率化等で商社が吸収する構造になっているのが現状である 2009 年より当社は国有林システム販売に参画している トドマツ加工業者等と当社が連名で森林管理局と協定を締結し, 伐出 輸送までは当社が担当し, 工場着でトドマツ加工業者に買い取ってもらうという仕組みである 年度によって協定出来る数量が不安定ではあるが, 民有林からの出材が不安定なカラマツに比べれば, トドマツは国有林が主なので比較的計画的に出てくる また, トドマツ ( 国有林 ) は今後主伐が多くなり, 供給増が見込まれるが, カラマツは 2008 年に当社が独自に行った資源想定によると,10~15 年後に供給資源が極端に少なくなる見込みとなり, カラマツの今後の供給不安定化が懸念される 当社は北海道ではニーズの少ない大径間伐材生産よりも積極的な主伐が必要だとしている ( たとえば, スギなら 38cm 下, トドマツなら 28cm 下 (60~65 年生 ), カラマツなら 40~45 年生 ) そのため, 伐採後の再造林は当社でも最も重要な課題として位置づけられ 16

17 ており, 再造林を支援する基金制度の創設を提唱するなどしている 2 商社 S 社 a 事業, 組織の概要 S 社は, 森林管理部門 ( 関連企業の大手住宅メーカー S 社社有林の管理 ), 営業部門 ( 国産原木 製品の取扱 ), 森林企画部門 ( 低コスト造林, 林地残材利用, 獣害対策などの面での技術開発 ) からなり, 四国, 九州, 北海道の 3 大事業所を中心に, 社有林管理部門と木材営業部門とに分かれて事業を展開している 北海道事業所の本部は紋別にあり, このうち札幌駐在所 (2011 年 4 月設置 ) は道北, 紋別, 根釧を除く道内をエリアとして木材 ( 合板用丸太が主 ) を取り扱う b 木材の用途別, 樹種別, 主間伐別取扱量と流通経路 2010 年度の札幌駐在所の原木取扱は合計 9.5 万 m 3, 主伐 9 割, 間伐 1 割であった 用途別内訳は合板原木 (C 材 ) が 99% で, このうち 9 万 m 3 が石巻 宮古方面の合板メーカーに移出されている 価格設定の仕組みは, 素材生産業者からの原木要望単価の聞き込みと, 原木販売先 ( 合板工場等 ) の希望単価要望をすりあわせによる 取引数量決定の仕組みは,2010 年度は, 合板工場における原木不足により, 山からの出材可能数量をそのまま仕入れたが, 合板工場からの要望量が少ない時期は, 各素材生産業者に毎月の受け入れ制限量を提示することになるという 東日本大震災のため宮城, 岩手の合板工場に大きな被害が出ており,2011 年 3 月以降, 当社の原木移出はストップしている 当面は数量は少ないが道内合板メーカーに供給するなどして対応している c 木材安定供給, 生産流通合理化の取り組み北海道では以前から木材市場を経由しない直送販売が一般的である 本州合板工場への運搬は運賃が安い船輸送を使用している (1 船 1200~1600m 3 積み ) 合板原木の決済時に使用する検収数量については, 素材生産業者のトラック積み込み数量を採用し, 港での再検知は行っていない ( 抜き打ちで適宜再検知し, 問題があれば業者に指摘するにとどめている ) 森林所有者に対する働きかけ 対策として, 伐採後山林については, 低コスト造林を推進するとともに植林を行う森林組合への橋渡し役としての役割を当社は果たしている 道の単独植林補助に適用されるために伐採面積を 3ha 以内にするよう当社が伐採業者に指示し, 山林所有者の再植林の負担額を軽減することも目指している 安定供給への問題点として, 合板原木の買い付けについて北海道では競合する会社が数社あり, 本州の合板工場向けに大量の集荷が必要なときは単価を上げて集荷するが, これが道内製材工場に原料不足の影響をもたらしている可能性がある また, 出材時期が天候の関係などでわずかにずれることがあるが, 港土場に在庫することで多少は解消できる 以前, 需要者の合板工場が買取数量を制限し, 買い取り価格の急な値下げに踏み切ったことがあるが, これに対し中間業者の当社が多少は緩衝材となった 17

18 しかし, 緩衝材としての商社の機能にも限界がある このように, 合板製品の売れ行き, 生産量, 外材原木単価が北海道の山林側に大きな影響を与えている ( 興梠克久 ) 2. 東北北部地域における原木の広域流通 (1) モデル地域の森林 林業の現状 1 資源の状況青森県は国有林県であり 森林面積の 62% が国有林によって占められている 民有林の面積は 23 万 9,211ha で そのうち人工林が 13 万 5,212ha で さらにそのうちスギ人工林は 9 万 8,837ha である 民有林の森林蓄積は 4,628 万 m 3 で その内 民有林人工林の蓄積は 3,271 万 m 3 で さらにその内 スギ人工林蓄積は 2,623 万 m 3 である 一方 秋田県も国有林が多く分布するものの 国有林率は青森県よりも低く 46% である 民有林面積は 44 万 7,268ha で そのうち民有林人工林は 25 万 6,974ha( スギ 23 万 7,489ha) 民有林蓄積は 1 億 342 万 m 3 で民有林人工林蓄積は 7,664 万 m 3 でそのほとんどがスギ人工林の蓄積 (7,219 万 m 3 ) である 2 素材生産及び原木流通青森県の素材生産量は 60 万 m 3 ( 平成 22 年 ) である 国有林の生産量の方が多めである 青森県の素材生産量はかつて 100 万 m 3 を超えていた 例えば昭和 55 年には 120 万 m 3 平成 2 年においても 103 万 m 3 素材生産が行われていた これらを支えていたのが 天然広葉樹とヒバの伐採であった しかし これの伐採が激減したことで素材生産量が減少し ここ 10 年ほどは 60 万 m 3 弱で推移している ただ スギの生産量が増える傾向にある ( 表 1) 表 1 青森県の樹種別素材生産量 単位 :1,000 m 3 樹種 / 昭 和 昭 和 平成 2 平成 平成 平成 平成 平成 平成 平成 平成 年度 スギ マツ類 針その 他 広葉樹 合計 1,201 1,018 1, 資料 : 木材統計 ( 農林水産省 ) 注 : 針その他 にヒバを計上 この中に占めるヒバの割合は高いと思われる 平成 22 のヒバの生産量は 1 万 3,000 m 3 であった 18

19 また 青森県の民有林で助成制度を利用した間伐面積の実績は 6,000ha/ 年程度である ( 表 2) 国有林からの出材が多いという実態から考えると青森県内の素材生産量のうち 間伐の割合が高いものと考えられる 表 2 間伐実施面積 単位 :ha 年度 平成 17 平成 18 平成 19 平成 20 平成 21 間伐面積 4,007 5,340 6,261 5,665 6,190 資料 : 青森県林政課 (2010) 青森県の森林 林業平成 22 年度版 青森県の原木流通において重要な役割を果たしているのは青森県森連である 青森県森連の原木取扱量は 30 万 m 3 弱で青森県全体の素材生産量の半分弱を占めている しかも取扱量はここ数年で 3 倍となった ( 表 3) これには国有林の山土場の丸太を県森連が山元全量委託販売したものも含まれる 青森県森連が運営する市場は 十和田木材流通センター ( 十和田市 ) 津軽木材センター ( 黒岩市 ) 下北木材流通センター( むつ市 ) の 3 つある このうちの前者 2 箇所の市場での取扱量は 3 万 m 3 である 3つめの下北木材流通センターでは直納が中心であり 市売り数量は少ない 青森県森連では 流通コストを低減させ 山元還元するために直納を増やしている そのため市売に出す量が減少する傾向にある 市売に掛ける原木は 一部の高齢級材および特殊材 県内の小規模製材工場が必要とする木材 トラックが入れず直納できない現場で生産された材である 合板用材である B 材のみならず A C 材とも直納している 直納する材は県森連が買い取る 買い取り先は森林組合および素材生産業者である 買い取りを始めたきっかけは 合板用丸太の集荷のためである それを製材 集成材用の A 材 (B 材 ) へ拡大していった 現時点では 17 万 m 3 を直納している 表 3 青森県森連の素材取扱量の推移 単位 :1,000 m 3 区分 平成 18 平成 19 平成 20 平成 21 平成 22 製材用 合板用 木材チップ用 合計 出所 : 青森県森連業務資料 次いで秋田県についてみる 平成 22 年の秋田県の素材生産量は 94 万 m 3 であった 平成 20~21 年の素材生産量が減少をみており これは建築基準法改正とリーマンショックの影響であると推測される ( 表 4) 生産量の中に占める間伐材の割合は主伐材よりも多いと推測される 素材生産量の大部分はスギによって占められている 平成 21 年の素材生産量 ( 国 民 ) の実績ではスギが 80% で アカマツ クロマツ 4% その他針 4% 広葉樹 11% であった 19

20 また用途別に見ると 製材用 46% を占め 合板用 34% チップ用 20% であった 表 4 秋田県国 民有林別素材生産量 単位 :1,000 m 3 区分 平成 16 平成 17 平成 18 平成 19 平成 20 平成 21 国有林 民有林 合計 資料 : 秋田県農林水産部 (2011) 秋田県林業統計平成 22 年度版 また 秋田県の間伐面積をみると 助成制度を利用した民有林の間伐面積の実績は平成 21 年に 1 万 3,395ha に達している 過去の実績をみるとかなり変動が大きく 9,000~1 万 2,000ha/ 年程度で変動している ( 表 5) 表 5 間伐実施面積 単位 :ha 年度 平成 15 平成 16 平成 17 平成 18 平成 19 平成 20 平成 21 間伐面積 7,499 11,436 11,873 9,162 8,910 10,349 13,395 資料 : 秋田県農林水産部 (2011) 秋田県林業統計平成 22 年度版 秋田県の原木流通は 以前から国有林との結びつきが強かったことから原木市売市場の依存度はそれほど大きくはなかった ただ 原木流通の一翼を担っていることには間違いなく 地元中小製材工場にとっては無くてはならない存在である また 最近の原木流通の変化をみるために市売市場の動向をみることは重要である 秋田県内の原木市売市場の原木取扱量は 平成 19 年までは変動はあるものの 13 万 ~16 万 m 3 強であった しかし 平成 20 年 21 年は 11 万 m 3 台である ( 表 6) 中小製材の後退と山元直送の割合が増加傾向にあることが市場取扱量の減少の要因となっている 一方で 原木市場の取扱量に占める森林組合系統のシェアは高まる傾向にある ( 表 6) 秋田県森連は 秋田木材流通センター をはじめ 7 つの市場 ( うち 6 つが単組の市場 ) を運営している 7 つの系統市場のうち 2 市場は直販を重視しており 市は不定期に開催される 秋田県内の原木市場の取扱量に占める森林組合系統のシェアは高まっているものの 森林組合系統の原木市場での取扱量も減少傾向にある 原木市売市場は 地元中小製材への原木供給 80 年生材などの銘柄級の木材の販売の場としてその機能を絞っていかざるを得なくなると推測される 秋田県森連の原木取扱量は約 29 万 m 3 ( 平成 22) であり その内訳は 7.4 万 m 3 が市売市場での販売 9 万 m 3 が国有林委託販売 ( 国有林材の山元入札を行って 直送する販売方法 ) 合板工場への直納が 9 万 m 3 残り 3.6 万 m 3 が A 材の相対取引である 20

21 表 6 秋田県内の原木市場の取扱量の推移 単位 :m 3 区分 平成 14 平成 15 平成 16 平成 17 平成 18 平成 19 平成 20 平成 21 合計 163, , , , , , , ,129 県森連 74,505 67,521 77,521 97,635 60,781 83,692 61,388 62,010 県森連シェア 45.7 % 43.1 % 45.9 % 58.1 % 44.5 % 50.8 % 53.2 % 55.8 % 資料 : 秋田県農林水産部 (2011) 秋田県林業統計平成 22 年度版 3 原木の需給青森 秋田ブロック内の特徴は大型の製材工場がなく 中小の製材工場が主体で しかも中小の製材工場の数が減少していること その一方で大型の合板工場が立地しており 合板用材の需要が地域の木材価格形成に主導的な役割を果たしていることがあげられる まず 青森県についてみると 全国の傾向と同様に同県の製材工場は年々減少している ( 昭和 55 年 496 工場 平成 22 年 121 工場 ) これに伴い 1 工場当たりの動力出力数も高まった ( 昭和 55 年 80.6kw 平成 22 年 109.7kw) しかし 1 工場当たりの製材品生産量は激減している ( 昭和 55 年 1,353 m 3 平成 22 年 529 m 3 ) 青森県の大型工場は 2 万 m 3 の工場が最大 ( 上北森林組合 ( 十和田市 ) の工場 ) で 主に地域材を利用し 600~1,000 m 3 / 月を県森連が納材している 大きな集成材 合板工場もない 合板工場は 4~5,000m 3 / 年を消費するオーダーメードの工場があるだけで 原料は広葉樹材と外材である 小規模集成材工場 ( 集成材工場と言うより 単に集成材が作れるという意味 ) は 6 つあり 主にヒバを加工している 青森県の木材需給は 木材供給量と県内木材需要ともに減少して 県内で需要されない木材は県外に移出されている 一時 移出量は減ってはいたものの ここ数年再び増えてきている ( 表 7) こうしたことから 青森県庁では 県内に大型工場の立地を考えている 現在 その可能性を調査 検討中で 来年度に工場を立地するための公募を実施する計画である 前述のように青森県では木材の安定供給における青森県森連の役割が大きく 直納化をすすめてきた その前提となるのが木材の協定による販売である 当県森連が協定を結んで販売する先は A 材の場合は県内数社 (5 千 ~2 万 m 3 規模の製材工場 ) 及び県外 ( 東北の圏内 ) の製材工場である B 材の場合は東北圏内の合板工場等で C 材は県内チップ工場である 協定販売をはじめた契機は 需要側から依頼があったためである それは以前から青森県森連が納材していた工場であった これまでの県森連の納材実績が評価されて相手側から協定締結の依頼があった もちろん 協定販売を県森連から働きかける場合もあった 需要側も安定供給及び伝票 決済管理の単一化などメリットが多い 協定の内容は 価格以外のことを盛り込んでいる ( 価格を盛り込むと価格が変わるたびに協定を更新しなければならなくなる ) 協定には 決済方法も含まれている 価格交渉の頻度については協定には含まれていない 価格については別途相対で決める A B C 材の仕分けは山土場で素材業者が行う 県森連が山土場で仕分けされた材を買い取るという形を取っている このことは県森連が売り手に対してその材の品質を保証す 21

22 るということを意味しており 買い手側からのクレームに対して 県森連が適宜対応する 山土場での仕分けに問題がある場合は 県森連が素材業者を直接指導する 原木の輸送は トレーラー 単車 ( 連結なし ) 船舶の3 通りである トレーラーで運ぶか 単車で運ぶかは 輸送距離ではなく 山土場まで入れるかどうかで決めている 中間土場としては下北木材流通センターをそのような機能として利用している トレーラーの積載量は法定 35m 3 単車 16~17 m 3 船舶 1,300 m 3 / 船である 船舶での輸送に関しては震災前には宮城県に送る場合に利用していた 震災後は東北以西へ輸送する場合に船舶を利用している 日本海を通るルートは冬季には海が荒れて無理かも知れない 帰り荷対策についてはとくに検討していない ( 丸太専用車を使っており 帰り荷もないため ) 協定販売 ( 直納 ) の効果に関しては 県森連の取扱量が増えるにともない協定販売 ( 直納 ) の効果を実感するに至っている 多くの協定先へ安定供給ができ 安定した有利販売を可能とした それにより山元での計画生産が見込めるようになった 区分供給量計県内需要量県外移出量 表 7 青森県の素材需要量と県外移出量の推移単位 :1,000 m 3 昭和 昭和 平成 平成 平成 平成 平成 平成 平成 平成 平成 ,686 1,384 1,471 1, ,467 1,135 1, 資料 : 木材統計 ( 農林水産省 ) 次いで秋田県の木材需給についてみよう 秋田県では平成 14 年には 64.5 万 m 3 の製材用材 (A 材 ) 需要があり そのうち 47.4 万 m 3 (73.5%) が国産材でまかなわれていた A 材需要は減少傾向にあり平成 21 年は 37.8 万 m 3 となった このうち国産材は 37.3 万 m 3 (98.7%) でほとんどが国産材でまかなわれるようになっている 結果的に秋田県における国産材 A 材の需要は平成 14 年から 21 年の 7 年間の間に 10 万 m 3 も減少した ( 表 8) この理由は小規模製材業が廃業により数を減らし製材用原木の需要が減少したためである このことは前述のように原木市売市場の取扱量の減少につながった 小規模製材が減る中で 秋田県には消費原木量 10 万 m 3 を超えるような大規模な製材工場はない 大手製材工場 (1 万 m 3 以上の原木消費量 ) と呼ばれる工場が 10 社程度であり 3 万 m 3 以上の消費量の工場はなく 一番の大手でも約 2 万 m 3 の原木消費となっている こうした大手製材工場 10 数社が後述する新生産システムの対象工場であった また秋田県の製材用原木需要の特徴として 径級 22~28cm の中目材への需要が高いことがあげられる さて 秋田県の木材需要でもっとも重要な点は 秋田県内に大規模な合板工場が立地していて その合板工場への原木安定供給体制を全国に先駆けて構築したことである 安定 22

23 供給の実現は 平成 14 年に県産材利用促進という観点から秋田県が 秋田スギ合板用原木需給協議会 ( 以下 協議会 という ) を設立したことが契機となった 協議会のメンバーは 秋田県 ( オブザーバー ) 秋田県森連 秋田県素材生産事業協同組合連合会( 以下 素生連 という ) 秋田県合板産業連合会である 当初 合板工場側は必要な原料を国産材でまかなえるかどうかが最も重要な関心事であったようである 協議会は1 年に 2 回程度開催されている 当初は 価格 規格 納入量などについて話し合いがもたれ 協定価格 協定量が決定されていた また 価格変動がある場合にも協議会の場で見直されていた 現在 協議会では市況についての説明はあるが 価格の交渉などは行われてない 価格の交渉に関しては 実務担当レベルで協議する その際の参加者は 4 者 ( 素生連 県森連 秋田プライウッド 新秋木工業 ) である 秋田プライウッドは 月末に納材割当量 ( 来月分の割当分 ) を県森連や素生連等に連絡している 納材割当量は 原木在庫量や市況によって調整されている 秋田プライウッドへの木材供給主体は 秋田県森連 素生連 国有林システム販売 資材支援グループ その他 ( 県外 ) であり 平成 22 年の国産材入荷実績は 約 47 万 m 3 となっている 樹種内訳はスギが約 8 割でその他は道産カラマツなどのマツ類である 国有林システム販売では 秋田プライウッドが国有林に提案書を出して B 材を購入し 山土場渡しの B 材を素生連がトラックで秋田プライウッドの土場まで輸送するという形である 以前は 夏場に材が集まらない 夏枯れ が見られた 国有林システム販売により供給の季節変動はかなり是正された なお 平成 22 年の秋田プライウッドへの出荷実績を地域別に示すと 秋田県内 66% 青森県 18% 山形県 3% 岩手県 2% 北海道 12% であった 秋田県の合板工場への原木安定供給は全国のモデルとなり 国産材利用に全国的な規模で引き上げる効果につながったことは特筆すべきである こうした成功の背景には 産官学による構造用合板 ネダノン の商品開発と住宅への利用促進がなされたこと 秋田県が 平成 16~18 年には 新流通 加工システム 事業 ( 秋田プライウッドと新秋木工業の設備投資 ( バーカー 蒸煮 ロータリーレース ) に助成 ) 次いで平成 19~21 年には 新利用 事業 ( 秋田プライウッドのハードの整備 ) といった木材流通関連の国費事業に積極的に取り組んだことがあげられる 合板用の B 材の需要開拓と安定供給体制の整備には成功したものの 製材用の A 材の安定供給体制の整備には苦戦を強いられている 秋田県は平成 18~22 年に 新生産システム 事業を実施した この 新生産システム 事業では 新流通 加工システム での B 材流通のノウハウを A 材の流通にも適用しようとした 協議会方式 ( 秋田県製材用原木需給協議会 ) を導入して 製材工場への納材価格を一本化しようとした (4 半期に 1 度の価格の改定 ) しかし 県内では県北 県央 県南と大きく 3 地区で価格形成が異なっていたのが実情であった そのような状況のもとでの価格一本化であったため 新生産システムに参画した 10 社の足並みがそろわなかった 一方で 供給側と製材工場側で直納するような形はすでにあった 新生産開始後 1~2 年後に価格の 1 本化は断念 ( 協議会方式の断念 ) することとなった ソフト事業は 5 年間実施されたが ハードの整備は当初 3 年間で 製材工場 2 箇所の設備投資 ( 乾燥機と製材機械が対象 ) が行われただけであった 23

24 一方 供給側も A 材の安定供給には至っていない 原木が夏場に不足する 夏枯れ のような季節変動も克服するには至っていない こうしたことから製材工場の中には 山林を購入したり 素材生産部門をもつなど個別に原木 ( とくに中目材 ) 安定確保を目指す動きも見られる このようの情勢の下 秋田県では国や県の助成のもとで大規模製材工場の建設に着手した ( 平成 24 年 7 月本格稼働予定 ) 事業主体は秋田県製材協同組合で 工場の所在地は秋田市川辺 ( 七曲臨空工業団地内 ) である 事業費約 26 億円で国費 ( 加速化事業 ) 県単などで補助が行われる 計画では 14.8 万 m 3 の消費量であり このうち純増分は 10 万 m 3 であり 秋田県森連が原木調達に協力することになっている 表 8 製材用原木の需要状況 単位 :1,000 m 3 区分 平成 14 平成 15 平成 16 平成 17 平成 18 平成 19 平成 20 平成 21 合計 国産材 国産材シェア 73.5 % 75.3 % 77.1 % 95.3 % 95.7 % 97.2 % 97.4 % 98.7 % 資料 : 秋田県農林水産部 (2011) 秋田県林業統計平成 22 年度版 (2) モデル地域の課題現在の青森県 秋田県の役割分担は B 材に関しては 青森県が原木供給 秋田県が原木消費となっている その意味では 青森 秋田県両県の広域流通が現状としては自ずと実現している こうした広域流通は B 材が中心と考えられる A 材に関して両県とも 1~ 2 万 m 3 を消費する工場があるのみであり 市場を引っ張る大型の工場は存在しない こうしたことから 青森県では具体的な姿は不明であるが 公募による木材加工工場の誘致を計画している 秋田県は 合板工場に対する B 材の安定供給を実現した日本における先導的な地域であった この成功例を元に 新生産システム事業において 協議会方式で A 材の安定供給を目指した しかし 参画した 10 社以上の製材工場の原木仕入れ価格には 大きな地域格差があったため 価格の一本化による協議会方式の供給から 相対取引の供給方式に変更して取り組むこととなり その結果 木材流通の変化をもたらすような成果は得られなかった A 材が売れないため B 材として売らざるを得ない状況もみられ A 材が B 材に埋没するような形で木材市場が形成されている こうした状況を打破するために 秋田県では大型製材工場の建設に着手しており 大型工場を核とした適正な価格形成を含めた A 材の安定供給体制の構築が重要である (3) 東北北部地域における広域連携のあり方 ( モデル ) 青森県 秋田県ともに大型の木材加工施設の導入を計画しており これらの木材加工施設が実際に稼働した場合 同ブロックの原木流通には少なからず影響がおよぶと考えられる 青森県に関しては現在公募中であり どのような大型木材加工施設が立地することになるか未知数である 24

25 秋田県での計画中の大型製材工場は平成 24 年 7 月本格稼働予定であり 原木消費量は 14.8 万 m 3 で 集成材ラミナ 4 万 m 3 一般製材品 3.9 万 m 3 の生産を計画している 秋田県では突出して規模の大きな製材工場となる そのため この工場を中心に据えた A 材および B 材の安定供給体制 価格決定の仕組みを構築することが現実的である 現在 合板用として B 材を合板工場に安定的に供給する体制が構築されている 新たな大型工場の設立を機に A 材 B 材さらには C 材を安定供給に責任をもつ核となる組織が必要となる その組織が需要者の発掘を行いながら 各需要者と供給量 規格 価格の協議を行うと同時に供給側の木材生産者へ働きかけを行う また 需要側の必要とする原木の情報を供給側につなげ 山土場での適正な造材に反映させる役割をも担うべきである ( 堀靖人 ) 3. 福島南部 北関東地域における広域流通 (1) モデル地域の森林 林業の現状当地域は福島県, 茨城県, 栃木県の 3 県からなり, 森林面積は 万 ha で全国の 6% を占める 森林蓄積は 26 万 1,289 万 m 3 で,1ha あたり森林蓄積は 173m 3 /ha で, 全国平均 (177m 3 /ha) とほぼ同じである 一方, 素材生産量は 万 m 3 で全国の 8% を占める そのうち多くはスギであり,84.8 万 m 3, 全国のスギ生産量の 10% を占めている 森林 1ha あたりの素材生産量は 0.90m 3 /ha で, 全国平均 (0.66m 3 /ha) を大きく上回る ( いずれも林野庁編 森林 林業統計要覧 2011 年版より ) 25

26 図 -1 都道府県別にみた森林生産力と資源成熟度の関係 資料 : 林野庁編 森林 林業統計要覧 2011 年版 森林資源内容と林業生産実績の関係性から林業展開の地域性, その背景にある地域林業構造を論じることが多いが, その場合, 象徴的な指標としてよく取り上げられるのが, 森林資源成熟度と森林生産力である 森林資源成熟度とは森林 1ha あたり森林蓄積のことで, 森林生産力とは森林 1ha あたり素材生産量のことである 上図は林野庁が毎年発行している 森林 林業統計要覧 のデータを用いて, これら両指標の関係を都道府県別にみたものである 九州では資源の成熟と利用が最も高度化しており, 次いで, 四国, 東北, 北関東, 北海道も森林生産力が高い 九州中南部と四国 北九州は資源成熟度はほぼ同じであるが, 前者が皆伐中心, 後者が間伐中心であるため, 資源利用度に差が出ている また, 北関東と四国 北九州は資源成熟度に差がみられるものの, 北関東での間伐生産がより活発なため, 両地域の資源利用度はほぼ同じ水準となっている 北海道は我が国最大の木材生産量を誇るが, 寒冷地であること, 短伐期のパルプ用材生産のウェイトが高いことなどを背景に, 資源成熟度の水準は全国平均を下回る かつて林業先進地 ( 人工林率が高く, 高齢林分割合が大きい, 造林の歴史が古い林業地 ) といわれた近畿, 東海では, 資源成熟度は全国平均をやや上回っているが, 素材生産活動自体が低調である また, 下図に示すように, 最近 10 年間の動向を見ると, 南九州では森林生産力, 資源成熟度ともに伸び, 北九州や北関東, 四国, 東北においては森林生産力の伸びはさほど見られないものの 10 年前の水準を維持しており, 資源成熟度は増大している それに対し, 東海や近畿などのかつての先進地では資源成熟度は伸びているものの森林生産力は 10 年前より大きく低下している このように, 北関東は全国の中でも森林生産力, 資源成熟度ともに高く, 我が国のスギ林業を牽引している地域の 1 つと言える 26

27 図 -2 地域別にみた森林生産力と資源成熟度の変化 (1999 年 2009 年 ) 資料 : 林野庁編 森林 林業統計要覧 年度版 (2000 年の森林蓄積以外 ), 農水省統計部 2000 年農林業センサス (2000 年の森林蓄積のみ ) 当地域は首都圏に近いスギ構造材産地として発展し, 国産材入荷量は 98.0 万 m 3 で, 全国の 9% を占める 近年ではスギ直材 (A 材 ) の市況をリードする ( 市況が最も高い ) 地域としてみられている また, 当地域には国産材消費量全国第 1 位 (T 社 ) と第 2 位 (K 社 ) の大型製材工場が立地し, いずれも集成材分野にも進出するなど, 地域材の需要と用途の拡大が進んでいる 27

28 3 図 -3 我が国の大規模製材工場 (2008) 資料 : 林野庁業務資料 注 : 製材工場は国産材のみの消費量 製材工場以外は国産材及び外材の消費量 (2) モデル地域の課題 1 皆伐の必要性次ページに掲げる表は, 全国の認定林業事業体に対する調査結果で, 当地域 ( 表中では北関東と南関東の合計 ) の素材生産事業体が生産した素材のうち主伐材は 33% で, 全国平均値を下回っている また, 素材生産量のうち受託 請負の比率は 81% と群を抜いている つまり, 当地域の素材生産は間伐の受託 請負が中心となっていることが分かる また, スギ生産が活発な東北や九州と比較すると 1 事業体あたりの事業量規模は半分近くで, 中小規模の素材生産事業体が比較的多いことが分かる 国内屈指の製材産地への原木の安定的 持続的供給は, 森林資源の循環利用が前提条件となる すなわち, 一定程度の皆伐 再造林の推進が必要であろう というのは, 間伐の繰り返しでは森林の齢級構成の平準化に寄与しないし, 当地域で需要の高い中目材 ( 年間 4.5 万 m 3 のスギ優良材の製材を行う N 社によれば, 当地域では中目材は 3.65m の方が好まれ全体の 2/3 を占め, 残り 1/3 は 4m という ) は皆伐現場だと多く出材されるが, 間伐現場だと出材量が少ないからである 28

29 地域ブロック 区分 合計 表 -1 認定林業事業体の林業事業量の内訳 (1 事業体あたり,2008 年 ) 造林 保育 合計値 (ha,m3) 合計値 = 平均値 有効回答数素材生産買取生産 自社林請負 受託 植林保育合計主伐間伐小計主伐間伐小計 17, , ,167 1,841,160 1,113,600 2,954, ,564 2,407,932 3,195,496 6,150,256 2,628,724 北海道 4,399 38,893 43, , , , , , ,901 1,222, ,242 東北 3,960 55,132 59, , , , , , ,702 1,552, ,350 関東 ,461 17,001 33,456 19,136 52,592 58, , , ,654 92,370 北陸 ,412 11,604 23,722 27,496 51,218 6,480 32,736 39,216 90,434 30,202 東山 ,459 18,759 21,112 12,320 33,432 20, , , ,420 41,462 東海 ,470 17,174 47,214 27,520 74,734 25, , , ,370 72,498 近畿 1,180 19,642 20,822 42,237 21,112 63,349 42,630 84, , ,279 84,867 中国 1,989 32,916 34, ,272 27, ,112 13,386 95, , , ,658 四国 ,823 15,447 45,240 33,110 78,350 36, , , ,076 81,666 九州 3, , , , , , , , ,928 1,619, ,315 1 事業体当たり (ha,m3) 素材生産造林 保育区分買取生産 自社林請負 受託 植林 保育 合計 主伐 間伐 小計 主伐 間伐 小計 請負合計うち主伐 (%) 主伐 (%) 合計 ,290 1,392 3, ,853 3, ,517 3, 北海道 ,715 5,436 9,151 1,484 5,397 6, ,032 5, 東北 ,416 1,745 5,161 1,386 2,996 4, ,543 4, 関東 ,024 1,091 3,262 4, ,377 1, 北陸 , , ,008 1, 地域 東山 ,511 2, , ブロック 東海 ,629 1, , 近畿 , ,405 2, ,258 1, 中国 , , ,914 2, ,874 3, 四国 , ,980 4, ,457 1, 九州 ,035 1,540 5,575 1,598 2,811 4, ,984 5, 区分 造林 保育 有効回答数 ( 事業体数 ) 素材生産買取生産 自社林請負 受託 植林保育主伐間伐主伐間伐 合計 北海道 東北 関東 北陸 地域 東山 ブロック 東海 近畿 中国 四国 九州 資料 : 興梠克久 第 2 章林業事業体 労働力の動向と評価基準 林業事業体全国アンケート ( 経営 雇用 ) の結果, 全国森林組合連合会 林政総合調査研究所 平成 22 年度 林業事業体就業環境改善対策 に係る調査報告書,8~47 頁,2011 年 3 月, 所収注 : アンケートの概要は以下の通り 調査実施機関 : 林政総合調査研究所, 調査時期 :2008~2010 年に付, 調査対象 : 全国の認定林業事業体等 1,162 事業体, 調査方法 : 質問紙郵送法, 回収状況 : 3 年間合計回収 939/ 対象 1,765=53.2%, 分析対象 :939 事業体 合計 うち主伐 29

30 2 集成材用ラミナ向け原木需要の増大と対応当地域は, 間伐の発展とそれに対応して製材工場も無垢構造材 ( 特に柱角 ) 中心の産地形成を図ってきた 下表に示すように, 栃木, 茨城の両県の木材流通の大半を占める森林組合連合会共販所の取扱実績をみると, 共販所の取扱量は近年増加しており, その内容は柱適寸が最も多く, 次いで小径木が多くなっている 表 -2 栃木県 茨城県森林組合連合会共販所の木材取扱量 単位 :m 3 県 栃木県 134, , , , ,839 茨城県 26,000 38,000 36,000 41,000 56,000 資料 : 聞き取り調査 (2011 年 ) 注 : 栃木県は3 共販所の合計 表 -3 栃木県 茨城県森連共販所取扱木材の樹種別用途別割合 単位 :% 県 樹種 柱適寸 小径木 短尺中目材大径材 ( 母屋角等 ) ( 羽柄, 構造 ) 合板向け 栃木県茨城県 スギスギ ヒノキヒノキ 資料 : 栃木県は2011 年 1~11 月の実績 (3 共販所の合計 ), 茨城県は聞き取り調査 (2011 年 ) しかし, 今後は森林資源内容の変化や市場ニーズの変化, 国際事情などを背景に, 柱角を中心とした構造材 ( 無垢 ) だけでなく, 羽柄材やその他の利用も工夫, つまり中目材や大径材の利用を工夫していかなければならないと考えられる 当地域でそのような動きの 1 つとして注目されているのが集成材の生産である 当地域に立地する国産材トップメーカーである T 社 ( 原木消費量 28.2 万 m 3,2011 年時点の能力 ) や K 社 ( 原木消費量 16.2 万 m 3,2010 年実績 ) はスギの無垢構造材の生産を主体としつつも, いずれも集成材事業を拡充または新たに開始している ただし, 集成材工場を 2 カ所保有する T 社は, 無垢では使えない残り物を集成材にするというスタンスであり,2012 年に大型のスギ小 中断面集成材工場 ( 原木消費量年間 7.2 万 m 3 目標 ) を新たに稼働させる K 社とはやや異なる また,2012 年には茨城県神栖市に立地する大手ベイマツ製材企業 C 社がスギとの異樹種集成材製造に取り組むため,2011 年に茨城県北部にスギラミナ工場 ( 地元素材生産業者との事業協同組合方式, 当初の原木消費量年間目標 6 万 m 3 ) を設立した このように, 当地域における森林経営 素材生産サイドは,A 材中心の需要構造から B 材の大規模需要への対応も迫られる しかしながら, 現時点では地域の素材流通の中心的役割を担う栃木県, 茨城県の両森林組合連合会共販所における木材取扱量 ( ほとんどがスギ ) の 9 割以上は A 材である 共販所は A 材の安定供給に対応すべく近年取扱量を増やしているが, これとは別に需要の高まる B 材をどのようにして供給しうるか, つまり, 原木市場がどのように関与するのか, あるいは製材工場がどのように森林資源と生産を把握す 30

31 るのか検討する必要がある 3 木材総合価値の向上と製材業による森林資源の直接把握の必要性現在, 製品歩留まりは 50% くらいで, 歩留まりを上げる= 残材部分をバイオマス資源等として活用することで木材の総合価値を高めることが原木の安定供給性を高める上で必要と考えられる このような考え方に基づき, 前出の大手製材 T 社では, 群馬県や栃木県において原木を 使い尽くす システムの構築に取り組んでいる 例えば, 群馬県では国産材加工センターが設立されたが, そこでは 3m 無選別に特化し, A 材 ( 柱向け, 曲がり率 = 矢高 末口径 100%=6% 以内 ) や B 材 ( ラミナ向け,6~10%) は 1 次加工して T 社が経営参画する県産材加工協同組合などに販売し,C 材 (10~26%) は製紙用チップとして県外業者に販売,D 材以下は近隣の木質バイオマス発電所に販売している なお,2011 年の日刊新聞記事 (3 月 29 日付 ) によると, 本年 4~6 月期の買入価格は,A 材 11,000 円 / m3,b 材 7,000 円 / m3,c 材およびその他針葉樹 4,000 円という これまで間伐材の 80% が林地残材だったが, 上記のような定価 A~C 材一括買い取り方式の採用によって, 間伐材の利用率の飛躍的な向上が見込めるという また,T 社では原木を 使い尽くす ためには, 製材業が素材生産業者と提携したり, 製材業が自社内に山林部的な組織を作って森林所有者に直接提案して立木買いするなどの対応も必要であるとしている それは前出の K 社や C 社にも通じることであり,K 社は既に 20 年以上前から自社内に山林部を設けて立木買いを直接行い, 素材生産は中小の素材生産業者を協力業者として組織化している また,C 社では地元の素材生産業者と共同でラミナ工場を運営する協同組合を立ち上げ,C 社と素材生産業者が提携して原木の集荷に取り組むこととしている (C 社の立木在庫の生産, 国有林システム販売, 素材生産業者の買い山の工場直送協定取引など形態は様々 ) このように, 原木を 使い尽くす 取り組みについては,T 社における取り組みの今後の展開が注目されるが, 東日本大震災との関連で言えば, 合板用丸太の供給, バーク処理問題の解決が大きな課題となっている (3) 福島南部 北関東地域における広域連携のあり方 ( モデル ) 1 皆伐の推進による A B 材安定供給と再造林の推進間伐事業地での素材生産や原木市場の競りを通じた販売だけでは A 材に加え B 材の安定供給に取り組むのは困難と思われる B 材の安定供給のためには一定程度の皆伐と山元から製材工場への直送など競りを通じない流通短絡化が必要ではないだろうか ここで注目されるのは, 栃木県北の T 森林組合による皆伐 直送の試験的取り組みである 現在,T 組合では, 県と協力して, 小面積区分皆伐による素材安定供給に取り組んでいる そこでは,A 材は共販所を通じて地域の製材工場へ,B 材は T 社の集成材工場等との協定取引 山元直送が検討され, コスト計算が試行されている トラック輸送時の検寸精度の問題, 定時定量販売の可能性, 現在より少し大きめの車両系高性能機械体系の整備の必要性など課題も多い 皆伐の推進に伴って, 再造林の推進方策の検討も必要となっている 地拵えコストの低 31

32 減等の再造林コスト低減方策や行政による支援 ( 造林助成の上乗せや獣害対策など ) だけでなく, 九州の伊万里木材市場の取り組み事例 ( 次ページの補論 1 参照 ) にみられるような木材流通 加工資本による再造林支援, 大分県森林再生機構の事例のように林業 木材産業が業界一体となった取り組みの方策についても検討する必要がある 当地域の大手製材工場は, 原木市場に依存しながらも, 立木買いも行って協力業者に伐出を委託 請け負わせるという独自の原木確保策を講じているが, たとえば T 社では, 再造林後の下刈りの原資に当てるため, 立木買い時に立木に 1,000 円 /m 3 を上乗せている このような再造林の推進と立木の確保にセットで取り組んでいるのは注目すべき事例であろう ( 補論 1) 伊万里木材市場による原木集荷における新たな取り組み ( 森林整備事業 ) 同社では, 原木確保競争に勝つため,2008 年から新たな原木確保策として私有林からの立木購入時に協定を結び, 植林,5 年間の下刈り, 森林国営保険の加入を森林所有者の負担なしで行った後, 造林地を森林所有者に返還するという, 森林整備事業 ( 通称 トゥモローグリーンプロジェクト ) を開始している 事業は同市場大分営業所を拠点として行われており, 事業利益も大分営業所の利益として扱われている この事業は地元の森林所有者に好評のようであり, 事業実績は 2008 年度 10ha,2009 年度 19ha,2010 年度 31ha, 2011 年度 55ha と年々増大しており, 事業地域は大分を中心とした北部九州である 図 -4 ( 株 ) 伊万里木材市場における森林整備事業の展開 資料 : 聞き取り調査 (2009 年,2011 年 ) 契約の流れは, まず市場社員が現地調査を行って材積と作業経費を見積もり, 立木価格を提示する ここで所有者側の合意が得られた場合は契約成立となり, 立木代もその後すぐに支払われる 伐採作業は基本的に, 契約年度末までに植え付けが完了できるように進められる 森林所有者との協定事項は事業地及び面積, 事業の種類 ( 再造林, 補植, 保育 ), 植栽樹種および本数, 造林作業道, 森林国営保険, 再造林地の解約, 協定期間等である 事業は造林補助金を使用しているが, 立木代を若干安くしても補助残を支払った時点で利益は残らない 伊万里木材市場では自社所有の原木を自社で販売 ( 例 : 大分営業所の原木を本社に販売 ) する際にも販売手数料を自社に支払っており, その販売手数料部分が森 32

33 林整備事業の利益に相当する 伐採 造林作業は地域の素材生産業者に請負に出しており, 一部の業者の作業班を伊万里木材市場の直営班としているケースもある 伐採地は経済林としてスギ ヒノキを植林している また, 事業地の森林施業計画の変更や, 造林補助金の申請は森林組合に委託している いずれは, これらも自社で行った方がよいと考えており, いずれ伐出, 森林整備, 森林計画に係る全ての業務を自社で行いたいとの意向であった 2 A 材の域内流通体制と価格形成力原木市場を活用した協定取引下図のスギ原木価格の地域比較を見ても分かるように, 当地域のスギ原木価格は相対的に高値で推移しており, 製材規模拡大で入札数は減る傾向にあるものの, 当地域の市場における価格形成機能は全国の中でもまだ強いと思われる しかし, 一方では価格が高くてもなかなか出材量の増大につながってないという見方も出来る 図 -5 スギ中丸太価格の地域比較資料 : 林野庁業務資料 ( 森林 林業 木材産業の現状と課題,2011 年 ) 注 1: 原資料は農林水産省 木材価格 ( 製材工場着価格 ) 2: スギ中丸太とは, 径 14~22cm, 長さ 3.65~4m 33

34 出材が安定するためには価格の安定が当然必要である その方策の 1 つとして, 原木市場において最低価格を設定して取引することも考えられる たとえば,12,000 円 /m 3 など具体的な価格水準を指し値として設けて入札を行い, 指し値以下は不落にして次回入札に回したり, 協定取引に回すといった取り組みである ある製材工場は, 製品価格はいったん下げると上げるのは難しいので製品価格を下げなくて済むよう原木買取価格を下げない努力を業界全体で取り組むべきだとしている しかし, 出荷者から見ても入札を省略した協定取引 ( 山元直送や原木市場の選別機能を活用したバイパス流通など ) よりも入札の方が公明性が保たれるという指摘もある ( 堺正紘 大分方式乾燥材用素材の協定取引 森林誌研究所 森林誌研究 No.9,2009 年,83~86 頁 ) この堺論文 (2009) は, 九州において B C 材の需要増大が急速に進み,A 材価格に迫る勢いで価格上昇し,A 材の価格的優勢が縮小して森林経営側に大きな不満が生じていることに関して, 原木市場側における解決法はないかという問いかけに答えたもので, その中で原木市場の機能に着目した協定取引の諸形態を以下のように類型区分している 1 原木市場選別機能活用型の直送 ( 市場において検収 選別するが, 入札 はい積は省略して工場へ輸送するケースで, その合理化の利益の一部を森林所有者に還元している大分県日田市森林組合の事例が有名 補論 2 参照 ),2 原木市場与信機能活用型の直送 ( 市場が代金決済, 現物は山元から工場へ直送 市場は代金決済だけでなく立木購入も行うケースもある 最近では九州の伊万里木材市場の事例が典型 ),3 入札省略型 ( 市場で選別してはい積み 特売するケースで, 以前から存在していたもの ),4 入札実施型協定取引 ( セリをあえて残す指し値取引による協定取引 ),5 不落特売型 ( 入札して不落分は特売するケースで, 合板工場向けの特売が典型 ) このうち当地域の A 材の市場価格の安定化方策の 1 つとして挙げられるのが4である しかし, 指し値設定水準決定の基準の検討, 不落の場合の協定取引先の検討など課題が多いことも事実である ( 補論 2) 日田市森林組合の協定取引と所有者還元日田市森林組合では 2007 年 7 月より林野庁補助事業 新生産システム に参画している日田市内の製材工場群と協定取引を開始した 取引先はヒノキ製材 1 社を含む 5 社である 実際の材の流れは, 土場にたまった段階でその都度製材工場に輸送しており,1 ヶ月を通して絶えず材は動いているが, 決済は毎月 20 日〆として集計しているので, 通常の月 2 回の市とは別にもう 1 回協定取引のための市が開かれているように見える 協定取引は毎月各工場とも 100~200m 3 を目安としており, 価格の設定は直近の通常市を基準に当事者間で協議して決めることとなっている 実際には市況よりもやや高く買われていることが多いようである なお, 協定取引用の仕分け区分は, 専門化された工場群を相手にしていることもあって,12 区分としている 34

35 資料 : 日田市森林組合業務資料より作成 表 -4 日田市森林組合の協定取引の実績 2007 年度 2008 年度 2009 年度 項目そのうちそのうちそのうち取扱全体取扱全体取扱全体協定取引協定取引協定取引 取扱量 (m 3 ) 60,917 5,819 50,022 4,576 49,161 2,073 取扱金額 ( 万円 ) 64,075 8,002 51,310 6,201 49,304 2,619 平均単価 ( 円 /m 3 ) 10,518 13,750 10,257 13,551 10,029 12,635 協定取引の実績をみると, 取扱材全体の平均単価に比べて協定取引材の単価は 3,000 円 /m 3 程度高くなっているが, この差がダイレクトに 市況よりもやや高く買う ことを示しているのではなく, 協定取引材にはヒノキがやや多く含まれていること (5 社のうち 1 社がヒノキ専門工場 ), 協定取引材は直材が大半であることから, 協定取引材クラスの素材の市況単価自体が高いことによるものである また, 協定取引用の素材を出荷した荷主に対しては, はい積み料 ( 尺上 700 円 /m 3 ~ 尺下 1,500 円 /m 3 ) のうち 350 円 /m 3 が還元されている 販売価格の若干の上昇分と, このはい積み料還元により, 森林所有者の伐採意欲を高めることを目指している 協定取引の実績は,2007 年度 5,819m 3,2008 年度 4,576m 3,2009 年度 2,073m 3,2010 年度 1,051m 3 (6~9 月の 4 ヶ月間 ) となっており, リーマンショックの影響もあって目標の 6,000m 3 には至っていない しかし, 合板用材などの協定取引の進展もあって, 現在では様々な協定取引を合計すると, 市場全体の取扱量 (2009 年度 4.9 万 m 3 ) の 3 割を占めるに至り, 日田市森林組合共販所における木材流通に対して大きな変化をもたらしている 日田市森林組合の協定取引の第 1 の特徴は, 組合員 ( 荷主 ) への還元 ( 山元還元 ) が明確な形で行われている点である それによって組合員の伐採意欲を実際に高めることが出来たかどうかは今後検証することが必要であろうが, 組合員に示す精算書にこの還元額が明示されており, 新生産システム が提示した流通合理化による山側へのメリットを目に見える形で示している 第 2 に, 協定取引価格が月単位で決まっていることで, 立木段階で見積もりをする際に参考になっていることである 第 3 に, 協定取引を林産事業実行体制の整備とセットで取り組んでいることである つまり, 国の補助金を活用しながら専属的請負作業班を事業体として育成しつつ, 現業職員組織である森林整備センターについては 緑の雇用 などを活用しつつ人員を確保し, 県の普及担当職員の指導を受けながら工程管理技術の習得と生産性向上に向けた取り組みを始めている 3 福島県におけるB 材の広域流通体制福島県木材流通機構協同組合は, 一般製材用丸太以外の原木の安定供給を目的として 2011 年 2 月に設立された ( 事務局は福島県木材協同組合連合会 ) しかし, その直後の東日本大震災の影響から, 当面は1 合板用丸太の需給調整業務,2 会津地方に立地する木質バイオマス発電所向け原木の供給,3 福島県南部に新たに立地する集成材工場 (K 社 ) 向けの原木安定供給体制の構築の検討が主たる業務内容である 35

36 このうち,3について,K 社の集成材工場向け原木の安定供給を視野に, 森林資源はあるもののこれまで素材生産があまり活発ではなかった会津地方における素材生産体制の強化 ( 特に N 社,Ku 社,A 森林組合などの林業事業体を核にした地域の素材生産体制の強化 ), 流通拠点整備の動き ( 会津流域林業活性化センターが株式会社組織 = 仮称 原木センター をつくり, そこで安定供給, マッチングを行う A~D 材を振り分ける広い中間土場の確保が課題 ) が加速化している ( 興梠克久 ) 4. 飛騨 石川地域における原木の広域流通 (1) モデル地域の森林 林業の現状 1 森林資源の状況岐阜県の森林面積は 84 万 2 千 ha で うち 68 万 4 千 ha が民有林である (2005 年農林業センサス ) 民有林の人工林面積は 30 万 8 千 ha でその蓄積 8,472 万 m 3 である 蓄積量はスギとヒノキがほぼ半々で スギが 3,989 万 m 3 でヒノキが 4,165 万 m 3 である ヒノキの蓄積量が多いことが岐阜県の森林資源の特徴である 民有林人工林の年間成長量 万 m 3 でこのうちⅧ 齢級以上の成長量 89.5 万 m 3 である ( 平成 21 岐阜県森林 林業統計書より ) 他方 石川県の森林面積は 28 万 5,637ha であり 蓄積は 6,303 万 m 3 である うち 民有林面積は 25 万 1,723ha で 蓄積は 6,082 万 m 3 で さらに民有林人工林面積は 9 万 9,514ha で 蓄積は 3,918 万 m 3 である 2 素材生産及び原木流通岐阜県の素材生産量は国有林を含めて 32.5 万 m 3 ( 平成 22 年木材統計 ) であり 年間の成長量からくらべるとかなり控えめである 岐阜県の民有林の補助対象となった間伐の動向をみると 間伐面積は平成 18~22 年の実績では 1 万 4,000~1 万 5,000 ha で推移している ( 岐阜県森林整備課調べ ) 間伐による素材生産量がどのくらいであるのか明確なデータはない 間伐面積のすべてが切り捨てであるとは考えにくく 間伐も素材生産に少なからず貢献していると推測される 岐阜県では素材生産をおいて森林組合 20 組合のシェアが 55% 弱を占めている 民間業者 ( 小さな業者が多い ) の素材生産に占めるシェアは 45% 自伐林家( ha 規模 ) が少々であることから 森林組合系統の素材生産における役割が大きい また 森林組合および民間の素材生産業者の中の規模の大きな事業体では機械を導入し 出荷量が増えている傾向が見られる 36

37 原木流通における動向においても 岐阜県森林組合連合会の動きが注目される すなわち 岐阜県森連では システム販売を取り仕切る部門として岐阜木材ネットワークセンターを立ち上げた システム販売とは 需要者が希望する規格 数量の原木を山元から需要者に直納することで 売れない原木を生産しない ことを原則とする 価格は県森連が決めた価格で取引を行う 国有林を含めた石川県の素材生産量は 13 万 m 3 ( 平成 21 年 ) で 10.5 万 m 3 (17 年 ) 11.2 万 m 3 (18 年 ) 12.4 万 m 3 (19 年 ) 12.2 万 m 3 (20 年 ) と ここ 5 年間は増加傾向にある 石川県では 現在の素材生産量を 10 年間で倍増させて 30 万 m 3 を目指している ( いしかわ森林 林業 木材産業振興ビジョン 2011) また 石川県では 間伐面積( 民有林の助成対象となった間伐 ) は増加する傾向にある 平成 17 年は 3,398ha 18 年は 3,065ha と減少をみたものの 19 年 3,790ha 20 年 4,746ha 21 年 5,278ha であった 間伐面積の増加が素材生産量の増加に多少は貢献していると推測される 他方 石川県においても石川県森林組合連合会での動きが注目される 1つは後述するように 林ベニヤへの合板用原木の取りまとめをめぐる動きと もう1つは 石川県森連の原木市売市場の役割の変化である これらについては次の節でふれる 3 木材需給岐阜県 石川県両県の木材需給の特徴は 製材用材 (A 材 ) の大口需要者が少ないことである 他方 合板用材 (B 材 ) については 林ベニヤ ( 年間 27 万 m 3 消費 うち国産材 20 万 m 3 ) 森の合板( 年間 10 万 m 3 消費 ) が立地しており 合板用材の大口需要者が存在している まず岐阜県の木材需給についてみよう 岐阜県において木材の需給において大きな変化が生じてきている これを供給サイドからみるともっとも象徴的な動きとしてあげられるのは 岐阜県森連の岐阜県木材ネットワークセンター ( 以下 ネットワークセンター ) の設立である 平成 16 年より 岐阜県森連が原木取扱量を増やすために共販所での市売りに加えて 山土場から工場直送 ( システム販売方式 ) による販売を開始したことがネットワークセンター設立のきっかけとなった 平成 17 年に岐阜県森連は システム販売を主に管轄する組織として木材ネットワークセンターを立ち上げた 翌 18 年から需要側と価格協議を四半期ごとに実施するようになり システム販売による価格形成の機能を果たすようになった なお 平成 23 年 4 月より 岐阜県内に合板用材の大口需要者として森の合板工場 ( 中津川市 ) が稼働した ネットワークセンターの業務の内容は 1 安定取引のため県内県外を問わず供給元 需要先の確保 2 大手ハウスメーカーに納品する製材工場の確保及び需要量の把握 3 A B C 材 ( 時期 規格 数量等 ) の需要先の確保及び需要量の把握 4 中小製材工場の需要 ( 時期 規格 数量等 ) の把握 ( 市場買いも含めて ) 5 需要に対する量の確保と調整 6 必要 37

38 とする原木 ( 時期 規格 数量等 ) の安定供給 7 森林評価測定士の研修会の実施及び認定である ( 岐阜県森連 HP より ) このようにネットワークセンターでは 木材の需給調整が重要な業務であり とくに重要なのは必要な木材の安定供給である この安定供給を担保するために 県森連は岐阜県版システム販売を重視している 岐阜県版システム販売は 需要者が希望する規格 数量の原木を山元から需要者に直納することである 売れない原木を生産しない ことを原則とする 価格は岐阜県森連が決めた価格で取引を行う 直納には 3 つのパターンがある 1 つは山土場 需要者 2 つめが山元に近い中間土場 需要者 3 つめが共販所の土場 需要者というパターンである 木材を集積する場所は 需要者の立地を考慮して運送費がかからないように決めている システム販売の場合には A B C 材とも県森連と工場とが交渉して 協定価格を決める 協定価格はオープンにしている ( この点はきわめて重要 ) システム販売において強調すべき点は システム販売によって取引した場合 売り手が販売額の 5.0% 買い手が同 2.0% の手数料を県森連に払うことになっている 買い手側が手数料を負担するというという点が画期的である そして その意義は 売り手側すなわち供給側が販売する量をまとめたということに対する対価と考えられる なお システム販売によって得られる県森連の手数料収入は合わせて 7.0% である これは通常の市場手数料は 8.0% と比べると 1.0% 少ない 加えて 地域材供給倍増事業において県森連をとおさない仕組みも認めている 飛騨高山森林組合では 県森連が提示した A 材価格をもとに同森林組合の製材工場 (2.4 万 m 3 のキャパシティ ) では 売り手 ( 森林組合林産及び近隣の森林組合 ) と買い手である同工場との相対で価格を決定している この取引では 県森連を通さないため 県森連の手数料収入はない ネットワークセンターにとっては 買い手 つまり需要先の開拓も重要な任務である 上述のように 岐阜県には A 材の大口需要者がほとんどなく 需要先開拓では 県内に限定していない点も重要である 現在の A B C 材別の販売先は 下記の通りである A 材 ( 並材 ): 飛騨高山森林組合の製材工場 (2.4 万 m 3 ) 親和木材工業(2 万 m 3 ) 西村木材 ( 三重県 8 万 m 3 ) 東白川製材協同組合(1 万 m 3 ) オオコーチ( 三重県 2 万 m 3 ) ウッドリンク ( 富山県 6 万 m 3 )B 材 : 森の合板工場 (10 万 m 3 ) 林ベニヤ七尾工場( 石川県 24 万 m 3 ) ファーストウッド( 福井県 6 万 m 3 ) 竹村工業( 長野県 5,000m 3 ) C 材 : 大王製紙可児工場 金山チップセンター いび森林資源活用センター 中越パルプ ( 富山県 ) 南信チップ( 長野県 ) ( 注 )( ) 内の数字は原木消費量のキャパシティである ちなみに 岐阜県森連では 後述するように石川県森連との連携のもとで 合板用材を石川県七尾市にある林ベニヤに納めていた しかし 岐阜県中津川市に平成 23 年 4 月よ 38

39 り森の合板工場が稼働し 森の合板工場と林ベニヤとの間で原木の配分をめぐって混乱が生じるのではないかと懸念があった しかし 実際には 協定価格がオープンであるため 工場着価格とトラック運賃によってどちらの合板工場へ出荷することが合理的か容易に判断できる そのため 森の合板工場と林ベニヤへの出荷量の配分は自ずと決まってくる なお 岐阜県森連による林ベニヤへの供給量は 平成 18 年 4,685m 3 19 年 9,556m 3 20 年 1 万 8,804m 3 21 年 2 万 199m 3 22 年 2 万 9,358m 3 と年々増加傾向を示していた またシステム販売の基本は現場での仕訳 検知の精度の維持が重要である そのため 森林評価測定士 研修を平成 18 年度から開始した 平成 22 年 10 月末現在で 198 名の認定技術者を養成した実績を持つ 以上のような岐阜県森連の取組による木材供給側への影響として 森林組合の素材生産量が増加したことがあげられる たとえば 高山市森林組合では平成 16~17 年頃の木材生産量は 0 であった しかし 22 年 1 万 2,000m 3 23 年 2 万 m 3 と木材生産量を拡大させている そして 岐阜県下の森林組合 20 組合すべてで素材生産を実施するに至っている その結果 岐阜県森連の原木取扱量の推移は 表 -1 のとおりである 平成 17 年の実績は 取扱量は 7 万 2,924m 3 で うちシステム販売が 2 万 1,576m 3 であった それが平成 21 年には 取扱量 12 万 4,162m 3 で うち 5 万 8,724m 3 と増加を見ている とりわけ システム販売による取扱量の伸びが著しい こうしたことから 岐阜県森連は 原木の安定供給を量的な面で支えているといえよう 表 -1 岐阜県森連の原木取扱量の推移 単位 m 3 区 分 平成 17 平成 18 平成 19 平成 20 平成 21 販売量 72,924 96, , ,346 24,162 うちシステム販売 21,576 19,250 43,550 55,337 58,724 次に石川県の木材需給についてみよう もっとも特徴的な動きとして 林ベニヤに原木を安定的に供給するために 石川県森連を窓口として 7 県森連及び全森連が連携する体制を確立していることである 林ベニヤへの直納を行う契機になったのは 平成 16 年頃に丸太価格が 6,500 円まで下落したことによる危機感からであった 秋田県森連が 秋田プライウッドへの合板用丸太の販売していることを知り 平成 16 年秋に林ベニヤ ( 株 ) 七尾工場と合板用材の供給に関して協議を申し入れた 協議の結果 翌 17 年 1 月頃から林ベニヤに合板用材の供給を開始した 当初の取引では 安定供給の実績がまだなかったため 価格は林ベニヤの言い値であった 平成 18 年 4 月から石川県森連を窓口に同県森連を含む中部 5 県森連 ( 石川 富山 福 39

40 井 岐阜 長野 ) が連携してスギ カラマツを主体に供給を開始した この時にはじめてカラマツについてのみ価格の協議が行われた さらに平成 19 年から価格の協議が本格化した 価格の協議は 3 ヶ月ごとに実施し 協定価格はすべてオープンにした 運賃を考慮して 石川県と富山県は同じ価格で 福井県は+500 円 その他の県は+1,000 円となる このやり方を平成 18 年からこれまで 6 年間やってきている 需給側双方から不満は出てこない さらに 現在は 上記 5 県に加えて 静岡 山梨県森連および全森連も連携して合板用材を林ベニヤへ供給している その供給の実績は 平成 18 年には 2 万 5,807m 3 ( うち石川県 7,309m 3 ) 平成 19 年 4 万 6,053m 3 ( 同 6,944m 3 ) 平成 20 年 7 万 7,391m 3 ( 同 1 万 755m 3 ) 平成 21 年 8 万 7,096m 3 ( 同 1 万 7,949m 3 ) 平成 22 年 10 万 9,099m 3 ( 同 1 万 8,928m 3 ) である 震災後の変化としては 林ベニヤに入荷する丸太が極端に増加したことである それは東北の太平洋側の合板工場が被災したため東北地方での合板用原木の需要が後退したことと被災を免れた工場で増産が行われ 林ベニヤでも増産し 東北から丸太を受け入れてたためである 同時に外材輸入も増やしている しかし これは一時的な措置とみなされる なお 林ベニヤとの取引で 供給側のメリットとしてあげられる点は 林ベニヤが現金で支払い行う点である 精算は 20 日締め 翌月 10 日支払いとなっている 石川県森連による原木流通においてもう1つあげなければならない点は 2 年前から顕著となってきた石川県森連市場の役割の変化である 石川県森連金沢市場の取扱量は 7,000m 3 / 年で 20 年前の 3 分の 1 の取扱量に落ちてきている 同市場では全樹種を扱っており そのうちの 60~70% がスギである その他としてマツ トガ ( ツガのこと ) 残りは広葉樹でケヤキの割合が多い 市日は第 1 水曜日 ( 月 1 回 ) である 石川県森連金沢市場では森林組合系統による出荷よりも森林組合系統以外の民間の素材業者による出荷が多い 出荷者は 30 社ほどで そのうち頻繁に出荷する出荷者は 12~13 社である 地域を見ると富山県方面からの出荷者が多い 買い方は 120~130 社である 経常的に市に参加する買方は 25 社で 記念市には 60 社が参加する 上位 5 社が相当量を購入する 買い方には岐阜 愛知県など県外の製材業者もいるが 主な買い方は県内の製材業者である 石川県森連金沢市場では これまで原木を集荷し仕分けする機能を果たしてきた つまり伐採された原木をすべて市場に持ってきて それを仕訳してハエを作って競り売りするという機能である 欠点材も並べていた 市場の手数料は 7% である しかし 木材価格が全般的に下がってくると これまでの市場運営のやり方は意味を持たなくなってきた 木材価格が安くなると原木はなるべく山土場で仕訳して 需要者に直納するやり方が合理的である 山土場での仕訳は 森林組合もしくは市場職員が行う 40

41 このように直納化を進めた結果 市場 ( 市売り ) は 40% となり 60% が合板用材として直納することとなった なお 石川県森連が納材業者から受け取る合板用材の手数料は 350 円 /m 3 である ( 当初は 500 円 /m 3 であった ) 加えて 石川県森連では 合板用材である B 材だけではなく ウッドリンク ( 富山県高岡市の元ロシア製材 ) と A 材についても市売りを経ずに協定価格による直納での取引を平成 19~20 年頃から開始した 県森連金沢市場では 地元の製材工場への原木の安定供給という役割を捨てたわけではなく 引き続きその機能を継続することにしている そのため 林ベニヤもウッドリンクなど協定価格で取り引きする需要者は市売りへの参加は不可としている (2) モデル地域における課題飛騨 石川ブロックでは 県森連を核として原木広域流通が実現している地域である ただし モデル地域での木材生産量は 森林蓄積に対して過少である 素材生産量拡大が当モデル地域の課題である また 需要先に関しては B 材については既存の林ベニヤと新たに操業した森の合板があり 需要先が確保されている 他方で A 材を需要する大手の製材工場は当モデル地域にはほとんど立地していない そのため 岐阜県森連 石川県森連ではそれぞれ A 材の大口需要先の開拓に努めており 今後ともその努力の継続が必要である とくに岐阜県においては ヒノキの蓄積が多く 戦後 優れた品質の柱角を代消費地の市場に安定的に提供して 東濃檜 という名前でブランド化に成功した数少ない製材産地でもある このように資源的な背景とこれまでの伝統からヒノキ A 材を有利に販売する何らかの方策が必要である (3) 飛騨 石川地域における広域連携のあり方 ( モデル ) 飛騨 石川ブロックでの原木広域流通の取り組みは 次の点で評価できる すなわち 石川県森連を窓口として 7 県森連及び全森連が連携して共同で合板用原木を供給していること 岐阜県森連 石川県森連それぞれが B 材のみならず A 材 C 材の大口需要者の開拓を県内にとどまらず県外にも目を向けて行っていることである このように県という枠にとどまらないで需要先の開拓を行っていることはまさに広域流通の目指すところである 新たな原木流通の取り組みとして 石川県森連では大口需要者には直納を行い 市売には参加させず 小口需要者に対して市売りの門戸を開いている 大口需要に対する直納と地元小製材への市売りとを両立させる仕組みとして注目できる また 岐阜県森連のシステム販売では 出荷者からだけではなく 買い手 ( 大口需要者 ) からの手数料を徴収していること 生産 流通コスト削減のために 山土場 中間土場の確保とそこでの仕訳 検 41

42 知を徹底し 仕訳 検知の精度の維持のため 森林評価測定士 研修を行い人材を育成していることは高く評価できる このような取り組みをより拡充しながら 広域で A 材 B 材 C 材すべてに対して生産から流通までをコーディネートする体制の強化が望まれる ( 堀靖人 ) 5. 東三河 静岡西部地域における広域流通 (1) モデル地域の森林 林業の現状 1 愛知県および東三河地域の現状 a 資源の状況愛知県の森林面積は 219,501ha で森林率は 42.5%( 平成 20 年度 ) 民有林が 207,738ha で民有林率は 94.6% となっている 民有林のうちの人工林面積は 131,683ha で人工林率は 63.6% となっている 民有林の蓄積量は 43,009 千m3で そのうち人工林は 34,326 千m3となっている 民有林の樹種別面積は 針葉樹ではヒノキが 61,644ha でもっとも多く 次いでスギが 50,394ha マツ類が 32,608ha となっている 広葉樹の面積は 57,092ha これを東三河地域に限って見ると 民有林面積 101,514ha のうち 針葉樹ではスギが 36,415ha でもっとも多く 次いでヒノキが 32,318ha マツ類が 12,828ha となっている 一方 広葉樹面積は 18,516ha にとどまっている 民有林の樹種別蓄積量は 針葉樹ではスギが 13,821 千m3でもっとも多く 次いでヒノキが 12,670 千m3 マツ類が 5,117 千m3となっている 広葉樹の蓄積量は 6,353 千m3 これを東三河地域に限って見ると 針葉樹ではスギが 13,821 千m3でもっとも多く 次いでヒノキが 7,078 千m3 マツ類が 2,191 千m3となっている 広葉樹の蓄積量は 2,426 千m3となっている b 素材生産 流通および原木需給愛知県は国内有数の木材消費地であり 生産地である その背景には 名古屋という東京 大阪に次いで人工の多い大消費地を控えていることがある 東海地区の集散地であること 木材輸入港が整備されていることなども大きい 経済産業省の 工業統計表 ( 産業編 ) によると 都道府県別で木材 木製品出荷額が多いのは北海道 愛知県 静岡県で 最近はこの 3 道県がトップ 3 に固定されている その中で愛知県は平成 16~19 年に 1,700 億 ~1800 億円でトップとなり 20 年 ( 1,753 億円 ) および 21 年 (1,383 億円 ) はトップを譲りはしたものの いずれも 2 位にランクされてい 42

43 る ただし このように同県の木材出荷が盛んなのは 木材取引が盛んなためであって そのことは県内の林業生産が活発であることを意味するわけではない 取り引きされる木材には少なからず外材があり あるいは国産材であっても原木 製品 銘木のそれぞれで国内有数の優良市場があることで全国各地から優良な木材が集まってくるからという事情がある 全国から優良材が集まる愛知県の原木市場 そうした背景を踏まえた上で 愛知県の林業について概観すると 素材生産量は昭和 49 年に 20 万m3を割って以降は漸減傾向をたどり 平成 10 年には 10 万m3を割り込んだ しかし 18 年からは増加傾向に転じ 22 年は 108 千m3 ( うちスギが 50 千m3 ヒノキが 54 千m3 ) まで回復してきている 素材生産では スイングヤーダ プロセッサ フォワーダのいわゆる三点セットを活用した列状間伐に力を入れており 低コスト素材供給体制が整いつつある ただ 愛知県内の素材生産はほとんどが森林組合系統で行われており 今後 生産量を拡大するためには 民間業者の育成による素材生産体制の強化が必要となっている このように素材生産は機械化が進み 量的に増加傾向になっている 県内の素材需要量は 20 年度が 494 千m3で そのうち国産材の需要量は 63 千m3に過ぎず データ的には県内の国産材需要をまかなうだけの生産ができていることになる ただし 古くからの林業地である東三河では 高齢級優良材の生産量も多く それらは地域内で消費されるものもあるが 岐阜や三重など他県業者に買い取られていくものも少なくない また 最近は一般材を県外に出荷するケースも増えており 愛知県森林組合連合会では 43

44 三重県内の有力製材業者と協定を結び 年間 9,000 m3の原木を提供している 岐阜県や石 川県の合板工場向けの出荷もある 2 静岡西部 ( 天竜 ) の状況 a 資源の状況静岡県の森林面積は 498,978ha で森林率は 64% 森林のうち民有林は 408,863ha 国有林は 90,115ha で 民有林が圧倒的に多い ( 森林全体の 82%) それぞれの蓄積量は 民有林が 88,203 千m3 国有林が 16,483 千m3となっている 民有林のうち 人工林は面積が 240,302ha 蓄積量が 68,806 千m3 樹種別では スギが 101,652ha 36,557 千m3 ヒノキが 122,017ha 28,865 千m3 マツが 11,597ha 2,611 千m3となっている 一方 天竜林業地を擁する浜松市の森林面積は 102,828ha で森林率は 68% 森林のうち民有林は 81,549ha で さらにそのうちの人工林は 62,298ha で人工林率は 76% となっている 人工林の樹種別面積割合は スギが 62% でもっとも多く 次いでヒノキが 35% その他が 3% となっている また 民有林の 45% に当たる 36,494ha が FSC の森林認証を取得している b 素材生産 流通および原木需給平成 22 年の静岡県の素材生産量は 251 千m3で そのうちスギが 128 千m3 ヒノキが 120 千m3となっている そのうち 天竜地域の素材生産量は 100 千m3程度である 地域の原木流通については 森林組合系統の原木共販所が中心的な役割を果たしているほか 古くからの林業地で優良材産地である土地柄から 枝打ち材や大径材については 他地区の原木流通業者による仕入れも見られる 山元の森林所有者や森林組合が直接他県の原木市場に出荷するケースもある ただ 天竜地域は地形が急峻な上 路網が未整備であるため 素材生産コストがかかり増しになる傾向 (8,000 円 / m3~1 万円 / m3を超えるようなケースもある= 県森連等への聞き取りによる ) があり 一般材に関しては森林所有者への還元がままならない そのため 最近は更新の必要がない間伐施業が中心になっているほか 当初は抵抗感も見られた合板工場向けの原木出荷についても 価格が上がらないことから仕方ないものとして受け止める向きも増えつつあり 岐阜県や石川県の合板工場への出荷量も増えている なお 静岡県では平成 25 年には県内素材生産量を 45 万m3に拡大することを計画している 域内の木材マーケットの特徴としては もともと天竜地域では板挽きの製材工場が多い 44

45 こと 全般に規模の小さい製材工場が多く 最大でも原木消費量は 2 万m3 / 年程度にとどまること 東海地方の中核都市のひとつである旧浜松市域を抱えており 地域内である程度の消費が見込める などがある 地域内消費については 浜松市が FSC 材を利用した家づくりを支援していることから FSC 材に一定の引き合いがある 静岡県森連天竜営業所 最近は合板工場に直送する丸太も増えている 45

46 合板工場 合板工場 県森連森組 県森連 製材メーカー (2) モデル地域の課題浜松市は現在 育てる林業 から 売る林業 への 天竜林業 の進化 をキャッチフレーズとし 天竜地域での林業生産活動を活発化させることを計画している 計画の内容は 川上では効率的な生産システムの構築 団地化による集約化の促進 作業道整備等による生産基盤の強化など 川中では加工流通セクターの強化 川下では FSC 材の販路拡大による天竜材の利用促進 というもので 川上から川下に至る総合的な取り組みを進めることにしている その一環として 浜松市役所では平成 23 年 7 月 1 日付で従来の森林課 天竜林業事務所を農業も含めた 2 課 2 事業所体制に再編 いわゆる農商工連携による 6 次産業化を推進する体制を構築した さらに川中の措置として 中核的な加工事業体を育成するべく 域内事業体に対する設備投資などへの支援措置も計画している 一方 今後 静岡県内では 大手プレカット工場や国内最大手の木材加工業者による拠 46

47 点整備が計画あるいは検討されており それが地域の原木需給や製品流通に大きな影響を及ばす可能性がある 特に大手加工業者による進出計画では 進出するか否かも最終決定には至っていない段階とはいえ 仮に進出した場合は A 材を一般製材に加工するとの青写真が描かれており 実現した場合にはそのインパクトは相当なものにならざるを得ない さらに静岡県では 平成 25 年度には県内の素材生産量を 45 万m3に増加させる ( 平成 22 年実績比で 20 万m3増 ) との計画を打ち出しており 今後展開されるであろう増産推進策が地域の原木需給にどのような影響を及ぼすかについても予断を許せない その計画が仮に実現した場合 現在の原木市場 共販所の能力を大きく上回る量の原木が出材されることになるため 市売によらない原木取引が急拡大することは避けられない あるいは需要の受け皿がないままでの供給増では市況に混乱を来すことも想定される 一方 東三河地域では すでに域内の国産材需要を上回る素材生産が行われていること 今後も生産増が見込まれることなどから 域外への広域流通をいかにスムーズに拡大していくかが課題となる (3) 東三河 静岡西部地域における広域連携のあり方 ( モデル ) 1 製材工場が山林部門を保有天竜地域のある製材工場では 自社山林部を有していることで スポット取引に頼らずに原木を調達できており 原木調達と製材生産とを一体的に運営することが可能になっている この製材工場は年間原木消費量が約 2 万m3 同社によると 製材単体での経営では利益を確保することは難しいといい 自社山林部が山元から直接原木を調達することによってジャストインタイムの原木確保が実現でき それによって製材生産による利益を計上できているという 同社山林部の素材生産の流れは 立木を購入し 伐採期限内に自社製材部門で発生したニーズに応じて伐採 自社での消費に向かない原木は原木市場や他の製材工場 合板工場などに出荷するというもの いわば原木取扱商社のような取り組みを展開しており その一環として自社製材部門に対し 必要な時に必要な品質の丸太を必要な量だけ供給するという役割を果たしている このように製材工場が自社で素材生産部門を持つことによる 山元からの直送体制の構築というシステムも今後の原木流通モデルとして検討の対象となり得る 2 有力原木業者が自社で仕分けを行って直送 天竜で 1,100ha の山林を所有している財団では 自社山林で生産した原木を中間土場で 47

48 仕分し ジャストインタイムで製材工場に供給する取り組みを展開している その一方で 前項 1で紹介したような製材工場に対しては 細かな仕分けはせずに原木を提供している この場合は 受け手側の製材工場が引き取った原木を自社の加工用にまわす原木と転売する原木とに仕分けすることになる いずれにしろ 寺社山林で生産した原木を直売しているわけであり それによる効果を上げるために 取り引き先のニーズを細かく把握し それに即した供給を行えるようにしている あるいは どのような形での原木供給なら顧客にとってメリットがあるかを検討し 提案するケースもある その一例として 今後は剥皮を済ませて製材ラインにすぐに投入できるようにした原木を供給することなども検討することにしている 同財団の年間原木取扱量は平成 23 年度が 6,000 m3の予定だが 今後は寺社山林の周囲の山林を集約化することにより 24 年度は 2 万m3 5 年後には 5 万m3にまで取扱量を拡大することを目指す このように原木の有力な生産業者が 自社での仕分機能を強化し 直送によって効果を上げるケースも今後は増えてくることが予想される 3 協定内容を順守して双方にメリット愛知県森連では 現在 三重県の有力製材工場に対し 年間 9,000 m3の原木を協定によって販売している 県森連では さまざまな変動要因がある中でもこの協定を順守することに力を入れており その結果 顧客との間で信頼感が醸成され 双方にとってメリットのある取引が実現している 次の4で述べるように 今後は協定取引から契約取引への意向を視野に入れることも必要だと思われるが 同県森連の取り組みはすでにそれに近い形で展開されている例だと言える 48

49 東三河の原木市売市場 4 原木市場が契約取引をアレンジ現在の原木マーケットは 基本的にスポット市場としての機能しか持ち合わせていないところに課題が残されている ( 例外は国有林のシステム販売 ) 山元の素材生産 原木市売 製材工場による原木の購買のそれぞれで行われる生産 出材 集荷 販売 購買のいずれもが発生ベースでの動きになっており 計画性のある展開が実現できていない もっとも計画性が期待できそうなのが山元の原木生産 出材であるが 利用間伐が主な生産手段になる中で 公的支援を受けながらの生産が当たり前になり マーケット動向や顧客ニーズに合わせた計画的な生産を行うことが難しくなっている 一方 中小製材工場の場合 受注内容に即した当用買いによる原木仕入れができる方が好都合という事情はある その点で原木市場の役割が重要であることは明らかであり 今後もその役割を適切に果たすことが求められる だが 一定規模の原木取引に関しては スポットでの動きだけでなく 山元の生産 出材や売買取引が計画的に行われるようなシステムを整備することも今後は必要だと思われる 具体的には 新流通システムや新生産システムの実施を契機として各地で導入されるようになった 協定取引 をより計画性のある 契約取引 へと発展させる道筋を検討することが必要ではないか そのために第一に必要なのは 山元の素材生産に関する実効性のある計画づくりと それを可能にするための資源情報の充実である 現在の資源に関する情報は 森林簿等のデータはあるものの 実際の状況がどの程度反映されているかと言えば はなはだ心もとない そのため 森林整備計画や施業計画 さらに新たに導入される経営計画といった計画を樹立する際にも 属地的なデータを踏まえての計画づくりが困難になってしまっている 49

50 国有林の場合は 施業実施計画を作成するにあたって 現場の調査が行われ それに基づいた計画づくりがなされるわけであるが 民有林は集約化等の必要性がある度毎の調査になっており 計画性のある生産販売ができるようにはなっていない 資源情報が充実すれば どこでどのような木をどのくらい生産するかの計画を具体的に作成することが可能になる その計画内容を顧客に提示し 1 年程度の契約を結び 契約の執行は 3 カ月ごとのレビューをしながら行うという形での原木取引が可能になれば 山元と加工サイドの双方が計画的な業務運営が可能になり そのメリットは大きい そのような契約取引を仕分のノウハウを持ち 金融機能を有する原木市場がアレンジするというシステムを原木取引モデルの将来像として検討したい もともとスポット市場としての役割を担ってきた原木市場が参画すれば 気象災害や市況の変動といった予測不能な事態が発生した際にも 契約取引とスポット取引を融通させ合うことによって ある程度弾力的に対応することが可能になる そのために 資源情報を充実させて素材生産に関する計画 予定等に関するデータに実効性を持たせることと そうしたデータを原木市場に集積することについて 具体的な方策を詰めたい ( 赤堀楠雄 ) 6. 愛知 三重地域における広域流通 (1) モデル地域の森林 林業の現状 1 愛知県の現状 a 資源の状況愛知県の森林面積は 219,501ha で森林率は 42.5%( 平成 20 年度末時点 以下同じ ) 民有林が 207,738ha で民有林率は 94.6% となっている 民有林のうちの人工林面積は 131,683ha で人工林率は 63.6% となっている 民有林の蓄積量は 43,009 千m3で そのうち人工林は 34,326 千m3となっている 民有林の樹種別面積は 針葉樹ではヒノキが 61,644ha でもっとも多く 次いでスギが 50,394ha マツ類が 32,608ha となっている 広葉樹の面積は 57,092ha これを東三河地域に限って見ると 民有林面積 101,514ha のうち 針葉樹ではスギが 36,415ha でもっとも多く 次いでヒノキが 32,318ha マツ類が 12,828ha となっている 一方 広葉樹面積は 18,516ha にとどまっている 民有林の樹種別蓄積量は 針葉樹ではスギが 13,821 千m3でもっとも多く 次いでヒノキが 12,670 千m3 マツ類が 5,117 千m3となっている 広葉樹の蓄積量は 6,353 千m3 50

51 奥三河の人工林 b 素材生産 流通および原木需給愛知県は国内有数の木材消費地であり 生産地である その背景には 名古屋という東京 大阪に次いで人工の多い大消費地を控えていることがある 東海地区の集散地であること 木材輸入港が整備されていることなども大きい 経済産業省の 工業統計表 ( 産業編 ) によると 都道府県別で木材 木製品出荷額が多いのは北海道 愛知県 静岡県で 最近はこの 3 道県がトップ 3 に固定されている その中で愛知県は平成 16~19 年に 1,700 億 ~1800 億円でトップとなり 20 年 ( 1,753 億円 ) および 21 年 (1,383 億円 ) はトップを譲りはしたものの いずれも 2 位にランクされている ただし このように同県の木材出荷が盛んなのは 木材取引が盛んなためであって そのことは県内の林業生産が活発であることを意味するわけではない 取り引きされる木材は少なからず外材があり あるいは国産材であっても原木 製品 銘木のそれぞれで国内有数の優良市場があることで全国各地から優良な木材が集まってくるからという事情がある そうした背景を踏まえた上で 愛知県の林業について概観すると 素材生産量は昭和 49 年に 20 万m3を割って以降は漸減傾向をたどり 平成 10 年には 10 万m3を割り込んだ しかし 18 年からは増加傾向に転じ 22 年は 108 千m3 ( うちスギが 50 千m3 ヒノキが 54 千m3 ) まで回復してきている 素材生産では スイングヤーダ プロセッサ フォワーダのいわゆる三点セットを活用した列状間伐に力を入れており 低コスト素材供給体制が整いつつある ただ 愛知県内の素材生産はほとんどが森林組合系統で行われており 今後 生産量を拡大するためには 民間業者の育成による素材生産体制の強化が必要となっている 51

52 このように素材生産は機械化が進み 量的に増加傾向になっている 県内の素材需要量は 20 年度が 494 千m3で そのうち国産材の需要量は 63 千m3に過ぎず データ的には県内の国産材需要をまかなうだけの生産ができていることになる ただし 古くからの林業地である東三河では 高齢級優良材の生産量も多く それらは地域内で消費されるものもあるが 岐阜や三重など他県業者に買い取られていくものも少なくない また 最近は一般材を県外に出荷するケースも増えており 愛知県森林組合連合会では 三重県内の有力製材業者と協定を結び 年間 9,000 m3の原木を提供している 岐阜県や石川県の合板工場向けの出荷もある 作業道を活用した 3 点セットでの素材生産の効率化が進められている 3 三重県の状況 a 資源の状況三重県の森林面積は 372,529ha で森林率は 65% を占めている ( 平成 21 年度末時点 以下同じ ) その内訳は国有林が 23,534ha 民有林が 348,995ha で 民有林が 94% を占めている 民有林の林種別森林面積は スギとヒノキを中心とする人工林が 218,046ha 天然林が 123,394ha で 人工林率は 62% となっている 人工林の樹種別面積は ヒノキが 103,401ha で全体の 47% を占めトップ 次いでスギが 96,298ha(44%) マツが 17,407ha(8%) となっている 人工林の資源構成は 8 齢級以上の林分が 84% を占め 1~2 齢級の林分は 1% となっている スギ ヒノキのそれぞれでもっとも面積が大きい林齢は ともに 10 齢級で その面積はスギが 19,748ha ヒノキが 21,164ha となっている 民有林の蓄積量は 69,414 千m3で そのうち人工林が 56,500 千m3 天然林が 12,913 千 52

53 m3 土場に集められた三重県産材 FSC のマークも b 素材生産 流通および原木需給平成 21 年度の素材生産量は 282 千m3 そのうちスギが 131 千m3 ヒノキが 138 千m3 13 年度 ~18 年度までは 300 千m3台を維持していたが 19 年度に 293 千m3と 300 千m3を下回り 20 年度は 298 千m3と若干回復したが 全般的には漸減傾向が続いている 平成 21 年の木材需要量は 426 千m3 木材需要量は平成 14 年に 594 千m3と 60 万m3を下回り 以後 18 年度まで 50 万m3台で推移 19~21 年度が 40 万m3台と漸減傾向で推移ししている 需要部門別では製材用材が全体の 9 割以上を占めている 21 年の木材需要量 426 千m3に対する供給量は 県産材が 226 千m3 他県産材が 120 千m3 外材が 36 千m3となっている 県産材率は 53% となっている 県内の製材工場数は 345 工場で全国トップ ( 平成 21 年 ) ただし これもやはり漸減傾向が続いており 12 年時点の 571 工場から 9 年間で 226 工場減少している 以上を総括すると 三重県の場合 全国有数の国産材製材産地として多数の製材工場がひしめき 県内で生産された素材の多くはそれらの工場に供給されている 原木流通に当たっては 個々の工場のニーズに対応した集荷 仕分けポイントとして原木市場が中心的な役割を担っているほか 最近になって山元から直送されるケースも増加してきている なお 域外に流通している素材は主に高齢級大径材を中心とする高品質材と見られるが このほかに最近は近隣の合板工場 ( 石川 京都 岐阜 ) に素材が出荷されるケースも増えてきている (2) モデル地域の課題 53

54 当地域は尾鷲 松阪 ( 三重 ) 天竜に隣接する奥三河( 愛知 ) を擁する全国でも有数の林業 ( 製材 ) 産地である それだけにスギ ヒノキ丸太の単価が相対的に高く これが真壁工法住宅需要縮小の影響を受けて窮状を余儀なくされている また当地域は原木市売市場が発達した地域でもあり 丸太の周密な仕分け配給機能を活かしながら産地を形成してきた その一方で 当地域では石川 京都の合板メーカーへB 材丸太が販売されており 新しい形の原木広域流通の素地が形成されている こうした現状を踏まえて当地域の課題を考えると 問題はA~C 材の仕分 配給機能をどう高めるかということと その需要先をいかに確保するかということになる (3) 愛知 三重地域の広域連携のあり方 ( モデル ) 1 加工セクターの機能強化が必要上記課題の解決方向のひとつとして 製材の 量産 という視点を取り入れることが必要である 加工セクターの基盤強化こそが素材生産 流通の拡大につながることは 岩手 栃木 宮崎 大分 熊本などを見れば明らかである 最近の傾向として 間伐による森林整備の必要性が高まる中で 利用間伐が強く推進されるようになってきている しかし ここで言う 利用 は最終的な利用を意味するものではなく 林内に放置するのではなく 利用するために運び出すという意味での 利用 である その結果 需要の受け皿がないままに 利用間伐 材が大量に出荷され ややもするとマーケットでだぶつく事態が発生するようになっている 現状ではそのリスクは常にあると言わなければならない その観点からすると 加工セクターの強化による需要の受け皿づくりは非常に重要であり 量産による工場の経営体力強化 販売力強化を実現し 結果的に原木流通の健全化を図るというスキームは 単に山元の出材促進を図るだけではなしえない地域林業 木材産業の活性化に大いに寄与すると考えられる 特に当地域 ( 三重 松阪など ) は従前から製材業が盛んに営まれてきている土地柄であり 加工セクター強化の考え方はこうした地域事情に則している ただ その場合 数多くの工場がそれぞれの戦略で多様な製品づくりを展開している事情に配慮するため 量産一辺倒ではない施策を講じることも必要になる その中には 付加価値製品のマーケットを拡大するための方策の検討と実施といったことも当然含まれなければならない 54

55 三重県内の量産型の国産材製材工場 2 原木市場 + 中間土場モデル原木の仕分 配給機能に関しては 当地域の場合 従前から原木流通において大きな役割を果たしてきた原木市売市場が主要な拠点として その機能を果たしていくことが必要である 当地域において原木市場の存在はその規模 ( 取扱数量 ) 機能のいずれの面においても非常に大きい さらに古くからの林業地を抱えていること 伝統的に優良材の市場性が高い中京地区の一大マーケットがあることといった産地特性を背景として 全国有数の優良材の集散拠点としての性格をも帯びている 地域内の原木市場には 全国各地の林業産地から優良材が集まり 購買力 販売力のある買方業者も集まってくる ただ 最近は和室の減少 真壁工法の減少といった住宅工法の変化が急速に進む中で 和室造作材や高級建具材を主な用途とする高品質原木の市場性が著しく低下しており 各原木市場も取扱数量の減少や販売単価の低下といった課題に直面している そうした中 域内の一部の市場では 域外の生産現場近くに中間土場を設営し A~C 材をまとめて受け入れ A 材は本拠地での市売にかけ B C 材については合板工場や集成材工場 チップ工場等に直送販売するという取り組みを開始して実績を上げるところが出てきた こうした新しい形での原木市場の経営展開は 今後の原木流通におけるひとつのモデルとして位置づけられる 55

56 優良材の集散拠点として知られる愛知県内の原木市場 3 山元 製材の直送モデル量産工場の存在をキーファクターとした原木流通モデルとしては 三重県の有力ヒノキメーカーの取り組みに見られるように 製材工場サイドが自動選別機を備えて検知機能を受け持つことによって原木取引を効率化する取り組みも有効である この場合に必須となるのは 工場に原木を出荷する素材生産業者や森林組合が山元で適切な仕分けを行う能力を有することである 当地域のケースでは 製材工場側はあくまでも検知機能を果たすためと 径級別に効率的な製材加工を行うための 2 つの理由で自動選別機を導入 稼働しており 仕分機能まで担うことは想定していない そのため 工場に入荷する原木はあくまでもその工場で消費することができるような長さ 径級のものに限られるというのが大前提である よって山元での適切な仕分けが必要になる ただ その際に検知までも山元に担わせるようだと かえって作業効率が低下する恐れがある 逆にその部分を製材側に担わせることにより 山元で生産された原木を遅滞なく工場に出荷することが可能になり そのことが結果的に山元にとっても有利販売の実現につながる 将来的には 当該製材工場が周辺工場との水平連携を強め 自社と周辺工場をひとつの経営体と設定して さまざまな種類の原木をまとまった量で受け入れることが可能になれば 山元ではそれほど詳細には仕分を行わずに原木を出荷し 製材サイドで仕分を担って 連携先の工場に原木を供給するというスキームを動かすことも可能になる そのことも視野に入れながら 山元と製材との連携強化を今後も進めることが望ましい 56

57 大型工場に設置された原木自動選別機 4 原木市場が契約取引をアレンジ現在の原木マーケットは 基本的にスポット市場としての機能しか持ち合わせていないところに課題が残されている ( 例外は国有林のシステム販売 ) 山元の素材生産 原木市売 製材工場による原木の購買のそれぞれで行われる生産 出材 集荷 販売 購買のいずれもが発生ベースでの動きになっており 計画性のある展開が実現できていない もっとも計画性が期待できそうなのが山元の原木生産 出材であるが 利用間伐が主な生産手段になる中で 公的支援を受けながらの生産が当たり前になり マーケット動向や顧客ニーズに合わせた計画的な生産を行うことが難しくなっている 一方 中小製材工場の場合 受注内容に即した当用買いによる原木仕入れができる方が好都合という事情はある その点で原木市場の役割が重要であることは明らかであり 今後もその役割を適切に果たすことが求められる だが 一定規模の原木取引に関しては スポットでの動きだけでなく 山元の生産 出材や売買取引が計画的に行われるようなシステムを整備することも今後は必要だと思われる 具体的には 新流通システムや新生産システムの実施を契機として各地で導入されるようになった 協定取引 をより計画性のある 契約取引 へと発展させる道筋を検討することが必要ではないか そのために第一に必要なのは 山元の素材生産に関する実効性のある計画づくりと それを可能にするための資源情報の充実である 現在の資源に関する情報は 森林簿等のデータはあるものの 実際の状況がどの程度反映されているかと言えば はなはだ心もとない そのため 森林整備計画や施業計画 さらに新たに導入される経営計画といった計画を樹立する際にも 属地的なデータを踏まえての計画づくりが困難になってしまっている 57

58 国有林の場合は 施業実施計画を作成するにあたって 現場の調査が行われ それに基づいた計画づくりがなされるわけであるが 民有林は集約化等の必要性がある度毎の調査になっており 計画性のある生産販売ができるようにはなっていない 資源情報が充実すれば どこでどのような木をどのくらい生産するかの計画を具体的に作成することが可能になる その計画内容を顧客に提示し 1 年程度の契約を結び 契約の執行は 3 カ月ごとのレビューをしながら行うという形での原木取引が可能になれば 山元と加工サイドの双方が計画的な業務運営が可能になり そのメリットは大きい そのような契約取引を仕分のノウハウを持ち 金融機能を有する原木市場がアレンジするというシステムを原木取引モデルの将来像として検討したい もともとスポット市場としての役割を担ってきた原木市場が参画すれば 気象災害や市況の変動といった予測不能な事態が発生した際にも 契約取引とスポット取引を融通させ合うことによって ある程度弾力的に対応することが可能になる そのために 資源情報を充実させて素材生産に関する計画 予定等に関するデータに実効性を持たせることと そうしたデータを原木市場に集積することについて 具体的な方策を詰めたい ( 赤堀楠雄 ) 7. 中国東部地域における広域流通 (1) モデル地域の森林 林業の現状 1 岡山県の現状 a 資源の状況岡山県の森林面積は 486,926ha で森林率は 68%( 平成 23 年度末 以下同じ ) そのうち民有林が 446,402ha で民有林率は 92% となっている 民有林のうちの人工林面積は 175,187ha で人工林率は 39% となっている 民有林の蓄積量は 68,704 千m3で そのうち人工林は 40,265 千m3となっている 市町村別の人工林率を見ると 年間降水量が 1,400 mmを超える県北部地域に人工林率の高い市町村が集中している 民有林人工林の樹種別面積はヒノキが 118,305ha スギが 36,915ha マツが 16,123ha となっており ヒノキが多いのが特徴である 人工林の齢級別面積は 9 齢級が 28,700ha でもっとも多く 次いで 8 齢級が 23,712ha 10 齢級が 22,140ha 11 齢級が 21,512ha となっており 6~11 齢級に偏って分布している 58

59 b 素材生産 流通および原木需給岡山県の木材需給量は 408 千m3で 供給面では国産材が 391 千m3で全体の 96% を占めている ( 平成 21 年 以下同じ ) 需要面では製材用が 370 千m3で 91% 木材チップが 38 千m3で 9% となっている 県内の素材生産量は 324 千m3で 樹種別内訳はスギが 114 千m3 (35%) ヒノキが 159 千m3 (49%) マツが 20 千m3 (6%) その他が 31 千m3 (10%) となっている このうち 県内の製材工場やチップ工場向けに出荷されたのは 285 千m3で 県内需給量の 70% を占めている なお 製材工場数は 105 工場で このうちの 77% に当たる 81 工場が国産材専門工場である 59

60 岡山県における木材の流通状況 ( 平成 21 年 ) 出典 : 岡山県森林 林業統計 岡山県では 津山地区と真庭地区を擁する いわゆる美作地域が原木流通 消費の中心となる 樹種としては 美作ヒノキ ブランドで知られるヒノキが中心であることも特徴である この地域では早くから原木市場および製品市場による木材流通機構が形成され それを背景に多くの製材工場が立地して西日本を代表する国産材集散地として発展を遂げた 60

61 津山市内の民間原木市場 原木の集荷範囲としては 前述のように地元および周辺地域が中心であり 消費に関しても地域内の製材業界が主要な受け皿となり 地元の木材を地元で消費するというのが基本的な構造となっている ただし 域内の大手ヒノキ材メーカーでは 地域産にとどまらず 四国 九州を含めた広範な地域で原木仕入れを展開しており 最近は東海地区まで集荷範囲を広げる動きもある ヒノキ材の場合 スギのようにある地域で大量の原木を調達するというわけにはいかず また 価格もある程度高めになることで運賃を吸収しやすいという側面があるため 流通エリアが広域になる傾向がある 一方 近年はこの地域でも他地域と同様に 山陰の有力合板メーカー向けの原木供給が増え始めている 合板用の原木はスギが中心である 2 鳥取県の現状 a 資源の状況鳥取県の森林面積は 259,884ha で森林率は 74%( 平成 21 年時点 以下同じ ) 森林のうち民有林は 227,781ha 国有林は 32,104ha で 民有林が全体の 88% を占めている 民有林のうち 人工林は面積が 123,220ha( 人工林率は 54%) 蓄積量が 36,013 千m3となっている 樹種別では スギが 62,245ha 22,617 千m3 ヒノキが 34,507ha 6,139 千m3 マツが 25,163ha 7,169 千m3となっている b 素材生産 流通および原木需給 平成 21 年の鳥取県の素材生産量は 167 千m3で そのうちスギが 113 千m3 ヒノキが 20 61

62 千m3 マツが 16 千m3となっている 市町村別の素材生産量は もっとも多いのが西部日野地区の日南町で 58 千m3 次いで東部の智頭町が 30 千m3となっている 需要分野別の素材生産量は製材用が 79 千m3 合板用が 37 千m3 木材チップ用が 46 千m3 その他用が 5 千m3となっている 県内の素材需要量は 390 千m3で そのうち国産材が 181 千m3 外材が 209 千m3となっている 国産材のうち県産材は 115 千m3で 県内で生産された素材の 68% が自県で消費されていることになる 県内の製材工場数は 56 工場で平成 12 年の 108 工場に比べるとほぼ半減している 製材用素材の入荷量は 54 千m3で 12 年の 163 千m3に比べると 1/3 にまで落ち込んでいる 鳥取県は県東部の八頭地域に若桜 智頭といった全国に知られる優良材産地があり また 県西部も生山 ( 日南町 ) を中心に古くから林業が盛んに営まれてきた 東部の優良材産地に関しては 住宅工法の変化等により 役物向けの原木が以前に比べて大幅に値下がりするなど 他の優良材産地と同様に苦戦を強いられている 一方 生山には以前から岡山 兵庫といった他県業者が原木調達に訪れているが 近年はスギ LVL 工場の整備により 地元での消費量が増大する傾向にあり それが刺激となって山元の生産意欲も高まってきている (2) モデル地域の課題美作地域は原木市場における綿密で細やかな仕分けが特徴で それが地域に数多く立地する製材工場のニーズとも合致し 市場を中心とした原木流通システムが発展 定着している 原木の品質チェックを入念に行っている 62

63 それぞれの市場は地域内での原木調達割合が非常に高い 津山市内の民間原木市場の場合 平成 21 年の取扱量 56,034 m3 ( 県内民有林からの集荷分 ほかに県外および国有林からの集荷が 15,515 m3あり 総取扱量は 71,549 m3となる ) を集荷先市町村別に見ると 津山市が 24,463 m3 (44%) 鏡野町が 9,669 m3 (17%) 美咲町が 8,773 m3 (16%) 美作市が 4,004 m3 (7%) となっており 近隣からの集荷割合が 9 割近くに達する 同様に真庭市の県森連共販所の場合も 22 年の総取扱量 35,786 m3のうち 真庭管内からの集荷が 29,280 m3で 82% を占め 同市内の民間原木市場も総取扱量 77,358 m3のうち 真庭管内での集荷が 59,219 m3で 77% を占めている さらにこれらの市場からの出荷先としては地元製材工場が主体で 地域で生産された原木を地域で消費するために原木市場が大きな役割を果たしていることがわかる 具体的なデータを見ると 真庭市の県森連共販所では 真庭管内への出荷が 23,511 m3で全体の 66% 県内他地区へが 10,892 m3で 30% 県外が 1,383 m3で 4% 民間原木市場では 真庭管内へが 60,026 m3で 78% 県内他地区へが 7,919 m3で 10% 県外が 9,413 m3で 12% となっている ちなみに地元以外の出荷先については 県内他地区というのは 隣接地域の大型製材向けが多くを占め 県外は主に日本海側の合板工場が多くを占めており ある程度決まった出荷先に集中している 最新の製材ラインを備えた大型製材工場 63

64 これらのことを踏まえると 地元製材業界にとって 地域の原木市場がいかに重要な存在であるかが容易に想像できる 工場ごとに多様なニーズを有する地域の製材工場にとしては 市場は仕入れ先としてやはり重宝な存在だと言え 地域の森林資源を将来にわたって有効活用していくためにも この関係をベースにした原木流通システムを志向するのが得策であることは明らかである ただ 例えば鳥取 日南町の国産材 LVL 工場が写真判定による原木の材積計算システムを導入していたり 各地の合板工場が山元から国産材原木を直接調達するシステムを構築していたりといった昨今の情勢を鑑みると 今後は原木流通の効率化を志向した動きが広範に進行することが予想される こうした状況下では 綿密な仕分けによる市売り ( スポット ) での原木販売に加え 原木市場を山元の具体的な生産計画と製材業界の原木調達計画をマッチングさせる拠点として 新たなビジネス展開を検討することも必要だと思われる 鳥取県内の動向としては 智頭 若桜といった優良材の産地では 原木市場における適切な仕分けによる有利販売が今後も必要だと思われるが 住宅工法の変化によってニーズが減少傾向にある優良材の市場性をいかに高めるかに地域を挙げて取り組む必要がある 一方 県内最大の原木集散地である生山 ( 日南町 ) では 域内外の製材工場や合板工場 LVL 工場向けに効率的に原木を供給するシステムを検討することが必要である 写真を活用した自動材積計算システム ( 日南町の LVL 工場で ) (3) モデル地域の対応方向 この地域の場合は これまで見てきたように 従前から原木市場が地域の原木流通にお いて大きな役割を担っている 将来的にこの地域全体の林業 木材業界の健全な発展を図 64

65 る上でも そうした市場機能を今後も活用し さらにその高度発揮を図ることが必要である ただ 大型製材工場が各地に増加していること 合板工場における国産材利用量が今後も増え続けることが予想されること それらによる刺激もあって資源成熟度が増している域内の山林においては 原木生産への圧力が高まり 実際に素材生産量も増加することが予想されることなどを考え合わせると 市場の土場だけを活用したスポットの販売形態のみで今後の変化に対応していけるのかどうかを多角的に検討することも必要だと思われる 例えば 綿密な仕分を必要としない合板工場向けの出荷や 大型工場との協定 契約販売においては 山元での生産現場から工場までの流れをいかに効率化するかといった観点から 中間土場の設営や山元仕分けによる直送推進といったことも検討対象になりうる あるいは 現在の原木マーケットは基本的にスポット市場としての機能しか持ち合わせていないわけであるが もっと計画的な原木の生産販売システムを構築し その中で原木市場が中心的な役割を担うようなスキームの可能性も検討したい 現状は 山元の素材生産 原木市売 製材工場による原木の購買のそれぞれで行われる生産 出材 集荷 販売 購買のいずれもが発生ベースでの動きになっており 計画性のある展開が実現できていない もっとも計画性が期待できそうなのが山元の原木生産 出材であるが 利用間伐が主な生産手段になる中で 公的支援を受けながらの生産が当たり前になり マーケット動向や顧客ニーズに合わせた計画的な生産を行うことが難しくなっている 一方 中小製材工場の場合 受注内容に即した当用買いによる原木仕入れができる方が好都合という事情はある その点で原木市場の役割が重要であることは明らかであり 今後もその役割を適切に果たすことが求められるわけで その点に関しては 当地域における原木市場の役割が今後とも重要であることは疑いない だが 先にも指摘したように 一定規模あるいは特定顧客向けの原木取引に関しては スポットでの動きだけでなく 山元の生産 出材や売買取引が計画的に行われるようなシステムを整備することも今後は必要だと思われる 具体的には 新流通システムや新生産システムの実施を契機として各地で導入されるようになった 協定取引 をより計画性のある 契約取引 へと発展させる道筋を検討することが必要ではないか そのために第一に必要なのは 山元の素材生産に関する実効性のある計画づくりと それを可能にするための資源情報の充実である 現在の資源に関する情報は 森林簿等のデータはあるものの 実際の状況がどの程度反映されているかと言えば はなはだ心もとない そのため 森林整備計画や施業計画 さらに新たに導入される経営計画といった計画を樹立する際にも 属地的なデータを踏まえての計画づくりが困難になってしまっている 65

66 国有林の場合は 施業実施計画を作成するにあたって 現場の調査が行われ それに基づいた計画づくりがなされるわけであるが 民有林は集約化等の必要性がある度毎の調査になっており 計画性のある生産販売ができるようにはなっていない 資源情報が充実すれば どこでどのような木をどのくらい生産するかの計画を具体的に作成することが可能になる その計画内容を顧客に提示し 1 年程度の契約を結び 契約の執行は 3 カ月ごとのレビューをしながら行うという形での原木取引が可能になれば 山元と加工サイドの双方が計画的な業務運営が可能になり そのメリットは大きい そのような契約取引を仕分のノウハウを持ち 金融機能を有する原木市場がアレンジするというシステムを原木取引モデルの将来像として検討したい もともとスポット市場としての役割を担ってきた原木市場が参画すれば 気象災害や市況の変動といった予測不能な事態が発生した際にも 契約取引とスポット取引を融通させ合うことによって ある程度弾力的に対応することが可能になる そのために 資源情報を充実させて素材生産に関する計画 予定等に関するデータに実効性を持たせることと そうしたデータを原木市場に集積することについて 具体的な方策を詰めたい ( 赤堀楠雄 ) 8. 阿波 土佐地域における広域流通 (1) モデル地域の森林 林業の現状 1 森林資源成熟度と森林生産力当地域は徳島県, 高知県の 2 県からなり, 森林面積は 91.1 万 ha で全国の 4% を占める 森林蓄積は 2 億 m 3 で,1ha あたり森林蓄積は 220m 3 /ha で, 全国平均 (177m 3 /ha) を大きく上回る 一方, 素材生産量は 62.1 万 m 3 で全国の 4%, そのうち多くはスギであり 36.4 万 m 3, 全国の 4% を占めている 森林 1ha あたりの素材生産量は 0.68m 3 /ha で, 全国平均 ( 0.66m 3 /ha) と同じ水準にとどまる ( 林野庁編 森林 林業統計要覧 2011 年版より ) 森林資源内容と林業生産実績の関係性から林業展開の地域性, その背景にある地域林業構造を論じることが多く 象徴的な指標としてよく取り上げられるのが森林資源成熟度と森林生産力である 森林資源成熟度とは森林 1ha あたり森林蓄積 森林生産力とは森林 1ha あたり素材生産量のことである 下図は林野庁が毎年発行している 森林 林業統計要覧 のデータを用いて これら両指標の関係を四国の各県についてみたものである 10 年間の変化を見ると, 全国平均とほぼ同じ傾向を示しており, 森林成熟度が順調の伸びているのに対して, 森林生産力は 10 年前よりやや低下している 66

67 森林蓄積 (m 3 /ha) 250 徳島 2009 年 (0.64,212) 高知 2009 (0.70,224) 愛媛 2009 年 (1.16,229) 200 高知 1999 年 (0..80,188) 愛媛 1999 年 (1.23,200) 全国平均 2009 年 (0.66,177) 徳島 1999 年 (0.73,178) 150 全国平均 1999 年 (0.75,149) 100 香川 2009 年 (0.28,83) 香川 1999 年 (0.16,70) 素材生産量 (m 3 /ha) 図 -1 四国における森林資源成熟度と森林生産力の変化 (1999 年 2009 年 ) 資料 : 林野庁編 森林 林業統計要覧 2001 および 2011 年度版 (1999 年の森林蓄積以外 ), 農水省統 計部 2000 年農林業センサス (1999 年の森林蓄積のみ ) 2 高知県における素材生産と集成材工場の進出 高知県の素材生産量は現在 42 万 m 3 で, うち約 10 万 m 3 が県外 ( 主に徳島県 ) に移出 されている 森林組合系統の取扱いは約 20 万 m 3 で, 県森連共販は 5 カ所, ストックヤー ド 2 カ所である 素生連は約 60 社からなり, うち 3,000m 3 以上を生産する 29 社が生産の主体とみられる 近年の素材生産量は県全体で 22~23 万 m 3 で推移し, その内訳は国有林 55%, 民有林 45% となっている また, 間伐材は約 10 万 m 3 となっている (2010 年の実績は主伐 13.9 万 m 3, 間伐 11.3 万 m 3, 計 25.2 万 m 3 ) 集成材トップメーカーの M 社が高知県大豊町や県森連, 素生連と出資して新会社を設立 して同町に間柱 集成材用ラミナ工場を建設する予定であり,2013 年 4 月の稼働を目指 している 原木は県森連と工場が協定を締結し, 県森連が手数料を原資として仕訳調整機能を担い, 市場からの調達ではなく, 直接素材生産事業体から県内の 3m( 一部 4m)24cm 上のスギ B 材を手当てする予定となっている 年間原木消費量は当初 5 万 m 3,3 年後 10 万 m 3 で, 膨大な量の 3m 中目スギ B 材の安定供給が必要となる 県の説明に寄れば, 森の工場 ( 高知県における団地施業推進施策 ) や自伐林家の育成などによって増産分を手当てする見込みとしている 3 徳島県における素材生産と プロジェクト 67

68 徳島県では 林業再生プロジェクト を 2005 年に策定し,2m 幅作業道で活躍できる 3 点セット ( スウィングヤーダ, プロセッサ, フォワーダ ) を森林組合を中心に導入し, 列上間伐により合板向けなどの素材を増産する体制を構築する計画を打ち立てた そこでの間伐増産は 5 万 m 3 を目標としている 表 -1 林業再生プロジェクト 林業飛躍プロジェクト の主な成果 分野 間伐材の生産体制の整備 間伐材の供給 加工体制の整備 間伐材など県産材利用の推進 新間伐システム を構築 (2005 年度 ) 高性能林業機械 3 点セット ( シンク ヤータ フ ロセッサ フォワータ ) 新規林業就業者 高性能林業機械オペレーター 森のエキスパート 建設業者の林業事業体登録 間伐材の搬出量 根元から梢まで の総合利用体制を構築 (2007 年度 ) 公共事業における県産材利用量 徳島県木材認証制度 県産材住宅展示場 徳島すぎの家づくり協力店 主な成果 1 高性能林業機械 3 点セット 2 2 存 1 伐 による 列状間伐 3ヘクタールあたり約 150mの 高密度路網 2009 年度まで 25セット導入 2010 年度まで 30セット導入 2005~09 年度 134 人確保 2005~10 年度 144 人確保 2005~09 年度 120 人養成 2005~10 年度 136 人養成 2010 年度まで 24 社が登録 2004 年度 2.6 万 m 年 8.4 万 m 年 6.5 万 m 年 8.1 万 m 3 A 材 製材工場, プレカット工場 B 材 合板工場 C 材 MDF 工場 2004 年度 0.7 万 m 年度 1.2 万 m 3 ( プロジェクト前の1.7 倍 ) 2006 年 10 月創設 2010 年度まで 200 事業体が登録 ( 累計 ) 2010 年 1 月 ウッドブレスゆたかの オープン 2010 年 4 月制度開始 2010 年度まで 87 店 ( 県内 73 店, 県外 14 店 ) 資料 : 徳島県 次世代林業プロジェクト (2011 年 7 月 ) そして, 再生プロ の増産目標が達成されたので,2 年後の 2007 年には 林業飛躍プロジェクト (2010 年度まで ) を策定し, 合板向け B 材,MDF 向け C 材の供給増加を中心に, さらに間伐材を増産し, 再生プロ 計画当初からの累計で言えば 10 万 m 3 の間伐増産,3 点セットの増設を目指した 2010 年度末には 9 万 m 3 弱の間伐増産,3 点セット 30 セット増設を達成した ( 再生プロ 計画当初からの累計) 68

69 1 林業生産 2 木材加工 3 木材利用 分野 森林施業 生産基盤 担い手 加工体制 流通体制商品開発 県内消費 県内推進体制 販路拡大 表 -2 次世代林業プロジェクト の行動目標と戦略目標 行動目標 (4 年間 ) 2011~14 年 増産に向けた合意形成, 大規模かつ効率的な団地設定, 搬出施業への転換, 主伐後の植林対策 増産に向けた協議会の設置 2011 年設置 高能率団地 の設定 ( 累計 ) 2009 年 年 60 団地 県産材の生産量 2009 年 20 万 m 年 30 万 m 3 所有者負担を軽減する社会的仕組み構築 2014 年度まで シカ食害対策, 低コスト造林技術確立 2014 年度まで次世代生産システムの構築, 効率的な路網整備, 生産性の向上 森林業生産システム ( 先進林業機械 ) 導入数 ( 累計 ) 2009 年 25 セット 2014 年 45 セット 林内路網開設延長 ( 累計 ) 2009 年 6,106km 2014 年 6,700km 林業生産性 2009 年 5m 3 / 人日 2014 年間伐 8m 3 / 人日, 主伐 10m 3 / 人日体系的で一元的な人材養成, 他産業からの参入促進, 力強い林業事業体の育成 林業プロフェッショナルの育成数 ( 累計 ) 2009 年 120 人 2014 年 250 人 林業事業体の登録数 ( 累計 ) 2009 年 46 事業体 2014 年 55 事業体 林業版直接支払制度を活用した森林整備面積 ( 累計 ) 2009 年 年 20,000ha 増産に対応した効率的な加工体制, 高品質な製品加工体制 県内木材産業の原材料に占める県産材シェア 2009 年 41% 2014 年 55% 製材 JAS の認定工場数 ( 累計 ) 2009 年 年 16 工場需要と供給のミスマッチの解消, 効率的な原木流通, 戦略的な製品流通 県産材情報提供システム の構築 2012 年一部供用商品開発体制づくり, 魅力的な商品開発 産学官連携による木材利用創造拠点の設置 2012 年設置公共部門での利用推進, 民間部門での利用推進 公共部門での県産材消費量 2009 年 1.2 万 m 年 1.8 万 m 3 民間部門での県産材消費量 2009 年 5.8 万 m 年 8.7 万 m 3 利用推進体制づくりと普及啓発, 利用に向けた技術課題の解決, 県産材自給率の向上 県産材倍増 10UP 運動推進協議会 の設置 2011 年設置 とくしま県産材利用促進条例 ( 仮称 ) の制定 2012 年制定 県産材利用技術専門検討会 の設置 2011 年設置 県産材自給率 2009 年 40% 2014 年 55% 県外での販路拡大, 海外への販路開拓, 新分野への進出 県外における 徳島すぎの家づくり協力店 数 2009 年 年 25 店 県外 海外への県産材出荷量 2009 年 13.0 万 m 年 19.5 万 m 3 戦略目標 (10 年間 ) 2020 年度まで 目指すべき10 年後の姿 県産材の生産量 消費量 倍増 現状 20 万 m 3 目標 40 万 m 3 県産材自給率現状 40% 目標 70% 部門別 間伐材 10 万 m 3 20 万 m 3 生産量 主伐材 10 万 m 3 20 万 m 3 県内 公共部門 1.2 万 m 万 m 3 部門別消費量県内 民間部門 5.8 万 m 万 m 3 県外 海外出荷 13 万 m 3 26 万 m 3 資料 : 徳島県 次世代林業プロジェクト (2011 年 7 月 ) 2011 年度からは今後 10 年間で県の素材生産量を 20 万 m 3 から 40 万 m 3 に倍増させる 次世代林業プロジェクト が開始された 次世代プロ の特徴は, これまでは間伐による増産だったが, 今後は主伐の導入による増産も目指すことを掲げていることである また, 担い手育成については,3 点セットオペレータを 120 人 ( 1 セット 4 人換算,2009 年 ) から 2014 年には 250 人へ 130 人増やすとともに, 建設業からの参入, 具体的には, 林道工事に合わせて搬出間伐もセットで担ってもらい, 林業事業に馴れてもらうこととしてい 69

70 る また, 徳島県は国有林が少なく, 民間素材生産事業体の育成が課題となっていたが,2011 年に素生協が設立された (2) モデル地域の課題と広域連携のあり方 ( モデル ) 1 高知県における素材増産と新たな需要開拓国内大手集成材メーカー M 社の進出により素材生産の増大が緊急課題となっており, その具体的手法が現在検討されている最中である 先述のように, 仕訳調整機能を県森連が担いつつも, 民間林業事業体との協力関係に基づきながら原木を安定供給する体制が構想されているが, 特に重要なことは山林現場従業員の増員である 徳島県における各種プロジェクトの特徴は, 増産される素材の仕訳調整と素材生産担い手の育成 ( 機械セットと人員の増加 ), 施業方法の提案 ( 列状間伐と伐出体系 ) をセットで取り組んでいることであったが, 高知県においても担い手育成の具体的方策を早急に検討することが求められている また, 新工場が求める間柱や集成材用ラミナに向く原木はスギ 3m 中目材 B 材であり, それはこれまでの素材生産とは別に純粋に増産部分からまかなうこととされている スギ 3m 中目材 B 材の増産に伴って, 新工場向けにならない材も当然産出されることとなる 県内製材工場等における利用拡大に加えて, 県域を越えた広域流通も視野に入れて, これらの需要先の開拓を検討することが求められている 2 徳島県における素材生産拡大の課題 次世代プロ で架線集材による主伐の導入が謳われており, シカ害対策や低コスト造林技術開発など再造林の推進が大きな課題となっている 大苗やポット苗の研究, 粗植 (2 千本 /ha) の補助対象化, ツリーシェルター助成などの各種施策はあるものの, 今後の本格的対策として, 林業 木材産業など関係者が協力して再造林推進に取り組む体制づくりが検討されている この場合, 大分県森林再生機構の取り組み事例が参考になろうが, どの範囲から基金を集めるか, 基金の運営主体はどこが担うかなど, 検討課題も多い 3 徳島県におけると A~C 材仕訳調整機能と原木不足問題徳島県では, 再生プロ, 飛躍プロ において,A~C 材の需要先の整備が進みつつあり, それへの原木安定供給体制づくりが大きな課題とされてきた その仕組みとして,A 材は徳島県県産材安定供給協議会 ( データベース検討委員会 ),B 材は徳島すぎ合板原木出荷協議会 (2005 年設立, 県森連 県木連 合板企業 商社から構成される ), C 材は C 材 MDF 活用協議会 (2008 年設立, 県森連 県木連 MDF 企業 製紙企業関連木材会社から構成される ) において需給調整機能を担う体制が既に整っており, これらの協議会の事務局は県森連が務め, 中心的役割を期待されている 70

71 情報収集 安定供給流通 加工体制の拡充需要拡大 搬出現場ストックポイントでの仕分け, 市場の選別機能 中 高質材 (A 材 ) 原木市場 製材工場 プレカット工場 ブランド材 ( 住宅部材 ) 徳島県県産材安定供給協議会によるマッチング 低質材 (B 材 ) ( 直送 ) 合板工場 合板 ( 住宅 型枠 ) データベース検討委員会 (A 材 ) 徳島すぎ合板原木出荷協議会 (B 材 ) C 材 MDF 活用協議会 (C 材 ) 小径 端材 (C 材 ) ( 直送 ) チップ工場 ( 直送 ) MDF 工場 MDF ( 住設 家具 ) 土木資材 ( 杭, 柵等 ) 図 -2 A~C 材の仕訳機能 資料 : 徳島県 林業飛躍プロジェクト (2007 年度 ), 聞き取り調査 (2011 年 ) より作成 B,C 材の供給は, 県森連と川下企業 ( 合板,MDF, チップ ) との間で単価, 数量の取り決めを内容とする協定を年度ごと締結しているが ( 自動更新型 ), 県森連と素材生産事業体との間では協定は結んでいない また,A~C 材とも数量が足りないのが現状である 徳島は板材産地として発展してきた歴史を持ち, 山林現場では 4m 採材が中心である そのようなところに, 他県から 3m 材を移入しても ( 特に, 国内トップ集成材メーカー M 社の進出によりスギ 3m 中目材 B 材を対象に増産することが求められている高知県 ), 徳島県内での需要はあまり見込めないのではないか ( 特に A 材 ) と危惧されている 少なくとも B 材の移入においては 3m での受け入れも今後検討する必要もあるだろう ( 興梠克久 ) 9. 豊後 日向地域における広域流通 (1) モデル地域の森林 林業の現状当地域は豊後 ( 大分県 ) および日向 ( 宮崎県 ) の2 県からなっているが 具体的には大分県南地域と宮崎県延岡 日向地域である 森林計画区 ( 流域 ) に即していえば 豊後は大分南部流域 日向は五ヶ瀬川流域と耳川流に属する 豊後 日向地域は戦後のわが国の拡大造林が早期に開始された地域であるだけに森林資源は充実し これを背景に活発な林材業を展開している 1 宮崎県の森林 林業 木材産業の現状最初に 宮崎県の森林 林業 製材業の全国的な位置を示すと表 1のようになる 注目すべきは素材生産量 特に針葉樹 ( その大部分はスギ ) 素材生産量の大きさである この資源的基盤が充実したスギ人工林である 宮崎県の森林面積は 58 万 9722haであるが 所有形態別では民有林が 41 万 71

72 1,740HA(69.8%) 国有林が 17 万 7982HA(30.2%) と民有林が約 7 割を占めている 森林蓄積も同様で 総蓄積 1 億 5,063 万 2000 m3の 71.7%(1 億 801 万 4000 m3 ) を民有林が占めている 民有林面積の 61% に当たる 35 万 4000HA が人工林であり その 72% がスギである そのスギ人工林の齢級構成はⅧ 齢級以上が 73% を占めており 充実した資源内容となっている 宮崎県の素材生産量が全国でも抜きんでいるもう1つの理由はその高い林内路網密度である 林内路網密度 ( 公道 + 林道 + 作業道 森林面積 ) は 36.0m/HA( 平成 21 年度 ) と全国の平均 (21m/HA) を大きく上回り全国第 1 位である とりわけ耳川流域の林内路網密度は 42.2m/HA に達している 2 大分県の森林 林業 木材産業の現況大分県の森林 林業も宮崎県同様 全国的位置は高く ( 特に充実した人工林資源 ) 九州でもトップクラスに属している ( 表 2) 72

73 (2) モデル地域における課題 1 宮崎県における製材工場と原木需給当地域における原木の広域安定供給を考えるため この地域の課題は何かについて検討してみるまず豊富な森林資源を背景に出材される宮崎県の樹種別素材生産量を示すと表 3のようになる 素材生産量が年々増加し 平成 22 年は 154 万 8000 m3に達し そのうちスギが 9 割近くを占めている 73

74 一方その用途別素材生産量を見ると ( 表 4) 合板用の割合が徐々に増えているとはい え 9 割近くが製材用で占められており スギ製材産地としての宮崎県の姿を十分に窺う ことができる その製材工場の年次別推移を示したのが表 5 である 製材工場数は減少しているもの の 1 工場当たりの電力出力数が増加しながら原木消費量も増加しており 製材規模が拡大していることがわかる 74

75 宮崎県全体としては以上のような状況であるが 流域別にみるとかなり様子が違ってくる 表 6は流域別の製材工場の現況を示したものであるが 工場数 出力数 原木少量ともに大淀川流域がほぼ半分を占めていることがわかる 同流域は都城というわが国屈指のスギ材産地を擁しているので この産地のもつ重さが改めて窺える そして大淀川流域に隣接する広渡川流域には日南というかつての弁甲材に系譜をもつ有力な産地がある 表でみても 両流域は工場数で 61.2% 出力数で 60.5% 原木消費量で 67.6% を占めており 宮崎県のスギ製材産地は県南部に大きな比重があることがわかる このことは製材品の出荷についても同様のことがいえる ( 表 7) これに対して 五ヶ瀬川 耳川両流域は 工場数で 28.8% 出力数で 28.0% 原木消費量で 25.3% といずれも県全体の 3 割弱を占めるに過ぎない 特に 原木消費量は 25.3% にとどまっている 以上を要するに 宮崎県北の五ヶ瀬川 耳川両流域 ( 本報告書でいう日向地域 ) は 製材産地としての力量が相対的に低いため原木消費量もそれに対応して小さいのである このことが他地域 特に大分南部 ( 本報告書でいう豊後地域 ) に流出している大きな理由である その流出の実態は表 8に示したとおりである 特に五ヶ瀬川流域で生産された原木の 15.7% が熊本県へ 12.9% が大分県に流出しているのである 75

76 3 豊後 日向地域における素材生産の担い手さて 以上の課題をさらに鮮明にさせるために 豊後地域 ( 大分南部流域 ) の状況をみてみよう a 佐伯広域森林組合先述のように 当地域は戦後から積極的に進められた拡大造林によって潤沢な森林資源を擁しており 50 年前後で主伐し 皆伐跡地に再造林を行う林業が定着している 佐伯市の素材生産量 ( 平成 22 年 ) は 20 万 1000 m3であるが このうち佐伯広域森林組合の素材生産実績は 8 万 5000 m3 (42.3%) 達し 名実ともに佐伯地区の素材生産の主要な担い手となっている ただ この佐伯広域森林組合の素材生産の内容をみると 受託生産が 1 万 8000 m3 (21.1%) であるのに対して 買取生産量が 6 万 7000 m3 (78.9%) を占めており 後者が8 割近い割合を占めているのが大きな特徴である その理由の1つは佐伯広域森林組合が設置しているスギ量産工場の原木確保のためである 同工場は平成 20 年に開設された チップキャンターをラインのヘッドに設置した日本では珍しい米国の製材システムである 平成 23 年の原木消費量 ( スギ ) は約 9 万 5000 m3であったが 今年度は 12 万m3の消費が予想されている つまり 佐伯広域森林組合の素材生産量だけでは製材工場の消費原木を賄い切れていないのである また 佐伯広域森林組合は共販事業も行っているが 平成 22 年度の取扱量は 15 万 3397 m3であるが 佐伯広域森林組合の製材工場では一部の原木をこの共販所から購入しているが それでも全量 ( 製材工場の消費量 ) を賄うことができない そこで原木の地域外集荷 ( 広域流通 ) が必要になってくる 具体的には日向地域の延岡地区森林組合からの原木の買取りである そこで 延岡地区森林組合の素材生産について説明しておく 延岡地区森林組合は昭和 52 年に延岡市森林組合ほか4 組合が合併して誕生した組合である 現在の素材生産はすべて請負生産であり直営はない 同組合の木材流通センター ( 共販所 ) の取扱量は約 7 万m3と大きい ( 図 1) 特に 平成 15 年頃から取扱量が急増しているが スギ芯持柱角の人工乾燥に適しているというオビアカの品種が評価されたためで 買方 ( 約 100 社 うち常連 30 社 ) は地元以外では佐伯 福岡 日田地区などからの購入が多い 佐伯広域森林組合もこれらの買方の 1 社である 表 9は 第 816 回市 ( 平成 24 年 3 月 1 日 ) の相場表 ( スギ3m) であるが 佐伯広域森林組合が主として購入しているのは 24~28 cmの中目丸太である 76

77 80,000 70,000 60,000 50,000 40,000 30,000 20,000 10,000 0 S.55 S.56 S.57 S.58 S.59 S.60 S.61 S.62 S.63 H. 元 H.2 H.3 H.4 H.5 H.6 H.7 H.8 H.9 H.10 H.11 H.12 H.13 H.14 H.15 H.16 H.17 H.18 H.19 H.20 H.21 H.22 図 2 延岡地区森林組合木材流通センターの丸太取扱量の推移 ( 単位 : m3 ) b 大野郡森林組合大野郡森林組合の管轄地域は豊後大野市 臼杵市 野津町であり モデル地域からははずれるが 今後の原木の広域安定供給のあり方を考えるうえで重要であるので 簡単に触れておく 大野郡森林組合の管轄地域の素材生産量は 4 万 3000 m3であるが このうち大野郡森林組合は 9173 m3 (21%) を占めている 素材生産を担っているのは直営班 ( 森林整備センター ) と請負作業班あわせて 13 班 47 名である ( 全て間伐 ) c 認定林業事業体佐伯地区の民間の認定事業体 (9 事業体 ) のうち 広域連携の対象として可能性があるのは 6 事業体である ( 大分県南部振興局調べ ) この 6 事業体の素材生産量は2 万m3 ( 平成 22 年度 ) である (3) 豊後 日向地域における広域連携のあり方 ( モデル ) 以上 検討したように 豊後地域の佐伯広域森林組合を中心とした製材用材は 地域内では賄うことができないのが現状であり この県境を越えた広域流通の必要性が生じてくる 豊後地域には佐伯広域森林組合 大野郡森林組合の製材工場とは別に新しい動きも出ている それは中国木材 ( 株 ) 大分工場が本格稼働に向けてスギ原木の広域集荷に乗り出したことである 同工場は 南部流域木材事業協同組合が設置した製材工場を 中国木材 ( 株 ) が大分県の仲介で買収したもので 現在 約 1 万 8000 m3の原木集荷量であるが 月 77

第 1. 基本的事項 1. 都道府県の森林整備及び林業 木材産業の現状と課題 1 森林整備の現状と課題本県の人工林面積の主な樹種別の構成割合は スギ 71% アテ 12% マツ 9% である 齢級構成は 10~11 齢級をピークとした偏った構成となっており 保育や間伐を必要とする 9 齢級以下のもの

第 1. 基本的事項 1. 都道府県の森林整備及び林業 木材産業の現状と課題 1 森林整備の現状と課題本県の人工林面積の主な樹種別の構成割合は スギ 71% アテ 12% マツ 9% である 齢級構成は 10~11 齢級をピークとした偏った構成となっており 保育や間伐を必要とする 9 齢級以下のもの 様式 2 作成年度 平成 28 年度 森林整備加速化 林業再生基金変更事業計画書 区分 : 強い林業 木材産業構築緊急対策 区分 : 林業成長産業化総合対策 石川県 第 1. 基本的事項 1. 都道府県の森林整備及び林業 木材産業の現状と課題 1 森林整備の現状と課題本県の人工林面積の主な樹種別の構成割合は スギ 71% アテ 12% マツ 9% である 齢級構成は 10~11 齢級をピークとした偏った構成となっており

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