がん放射線治療と 医学物理が果たす役割

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1 がん放射線治療と 医学物理が果たす役割 順天堂大学大学院医学研究科放射線医学講座先端放射線治療 医学物理学講座唐澤久美子

2 日本人の死因は? 厚生労働省調査の平成 17 年の死因順位別では. 第 1 位 第 2 位 第 3 位

3 日本人の死因は? 厚生労働省調査の平成 17 年の死因順位別では. 第 1 位悪性新生物 ( がん ) 第 2 位心疾患 ( 心臓病 ) 第 3 位脳血管疾患 ( 脳卒中 )

4 日本人の死因は? 厚生労働省調査の平成 17 年の死因順位別では. 第 1 位悪性新生物 ( がん ) 32 万 5885 人 第 2 位心疾患 ( 心臓病 ) 17 万 3026 人 第 3 位脳血管疾患 ( 脳卒中 ) 13 万 2799 人

5 がん治療の 3 本の柱 外科療法 ( 手術的切除 ) 放射線療法 薬物療法 ( 抗がん剤など )

6 がんの集学的治療 ーがん治療の 3 本の柱ー 放射線療法 外科療法 薬物療法

7 しかし... 日本での放射線治療は大きく立ち遅れている 日本 25% 前後 放射線療法 欧米 50-70% 外科療法 化学療法

8 本来 放射線治療による恩恵を受けることが出来る患者さんが 損をしていると言うこと! ( 厚生労働省 HP) がん対策基本法でも 放射線治療と化学療法に重点!

9 日本の放射線治療が立ち後れた 理由は? 外科偏重の医療胃がん 大腸がんなど手術に適したがんが多かった切らないと治らないと言う思い込み 放射線に対する拒否的感情放射線は体に悪い? 原爆のようになる? 専門家の不足放射線腫瘍医 医学物理士

10 日本人に多いがんは? 1 位 2 位 3 位 4 位 5 位 男性胃肺結腸肝臓前立腺 女性乳房胃結腸子宮肺

11 日本人に多いがんは? 放射線療法が良い治療法であるがん 1 位 2 位 3 位 4 位 5 位 男性胃肺結腸肝臓前立腺 女性乳房胃結腸子宮肺

12 本邦の放射線治療資源 放射線治療施設 : 約 700 カ所 日本放射線腫瘍学会認定施設 :247 カ所 ( 認定施設 :110 準認定施設 :25 認定協力施設 :112) 日本放射線腫瘍学会認定医 :542 人 (JRS 会員 :8,030 人 JASTRO 正会員 :1,953 人 ) 日本医学放射線学会認定医学物理士 :328 人 ( 日本医学物理学会正会員 :904 人 ) 日本放射線腫瘍学会認定技師 :114 人 ( 日本放射線技師会会員 :31,500 人 総技師数 : 約 44,000 人 )

13 放射線腫瘍医 医学物理士 とは? 放射線腫瘍医 放射線を使いがんの治療をする腫瘍専門医 放射線診断医とは異なる職種 医学物理士 放射線診療が適切に行われるように医療の現場において 放射線物理の専門家として関与する医療職 欧米では医師と対等の立場で放射線腫瘍科に必ず在籍

14 日米放射線治療の構造比較 日本 米国 調査年 調査年 人口 (x10 ) 施設数 735 2,010 新規患者数 約 162, ,000 がん患者への適用率 約 25% 60% 放射線腫瘍医 776 FTE 約 4,000 医学物理士 115 約 4,000 FTE: full time equivalent ( 週 40 時間放射線治療専任業務 = 実質的マンパワーを示す ) 日本放射線腫瘍学会構造調査 ASTRO Fact Sheet 2004

15 人 放射線治療患者数の予測 10 年で 2 倍以上! 専門スタッフがいないと治療難民が!! 162, , , 日本放射線腫瘍学会構造調査 厚生労働省がん研究助成金 ( 14-6)

16 放射線治療とは? さまざまな放射線を用いて病気 ( 主にがん ) を治療する方法 使われる放射線には X 線 γ 線 粒子線などがある

17 放射線治療の歴史 前世紀後半に根治療法として確立した 1896 年放射線療法の開始 1899 年放射線治療での治癒症例 1950 年代高エネルギー治療装置の普及体のどの部位にでも十分な線量を照射することが可能となった 後充填法の小線源治療装置の開発 1957 年原体照射法の開発 ( 梅垣 高橋 ) 1991 年強度変調放射線療法の開発腫瘍に線量を集中させるので 効果は増強し副作用は軽減 高精度治療の幕開け

18 高エネルギー治療装置の 進歩

19 放射線治療の方法 外部照射体外から遠隔照射装置を用いて病巣に放射線を照射する 小線源療法腔内照射法自然にある体腔に密封線源を留置して照射する組織内照射法組織内に直接密封線源を挿入して照射する 内用療法 非密封線源を静脈内あるいは経口投与する

20 外部照射装置 直線加速器 ( リニアック )

21 リニアックによる照射の仕組み 1 asymmetric jaws 2 ion chamber 3 10-port carousel 4 achromatic 3-field bending magnet 5 real-time beam control steering system 6 focal spot size 7 energy switch 8 gridded electron gun

22 多分割原体絞り装置 ( マルチリーフコリメータ ) IMRT には不可欠

23 外部照射の手順 治療計画撮影 CT シミュレーターで照射範囲の CT を撮影し 座標軸のためのマークを書く 固定具や位置確認システムなどで照射の際の位置のずれがないよう設定する 治療計画照射計画装置にデータを転送し 線量計算をして PTV のカバーが良く 正常組織の線量が少ないプランを選択 治療週 5 回で 2-6 週間の通院 通常の照射時間は数分だが IMRT では数十分の場合も

24 照射野の決定 CT シュミレーターで照射範囲の CT を撮影し 患者の皮膚に座標軸のためのマークを書く

25 線量分布の作成 照射計画装置にデータを入力し線量計算をする

26 線量分布図 線量分布が等高線のように描かれる

27 照射範囲のセット

28 照射装置を操作する技師

29 照射中の様子 通常の照射時間は数分以内 頭部の照射ではシェルにて頭部を固定する

30 小線源治療装置 上咽頭癌症例に対し鼻腔から線源を挿入している アプリケーターの色々 装置本体

31 さまざまな部位の小線源治療 肺がん 食道がん 子宮頸がん 子宮体がん 頸部リンパ節 口腔底がん 前立腺がん 膀胱がん 脳腫瘍 乳がん 胆道がん 上咽頭がん

32 放射線治療の特徴 機能と形態を温存する 手術によるがんの切除は がんのあった臓器がなくなったということ 不必要な臓器はないはず! 臓器温存の利点 侵襲が尐ないがんの手術は 体にとって 大けが です 対象は大部分が悪性腫瘍正常細胞は放射線を感じ難く がん細胞が選択的に死ぬ仕組み

33 放射線治療による線量効果曲線 95% 照 射 効 果発 現 率 50% 5% Favorable Therapeutic Ratio Desirable Tumor Control 腫瘍治癒線量正常組織耐容線量 Acceptable Risk of Normal Tissue Complication Gy 線 量

34 放射線治療による線量効果曲線 Optimal Therapeutic Ratio 照射効果発現率 95% 50% 5% Desirable Tumor Control 腫瘍制御率正常組織障害 Acceptable Risk of Normal Tissue Complication 線 量 Gy

35 放射線治療が有用ながん 乳がん 前立腺がん 食道がん 肺がん 頭頸部がん 悪性リンパ腫 脳腫瘍 膵がん 子宮頸がん

36 2005 年本邦での施行割合 皮膚 骨軟部 造血器 リンパ系 12% 5% 3% 1%2% 泌尿器 6% 脳 脊髄 頭頸部 11% 食道 7% 6% 胃 小腸 結腸 直腸 5% 4% 肝 胆 膵 婦人科 日本放射線腫瘍学会構造調査 乳腺 19% 肺 気管 縦隔 19% N = 162,000 ( 2005 )

37 頭頸部癌 舌癌 I 期 組織内照射 下咽頭癌 IVB 期 舌に小線源を刺入 外部照射

38 食道癌 T4N1M0 扁平上皮癌 照射前 照射前 外部照射 66Gy 照射後 66Gy 照射後

39 前立腺癌 強度変調放射線治療 (IMRT) IMRT 法により前立腺がんの照射線量を 70 Gy から 90Gy に増加し 直腸出血率を 30% から 3% に減少させ 治癒率を 70% から 90% に改善することができた ヨウ素 125 シード密封小線源治療 小線源治療 ( シード ) を選択 Guiliani 元ニューヨーク市長

40 脳腫瘍 小児の脳腫瘍 照射前 照射後 聴神経鞘腫に対する治療計画

41 20 世紀の放射線療法の問題点 線量集中性に問題 正常組織の有害反応高線量を投与できない 腫瘍範囲の決定の問題 解剖学的画像診断の限界 (CT MRI 血管造影 )

42 21 世紀の放射線療法 線量集中性の改善 原体照射 定位放射線療法 小線源の多様化 強度変調放射線療法 (IMRT) 粒子線 生物学的画像診断 Positron Emission Tomography (PET) MR Spectroscopy (MRS) 遺伝子治療との併用

43 高精度放射線治療 定位放射線照射法定位手術的照射法 (Stereotactic Radiosurgery: SRS) 定位放射線治療 (Stereotactic Radiotherapy: SRT) 強度変調照射法 (Intensity Modulated Radiotherapy) (IMRT)

44 The medical physicist is a professional who specializes in the application of the concepts and methods of physics to the diagnosis and treatment of human disease. 放射線診療が適切に行われるように医療の 現場において 放射線物理の専門家として関 与する医療職 医学物理士とは?

45 本邦の医学物理士数 年 2003 年 2004 年 2005 年 2006 年 27 理工系保健学修士技師医師

46 臨床物理士が担保する治療の技術的側面 装置の導入 施設の設計 機器の Commissioning 機器の維持管理 Calibration と品質管理 (QA) 治療計画の立案 線量計算 治療の管理 新しい技術の開発 規制に対する準拠

47 米国での医学物理士は? 1. 以下の 4 つに分類される 治療物理士 Therapeutic Radiological Physics 診断物理士 Diagnostic Radiological Physics 核医学物理士 Medical Nuclear Physics 医学健康物理士 Medical Health Physics 2. The American Board of Radiology(ABR) によって認定される 3.The American Association of Physicist in Medicine (AAPM) は 5000 名以上の会員を有する

48 米国の医学物理士が従事している分野 4% 4% 3% 2% ó è 9% ã àá å ãü çsê ãkêßä«óù êªïiäjî 78% Source: 2004 AAPM Survey

49 米国の医学物理士が従事している分野 3% 2% 1% 0% 16% ïýéàê é ó âêëúêfíf äjà äw åíçnï ñï çhäw çsê 78% Source: 2004 AAPM Survey

50 米国での医学物理士への道 物理に関連する領域の学士 物理に関連する領域の修士 物理に関連する領域の博士 ( 物理 ) 医学物理の修士または博士 医学物理のポスドク訓練 ( 医学物理 ) 働きながらの臨床訓練 1 医学物理レジデントプログラム 1,2 3 働きながらの臨床訓練 ( 臨床訓練 ) 臨床で活躍する医学物理士 75% 5 10% 10 15%

51 医学物理教育の要件 講義 放射線物理学 医学物理学 放射線生物学 放射線防護学 解剖学 生理学 腫瘍学 臨床トレーニング (Clinical Pathway) 臨床医学物理のレジデント 監督下における医学物理の実地研修 研究経験 (Academic Pathway) 放射線治療 画像診断 核医学物理

52 日本の医学物理士認定 筆記試験 : 物理工学と基礎 臨床医学 以下の資格を有する者 理工農薬学修士または博士で医学の経験 1 年以上 理工農薬学士で医学の経験 3 年以上 放射線技術系もしくは医学物理系の修士または博士 その他 4 項目認定申請資格 筆記試験合格後 5 年以内 業績点 30 点 理工農薬学修士または博士で医学の経験 3 年以上 理工農薬学士で医学の経験 5 年以上 医学物理系の修士または博士で医学の経験 2 年以上 その他 4 項目

53 がん診療連携拠点病院における放射線治療の体制整備 都道府県がん診療連携拠点病院における放射線治療の体制整備 1) 放射線治療の専門医が常勤 2 名以上 2) 放射線治療に専任の診療放射線技師が常勤 2 名以上 3) 医学物理学の専門家が常勤 1 名以上 4) 放射線療法機器と治療計画 実施全過程に対する品質管理プログラム 地域がん診療連携拠点病院における放射線治療の体制整備 1) 放射線治療の専門医が常勤 1 名以上または他の医療機関からの協力体制確保 2) 放射線治療に専任の診療放射線技師が常勤 2 名以上 3) 医学物理学の専門家が常勤 1 名以上または他の医療機関からの協力体制確保 4) 放射線療法機器と治療計画 実施全過程に対する品質管理プログラム

54 QuickTimeý Dz 順天堂大学大学院医学研究科先端放射線治療 医学物理学講座の目標 平成 18 年 1 月 1 日付けで発足 本邦の放射線療法における問題点を解決するために 本講座は以下の 4 つの目標を掲げる 1. 本邦において初めて 米国標準の大学院医学物理コース 医学物理レジデント訓練プログラムを開講し 質の高い医学物理士を養成する 2. 放射線治療の現場に従事する医学物理士 診療放射線技師 医師等のための医学物理の教育トレーニングコースを開講する等 教育的支援を行なう 3. 順天堂大学附属病院群における QA/QC プログラムを確立し 本邦の放射線療法の QA/QC 確立のための基礎的研究を行なう 4. 先端的装置を用いて高精度放射線治療を実行し その QA/QC プログラムを確立し 高精度放射線治療に関する最先端的研究を行なう Faiz Kahn 客員教授 ( ミネソタ大学名誉教授 ) James Purdy 客員教授 ( カリフォルニア大学教授 ) TIFFÅià èkç»çµåj êlí ÉvÉçÉOÉâÉÄ Ç Ç±ÇÃÉsÉNÉ`ÉÉǾå ÇÈÇžÇ½Ç ÇÕïKóvÇ Ç ÅB Jatinder Palta 客員教授 ( フロリダ大学教授 )

55 文部科学省がんプロフェショナル養成プラン選定 順天堂大学大学院医学研究科がん生涯教育センター がん専門医コース ( 放射線療法 化学療法 緩和医療 ) がん専門看護師コース がん専門薬剤師コース 医学物理士コース

56 博士課程大学院教育医学物理士コース (4 年制 ) 順天堂大学に設置され 立教大学との連携で養成を行い 本学附属病院群のほかに国立がんセンター東病院と臨床実習に関して連携し 単年度 5 名を受け入れる 養成に当っては 医学物理士資格取得のための学習のみではなく 医療チームの一員としてのチーム医療を学ぶ実践的な教育を行う 在学中 4 年間の放射線治療の医学物理に関する教育と研修 邦文と英文での学会あるいは研究会における筆頭発表者として研究発表 筆頭演者としての論文を発表することを義務付け 医学物理士業績評価実施要綱に従った業績 30 単位以上を取得し 在学中に医学物理士の資格取得を目指す 高い臨床能力と研究能力を備えた 世界に通用する医学物理士を養成することが目的である

57 がんプロフェッショナル養成プラン 実践的 横断的がん生涯教育センターの創設 医学物理士養成コース 学年進度表 大学院教育レクチャー シリース e-learning 大学院教育実践教育コース大学院共通科目 2+2 単位 2 単位 2 単位以上 ユニット 1 コア実地修練 Ⅰ( チーム医療 ) 1)Faculty Development 6 コマ + 合宿時 2)Medical English 月 2 回 3)Multidisciplinary Approach Teaching 38 コマ 4) 選択実習 ( チーム作業 ) 合宿時 授業時間 18:15~20:00 2 単位 1 泊 2 日合宿研修 : 年 1 回 全ての研究科の大学院生が参加 特別講義方式 授業時間 18:15~ 20:00 授業コマ数合計 29 コマ ユニット 2 基礎医学概論 放射線診断学 臨床腫瘍学総論 Ⅰ 臨床腫瘍学総論 Ⅱ 4 単位 基礎腫瘍学概論 外科療法 病理 放射線療法 化学療法 緩和ケア その他の腫瘍学 ユニット 3 講義 演習科目 順天堂大学 1) 放射線治療医学物理学 2) 放射線物理学演習 3) 治療カンファレンス 立教大学 7 単位 1) 原子 分子物理特論 2) 原子核特論 3) 放射線生物学特論 インテンシブ基礎物理コース共通科目 4) 放射線医療物理学 1 ( 主に基礎物理 ) 5) 放射線医療物理学 2 ( 主に計測 ) 6) 放射線医療物理学 3 ( 集中講義 ) 順天堂 立教大学共同 1) 輪講 日本医学放射線学会 医学物理士認定機取得者のためのインテンシブコース ( 科目等履修生登録 ) ユニット 4 実習科目 順天堂大学インテンシブ臨床コース共通科目 1) シミュレーション実習 2) 放射線計測実習 立教大学 1) 基礎物理実験 臨床実習インテンシブ臨床コース共通科目 研修施設 1) 附属病院 5 単位 2) 国立がんセンター東病院陽子線治療施設 3) University of Florida Shands Cancer Center 4) University of California Davis Medical Center 1) 理工農薬学修士または博士で医学における経験年数 3 年以上 2) 過去 2 年間に日本医学放射線学会医学物理士業績評価実施要綱に従った業績評価の合計が 30 単位以上 3) 医学物理士認定試験に合格していること ユニット 5 学位論文指導 4 単位課題研究 1) MLC 厚と治療計画精度 2) 放射線生物学的効果を考慮した治療計画 3) モンテカルロによる線量計算の高速化 4) 重粒子線発生用超多価イオン源 5) Cone Beam CT の位置照合精度 6) Cone Beam CTの線量と画質に関する研究 7) リニアックコミッショニング 8) 放射線治療における QM(Quality Managemnet) 9) IMRT 治療計画検証に関する研究他 基礎物理研修コース ( 放射線医療物理学 1 2 3) 7 単位臨床研修コース ( 基礎物理実験を除く実習科目 ) 3 単位以上 学位 合計 30 単位以上 認定医学物理士

58 課題研究 2 年次 3 年次 4 年次 1 年次大学院教育レクチャーシリーズ大学院実践教育コース大学院共通科目放射線生物学関連科目放射線物理学関連科目原子 原子核物理学関連科目研究成果討論会 抄読会 学会発表 研究集会参加シミュレーション実習医学物理士養成コース学年進行表放射線治療物理学関連科目放射線診断関連科目臨床実習 ( 陽子線 ** 光子線 ) 課題研究学位論文作成 ( 必修 ) 学位論文作成 ( 必修 ) 課題研究立教大学医学物理士認定既取得者ためのインテンシブコース ( 各ユニットの修得時期は任意 )( 科目等履修生登録 ) 実習科目講義 演習科目医学物理士認定試験受験順天堂大学講義 演習科目実習科目 * 順天堂大学と立教大学の共同で実施 ** 国立がんセンター東病院にて実施 *** 選考審査あり医学物理士基礎研修コース医学物理士臨床研修コース輪講 * 基礎物理系医学物理系基礎物理実習放射線計測実習 * 立教大学順天堂大学米国臨床実習 *** 臨床医学関連科目基礎医学関連科目医学系

59 医学物理士への基礎物理あるいは臨床の再教育 ( インテンシブコース )(6 ヶ月 ) 基礎研修コース : 立教大学に設置され 工学系あるいは医療技術系出身で 医学物理士としての認定は受けているが基礎物理を十分に履修していない者を対象とし 医学物理士の臨床業務における基礎物理に関する集中講義を土曜日と夏期に行う 基礎物理的な知識を身につけることで 基礎物理の理論に基づく臨床判断を可能とし マニュアル化 ルーチンワーク化された医学物理士業務を見直すきっかけとすることが目的である 臨床研修コース : 順天堂大学に設置され 理工系博士課程を修了し 医学物理業務に従事している者を対象に臨床の集中訓練を行もので 米国認定レジデンシーを修了した教員により米国標準の臨床研修を行う すでに医学物理士業務を実践している者が米国標準の臨床研修を受講することで これまでの医学物理士業務の問題点を考え受講者が勤務する施設への波及効果を図る 授業は 博士課程医学物理コースにおいて開講されている 9 つの授業を受講し さらに チーム医療コア実地修練も履修する

60 理工系博士に対する臨床研修生 ( レジデンシー ) 制度 (2 年 ) 順天堂大学に設置され 研修支援体制は大学院博士課程医学物理コースと同様で 理工系博士に対して 日本医学放射線学会医学物理レジデント訓練プログラムガイドライン CAMPEP 認定医学物理レジデントカリキュラムに準拠した臨床研修により 2 年間で医学物理士資格取得を目指すコースである

61 Florida 大学での研修風景

62 最後に.. 日本のがん治療には抜本的改革が必要であり 2007 年 4 月にがん対策基本法が施行された そこでも 放射線治療にかかわる医学物理士の養成の必要性をうたっている 臨床医学物理士は皆さんの学識を医学に応用し がん患者のために役立つ仕事である 本邦では今だ小人数だが 米国などの放射線治療先進諸国では 医師と共に放射線腫瘍学講座の不可欠なスタッフになっている ぜひ医学物理分野に興味を持っていただき がん患者のために共に働いてくれることを希望します