課題 1( 個人ワーク :5 分 ) リスクコミュニケーションとは何かそれぞれで考える定義考え方等をまとめてください 2

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れいがかみいしづ
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1 NITE 講座化学物質に関するリスク評価とリスク管理の基礎知識 2018 年 10 月 31 日第 4 回リスクコミュニケーション ( 独 ) 製品評価技術基盤機構化学物質管理センター調査官横浜国立大学環境情報学府客員准教授竹田宜人 1

2 課題 1( 個人ワーク :5 分 ) リスクコミュニケーションとは何かそれぞれで考える定義考え方等をまとめてください 2

3 本日の内容 1. リスクコミュニケーションの実際 ( 動画 ) 2. リスクガバナンス ( 復習 ) 3. リスク評価とは何か 4. リスクコミュニケーションとは何か課題 1 皆さんが考えているリスクコミュニケーションとは何か考え方をまとめてください ( 個人ワーク ) 課題 2 現在もっともリスクコミュニケーションが必要なリスクは何か? どのようなリスクで誰に対してどんな場を作ったらよいですか? ( 個人班別ワーク ) 3

4 IRGC リスクガバナンス 2. リスクガバナンス ( 復習 ) リスク意思決定対応リスクマネジメント実施オプションの実現化モニタリングと制御リスクマネジメント活動のフィードバック意思決定リスク対策オプションの固定と生成オプションの多面的分析オプションの評価と選択プレアセスメント問題枠組み設定早期警告 ( 新たなハザードの調査 ) スクリーニング科学的な方法論や手順などの決定コミュニケーションリスク意思決定対応リスク評価実施オプションの実現化モニタリングと制御リスクマネジメント活動のフィードバック意思決定リスク対策オプションの固定と生成オプションの多面的分析オプションの評価と選択技術の選択代替のポテンシャルリスクベネフィット分析治的な優先度補償のポテンシャルコンフリクト ( 競合 ) 管理社会的動員のポテンシャルリスクの判断受忍性及び受容性の判断リスク削減対策のニーズの決定リスクの特徴づけ / 判断リスクの特徴付けリスクプロファイルリスクの深刻度の判断総合化とリスク削減オプション視点 1: IRGC のリスクガバナンスモデルにおけるコミュニケーションの機能リスクプロファイルリスクの推定値推定値の信頼性ハザードの特徴リスク認知合法化の範囲社会的経済的合意深刻度の判断法的要求事項への適合性リスクトレードオフ公共性の影響社会的受容性出典原子力の自主的安全性向上に関するワーキンググループ第 4 回会合資料 1( 谷口武俊委員 ) 4

5 対策の効果はどうだったか管理 2. リスクガバナンス ( 復習 ) なぜコミニュケーションが中心にあるのか簡易評価対話課題放射性物質による汚染が見つかったどう対処すべきか法令で対処できる? できない? 詳細な調査を行うべきか詳細評価 1 リスク= 様々な答えが存在する課題科学的な評価 : 不確実性が存在する関心事の評価 : 様々な意見基準値以下にしてくれればよい心配なので全て除去してほしい 2 全てのプロセスにおいて人が判断しなくてはいけない課題どんな対策を行うべきか判断科学的な評価関心事の評価 3 民主主義的な判断には関係者の参加が不可欠対策を行うべきかより良い選択のために 4 リスクコミニュケーション 5

6 3. リスク評価とは何かなぜ様々な答えが出てくるのか? 汚染された土地や地下水の利用状況から人への化学物質の移行経路 ( ばく露シナリオ ) を設定しその経路それぞれにおけるばく露量の最大値を算定するシミュレーションで計算ばく露シナリオばく露経路算定方法 1 汚染土壌の摂食直接ばく露土壌の濃度摂食量 2 汚染土壌との接触による皮膚吸収直接ばく露土壌の濃度接触量吸収率 3 地下水へ溶出したものを飲用飲用地下水の濃度摂水量 4 大気中へ揮散したものを吸入吸入大気中の濃度呼吸量 5 6 公共用水域へ土壌粒子が流出し魚介類へ蓄積したものを食餌経由で摂取農作物および家畜へ蓄積したものを食餌経由で摂食摂食摂食相当量のばく露が想定される場合にあっては食事中の濃度を実測することにより確認 6

7 調査の結果 2,4-D(2,4- ジクロロフェノキシ酢酸 : 除草剤 ) の濃度がそれぞれ以下のとおりであったとする土壌の最高濃度が 400mg/kg 地下水の最高濃度が mg/L 1 土壌を食べることでのばく露量は? 400mg/kg kg/day 50kg = mg/kg/day 土壌の最高濃度 1 日に食べる土壌の量体重体重 1kg 当たり 1 日当りのばく露量 3 地下水を飲むことでのばく露量は? mg/L 2L/day 50kg = mg/kg/day 地下水の最高濃度 3. リスク評価とは何かリスク評価は仮定で計算しているから 1 日に飲む水の量体重食べる土の量? 平均体重? 一日に飲む水の量? 体重 1kg 当たり 1 日当りのばく露量 7

8 2,4-D の有害性について調べた結果以下のとおりであったラットマウス及びイヌに 2,4-D を混ぜた餌を与えて影響がでるか試験をした報告があった 2,4-Dの摂取量として 1mg/kg/dayでは影響がなかったがそれ以上のばく露量では影響がみられた対策目標レベルは? 1mg/kg/day = 0.01mg/kg/day 試験で影響がなかった摂取量 3. リスク評価とは何か人間が判断しているところがあるから動物試験を人へ用いる不確実係数影響に対して個人差があることの不確実係数誰が決めたのでしょう? ばく露量として許容される量 8

9 3. リスク評価とは何か科学的評価だけではなぜ不足なのか? 最も安全側に見積もった対策目標レベル 0.01mg/kg/day > 対象サイトにおける最高濃度による暴露量 mg/kg/day ( 土壌を食べることで ) mg/kg/day ( 地下水を飲むことで ) mg/kg/day 3 民主主義的な判断には関係者の参加が不可欠より良い選択とは何か? こどもへの影響は心配ないのか? 動物実験で影響がでなかったから人にも影響がないのか? 工事予算には制限がある 9

10 3. リスク評価とは何かパーセプションギャップ ( 認識の違い ) 客観的リスク (=) 主観的リスク : 食品添加物エスカレーター自転車など客観的リスク (<) 主観的リスク : 原子力鎮痛剤の服用大気汚染など客観的リスク (>) 主観的リスク : コーヒースキー電車タバコアルコールなど ( 草間ほか 1985 を改変 ) 電車はなぜ主観的リスクが小さいのですか? 10

11 3. リスク評価とは何かなぜリスクコミニュケーションが必要か?( まとめ ) 1リスク評価の結果は様々な答え幅があるモデル ( シナリオ ) を想定した計算結果である実測値シミュレーションなど様々なデータを組み合わせている科学的ではない人間が判断する部分がある最大値 ( ワーストケース ) を使うこともある動物試験の結果に不確実係数 ( 安全率 ) を掛けているどの数値を使うかによってリスク評価の結果が変わる 2リスク管理の方法は人が判断する全ての関係者が参加してより良い方法を選択する民主主義的な意思決定のしくみが必要 3そのためには対話 ( リスクコミュニケーション ) が重要である 11

12 4. リスクコミュニケーションの考え方レスポンシブルケアの論理 (1985) 化学企業のボランタリーな行動規範のこと ( 日本も参加 ) 法律以上のことを自主的に行う倫理的に正しいことを行い情報公開する製品の全ライフサイクルにわたる安全管理を行う一般市民の不安に積極的に対応するリスクを意識した予防的な考え方をするリスクに関する市民の知る権利を尊重する政策決定に積極的に関与する相互支援と改善のための相互査察 ( 検証 ) を行う環境活動家に意見を求める以上のこと全てを判断基準とする化学物質管理に係るリスクコミュニケーションガイド (2017) 国立大学法人北海道大学リスコミ職能教育プロジェクト 2017 食と農のリスクコミュニケーションハンドブックより 12

13 4. リスクコミュニケーションの考え方リスクコミュニケーションの最終目標は専門知識合理的マネジメント戦略公衆の好み (preference) の一致である OECD ワークショップ資料化学物質リスク管理のリスクコミュニケーションエグゼクティブサマリー (2000) 科学的なリスク評価の結果を踏まえて技術的な実行可能性費用対効果国民感情など様々な事情を考慮し関係者との十分な対話を行った上で適切な政策措置を決定実施する作業がリスク管理ですリスク評価科学的専門的中立リスク管理政治的社会的行政上の意思決定 ( ガバナンスマネジメント ) リスクコミュニケーションリスク管理のための情報の流通調整手続きリスク評価の独立性と中立性に関する食品安全委員会委員長談話 ( 平成 21 年 7 月 1 日 ) 13

14 ボパールの事故 4. リスクコミュニケーションの考え方 1984 年 12 月 2 日夜間にインドボパールの化学工場 ( アメリカユニオンカーバイト社 ) からイソシアン酸メチル (MIC) が漏洩 MICガスは風に乗って市街地に拡がり 3,000 人以上 ( 最大 14,410 人 ) の死者と 35 万人もの被災者を出した多くの人が今も後遺症に苦しんでいる漏洩の原因は 1) 運転ミスにより溶媒であるクロロホルムが混入した不合格品を製造 2) 工事の手違いにより貯蔵タンクに水が混入 3) MICと水との発熱反応によりタンク内温度が上昇 4) MIC クロロホルム水の熱分解により塩化水素の生成と鉄が溶出 5) 鉄触媒によるMICのトリマー化反応によりタンク内圧力と温度が上昇安全弁が作動 MICの外部放出失敗知識データベースを改変 14

15 4. リスクコミュニケーションの考え方わが国のリスクコミュニケーションの歴史 ( 化学物質管理 ) 平成 9(1998) 年化学物質リスクコミュニケーション手法検討会 ( 環境庁通商産業省 ) 平成 9(1998) 年 5 月環境ホルモン戦略計画 SPEED 98 ( 環境庁 ) 平成 11(1999) 年 2 月平成 11(1999) 年 7 月平成 12(2000) 年 3 月平成 13(2001) 年 8 月平成 13(2001) 年所沢ホウレンソウ騒動化管法 ( 工場からの化学物質の排出届出制度 :PRTR) 公布化管法施行 PRTR データを読み解くための市民ガイドブック公表化学物質のリスクコミュニケーション手法ガイド出版平成 13(2001) 年平成 13(2001) 年小泉内閣成立規制緩和自主管理自己責任路線平成 13(2001) 年 11 月リスクコミュニケーションのホームページの開設 ( 環境省 ) 知る権利に基づくアメリカのリスコミなど諸外国の事例紹介 (CAP) (1998 年以降 ) ボランティアなど市民の社会参加の一般化阪神淡路大震災 (1995) 安全神話の崩壊と安心安全への関心の高まり (1995 年以降 ) 地方行政への住民参加の機運環境基本計画策定環境教育へのニーズまちづくり地震防災食品原子力土壌汚染防災等各分野へ拡大 ( 土壌汚染原子力は PR にもともと関心 ) 15

16 4. リスクコミュニケーションの考え方 CAP(Community Advisory Panels) 地域社会のいろいろな層を代表する市民から構成され地域の様々な関心事についてコミュニケーションをはかる制度化学工場と地域社会を結びつける組織活動米国化学工業協会 (ACC:American Chemistry Council) が事業者に提案レスポンシブルケアの一環として 2001 年のガイダンス文書に基づいて個別企業が事業所単位で進めている 16

17 CAP の構成 4. リスクコミュニケーションの考え方 17

4. リスクコミュニケーションの考え方リスクコミュニケーションの事例土壌汚染対策東京都北区豊島五丁目地域ﾀﾞｲｵｷｼﾝ類土壌汚染対策計画主な経緯土地の用途田湿地明治時代後半化学工業敷地豊島五丁目団地昭和45年頃平成16年豊島四丁目の工場跡地等においてダイオキシン類重金属鉛による土壌汚染が確認された平成17年

18 4. リスクコミュニケーションの考え方リスクコミュニケーションの事例土壌汚染対策東京都北区豊島五丁目地域ﾀﾞｲｵｷｼﾝ類土壌汚染対策計画主な経緯土地の用途田湿地明治時代後半化学工業敷地豊島五丁目団地昭和45年頃平成16年豊島四丁目の工場跡地等においてダイオキシン類重金属鉛による土壌汚染が確認された平成17年区有地での土壌調査を区が実施した旧小学校保育園公園敷地から環境基準値を上回るダイオキシン類が検出された平成18年ダイオキシン類特別対策措置法に基づき都知事がダイオキシン類土壌汚染対策計画を策定汚染土壌によるばく露経路を遮断リスク評価より決定するため北区は覆土等を行った 18 北区豊島五丁目地域ダイオキシン類土壌汚染対策計画平成18年12月19日告示東京都環境局より

4. リスクコミュニケーションの考え方住民説明とリスク管理の共同内山巌先生の資料 http://www.jeas.or.

19 4. リスクコミュニケーションの考え方住民説明とリスク管理の共同内山巌先生の資料 19

20 4. リスクコミュニケーションの考え方選択したリスク管理 ( ばく露経路の遮断 ) ~ 北区豊島五丁目地域の例 ~ 飲用の井戸はなかったため土壌からの溶出や飛散を防止することで体内に取り込むばく露経路を遮断できる覆土覆土の流出飛散の防止措置 ( 芝生 ) アスファルト舗装を実施対象とする土地の状況将来にわたる土地利用も踏まえリスク評価を行う必要がある 20

住民説明とリスク管理の共同 4. リスクコミュニケーションの考え方内山巌先生の資料 http://www.jeas.or.

21 住民説明とリスク管理の共同 4. リスクコミュニケーションの考え方内山巌先生の資料 21

22 実施した措置の効果の維持 4. リスクコミュニケーションの考え方対策事業として実施した覆土等の効果を維持するよう適切に管理を行う (1) 掘削の制限 (2) 日常点検 (3) 事故災害等における緊急措置 (4) (1)~(3) の措置についてのマニュアル作成 (5) 環境調査 < 環境調査の実施概要 > 調査項目調査頻度調査地点環境大気中のダイオキシン類 3 回 / 年対策事業実施地域内の2 地点地下水及び河川水中のダイオキシン類 3 回 / 年団地近隣の河川及び井戸の2 地点覆土中のダイオキシン類 1 回 / 年対策事業実施地域内の 3 地点を順に 1 地点 22

23 4. リスクコミュニケーションの考え方様々なリスクコミュケーションの形地域との対話と信頼の醸成住民との対話のテーマ地域の環境保全河川井戸水廃棄物工場周辺の保安防災地震防災爆発火災騒音臭気交通植栽社員マナー教育( 見学等 ) 通常のコミュニケーション交流会お祭り清掃美化活動緑化活動啓発活動防災訓練等環境情報開示 CSR 報告書 ( 社会環境 ) 等ホームページパンフレットリスクコミュニケーション工場見学会 CSR 報告書を読む会環境モニターパトロール地域対話環境懇談会 JRCC 地域対話等現場の公開工場見学職場体験対話懇談会環境学習支援 23

24 課題 2( 班別ワークショップ 15 分 ) 現在もっともリスクコミュニケーションが必要なリスクは何か? どのようなリスクで誰に対してどんな場を作ったらよいですか? 1 意見だし ( 個人 ) 2 リスクを一つ選ぶ場 ( 企画 ) を考える ( 班別 ) 誰に対してどんな形でどんなリスクを伝えますか? 24

25 課題 1 リスクコミュニケーション課題シート年月日名前番号課題 2

26 NITE 講座化学物質に関するリスク評価とリスク管理の基礎知識第 4 回リスクコミュニケーション SDGs Sustainable Development Goals( 持続可能な開発目標 ) とリスクコミュニケーション

27 2015 年 9 月の国連サミットで採択された国連加盟 193 か国が 2016 年 ~2030 年の 15 年間で達成するために掲げた目標をいう 17 の目標と 169 のターゲットからなる SDGs の目標と化学物質管理に係るリスクコミュニケーションの関連目標 3 すべての人に健康と福祉を年までに有害化学物質ならびに大気水質および土壌の汚染による死亡および病気の件数を大幅に減少させると具体的な記載リスクコミュニケーションに関連する項目について目標 16 平和と公正をすべての人ににおいて 16.7 あらゆるレベルにおいて対応的包摂的参加型および代表的な意思決定を確保するとあり意思決定への参加が明示されている目標 17 パートナーシップで目標を達成しようでは持続可能な開発のためのグローバルパートナーシップのマルチステークホルダーパートナーシップによる補完を促進しそれによるナレッジ専門知識技術および資金源の動員共有を通じてすべての国々特に開発途上国の持続可能な開発目標の達成を支援する SDGs はリスクコミュニケーションの今後に大きな影響を与える可能性がある

リスクコミュニケーションのための化学物質ファクトシート 2012年版

リスクコミュニケーションのための化学物質ファクトシート 2012年版 trans1,2 ジクロロエチレン別名 :1,2 DCE trans1,2dce PRTR 政令番号 :224 ( 旧政令番号 :1119) CAS 番号 :156605 構造式 : trans1,2ジクロロエチレンは副生成物や分解物として生成されこの物質としての用途はないと考えられます 2009 年度の PRTR データでは環境中への排出量は約 8.5 トンでしたすべてが事業所から排出されたもので

課題 1( 個人ワーク :5 分 ) リスクコミュニケーション とは何か それぞれで考える定義 考え方等をまとめてください 2

課題 1( 個人ワーク :5 分 ) リスクコミュニケーションとは何かそれぞれで考える定義考え方等をまとめてください 2