オフィスビル外観の印象に関する研究

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こうしょままだ
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オフィスビル外観の印象に関する研究 A study study on on impression of of office building exterior そのパネル自身の語彙による印象評価その2 汚れ感に関する要因分析建設省建築研究所小島隆矢竹中工務店武藤浩実践女子大学槇究背景外壁の汚れへの関心が高まっている

1 オフィスビル外観の印象に関する研究 A study study on on impression of of office building exterior そのパネル自身の語彙による印象評価その2 汚れ感に関する要因分析建設省建築研究所小島隆矢竹中工務店武藤浩実践女子大学槇究背景外壁の汚れへの関心が高まっている外壁は汚れてゆく美観を損なう好ましくないもの建物の約半分が汚れているかなり汚れている % 非常に汚れている % 建物を所有管理する企業の関心企業イメージの低下メンテナンスコスト ( 外壁の洗浄 ) 低汚染型塗料などの開発も盛ん汚れている 9% やや汚れている 2% 汚れていない 44% 汚れの評価基準の確立も必要都内 2 件 (97 年以降に施工 ) をランダムサンプリング (99 年 6 月調査 )

2 着眼点建物全体の印象に基づく評価基準汚れ感の提案 2 従来の評価では汚れている部分だけに着目汚れの状態による感覚的評価明度差形状割合など材料サンプルの評価要因が別々に扱われている ( 影響力の検討が不十分 ) 現実の場面ではそのような見方はしていない外壁の性質を含む感性的評価外壁素材の種類や建物デザインも影響するはず全体から受ける不快な印象要因を総合的に扱う両者を区別汚れの程度 ( 汚れている ) 汚れ感 ( 汚い感じがする ) 目的汚れ感汚れの程度の要因と影響を把握 3 本報そのパネル自身の語彙による印象評価汚れ感汚れの程度がビル外観の印象に与える影響を把握次報その 2 汚れ感に関する要因分析汚れ感汚れの程度を決定する要因を分析汚れの状態壁面素材汚れ感汚れの程度外観の印象その 2 要因の分析どんな場合に汚い感じがするか? その影響の分析汚い感じはどんな印象につながるか? 2

3 手順方法パネル自身の言葉による印象評価 4 オフィスビル外観の全体的な印象をありのままに把握するために個別尺度法評価項目を各パネルごとに作成パネル自身の語彙を用いる一人一人の視点や表現を尊重したいその人にとって重要でないことまで評価させたくない方法調査方法 5 評価対象 : 一般的な 5~ 階建てオフィスビル 67 棟評価パネル : 名提示方法 : 全景写真をスライド映写にて提示 : スライドを見ながら印象表現語を各自自由に書き出す全景写真をスライド映写にて提示手全写真の提示終了後各自印象語を整理語程度にまとめ個人別の評価項目とする再度写真を提示し該当する言葉すべてにマルをつける 3

4 方法分析方法 : パーソナルコンストラクト型数量化 Ⅲ 類 6 評価対価対象 No パネル評価語堅実そう 2 面白い評定値 3 : : - : 2 単調 2 暗い : : ( パネル項目 ) 対象の - 型データ行列を数量化三類 3 こじんまり 3 威圧的 : : 個人別に異なる言葉ちぐはぐ開放感のびのびしているおもしろい変化があるかわいらしい斬新不気味一面的看板的色づかいの悪いきまっているやわらかい明るい色づかいの良いバランスの悪い面白い安定落ち着いている圧迫感のあるリズミカル工夫がある周囲に対して威圧的でこぼこ威圧的堅実そう自然な無骨な結果かわいらしいざらついた生命感のある壁の色がよい落ち着いたオフィスビル外観の印象評価語の布置 y x z 高い人工的透明な軽い平たい無機質明るいきどったモダンな透明感があるすっきりシャープスマートな均整のとれた工夫しているてかてかしているやわらかいぬめっとしたつるつる単調変化がないつまらない機能的美しくないこじんまりのない謙虚な格好が悪いかたくるしい固い安っぽい無機質な暗いシャープなバランスが悪い平面的壁の色が悪い人間的でない閉鎖的イヤらしいねむいズーンと迫ってくるやぼったいのっぺりしているきゃしゃしょぼい暗いブキミ悪いもうかってなさそうきゅうくつなたよりない 7 4

5 結果 dim dim 結果 2.5 汚れ感 2~ dim dim 5

6 結果 2.5 汚れ感 3~ dim dim 結果 2.5 汚れ感 4~ dim dim 6

7 結果 2.5 汚れ感 5~ dim dim 結果 2 汚れの程度 ~ dim dim 7

8 結果 2 汚れの程度 2~ dim dim 結果 2 汚れの程度 3~ dim dim

9 結果 2 汚れの程度 4~ dim dim 結果汚れの程度 R= 汚れ感 R= dim dim 9

10 結果 3 汚れ感評定値が大きいビルの印象評価語つまらない -.5 安っぽいたよりない暗いやぼったいもうかってなさそうきゅうくつなしょぼいしょぼい暗いやぼったいきゅうくつもうかってなさそう安っぽいたよりない dim dim 結論汚れ感の与えるマイナスイメージ汚い汚れている等の印象語は使われていないオフィスビル外観を見て汚れ感が意識されることは少ない汚れ感の大きいビルは景気の悪そうな印象を与えるしょぼいきゅうくつなもうかってなさそう暗いたよりない汚れ感が意識されるのではなく別の言葉で表現されるマイナスイメージを与えている

11 オフィスビル外観の印象に関する研究 A study study on on impression of of office building exterior そのパネル自身の語彙による印象評価その2 汚れ感に関する要因分析建設省建築研究所小島隆矢竹中工務店武藤浩実践女子大学槇究現象汚れていても汚いと感じられにくい建物とは一般に汚れている建物は汚いと感じられるが汚れていないのに汚いと感じられやすい建物 ( 左 ) や汚れているのに汚いと感じられにくい建物 ( 右 ) もある汚れていても汚いと感じられにくい外壁の特徴を把握するねらい

12 現象 2 汚れ感に影響する要因は何か 2 部分的に濃い汚れがある建物 ( 左 ) と全体的に薄く汚れている建物 ( 右 ) ではどちらが汚いと感じられる? 同じ汚れならレンガタイルの建物の方が汚いと感じられない? 汚れの状態や外壁素材の性質の汚れ感への影響度を把握するねらい 2 方針官能評価実験および多変量解析手法による分析 3 ねらい汚れていても汚いと感じられにくい建物の特徴を把握する汚れの状態や外壁素材の性質の汚れ感への影響度を把握する実施内容汚れの程度と汚れ感の違いの確認 2 汚れ感に影響する特徴の抽出 3 特徴の絞り込みと影響度の数値化 ( 汚れ感の評価式 ) 汚れ感と汚れの程度の官能評価実験データ分析に多変量解析手法を利用 ( 回帰分析など ) 2

13 方法オフィスビル外観写真を用いた官能評価実験 4 全景部分一般的な67のオフィスビル被験者 35 名汚れ感 ( 汚い感じがするか ) 汚れの程度 ( 汚れているか ) 清潔な感じか常なにり 2 やや 3 4 評価平均値を分析に使用常に 6 汚い感じ非汚れていないかなり 7 非やや汚れている結果汚れの程度と汚れ感の違いの確認 5 6 目地が目立つ汚れ感の評定平均値 4 2 汚れていても汚いと感じられにくい建物相関係数 = 汚れ度の評定平均値汚れている範囲が一部汚れている建物が必ずしも汚いと感じられるわけではない 3

14 結果 2 汚れ感に影響する特徴の抽出 6 評価者 5 名へのヒアリングで補足要因を 2 つに分類カテゴリーを設定汚れの状態外壁素材の性質要因明度差規則性範囲形状仕上げ材料明度色相模様目地凹凸カテゴリー 2 程度 / 程度 /.5 程度 / それ以下規則的 / やや規則的 / ばらばら全体 / 部分直線状 / 紡錘状 / 雨だれ / 雲状斑状 / しみくすみガラス / タイル / 石 / 金属パネル / 塗材素地 9 程度 / 程度 /7 程度 / それ以下無彩色 / 暖色系 / 寒色系ある / ない目立つ / 目立たない激しい / 少ない / フラット各刺激について該当するカテゴリーを判定結果 3 特徴の絞り込みと影響度の数値化 ( 汚れの程度 ) 7 回帰分析 ( 目的変数 = 汚れの程度説明変数 = 要因 ) 汚れの状態外壁素材の性質要因カテゴリー明度差 2 程度 > 程度 >.5 程度 >それ以下規則性ばらばら>やや規則的 > 規則的明度差が大きい範囲全体 > 部分ほど汚れている形状直線状 / 紡錘状 / 雨だれ / 雲状斑状 / しみくすみと評価されている仕上げ材料ガラス / タイル / 石 / 金属パネル / 塗材素地明度 9 程度 / 程度 /7 程度 / それ以下色相無彩色 / 暖色系 / 寒色系模様ある / ない目地目立つ / 目立たない凹凸激しい / 少ない / フラット汚れの状態だけでほぼ説明できる = 仕上げ材料の種類によらない寄与率 R ** =.63 残差平方和 =2.7 残差標準偏差 =.5 4

15 結果 4 特徴の絞り込みと影響度の数値化 ( 汚れ感 ) 回帰分析 ( 目的変数 = 汚れ感説明変数 = 汚れの程度 + 要因 ) 要因カテゴリー汚れの程度明度差 2 程度 / 程度 /.5 程度 / それ以下規則性規則的 / やや規則的 / ばらばら範囲全体 > 部分形状雨だれ / 雲状斑状 / しみくすみ> 直線状 > 紡錘状仕上げ材料塗材素地 > 金属パネル>タイル / 石 >ガラス明度 9 程度 / 程度 /7 程度 / それ以下色相無彩色 / 暖色系 / 寒色系模様ない>ある目地目立たない> 目立つ凹凸激しい / 少ない / フラット汚れの状態外壁素材の性質汚れの程度で説明できない部分を明らかに寄与率 R ** =.73 残差平方和 =6.96 残差標準偏差 =.39 汚れの程度だけでは説明できない = 外壁素材の性質も影響結果 5 汚れ感のモデル 9 回帰分析の結果を模式化汚れの程度や各要因との関係汚れの程度 79.6 汚れ感数字は分散比の値明度差規則性範囲形状仕上げ材料模様目地明度色相凹凸汚れの状態に関する要因外壁素材の性質に関する要因 5

16 ねらい結果検証評価式の精度 ( 汚れ感 ) 検証用サンプルの例説明変数名残差平方和変化量分散比偏回帰係数定数項汚れ度仕上げ材料ガラスタイル * 石 * 金属パネル塗材素地範囲全体部分目地目立つ目立たない形状直線状紡錘状雨だれ * 雲状斑状 * しみくすみ * 模様あるなし明度凹凸色相明度差規則性評価実験による実測値汚れ感の予測値 =4.45 ( 実測値 =4.9) 精度もまずまず評価式による予測値建物全体の印象に基づく評価基準汚れ感を構築ねまとめ汚れていても汚いと感じられにくい建物の特徴 2 汚れの状態や外壁素材の性質の汚れ感への影響度オフィスビル外観写真を用いた官能評価実験回帰分析などの多変量解析手法汚れの程度と汚れ感は一致しない汚れていても汚いと感じられにくい建物がある 2 汚れの程度は汚れの状態 ( 明度差規則性範囲 ) でほぼ説明できる ( 仕上げ材料の種類によらない ) 3 汚れ感は汚れの程度だけでは説明できない外壁素材の性質 ( 仕上げ材料模様目地 ) も影響結6

多変量解析 ~ 重回帰分析 ~ 2006 年 4 月 21 日 ( 金 ) 南慶典

多変量解析 ~ 重回帰分析 ~ 2006 年 4 月 21 日 ( 金 ) 南慶典重回帰分析とは? 重回帰分析とは複数の説明変数から目的変数との関係性を予測評価説明変数 ( 数量データ ) は目的変数を説明するのに有効であるか得られた関係性より未知のデータの妥当性を判断するこれを重回帰分析というつまりどんなことをするのか? 1 最小 2 乗法により重回帰モデルを想定 2 自由度調整済寄与率を求め