機密性情報限り JICA 技術協力ケニア共和国気候変動への適応のための乾燥地耐性育種プロジェクトの概要 Project on Development of Drought Tolerant Tree for Adaptation to Climate Change in Drylands

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あきみいのら
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1 機密性情報限り JICA 技術協力ケニア共和国気候変動への適応のための乾燥地耐性育種プロジェクトの概要 Project on Development of Drought Tolerant Tree for Adaptation to Climate Change in Drylands of Kenya 2014 年 8 月 29 日前チーフアドバイザー / 普及担当小澤眞虎人 ( 林野庁業務課 )

2 1 ケニアの森林国土面積 5,830 万 ha( 乾燥地または半乾燥地がその 8 割 ) 森林面積は 350 万 ha( 国土の約 6% うち閉鎖林は約 2%) (FAO, 2010) ( ) 森林率 10% 目標を憲法に規定森林の6 割が私有林 ( 多くは共有地 ) 国公有林は4 割人工林は20 万 ha( ユーカリサイプレス等 ) 近年まで森林減少の傾向減少の主要因は農地の開発人口増加による薪炭材の需要増 ( 注 ) 過放牧違法伐採等 ( 注 ) 国内総エネルギーの約 70% を薪炭材に依存国内で生産される木材の90% 以上を燃料に使用 ( ) 最近の調査で7% とのデータもある 2

3 2 ケニアにおける JICA 林業協力の流れ SFTPⅠ 技術開発のための基礎的取り組み職員農民への研修 SFTPⅡ 技術開発の推進職員農民への研修 1988 無償資金協力 ( 施設 Ⅰ) SOFEM 実地応用技術の開発普及モデルの開発 1995 無償資金協力 ( 施設 Ⅱ) ISFP 普及員農民及びグループにおける社会林業活動の強化第三国研修社会林業 Tree Breeding for Climate Change 優良種子種苗の選抜普及 3

4 3 プロジェクトの概要気候変動への対応のための協力支援ケニア国では半乾燥地及び乾燥地が国土の約 8 割を占め森林面積は約 6% に過ぎない一方国内総エネルギーの約 7 割を薪炭材に依存しており森林資源の荒廃や土壌の劣化が進んでいる今後気候変動により旱魃等が起こりやすくなるなど自然資源に依存する農村住民の生活が悪影響を受けるおそれがある JICA プロジェクト気候変動への適応のための乾燥地耐性育種プロジェクト (2012 年 ~2017 年 ) では気候変動に適応した優良な種苗による植林を推進するため郷土樹種のメリアとアカシアで成長や耐乾燥性等に優れた品種を選抜し採種園を造成してこれらの供給能力を整備するとともに農民等による植林のための優良種苗普及体制の構築等を実施している育種事業の推進プラス木の選抜増殖 / 採種園の造成評価成果の普及接ぎ木ワークショップメリアのプラス木植え付け採種園植栽後 5 か月研究能力向上遺伝的多様性の確保耐乾燥性の研究普及手法の検討第三国研修優良種苗による植林の促進 DNA 分析生長量調査種苗のマーケットリサーチメリア造林地と苗畑 4

5 プロジェクト目標乾燥地半乾燥地における郷土樹種の植林促進のために必要な研究能力及び普及システムが強化されるアウトプット 1 郷土樹種 (Melia volkensiiとacacia tortilis) の遺伝的多様性に関する研究を実施するための研究能力が強化される 2 郷土樹種の育種を実践するための研究能力が強化される 3 Meliaの優良な種苗の供給システムが構築される 4 優良な種苗の重要性に関する関係者 ( 他ドナー NGO 住民等 ) の意識が高まる協力期間 :2012 年 7 月 ~2017 年 6 月 (5 年間 ) 投入 :3.5 億円長期専門家 2 名短期専門家

6 C/P 機関 : ケニア森林研究所 (KEFRI) 1986 年設立 6 地方支所職員数約 950 名環境水天然資源省傘下の研究機関 ( 一般の森林行政は森林公社 (KFS) が担当 ) 調査研究のほか研究結果の普及情報共有 ( 政府機関職員 NGO 住民等 ) を行うことが特徴主要なテーマ 1 森林の生産性とその向上の研究 ( 農地林を含む ) 2 生物多様性と環境マネジメントの研究 3 林産物の利用開発の研究 4 社会経済 ( 住民参加ジェンダー等 ) 政策及びガバナンスの研究 5 林業技術の向上支援 ( 研修の実施技術情報の提供等 ) 6 企業的取り組み ( 種子苗木販売等 ) 6

7 ケニアの乾燥地半乾燥地の分布主要なプロジェクトサイトキツイナイロビ乾燥地半乾燥地キブウェジ 7

8 プロジェクトの対象樹種メリアとアカシアメリア Melia volkensii produces timber with good quality that is highly valued in the market. アカシア Acacia tortilis provides timber and fuel wood as well as fodder for livestock. 8

9 4 現在までの成果メリアアカシア育種プラス木の選抜と増殖年選定本数現況 / 予定 2012 年 60 本選抜後採種園に植栽済み 2013 年 20 本選抜後採種園に植栽済み 2014 年 20 本選抜済み 12 月植栽予定計 100 本各 30 本クローン採種園 2カ所 2013 年 21 本うち8 本で種子採取 2014 年 79 本 (7 月現在未済 ) 計 100 本 2015 年に植栽予定各 30 本実生採種林 2カ所メリアプラス木の選定エリア

10 メリア採種園の造成 1 接ぎ木と育苗植え付けプラス木採穂接ぎ木育苗 (4 ヶ月間 ) 造成前植え付け 100 本間隔 6m 6m

11 メリア採種園の造成 2 管理 1 キツイ (Tiva) 採種園 (KEFRI 試験林内 ) 標高 1100m 年降水量 800mm 2012 年 12 月植栽 1800 本 (60 系統 ) 2014 年 1 月植栽 700 本 (20 系統 +α) 2 キブウェジ (Kibwezi) 採種園 ( ナイロビ大学農場内 ) 標高 900m 年降水量 650mm 2013 年 1 月植栽 1200 本 (60 系統 ) 2014 年 1 月植栽 1000 本 (20 系統 +α)

12 メリア採種園植栽木の生長 ( キブウェジ採種園 ) 植え付け (2013 年 1 月 ) 18 ヵ月後 5 ヵ月後 3 ヵ月後 12

乾期雨期 Fluorescence of fast growing clones generally higher than

13 耐乾燥性研究例 : クローンごとの光合成能 ( 蛍光クロロフィル ) の違い (Variation in chlorophyll fluorescence between fast and slow growing clones) 乾期雨期 Fluorescence of fast growing clones generally higher than that of slow growing clones Note differences during dry and wet seasons 13

14 遺伝的多様性の確保メリア 310 個体アカシア 390 個体の分布情報を収集 ( サンプリング ) 母集団の遺伝的多様性の評価 DNA 分析に係る実験参考書 Basic Molecular Techniques for Tree Breeding Experimental Protocols 14

15 普及活動マーケットリサーチの実施 Melia の種子 / 苗木の生産及び流通木材としての利用の実態把握を目的として聞き取りによる調査を実施 2013 年 9~10 月生産 / 流通業者 211 名木材供給者 213 名を対象聞き取り調査 : 種子採集業者 / 育苗事業者 15

Meliaの種子 / 苗木の生産には関心が高く需要も堅調価格も比較的高いが市場への供給量は多くない Meliaの生産にかかる技術水準は

農家の庭先で加工 % response on demand 80 70 60 50 40 30 20 10 0 メリア苗木の需要 2010 2011

of nurseries with Melia Good/high demand Bad/low demand Average/moderat e

16 Meliaの種子 / 苗木の生産には関心が高く需要も堅調価格も比較的高いが市場への供給量は多くない Meliaの生産にかかる技術水準は地域や個人によってばらつきがある平均して11 年で伐採され 1 本当たり約 3000 円の収益がもたらされた ( 現在報告書とりまとめ中 ) 農家の庭先で加工 % response on demand メリア苗木の需要 Year No. of nurseries with Melia Good/high demand Bad/low demand Average/moderat e demand Nurseries with Melia seedlings 今後リサーチの成果に基づいて種苗生産配布のためのガイドライン案を作成し種苗の配布を試行さ 16 らに研修等の普及活動に利用

17 プロジェクトのパブリシティ Side Event in TICAD V (1 st Jun. 2013, Japan) Director s Presentation Side Event in UNCCD (26 th Sep. 2013, Namibia) Seed Orchard Facilities Launching Ceremony in Kitui (18 th Feb. 2014, Kenya)

18 本邦研修の実績コース名 2012 年度 2013 年度 2014 年度主な研修先 1 プロジェクト管理 1 名 9 日 1 名 23 日 1 名 14 日 2 DNA 分析 2 名 55 日 2 名 39 日 2 名 28 日 3 育種理論 2 名 41 日 2 名 23 日 2 名 28 日 4 育種技術 2 名 27 日 2 名 23 日 5 耐乾燥性研究 2 名 30 日 6 普及 2 名 28 日計 8 名 278 日 8 名 226 日 7 名 182 日林野庁育種センター新植事業地育種センター岐阜大名古屋大育種センター民間苗畑育種センター民間苗畑育種センター九州大育種センター木材加工施設 ( 育種センターには西表育種技術園含む ) 18

19 5 課題スケジュール管理プラス木選抜 < 2014 年中の回復目途 > 耐乾燥性データ収集 ( 機材納入遅れ ) 普及活動 < 短専の派遣等 > C/Pの配置採種園における病虫害の発生 Psyllid

20 6 今後の予定育種プラス木の評価 ( 検定林造成 4 カ所 +α) 遺伝的多様性に配慮した種苗配布ガイドライン普及種苗生産配布のためのガイドライン案の作成と改良種苗供給システムの構築研修による普及将来への方向性育種事業 / 種苗供給事業の展開林産物生産の高度化気候変動対策森林減少対策連携森林セクター間 NGO 等ドナー間アフリカ地域

PowerPoint プレゼンテーション

PowerPoint プレゼンテーション ~ 新品種が産みだす森林の未来 ~ エリートツリー等の初期成長調査試験地 ( 林木育種センター内 ) 国立研究開発法人森林総合研究所林木育種センター平成 28 年度林木育種成果発表会次第 ~ 新品種が産みだす森林の未来 ~ 開会日時 : 平成 28 年 2 月 2 日 ( 木 ) 13:30~17:00 場所 : 木材会館 7 階大ホール特別講演森林の遺伝的管理を考える特別報告静岡県における特定母樹選抜の取組

機密性 情報 限り JICA 技術協力 ケニア共和国気候変動への適応のため の乾燥地耐性育種プロジェクト の概要 Project on Development of Drought Tolerant Tree for Adaptation to Climate Change in Drylands

機密性情報限り JICA 技術協力ケニア共和国気候変動への適応のための乾燥地耐性育種プロジェクトの概要 Project on Development of Drought Tolerant Tree for Adaptation to Climate Change in Drylands