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1 流通 BMS 普及セミナー 中堅 中小企業の導入事例 - 種清における流通 BMS 導入事例 - 種清 平成 21 年 11 月 6 日情報管理部情報システム室永井博之 0

2 Agenda 1. はじめに ( 会社概要 ) 2. 流通 BMS 導入の経緯と狙い 3. 流通 BMS 導入の状況 4. 流通 BMS 導入による効果 5. まとめ 1

3 1. はじめに ( 会社の概要 ) 美味しさ通じてみんなハッピー 社名創業代表者資本金売上高従業員数事業内容系列会社 株式会社種清 明治 43 年 11 月 代表取締役社長広瀬美貴夫 9600 万円 671 億円 ( 平成 21 年 3 月実績 ) 248 名 ( 平成 21 年 3 月現在 ) 国内外の菓子卸売り 商品開発 種清商事株式会社 ( 菓子包装資材卸売等 ) 株式会社菓楽 (KAGURA) 2

4 1. はじめに ( 会社の概要 ) 14 拠点 (10 拠点から物流を実施 ) 3

5 2. 流通 BMS 導入の経緯と狙い 情報志向型卸売業研究会のHPはこちら 目的 ( 卸研パンフレットより転載 ) 卸研 は異業種の卸売業が互いに共通する情報化に関する課題を研究し 情報化を推進し 卸売業の合理化及び近代化を目的とした研究会 経緯 1985 年に発表された 情報武装化卸売業ビジョン を契機として 同年 8 月 通産省 ( 現経産省 ) の指導により設立されて以来 各卸売業に共通する情報化の課題について 業種横断的に調査 研究を行っている (1) 活動情報志向型卸売業研究会 ( 卸研 ) 参加 年度平成 18 年度平成 19 年度平成 20 年度 主な研究テーマ 次世代 EDI 対応をテーマに研究会を開催 運用ガイドラインに対する質問 要望 卸向け 次世代 EDI 標準運用ガイドライン 補足説明書 SCMラベル 個別納品書 の標準仕様 ( 案 ) 平成 18 年度に継続して 流通 BMS をテーマに開催 物流関連メッセージ ( 在庫 返品等 ) の検討 流通 BMSガイドライン に対する質問 提言の整理 流通 BMS 対応の製品 接続形態 事例情報の整理 中小企業向け流通 BMSの普及冊子作成 経産省事業 物流ラベル標準化調査検討委員会 に卸研として参画 卸研としては 鮮度管理 をテーマに開催 経産省事業 流通システム標準化事業スーパー業界物流ラベル標準化検討 に卸研として参画 卸研内に 物流システム標準化部会 を設置し 流通 BMS 対応物流ラベルの標準策定に向けて 提言を実施 4

6 2. 流通 BMS 導入の経緯と狙い (2) 活動平成 20 年度経産省事業に参画 1 流通システム標準化事業スーパー業界物流ラベル標準化検討 2 スーパー業界物流ラベル共同実証 ( 平成 20 年 12 月 ~ 平成 21 年 3 月 ) (98) 取引先自由使用欄 東京センタ 12/31 特売 A HHH マート 御茶ノ水店 加工食品 A 調味料 AA 発注者自由使用欄 流通 BMS 対応物流ラベルを使用平成 21 年 3 月より TC 納品開始 日立卸売株式会社 AA 荷番 :12345 ( 平成 20 年度流通システム標準化事業スーパー業界物流ラベル標準化検討より引用 ) 5

7 2. 流通 BMS 導入の経緯と狙い (3) 導入の背景 お取引様の物流変更に伴い 受注 ~ 納品迄のリードタイム短縮に対応を図る為 (4) 初期稼動 平成 20 年 6 月 (5) 構築方法 サーバー型 (EDIパッケージの導入) サーバー型を選択した理由 1EDIの自動化 PUSH 型によるリアルタイム処理 2データ量への対応 大容量のデータ交換を想定 3システムの安全性 サーバーモデルの方が安全性が高い 4 将来の拡張性 接続するお取引様の増加を想定 S-S 型 EDI モデルとその特徴 サーバ型 EDI システム リアルタイム処理 プッシュ型高信頼性通信 多拠点同時接続 バックエンドと密連携 社内システムS-S 型サー特徴 バS-S 型 イニシャルコストは高め 特長を活かすには バックエンドを含めた全体検討と技術者要 サーバ社内システム小売卸 メーカ サーバ型 EDI システム インターネット 6

8 2. 流通 BMS 導入の経緯と狙い (6) 導入の狙い 運用面 発注データ受信の大幅な時間短縮による 出荷開始時間の前倒し 標準化システムの導入によるEDI 業務 物流業務における効率化の推進 システム面 拡大が予想される流通 BMS 対応におけるノウハウ蓄積 標準化システムの導入による開発工数の削減 7

9 3. 流通 BMS 導入の状況 (1) 導入時に感じた事 流通 BMS 標準化メッセージについての疑問が一杯??? 1 従来のJCA 手順で行っていた際のフォーマットとの関連付けがわからない?? どうしてこんなに桁数が長いの?? 2こんなに全部の項目を基幹システムに取り込む必要はあるの? 3オープン系の仕組みで禁則文字等が入ってくる事はないの? 4 全角項目に半角文字が混在する事はないの? 社内で流通 BMS の勉強会を実施 セミナー参加 ( メッセージの構造 各項目の意味付け ) システム運用 EDI サーバーに関する疑問点は 導入支援を頂いた日立製作所様 PCS 様に教えて頂いた 標準化メッセージの定義に関する疑問は お取引き様からのマッピングシートで解決ができました 流通 BMS メッセージ項目 従来の JCA 項目 値のサンプル 使用される桁数等が定義されています 8

10 3. 流通 BMS 導入の状況 (2) 導入時に感じた事 通信速度は 本当に飛躍的に速くなるの? 実際に開始する迄は速度が一番の心配でしたが 稼動時には通信速度の飛躍的な向上を確認する事が出来ました データが PUSH 型で EDI サーバーに送り込まれる 運用が想像できない? (JCA 手順等のようにデータを取りにいく概念からの ギャップが大きかった ) 基幹システムで処理中に EDI サーバーから送り込まれてしまう事はないの? 基幹システムでの受注バッチ処理が重複してしまう可能性があり EDI サーバーと基幹システムの連携に関するシステム設計 開発に多くの時間を費やしました EDI サーバーからの送受信結果を 基幹システムを使用している運用担当者は把握できるの? 各出荷拠点の運用担当者が送受信結果を容易に確認出来る照会画面 メッセージ表示されるように開発を行う事にしました 9

11 3. 流通 BMS 導入の状況 (3) 導入スケジュール 活動内容 平成 19 年 12 月 1 月 2 月 平成 20 年 3 月 4 月 5 月 6 月 1 2 EDI 方式 システム検討 証明書の入手 検討期間検討期間約 22 ヶ月ヶ月 システム全体設計 基幹システム改修 ネットワーク設定 (DNS ルーター設定 ) EDI システム 基幹システム結合テスト 取引先様との接続テスト 並行テスト 本番稼動 設計 開発期間設計 開発期間約 44 ヶ月ヶ月テスト テスト 移行期間移行期間約 ヶ月ヶ月 10

12 3. 基幹システムインターネット流通 BMS 導入の状況 (4) システム構成図 DMZ データセンター ファイヤーウォール DNS サーバー 各出荷拠点 EDI 自動化対応 INS64 流通 BMS EDI サーバー日立製作所様 HITREDI Server 日立製作所様リモート保守 ( 流通 BMS EDI サーハ ー ) 障害時コールドスタンバイ 入出荷検品サーバーゲートウェイ 流通 BMS 対応物流ラベル PCS 様リモート保守 ( 基幹システム ) DNS サーバー 流通 BMS サーバー 電子帳票サーバー ( 伝票ペーパーレス ) 無線 HT 検品システムピックカート出荷 検品システム 11

13 取引様検品業務1 出荷拠点別 ASN データ作成 出荷 3. 流通 BMS 導入の状況 (5) データフロー図 ( 発注 ASNデータ ) インターネットお流通 BMS EDI サーバー日立製作所様 HITREDI /Server 基幹システム サポート会社 : PCS 様 データ送受信管理システム EDI データ変換処理システム物流システム 1ebXML 受信 XML 発注データ 2 データ振分けマージ処理 a 社様用蓄積ファイル b 社様用蓄積ファイル 1FTP 受信処理 2 流通 BMS 共通ファイル累積 3 出荷拠点データ振分け 3XML 固定長変換処理 4 排他制御チェック処理 5FTP 送信処理 固定長 TEXT DATA 4 出荷拠点別在庫引当て処理 5 出荷拠点別出荷データ作成 6 出荷拠点別検品データ作成 XML ASN データ 1FTP 受信処理 2 固定長 XML 変換処理 3ebXML 送信 固定長 TEXT DATA 2ASN データチェック処理 3 排他制御チェック処理 4FTP 送信処理 12

14 3. 流通 BMS 導入の状況 (6) 標準化物流ラベルの対応 平成 21 年 2 月施行 発注メッセージ 物流ラベル物流ラベル標準仕様標準仕様 運用運用ガイドラインガイドライン (98) 取引先自由使用欄 東京センタ 12/31 特売 A HHH マート 御茶ノ水店 加工食品 A 調味料 AA 発注者自由使用欄 流通 BMS の発注データより 変換処理等を付加する事なく 直接印刷をする事が可能となりました ( 変換処理とは 卸側で物流ラベルを印刷をする為に 名称等の変換マスターや 固定情報の印字を小売様別にシステム化する事を示します ) 日立卸売株式会社 AA 荷番 :12345 SCM ラベル ( 平成 20 年度流通システム標準化事業スーパー業界物流ラベル標準化検討より引用 ) バーコード情報 印字項目のマッピング仕様 Ver1.2 では物流用項目が追加 13

15 4. 1 通信時間の比較 流通 BMS 導入による効果 (1) EDI 物流業務における効果 発注データ 発注データ受信時間受信開始時間出荷バッチ開始時間 ASNデータ送信時間支払データ受信時間 流通 BMS 導入前 (JCA 手順 INS9600bps) 出荷拠点毎に受信 約 30 分 ~40 分 13 時 30 分 ~ 13 時 50 分 ~14 時 00 分 約 15 分 ~20 分 約 1 時間 20 分 流通 BMS 導入後 一括で受信 約 2 分 13 時 00 分 ~ 13 時 10 分 ~ 約 1 分 約 10 分 発注データ受信時間 大幅な短縮 ( 約 40 分 ) 出荷作業 開始時間の前倒し ( 約 40 分 ) JCA 手順に比べ安定した送受信が可能となった 14

16 4. 流通 BMS 導入による効果 (1) EDI 物流業務における効果 2EDI 物流業務の比較イメージ 13 時 14 時 15 時 16 時 流通 BMS 導入前 発注データ受信約 40 分 出荷バッチ 出荷 検品業務約 1.5 時間 ASN データ作成 お取引様センター 流通 BMS 導入後 出荷バッチ 発注データ受信約 2 分 出荷 検品業務約 1.5 時間 ASN データ作成 お取引様センター 出荷開始 1 時間前倒し ASN データ送信 1 時間前倒し 出荷 検品業務の開始が早められ 作業に余裕が生まれた お取引様へ ASN データを早く送信する事が出来るようになった 15

17 4. 3 伝票レス 流通 BMS 導入による効果 (1) EDI 物流業務における効果 月間 : 約 60,000 枚が伝票レスとなっています 1 伝票代 保管に要するコストが削減されます 2 伝票の使用 廃棄量を削減する事が出来 環境対策にもなっています EDI 業務における効果 物流業務における効果 PUSH 型による効果 自動運転による省力化 待ち時間なし 開始時間の前倒し約 1 時間 通信方式による効果 通信時間約 95% 削減 通信の安定性が向上 ( 通信エラーなし ) 出荷 検品業務の早期開始の効果 出荷 検品業務に余裕が出来る 物流品質の向上 伝票レスの効果 伝票関連コスト削減月間 : 約 6 万枚 流通 BMS は 物流面の効果が大きい! 16

18 4. 流通 BMS 導入による効果 (2) システム開発で予想される効果 1EDI システム開発工数の削減標準化メッセージにより 初期導入時に比べ約 1/3 以下 ( 約 2 ヶ月 ) で可能になると想定しています 初期導入時の期間 2 社目以降の期間 1 2 システム全体設計基幹システム改修 4.0 ヶ月 1.0 ヶ月 3 EDI サーバー設定 結合テスト 4 取引様との接続テスト 2.0 ヶ月 1.0 ヶ月 5 並行稼動テスト お取引様の個別対応システムの構築から 共有システムへの組み込み お取引様の個別対応システムの構築から 共有システムへの組み込み 運用ガイドライン マッピングシート等により 開発工数の削減が期待される 運用面についても標準化される事により 運用コストの削減が期待される 17

19 4. 流通 BMS 導入による効果 (2) システム開発で予想される効果 2 流通 BMS 対応物流ラベル導入による開発工数の削減 SCM ラベル仕様決定シート を活用する事で 印字項目と発注メッセージ項目の関連が明確となり 開発工数の削減につながる ( 平成 20 年度流通システム標準化事業スーパー業界物流ラベル標準化検討より引用 ) バーコード体系 標準化仕様の策定により期待出来る事 システム開発面 流通 BMS 発注メッセージから直接印刷する事が可能となる 卸側で印刷のために必要としていた 変換テーブルが不要となる 物流システム構築に要する期間の短縮が図られる 運用面 物流現場における作業の標準化が図られる 物流品質の向上 生産性の向上が図られる 18

20 4. 3VerUP(1.2) 対応における開発工数平成 20 年活動内容 12 月 流通 BMS 導入による効果 (2) システム開発で予想される効果 Ver1.2 XML スキマー入手 システム全体設計 基幹システム改修 ( 項目追加分の拡張 ) EDIサーバーテスト機 Ver1.2 切替 EDI システム 基幹システム相互テスト 取引先様との接続テスト 本番稼動 1 月 12 月初旬に入手 12 月初旬に入手 平成 21 年 改修に要した期間改修に要した期間約 55 日 VerUP( ) の作業に要した工数は約 15 日追加された物流用関連項目 (6 項目 ) を基幹システムに取り込みました Ver 切替時の注意点 1 新 旧 Ver のデータが混在する期間は注意が必要 ( 特に ASN データ ) 2 稼動中のシステムであり EDI サーバー 基幹システムのテストを完全に行なう事が出来ず トラブル発生による備えが必要 2 月 テスト 切替に要したテスト 切替に要した期間期間約 日 19

21 5. まとめ 1. 流通 BMS の導入におけるポイント (1) 流通 BMS 対応 EDI システムの導入 標準仕様の対応システムであり 製品の優劣に大きな差はないと思われるが 対象とする範囲 拡張性を考慮した製品 サービスを選定する必要があると思います 1 導入実績の多い製品 サポート力のある IT ベンダー を選択した方が良い a) パッケージ製品だけでなく ネットワーク インフラ等についても相談が出来る b) 緊急時 ( 休日 祝日 ) のソフトウェア保守が受けられる体制が整備されている 2 周辺インフラを含む ハードウェアの障害対策も検討しておく ( バックアップマシン ) (2) 基幹システムの改修 1EDI サーバー 基幹システムとの排他制御を確実にする 2ASN データの整合性チェック処理は 初期稼動 その後の改修時に有効 3 将来的な拡張性を考慮して 標準化メッセージの全項目を取り込む 4 標準化メッセージのメリットを生かし 個社対応とならない共有可能なシステムの基盤を作る (3) 今後の課題 1 流通 BMS に関連したシステムに障害が発生した場合に 短時間で復旧を図る対策 2 流通 BMS のメッセージ項目の属性を 基幹システムに反映させる検討 3 証明書 ( ベーシック認証 ) の更新 20

22 5. まとめ 2. 流通 BMS の普及拡大 ( 標準化 をキーワードに ) (1) 小売様 1 システム切替時には Web-EDI の導入を決定する前に 標準化推進の為に流通 BMS の導入を是非ご検討して頂きたい 先行された小売様には 流通 BMS 導入による具体的なメリットをアピールして頂き 普及拡大につなげて頂きたい 2 物流センター マテハン機器の改修をされる際には 流通 BMS 対応物流ラベル の採用をご検討して頂きたい ( 物流現場に標準化の範囲を拡大 ) (2)IT ベンダー様 1 流通 BMS を全面にご提案をして頂きたい (Web-EDI が多様化しないように ) 流通 BMS は 従来の JCA 手順等に比べ技術的なハードルが高く ユーザーが安心して導入が決断できるように 技術支援 問合せ等のサポート体制の充実 2 導入しやすい価格帯のシステムを開発 販売して頂きたい (3) 卸 1 小売様より流通 BMS 導入の要請を受けた場合には 積極的な対応を行う 流通 BMS を導入して頂く小売様が拡大する事で 卸にとって より大きな効果が出ると考えます 21

23 ご清聴ありがとうございました 情報管理部情報システム室永井博之 22