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しょうりよせ
5 years ago
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1 我が国の測量産業における規模の経済性の推計筑波大学大学院システム情報工学研究科社会システム工学専攻 ( 博士前期課程 ) 1 年次山本純

2 測量業を取り巻く状況空間情報社会を担う産業としての役割の期待地理空間情報活用推進基本法 ( 平成 19 年 8 月 9 日施行 ) 第六条測量地図の作成又は地理情報システム若しくは衛星測位を活用したサービスの提供の事業を行う者その他の関係事業者は ( 中略 ) 良質な地理空間情報の提供等に自ら努めるとともに ( 中略 ) 地理空間情報の活用の推進に関する施策に協力するよう努めるものとする公共事業縮小技術革新への対応 etc. H.17 年.37 年以来初めて業者数が減少以降 3 年連続減少中厳しい現状 : 再編淘汰も不可避 1) 全国測量設計業協会連合会 (004) 客観的データからの分析は十分とはいえない

3 測量業を取り巻く状況国土交通省登録業者数 13,895 業者 (007/3/31 現在 ) 年登録制度開始以来初の減少 1500 業者数年登録制度開始 37 業者登録 1949 年測量法施行建設関連業の登録状況について ( 国土交通省 007) より年 3

4 本研究の概要と目的業者ごとの財務データを用いて費用関数の推定規模の経済性の計測測量産業の姿を明らかにする今後の測量産業に関する研究に示唆を与える 4

5 使用するデータ測量業者には毎年国土交通省への財務資料提出義務あり測量業者要覧測量業者登録制度の公示性を補完する目的で発行測量業者が国交省に提出する資料に基づき年間隔で発行登録簿の財務資料と比較すると営業利益や営業外収益等が記載されていない等記載項目が簡略化我が国の測量業者の財務状況を一度に網羅できる唯一の資料発行元 ( 建設綜合資料社 ) の許可を得て平成年版の 3 断面の測量業者要覧を電子化年度 ( 利用した要覧 ) 収録業者数従業員数記載測量高記載財務事項 ( 売上高 ) 記載 H.11 年度 (H.13 年版より ) 13,01 13,00 10,940 1,039 H.13 年度 (H.15 年版より ) 14,478 13,386 10,916 11,796 H.15 年度 (H.17 年版より ) 14,435 1,394 4,88 H.17 年版の記載データが少ない個人情報保護法の影響国土交通省からの情報提供がなくなりアンケート形式に転換したため 5,64 5

6 6 測量業者データベース収録項目 (1).80 10, , ,468 事務職員数 , , ,8 その他の技術者数 3.4 7, , ,97 測量士補数 , , ,019 測量士数 , , ,00 従業員合計従業員数 8,770 8,975 8,849 兼業業種記載 4.4 5, , ,183 登録更新回数 ,468 13,098 本社等住所記載 4,618 4,990 4,508 うち有限会社 7,586 8,063 7,47 うち株式会社 14,437 14,476 13,01 業者数基本情報平均値データ数平均値データ数平均値データ数 H.15 年度 H.13 年度 H.11 年度

7 測量業者データベース収録項目 () H.11 年度 H.13 年度 H.15 年度データ数平均値データ数平均値データ数平均値資本金 ( 万円 ) 11,747 10,065 1,11 1,190 11,490 1,47 測量高 ( 万円 ) 10,940 8,410 10,916 8,033 4,88 11,81 流動資産 ( 万円 ) 1, ,406 11,800 15,133 5,6 18,13 固定資産 ( 万円 ) 1,040 95,66 11,799 71,638 5,59 133,398 流動負債 ( 万円 ) 1, ,68 11,794 10,807 5,56 160,006 財務事項当期未処分利益 ( 万円 ) 当期利益 ( 万円 ) 資本合計 ( 万円 ) 総資本 ( 万円 ) 1,039 1,039 1,039 1,039 4, ,906,516 74,640 11,751 11,706 11,785 11,793 1,80 4,78 49,416 04,9 5,191 5,079 5,49 5,40 18,663 14,351 83,946 31,715 売上高 ( 万円 ) 1, ,030 11, ,147 5,65 57,663 売上原価 ( 万円 ) 1, ,30 11,793 1,0,14 5,53 4,513 売上総利益 ( 万円 ) 1,039 8,808 11,796 4,618 5,55 3,61 営業外費用 ( 万円 ) 1,038 3,443 11,789,63 5,41 3,473 経常利益 ( 万円 ) 1,038 10,473 11,788-56,64 5,46 148,76 7

8 資本金専業率階層ごとの業者分布 (H.11 年度 ) 業者数万円が多い ( 業者 ) 約 4 割約 4 割が集中不明 100% 0 個人 ~300 万円 300~ 1000 万円資本金階層 1000~ 000 万円 000~ 5000 万円 5000 万 ~1 億円 1 億 ~ 10 億円 10 億円 ~ 不明 0~40% 0~0% 80~100% 60~80% 40~60% 専業率階層 8

9 資本金専業率階層ごとの業者分布 (H.13 年度 ) 業者数 ( 業者 ) 万円が多い約 4 割約 4 割が集中 1000 不明 100% 0 個人 ~300 万円 300~ 1000 万円資本金階層 1000~ 000 万円 000~ 5000 万円 5000 万 ~1 億円 1 億 ~ 10 億円 10 億円 ~ 不明 0~40% 0~0% 80~100% 60~80% 40~60% 専業率階層 9

10 資本金専業率階層ごとの業者分布 (H.15 年度 ) 業者数 ( 業者 ) 不明欠損が多い 000 不明 % 0 80~100% 個人 ~300 万円資本金階層 300~ 1000 万円 1000~ 000 万円 000~ 万万円 ~1 億円 1 億 ~ 10 億円 10 億円 ~ 不明 0~40% 0~0% 60~80% 40~60% 専業率階層 10

11 測量産業のプレーヤー図監督行政機関国土交通省国土地理院発注者 ( 国公共団体民間等 ) 地方図地形図の利用測量法作業規程等 ( 規制規格 ) 基本測量公共測量等の発注成果の納品受注者 (= 測量業者 ) 測量法により登録義務機器技術の提供販売 ( 発注者以外の成果物の中間利用者 ) 道路地図の販売発注者以外の成果物の最終利用者機器開発メーカー学会研究教育機関 11

12 測量業者の生産要素と費用測量計画の立案測量士測量測量士その他の労働者機材図化測量士その他の労働者機材測量技術者の労働コスト測量作業者の労働コスト資本コスト 1

13 費用関数の推定測量技術者の労働コスト測量作業者の労働コスト資本コスト C = f ( P,P,,, K) 各変数の概要 C: 総費用売上原価 ( 千円 ) P: 測量技術者の賃金賃金センサスの測量技術者従業員規模別平均賃金 ( 千円 ) P: 測量作業者の賃金賃金センサスの従業員規模別全業者平均賃金 ( 千円 ) を採用 : 測量事業の産出量測量高 ( 千円 ) H のデータをプールして使用各変数は建設工事費デフレーター (H.1 年度基準 ) で補正 : 非測量事業の産出量売上高 ( 千円 )- 測量高 ( 千円 ) K: 測量業者の生産に利用された資本の量固定資産 ( 千円 ) 13

14 14 費用関数の推計関数系としてトランスログ型費用関数を選択回微分可能な任意の関数の近似式事前に関数形を特定しない点で一般性有り P P P P P P P P P P 0 (K) 1/ P P P P P P ) ( 1/ ( ) 1/ ) (P 1/ P P ) (P 1/ K P P KK K K PK PK K P P K K K K C β β β α α α α α α =

15 費用関数の推計トランスログ型費用関数の制約条件一次同時性 α β α PP P P PK β = 1 PP P P PK = = = = 0 β 0 0 PP β PP = 0 対称性 β PP = β PP 15

16 16 費用関数の推計制約条件より求めるパラメータが減少最小二乗法で推定する { } { } P P P P P P 0 (K) 1/ P P P P P P ( ) ( ) 1/ P P ) (P ) (P 1/ K )P (1 P KK K K PK K P P K K K K C β β α α α α α α = ) ( ) ( ) (

17 推計結果 ( 専業率全階層 ) パラメータ α *** α P *** α *** α *** α K β PP * β PP *** *** *** P P * PK K *** K *** KK * 決定係数サンプル数推計値 ,084 標準誤差 t 値 0.1% 水準 *** 1% 水準 ** 5% 水準 * 10% 水準. 有意確率 17

18 推計結果 ( 専業率 0~0% 0~40%) 専業率 0-0 専業率 0-40 パラメータ推計値標準誤差 t 値有意確率パラメータ推計値標準誤差 t 値有意確率 α * α *** α P α P *** α α α *** α * α K α K β PP β PP β PP β PP *** ** P P ** P P * PK PK K ** K K * K KK * KK 決定係数 % 水準 *** 1% 水準 ** 決定係数 % 水準 *** 1% 水準 ** サンプル数 769 5% 水準 * 10% 水準. サンプル数 818 5% 水準 * 10% 水準. 18

19 推計結果 ( 専業率 40~60% 60~80%) 専業率専業率パラメータ推計値標準誤差 t 値有意確率パラメータ推計値標準誤差 t 値有意確率 α *** α *** α P *** α P *** α ** α *** α α α K *** α K β PP β PP β PP ** β PP ** *** *** P P P P PK *** PK K * K K K KK * KK 決定係数 % 水準 *** 1% 水準 ** 決定係数 % 水準 *** 1% 水準 ** サンプル数 % 水準 * 10% 水準. サンプル数 156 5% 水準 * 10% 水準. 19

20 推計結果 ( 専業率 80~100% 100%) 専業率専業率 100 パラメータ推計値標準誤差 t 値有意確率パラメータ推計値標準誤差 t 値有意確率 α α *** α P α P * α α *** α α α K α K *** β PP β PP β PP β PP *** P P P P PK PK K K *** K K KK KK *** 決定係数 % 水準 *** 1% 水準 ** 決定係数 % 水準 *** 1% 水準 ** サンプル数 % 水準 * 10% 水準. サンプル数 % 水準 * 10% 水準. 0

21 規模の経済性規模の経済性 (conomies of cale) 各生産要素をすべて一定割合で変化させた場合の生産量の増加割合が各生産要素の変化割合よりも大きいこと測量産業に規模の経済性が存在するのなら合併により産出量の規模を大きくすることで費用を相対的に小さくすることができる本研究における測量業の規模弾性値 A は以下の式によって示される A C = s C A <1 規模の経済性が存在生産量の増加率 ( 分母 ) に対して費用の増加率 ( 分子 ) が小さい A =1 A >1 規模に対して収穫一定規模の不経済性が存在 1

22 規模の弾性値の分布 ( 全体 ) 100 累積業者( %) A <1 規模の経済性が存在 A=1 累積 89.4% 規模弾性値

23 規模の弾性値の累積分布 ( 専業率階層ごと ) 積業者( %) 規模弾性値累 A <1 規模の経済性が存在専業率階層 100% % 60-80% 40-60% 0-40% 0-0% 専業率の高い階層に規模の経済性が働いている

24 規模の弾性値の累積分布 ( 資本金階層ごと ) 100 累積業者( %) A <1 規模の経済性が存在専業率階層個人その他 300 万円未満万円万円万円 5000 万 -1 億円 1-10 億円 10 億円以上資本金の小さい階層に規模の経済性が働いている規模弾性値 4

25 まとめ今後の課題費用関数の推定高い精度で推定規模の経済性の計測ほとんどの業者が規模の経済性を有する専業率が低い業者資本金の大きい業者で規模の不経済性が観測範囲の経済性の計測の必要性資本金が大きく専業率が低い業者とは業務を多角化あるいは測量を主たる業務としていない業者規模の経済性のみで効率性を論じることはできない -PU 利用の意義約 4 万件の大規模データを容易に扱うことができた欠損値の取り扱いが容易グラフィック作成が容易でありかつ作成されたグラフィックが見やすい 5

26 参考文献 1) 全国測量設計業協会連合会編 (004) 測量設計業の展開戦略 - 地域に信頼される測量設計業を目指して- ) 建設省監修 (1993) 1 世紀の測量業ビジョン新しい技術産業を目指して- 大成出版社 3) 日本測量協会 (006) 測量関係法令集平成 18 年度版 4) 厚生労働省賃金構造基本統計調査 007/11/7 確認第 4 表職種別きまって支給する現金給与額所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額 5) 建設綜合資料社測量業者要覧平成年度版 6) 測量法研究会 (005) 逐条解説測量法大成出版社 6

<4D F736F F D C9A90DD8AD698418BC682CC8C6F896395AA90CD DC58F4994C5816A2E646F6378>

<4D F736F F D C9A90DD8AD698418BC682CC8C6F896395AA90CD DC58F4994C5816A2E646F6378> 建設関連業の経営分析 ( 平成 22 年度 ) 平成 24 年 3 月土地建設産業局建設市場整備課 I. 調査の概要 1. 調査目的建設関連業 ( 測量業建設コンサルタント及び地質調査業 ) の経営改善に必要な指標を提供するとともに建設関連業を指導育成するための基礎資料を得ることを目的とする 2. 調査対象測量法建設コンサルタント登録規程及び地質調査業登録規程 ( 以下測量法等という