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さゆりえんの
4 years ago
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1 < 第 13 回 ITS シンポジウム 2015> 吹雪視程の予測技術の開発とその効果國分徹哉武知洋太原田裕介大宮哲国立研究開発法人土木研究所寒地土木研究所松澤勝北海道において激しい暴風雪により吹雪災害が発生し市民生活に影響を与えているドライバーが吹雪に巻き込まれないようにドライバーの行動判断を支援する情報提供が有効と考えられるそこで著者らは平成 25 年 2 月よりインターネット上で北海道内の視界の予測情報の提供を開始したそして情報提供の効果を把握するためにアンケート調査を行った結果約 8 割の方がこのサイトを利用して交通行動を変更する実態が明らかになった Effect of development and the reporting of the predictive technique of snowstorm visibility Tetsuya kokubu Hirotaka takechi 2 Yusuke harada Satoshi omiya Masaru matuzawa Civil Engineering Research Institute for Cold Region People in Hokkaido have occasionally suffered from severe snowstorm-related disasters. The authors believe that providing drivers with information that supports their decision-making can help them avoid being affected by snowstorms. Therefore, in February 2013, the authors established a website that provides forecasts of highway visibility in Hokkaido. To understand the usefulness of the visibility information, the authors surveyed the website's users by questionnaire. Approximately 80% of the survey respondents reported using the website to determine whether to change their travel plans. Keyword:snowstorm, visibility forecast, traveler information system

2 1. はじめに積雪寒冷地の冬期道路では, 吹雪による視程障害による交通障害がしばしば発生するなど, 厳しい走行環境にあるこのため防雪柵や防雪林などの吹雪対策施設の整備が進められてきたところが近年急激に発達した低気圧の影響により極端な暴風雪による吹雪災害が発生するようになってきたこれまで防雪柵などのハード対策によって吹雪災害の軽減に効果を上げているがこれらの整備には多くの費用と時間が必要となる他極端な暴風雪への対応には限界があるこのような暴風雪に対して早急な対策を行うには従来のハード対策に加えて吹雪の現況および予測情報を提供するソフト対策を行い暴風雪時におけるドライバーの行動判断を支援することが必要と考えられる寒地土木研究所では平成 25 年 2 月よりインターネットサイト吹雪の視界情報において北海道内の視界の予測情報の提供を開始したさらに平成 25 年 12 月からは従来のパソコン向けの情報提供に加えてスマートフォン向け情報提供サイトの構築と注意喚起メール配信実験を開始したそしてこれらの情報の利用状況を把握するため一般利用者へのアンケートを実施し 400 名を超える回答を得た本論文では吹雪の視界情報システムの概要アンケート調査より利用状況等を分析した結果について報告するなお対象物を視認できる最大距離を意味する気象用語としては視程が正しいが本実験では道路利用者管理者向け情報提供を行うため一般に使われている視界という用語を用いたそのため本論文でも視界を視程と同義とするォン向け情報提供サイトの構築と注意喚起メール配信を開始したさらに平成 26 年度は北海道を完全に旧市町村単位の 221 エリアに細分化し年々アクセス数が増大しているためシステムの増強をおこなった年度平成 20 年度平成 21 年度表 1 吹雪の視界情報の取り組み取り組み事項北海道の石狩空知留萌宗谷釧路根室地方を 19 エリアに細分化し現況の視界を提供開始北海道を 46 エリアに細分化し現況の視界を提供開始平成 22 年度吹雪の投稿情報を開始平成 23 年度平成 24 年度北海道を 203 エリアに細分化し現況に加え 24 時間先までの予測を開始提供期間平成 21 年 2 月 11 日 ~ 平成 21 年 3 月 31 日平成 21 年 12 月 22 日 ~ 平成 22 年 4 月 30 日平成 22 年 12 月 1 日 ~ 平成 23 年 4 月 28 日平成 23 年 12 月 1 日 ~ 平成 24 年 5 月 7 日平成 24 年 12 月 1 日 ~ 平成 25 年 5 月 6 日吹雪の視界情報( スマートフォン版 ) を追加平成 25 年 12 月 1 日平成 25 年度 ~ 平成 26 年 5 月 7 日メール配信サービスを開始平成 26 年度北海道を 221 エリアに細分化し提供視界情報サーバ増強平成 26 年 11 月 28 日 ~ 平成 27 年 5 月 7 日吹雪の視界情報日平均アクセス数 251 件 367 件 426 件 616 件 1,098 件 2,416 件 4,154 件 2.2 平成 26 年度の吹雪の視界情報提供概要 1) 視程予測情報の作成方法気象庁から配信される降水強度と風速気温の気象値を入力値として当研究所で開発した気象条件から視程を推定する手法 1) を適用し視界情報 ( 現況予測 ) を作成している ( 図 1) これらの気象値は 5km メッシュ現況値と 33 時間先まで 1 時間毎の予測値が 3 時間毎に配信される加えて降水強度は 1km メッシュの現況値と 6 時間先までの 1 時間毎の予測値が 30 分毎に配信される気象データ入手気温 5km メッシュ風速 5km メッシュ降水降雪強度 1 5km メッシュ地吹雪発生判定吹雪視程の予測視程推定視程手法による視程演算吹雪時の視程 2. 吹雪の視界情報について気象庁寒地土木研究所吹雪視程演算サーバ 2.1 吹雪の視界情報のこれまでの経緯表 1 に吹雪の視界情報の取り組みの経緯を示す吹雪の視界情報は平成 21 年度に北海道の石狩空知留萌宗谷釧路根室地方を対象に 19 エリアに細分化し現況の視界を提供開始した翌年度は全道を対象に 46 エリアに細分化し提供を行っているその後利用者アンケートを実施した結果市町村単位の提供を希望していることが判明したため平成 24 年度に概ね旧市町村単位の 203 エリアで 24 時間先までの予測を開始した平成 25 年度からは従来のパソコン向けの情報提供に加えてスマートフ図 1 吹雪視程予測の演算の流れ 2) パソコン版吹雪の視界情報吹雪の視界情報 (PC 版 ) は図 2の画面上段に吹雪の視界情報吹雪の投稿情報気象警報注意報道路通行止め情報お役立ち情報を集約したもので平成 25 年 2 月 1 日から運用を行っているここでは1 吹雪の視界情報と2 吹雪の投稿情報について詳述する

1 吹雪の視界情報吹雪の視界情報は北海道を 221 に細分化したエリアごとに提供しているこのエリア区分は市町村合併前の旧市町村を基本とする提供情報は現況と予測であり予測時間は 1~6 時間先までは 1 時間ごとそれ以降は 9 12 18 24 時間先となっている ( 図 2) 視界不良の程度は

現象の予想は気象予報士が行う事になっている当研究所では気象庁からの許可 ( 予報業務許可事業者第 183 号 ) を受け予測結果を配信する 6 時 9 時 12 時 15 時 18 時 21 時に合わせて当研究所の気象予報士が演算結果の妥当性を事前に確認の上公開を行っている 23 年 1 月 27 日より開始した災害時にソーシャル

視界状況天候コメント ( 任意 ) などを記入し道路の静止画像を添付して投稿するこの情報は吹雪の投稿情報ページで図 3 に示す 2 種類の形式で公開されるなお不適切な投稿を防ぐために投稿者は事前登録制とし北の道サポータと称することとしている Twitter などは匿名投稿のため不適切な投稿が考えられることから利用しないこととした

htm 1 吹雪の視界情報はサイトの左側 ( 北海道の地図 ) で表示 2 吹雪の投稿情報は同右上 ( 緑色 ) から別画面に移動する 2 吹雪の投稿情報吹雪の投稿情報は道路利用者のパソコンや携帯電話などから視界情報を投稿してもらいその情報をウェブサイト上で提供するサービスを平成 3)

3 1 吹雪の視界情報吹雪の視界情報は北海道を 221 に細分化したエリアごとに提供しているこのエリア区分は市町村合併前の旧市町村を基本とする提供情報は現況と予測であり予測時間は 1~6 時間先までは 1 時間ごとそれ以降は時間先となっている ( 図 2) 視界不良の程度は吹雪時のドライバーの運転挙動に関する研究成果 2) をもとに視程 100m 未満 100 ~200m 200~500m 500m~1,000m 1,000m 以上の 5 ランクに区分しエリアごとに色分け表示している ( 図 2) なお気象庁以外の事業者が天気などの予測業務を行う場合は気象業務法により気象庁長官の許可を受け現象の予想は気象予報士が行う事になっている当研究所では気象庁からの許可 ( 予報業務許可事業者第 183 号 ) を受け予測結果を配信する 6 時 9 時 12 時 15 時 18 時 21 時に合わせて当研究所の気象予報士が演算結果の妥当性を事前に確認の上公開を行っている 23 年 1 月 27 日より開始した災害時にソーシャルネットワーキングサービスを用いて一般市民から提供された情報を収集する取り組みは国のIT 総合戦略本部で検討 3) されてれおり消防庁では一般市民から提供された情報を収集する取り組み 4) も行われている吹雪時においてもドライバーから寄せられた吹雪情報は非常に有益であると考えられる投稿者 ( 登録ユーザ ) は投稿画面に市町村名路線名視界状況天候コメント ( 任意 ) などを記入し道路の静止画像を添付して投稿するこの情報は吹雪の投稿情報ページで図 3 に示す 2 種類の形式で公開されるなお不適切な投稿を防ぐために投稿者は事前登録制とし北の道サポータと称することとしている Twitter などは匿名投稿のため不適切な投稿が考えられることから利用しないこととしたマップ形式テキスト形式図 3 吹雪の投稿情報の閲覧画面図 2 パソコン版吹雪の視界情報 URL: 1 吹雪の視界情報はサイトの左側 ( 北海道の地図 ) で表示 2 吹雪の投稿情報は同右上 ( 緑色 ) から別画面に移動する 2 吹雪の投稿情報吹雪の投稿情報は道路利用者のパソコンや携帯電話などから視界情報を投稿してもらいその情報をウェブサイト上で提供するサービスを平成 3) スマートフォン版吹雪の視界情報移動中の閲覧の利便性向上を図るため平成 25 年 12 月 1 日よりスマートフォン版のサイトでの情報提供を開始した ( 図 4(a)) 移動中に使われることを配慮し気象情報通行止め情報などを画面上にボタンを配置したまた位置情報を送信することにより現在地の視界情報を確認できる機能を追加した ( 図 4(b)) 4) メール配信サービス視界不良について事前に注意喚起を促すためのメール配信サービスを平成 25 年 12 月 20 日より開始した利用者が事前にメールアドレスと表 2 に示す配信条件を登録すると条件に合致した際に視界不良の予測結果を自動で通知するプッシュ型のサービスである ( 図 4(c))

20000 10000 0 (a) スマートフォン専用ページ (c) メール配信サービス 2015/12/16 21:00:12 fuyumichi@time-n-rd.

jp 21 時発表 : 視程障害発生の恐れがあります今後石狩中部で 3 時間以内に視 200m 未満の視程障害が発生する恐れがありますお出かけや運転にご注意ください

未満 : : 詳しい情報はこちらパソコン版 http://northern-road.jp/navi/touge/fubuki.

ht m : (b) 現在地の視界情報提供図 4 吹雪の視界情報の概要表 2 メール配信サービスの配信条件項目概要エリア配信時間予測視程予測時間

日 6 回 9 12 15 18 時の 1 日 4 回の 2 種類メールが配信される視程条件を選択可能 500m 未満 200m 未満 100m 未満の 3 段階

3 平成 26 年度の吹雪の視界情報提供の結果 1) 吹雪の視界情報アクセス数について吹雪の視界情報の平成 26 年 11 月 ~ 平成 27 年 3

約 1.7 倍に増加した特に気象庁が数年に一度の猛吹雪のお -1- それと発表した平成 26 年 12 月 17 日には 3 万件を超えるアクセス数があった

4 (a) スマートフォン専用ページ (c) メール配信サービス 2015/12/16 21:00:12 fuyumichi@time-n-rd.jp xxsampleaddressxx@ceri.go.jp 21 時発表 : 視程障害発生の恐れがあります今後石狩中部で 3 時間以内に視 200m 未満の視程障害が発生する恐れがありますお出かけや運転にご注意ください石狩中部中央区 15 時発表 1 時間後 : 視程障害の恐れがあります : 100m 未満北区 1 時間後 : 視程 100m 未満東区 2 時間後 : 視程 100m 未満 : : 詳しい情報はこちらパソコン版スマートフォン版 m : (b) 現在地の視界情報提供図 4 吹雪の視界情報の概要表 2 メール配信サービスの配信条件項目概要エリア配信時間予測視程予測時間メール配信の対象エリアを選択可能 ( 複数選択可 ) 市町村等をまとめた北海道内 46 エリアメールが配信される時間を選択可能時の 1 日 6 回時の 1 日 4 回の 2 種類メールが配信される視程条件を選択可能 500m 未満 200m 未満 100m 未満の 3 段階何時間後の予測を配信するのか選択が可能 3 時間先まで 6 時間先までの 2 種類 2.3 平成 26 年度の吹雪の視界情報提供の結果 1) 吹雪の視界情報アクセス数について吹雪の視界情報の平成 26 年 11 月 ~ 平成 27 年 3 月アクセス数を図 5 に示す前年度の平成 25 年 12 月 ~ 平成 26 年 3 月に比べて平成 26 年 11 月 ~ 平成 27 年 3 月の日平均アクセス数は約 1.7 倍に増加した特に気象庁が数年に一度の猛吹雪のお -1- それと発表した平成 26 年 12 月 17 日には 3 万件を超えるアクセス数があった日アクセス数 ( 件 ) 30, ,000 10, 月 12 月最大 :33,547 件 1 月パソコン版とスマートフォン版の総アクセス数気象庁が数年に 1 度の猛吹雪の恐れと発表 11/28~3/31 平均 4,154 件 / 日 2 月図 5 吹雪の視界情報アクセス数の推移 2) アンケート結果吹雪の視界情報の効果を把握するため平成 27 年 4 月からホームページ上でアンケート調査を実施し 20 代 ~70 代以上の幅広い年代から回答を得た 3 月

5 1 回答者の属性と利用目的図 6 は吹雪の視界情報に関するアンケートの回答者の属性である 30 歳代から 50 歳代までが 81% を占めているまた今冬期 ( 平成 26 年度冬期 ) から利用している方が 33% を占める図 7 は吹雪の視界情報の利用目的を尋ねた結果である第一の利用目的では仕事や通勤が多いが第二の利用目的を含めると外出を伴う所用やドライブ旅行の割合も高くなっている 70 歳以上, 15, 3% 60 歳代, 57, 13% 50 歳代, 153, 33% 20 歳代, 12, 3% 30 歳代, 60, 13% 40 歳代, 166, 35% (N=468 無回答 15 件を除く ) 一昨年度 (H24 年度 : 予測情報提供開始 ) から, 108, 25% 図 6 回答者の年齢構成と利用開始年度ドライブ旅行, 82, 17% その他, 17, 4% 外出を伴う所用 ( 買物通院など ), 74, 16% 仕事 ( その他 ), 124, 26% 通勤, 100, 21% 仕事 ( 運輸 ), 28, 6% 仕事 ( 除雪などの道路管理 ), 48, 10% その他, 5, 1% 3 年以上前 ( 予測情報提供以前 ) から, 51, 12% 特にない, 28, 7% 外出を伴う所用 ( 買物通院など ), 154, 36% 昨年度 (H25 年度 : スマートフォン版公開 ) から, 128, 30% 仕事仕事 ( 除雪など ( 運輸 ), の道路管理 ), 9, 2% 15, 3% 通勤, 57, 13% 仕事 ( その他 ), 55, 13% ドライブ旅行, 106, 25% (N=473 無回答 10 件除く ) (N=429 無回答 54 件除く ) 図 7 吹雪の視界情報の利用目的左 : 第一の利用目的, 右 : 第二の利用目的今冬期 (H26 年度 ) から, 139, 33% (N=426 無回答 57 件除く ) 不満, 4, 1% やや満足, 76, 29% (N=259) (N=263) 図 8 吹雪の視界情報サイトの満足度左 : パソコンサイト右 : スマートフォンサイトつぎに図 7 に示した第一の利用目的を表 3 に示す利用区分に大別し図 8 の満足度でクロス集計した結果を図 9 に示すどの利用目的でも差がなく満足 ( 非常に満足満足やや満足の総和 ) が 80% 以上を占めることがわかった表 3 クロス集計のための利用区分利用区分通勤通勤仕事私用その他 (a) パソコンサイト通勤通勤 (N=47) 仕事 (N=128) 仕事やや不満, 25, 10% 11% 13% 非常に不満, 1, 0% 非常に満足, 33, 13% 満足, 121, 47% 不満, 10, 4% やや不満, 28, 11% やや満足, 84, 32% 非常に満足, 28, 10% 満足, 113, 43% アンケートでの利用目的仕事 ( 運輸 ) 仕事 ( 除雪などの道路管理 ) 仕事 ( その他 ) ドライブ旅行外出を伴う所用 ( 買物通院など ) その他 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100% 47% 左 : パソコンサイト右 : スマートフォンサイト 46% 27% 34% 11% 8% 0% 0% 3% 0% 2 吹雪の視界情報サイトの満足度図 8 はパソコンサイトとスマートフォンサイトの満足度を尋ねた結果である共に 86% 以上が満足 ( 非常に満足満足やや満足の総和 ) と回答した一方不満 ( 非常に不満不満やや不満の総和 ) の理由についてパソコンサイトは吹雪予測情報の精度が低いスマートフォンサイトは画面がスワイプで拡大出来ずに見にくいことが自由記載での回答により得られた私用私用その他その他 (N=81) 12% 47% 31% 9% 0% 1% (b) スマートフォンサイト通勤 (N=66) 仕事仕事 (N=100) 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100% 11% 13% 38% 36% 9% 6% 0% 42% 33% 8% 4% 0% 私用私用その他その他 (N=94) 9% 48% 非常に満足満足やや満足やや不満不満非常に不満図 9 吹雪の視界情報サイトの満足度 ( 利用目的別 ) 29% 13% 1% 0%

6 3 情報取得後の交通行動図 10 は吹雪の視界情報で視界不良 (200m 未満 ) が予測された際に行動や予定の変更を考慮することが多いか尋ねた結果である行動や予定を変更するまたは変更をする場合が多いの回答者が 79% (354 名 ) と多かったまたこれらのうち出発時刻を変更した方が 60% (211 名 ) 外出や移動を取りやめた方が 59% (209 名 ) であったこのことから吹雪の視界情報を利用して吹雪を回避する行動変化を起こしていることが明らかになった利用している地域で 200m 未満の視界不良が予測されたことがない 3% 行動や予定を変更しないまたは変更しない場合が多い 18% 外出や移動の出発を早めたまたは遅らせた外出や移動を取りやめた移動のルートを変更した外出時にスコップや防寒着などの備えをした自動車から公共交通などへ交通手段を変更した行動や予定を変更するまたは変更する場合が多い 79% 7% 22% 40% 60% 59% 内訳その他 4% 無回答 2 件を除く 0% 20% 40% 60% 80% 図 10 吹雪情報による交通行動の予定の変更の有無つぎに図 7 に示した第一の利用目的を表 3 に示す利用区分に大別し利用目的別に行動や予定の変更の有無でクロス集計を行った結果を図 11 に示す仕事や通勤よりも私用などで行動を変化する割合が約 10% 大きいことが示された通勤 (N=95) 仕事仕事 (N=184) 私用その他私用その他 (N=154) 77% 77% 88% (N=448) 複数回答あり 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100% 23% 23% 図 11 吹雪の視界情報による交通行動予定の 12% 行動や予定を変更するまたは変更する場合が多い行動や予定を変更しないまたは変更しない場合が多い変更有無 ( 利用目的別 ) このことは仕事や通勤は私用と比較して時間に制約があるまたは行動の中止が困難である場合が多いことに起因すると考えられる 3. 結論吹雪時における交通行動の判断を支援するため吹雪時の視程予測に関する情報提供実験を行ったその結果以下の効果が確認できた (1) インターネットサイト吹雪の視界情報のアクセス数は天候悪化時に増加していることが判明したこのことから利用者は吹雪の視界情報を利用して行動判断に活用されていることが考えられる (2) 吹雪の視界情報の利用者にアンケートを実施した結果このサイトを利用して交通行動を変更する実態が明らかになったその内訳は出発時刻を変える出発を取りやめるという回答が多いことが確認できたまた仕事や通勤よりも私用などで行動を変化する割合が多いことが確認できた一方提供された吹雪視界の精度はまだ不十分であり今後精度向上に関する研究に取り組む予定である謝辞 : 本研究の実施に関して吹雪視界情報サイトの周知や調査に協力していただいた各位に謝意を示す参考文献 1) 松澤勝, 竹内政夫 : 気象条件から視程を推定する手法の研究, 雪氷 64 巻,pp.77-85,2002 2) 加治屋安彦, 松澤勝, 鈴木武彦, 丹治和博, 永田泰浩 : 降雪吹雪による視程障害条件下のドライバーの運転挙動に関する一考察, 寒地技術論文報告集 vol20,pp ,2004 3) 首相官邸 : 防災減災における SNS 等の民間情報の活用等に関する検討会の報告書,2014 ( /bousai/dai6/houkokusyo.pdf) ; 2015 年 10 月 19 日閲覧. 4) 総務省消防庁 : 災害時におけるツイッターの活用の開始 ~ 災害情報タイムラインスタート ~, 消防の動き,No472,p.4-5,2010 ( ww.fdma.go.jp/ugoki/h2207/2207_01.pdf); 2015 年 10 月 19 日閲覧.

暴風雪災害から身を守るために～雪氷災害の減災技術に関する研究～

暴風雪災害から身を守るために～雪氷災害の減災技術に関する研究～暴風雪災害から身を守るために ~ 雪氷災害の減災技術に関する研究 ~ 寒地道路研究グループ長三木雅之研究の背景と目的近年雪氷災害の激甚化や発生形態の変化が生じており豪雪や暴風雪等による国民生活や経済社会活動への影響を緩和するため雪氷災害対策強化のための研究が必要本プロジェクト研究では気象変動による積雪寒冷地の雪氷環境の変化を明らかにするとともに吹雪による視程障害の予測及び危険度評価等の対策技術に関する研究を実施