Japanese Sooiety Society of Radiological Radiologioal Teohnology Technology(JSRT) (JSRT } 資料文献紹介研究者の評価一インパクトファクタと h 指数一金沢人学医薬保酬究域田中利恵研究者の能力はどのよう

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さわしもね
4 years ago
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1 資料文献紹介研究者の評価一インパクトファクタと h 指数一金沢人学医薬保酬究域田中利恵研究者の能力はどのように測ればよいだろうか? 研究者の能力を客観的な数値で表すために, さまざまな指標が提案されている. 本稿では, 学術雑誌のレベルの指標であるインパクトファクタと, 研究者の評価指標の一つである h 指数を中心に, その定義や特徴を解説する. 論文数 (Publications) 研究者の能力を測る最も単純な指標が, 発表した論文数であろう. しかし, 論文の質 ( 重要性や影響力 ) がまったく考慮されておらず, 研究者の能力を適切に評価する指標とは言い難い. 例えば, 論文数のみに注目した場合質の高い論. 文を 10 編書いた研究者より, 質の低い論文を 100 編書いた研究者の方が高い評価となってしまう. これは正当な評価といえるだろうか? 論文の質を加味するべきと誰もが思うはずだ. では, 論文の質はどのように判断すればよいのだろうか? その判断材料の一つとなるのが, 掲載された学術雑誌のレベルである. インパクトファクタ (lmpact factor, IF) 学術雑誌には, ネイチャーのように, 掲載されること自体が名誉なレベルの高い学術雑誌から, 比較的簡単に掲載される学術雑誌まで存在する. こめ学術雑誌のレベルの指標が, インパクトファクタである. 算出対象インパクトファクタは, トムソンロイター社のオンライン学術文ー献データベス Web of Scienceに収録された自然科学社会科学分野の学術雑誌を対象に算出される, その収録数は,12000 誌 (2011 年 8 月時点 ) にものぼる.Web of Science に収録されるには, トムソンロイター社に収録を申請し, 出版水準の維持, 編集方針内容, 国際的な多様性, 引用分析, にっいて審査を受け, 掲載に値する学術雑誌として認められなくてはならない. すなわち, 国際標準的な方法で編集情報提供 Peer Review された論文が, 学術雑 i 誌として定期的に発刊され, それが広く国際的に知られ, 既存のインパクトファクタ算出対象誌に引用されている, と認められて初めて Web of Science に収録され, インパクトファクタの算出対象となる.Web of Science 収録基準の詳細は, 以下のウェブサイトを参照されたい (htt : i science.thomsonreuters. 1mil!criteriaf ). 算出方法インパクトファクタは Web of Science の収録雑誌の 3 年分のデータを川いて計算される. 例えば, ある雑誌の 2011 年のインパクトファクタは 2009 年と 2010 年の論文数, 2011 年のその雑誌の被引川回数から次のように求める. 一 94 一

2 A = 対象の雑誌が 2009 年に掲. 載した論文数 B = 対象の雑誌が 20 /0 年に掲載した論文数 C = 対象の雑誌が 2009 年 2010 年に掲載した論文が, 2011 年に引用された延べ囘数 C (A + B ) = 20 ].1 年のインパクトファクタ例えば, この 2 年間に合計 1, 000 編の論文を掲載した学術雑誌があったとして, それら 1,000 編の論文が 2011 年にべ延 500 回引用されたとしたら, この学術雑誌の 2011 年版のインパクトファクタは 0.5 になる. これらの引用情報は, 各論文の末尾に記載された参考文献リストがーソスとなっている. インパクトファクタは毎年更新され, 6 ] 頃に前年のインパクトファクタが発表される. また, 算出には 3 年分のデータが必要なため,Web of Science に収録された最初の 3 年間は付与されない. 特徴計算式を見てわかるように, インパクトファクタは比較的最近の論文の引用回数から算出され, 早い段階での影響力を測るものである. したがって, 長年に渡って少しずっ引用されるような学術雑誌はあまり評価されないことになる. この対策として, 5 年分のデータから算出する 5 年インパクトファクタが提案されている. また, 一般的にレビュー論文は引用されやすいためレビー論文を多く掲載すュる学術雑誌のインパクトファクタは高くなる傾向にある. 調べ方インパク 1 ファクタは, JournalCitationReports (JCR ) のデータのひとつとして収録されている.JCR は有料サイトなので, 閲覧するにはトムソンロイター社と契約している施設 ( 大学, 図書館, 研究所 ) の端末からアクセスする必要がある. 図 1 に JCR のサイト由 ll 頬を示す. 調べたい学術雑誌の正式名称が分かっている場合は,. Search fora specific lourna 里から直接調べることができる, 略式名称しか分からない場合, View all journa 正 s からアルファベット順に並んだ学術雑誌の一覧を閲覧し, その中から探すことができる, また, 放射線技術学に関連する学術雑誌について, 3 年分のインパクトファクタを表 1 に示す. 論文投稿時の参考にしていただければ幸いである. journnl Citetlon fleports 冂ロ rmntl ロ nfor,newu5 已儒 S 創 e 匸ヒ njcreditionandyear : Selectomoptioa :, /ercrsae e Ed む 2 11 働 V,ew 9,Dup 巾 um 1 bv S 山亅 t 廓 L 忌語闘 1 :1 θ 哩姻.Sear h ror i speg 面 JQuma.VgW 訓 id 日 ma S τhisp ed α ヨb8 ε 細 σ 漁伽 h 9he 厂 es ノ跏 L ( 戦釁 The ρ t ees fi e wes ヂ st updeted F 冂丿 u 厂 Z ア艦丑塵図 Copy 厂哩 hf z 醐 z thomte 冂 Re ee. 鱗 M an R E s 図 l JCR のサイト画面 ( 一 ) 一 95 一

3 表 1 過去 3 年のインパクトファクター覧雑誌名 Impact factqr ACAD RADIOL % AM J ROENTGENOL.9512 併 BRIT J RADIO[ 谺工 COMPUT MET }i PROG BIO.1442 腮 EUR J RADIOL.6453 引 ELrR RADIOL,589 胆 INT J COMPUT ASS 工 ST RADIOL SURG 一 INT J MED INFORM 刺 INT J RADIAT ONCOL BIOL PHYS m INVEST RADIOI..851 J APPL CL τn MED PHYS JBIOMED OPT.5015 認 J CEREBR BLOOD F MET.4570 羽 J DIGIT 工 MAG 工 NG.9562 盟 J MAGN RESON MAG 丁 NG.77 弱 2 MED PHYS 一 J NUCL MED 羽 J RADIAT RES,034 J RADIOL TECIIrveLPHYS MAGN RESON IM G NG MAGN RF.SON MED MED PHYS.7041, METHOD N. FORM MED NUCL MED COMMUN PHYS MED BIOL.7810, RAD 工 AT PROT DOSIM RADIOGRAPHICS, RADIOLOGY 調べ方の詳細は, 以下のサイトを参考にしていただきたい htt ; i science.thomsonreuters. 1media!su ort 〆 icr 〆 lmactfactorrc.df なお, 本学会の英語論文雑誌 RadiologicalPhysics and 艶 chnology (RPT ) は現在, Web of Science に収録されるための審査を受けている段階である. 96 一

4 利点と問題点 1 司分野の他の学術雑誌について, その影響力を相対的に比較することができる. したがって, 自分の書いた論文がより多くの人の目に触れて欲しいと思ったときに, 同じ分野の複数の雑誌で各雑誌のインパクトファクタを比較し投稿先を決定するのに有用である. また, 論文採択の難易度や掲載論文の質も推測可能だろう. インパクトファクタの高い学術雑誌ほど, 研究者間の競争が激しくなり, 編集サイドの選択権が強くなるからだ. しかし, インパクトファクタは学術雑誌の評価指標であって, 掲載されている個々の論文はもとより研究者の評価に用いるものではない. したがって, 自分の投稿した学術雜誌のインパクトファクタを足し合わせ業績評価とするのは無意味である. また, 同じ分野の学術雑誌の相対比較にのみ用い, 分野を超えた絶対的な数値としては用いない, などの注意が必要である. インパクトファクタを, 学術雑誌のレベルの指標とすることを疑問視する声もある. 算出根拠の被引用回数についてだが, 引用が批判的な引用である場合があるし, また, ごく一部のスター的な論文が被引用回数を稼いでいることもあるからだ. さらに, 直近 2 年の論文データしか用いないのは短すぎるとの批判もある, これに対する [ 答として, トムソンロイター社は 2009 年,JCR に 5 年インパクトファクタを新たな指標として追加した. 被引用回数 (Citationnumber ) 個々の論文の質は, その論文が他の論文から引用された数 ( 被引用回数 ) によって, ある程度評価できへる, 被引用回数が多いほど, 他の影響力が大きく, 質の高い論文と言える. したがって, 研究者そのものの能力も, 論文数よりも被引用回数の合計で評価した方が適切であると考えられる. しかし, 被引用同数の合計で研究者を評価すると, 被引用回数 2 の論文を 50 編もつ研究者と被引用回数 50 の論文を 2 編もつ研究者の評価が同じになってしまう. これは妥当と言えるだろうか? このような疑問から考案された指標が h 指数 (H index ) である. h 指数 (H index) 論文の数と被引用回数に基づいて, 研究者の科学的貢献度の指標である. その歴史は浅く,2005 年に Hirsch JE によって提案されたのがその始まりだ. その後, さまざまな文献データベースで採用されるようになり, この数年, 高い注目を集めている.h 指数は, 研究者の論文の数と論文の質 ( 被引用同数 ) とを同時に表した指標であり,h 指数が N の研究者は被引用同数が N 以上の論文が少なくとも N 編あることを示す. 例えば,h 指数が 10 の研究者は被引用回数が 10 以上の論文が 10 編あるということになる. 算出方法ある研究者の論文を被引用回数の多いものから順に番号付けをしていき ( 論文順位 ), その番号の被引用回数以上となる値が, その研究者の h 指数である. 図 2 に例を示す. 研究者 C のように論文の数が多くても, それぞれの論文の被引用回数が低いと h 指数も低くなる. また, 研究者 B のように数本の論文の被引用回数が多くても, 論文の数が少ないと h 指数は高くならない. つまり, h 指数を上げるには, 研究者 A のように, 論文の数と被引用回数 ( すなわち, 論文の質 ) の両方を増やさないといけない. 一 97 一

5 総論文数 :8 総被引用数 ;m 平均被引用数 :27.8 h 指標 : 5 総論文数 : 4 総被弓用数 :211 平均被 91 屠数 :S2.8 h 指標 :2 総論文数 :lo 総被引用数 :12 平均被引用数 :1.2 h 指標 :2 図 2h 指数の算出例利点と問題点 h 指数は論. 文の数だけでなく質も考慮された理想的な評価指標である. しかも, 被引用 E 位の論文から算出できる利点がある. しかし, E 位論文の被引用数情報が欠落する, 研究者の活動期間は考慮されない, 論文共著者の情報は考慮されない, 研究分野間の比較ができない, といった問題点もある. 図 3 に h 指数が 1 司じ研究者の例を示す. これは果たして公平な評価と言えるだろうか? この問題を解決するために, 上位論文の被引用回数に限定して算出する八 index や R index, 上位論文の被引用同数を重視した g index や hg index,h index を研究活動期間で除した m h index などが考案されている. index, 著者人数庸報を考慮した individual 諭文顯位瓣タ襁 σ 鴇 o 図 3 h 指数が同じ研究者の例一 98 一

関連情報研究者の指名を入力すると, その研究者の論文数総被引用回数, 平均被引用回数, h 指数を計算してくれる, 便利なソフトウエアや検索サイトがあるので紹介する. ソフトウエア Publish or Perish http: www.harzing.com!pop.htm 検索サイト MicrosoftAcademic Search http : academic.research.

6 関連情報研究者の指名を入力すると, その研究者の論文数総被引用回数, 平均被引用回数, h 指数を計算してくれる, 便利なソフトウエアや検索サイトがあるので紹介する. ソフトウエア Publish or Perish http: 検索サイト MicrosoftAcademic Search http : academic.research.microsoft.com1 おわりに本稿では, 学術雑誌のレベルの指標であるインパクトファクタと, 研究者の評価指標の一つである h 指数を中心に, その定義や特微を解説した. 評価指標によって人の評価が決まるわけではない. しかし, 人は評価指標に基づいて動く. ここで言う人には他者だけでなく自身も含まれる. 他者は評価指標に基づいて研究者の能力を見極め, 研究者は自分自身の評価とマネジメントを行う. 数か質か? h 指数を最大化しようとしている限り, 自然にこのバランスをとっていくことになる.h 指数は研究者の的確な指標になるのではないいただきたい. かと思う. その算出法や特微を理解した上で, 今後の研究活動に活用して図 4 Publish or Perish の画面参考文献 Hirsch JE.An index to quantify an individual s scientific research output.proc Natl Acad Sci, A102 ; ,2005. 一 99 一

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