平成24年度非エネルギー起源温暖化対策海外貢献事業(途上国における適応対策への我が国企業の貢献可視化事業) 報告書

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1 平 成 24 年 度 非 エネルギー 起 源 温 暖 化 対 策 海 外 貢 献 事 業 ( 途 上 国 における 適 応 対 策 への 我 が 国 企 業 の 貢 献 可 視 化 事 業 ) 報 告 書 平 成 25 年 3 月

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3 報 告 書 目 次 第 1 章 事 業 目 的... 1 第 2 章 途 上 国 における 適 応 対 策 事 業 への 我 が 国 企 業 の 貢 献 可 能 性 の 調 査 公 募 結 果 ) 第 一 次 公 募 結 果 ) 第 二 次 公 募 結 果 採 択 事 業 の 概 要 各 採 択 事 業 の 詳 細 ) ケニア 共 和 国 での 地 球 温 暖 化 起 因 の 水 資 源 枯 渇 問 題 解 決 に 向 けたソーラーを 主 電 源 とする 電 気 分 解 方 式 の 浄 水 装 置 の 市 場 導 入 調 査 事 業 (シャープ) ) 気 候 変 動 の 影 響 による 砂 漠 荒 廃 地 の 農 地 化 緑 化 推 進 に 向 けた 実 現 可 能 性 調 査 事 業 ( 東 レ) ) コートジボワール ガーナにおける 安 全 な 水 の 供 給 を 通 じた 生 活 / 健 康 改 善 を 伴 う 小 型 浄 水 装 置 の 事 業 化 検 証 (ヤマハ 発 動 機 ) ) タンザニア 共 和 国 における 農 産 物 高 温 障 害 等 に 対 するアミノ 酸 含 有 肥 料 による 適 応 対 策 実 現 可 能 性 調 査 ( 味 の 素 ) ) ベトナム 社 会 主 義 共 和 国 における 暴 風 雨 および 集 中 豪 雨 による 斜 面 災 害 の 防 災 減 災 事 業 ( 川 崎 地 質 ) ) 東 アフリカ 一 帯 における 旱 魃 がもたらす 社 会 的 課 題 解 決 に 貢 献 するソーラーランタンの 普 及 可 能 性 調 査 ( 三 洋 電 機 ) ) バングラデシュ 国 塩 害 地 域 での 緑 豆 生 産 の 事 業 化 可 能 性 調 査 ( 雪 国 まいたけ) 第 3 章 政 策 課 題 の 抽 出 検 討 等 グリーン 経 済 )グリーン 経 済 の 定 義 と 必 要 性 )グリーン 経 済 の 概 念 整 理 )グリーン 経 済 の 目 標 )グリーン 経 済 のモニタリング 方 法 )グリーン 経 済 と 適 応 の 関 係 ケニアオフグリッドライティング )ケニアにおけるオフグリッド ライティング 市 場 を 拡 大 するための 仕 組 みの 方 向 性 (1)アフリカにおけるオフグリッド ライティングの 現 状 (2)ケニアにおけるオフグリッド ライティングの 現 状 と 今 後 の 展 望 (3)オフグリッド ライティング 市 場 の 拡 大 に 関 する 他 国 での 先 進 事 例 (4)ケニアにおける 市 場 を 拡 大 するための 仕 組 みのあり 方 ) 民 間 企 業 による 市 場 参 入 の 手 法 (1) 欧 米 企 業 による 市 場 参 入 手 法 (2) 日 本 企 業 による 市 場 参 入 のあり 方 ) 日 本 企 業 の 国 際 競 争 力 向 上 に 向 けた 政 策 の 在 り 方

4 (1)ケニアにおけるイニシアティブ 推 進 における 今 後 の 課 題 (2)オフグリッド ライティングにおけるその 他 の 政 策 サポートの 全 体 像 第 4 章 我 が 国 の 取 り 組 みの 国 際 発 信 途 上 国 での 適 応 事 業 のビジネス 機 会 や 成 功 事 例 の 啓 発 気 候 変 動 枠 組 条 約 技 術 執 行 委 員 会 第 3 回 環 境 イノベーターシンポジウム 復 興 と 変 革 へのイノベーション ) 背 景 と 目 的 )プログラム 概 要 ) 開 催 結 果 概 要 UNDP 経 済 産 業 省 シンポジウム アフリカにおけるインクルーシブビジネスと 気 候 変 動 適 応 の 可 能 性 ) 背 景 と 目 的 )プログラム 概 要 ) 開 催 結 果 概 要

5 第 1 章 事 業 目 的 近 年 の 気 候 変 動 問 題 に 係 る 国 際 交 渉 の 動 向 を 踏 まえると 従 来 の 緩 和 の 分 野 に 加 え 気 候 変 動 影 響 に 対 する 適 応 の 分 野 への 国 際 的 な 取 組 に 強 く 焦 点 が 当 たってきている 2010 年 の COP16 の カンクン 合 意 において カンクン 適 応 フレームワーク の 設 立 が 決 定 し 適 応 委 員 会 の 設 立 や 国 別 適 応 計 画 の 策 定 など 適 応 分 野 での 議 論 が 進 展 し 2011 年 の COP17 のダーバン 合 意 では カンク ン 合 意 の 各 項 目 の 具 体 的 な 進 め 方 や 手 続 等 について 合 意 がなされたところであり 今 後 適 応 委 員 会 やその 他 の 場 において 適 応 対 策 の 範 囲 や 効 果 の 測 定 方 法 の 策 定 等 に 係 る 詳 細 な 議 論 が 進 展 することが 予 想 される また このような 国 際 交 渉 の 動 向 と 軌 を 一 にするように 各 国 の 開 発 金 融 機 関 においても 途 上 国 の 適 応 対 策 への 支 援 を 強 化 していこうとする 動 きも 見 られるところで ある このような 中 で 我 が 国 として 適 応 分 野 でイニシアティブを 取 っていくことは 今 後 の 国 連 交 渉 にとって 重 要 であるばかりでなく 適 応 対 策 が 広 範 な 分 野 にわたっていることを 考 えると 我 が 国 企 業 の 途 上 国 市 場 への 参 入 を 促 進 する 上 でも 重 要 であると 言 える このような 背 景 を 踏 ま え 本 事 業 においては 我 が 国 企 業 の 技 術 や 製 品 の 活 用 による 途 上 国 における 適 応 対 策 事 業 への 我 が 国 企 業 の 貢 献 可 能 性 ( )の 調 査 を 実 施 するとともに 当 該 調 査 を 切 り 口 として 今 後 の 適 応 分 野 において 我 が 国 がとり 得 るべき 政 策 のあり 方 に 関 する 調 査 等 を 実 施 し もって 今 後 の 国 連 交 渉 や 我 が 国 企 業 の 途 上 国 の 適 応 関 係 市 場 への 参 入 の 促 進 の 一 助 とする ( ) 本 調 査 における 貢 献 とは 気 候 変 動 に 起 因 する 社 会 課 題 が 生 じている 途 上 国 に 対 して 無 償 の 援 助 を 供 与 するという 意 ではなく このような 社 会 課 題 の 解 決 をビジネス 機 会 と 捉 え 事 業 を 継 続 することを 通 して 途 上 国 の 社 会 課 題 への 適 応 行 動 の 促 進 に 貢 献 していくことと 定 義 す る 1

6 第 2 章 途 上 国 における 適 応 対 策 事 業 への 我 が 国 企 業 の 貢 献 可 能 性 の 調 査 1-1. 公 募 結 果 本 事 業 では 気 候 変 動 の 脆 弱 性 が 特 に 高 い 国 を 対 象 に 我 が 国 企 業 による 優 れた 技 術 等 をもと にした 気 候 変 動 の 影 響 に 対 応 する 適 応 分 野 での 貢 献 の 実 現 可 能 性 やその 効 果 の 測 定 の 方 法 論 の 策 定 に 関 する 調 査 ( 以 下 FS と 言 う )を 実 施 した この FS の 公 募 は 2 回 に 分 けて 実 施 した 1) 第 一 次 公 募 結 果 第 1 回 目 の 公 募 は 2012 年 6 月 4 日 から 25 日 の 期 間 において 実 施 し 全 国 の 団 体 コンソー シアムから 応 募 を 得 た 外 部 有 識 者 による 審 査 委 員 会 において 厳 正 な 審 査 を 実 施 し 3 件 を 採 択 候 補 として 選 定 した 図 表 第 一 次 公 募 結 果 事 業 者 名 ( 代 表 企 業 ) シャープ 株 式 会 社 東 レ 株 式 会 社 ヤマハ 発 動 機 株 式 会 社 プロジェクト 名 ケニア 共 和 国 での 地 球 温 暖 化 起 因 の 水 資 源 枯 渇 問 題 解 決 に 向 け たソーラーを 主 電 源 とする 電 気 分 解 方 式 の 浄 水 装 置 の 市 場 導 入 調 査 事 業 気 候 変 動 の 影 響 による 砂 漠 荒 廃 地 の 農 地 化 緑 化 推 進 コートジボワール ガーナにおける 安 全 な 水 の 供 給 を 通 じた 生 活 / 健 康 改 善 を 伴 う 小 型 浄 水 装 置 の 事 業 化 検 証 2) 第 二 次 公 募 結 果 第 2 回 目 の 公 募 は 2012 年 7 月 17 日 から 8 月 13 日 の 期 間 において 実 施 し 第 1 回 と 同 様 に 全 国 の 団 体 コンソーシアムから 応 募 を 得 た こちらについても 外 部 有 識 者 による 審 査 委 員 会 におい て 厳 正 な 審 査 を 実 施 し 4 件 を 採 択 候 補 として 選 定 した 図 表 第 二 次 公 募 結 果 事 業 者 名 ( 代 表 企 業 ) 味 の 素 株 式 会 社 川 崎 地 質 株 式 会 社 三 洋 電 機 株 式 会 社 株 式 会 社 雪 国 まいたけ プロジェクト 名 タンザニア 共 和 国 における 農 産 物 高 温 障 害 等 に 対 するアミノ 酸 含 有 肥 料 による 適 応 対 策 実 現 可 能 性 調 査 ベトナム 社 会 主 義 共 和 国 における 暴 風 雨 および 集 中 豪 雨 による 斜 面 災 害 の 防 災 減 災 事 業 ソマリアにおける 旱 魃 がもたらす 社 会 的 課 題 解 決 に 貢 献 するソ ーラーランタンの 普 及 可 能 性 調 査 バングラデシュ 国 塩 害 地 域 での 適 応 対 策 事 業 2

7 1-2. 採 択 事 業 の 概 要 計 7 件 の 採 択 事 業 の 概 要 は 次 の 表 の 通 りである 採 択 事 業 の 対 象 国 はアフリカが 最 も 多 く ケ ニア 南 アフリカ コートジボワール ガーナ タンザニア ソマリアといった 国 々が 対 象 とな っている 加 えて ベトナムとバングラデシュについても FS の 対 象 国 となっている 事 業 者 名 ( 代 表 企 業 ) シャープ 株 式 会 社 東 レ 株 式 会 社 ヤマハ 発 動 機 株 式 会 社 味 の 素 株 式 会 社 川 崎 地 質 株 式 会 社 三 洋 電 機 株 式 会 社 株 式 会 社 雪 国 まいたけ ケニア 対 象 国 南 アフリカ コートジボワー ル ガーナ タンザニア ベトナム ケニア ソマリア バングラデシュ 図 表 採 択 事 業 の 概 要 概 要 太 陽 光 発 電 と 電 気 分 解 による 浄 水 装 置 を 組 み 合 わせて 提 供 していく 事 業 の 対 象 国 における 実 現 可 能 性 を 調 査 する 本 調 査 を 通 じて 気 候 変 動 により 減 少 し 始 めてい る 安 全 な 水 へのアクセスに 対 する 持 続 可 能 な 改 善 を 目 指 す 防 砂 網 植 生 基 盤 点 滴 灌 漑 を 組 み 合 わせて 提 供 してい く 事 業 の 対 象 国 における 実 現 可 能 性 を 調 査 する 本 調 査 を 通 じて 気 候 変 動 により 増 加 している 砂 漠 化 進 行 の 抑 制 農 業 適 地 面 積 の 増 加 農 業 生 産 性 の 向 上 を 目 指 す 緩 速 ろ 過 技 術 を 活 用 した 小 規 模 浄 水 給 水 システムを 提 供 していく 事 業 の 対 象 国 における 実 現 可 能 性 を 調 査 す る 本 調 査 を 通 じて 気 候 変 動 により 減 少 し 始 めている 安 全 な 水 へのアクセスに 対 する 持 続 可 能 な 改 善 を 目 指 す アミノ 酸 含 有 肥 料 を 農 業 従 事 者 に 提 供 していく 事 業 の 対 象 国 における 実 現 可 能 性 を 調 査 する 本 調 査 を 通 じて 気 候 変 動 により 生 じる 植 物 の 高 温 などによる 障 害 への 耐 性 の 向 上 と 生 産 量 の 増 加 の 両 立 を 目 指 す 斜 面 災 害 に 関 する 斜 面 危 険 度 評 価 計 測 機 器 の 設 置 及 び 観 測 早 期 避 難 警 戒 システムの 構 築 対 策 工 を 提 供 していく 事 業 の 対 象 国 における 実 現 可 能 性 を 調 査 する 本 調 査 を 通 じて 気 候 変 動 により 増 加 している 斜 面 災 害 の 防 災 減 災 を 目 指 す 太 陽 光 発 電 技 術 を 活 用 したソーラーランタンを 提 供 してい く 事 業 の 対 象 国 における 実 現 可 能 性 を 調 査 する 本 調 査 を 通 じて 気 候 変 動 により 増 加 する 旱 魃 で 生 じる 避 難 民 の 治 安 の 向 上 と 基 礎 的 な 社 会 教 育 の 実 施 を 目 指 す 緑 豆 の 生 産 事 業 の 対 象 国 における 実 現 可 能 性 を 調 査 する 本 調 査 を 通 じて 気 候 変 動 により 増 加 している 塩 害 地 域 に おける 緑 豆 の 生 産 可 能 性 の 向 上 や 生 産 量 の 増 大 を 目 指 す 3

8 1-3. 各 採 択 事 業 の 詳 細 各 採 択 事 業 の 詳 細 に 関 して 採 択 事 業 者 による 最 終 報 告 書 を 次 ページ 以 降 に 掲 載 する 具 体 的 には 各 採 択 事 業 者 の 最 終 報 告 書 には 1) 本 事 業 の 目 的 2) 課 題 3) 課 題 解 決 の 方 向 性 4) 調 査 結 果 5) 指 標 ( 方 法 論 )とベースラインデータ 6) 適 応 対 策 において 今 後 見 込 める 成 果 の6 項 目 が 含 まれる なお 次 ページより 以 下 の 順 番 にて 最 終 報 告 書 を 掲 載 する 1) ケニア 共 和 国 での 地 球 温 暖 化 起 因 の 水 資 源 枯 渇 問 題 解 決 に 向 けたソーラーを 主 電 源 とする 電 気 分 解 方 式 の 浄 水 装 置 の 市 場 導 入 調 査 事 業 (シャープ) 2) 気 候 変 動 の 影 響 による 砂 漠 荒 廃 地 の 農 地 化 緑 化 推 進 に 向 けた 実 現 可 能 性 調 査 事 業 ( 東 レ) 3) コートジボワール ガーナにおける 安 全 な 水 の 供 給 を 通 じた 生 活 / 健 康 改 善 を 伴 う 小 型 浄 水 装 置 の 事 業 化 検 証 (ヤマハ 発 動 機 ) 4) タンザニア 共 和 国 における 農 産 物 高 温 障 害 等 に 対 するアミノ 酸 含 有 肥 料 による 適 応 対 策 実 現 可 能 性 調 査 ( 味 の 素 ) 5) ベトナム 社 会 主 義 共 和 国 における 暴 風 雨 および 集 中 豪 雨 による 斜 面 災 害 の 防 災 減 災 事 業 ( 川 崎 地 質 ) 6) 東 アフリカ 一 帯 における 旱 魃 がもたらす 社 会 的 課 題 解 決 に 貢 献 するソーラーランタンの 普 及 可 能 性 調 査 ( 三 洋 電 機 ) 7) バングラデシュ 国 塩 害 地 域 での 緑 豆 生 産 の 事 業 化 可 能 性 調 査 ( 雪 国 まいたけ) 4

9 1) ケニア 共 和 国 での 地 球 温 暖 化 起 因 の 水 資 源 枯 渇 問 題 解 決 に 向 けたソーラーを 主 電 源 とする 電 気 分 解 方 式 の 浄 水 装 置 の 市 場 導 入 調 査 事 業 (シャープ) 平 成 24 年 度 途 上 国 における 適 応 対 策 への 我 が 国 企 業 の 貢 献 可 視 化 に 向 けた 実 現 可 能 性 調 査 事 業 最 終 報 告 書 コンソーシアム 名 または 企 業 団 体 名 事 業 名 ケニアにおける 浄 水 装 置 普 及 プロジェクト ケニア 共 和 国 での 地 球 温 暖 化 起 因 の 水 資 源 枯 渇 問 題 解 決 に 向 けたソ ーラーを 主 電 源 とする 電 気 分 解 方 式 の 浄 水 装 置 の 市 場 導 入 調 査 事 業 1. 事 業 の 目 的 1.-1 事 業 の 目 的 ケニア 共 和 国 ( 以 下 ケニア )において 太 陽 光 発 電 + 電 気 分 解 による 浄 水 装 置 ( 以 下 本 浄 水 装 置 )の 販 売 によって 地 球 温 暖 化 によって 引 き 起 こされた 水 不 足 に 苦 しむ 地 域 において 再 生 可 能 エネルギーを 利 用 した 安 全 な 水 へのアクセス を 増 大 させるこ とが 本 事 業 の 目 的 である 本 浄 水 装 置 は 中 東 等 で 広 く 用 いられている 巨 大 な 海 水 の 淡 水 化 プラントと 異 なり コンパクト( 海 上 コンテナのサイズ)かつ 化 石 燃 料 を 使 わずに 利 用 できることから 現 在 のところ 以 下 の 需 要 を 想 定 している 1 失 敗 井 戸 の 再 生 2 工 場 事 業 所 3サファリロッジ ホテル 4 学 校 病 院 5 農 業 畜 産 本 浄 水 装 置 の 基 本 性 能 は 塩 水 の 淡 水 化 を 含 む 中 水 レベル(ケニアの 上 水 道 の 基 準 に 則 したレベル 飲 用 を 前 提 にはしていない )への 浄 化 だが フィルターを 増 設 する 等 のコストアップを 許 容 できる 需 要 者 であれば 上 水 レベル(WHO 飲 料 水 水 質 ガイドラ イン)の 提 供 も 可 能 となる 1.-2 事 業 モデル 機 器 売 り 切 りモデルを 当 初 検 討 していたが 機 器 を 納 入 する 現 地 サイドで 購 入 資 金 が 不 足 する 場 合 が 多 いと 思 われる 為 売 り 切 りに 加 え 機 器 リースによる 資 金 回 収 も 検 討 する 本 浄 水 装 置 を 中 心 に 現 地 コミュニティーの 中 でソーラーと 水 による 新 たなビジネスが 創 造 されるようなビジネスモデルを 確 立 することで ケニアのような 途 上 国 においても 持 続 可 能 な 事 業 を 実 施 することができると 考 える 5

10 コミュニティー 向 け 浄 水 装 置 の 提 案 システムイメージ 現 地 で 管 理 しやすいように 海 上 コンテナ(12FT 20FT 40FT の 3 種 類 を 検 討 中 )に 基 幹 コンポーネントが 収 まるようにデザインする 下 記 は ナイロビ 市 郊 外 の UNIDO( 国 連 工 業 開 発 機 関 )のプロジェクトを 参 考 にした 40FT コンテナ 仕 様 の 設 置 イメージ 図 コンテナ 上 部 にソーラーパネルを 設 置 水 の 供 給 ポイントはコミュニ ティーの 生 活 の 支 点 となる 地 下 水 源 井 戸 等 の 水 源 写 真 1 設 置 イメージ 図 上 記 イメージ 図 のようにコンテナサイズを 大 きなものにすれば 中 に 小 部 屋 を 設 け 水 を 汲 みに 来 た 人 々のコミュニティエリアとして 活 用 も 可 能 と 考 える 例 えば 蓄 電 池 等 で 余 剰 電 力 を 蓄 えておくことが 出 来 れば テレビ 観 賞 床 屋 携 帯 電 話 の 充 電 といったサ ービスを 提 供 することもできる 写 真 2 テレビ 観 賞 室 写 真 3 床 屋 写 真 4 携 帯 電 話 の 充 電 本 浄 水 装 置 の 基 幹 コンポーネント 電 気 分 解 を 行 うパーツは 処 理 を 行 う 原 水 の 水 質 によって 異 なる 写 真 5 電 気 透 析 法 の 装 置 写 真 6 電 気 透 析 法 を 行 わない 装 置 6

11 電気分解による浄水技術について 電気分解では 大きく分けて以下の 3 つの機能により浄水を行うことが出来る ① イオン濃縮 電気透析法ともいう 水中の不純物に電荷を持たせ 正極には陰イオ ンを 負極には陽イオンを引き寄せて イオン交換膜を通すことによって浄化した 水を取り出す方法 フッ素など 非常に小さい粒子も除去可能だが 構造が複雑と なり 電極の使用本数も多くなる為 その分コスト高となる ② 有機物の分解 水に電気分解を行うとヒドロキシラジカルという強酸性の物質が生 成され それが有機物を分解し 気化させるという効果が得られる ヒドロキシラ ジカルは電気透析法でも生成される ヒドロキシラジカルは酸化力が強いが 寿命 が非常に短い為 分解処理後はすぐに無害化する ③ 除菌水の生成 電気分解を行うことによって ヒドロキシラジカルと共に 食品添 加物としても使用される次亜塩素酸ソーダ 典型的な消毒剤の一種 が生成される 為 それを活用し 除菌 殺菌作用を持つ機能水も生成が可能 ①イオン濃縮 ②有機物の分解 イオン交換膜を活用 CO2 浄化水 イオン交換膜 正 極 イオン交換膜 Na+ Cl- 電 極 Na+ ClCl- 正 極 電 極 負 極 電 極 活性酸素 O2- ヒドロキシラジカル OH HOCl NaClO 電気分解 水 NaCl等 Na+ Cl- H 2O 負 極 有機物分解 Na+ CO2 H 2O 電解技術システム内 で分解処理 有機物 タンパク質 油脂等 電 極 電解技術 海水 NaCl等 ③除菌水の生成 電解技術で生成した 除菌水を活用 正 極 電 極 除菌水 電解水生成 活性酸素 O2- ヒドロキシラジカル OH 次亜塩素酸 HOCl 次亜塩素酸ソーダ NaClO 電気分解 水 電解補助剤 NaCl 等 図 1 電気分解技術の紹介 7 負 極 電 極 ①ヒドロキシラジカルは フッ素に次いで酸化力が強い ②ヒドロキシラジカルは ライフタイムが数百マイクロ秒 と短く 分解処理後は無害化

12 2. 課 題 2.-1 ケニアにおける 気 候 変 動 と 社 会 問 題 について ケニアは サバンナ 気 候 帯 に 属 し 概 して 暖 かく 乾 燥 している 大 雤 季 (3 月 ~5 月 ) と 小 雤 季 (10 月 ~12 月 )で 年 に 2 回 の 雤 季 がある 気 候 変 動 による 地 球 温 暖 化 の 影 響 により 雤 季 と 乾 季 の 差 がより 顕 著 になるとともに 降 雤 のパターンが 不 規 則 に 変 化 して いる また 自 然 災 害 については 高 頻 度 化 と 激 甚 化 が 指 摘 されている UNDP( 国 連 開 発 計 画 )のアフリカ 適 応 対 策 プログラムでは ケニアにおける 気 候 変 動 の 影 響 について 以 下 の 点 が 指 摘 されている i 気 候 変 動 については 1960 年 代 と 比 較 して 平 均 気 温 は 約 1 度 上 昇 しており 日 中 はおろか 夜 間 においても 気 温 が 下 がらず 高 温 を 記 録 する 日 数 が 増 加 している 洪 水 の 発 生 頻 度 が 増 加 しており 健 康 や 農 業 観 光 業 への 影 響 が 起 こっている 近 年 においては 干 ばつも 深 刻 化 しており 1993 年 以 降 6 回 にわたり 同 国 全 土 に 影 響 を 与 える 大 干 ばつが 発 生 している こうした 状 況 が 続 くと 2030 年 までに 年 間 GDP の 3%に 相 当 する 10~20 億 ドル (800 億 ~1,600 億 円 )の 損 失 につながる 可 能 性 があると 試 算 されている また ケニア 政 府 は 気 候 変 動 によって 以 下 の 影 響 が 予 見 されると UNFCCC( 国 際 連 合 枠 組 条 約 )に 報 告 しているii 水 : 沿 岸 地 域 の 地 下 水 確 保 乾 燥 地 域 準 乾 燥 地 域 の 表 流 水 の 確 保 は より 厳 しく なる 健 康 : 飲 料 水 等 について 入 手 水 質 管 理 衛 生 管 理 が 困 難 になることが 予 想 され 他 の 健 康 被 害 をもたらすことが 考 えられる 農 業 : 北 部 北 東 部 の 乾 燥 地 域 準 乾 燥 地 域 においては 干 ばつと 洪 水 の 発 生 頻 度 と 激 しさが 増 加 する :こういった 地 域 では 牧 畜 や 農 業 は 雤 水 に 大 きく 依 存 しており 食 料 の 確 保 が 脅 かされる 生 態 系 : 陸 上 の 植 生 の 変 化 飼 料 の 質 や 収 穫 量 の 変 化 : 牧 畜 業 の 生 産 性 の 変 化 水 質 と 水 資 源 の 確 保 量 の 変 化 病 気 の 蔓 延 等 をもたら すと 予 測 される 2.-2 当 調 査 で 判 明 した 新 たな 問 題 ケニアの 環 境 鉱 物 資 源 省 (Ministry of Environment and Mineral Resources)の 適 8

13 応 策 担 当 者 へのヒアリングにより ケニアにおける 適 応 政 策 を 示 すものとして 以 下 の 2 点 の 資 料 を 入 手 した その 中 で 新 たに 指 摘 されている 気 候 変 動 に 対 する 脆 弱 性 は 以 下 のとおりとなる 1 気 候 変 動 に 対 する 国 家 戦 略 (National Climate Change Response Strategy) iii 当 資 料 は 適 応 策 を 含 む ケニアにおける 気 候 変 動 に 対 する 具 体 的 な 戦 略 の 指 針 を 示 し たものである 適 応 策 に 関 して 具 体 的 なアクションプランの 策 定 に 関 しては 各 省 庁 に て 検 討 されている 2012 年 11 月 を 目 処 に 各 省 庁 からのアクションプランが 提 出 され そ れを 元 に 具 体 的 なアクションプランが 示 される 予 定 であった しかしながら 2013 年 2 月 時 点 で アクションプランの 取 りまとめは 終 了 していない 以 下 では 気 候 変 動 に 対 する 国 家 戦 略 に 記 載 のある 主 に 当 事 業 に 関 係 の 深 い 水 および 健 康 に 関 する 点 についての 指 針 を 以 下 にまとめる 記 述 順 は 原 文 通 りであるが 特 に 当 事 業 によって 解 決 できる あるいは 解 決 に 貢 献 できると 考 えられる 項 に 下 線 を 付 す これらは ケニア 政 府 として 取 り 組 むべき 適 応 策 を 示 すものである この 項 目 に 合 致 するソリューションを 提 供 することで ケニアにおける 気 候 変 動 に 対 する 適 応 策 に 貢 献 することができる 後 述 する 適 応 評 価 の 指 標 である インプット アウトプット ア カウトカム フレームの 中 で 以 下 はケニアにおける 上 位 目 標 の 貢 献 (アウトカム)と 密 接 に 関 係 するものとなる 水 に 関 する 適 応 策 の 指 針 水 不 足 地 域 に 余 剰 の 水 源 がある 地 域 から 水 を 移 す 井 戸 (inter-basin)とトンネル (inner-basin)の 建 設 排 水 を 減 らすため 家 庭 用 と 産 業 用 の 水 の 再 利 用 設 備 を 各 地 方 自 治 体 で 設 置 する ための 投 資 効 率 的 な 水 源 管 理 に 必 要 な 法 律 規 制 の 施 行 制 定 乾 季 に 使 用 できる 水 量 を 確 保 するため 配 管 建 設 戦 略 的 井 戸 (borehole)やそ の 他 水 源 確 保 工 事 を 通 して 雤 水 の 捕 獲 保 持 量 を 増 加 させる 適 切 な 拠 点 数 の 水 のインフラ(ダム 貯 水 地 供 給 配 管 ) 開 発 と 維 持 流 域 を 保 護 し 水 質 を 監 視 する 人 員 訓 練 と 水 質 監 視 施 設 の 建 設 洪 水 や 干 ばつの 発 生 で 水 質 が 最 も 脅 かされる 事 態 において 地 域 内 の 井 戸 や 浅 い ボアホールを 菌 感 染 させないため 必 要 な 浄 水 薬 品 購 入 の 財 源 を 計 画 的 に 維 持 す る 水 量 確 保 貯 水 水 質 改 善 のための 河 川 ダムの 沈 泥 除 去 水 源 地 域 川 岸 等 の 水 質 悪 化 や 汚 染 からの 保 護 と 保 持 例 ) 水 源 地 帯 の 保 存 に 投 資 する 財 源 を 確 保 するために 水 課 税 を 課 す 水 資 源 の 持 続 的 利 用 の 重 要 性 を 強 調 する 促 進 運 動 を 強 化 する 例 えば 家 庭 レベ ルの 屋 上 集 水 等 集 水 技 術 の 向 上 等 9

14 帯 水 層 を 守 るために 人 工 的 な 地 下 水 再 貯 蔵 を 発 展 させる 堤 を 築 き 川 底 をすくう 等 して 洪 水 堆 積 物 に 対 処 する 河 川 流 量 を 監 視 する 適 切 な 液 体 比 重 測 定 網 や 洪 水 警 報 のための 遠 隔 測 定 システ ムを 導 入 する 健 康 に 関 する 指 針 病 院 の 建 設 薬 や 訓 練 された 人 材 の 確 保 等 公 共 保 健 体 制 を 強 化 する コレラ 腸 チフス 下 痢 等 の 水 系 伝 染 病 の 流 行 を 抑 える 上 水 と 衛 生 施 設 へのア クセスの 向 上 及 び 公 衆 衛 生 についての 啓 蒙 活 動 を 促 進 する 伝 染 病 を 抑 制 するため 連 続 的 かつ 迅 速 な 対 応 をとると 共 に 新 しい 流 行 状 況 の 調 査 の 実 施 を 強 化 する ここに 伝 染 病 や 流 行 のリスクの 高 い 地 域 を 特 定 するた め 気 象 予 測 の 的 確 な 利 用 と 環 境 要 因 の 事 前 対 策 も 盛 り 込 むべきである マラリアの 大 流 行 のように 予 測 可 能 な 事 例 増 加 に 対 する マラリア 撃 退 プログ ラム(Roll Back Malaria) 等 の 取 り 組 みの 規 模 を 拡 大 する 気 候 変 動 と 変 異 によって 更 に 発 生 が 加 速 される 伝 染 病 に 対 する ワクチンと 予 防 接 種 プログラムを 実 施 する 都 市 部 の 緑 地 (green space) を 増 加 させる 例 えば 木 を 植 えることにより 都 市 部 の 気 候 を 穏 やかにし 健 康 的 な 生 活 のための 新 鮮 な 空 気 を 確 保 する 低 二 酸 化 炭 素 排 出 の 未 来 につながるような 健 康 的 な 選 択 ( 例 えば 公 共 交 通 機 関 の 安 全 な 利 用 や 個 人 の 交 通 手 段 である 自 転 車 やウォーキングの 利 用 )は 二 酸 化 炭 素 放 出 量 を 抑 え 公 衆 衛 生 を 向 上 させる これらは 交 通 渋 滞 を 緩 和 する だけでなく 呼 吸 器 疾 患 や 心 臓 血 管 疾 患 の 原 因 となる 大 気 汚 染 をも 減 尐 させる 2 ケニアの 農 業 水 エネルギー 分 野 における 気 候 変 動 リスクアセスメント ドラフト (Climate Risk Assessment of Kenya's Agricultural, Water and Energy Sectors DRAFT REPORT(Version 3.0)) 気 候 変 動 によるリスクを 評 価 するために 環 境 鉱 物 資 源 省 は アフリカ 適 応 計 画 (AAP, Africa Adaptation Plan) を 整 備 している これは 日 本 政 府 ( 国 際 協 力 機 構 JICA) と UNDP による 資 金 協 力 を 受 けている 2 年 間 のプロジェクトとなる 非 公 開 のドラフト 案 には 以 下 の 点 が 水 に 関 する 気 候 変 動 の 脆 弱 性 として 指 摘 されている 水 に 関 する 脆 弱 性 ケニアは 水 不 足 の 国 であり 一 人 当 たりの 国 内 における 再 生 可 能 な 淡 水 量 は 勧 告 基 準 1,000 立 方 メートルに 対 し 647 立 方 メートルである 十 分 かつ 許 容 し 得 る 水 質 は たとえ 気 候 変 動 の 問 題 が 無 かったとしても この 国 の 課 題 である 10

15 2010 年 では 家 庭 への 配 水 公 共 の 給 水 塔 掘 削 孔 保 護 された 井 戸 や 原 水 雤 水 貯 水 池 等 の 品 質 が 改 善 された 水 の 供 給 を 全 人 口 のわずか 59%しか 受 けられ ていなかった 気 候 変 動 に 影 響 を 受 けやすい 水 資 源 に 頼 っていること 地 元 の 地 下 水 の 利 用 制 限 既 に 存 在 する 水 道 設 備 の 誤 った 管 理 不 十 分 な 法 施 行 保 有 水 の 不 足 等 が この 分 野 をより 脆 弱 なものにしている また 一 般 的 な 気 候 変 動 については 以 下 のようにまとめられている 北 部 や 西 部 におい ては 気 候 変 動 による 恩 恵 も 予 測 されているが 全 体 としては 降 雤 量 の 減 尐 とそれに 伴 う 連 続 した 干 ばつ 洪 水 の 激 甚 化 といった 負 の 影 響 が 発 生 することが 考 えられる 気 候 変 動 による 影 響 気 温 : 年 間 の 平 均 気 温 上 昇 は 1 ~4 であり 主 として 2020 年 代 までは 年 ま では 4 の 上 昇 が 見 込 まれている 気 温 の 変 化 は ケニアの 農 作 物 の 適 合 地 域 を 変 化 させる 例 えば 茶 の 生 産 適 地 は 降 水 量 等 の 他 の 気 候 特 性 により 更 に 標 高 が 高 く なり 得 る 降 水 量 : 気 候 は 両 雤 季 においてより 多 湿 になる 傾 向 にあるが 特 に 小 雤 季 (10 月 ~12 月 ) においてその 傾 向 が 強 い 全 球 気 候 モデル(GCMs)では ケニアの 北 部 で 今 世 紀 末 ま でに 40%の 増 加 が 見 込 まれる 他 のモデルは 国 の 西 部 での 雤 量 増 加 を 示 唆 している しかしながら 近 年 (10~15 年 )の 変 動 として 降 水 量 の 大 幅 な 減 尐 と 連 続 的 な 干 ばつによる 水 不 足 が 観 測 されている もし 適 切 かつ 先 進 的 な 計 画 と 実 行 が 成 功 すれ ば 他 の 変 動 を 一 定 に 保 ちながら 降 水 量 の 増 加 により 農 業 と 貯 水 の 限 界 を 広 げる 可 能 性 を 生 み 出 せる ケニア 北 部 (ツルクウェル 渓 谷 )と 西 部 (ソンドゥ ミリゥ) の 水 力 発 電 所 は このような 降 水 量 変 動 による 恩 恵 を 受 けると 考 えられる 季 節 性 : 小 雤 季 と 大 雤 季 は 殆 ど 変 化 しない 一 方 雤 季 の 降 雤 事 象 は 2100 年 までに 更 に 激 しくなると 予 想 される その 結 果 として 洪 水 の 事 象 は より 頻 繁 かつ 激 しくなると 考 えられる 住 人 は 激 しい 事 象 においては 洪 水 地 域 帯 から 移 動 せざるを 得 ず ま た 同 時 に 他 の 事 態 のための 管 理 オプション( 例 えば 堤 防 の 建 設 )が 必 要 となるだ ろう 洪 水 頻 度 : 洪 水 の 頻 度 は 現 在 とさほど 変 わらないが 激 しさは 増 すと 考 えられる これは 気 温 の 上 昇 に 関 連 している いくつかのケースでは より 洪 水 に 耐 性 のある 農 作 物 や 生 11

16 物 エネルギー 源 等 の 対 策 がすぐにでも 求 められる 状 態 にある 3 新 たな 課 題 抽 出 電 力 セクター ケニアにおいて 電 源 の 42%を 占 める 水 力 発 電 の 発 電 効 率 の 低 下 が 問 題 視 されている 水 力 発 電 の 発 電 効 率 低 下 については 気 候 変 動 による 雤 量 パターンの 変 化 が 原 因 との 指 摘 もあり 水 処 理 に 係 る 電 力 使 用 の 削 減 は 気 候 変 動 の 適 応 策 として 評 価 することができる 可 能 性 もある 例 えば 事 業 者 へのヒアリングから 電 力 料 金 が 値 上 がり 傾 向 にあることが わかった 人 口 増 加 による 需 要 の 高 まりにも 一 因 があるが 気 候 変 動 の 影 響 による 水 力 発 電 効 率 の 低 下 を 化 石 燃 料 で 補 おうとしているためと 考 えることができる 前 出 の ケニアの 農 業 水 エネルギー 分 野 における 気 候 変 動 リスクアセスメント ド ラフト において 1999 年 から 2000 年 の 干 ばつによって 水 力 発 電 の 発 電 量 が 明 らかに 低 下 していること 2000 年 以 降 コストが 高 い 石 油 による 発 電 量 が 増 加 していることが 示 されている Figure 10: Total Electricity Generation by Source(IEA, 2011) Decrease in 1999 年 ~2000 年 にかけて 発 生 した 干 ばつによる 水 力 発 電 量 の 低 下 hydropower output during the 1999/2000 drought 図 2 ケニアにおける 発 電 量 の 推 移 2ケニアの 農 業 水 エネルギー 分 野 における 気 候 変 動 リスクアセスメント ドラフト より また 前 述 の 気 候 変 動 に 対 する 国 家 戦 略 (National Climate Change Response Strategy) において エネルギー 部 門 の 適 応 課 題 として 次 のような 記 述 がある ケニアは 主 に 薪 石 炭 農 業 廃 棄 物 を 使 ったバイオマスエネルギーを 利 用 している バ 12

17 イオマスエネルギーのほとんどは 家 庭 や 小 規 模 企 業 で 使 用 されている 水 力 も 利 用 してい るが 採 水 地 が 壊 滅 し 過 去 20 年 間 の 間 にその 可 能 性 は 激 減 した 気 候 変 動 による 度 重 な る 継 続 的 干 ばつによりダムの 貯 水 量 は 下 がり 水 力 利 用 の 可 能 性 に 影 響 を 与 えており 状 況 はさらに 悪 化 する 見 通 しだ 以 上 のことから 水 力 発 電 への 依 存 度 が 高 いケニアにおいては 提 案 する 本 浄 水 装 置 の 導 入 による 水 処 理 に 係 る 電 力 コストの 削 減 が 適 応 対 策 として 評 価 されると 考 え そのイ ンパクトについても 調 査 する 13

18 3. 課 題 解 決 の 方 向 性 失 敗 井 戸 の 再 生 これまでの 調 査 の 結 果 ケニアでは 水 質 の 地 域 差 が 大 きいことが 判 明 した 本 浄 水 装 置 がその 処 理 能 力 を 発 揮 すると 想 定 している フッ 素 を 含 む 井 戸 水 は リフトバレー 地 方 ( 大 地 溝 帯 )に 顕 著 な 現 象 であることがわかった その 他 の 地 域 においては 高 濃 度 ナトリウ ムが 問 題 となる 例 もあるものの フッ 素 はあまり 問 題 とはなっていないことも 判 明 した また 地 域 を 問 わず 乾 季 の 水 不 足 の 深 刻 さが 増 すにつれ やむを 得 ず 不 衛 生 な 水 を 飲 料 水 などに 使 用 する 例 が 多 く それが 下 痢 などの 疾 病 につながっていることがわかった 本 浄 水 装 置 は フッ 素 を 処 理 する 際 に 電 気 透 析 の 原 理 を 用 いることができるが 電 気 透 析 法 の 場 合 は 装 置 の 構 造 がやや 複 雑 となり コストがかかる そこで 当 社 は 電 気 透 析 法 を 用 いず 電 極 の 使 用 本 数 を 制 限 しながら 凝 集 沈 殿 法 を 組 み 合 わせて 高 濃 度 のフッ 素 も 除 去 できるシステムを 新 たに 開 発 した また フッ 素 濃 度 が WHO の 飲 料 水 基 準 に 納 まる 水 については 電 極 の 数 を 減 らし 更 に 単 純 な 構 造 を 用 いたシステムの 導 入 が 可 能 である このシステムによって 食 品 添 加 物 と しても 使 用 される 典 型 的 な 消 毒 剤 である 次 亜 塩 素 酸 ソーダ を 装 置 内 で 生 成 し 水 の 除 菌 を 可 能 とすることが 可 能 である( 透 析 の 構 造 でも 次 亜 塩 素 酸 ソーダ は 生 成 される) 高 濃 度 ナトリウム 除 去 であれば 電 気 透 析 法 を 使 用 しなくても 既 存 の 膜 処 理 を 使 用 した 安 価 なシステムで 対 応 可 能 である ケニアでは 地 域 によって 井 戸 の 水 質 に 差 があることから 前 処 理 種 類 の 違 う 電 気 分 解 装 置 や 膜 処 理 等 を 水 質 に 応 じて 組 み 合 わせることで 最 適 な 性 能 価 格 のソリューション を 提 供 していくことが 必 要 となる ケニアにおいて 外 国 政 府 等 のドナーから 井 戸 開 発 を 請 け 負 う 事 業 者 は 成 功 井 戸 の 引 き 渡 し 本 数 で 契 約 している 開 発 した 井 戸 はドナーから 最 終 的 にケニア 政 府 に 譲 渡 される が 失 敗 井 戸 は 埋 め 戻 されたり 鋼 鉄 製 の 蓋 で 封 鎖 される 等 の 処 置 がとられる 失 敗 井 戸 のデータは ドナーあるいは 井 戸 の 開 発 会 社 に 留 まることとなり 必 ずしも 公 開 されない ため 統 計 的 なデータを 把 握 することは 困 難 であることがわかった 一 方 で 事 業 者 へのコンタクトにより 失 敗 要 因 がフッ 素 ナトリウムの 含 有 等 水 質 に 起 因 し かつ 井 戸 の 場 所 を 特 定 できるものがあった 場 合 その 再 生 を 行 うことが 可 能 であ る さらに 失 敗 井 戸 だけでなく 既 存 の 井 戸 に 対 しても 気 候 変 動 の 適 応 策 となり 得 るこ とがわかった 例 えば リフトバレー 地 方 に 位 置 するケニア 中 部 のナクル 市 のように 主 14

19 要 な 水 源 である 井 戸 水 や 湖 水 に 高 濃 度 のフッ 素 が 含 有 されているため やむを 得 ず 河 川 水 で 希 釈 して 上 水 道 として 利 用 している 例 がある 等 失 敗 井 戸 だけでなく 既 存 の 井 戸 や 浄 水 場 への 展 開 も 可 能 と 思 われる また 首 都 ナイロビ 市 における 公 営 の 上 下 水 道 管 理 会 社 であるナイロビ 水 公 社 (Nairobi Water Company)へのヒアリングから ナイロビ 近 郊 でもフッ 素 を 多 く 含 む 井 戸 水 が 浄 水 処 理 を 行 わないまま 上 水 道 として 利 用 され 健 康 被 害 を 引 き 起 こしている 例 があり ナイ ロビ 水 公 社 が 公 害 と 認 識 していることが 判 明 した 地 方 の 井 戸 を 対 象 とした 今 回 の 調 査 では いずれも 商 用 電 源 にアクセスできる 例 はまれ であり ソーラーを 主 電 源 とする 本 浄 水 装 置 の 有 用 性 が 確 認 できた 解 決 手 法 今 後 ケニアでは 人 口 増 加 への 対 応 及 び 給 水 率 向 上 のため 更 なる 井 戸 開 発 が 必 要 と なるだけに 失 敗 とされた 井 戸 とその 要 因 を 特 定 し それに 適 合 したソリューションを 提 供 することで 給 水 量 の 増 大 に 寄 与 することが 可 能 と 考 えられる また リフトバレー 地 方 に 属 する 地 域 では 多 くの 水 源 に 高 濃 度 のフッ 素 が 含 有 されて いることから 河 川 水 で 希 釈 する 以 外 に 有 効 な 手 だてがない 状 態 である フッ 素 を 取 り 除 ければ 河 川 水 を 別 の 用 途 に 利 用 することが 可 能 となるため 温 暖 化 適 応 策 として 評 価 す ることができる リフトバレー 地 域 以 外 では ナトリウムの 濃 度 が 問 題 となるケースがあ り 飲 用 せず 洗 濯 など 別 の 用 途 で 使 用 している この 井 戸 水 を 本 浄 水 器 で 飲 用 可 能 なレベ ルにまで 浄 水 することができれば 給 水 量 の 増 大 につながる 工 場 事 業 所 ケニアでは ナイロビ 近 郊 に 工 場 が 集 中 している これら 工 場 では 水 道 水 も 利 用 してい るが 市 内 の 人 口 増 加 と 経 済 発 展 による 需 要 増 に 対 応 しきれず 頻 繁 な 断 水 に 悩 まされて いる 2 か 月 間 にわたる 断 水 が 発 生 した 事 例 もあり 地 下 水 が 主 要 な 水 源 となっている また ヒアリングより RO 膜 を 使 った 浄 水 装 置 で 大 量 の 水 処 理 を 行 っている 工 場 では 電 力 消 費 と 膜 交 換 のコスト 負 担 が 大 きく 苦 慮 していることが 判 明 した RO 膜 を 導 入 して いない 工 場 では RO 膜 を 使 うと 最 低 でも 水 の 30%を 捨 てなければならないことを 問 題 視 しており RO 膜 を 採 用 しない 理 由 として 挙 げている 解 決 手 法 本 浄 水 装 置 の 導 入 により これまで 活 用 していなかった 排 水 や 雤 水 を 浄 化 し 中 水 と して 利 用 することができるようになる その 結 果 上 水 道 や 井 戸 からの 汲 み 上 げ 水 の 使 用 量 が 削 減 され 都 市 部 の 水 需 要 を 緩 和 することができる また 排 水 や 雤 水 を 浄 化 して 中 水 として 利 用 することで これまで 中 水 を 得 るために 使 用 していた 電 力 使 用 量 を 低 減 させることができる 15

20 さらに 既 存 の 排 水 処 理 システムを 代 替 することで 電 力 使 用 量 を 削 減 することができ る 可 能 性 がある RO 膜 に 関 しては 大 量 の 電 力 を 消 費 している 他 処 理 の 過 程 で 30%の 水 を 失 ってしま う 本 浄 水 装 置 の 導 入 により 水 の 浄 化 プロセスでの 失 われる 水 の 損 失 を 最 小 化 し 利 用 可 能 な 水 の 量 を 増 加 させることができる 可 能 性 がある 今 後 の 課 題 として ケニアにおけ る RO 膜 による 水 浄 化 システムにおける 本 浄 水 装 置 の 代 替 可 能 性 を 検 討 するには 複 数 事 業 者 へのヒアリングを 実 施 し 水 処 理 に 必 要 な 電 力 使 用 量 水 のロス 率 求 められる 供 給 水 質 水 源 の 水 質 を 調 査 する 必 要 がある 無 電 化 地 域 のサファリロッジ ホテル 等 ケニアの 観 光 業 は 農 業 に 次 ぐ 産 業 規 模 を 誇 り GDP の 10% 強 を 占 めている 特 に 野 生 動 物 の 生 態 などを 観 察 するサファリ 観 光 の 人 気 が 高 いが こうした 観 光 の 拠 点 となるサ ファリロッジやホテルは 都 市 から 離 れた 場 所 にあり 多 くの 施 設 はナショナルグリッド が 到 達 していない 無 電 化 地 域 に 位 置 している 例 えば マサイマラ 国 立 保 護 区 には 約 300 のサファリロッジがあるが いずれも 電 力 水 道 インフラが 整 備 されていない こうした 施 設 では 電 力 をディーゼル 発 電 機 の 運 転 によって 賄 い 水 については 河 川 水 や 井 戸 水 をポンプでくみ 上 げた 後 一 旦 貯 水 し 砂 ろ 過 処 理 や 塩 素 を 投 入 することによって 中 水 を 得 ている 例 が 多 い 調 理 はこの 水 を 煮 沸 処 理 して 使 用 し 飲 料 水 はペットボトルをナイロ ビから 輸 送 して 利 用 している 尚 こうした 国 立 保 護 区 や 国 立 公 園 において 野 生 動 物 の 見 学 などを 楽 しむサファリ 観 光 のピークは 乾 季 である 需 要 期 である 乾 季 は 水 を 最 も 入 手 しにくい 時 期 でもあり 各 施 設 の 悩 みの 種 となっている 解 決 手 法 雤 水 を 貯 水 し 本 浄 水 装 置 によって 乾 季 に 中 水 として 利 用 すれば サファリロッジ 群 に よる 河 川 水 の 取 水 量 を 減 らすことができる また 排 水 については 施 設 内 で 処 理 され 自 然 浸 透 により 処 分 されている 本 浄 水 装 置 を 導 入 し 処 理 後 の 排 水 を 中 水 として 利 用 する ことができる こうした 雤 水 や 排 水 を 再 利 用 することで 河 川 からの 汲 み 上 げ 量 を 削 減 させることができる 学 校 病 院 調 査 した 学 校 では 井 戸 開 発 に 多 額 の 費 用 がかかることから 河 川 水 や 湖 水 を 利 用 して いる 例 が 多 い 砂 ろ 過 による 水 浄 化 装 置 を 導 入 しているケースも 見 られたが 浄 化 後 の 水 について 濁 りと 不 純 物 が 問 題 となっていた また 学 校 を 含 めた 周 辺 のコミュニティーに 飲 料 水 については 煮 沸 するよう 指 示 して も 煮 沸 に 必 要 な 燃 料 代 を 賄 えない 住 民 が 多 く 結 果 として 河 川 水 や 湖 水 を 飲 用 せざるを 得 ず 健 康 被 害 をもたらしている 16

21 さらに 煮 沸 の 燃 料 となる 焚 き 木 を 得 るために 周 辺 の 木 を 伐 採 することも 一 般 的 であ り 長 年 にわたる 樹 木 の 伐 採 を 続 けた 結 果 として 土 地 の 保 水 力 が 喪 失 され 水 資 源 の 減 尐 に 拍 車 がかかっているという 指 摘 もあった また 浄 水 装 置 を 導 入 したとしても 特 に 乾 季 においては 停 電 が 頻 発 するため 作 動 でき ない 期 間 がある その 際 は 浄 水 処 理 をせず 飲 用 とするため 下 痢 などの 健 康 被 害 につなが っている 例 があることが 判 明 した 調 査 した 病 院 は いずれも 上 水 道 を 殆 ど 利 用 できないことから 井 戸 水 や 雤 水 を 主 要 な 水 源 としている それでも 水 が 不 足 している 場 合 は 町 まで 出 向 き 飲 料 水 を 購 入 している 村 落 の 診 療 所 (Dispensary)などにおいては 消 毒 などの 衛 生 施 策 が 十 分 に 行 われていな い これらの 診 療 所 では 不 衛 生 な 水 の 使 用 による 健 康 被 害 が 報 告 されている 解 決 手 法 地 域 間 で 差 はあるものの 学 校 や 病 院 においては すでに 浄 水 装 置 あるいは 化 学 薬 品 による 殺 菌 等 の 処 理 方 法 が 導 入 されている つまり 学 校 や 病 院 については 特 に 上 水 の 問 題 を 抱 える 地 方 においては ある 程 度 の 導 入 コストやランニングコストをかけて 水 を 処 理 しているといえる 本 浄 水 装 置 の 導 入 により 学 校 や 病 院 における 上 水 の 問 題 は 解 決 可 能 であり それは 地 域 の 公 衆 衛 生 の 向 上 や 水 起 因 の 病 気 を 低 減 させることにつながる また 学 校 や 病 院 を 本 浄 水 装 置 の 設 置 重 点 拠 点 とすることができる 本 浄 水 装 置 の 優 位 性 等 を 示 すモデルケースとなるだけでなく ペットボトルの 水 と 井 戸 水 池 や 河 川 の 水 の 中 間 に 位 置 する 最 高 級 ではないが 安 全 な 水 の 供 給 基 地 となる 可 能 性 がある 農 業 畜 産 乾 季 中 に 行 ったこれまでの 調 査 では 河 川 は 干 上 がっており 手 掘 りの 浅 井 戸 も 殆 ど 水 が 取 れないケースが 散 見 された そのため 耕 作 がおこなわれておらず 井 戸 の 底 から 土 砂 をさらう 等 の 補 修 作 業 が 行 われていた 一 方 100 メートルを 超 える 深 井 戸 を 所 有 する 農 場 では マンゴー 等 の 果 樹 が 栽 培 されていた 解 決 手 法 上 記 分 野 特 に1~3における 本 浄 水 装 置 の 導 入 によって 失 敗 井 戸 や 雤 水 等 の 水 が 飲 用 に 回 るようになれば 河 川 や 湖 沼 からの 取 水 が 減 り 結 果 的 に 灌 漑 に 利 用 できる 水 量 を 増 加 させる 効 果 が 期 待 できる 1~3による 本 浄 水 装 置 の 導 入 によって 新 たに 利 用 でき る 水 の 量 が そのまま 農 業 畜 産 に 使 用 することができると 考 えられる 17

22 4. 調 査 結 果 4.-1 導 入 可 能 性 評 価 ターゲットとすべき 地 域 施 設 等 の 選 定 : ナイロビの 他 キツイ 県 キスム 市 カロレニ 市 ナクル 市 オロショー オイボ ア 村 クワレ 地 区 の 6 か 所 で 水 の 利 用 実 態 や 水 質 調 査 を 実 施 した キスム 市 ナクル 市 オロショ-オイボア 村 ナイロビ キツイ 県 カロレニ 市 (モンバサ 近 郊 ) クワレ 地 区 (モンバサ 近 郊 ) 図 3 調 査 実 施 地 域 1 失 敗 井 戸 の 再 生 上 記 7 地 点 のうち 今 回 の 調 査 で 高 濃 度 のフッ 素 が 検 出 されたのがナイロビ 市 とナクル 市 である ナイロビに 所 在 するパワーテクニクス 社 が 中 水 として 利 用 している 井 戸 から 基 準 値 を 上 回 る 3mg/リットルのフッ 素 が 検 出 されている また ケニア 政 府 の 水 灌 漑 省 より 紹 介 を 受 けたナクルの Rift Valley Water Service Board(リフトバレー 地 方 の 水 源 や 水 質 を 管 理 する 政 府 系 の 非 営 利 組 織 ) によれば リフ トバレー 地 方 では 概 して 井 戸 や 湖 水 に 高 濃 度 のフッ 素 が 含 まれている そのため ナク ルでは 河 川 水 で 井 戸 水 を 希 釈 し 上 水 道 として 提 供 している 河 川 水 の 流 量 が 減 尐 する 乾 季 においては 井 戸 への 依 存 が 一 層 高 まり 上 水 道 に 含 まれるフッ 素 濃 度 が 高 くなる Rift Valley Water Service Board が 行 った 調 査 によれば 殆 どの 地 点 で 8mg/リットルものフ ッ 素 含 有 が 認 められたとのこと WHO の 基 準 では フッ 素 の 飲 料 に 含 まれる 量 は 1.5 mg /リットルまでとされており 基 準 値 の 5 倍 以 上 のフッ 素 が 含 まれて 水 が 供 給 されている 18

23 ことになる さらに 今 回 の 調 査 では 最 高 で 約 18mg/リットルものフッ 素 を 含 む 井 戸 も 見 受 けられた 取 水 場 所 (ナクル 市 ) Ol-Banita 地 下 水 源 サンプル 水 1 Ol-Banita 地 下 水 源 サンプル 水 2 Ol-Banita 地 下 水 原 サンプル 水 3 Special Hill High School 表 1 ナクル 市 サンプル 水 水 質 検 査 結 果 ph 電 気 伝 導 度 硬 度 塩 化 物 濁 度 マク ネシウム カルシウム フッ 素 硫 酸 塩 総 溶 解 性 蒸 発 残 留 物 μ s/cm mgcaco 3 /l mg/l Chl ppm mg/l mg/l mg/l mg/l SO 4 mg/l Nil , Nil ,457 フッ 素 について RO 膜 でも 除 去 可 能 という 情 報 もあったが 1フッ 化 化 合 物 は 除 去 で きても 粒 子 が 小 さいフッ 素 イオンは 除 去 できない 2 除 去 するには 何 段 にも 膜 をかまえる 必 要 があり コスト 高 となる かつ 消 費 エネルギーが 増 える 3 膜 を 何 段 にもかまえる 為 水 の 回 収 率 が 非 常 に 低 い( 水 のロス 率 が 増 加 する) と 課 題 が 多 く 省 エネルギーで 水 の 回 収 率 が 高 い 本 浄 水 装 置 に 優 位 性 があることがわかった 一 方 塩 分 や 濁 りがあるものの フッ 素 を 含 有 せず 飲 用 可 能 な 水 を 得 られる 井 戸 が 多 数 見 つかっている また 井 戸 すらなく 雤 水 や 河 川 水 溜 池 等 を 利 用 している 例 も 多 く 水 の 消 毒 に 課 題 を 抱 えている また 今 回 の 調 査 では キツイ 県 に 拠 点 を 置 く NGO グリーン アフリカ ファンデー ション(GAF)との 緊 密 な 関 係 を 構 築 することができた GAF が 所 有 するキツイのプラン テーションには キバキ ケニア 大 統 領 や モナコ 公 国 の 大 公 一 族 も 訪 問 しており 日 本 大 使 館 や JICA 日 本 貿 易 振 興 機 構 (JETRO)とも 接 点 がある このサイトに 隣 接 して 塩 分 濃 度 が 高 く 飲 用 に 適 さない 井 戸 が 見 つかっている 知 名 度 と 情 報 発 信 力 という 点 で パ イロットプラントを 設 置 する 際 の 有 力 な 候 補 の 一 つと 現 時 点 で 思 われる 失 敗 井 戸 については 日 本 工 営 ナイロビ 事 務 所 からマチャコス 県 等 に 関 する 情 報 提 供 を 受 けた これらの 井 戸 は 塩 分 濃 度 が 問 題 となったとのことだが 概 要 データは JICA の 報 告 書 にて 入 手 可 能 であるものの 詳 細 については 公 開 されていないことがわかった ナイロビ 市 内 に 当 社 のコミュニティー 向 けの 提 案 システムと 類 似 するコンセプトで 既 にパイロット 設 置 を 図 っているピュアフロー 社 という 事 業 者 が 存 在 する ピュアフロー 社 では 求 められる 水 質 に 合 わせて 様 々な 浄 水 機 器 を 組 み 合 わせてアセンブリを 行 ってお り 主 に 保 健 省 の 協 力 の 下 Maji-Safi (スワヒリ 語 で きれいな 水 )キオスクという プレハブの 浄 水 飲 料 水 供 給 設 備 を 設 置 するといった 人 道 支 援 活 動 を 行 っている 現 在 河 川 や 溜 池 の 処 理 は 対 応 できているが 地 下 水 に 含 まれる 高 いフッ 素 は 除 去 できておら ず 解 決 策 を 求 めている 所 であった 乾 季 になれば 河 川 や 溜 池 といった 水 源 は 干 上 がって しまう 為 地 下 水 の 処 理 を 行 うことができるようになれば 設 置 可 能 な 場 所 が 増 えるという こともあり 同 様 のプロジェクトで 地 下 水 処 理 の 需 要 があることを 確 認 した 19

24 モンバサ 近 郊 のクワレ 地 区 の UNIDO のプロジェクトサイトでは 導 入 使 用 予 定 の 装 置 に 使 用 する 井 戸 水 の 水 質 に 高 濃 度 ナトリウムやミネラル 等 が 含 まれるという 問 題 があっ た この 井 戸 水 をサイトで 使 用 する 機 械 を 洗 浄 する 計 画 であることから 長 期 的 には 機 材 に 錆 等 の 害 をもたらす 懸 念 があるという 相 談 を 受 けた このように 飲 用 としてではなく 機 材 の 塩 害 防 止 の 為 に 浄 化 を 必 要 とするケースも 見 られた 適 応 評 価 手 法 適 応 策 としての 評 価 を 実 施 するためには 本 浄 水 装 置 の 導 入 によって 利 用 可 能 とな る 水 の 量 を 定 量 的 に 把 握 することが 必 要 となる これは 本 浄 水 装 置 の 設 計 や 普 及 計 画 を 参 照 して 求 めることが 可 能 である 上 記 の 本 浄 水 装 置 の 導 入 によって 利 用 可 能 となる 水 の 量 を ケニアにおいて 1 人 が 必 要 な 飲 料 水 の 量 で 割 ることで 本 浄 水 装 置 の 普 及 によって 安 全 な 水 にアクセスで きる 人 数 を 定 量 的 に 求 めることができる 日 本 では 比 較 的 安 静 にしている 男 性 が 1 日 に 必 要 な 水 の 量 を 2.5 リットルとしている うち 1 リットルを 食 事 から 1.2 リット ルを 飲 み 水 から 摂 取 することを 推 奨 している iv ケニアの 地 方 部 では 農 業 などに 従 事 しているケースが 多 いために 仮 に 1 日 に 必 要 な 飲 料 の 量 は 2 リットル 程 度 と 仮 定 する ことができる 一 方 WHO( 世 界 保 健 機 構 )は 1 日 に 必 要 な 安 全 な 水 の 量 は 一 人 当 たり 50 リットル 最 低 でも 20 リットルとしている v これは 本 浄 水 装 置 の 対 象 となるエリアにおけるヒ アリングから 得 た 一 人 当 たりの 水 使 用 量 ( 飲 料 以 外 も 含 む)は 約 20 リットル/ 日 程 度 とい う 結 果 と 合 致 するものである 以 上 から 次 の 式 によって 本 浄 水 装 置 の 導 入 によって 安 全 な 水 にアクセスできる ようになる 人 の 数 を 求 めることができる 本 浄 水 装 置 の 導 入 によって 安 全 な 水 にアクセスできるようになる 人 の 数 = 本 浄 水 装 置 の 導 入 によって 利 用 可 能 となる 水 の 量 / 日 2~20 リットル/ 日 本 浄 水 装 置 の 導 入 による 人 々の 健 康 状 態 の 向 上 ( 水 起 因 の 病 気 発 生 数 の 削 減 )につ いては 4 学 校 病 院 とりわけ 病 院 において 評 価 したい その 理 由 は 病 気 の 発 生 の 定 義 を 現 状 では 病 院 にて 病 気 と 診 断 された とすることで 定 量 的 な 患 者 数 を 把 握 することができるためである コミュニティーにおける 潜 在 的 な 病 気 例 えば 軽 度 の フッ 素 中 毒 や 下 痢 について 評 価 に 含 めようとすると 現 地 で 継 続 的 に 健 康 調 査 を 実 施 す る 必 要 がある さらに 家 庭 等 で 使 用 する 水 のうち どれくらいの 割 合 の 水 が 本 浄 水 装 置 の 対 象 とな るのか システム 利 用 者 は 何 人 となるか について 本 浄 水 装 置 の 設 計 や 普 及 計 画 を 鑑 みながら パラメータを 設 定 する 必 要 がある 20

25 写 真 7 フッ 素 濃 度 簡 易 テスト 結 果 ( 青 色 = 高 濃 度 ) 写 真 8 カロレニの 溜 池 写 真 9 キツイ 県 の 浅 井 戸 2 工 場 事 業 所 ナイロビ 市 内 近 郊 の 5 社 を 訪 問 し それぞれについて 水 の 使 用 状 況 浄 水 装 置 の 有 無 等 についてヒアリングを 実 施 した 結 果 を 以 下 の 表 にまとめる 表 2 ナイロビにおける 工 場 へのヒアリング 結 果 施 設 における 既 存 浄 水 装 既 存 浄 水 装 置 によ 既 存 浄 水 装 置 に 備 考 / 考 察 全 使 用 水 量 置 による 浄 る 浄 水 にかかるエ よる 浄 水 にかか 工 場 事 業 所 事 業 内 容 ( 必 要 な 浄 水 水 量 ( 上 水 用 ネルギー るコスト( 電 力 以 量 の 割 合 ) / 中 水 用 ) 外 含 む) (1)Power Technics Ltd. 産 業 用 制 御 機 器 組 立 / 電 気 設 備 施 工 m3/ 月 m3/ 月 KSH/ 月 1, ( 中 水 ) 764kWh/ 月 45,258 排 水 処 理 を 対 象 としたデータ 21

26 (2)Brookside 乳 製 品 メー 30,000 浄 水 処 理 288,000kWh/ 月 浄 水 処 理 なし 井 戸 の 汲 み 上 Dairy Ltd. カー なし 10,000L/ 月 (ディーゼル) げを 対 象 とした データ 浄 水 装 置 はなく 中 水 として 利 用 (3)Kenafric Bakery Ltd. 製 パン 業 1,000 1, 無 視 できる レベル 信 ぴょう 性 に 疑 問 あり 無 回 答 の 企 業 一 部 のみの 回 答 の 企 業 は 除 く 適 応 評 価 手 法 本 浄 水 装 置 を 事 業 所 に 導 入 した 際 の 適 応 効 果 については 1. 本 浄 水 装 置 の 導 入 によ り 排 水 から 得 られる 中 水 の 量 2. 本 浄 水 装 置 の 導 入 により 削 減 できる 中 水 利 用 コス トの 2 点 から 算 出 することができる 1.については 上 位 目 標 (アウトカム)にある 排 水 の 削 減 に 寄 与 できる 可 能 性 もある しかし 現 状 では 本 浄 水 装 置 においては 排 水 の 中 から 汚 染 物 質 を 選 択 的 に 抽 出 することで 中 水 を 得 ており 排 水 に 含 まれる 環 境 汚 染 物 質 (ケニアの 法 律 で 指 定 され ている 物 質 ) の 発 生 量 を 抑 制 することにはつながらない 本 浄 水 装 置 によって 抽 出 され た 汚 染 物 質 を 再 利 用 するなど 既 存 の 方 法 以 外 で 処 理 することができれば 排 水 の 削 減 に 寄 与 したとみなすことができる 1. 本 浄 水 装 置 の 導 入 により 排 水 から 得 られる 中 水 の 量 本 浄 水 装 置 の 導 入 により 排 水 から 得 られる 中 水 の 量 については 本 浄 水 装 置 の 設 計 や 普 及 計 画 を 鑑 みながら パラメータを 設 定 する 必 要 がある 後 述 するが 2015 年 度 までの 販 売 計 画 では 約 1,800 立 方 メートル/ 日 の 排 水 を 処 理 することで 約 1,400 立 方 メートル/ 日 の 中 水 を 代 替 的 に 供 給 することができると 想 定 される 本 浄 水 装 置 の 導 入 により 排 水 から 得 られる 中 水 の 量 = 約 1400 立 方 メートル 2. 本 浄 水 装 置 の 導 入 により 削 減 できる 中 水 利 用 に 必 要 な 電 力 消 費 量 本 浄 水 装 置 の 導 入 により 削 減 できる 中 水 利 用 コスト については 1.で 求 めた 中 水 を 処 理 するために 必 要 な 電 力 消 費 量 を 計 算 し 井 戸 の 汲 み 上 げによる 中 水 利 用 に 必 要 な 電 力 消 費 量 と 比 較 することで 削 減 できる 電 力 消 費 量 を 求 めることができる プロジェクト 実 施 前 本 浄 水 装 置 の 導 入 により 排 水 から 得 られる 中 水 の 量 (= 代 替 される 中 水 の 量 ) 既 存 の 中 水 利 用 に 必 要 な 消 費 電 力 係 数 (a) 22

27 (a) 既 存 の 中 水 利 用 に 必 要 な 消 費 電 力 係 数 立 方 メートル) = 中 水 利 用 に 必 要 な 電 力 量 (kwh) / 必 要 な 中 水 量 ( 立 方 メートル) プロジェクト 実 施 後 本 浄 水 装 置 の 導 入 により 排 水 から 得 られる 中 水 の 量 (= 代 替 される 中 水 の 量 ) 本 浄 水 装 置 の 使 用 に 必 要 な 消 費 電 力 係 数 (b) (a) 既 存 の 中 水 利 用 に 必 要 な 消 費 電 力 係 数 (@kwh/ 立 方 メートル) = 本 浄 水 装 置 による 排 水 処 理 に 必 要 な 電 力 量 (kwh) / 得 られる 中 水 量 ( 立 方 メートル) 適 応 策 としての 評 価 値 =プロジェクト 実 施 前 (ベースライン) - プロジェクト 実 施 後 (プロジェクト 効 果 ) 3 ホテル 無 電 化 地 域 のサファリロッジ 等 ケニア 国 内 に 高 級 ホテルやリゾートを 展 開 している セレナホテルグループの 水 技 術 者 にヒアリングを 実 施 した また マサイマラ 国 立 保 護 区 にて ムパタサファリクラブ を 運 営 するムパタインベストメントにも ナイロビ 市 内 でヒアリングを 実 施 した セレナホテルは ホスピタリティの 観 点 から 水 質 には 特 にこだわっており 施 設 で 使 用 するすべての 水 を RO 膜 による 大 規 模 な 浄 水 装 置 で 飲 用 可 能 な 上 水 レベルまで 浄 化 して いる そのため 多 大 なランニングコストという 課 題 を 抱 えている また 同 グループが 所 有 するモンバサ(インド 洋 沿 岸 のリゾート 地 )のリゾートホテルでは 井 戸 水 の 塩 分 濃 度 が 高 く 同 様 に RO 膜 による 大 規 模 な 浄 水 装 置 を 使 用 しているが 装 置 を 稼 働 させるた めにディーゼル 発 電 機 を 24 時 間 稼 働 させ 1 日 に 250 立 方 メートルの 水 を 浄 化 する 必 要 があり 大 変 なコスト 負 担 を 強 いられている ムパタサファリクラブは 河 川 水 を 中 水 レベルまで 浄 化 して 使 用 するが 上 水 はペット ボトルを 100 キロメートル 程 度 離 れたナイロビから 輸 送 することで 対 応 している ムパタ サファリクラブによれば マサイマラ 国 立 保 護 区 におよそ 300 程 度 のサファリロッジがあ り 概 ね 同 じような 水 利 用 実 態 にある 適 応 評 価 手 法 無 電 化 地 域 のサファリロッジ ホテルについては 雤 水 利 用 と 組 み 合 わせることで 河 川 からの 水 の 汲 み 上 げ 量 を 削 減 することが 可 能 となる 現 状 において 雤 水 の 再 利 用 につ いては 実 施 されている 施 設 は 確 認 されていない また 施 設 からの 排 水 に 関 しては 環 境 鉱 物 資 源 省 が 定 める 排 水 基 準 に 則 り 施 設 内 で 処 理 され 自 然 浸 透 させたり 河 川 へ 放 流 している 処 理 後 の 排 水 について 本 浄 水 装 23

28 置 にて 処 理 することで 中 水 として 再 利 用 することができる ホテル サファリロッジと いう 性 格 上 宿 泊 客 に 供 する 食 事 などに 使 用 することは 控 えるにしても プールなど 比 較 的 大 量 に 水 を 利 用 する 設 備 に 活 用 することができる 雤 水 および 処 理 後 の 排 水 を 混 合 させてプールし 必 要 に 応 じて 本 浄 水 装 置 による 処 理 を 行 うのが 提 案 ソリューションとなる ただし サファリロッジ ホテルに 導 入 する 本 装 置 のシステムについては 2 工 場 事 業 所 と 同 様 のものを 想 定 している したがって 適 応 評 価 手 法 は2と 同 様 となる 写 真 9 ナイロビ 市 内 のホテル 雨 水 の 貯 水 槽 写 真 10 同 ホテル ディーゼル 発 電 機 4 学 校 病 院 キスム カロレニ ナクルで 数 か 所 の 学 校 病 院 を 訪 問 井 戸 がないケースでは 水 売 りから 高 価 な 水 を 購 入 するか 雤 水 を 貯 めて 使 う 等 不 衛 生 な 水 をやむなく 使 用 している 例 が 多 い 上 水 道 は 殆 ど 普 及 しておらず あっても 長 期 にわたって 断 水 されていることが ある 十 分 な 消 毒 を 行 わないことによる 健 康 被 害 は 深 刻 であり カロレニの 診 療 所 (Gotani Dispensary)では マラリア 気 管 支 系 の 病 気 に 次 いで 下 痢 を 訴 える 患 者 の 数 が 多 いと の 定 量 的 な 情 報 を 入 手 した カロレニ 全 体 の 人 口 は 253,000 人 であり このような 診 療 所 が 6 か 所 ある よって 人 口 カバー 率 はおよそ 43,333 人 であり 下 痢 による 罹 患 率 を 求 めることができる ただし この 罹 患 率 は 病 院 へ 行 かねばならないほど 悪 化 した 下 痢 で あることは 留 意 しておく 必 要 がある 24

29 写 真 11 カロレニの Gotani Dispensary における 患 者 数 適 応 評 価 手 法 本 浄 水 装 置 による 適 応 対 策 の 評 価 は 1で 求 めた 本 浄 水 装 置 の 導 入 によって 安 全 な 水 にアクセスできるようになる 人 の 数 の 効 果 として 飲 料 水 に 起 因 する 病 気 の 発 生 を 防 ぐこととなる 失 敗 井 戸 の 再 生 により 安 全 な 水 へのアクセスが 向 上 したことによる 効 果 が 定 量 的 に 表 れるのは 患 者 数 を 記 録 している 病 院 と 考 えられる 1では 最 大 で 84,000 人 の 人 に 安 全 な 水 を 供 給 することができるとしており 本 浄 水 装 置 の 導 入 により 84,000 人 の 飲 料 水 に 起 因 する 病 気 を 防 ぐことができる 効 果 の 定 量 評 価 を 行 うためには 84,000 人 の 人 々について もし 本 浄 水 装 置 の 導 入 がなかった 場 合 の 疾 患 罹 患 率 を 設 定 する 必 要 がある その 場 合 の 定 量 効 果 の 測 定 式 は 以 下 のとお りとなる プロジェクト 実 施 前 本 浄 水 装 置 の 導 入 によって 安 全 な 水 にアクセスできるようになる 人 の 数 飲 料 水 に 起 因 する 疾 病 の 罹 患 率 (a) (a) 飲 料 水 に 起 因 する 疾 病 の 罹 患 率 25

30 = 疾 病 患 者 数 ( 人 ) / 疾 病 を 認 定 する 医 療 する 施 設 がカバーする 人 口 ( 人 ) 100% もしくは = 全 国 の 疾 病 患 者 数 ( 人 ) / ケニアの 人 口 ( 人 ) 100% プロジェクト 実 施 後 本 浄 水 装 置 の 導 入 によって 安 全 な 水 にアクセスできるようになる 人 の 数 飲 料 水 に 起 因 する 疾 病 の 罹 患 率 (=0) 適 応 策 としての 評 価 値 =プロジェクト 実 施 前 (ベースライン) - プロジェクト 実 施 後 (プロジェクト 効 果 ) プロジェクト 実 施 前 の パラメータ(a) 飲 料 水 に 起 因 する 疾 病 の 罹 患 率 について 二 通 りの 求 め 方 がある 一 つは マクロのアプローチ すなわちケニア 全 体 のデータを 使 用 するものである 例 えば WHO や UNICEF によるデータを 使 用 することができる こう した 飲 料 水 のバクテリアや 菌 などに 起 因 する 下 痢 などの 疾 患 については ケニアにおいて 地 域 性 に 左 右 されにくい 疾 患 とみなして マクロアプローチを 採 用 することは 有 効 といえ る 一 方 ミクロのアプローチとしては 施 設 を 導 入 する 具 体 的 なエリアにおける 水 起 因 の 病 気 データを 取 得 する 方 法 となる 例 えば 下 痢 については カロレニ 県 において 診 療 所 のデータを 取 得 している 診 療 所 がカバーする 人 口 を 想 定 すれば 罹 患 率 を 求 めることが できる 本 浄 水 装 置 の 導 入 によって 効 果 が 期 待 される フッ 素 による 疾 患 ついては 被 害 が 大 き い 地 域 におけるマクロデータを 取 得 することで 定 量 評 価 を 行 うことができる しかしなが ら 現 地 でのヒアリングによると マクロデータは 存 在 していない また 存 在 していて も フッ 素 疾 患 が 全 国 的 なものではないために 飲 料 水 に 含 まれるフッ 素 濃 度 が 高 いエリ アに 限 定 した ミクロアプローチによるデータから 疾 患 率 を 調 査 する 必 要 がある 加 えて フッ 素 に 起 因 する 疾 病 については 飲 料 水 に 含 まれるフッ 素 の 濃 度 が 高 い 地 域 においても データが 存 在 していない これは 軽 微 なフッ 素 による 被 害 は 病 気 と 認 定 されていないこ とにも 原 因 がある 今 後 の 課 題 として フッ 素 濃 度 が 高 いエリアに 本 浄 水 装 置 を 導 入 し 導 入 前 の 実 態 と 導 入 による 効 果 を 測 定 する 必 要 がある 5 農 業 畜 産 乾 季 に 訪 問 したキツイでは 河 川 の 殆 どは 枯 れていた 一 部 にドリップ 式 の 灌 漑 を 用 い た 例 があったものの それも 含 め 灌 漑 用 の 井 戸 の 水 は 枯 れかけており 作 物 は 殆 ど 植 えつ けられていなかった 周 辺 住 民 にヒアリングしたところ 乾 季 は 飲 料 水 の 確 保 にすら 困 る ことから 耕 作 を 行 わず 浅 井 戸 の 底 から 土 砂 をさらって 雤 季 に 備 えるとのことだった 26

31 その 一 方 グリーン アフリカ ファンデーション(GAF)の 農 場 では マンゴー 等 の 果 樹 やトマトが 栽 培 されていた GAF の 敷 地 内 には 100 メートル 以 上 の 深 井 戸 があり これを 灌 漑 に 利 用 している 農 業 における 水 問 題 とは 水 質 ではなく 水 の 量 に 起 因 していることが 判 明 した した がって 本 浄 水 装 置 を 直 接 農 業 に 活 用 することは 現 実 的 ではないことがわかった 適 応 評 価 に 関 する 課 題 灌 漑 システムや 家 畜 の 水 やりに 本 浄 水 装 置 を 活 用 することは 水 の 処 理 量 が 膨 大 な ために 現 実 的 ではない 間 接 的 ではあるが 1~3で 新 たに 利 用 可 能 となる 水 が 農 業 や 畜 産 に 利 用 できると 考 えることで 農 業 部 門 への 貢 献 度 としての 評 価 を 行 いたい 4.-2 現 地 協 力 パートナーの 選 定 と 評 価 1 パワーテクニクス 社 ナイロビで 変 圧 器 や 照 明 装 置 太 陽 光 発 電 関 連 機 器 の 製 造 販 売 や 変 電 所 開 発 を 請 け 負 うパワーテクニクス 社 は 当 社 の 在 ドバイ 販 売 会 社 シャープ ミドルイースト フ リーゾーン エスタブリッシュメント( 以 下 SMEF ) と 取 引 実 績 がある 関 係 で 訪 問 地 社 とのアポイントメント 調 整 や 同 行 等 で 協 力 が 得 られた パワーテクニクス 社 は 本 事 業 に 関 心 を 示 しており スペックや 生 産 中 長 期 的 な 戦 略 に ついても 意 見 交 換 している 当 社 販 売 会 社 と 取 引 実 績 を 持 つこと 変 圧 器 や 照 明 装 置 等 の 販 売 実 績 による 工 場 事 業 所 を 持 つ 顧 客 の 幅 広 いネットワークを 持 つこと 太 陽 光 発 電 システムに 関 する 技 術 力 を 持 つこと そして 将 来 的 に 本 浄 水 装 置 の 現 地 生 産 を 検 討 する 場 合 十 分 な 生 産 能 力 を 有 することが 現 地 協 力 パートナーの 有 力 候 補 として 評 価 できる 点 で ある 今 後 パワーテクニクス 社 との 事 業 組 み 手 戦 略 を 検 討 の 上 代 理 店 契 約 あるいはサービス 契 約 等 を 結 ぶ 予 定 2 ピュアフロー 社 顧 客 の 要 求 に 応 じて あらゆる 種 類 の 浄 水 機 器 の 中 からアセンブリ パッケージ 化 を 行 い 販 売 を 行 う 水 ビジネス 関 連 事 業 者 該 社 の 活 動 は 大 きく 分 けて 以 下 の 3 つ: (1) 家 庭 用 および 産 業 用 の 浄 水 機 器 アセンブリ 事 業 ( 主 に RO 膜 UV 消 毒 ) (2) 飲 料 水 販 売 ( 家 庭 用 20L タンク) (3)Maji-Safi(Safe-Water)Kiosk による 人 道 支 援 活 動 特 に Maji-Safi Kiosk の 活 動 については 当 社 が 井 戸 浄 水 向 けに 検 討 しているものとビ ジネスモデルが 似 ており 該 社 では 既 に 2 年 前 から 10 か 所 程 にパイロット 設 備 を 設 けて いる 主 に 保 健 省 からの 援 助 を 受 けて ドイツの Siemens Foundation と 協 力 して 実 施 27

32 浄 水 設 備 の 処 理 後 の 水 は 飲 料 水 として 販 売 し 売 上 はコミュニティーおよび 施 設 の 維 持 管 理 費 に 充 当 しており 該 社 の 収 益 としていない 水 の 販 売 価 格 はコミュニティーの 住 民 た ちとの 綿 密 なヒアリングのもと 相 談 しながら 決 めており 地 域 によって 相 場 が 違 う 一 例 では 5 ケニアシリング/10 リットルで 販 売 している コミュニティー 向 け 設 備 の 設 置 導 入 後 のビジネスモデルの 構 築 について 経 験 と 知 見 が あること 産 業 用 浄 水 機 器 アセンブリ 事 業 ではケンタッキー フライド チキンやユニリ ーバと 言 った 大 手 企 業 にも 販 売 実 績 があることが 現 地 協 力 パートナー 候 補 として 評 価 で きる 点 となる 現 在 地 下 水 向 けのシステムを 必 要 としており 今 後 協 業 の 検 討 が 出 来 る 可 能 性 がある 3 Davis & Shirtliff 社 東 アフリカ 地 域 の 水 関 連 機 器 (ポンプ 浄 水 機 器 プール 等 々)やパーツの 最 大 手 サプ ライヤーであり 主 に RO 膜 等 のフィルター 式 の 浄 水 に 強 く 井 戸 の 掘 削 も 手 掛 けている ケニアだけでなく 東 アフリカ 地 域 をカバーする 広 域 なサービスネットワークを 有 する こと 同 地 域 の 地 下 水 掘 削 の 第 一 人 者 であること あらゆる 水 関 連 機 器 の 調 達 を 行 う 商 社 機 能 の 充 実 していること と 現 地 協 力 パートナー 候 補 として 評 価 できる 点 は 多 いが 既 に RO 膜 方 式 を 使 った 浄 水 システム 納 入 で 豊 富 な 実 績 を 有 することを 鑑 み 本 浄 水 装 置 につ いてはまずパイロットプラントを 設 け 効 果 と 機 能 について 具 体 的 な 評 価 を 行 ってからで ない 限 り 該 社 との 協 業 を 検 討 することは 困 難 と 考 える ただし 該 社 の 広 域 なネットワークを 活 用 して 本 浄 水 装 置 に 関 しても 特 に O&M サービ スに 関 して 協 業 する 可 能 性 がある 4.-3 現 地 訪 問 による 調 査 と 評 価 (1) 第 1 回 調 査 出 張 (8 月 27 日 ~9 月 9 日 ) 1 在 外 公 館 日 系 企 業 等 日 本 大 使 館 JICA JETRO 日 本 工 営 利 根 エンジニアリング 2ケニア 政 府 自 治 体 関 係 機 関 水 灌 漑 省 環 境 鉱 物 資 源 省 地 方 電 化 庁 キスム 市 カロレニ 地 域 事 務 所 3ケニア 民 間 企 業 Kenya Association of Manufacturers(ケニア 製 造 業 協 会 以 下 KAM ) Kenya Water Industry Association(ケニア 水 産 業 協 会 以 下 KWIA ) ナイロビ 水 道 会 社 Kenya Private Sector Alliance( 民 間 企 業 の 代 表 団 体 ) パワーテクニクス 社 4 病 院 学 校 Mission For Africa( 教 会 孤 児 院 ) Maseno School 以 上 キスム Gotani Dispensary 病 院 St.Luke s Mission 病 院 Giriama Mission 病 院 St.Michael s Girls Secondary School 以 上 カロレニ 5 井 戸 農 地 キツイ キスム カロレニでそれぞれ 数 か 所 を 調 査 28

33 (2) 第 2 回 調 査 出 張 (10 月 20 日 ~10 月 28 日 ) 1ケニア 政 府 関 係 機 関 水 灌 漑 省 環 境 鉱 物 資 源 省 Kenya Water Institute( 水 灌 漑 省 傘 下 の 水 関 連 研 修 人 材 育 成 機 関 以 下 KEWI ) Rift Valley Water Services Board(リフトバレー 地 域 を 中 心 に 水 源 と 水 質 を 管 理 する 非 営 利 組 織 ) 2ケニア 民 間 企 業 パワーテクニクス 社 コカコーラ ブルックサイドデアリー ケナフリックベーカリ ー フィンレーズ ユニリーバ 3 学 校 ナクルの 小 学 校 と 特 別 養 護 学 校 4 井 戸 オルショー オイボア 村 (3) 第 3 回 調 査 出 張 (1 月 26 日 ~2 月 3 日 ) 11 月 29 日 開 催 のワークショップ 出 席 者 在 外 公 館 日 系 企 業 等 : 経 済 産 業 省 外 務 省 環 境 省 在 ケニア 日 本 大 使 館 JICA ケニア 事 務 所 豊 田 通 商 株 式 会 社 パナソニック 株 式 会 社 シーベル インター ナショナル 株 式 会 社 富 士 電 機 三 菱 総 合 研 究 所 NTT データ 経 営 研 究 所 等 ケニア 政 府 関 係 機 関 : 環 境 鉱 物 資 源 省 エネルギー 省 等 ケニア 民 間 企 業 :パワーテクニクス 社 Davis & Shirtliff 社 等 2ケニア 政 府 関 係 機 関 KEWI 3ケニア 民 間 企 業 KAM KWIA パワーテクニクス 社 ピュアフロー 社 4その 他 アフリカ 開 発 銀 行 (AfDB) UNIDO( 国 連 工 業 開 発 機 関 ) 5 井 戸 ナイロビ 市 内 (パワーテクニクス 社 市 内 給 水 事 情 調 査 ) モンバサ 近 郊 クワレ 地 区 4.-4 効 果 検 証 および 他 分 野 における 応 用 可 能 性 の 分 析 (1) 地 球 温 暖 化 への 適 応 面 での 導 入 効 果 の 検 証 本 項 1. 導 入 可 能 性 評 価 における 適 応 評 価 に 関 する 課 題 および 5. 指 標 ( 方 法 論 )とベースラインデータ 6. 適 応 策 において 今 後 見 込 める 成 果 を 参 照 (2) 他 分 野 への 応 用 可 能 性 の 分 析 本 浄 水 装 置 の 導 入 先 として ケニアでは 一 般 的 ではないが 養 魚 場 への 応 用 が 可 能 と 考 える 養 魚 池 においては 撒 き 餌 や 多 くの 魚 を 飼 育 することによって 生 じる 排 泄 物 によっ 29

34 て 水 質 が 悪 化 するため 定 期 的 に 水 を 入 れ 替 えることが 必 要 となる しかし 雤 量 が 尐 な いケニアにおいては 貴 重 な 水 を 魚 の 養 殖 に 使 用 することは 考 えにくい 例 えば 写 真 12 の 養 殖 池 に 関 しては マイクロ 水 力 発 電 により 得 られた 電 力 で 河 川 の 水 をポンプアップ し 雤 水 と 混 ぜることで 水 質 の 悪 化 を 防 ぎ 魚 の 養 殖 を 実 施 している 本 浄 水 装 置 の 応 用 例 として 養 魚 池 に 導 入 することで 水 質 の 改 善 を 図 り 尐 ない 水 の 量 で 魚 の 養 殖 を 行 うことができる コミュニティーにおいて 本 浄 水 装 置 で 雤 水 を 処 理 し 住 民 に 安 全 な 水 を 供 給 しつつ 魚 を 養 殖 する あるいは 本 浄 水 装 置 を 養 殖 地 に 導 入 するよ うなモデルを 展 開 することで 蛋 白 源 である 魚 を 自 家 消 費 できるほか 余 剰 分 については 販 売 益 を 得 ることができる 住 民 の 衛 生 状 況 の 改 善 のみならず 現 金 収 入 によって 本 浄 水 装 置 の 普 及 にかかるコストを 低 減 させるができる このような 安 全 な 水 を 使 用 して 現 金 収 入 を 得 るような 仕 組 みを 考 案 することができ れば 本 浄 水 装 置 の 導 入 に 関 するコスト 負 担 も 低 減 される 写 真 12 南 メルー 県 TUNGU KABIRI の 養 魚 池 (3) 他 国 への 応 用 可 能 性 の 分 析 本 浄 水 装 置 については 水 に 起 因 する 国 々に 広 く 適 用 することが 可 能 である 適 応 対 策 への 貢 献 という 観 点 からは 気 候 変 動 に 関 する 国 際 連 合 枠 組 条 約 (UNFCCC)に 国 家 適 応 行 動 計 画 (NAPA)を 提 出 済 の 国 を 対 象 とすることができる NAPA の 提 出 は 提 出 国 にお いて 適 応 問 題 が 深 刻 ととらえられている 証 左 であり 本 浄 水 装 置 の 導 入 に 当 たって 理 解 と 支 援 を 得 やすいと 考 えられる 一 方 NAPA 自 体 が 非 常 に 抽 象 的 な 目 標 のみを 掲 げている ケースもあり ケニアのように NAPA を 提 出 していないが 国 家 レベルではアクションプ ランの 策 定 を 進 めている 国 家 もあることには 留 意 する 必 要 がある 表 3 に UNFCCC に NAPA を 提 出 した 国 名 と 提 出 時 期 を 示 す 色 を 付 した 国 はアフリカに 位 置 している 30

35 表 3 UNFCCC に NAPA を 提 出 した 国 と 提 出 時 期 vi 国 名 NAPA 提 出 時 期 1 アフガニスタン 2009 年 9 月 2 アンゴラ 2011 年 12 月 3 バングラディシュ 2005 年 11 月 4 ベナン 2008 年 1 月 5 ブータン 2006 年 5 月 6 ブルキナファソ 2007 年 12 月 7 ブルンジ 2007 年 2 月 8 カンボジア 2007 年 3 月 9 カーボベルデ 2007 年 12 月 10 中 央 アフリカ 2008 年 6 月 11 チャド 2010 年 2 月 12 コモロ 2006 年 11 月 13 コンゴ 民 主 共 和 国 2006 年 9 月 14 ジプチ 2006 年 10 月 15 エリトリア 2007 年 5 月 16 エチオピア 2008 年 6 月 17 ガンビア 2008 年 1 月 18 ギニア 2007 年 7 月 19 赤 道 ギニア 2008 年 2 月 20 ハイチ 2006 年 12 月 21 キリバス 2007 年 1 月 22 ラオス 2009 年 5 月 23 レソト 2007 年 6 月 24 リベリア 2007 年 7 月 25 マダガスカル 2006 年 12 月 26 マラウィ 2006 年 3 月 27 モルディブ 2008 年 3 月 28 マリ 2007 年 12 月 29 モーリタニア 2004 年 11 月 30 モザンビーク 2008 年 7 月 31 ネパール 2010 年 11 月 32 ニジェール 2006 年 7 月 33 ルワンダ 2007 年 5 月 34 サモア 2005 年 12 月 35 サントメプリンチペ 2007 年 11 月 31

36 36 セネガル 2006 年 11 月 37 シエラレオネ 2008 年 6 月 38 ソロモン 諸 島 2008 年 12 月 39 スーダン 2007 年 6 月 40 タンザニア 2007 年 9 月 41 東 ティモール 2011 年 9 月 42 トーゴ 2009 年 9 月 43 ツバル 2007 年 5 月 44 ウガンダ 2007 年 12 月 45 バヌアツ 2007 年 12 月 46 イエメン 2009 年 4 月 47 ザンビア 2007 年 10 月 また 失 敗 井 戸 の 再 生 という 観 点 からは 大 地 溝 帯 (リフトバレー 地 域 )に 属 している 国 においては フッ 素 の 含 有 率 が 高 いという 問 題 が 発 生 している 可 能 性 が 高 い フッ 素 に ついては 従 来 の 方 法 で 除 去 するのは 困 難 であり 本 浄 水 装 置 によってフッ 素 に 起 因 する 症 状 や 病 気 を 緩 和 することができると 考 えられる 具 体 的 には ウガンダ エチオピア コンゴ 民 主 共 和 国 ジプチ タンザニア ブルンジ マラウィ モザンビーク ルワンダ においては 本 浄 水 装 置 の 需 要 が 特 に 高 いと 想 定 される ケニアと 同 様 に 東 アフリカ 共 同 体 に 属 している 国 々(タンザニア ウガンダ ルワン ダ ブルンジ)においては 関 税 の 段 階 的 撤 廃 を 目 指 していることなどから 本 浄 水 装 置 の 開 発 を 拠 点 とし 事 業 展 開 を 進 めることが 可 能 である また いずれの 国 も NAPA を UNFCCC に 提 出 していることから 気 候 変 動 による 適 応 対 策 が 深 刻 化 している 可 能 性 も 高 い (4) 緩 和 策 としての 応 用 可 能 性 の 分 析 環 境 鉱 物 資 源 省 へのヒアリングにより 井 戸 における 本 浄 水 装 置 の 導 入 が 気 候 変 動 の 緩 和 策 となる 可 能 性 を 有 していることが 判 明 した 参 考 例 として ケニアにおいて 浄 水 システムによってボランタリークレジットを 創 出 し ているプロジェクト Lifestraw では 西 ケニアにおいて 90 万 個 程 度 の 水 フィルターを 導 入 した この 結 果 水 由 来 の 疾 病 の 発 生 数 を 50% 減 らすことに 成 功 したとしている 住 民 は バクテリアなどに 汚 染 されていた 水 を 焚 き 木 を 用 いて 煮 沸 して 飲 料 にしてい たが このフィルターの 配 布 によって 焚 き 木 の 使 用 量 を 削 減 することができる 自 生 し ている 樹 木 を 伐 採 し 焚 き 木 とすることを 防 ぐことで 樹 木 を 保 護 し 結 果 として 約 200 万 トンの CO 2 の 吸 収 源 を 確 保 するというものである このプロジェクトの 実 施 には 2,500~3,000 万 ドル(23 億 円 ~27 億 円 )が 必 要 となる が それは 200 万 トンの CO 2 クレジットを 販 売 することで 得 るというモデルを 採 用 して 32

37 いる CO 2 クレジットについては CDM(クリーン 開 発 メカニズム)ではなく ゴールドス タンダード(Gold Standard)というボランタリーな 制 度 を 利 用 している ゴールドスタ ンダードは 温 室 効 果 ガスの 削 減 と コミュニティーの 生 活 水 準 向 上 を 両 立 させるような プロジェクトに 対 してクレジットを 認 定 している 2012 年 3 月 9 日 の 記 事 では CDM が 4.4 ユーロ/トンで 取 引 されているところ ゴールドスタンダードではボランタリーな 制 度 にも 関 わらず ユーロ/トンで 取 引 されている vii 写 真 13 Lifestraw viii 本 浄 水 装 置 については 第 一 義 的 にはケニアの 適 応 対 策 への 貢 献 を 目 指 しているが 緩 和 策 としての 可 能 性 も 有 している ケニアにおける 本 浄 水 装 置 の 導 入 後 住 民 の 焚 き 木 利 用 削 減 効 果 を 測 定 し 温 室 効 果 ガスの 削 減 に 寄 与 することを 証 明 できれば クレジット 販 売 による 利 益 を 得 ることも 可 能 となる 33

38 5. 指 標 ( 方 法 論 )とベースラインデータ 5.-1 効 果 測 定 の 方 向 性 本 浄 水 装 置 の 導 入 による 効 果 測 定 については インプット アウトプット アウトカム のアプローチを 検 討 している インプットは 装 置 の 導 入 アウトプットは 装 置 の 導 入 による 効 果 アウトカムは ケニアの 適 応 対 策 に 対 する 貢 献 となる 5.にて 述 べ た 内 容 をベースに 1 失 敗 井 戸 の 再 生 2 工 場 事 業 所 3 無 電 化 地 域 のサファリロッジ ホテル 等 4 学 校 病 院 5 農 業 畜 産 の 分 野 についての 方 法 論 案 を 以 下 に 示 す 現 状 では 適 応 策 としての 評 価 となり 得 ない 可 能 性 のある 項 目 についても 含 んでいる 表 4 本 浄 水 装 置 の 導 入 による 効 果 インプット アウトプット アウトカムアプローチ インプット アウトプット アウトカム 評 価 方 法 水 供 給 率 の 向 上 1-A 1 失 敗 井 戸 の 再 生 / 既 存 井 戸 の 改 良 利 用 可 能 となる 水 の 量 が 増 える 上 水 と 衛 生 施 設 へのアクセスの 向 上 適 切 な 拠 点 数 の 水 のインフラ 開 発 水 起 因 の 疾 病 の 減 少 1-Aおよび 導 入 数 1-Aおよび 導 入 数 4で 評 価 2 工 場 事 業 所 排 水 から 得 られる 中 水 の 量 が 増 える (= 上 水 道 井 戸 からの 利 用 量 削 減 ) 施 設 における 排 水 処 理 量 が 増 える 水 供 給 率 の 向 上 2-A 水 質 悪 化 や 汚 染 からの 保 護 廃 水 の 削 減 電 力 処 理 量 の 削 減 電 力 需 要 の 抑 制 2-B 3 ロッジ ホテル ァリ 排 水 から 得 られる 中 水 の 量 が 増 える (= 河 川 井 戸 からの 利 用 量 削 減 ) 電 力 処 理 量 の 削 減 (グリッド 接 続 エリア 限 定 ) 水 供 給 率 の 向 上 2-A 電 力 需 要 の 抑 制 2-B 4 学 校 病 院 水 起 因 の 病 気 の 減 少 ( 学 校 病 院 への 導 入 効 果 ) 水 起 因 の 疾 病 の 減 少 4-A 上 水 と 衛 生 施 設 へのアクセスの 向 上 1-Aおよび 導 入 数 水 起 因 の 病 気 の 減 少 (1の 導 入 効 果 ) 水 起 因 の 疾 病 の 減 少 4-A 5 農 業 畜 産 1~3により 利 用 可 能 な 水 の 量 が 増 加 農 業 畜 産 部 門 への 水 供 給 量 増 加 1~3の 合 算 5.-2 方 法 論 以 下 で 述 べる 適 応 対 策 の 評 価 方 法 については 基 本 的 に プロジェクト 実 施 前 (ベ ースライン= 現 状 ) プロジェクト 実 施 後 (プロジェクト 効 果 )の 差 分 として 求 める 統 一 したフォームとして 以 下 を 使 用 する 34

39 評 価 方 法 フォーム プロジェクト 実 施 前 (ベースライン) ベースライン: 本 浄 水 装 置 の 導 入 前 の 状 態 / 本 浄 水 装 置 が 導 入 されなかった 場 合 の 状 態 プロジェクト 実 施 後 (プロジェクト 効 果 ) プロジェクト 効 果 : 本 浄 水 装 置 の 導 入 による 効 果 適 応 策 としての 評 価 値 =ベースライン - プロジェクト 効 果 1 失 敗 井 戸 の 再 生 評 価 方 法 1-A Ⅰ 本 浄 水 装 置 の 導 入 によって 利 用 可 能 となる 水 の 量 プロジェクト 実 施 前 ベースライン:0リットル 失 敗 井 戸 は 原 則 として 井 戸 として 利 用 されないために ベースラインは0となる プロジェクト 実 施 後 プロジェクト 効 果 : 本 浄 水 装 置 の 導 入 によって 利 用 可 能 となる 水 の 量 [a] [a] 本 浄 水 装 置 の 導 入 によって 利 用 可 能 となる 水 の 量 = 本 浄 水 装 置 の 導 入 目 標 適 応 策 としての 評 価 値 =ベースライン - プロジェクト 効 果 ベースラインが0のために プロジェクト 効 果 がそのまま 評 価 値 となる 評 価 方 法 1-A Ⅱ 本 浄 水 装 置 の 導 入 によって 安 全 な 水 にアクセスできるようになる 人 プロジェクト 実 施 前 ベースライン:0 人 失 敗 井 戸 は 原 則 として 井 戸 として 利 用 されないために ベースラインは0となる プロジェクト 実 施 後 プロジェクト 効 果 : 本 浄 水 装 置 の 導 入 によって 安 全 な 水 にアクセスできるようになる 人 の 数 = 本 浄 水 装 置 の 導 入 によって 利 用 可 能 となる 水 の 量 [a]/ 日 1 日 に 必 要 な 水 の 量 (リットル/ 人 日 ) 35

40 [a] 本 浄 水 装 置 の 導 入 によって 利 用 可 能 となる 水 の 量 = 本 浄 水 装 置 の 導 入 目 標 1-A Ⅰの[a]と 同 じ 適 応 策 としての 評 価 値 =ベースライン - プロジェクト 効 果 ベースラインが0のために プロジェクト 効 果 がそのまま 評 価 値 となる 2 工 場 事 業 所 評 価 方 法 2-A プロジェクト 実 施 前 ベースライン:0リットル 本 浄 水 装 置 によって 利 用 可 能 となる 水 の 量 を 測 定 するために ベースラインは0となる プロジェクト 実 施 後 プロジェクト 効 果 : 本 浄 水 装 置 の 導 入 により 排 水 から 得 られる 中 水 の 量 = 本 浄 水 装 置 の 導 入 目 標 適 応 策 としての 評 価 値 =ベースライン - プロジェクト 効 果 ベースラインが0のために プロジェクト 効 果 がそのまま 評 価 値 となる 評 価 方 法 2-B プロジェクト 実 施 前 本 浄 水 装 置 の 導 入 により 排 水 から 得 られる 中 水 の 量 (= 代 替 される 中 水 の 量 ) 既 存 の 中 水 利 用 に 必 要 な 消 費 電 力 係 数 (a) (a) 既 存 の 中 水 利 用 に 必 要 な 消 費 電 力 係 数 (@kwh/ 立 方 メートル) = 中 水 利 用 に 必 要 な 電 力 量 (kwh) / 必 要 な 中 水 量 ( 立 方 メートル) プロジェクト 実 施 後 本 浄 水 装 置 の 導 入 により 排 水 から 得 られる 中 水 の 量 (= 代 替 される 中 水 の 量 ) 本 浄 水 装 置 の 使 用 に 必 要 な 消 費 電 力 係 数 (b) (b) 既 存 の 中 水 利 用 に 必 要 な 消 費 電 力 係 数 (@kwh/ 立 方 メートル) = 本 浄 水 装 置 による 排 水 処 理 に 必 要 な 電 力 量 (kwh) / 得 られる 中 水 量 ( 立 方 メートル) 36

41 適 応 策 としての 評 価 値 =プロジェクト 実 施 前 (ベースライン) - プロジェクト 実 施 後 (プロジェクト 効 果 ) 3 無 電 化 地 域 のサファリロッジ ホテル 等 サファリロッジ ホテルへの 導 入 効 果 については 2 工 場 事 業 所 と 同 様 のシステム を 導 入 することを 想 定 しているために 評 価 方 法 2-A と 同 様 となる また サファリ ロッジ ホテルへの 導 入 数 は 2 工 場 事 業 所 に 含 めるものとする 4 学 校 病 院 学 校 病 院 への 本 浄 水 装 置 の 導 入 については システムは1 失 敗 井 戸 の 再 生 と 同 様 で ある また 学 校 病 院 において 既 存 の 井 戸 は 必 ずしも 失 敗 井 戸 ではないが 導 入 数 は1に 含 めるものとする よって 方 法 論 も1 失 敗 井 戸 の 再 生 における 本 浄 水 装 置 の 導 入 によって 利 用 可 能 となる 水 の 量 本 浄 水 装 置 の 導 入 によって 安 全 な 水 にアクセ スできるようになる 人 と 同 様 となる 将 来 的 に 学 校 や 病 院 の 井 戸 またや 雤 水 貯 水 を 対 象 とした 普 及 活 動 を 行 う 場 合 は 1 失 敗 井 戸 の 再 生 との 場 合 分 けが 必 要 となる その 場 合 であっても 方 法 論 は1 失 敗 井 戸 の 再 生 における 本 浄 水 装 置 の 導 入 によって 利 用 可 能 となる 水 の 量 本 浄 水 装 置 の 導 入 によって 安 全 な 水 にアクセスできるようになる 人 と 同 様 となる 本 浄 水 装 置 の 導 入 により 改 善 される 疾 病 罹 患 については 以 下 の 方 法 論 を 用 いる 1 失 敗 井 戸 の 再 生 によってもたらされる 効 果 のうち 飲 料 水 に 起 因 する 疾 病 の 改 善 につ いても 以 下 の 方 法 論 を 用 いる その 理 由 は 疾 病 の 認 定 が 病 院 でなされるためである 評 価 方 法 4-A プロジェクト 実 施 前 本 浄 水 装 置 の 導 入 によって 安 全 な 水 にアクセスできるようになる 人 の 数 飲 料 水 に 起 因 する 疾 病 の 罹 患 率 (a) (a) 飲 料 水 に 起 因 する 疾 病 の 罹 患 率 = 疾 病 患 者 数 ( 人 ) / 疾 病 を 認 定 する 医 療 する 施 設 がカバーする 人 口 ( 人 ) 100% もしくは = 全 国 の 疾 病 患 者 数 ( 人 ) / ケニアの 人 口 ( 人 ) 100% プロジェクト 実 施 後 本 浄 水 装 置 の 導 入 によって 安 全 な 水 にアクセスできるようになる 人 の 数 飲 料 水 に 起 因 する 疾 病 の 罹 患 率 (=0%とする) 37

42 適 応 策 としての 評 価 値 =プロジェクト 実 施 前 (ベースライン) - プロジェクト 実 施 後 (プロジェクト 効 果 ) 5 農 業 畜 産 農 業 畜 産 への 貢 献 については 井 戸 への 本 浄 水 装 置 の 導 入 によって 利 用 となる 水 の 量 および 工 場 事 業 所 への 本 浄 水 装 置 の 導 入 により 利 用 可 能 となる 排 水 由 来 の 中 水 の 和 とする その 理 由 は 本 浄 水 装 置 の 導 入 によって 新 たに 生 じた 利 用 可 能 な 水 は 既 存 の 井 戸 や 河 川 からの 水 使 用 量 を 削 減 することができ 結 果 として 農 業 や 畜 産 に 使 用 できる 水 の 量 が 増 加 するからである 本 浄 水 装 置 の 導 入 による 使 用 量 の 増 加 =1~3における 水 の 使 用 量 の 増 加 の 和 5.-2 ベースラインデータ( 文 献 調 査 ) 以 下 のデータを 文 献 調 査 によって 取 得 している そのままベースデータラインとして 利 用 はできないまでも 脆 弱 性 の 証 明 に 寄 与 するものもある 取 得 したデータについて 以 下 の 表 にて 整 理 を 行 った 調 査 全 体 1 失 敗 井 戸 の 再 生 2 工 場 事 業 所 3 無 電 化 地 域 のサファリロッジ ホテル 等 4 学 校 病 院 5 農 業 畜 産 の 5 分 野 において 脆 弱 性 の 証 明 に 使 用 できるものを 参 考 になるものを 何 らかの 関 連 があるものを として 整 理 を 行 った 当 データについて 使 用 できるものは7. 成 果 において 算 出 する 本 浄 水 装 置 の 適 応 対 策 の 評 価 にて 示 す 38

43 表 5 文 献 調 査 による ベースラインデータ 取 得 に 関 連 するデータ 全 体 1 失 敗 井 戸 の 再 生 気 候 変 動 / 脆 弱 性 の 証 明 3 無 電 化 地 域 のサ 2 工 場 ファリ 事 業 所 ロッジ ホテル 等 4 学 校 病 院 ケニア 人 口 ( ケニア 統 計 ) ケニアGDP 成 長 率 ( ケニア 統 計 ) 学 校 の 数 ( ケニア 統 計 ) 学 校 入 学 者 数 ( ケニア 統 計 ) 製 造 業 生 産 高,GDP( ケニア 統 計 ) ホテル レストランGDP( ケニア 統 計 ) 気 象 データ( 世 界 銀 行 ) 月 別 平 均 降 雤 量, 平 均 気 温 ( 世 界 銀 行 ) 月 別 予 想 平 均 降 雤 量, 予 想 平 均 気 温 ( 世 界 銀 行 ) 災 害 デ ー タ ベ ー ス ( The OFDA/CRED International Disaster Database) 5 歳 以 下 死 亡 原 因 (2008 WHO) 新 生 児,5 歳 以 下 死 亡 率 ( WHO) 新 生 児 死 亡 原 因 (2008 WHO) 全 年 齢 障 害 調 整 生 命 年 (2004 WHO) 3 歳 以 下 障 害 調 整 生 命 年 (2004 WHO) 死 亡 原 因, 死 亡 率 (2008 WHO) 年 齢 別 死 亡 原 因, 年 齢 別 死 亡 率 (2008 WHO) コレラ 死 亡 数 ( WHO) コレラ 死 亡 率 ( WHO) コレラ 発 生 数 ( WHO) マラリア 発 生 数 (WHO) マラリア 死 亡 数 (WHO) 1 歳 以 下 死 亡 率 (1993,2003 WHO) 住 宅 地 1 歳 以 下 死 亡 率 (1993,2003 WHO) 都 市 部 の 経 済 力 別 の1 歳 以 下 死 亡 率 (1993,2003 WHO) 住 宅 地 5 歳 以 下 死 亡 率 (2003 WHO) 都 市 部 の 経 済 力 別 の5 歳 以 下 死 亡 率 (2003 WHO) 5 歳 以 下 原 因 別 死 亡 率 (2010 WHO) 水 に 起 因 する 子 供 の 死 亡 (2004 WHO) 水 に 起 因 する 死 亡 (2004 WHO) 水 を 使 用 できる 人 口 ( WHO) 都 市 部 の 経 済 力 別 の 水 アクセス 可 能 人 口 率 (1993,2003 WHO) 農 村 部 水 アクセス 人 口 率 (1993,2003 WHO) 医 療 機 関 の 人 口 あたりの 数 (2010 WHO) 現 在 の 水 使 用 量 と 需 要 予 測 ( 業 種 別 農 村 or 都 市 )( NWMP[National Water Master Plan]) 地 表 と 地 下 の 水 源 ポテンシャル(1992 NWMP) 地 下 水 穴 の 用 途 別 数 量 (NWMP) 農 村 部 の 水 源 (1992 NWMP) = 直 接 証 明 できる = 参 考 になる = 関 連 がある 5 農 業 畜 産 5.-3 ベースラインデータ( 現 地 取 得 ) 本 浄 水 装 置 の 導 入 検 討 を 行 うにあたり 必 要 と 考 えられるデータ および 適 応 策 への 貢 献 度 を 測 定 するためのパラメータとして 以 下 を 設 定 し データの 取 得 についてのヒアリン グ 調 査 を 実 施 した その 結 果 データのソースは 推 測 できたが 実 際 にデータを 取 得 する ことが 困 難 であることも 判 明 した 困 難 な 理 由 の 一 つは データソースがヒアリングに 基 39

44 づくものであるために 実 際 にデータがあるか 否 かについては 見 極 めができていない 点 に ある もう 一 つの 理 由 は これらのデータへのアクセスが 限 定 されており 調 査 カウンタ ーパートからの 推 薦 状 を 入 手 した 上 で 各 施 設 などにデータの 影 響 を 依 頼 する 必 要 があ る これには 費 用 と 時 間 のコストが 必 要 となる 一 方 ケニアにおける 適 応 策 の 評 価 ならびに 適 応 策 の 問 題 抽 出 を 実 施 するには これ らのデータ 取 得 や 整 備 についてのキャパシティービルディングを 行 うことが 必 要 である 表 6 本 浄 水 装 置 の 導 入 検 討 適 応 策 としての 評 価 に 必 要 なデータ 効 果 評 価 項 目 ( 案 ) 単 位 データソース 結 果 1 井 戸 からの 利 用 可 能 水 量 増 加 水 を 使 用 できる 人 口 (アクセ ス 人 口 )( 都 市 地 方 ) % WHO 水 灌 漑 省 本 浄 水 装 置 による 利 用 可 能 水 量 とする 2 井 戸 水 の 利 用 水 質 改 善 井 戸 水 の 水 質 - 水 灌 漑 省 (ヒアリンク ) 水 灌 漑 省 より 水 質 基 準 データ 取 得 個 別 の 施 設 ヒアリン 3 罹 患 率 の 減 尐 水 に 起 因 する 病 気 の 人 数 (マ ラリア 下 痢 ) 人 病 院 (ヒアリンク モニタ リンク ) 健 康 省 統 計 局 グが 必 要 マクロデータとし て コレラ 発 生 数 を 取 得 死 亡 率 ( 全 体 5 歳 以 下 ) % WHO UNICEF WHO より 取 得 4 死 亡 率 の 減 尐 水 に 起 因 する 死 亡 率 ( 全 体 5 歳 以 下 ) % WHO UNICEF WHO より 取 得 5 工 場 事 業 所 にお ける 中 水 利 用 可 能 量 の 増 加 浄 水 装 置 の 処 理 水 量 導 入 工 場 事 業 所 数 m 3 処 理 水 量 : 工 場 (ヒ アリンク モニタリンク ) 国 内 全 工 場 事 業 所 数 : 統 計 局 (ヒアリ ンク ) 水 供 給 規 制 委 員 会 インパクトレー ト 施 設 へのヒアリング を 実 施 水 供 給 規 制 委 員 会 インパクトレポー ト に 関 連 情 報 が 記 載 されている 可 能 性 あり 6 工 場 事 業 所 にお ける 浄 水 エネルギ ー コストの 削 減 従 来 の 浄 水 装 置 にかかった エネルギー/コスト 本 浄 水 装 置 にかかったエネルギー /コスト kwh / ksh 工 場 (ヒアリンク モニタ リンク ) 施 設 へのヒアリング を 実 施 40

45 7ロッジ ホテルに おける 中 水 利 用 可 能 量 の 増 加 浄 水 装 置 の 処 理 水 量 導 入 ロッジ ホテル 数 m 3 ロッジ ホテル(ヒ アリンク モニタリンク ) 観 光 省 ホテル 協 会 本 浄 水 装 置 による 利 用 可 能 水 量 とする また ホテル 協 会 よ り ホテル 数 データ を 取 得 8ロッジ ホテルに おける 浄 水 エネルギ ー コストの 削 減 従 来 の 浄 水 装 置 にかかった エネルギー/コスト 本 浄 水 装 置 にかかったエネルギー /コスト kwh / ksh ロッジ ホテル(ヒ アリンク モニタリンク ) ホテル 協 会 個 別 施 設 へのヒアリ ング( 追 加 ヒアリン グが 必 要 ) 処 理 水 量 : 病 院 (ヒ アリンク モニタリンク ) 9 病 院 における 利 用 可 能 水 量 増 加 浄 水 装 置 の 処 理 水 量 導 入 病 院 数 m 3 国 内 全 病 院 数 : 統 計 局 (ヒアリンク ) 本 浄 水 装 置 による 利 用 可 能 水 量 とする 健 康 省 医 療 サー ビス 賞 病 院 (ヒアリンク モニタ 10 病 院 における 衛 生 状 態 の 改 善 入 院 患 者 のうち 水 に 起 因 し て 悪 化 した 病 人 の 人 数 人 リンク ) 健 康 省 公 衆 衛 生 省 医 療 サービス 追 加 ヒアリングが 必 要 賞 処 理 水 量 : 学 校 (ヒ 11 学 校 における 利 用 可 能 水 量 増 加 浄 水 装 置 の 処 理 水 量 導 入 学 校 数 m 3 アリンク モニタリンク ) 国 内 全 学 校 数 : 統 計 局 (ヒアリンク ) 本 浄 水 装 置 による 利 用 可 能 水 量 とする 教 育 省 UNICEF 病 院 (ヒアリンク モニタ 12 学 校 における 衛 生 状 態 の 改 善 通 学 者 のうち 水 に 起 因 する 病 気 の 人 数 (マラリア 下 痢 ) 人 リンク ) 公 衆 衛 生 省 追 加 ヒアリングが 必 要 UNICEF 13 農 業 畜 産 におけ る 中 水 利 用 可 能 量 の 増 加 他 セクターにおける 浄 水 量 (= 農 業 畜 産 にて 利 用 可 能 となった 水 量 ) m 農 業 省 国 家 灌 漑 委 員 会 の 合 算 とする 41

46 5.-4 使 用 するベースラインデータ 5.-3 および 5.-4 にて 収 集 したベースラインデータより 以 下 のデータを 本 浄 水 装 置 の 導 入 効 果 の 定 量 評 価 に 用 いる 表 6 は ナイロビの 工 場 へのヒアリングから 算 出 した 排 水 処 理 に 必 要 な 電 力 用 と 中 水 利 用 に 必 要 な 電 力 量 である 表 7 ナイロビにおける 工 場 へのヒアリング 結 果 から 算 出 した 排 水 処 理 中 水 利 用 に 必 要 な 電 力 量 施 設 における 既 存 浄 水 装 既 存 浄 水 装 置 によ 既 存 浄 水 装 置 に 使 用 する 全 使 用 水 量 置 に よ る 浄 る 浄 水 にかかるエ よる 浄 水 にかか データ 工 場 事 業 所 事 業 内 容 ( 必 要 な 浄 水 水 量 ( 上 水 用 ネルギー るコスト( 電 力 以 量 の 割 合 ) / 中 水 用 ) 外 含 む) (1)Power Technics Ltd. 産 業 用 制 御 機 器 組 立 / 電 気 設 備 施 工 m3/ 月 m3/ 月 KSH/ 月 1, ( 中 水 ) 764kWh/ 月 45,258 排 水 処 理 に 必 要 な 電 力 量 3.5kWh/ 月 (2)Brookside 乳 製 品 メー 30,000 浄 水 処 理 288,000kWh/ 月 浄 水 処 理 なし 中 水 利 用 に 必 Dairy Ltd. カー なし 10,000L/ 月 (ディーゼル) 要 な 電 力 量 9.6kWh 飲 料 水 に 起 因 する 疾 患 率 については マクロデータおよび 聞 き 取 り 調 査 を 基 にして 算 定 を 行 った 本 浄 水 装 置 の 導 入 による 貢 献 効 果 を 定 量 的 に 示 すために 用 いることができるパラ メータは 以 下 の 3 つである マクロデータの 活 用 によって 下 痢 に 起 因 する 死 亡 率 5 歳 未 満 の 下 痢 に 起 因 する 死 亡 率 を 算 定 することができた カロレニの Gotani Dispensary におけるマクロデータからは 下 痢 の 罹 患 率 を 求 めることができた ただし マクロデータには 比 較 的 安 全 な 水 へのアクセスが 良 好 な 都 市 部 のデータが 含 まれ ており 本 浄 水 装 置 の 導 入 地 域 における 被 害 はこの 数 字 よりも 深 刻 である 可 能 性 がある ま た ミクロデータについては カロレニの 特 定 の 診 療 所 のデータである 点 には 注 意 が 必 要 で ある また 5 歳 未 満 の 下 痢 に 起 因 する 死 亡 率 については 複 数 の 年 度 が 異 なるデータ を 基 に 算 定 したために 下 痢 に 起 因 する 死 亡 率 と 整 合 性 が 取 れていない 下 痢 に 起 因 す る 死 亡 率 をより 信 頼 性 が 高 いものとし 5 歳 未 満 の 下 痢 に 起 因 する 死 亡 率 については 参 考 値 として 評 価 を 行 う 42

47 表 8 マクロデータから 算 出 した 下 痢 による 死 亡 率 下 痢 に 起 因 する 死 亡 率 (%) 0.1% 人 口 ( 人 ) 38,765,310 全 死 亡 者 ( 人 ) 1,421,890 下 痢 に 起 因 する 死 亡 者 ( 人 ) 56,982 WHO "Age-standardized death rates per 100,000 by cause, sex and Member State" 歳 未 満 の 下 痢 に 起 因 する 死 亡 率 (%) 1.7% WHO "Empirical data for neonatal 5 歳 未 満 の 死 亡 率 (%) 8.2% mortality estimates",2005 WHO "Estimated deaths by cause 5 歳 未 満 の 死 亡 者 のうち 下 痢 に 起 因 する 率 20.5% among children aged <5 years", (%) 歳 未 満 の 下 痢 に 起 因 する 死 亡 率 については 複 数 年 度 の 異 なるデータを 使 用 している ために 参 考 値 として 使 用 する 表 9 カロレニの Gotani Dispensary のデータから 算 出 した 下 痢 の 罹 患 率 下 痢 の 罹 患 率 4.2% カバー 人 口 ( 人 ) 下 痢 の 患 者 数 ( 人 / 年 ) 43,333 カロレニ Gotani Dispensary の 統 計 1,836 カロレニ Gotani Dispensary の 統 計 上 記 5.-2 ならびに5.-3 で 得 られたデータ 本 浄 水 装 置 の 導 入 目 標 より パラメータ を 設 定 し 5.-1 の 方 法 論 に 投 入 することで 本 浄 水 装 置 の 導 入 による 適 応 策 としての 効 果 を 算 定 する 算 定 については 6.-2 で 実 施 する 43

48 6. 適 応 策 において 今 後 見 込 める 成 果 適 応 対 策 において 今 後 見 込 める 成 果 6.-1 事 業 展 開 について これまでの 調 査 で フッ 素 含 有 など 地 下 水 の 水 質 に 地 域 差 がかなりあること 特 に 乾 季 において 消 毒 のニーズが 高 いことが 判 明 している そのため 水 質 に 応 じてユニットを 組 み 替 え 最 適 なソリューションを 提 供 する 必 要 がある 本 浄 水 装 置 の 事 業 展 開 については 在 ケニア 日 本 大 使 館 ケニア 政 府 から 高 い 関 心 を 寄 せられており アドバイスなどもいただくことができた 在 ケニア 日 本 大 使 館 からは 草 の 根 無 償 協 力 によるプロトタイプの 早 期 導 入 の 働 きかけをいただいており 次 年 度 での 実 現 に 向 けて 浄 水 器 の 作 りこみを 進 める 設 置 場 所 については ケニア 側 の 意 向 を 汲 み 取 り 今 後 検 討 を 行 う また 現 地 企 業 であるパワーテクニクス 社 と 協 力 関 係 を 構 築 することで 合 意 できた 当 面 はメンテナンスやマーケティング 面 での 協 力 が 中 心 となるが 近 い 将 来 の 生 産 委 託 を 検 討 していく 本 浄 水 装 置 の 普 及 については 二 通 りのシステムによる 事 業 展 開 が 考 えられる 一 つは 井 戸 と 学 校 病 院 を 対 象 とした 無 電 化 地 域 における 井 戸 へのソリューション 提 供 ( 提 案 ソリューション1) もう 一 つは 事 業 所 工 場 およびホテル サファリロッジを 対 象 とし た 事 業 所 へのソリューション 提 供 ( 提 案 ソリューション2)である 表 10 において それぞれのソリューションによる 処 理 量 金 額 の 見 通 しを 示 す 以 下 7.-2 では この 二 つのソリューションの 導 入 によって 見 込 まれる 適 応 対 策 への 貢 献 度 を 定 量 的 に 評 価 する 表 10 事 業 見 通 し( 処 理 量 金 額 ) 13 年 度 14 年 度 15 年 度 16 年 度 塩 分 除 去 提 案 システム1 フッ 素 除 去 提 案 システム2 合 計 処 理 量 (m 3 / 日 ) 売 上 金 額 ( 百 万 円 ) 処 理 量 (m 3 / 日 ) 売 上 金 額 ( 百 万 円 ) 処 理 量 (m 3 / 日 ) 565 1,282 1,913 売 上 金 額 ( 百 万 円 ) 2,262 5,129 7,650 処 理 量 (m 3 / 日 ) ,032 3,413 売 上 金 額 ( 百 万 円 ) 37 2,532 5,804 9, 温 暖 化 適 応 策 としての 評 価 7.-1 で 整 理 を 行 った 2016 年 度 までの 事 業 展 開 方 針 に 則 り その 適 応 策 としての 評 価 インパクトを 明 らかにしたい 事 業 展 開 を 行 うのは 表 9 にある 通 り 提 案 システム1 井 戸 を 対 象 としたシステム 導 入 ( 失 敗 井 戸 43 学 校 病 院 が 対 象 ) 提 案 システム2 事 業 所 を 44

49 対 象 としたシステム 導 入 ( 事 業 所 およびサファリロッジ/ホテルが 対 象 )となり それぞ れについて 4. 調 査 結 果 適 応 評 価 に 関 する 課 題 や 5. 指 標 ( 方 法 論 )とベース ラインデータ にて 議 論 した 方 法 論 や 評 価 方 法 に 事 業 計 画 にある 数 値 を 投 入 すること で 適 応 対 策 としてのインパクトを 定 量 評 価 する 表 11 にて 適 応 対 策 としてのインパクトを 一 覧 表 にまとめた 以 下 では 個 別 の 評 価 手 法 について 述 べる 5.でも 指 摘 したが マクロデータについては 複 数 の 年 度 が 異 な るデータを 用 いたために 整 合 性 が 取 れないものもある 統 計 データの 入 手 手 法 につい ては 今 後 の 課 題 となる 表 11 本 浄 水 装 置 の 導 入 による 適 応 策 としての 貢 献 項 目 提 案 システム1 井 戸 を 対 象 としたシステム 導 入 利 用 可 能 となる 水 の 量 ( 失 敗 井 戸 学 校 病 院 が 対 象 ) 安 全 な 水 にアクセスできるようになる 人 口 1,200 立 方 メートル/ 日 438,000, 立 方 メートル/ 年 60,000 人 ~600,000 人 下 痢 に 起 因 する 死 亡 者 の 減 少 5 歳 未 満 の 下 痢 に 起 因 する 死 亡 者 の 減 少 下 痢 罹 患 者 の 減 少 60 人 ~600 人 180 人 ~1,800 人 複 数 年 度 のデータから 算 出 した 参 考 値 2,520 人 ~25,200 人 提 案 システム2 事 業 所 を 対 象 としたシステム 導 入 ( 事 業 所 およびサファリロッジ/ホテルが 対 象 ) 排 水 由 来 の 中 水 利 用 量 の 増 加 排 水 処 理 および 中 水 利 用 にかかる 電 力 使 用 量 の 削 減 45,900 立 方 メートル/ 月 550,800 立 方 メートル/ 年 491,130kWh/ 月 5,893,560kWh/ 年 提 案 システム1 井 戸 を 対 象 としたシステム 導 入 ( 失 敗 井 戸 学 校 病 院 が 対 象 ) 評 価 方 法 1-A Ⅰ 本 浄 水 装 置 の 導 入 によって 利 用 可 能 となる 水 の 量 シナリオ 井 戸 に 本 浄 水 装 置 を 導 入 することで 安 全 な 水 の 供 給 量 が 増 加 する プロジェクト 実 施 前 ベースライン:0リットル/ 日 安 全 ではない 井 戸 水 に 本 浄 水 装 置 を 導 入 するために ベースラインは0リットルとなる プロジェクト 実 施 後 プロジェクト 効 果 :1,200,000 リットル/ 日 438,000,000 リットル/ 年 45

50 式 本 浄 水 装 置 の 導 入 によって 利 用 可 能 となる 水 の 量 [a] [a] 本 浄 水 装 置 の 導 入 によって 利 用 可 能 となる 水 の 量 = 本 浄 水 装 置 の 導 入 目 標 - 表 9 の 塩 分 除 去 フッ 素 除 去 を 目 的 とした 目 標 処 理 量 の 合 算 :1,500,000 リットル/ 日 1) - 本 浄 水 装 置 による 水 のロス 率 :20% 2) 合 計 1) (100%- 2))=1,200,000 リットル/ 日 [a] 適 応 策 としての 評 価 値 本 浄 水 装 置 による 安 全 な 水 の 供 給 能 力 :1,200,000 リットル/ 日 438,000,000 リット ル/ 年 =ベースライン - プロジェクト 効 果 ベースラインが0のために プロジェクト 効 果 がそのまま 評 価 値 となる 評 価 方 法 1-A Ⅱ 本 浄 水 装 置 の 導 入 によって 安 全 な 水 にアクセスできるようになる 人 シナリオ 井 戸 に 本 浄 水 装 置 を 導 入 することで 安 全 な 水 にアクセスできる 人 の 数 が 増 加 する プロジェクト 実 施 前 ベースライン:0 人 安 全 ではない 井 戸 水 に 本 浄 水 装 置 を 導 入 するために ベースラインは0 人 となる プロジェクト 実 施 後 プロジェクト 効 果 :60,000 人 ~600,000 人 式 本 浄 水 装 置 の 導 入 によって 利 用 可 能 となる 水 の 量 [a]/ 日 1 日 に 必 要 な 水 の 量 (リットル/ 人 日 )[b] [a] 本 浄 水 装 置 の 導 入 によって 利 用 可 能 となる 水 の 量 = 本 浄 水 装 置 の 導 入 目 標 評 価 方 法 1-A Ⅱより=1,200,000 リットル/ 日 [b] 1 日 に 必 要 な 水 の 量 (リットル/ 人 日 ) 2~20 リットル/ 人 日 日 本 国 環 境 省 UNDP 資 料 より ix [a] [b]=60,000 人 ~600,000 人 46

51 適 応 策 としての 評 価 値 本 浄 水 装 置 の 導 入 によって 安 全 な 水 にアクセスできるようになる 人 :60,000 人 ~600,000 人 =ベースライン - プロジェクト 効 果 ベースラインが0のために プロジェクト 効 果 がそのまま 評 価 値 となる 評 価 方 法 4-A 提 案 システム1で 解 決 できるのは 塩 分 の 除 去 と フッ 素 の 除 去 である しかしながら 塩 分 フッ 素 による 健 康 被 害 については 利 用 できるマクロデータ ミクロデータが 存 在 していない 塩 分 被 害 フッ 素 被 害 のある 地 域 においては 不 衛 生 な 飲 料 水 による 被 害 も 発 生 していると 考 えられるために 安 全 ではない 飲 料 水 による 被 害 として 下 痢 を 対 象 と して 適 応 策 としての 評 価 を 行 う 本 浄 水 装 置 の 導 入 効 果 については 既 出 の 国 際 機 関 やケニア 共 和 国 の 統 計 を 利 用 したマ クロデータを 利 用 した 前 述 のように 5 歳 未 満 の 下 痢 に 起 因 する 死 亡 率 については 複 数 の 年 度 が 異 なるデータを 利 用 していることもあり 算 出 値 は 一 つの 目 安 として 考 え る 必 要 がある シナリオ1 本 浄 水 装 置 の 導 入 により 下 痢 に 起 因 する 死 亡 者 が 減 尐 する ( 本 浄 水 装 置 による 安 全 な 水 を 飲 用 すると 下 痢 の 発 生 率 が 0%になると 仮 定 ) プロジェクト 実 施 前 ベースライン:60 人 ~600 人 式 本 浄 水 装 置 の 導 入 によって 安 全 な 水 にアクセスできるようになる 人 の 数 [a] 下 痢 に 起 因 する 死 亡 率 [b] [a] 60,000 人 ~600,000 人 評 価 方 法 1-A Ⅱ より [b] 下 痢 に 起 因 する 死 亡 率 :0.1% 表 7 マクロデータから 算 出 した 下 痢 による 死 亡 率 より ] 下 痢 に 起 因 する 死 亡 率 :0.1% プロジェクト 実 施 後 プロジェクト 効 果 :0 人 式 本 浄 水 装 置 の 導 入 によって 安 全 な 水 にアクセスできるようになる 人 の 数 下 痢 に 起 因 する 死 亡 率 (=0%とする) 適 応 策 としての 評 価 値 本 浄 水 装 置 の 導 入 によって 減 尐 する 下 痢 に 起 因 する 死 亡 者 :60 人 ~600 人 =プロジェクト 実 施 前 (ベースライン) - プロジェクト 実 施 後 (プロジェクト 効 果 ) 47

52 シナリオ2 本 浄 水 装 置 の 導 入 により 5 歳 未 満 の 下 痢 に 起 因 する 死 亡 者 が 減 尐 する ( 本 浄 水 装 置 による 安 全 な 水 を 飲 用 すると 下 痢 の 発 生 率 が 0%になると 仮 定 ) プロジェクト 実 施 前 ベースライン:180 人 ~1,800 人 式 本 浄 水 装 置 の 導 入 によって 安 全 な 水 にアクセスできるようになる 人 の 数 [a] 全 死 亡 者 数 における 5 歳 未 満 の 下 痢 に 起 因 する 死 亡 率 [b] [a] 60,000 人 ~600,000 人 評 価 方 法 1-A Ⅱ より [b] 全 死 亡 者 数 における 5 歳 未 満 の 下 痢 に 起 因 する 死 亡 率 :0.3% プロジェクト 実 施 後 プロジェクト 効 果 :0 人 式 本 浄 水 装 置 の 導 入 によって 安 全 な 水 にアクセスできるようになる 人 の 数 全 死 亡 者 数 における 5 歳 未 満 の 下 痢 に 起 因 する 死 亡 率 (=0%とする) 適 応 策 としての 評 価 値 本 浄 水 装 置 の 導 入 によって 減 尐 する 5 歳 未 満 の 下 痢 に 起 因 する 死 亡 者 :180 人 ~1,800 人 =プロジェクト 実 施 前 (ベースライン) - プロジェクト 実 施 後 (プロジェクト 効 果 ) シナリオ3 本 浄 水 装 置 の 導 入 により 下 痢 の 罹 患 者 が 減 尐 する ( 本 浄 水 装 置 による 安 全 な 水 を 飲 用 すると 下 痢 の 発 生 率 が 0%になると 仮 定 ) プロジェクト 実 施 前 ベースライン:2,520 人 ~25,200 人 式 本 浄 水 装 置 の 導 入 によって 安 全 な 水 にアクセスできるようになる 人 の 数 [a] 下 痢 の 罹 患 率 [b] [a] 60,000 人 ~600,000 人 評 価 方 法 1-A Ⅱ より [b] 下 痢 の 罹 患 率 :4.2% 48

53 プロジェクト 実 施 後 プロジェクト 効 果 :0 人 式 本 浄 水 装 置 の 導 入 によって 安 全 な 水 にアクセスできるようになる 人 の 数 下 痢 の 罹 患 率 (=0%とする) 適 応 策 としての 評 価 値 本 浄 水 装 置 の 導 入 によって 減 尐 する 下 痢 の 罹 患 者 :2,520 人 ~25,200 人 =プロジェクト 実 施 前 (ベースライン) - プロジェクト 実 施 後 (プロジェクト 効 果 ) 提 案 システム2 事 業 所 を 対 象 としたシステム 導 入 ( 事 業 所 およびサファリロッジ/ホテル が 対 象 ) 評 価 方 法 2-A シナリオ 当 浄 水 装 置 の 導 入 により 排 水 由 来 の 中 水 利 用 量 が 増 加 する プロジェクト 実 施 前 ベースライン:0 立 方 メートル 当 浄 水 装 置 によって 利 用 可 能 となる 水 の 量 を 測 定 するために ベースラインは0となる プロジェクト 実 施 後 プロジェクト 効 果 :45,900 立 方 メートル/ 月 550,800 立 方 メートル/ 年 式 本 浄 水 装 置 の 導 入 により 排 水 から 得 られる 中 水 の 量 = 本 浄 水 装 置 の 導 入 目 標 [a] [a] 本 浄 水 装 置 の 導 入 によって 利 用 可 能 となる 水 の 量 = 本 浄 水 装 置 の 導 入 目 標 - 本 浄 水 装 置 による 排 水 処 理 による 中 水 の 処 理 能 力 :1,913 立 法 メートル/ 日 - 本 浄 水 装 置 の 水 ロス 率 :20% 合 計 1) (100%- 2)) 30 日 =45,900 立 方 メートル [a] 適 応 策 としての 評 価 値 本 浄 水 装 置 の 導 入 により 増 加 する 排 水 由 来 の 中 水 利 用 量 :45,900 立 方 メートル/ 月 550,800 立 方 メートル/ 年 =ベースライン - プロジェクト 効 果 ベースラインが0のために プロジェクト 効 果 がそのまま 評 価 値 となる 49

54 評 価 方 法 2-B シナリオ 本 浄 水 装 置 の 導 入 により 排 水 処 理 にかかる 電 力 使 用 量 中 水 利 用 にかかる 電 力 使 用 量 が 減 尐 する プロジェクト 実 施 前 ベースライン:601,290kWh/ 月 式 本 浄 水 装 置 の 導 入 により 排 水 から 得 られる 中 水 の 量 (= 代 替 される 中 水 の 量 ) [a] ( 既 存 の 排 水 処 理 に 必 要 な 消 費 電 力 係 数 [b] + 既 存 の 中 水 利 用 に 必 要 な 消 費 電 力 係 数 [c]) [a] 本 浄 水 装 置 の 導 入 により 排 水 から 得 られる 中 水 の 量 :45,900 立 方 メートル/ 月 [b] 既 存 の 排 水 処 理 に 必 要 な 消 費 電 力 係 数 :3.5kWh/ 立 方 メートル [c] 既 存 の 中 水 利 用 に 必 要 な 消 費 電 力 係 数 :9.6kWh/ 立 方 メートル プロジェクト 実 施 後 プロジェクト 効 果 :110,160kWh/ 月 式 本 浄 水 装 置 の 導 入 により 排 水 から 得 られる 中 水 の 量 (= 代 替 される 中 水 の 量 ) [a] 本 浄 水 装 置 による 排 水 処 理 に 必 要 な 消 費 電 力 係 数 [b] [a] 本 浄 水 装 置 の 導 入 により 排 水 から 得 られる 中 水 の 量 :45,900 立 方 メートル/ 月 [b] 本 浄 水 装 置 による 排 水 処 理 に 必 要 な 消 費 電 力 係 数 :2.4kWh/ 立 方 メートル 適 応 策 としての 評 価 値 本 浄 水 装 置 の 導 入 により 削 減 される 排 水 処 理 および 中 水 利 用 にかかる 電 力 使 用 量 :491,130kWh/ 月 5,893,560kWh/ 年 =ベースライン 601,290kWh/ 月 - プロジェクト 効 果 110,160kWh/ 月 50

55 2) 気 候 変 動 の 影 響 による 砂 漠 荒 廃 地 の 農 地 化 緑 化 推 進 に 向 けた 実 現 可 能 性 調 査 事 業 ( 東 レ) 平 成 24 年 度 途 上 国 における 適 応 対 策 への 我 が 国 企 業 の 貢 献 可 視 化 に 向 けた 実 現 可 能 性 調 査 事 業 最 終 報 告 書 コンソーシアム 名 または 企 業 団 体 名 事 業 名 東 レ ミツカワ ネタフィム 南 アフリカ 砂 漠 緑 化 推 進 気 候 変 動 の 影 響 による 砂 漠 荒 廃 地 の 農 地 化 緑 化 推 進 に 向 けた 実 現 可 能 性 調 査 事 業 1. 本 事 業 の 目 的 0- 事 業 の 目 的 南 アフリカ 共 和 国 ' 以 下 南 アフリカ(は アフリカ 最 大 の 経 済 大 国 でありBRICSの 一 員 として 経 済 成 長 国 と 見 なされているが 人 口 の 10%に 満 たない 白 人 が 経 済 の 実 権 を 握 る 格 差 の 大 きい 国 であり 経 済 成 長 の 陰 で 他 のアフリカ 諸 国 同 様 の 食 料 不 足 貧 困 公 害 の 問 題 を 抱 えている その 問 題 解 決 の 手 段 として 提 案 する 技 術 が サンドチューブ' 以 下 ST( ロールプランター' 以 下 RP( 点 滴 灌 漑 (Drip Irrigation 以 下 DI)による 砂 漠 荒 廃 地 の 農 地 化 緑 化 である 本 事 業 の 目 的 は これらの 技 術 の 農 地 化 緑 化 効 果 の 実 証 農 地 化 緑 化 による 上 記 問 題 解 決 及 び 上 記 技 術 導 入 の 事 業 性 について FSを 実 施 することである 1- 事 業 モデル 南 アフリカに 販 売 代 理 店 をおき RP DI 機 材 を 販 売 するモデルを 想 定 する ST は 強 風 地 域 での 農 地 化 緑 化 向 けオプション 販 売 と 位 置 付 ける '0( 砂 漠 荒 廃 地 の 食 料 用 農 地 化 RP DI 'ST( 機 材 の 製 造 販 売 南 ア 販 売 代 理 店 顧 客 東 レ.ミツカワ ネタフィム 在 南 アの パートナー 会 社 融 資 援 助 土 地 銀 行 NGO 等 農 協 農 家 '1( 砂 漠 荒 廃 地 の 産 業 用 農 地 化 及 び 緑 地 化 RP DI 'ST( 機 材 の 製 造 販 売 東 レ.ミツカワ ネタフィム 南 ア 販 売 代 理 店 在 南 アの パートナー 会 社 顧 客 鉱 山 会 社 51

56 2- 導 入 する 技 術 内 容 '0(RP'PLA ロールプランター(9 東 レ.ミツカワの 技 術 生 分 解 性 繊 維 のポリ 乳 酸 'PLA( 繊 維 の 筒 状 編 地 を 用 いた 植 生 基 盤 砂 地 荒 廃 地 などの 農 業 不 適 地 域 でも 筒 状 編 地 に 土 * 堆 肥 等 を 充 填 して 並 列 に 設 置 し 畝 ' 凹 部 (に 種 / 苗 を 植 えることで 植 物 を 生 育 さ せることができ 農 地 化 や 緑 化 適 地 の 拡 大 が 可 能 となる 写 真 0は 2011 年 の 南 アフリカに 於 ける 小 規 模 植 生 試 験 で コンクリート 上 でメイズ'トウモロコシ(を 収 穫 し RP の 効 果 を 確 認 した また 原 料 のポリ 乳 酸 はバイオマス 由 来 材 料 であり 従 来 の 石 油 由 来 繊 維 'PET PP 等 (と 比 較 して 石 油 資 源 の 節 約 や CO2 排 出 量 削 減 などの 環 境 負 荷 低 減 効 果 がある また 土 中 の 微 生 物 よって 設 置 後 5 ~10 年 程 度 で 生 分 解 される 特 徴 がある ; 写 真 年 RP による 小 規 模 植 生 試 験 ' 南 アフリカ(> '1(ST'PLA サンドチューブ(9 東 レ.ミツカワの 技 術 生 分 解 性 繊 維 のポリ 乳 酸 'PLA( 繊 維 の 筒 状 編 地 を 用 いた 砂 移 動 防 止 基 盤 風 による 砂 移 動 を 押 さえる ことで 砂 漠 化 進 行 を 抑 制 することができ 農 地 への 砂 移 動 を 防 止 することができる ST による 砂 移 動 防 止 効 果 は 中 国 の 内 モンゴル 自 治 区 などで 2007 年 から 実 証 実 験 を 実 施 しており 砂 移 動 防 止 効 果 が 高 い ことを 確 認 している 写 真 1は 中 国 内 モンゴル 自 治 区 実 験 地 で ST により 砂 漠 固 定 後 緑 化 した 例 ; 写 真 19ST による 砂 漠 固 定 実 験 ' 中 国 内 モンゴル 自 治 区 (> 07 年 7 月 08 年 9 月 '2(DI' 点 滴 灌 漑 (9ネタフィムの 技 術 ネタフィム 社 が 開 発 した 潅 水 システム ポリエチレンチューブに 一 定 の 間 隔 で 点 滴 口 があいており そこ からゆっくりと 一 定 の 流 量 で 水 が 出 る 畑 の 畝 に 沿 って 敷 設 して 使 用 される 点 滴 口 の 内 側 には 吐 出 量 を 均 一 にするため 射 出 成 型 によって 精 密 に 作 られたドリッパーが 埋 め 込 まれており 畑 の 長 い 畝 に 均 一 な 灌 水 をすることが 可 能 となる 同 システムは 必 要 な 時 に 必 要 な 水 と 肥 料 を 点 滴 によってゆっくりと 与 えることができ 1 水 と 肥 料 の 利 用 効 果 が 高 まる 2 植 物 の 生 育 がよくなる 3 肥 料 で 環 境 を 汚 染 しない などの 特 徴 がある また 同 シ ステムを 用 いて セネガルにて 農 産 物 収 穫 量 を 拡 大 させた 実 績 を 持 つ 52

57 ; 点 滴 潅 水 システムのイメージ 図 > 水 酸 素 肥 料 の バランスが 良 い 活 性 の 高 い 根 が 多 く 発 生 '3( 組 み 合 わせシステム' 図 表 0 参 照 ( RP ST DI を 組 み 合 わせることで 以 下 の 相 乗 効 果 が 得 られる 1RP*DI の 組 み 合 わせ RP にて 砂 漠 荒 廃 地 を 農 地 化 し DI を 用 いて 水 * 肥 料 を 効 率 よく 与 えることで 用 水 量 を 大 幅 に 削 減 した 生 産 性 の 高 い 農 法 を 実 現 することができる 2RP DI*ST の 組 み 合 わせ 強 風 地 域 を 農 地 化 する 場 合 ST で 風 による 農 地 への 砂 移 動 ' 砂 漠 化 (を 抑 制 し RP DI にて 砂 漠 荒 廃 地 を 農 地 化 することができる ; 図 表 09ST RP DI 組 み 合 わせシステム> ST 砂 漠 地 RP DI 風 防 風 エリア 農 地 緑 化 エリア 53

58 2. 課 題 アフリカ 南 アフリカに 共 通 する 課 題 は 食 料 不 足 貧 困 及 び 公 害 である 以 下 にその 状 況 と 原 因 究 明 を 記 述 する 0- 食 料 不 足 と 貧 困 の 状 況 及 び その 原 因 '0( 食 料 不 足 食 料 の 安 全 保 障 は 今 や 世 界 的 な 課 題 である 世 界 の 人 口 は 増 え 続 け 2011 年 10 月 には 70 億 人 を 超 え た 中 国 やインドといった 人 口 大 国 の 経 済 成 長 により 一 人 あたりの 需 要 も 増 加 している 常 に 十 分 な 食 料 を 得 ることができない 人 々の 数 は 世 界 に 8 億 人 存 在 すると 言 われる アフリカの 人 口 は 2009 年 に 10 億 人 を 超 え その 後 も 伸 び 続 けている 今 後 は 年 率 2.3%で 増 加 すること が 予 想 されており これは 年 率 1%というアジアの 人 口 増 加 率 の 2 倍 以 上 となる FAO によると 世 界 の 栄 養 不 良 の 人 々のうち 25%はアフリカに 住 んでおり アフリカの 15 カ 国 においては 栄 養 不 良 の 状 態 にある 人 の 割 合 が 35%を 超 えている' 図 表 1( アフリカにおける 飢 餓 人 口 は 増 えており 1990 年 始 めには 1 億 6,900 万 人 であったものが 2001~2003 年 平 均 では 2 億 600 万 人 に 上 っている ; 図 表 19アフリカにおける 食 料 不 足 'FAO Hanger map 2010 年 (> 注 9 赤 は 栄 養 不 良 の 状 態 にある 人 の 割 合 が 35%を 超 える 国 アフリカでは 人 口 の 6~7 割 が 農 村 に 居 住 し'FAO( その 大 半 が 農 業 に 従 事 している このように 農 民 が 人 口 の 大 多 数 を 占 めるにも 関 わらず アフリカの 多 くの 国 で 食 料 の 輸 入 超 過 が 続 いている アフリカの 農 産 物 は 西 アフリカのカカオ 豆 綿 花 ゴム パームオイル 東 アフリカの 花 卉 紅 茶 コーヒー 南 部 54

59 アフリカの 砂 糖 タバコといった 大 規 模 農 業 による 輸 出 換 金 作 物 と メイズ'トウモロコシ( 米 小 麦 ソ ルガム ミレット キャッサバといった 人 々が 日 常 生 活 で 食 し 国 内 で 消 費 される 主 要 穀 物 とに 分 類 するこ とができるが 後 者 の 主 要 穀 物 の 生 産 量 は 国 内 の 需 要 量 を 満 たしておらず 不 足 し 輸 入 に 依 存 してい る アフリカにおける 穀 物 輸 入 依 存 率 は 30% 前 後 と 高 い 数 値 で 推 移 している'FAOSTAT( 主 要 穀 物 の 生 産 を 担 っているのは 小 農 と 呼 ばれる 保 有 耕 作 面 積 が 小 さく 自 給 自 足 を 賄 う 程 度 の 生 産 性 しか 持 ち 合 わせていない 農 民 であるため 国 内 需 要 を 賄 うだけの 生 産 ができないからである アフリカにおける 一 人 あたりの 穀 物 生 産 量 は 世 界 平 均 が 年 間 350 キログラムであるのに 対 し 年 間 約 150 キログラム 程 度 で 推 移 している'FAOSTAT( 加 えて 生 産 物 を 備 蓄 し マーケットまで 運 び 商 品 として 販 売 するバリュー チェーンが 不 備 であるために たとえ 生 産 されたとしても 利 用 されず 廃 棄 となる 農 産 物 も 多 いと 言 われ る このようにアフリカでは 食 料 生 産 量 の 低 さを 輸 入 により 賄 ってきたが 世 界 的 な 食 料 不 足 を 背 景 に 輸 入 依 存 にも 限 界 がある 更 に アフリカの 人 口 は 今 後 も 増 え 続 け 2030 年 には 中 国 とインドを 抜 き 15 億 人 に 達 すると 予 測 されており' 世 銀 ( 食 料 不 足 問 題 は 深 刻 化 する 傾 向 にある '1( 農 村 における 貧 困 アフリカの 農 民 の 大 半 が 保 有 耕 作 面 積 の 小 さい 小 農 であり 農 業 生 産 性 が 低 いことは 農 村 における 貧 困 をもたらしている アフリカには 農 民 一 人 あたりの 耕 作 面 積 が 1 ヘクタールにも 満 たない 国 が 多 くあ り 耕 地 の 土 地 生 産 性 も 低 い' 図 表 2( 小 農 は 低 投 入 粗 放 農 業 を 行 なっており 肥 料 や 高 品 種 種 子 へのアクセスも 無 く 灌 漑 設 備 も 不 十 分 である 等 の 理 由 から 自 家 の 消 費 分 を 賄 う 程 度 の 生 産 しかでき ず 生 産 品 によって 現 金 収 入 を 得 るのが 難 しい 収 穫 量 が 気 候 の 変 動 や 水 利 用 可 能 量 の 変 動 により 大 きく 左 右 されるため 生 計 は 不 安 定 であり リスクへの 許 容 度 が 低 い また 種 蒔 や 収 穫 時 のみ 季 節 労 働 を 行 う 土 地 なし 労 働 者 については 賃 金 獲 得 の 金 額 頻 度 が 雇 い 主 である 農 家 の 生 計 状 況 に 依 存 するため 収 入 水 準 はより 低 く 生 計 はより 安 定 度 が 低 い 農 業 の 低 生 産 性 は 需 要 過 多 と 輸 入 依 存 により 食 料 価 格 の 高 騰 を 招 き それは 賃 金 の 高 さ ひいては 労 働 集 約 型 産 業 である 工 業 の 発 展 を 阻 害 している つまり 農 業 の 未 発 達 は アフリカにおける 工 業 化 の 遅 れをもたらす 貧 困 解 決 と 経 済 成 長 の 達 成 への 重 大 な 阻 害 要 因 となっている ; 図 表 29 農 民 一 人 あたり 耕 地 面 積 と 穀 物 の 土 地 生 産 性 'アジア 経 済 研 究 所 2008(> 55

60 '2( 食 料 不 足 と 農 村 の 貧 困 をもたらしている 原 因 1 農 業 生 産 性 の 低 さ 先 に 述 べたように アフリカの 人 口 増 加 率 はアジアと 比 べても 高 い このような 中 穀 物 の 生 産 量 は 増 加 しているものの 穀 物 生 産 量 の 増 加 率 は 人 口 増 加 率 を 超 えるほどの 高 さに 達 していない' 図 表 3( 耕 地 の 土 地 生 産 性 は 長 年 向 上 が 見 られないまま 推 移 しており 世 界 平 均 値 やアジア 開 発 途 上 国 の 値 に 比 して 大 幅 に 低 い 状 況 にある' 図 表 4( ; 図 表 39アフリカにおける 人 口 と 穀 物 供 給 量 ' 農 林 金 融 2011(> ; 図 表 49 耕 地 の 土 地 生 産 性 'アジア 経 済 研 究 所 2008(> アフリカの 農 業 の 生 産 性 の 低 さは バリューチェーンのあらゆる 段 階 で 生 じている 生 産 においては 肥 料 農 薬 の 投 入 率 は 低 く 灌 漑 施 設 を 用 いない 降 雤 に 依 存 した 農 業 を 行 う 農 家 が 大 半 である 耕 地 面 積 に 占 める 灌 漑 施 設 整 備 面 積 の 割 合 は 世 界 平 均 が 19%であるのに 対 し アフリカは 6% 強 と 低 い 56

61 'FAOSTAT( また たとえ 十 分 な 生 産 量 を 達 成 し 余 剰 生 産 物 が 生 じたとしても 生 産 物 を 備 蓄 する 倉 庫 や 輸 送 する 流 通 経 路 といったインフラが 整 っておらず 市 場 へのアクセス 手 段 に 欠 けているため 生 産 物 を 換 金 することができない 2 砂 漠 化 土 壌 の 劣 化 による 農 地 の 不 足 砂 漠 化 土 壌 の 劣 化 は 食 糧 不 足 及 び 貧 困 問 題 をもたらす 原 因 の 一 つである 農 地 に 適 した 土 地 が 砂 漠 化 土 壌 劣 化 すると その 場 所 で 従 来 生 産 されていた 生 産 物 が 確 保 できなくなるのみならず 生 産 を 行 っていた 農 家 は 生 計 と 生 命 を 維 持 する 手 段 を 失 う 人 口 の 6~7 割 が 農 村 に 住 み 自 然 資 源 に 依 存 した 生 活 を 行 っているアフリカにおいては 貧 困 促 進 へのインパクトが 大 きい 世 界 の 耕 作 可 能 な 乾 燥 地 における 砂 漠 化 の 割 合 を 見 ると その 約 3 割 がアフリカである'UNEP, 1991( 1970 年 代 と 1980 年 代 に 大 規 模 な 干 ばつに 見 舞 われた 結 果 現 時 点 においてアフリカ 大 陸 の ほぼ 3 分 の 2 が 砂 漠 または 乾 燥 地 であるとされる 更 に 砂 漠 化 は 世 界 において 年 々 進 行 しており UNEP によると 年 間 6 万 平 方 キロメートルの 速 さで 拡 大 しているという 砂 漠 とは 土 壌 が 乾 燥 し 植 生 がほぼ 無 い 状 態 にある 土 地 を 指 す 砂 漠 化 とは 砂 漠 化 対 処 条 約 'UNCCD: 深 刻 な 干 ばつまたは 砂 漠 化 に 直 面 する 国 ' 特 にアフリカの 国 (において 砂 漠 化 に 対 処 するた めの 国 際 連 合 条 約 (において 乾 燥 地 域 半 乾 燥 地 域 乾 燥 半 湿 潤 地 域 における 気 候 上 の 変 動 や 人 間 活 動 を 含 む 様 々な 要 素 に 起 因 する 土 地 の 劣 化 と 定 義 されているように 人 々が 住 んでいたり 植 物 が 生 えていたりした 土 地 が 気 候 変 動 や 人 間 活 動 により 劣 化 し 植 生 が 無 い 状 態 に 変 化 することを 指 す 砂 漠 化 の 原 因 の 一 つには 干 ばつなどの 気 候 的 要 因 がある アフリカにおいては 1970 年 代 と 1980 年 代 に 発 生 した 大 規 模 な 干 ばつが 砂 漠 化 を 一 挙 に 促 進 した 気 候 変 動 に 関 する 政 府 間 パネル'IPCC9 Intergovernmental Panel on Climate Change(は 第 四 次 報 告 書 '2007(において アフリカ 大 陸 は 気 候 変 動 に 対 して 最 も 敏 感 でかつ 脆 弱 であると 指 摘 している 報 告 書 は 2020 年 までに 7,500 万 人 ~2 億 5,000 万 人 の 人 々が 気 候 変 動 に 伴 い 増 加 する 水 ストレスにさらされる と 予 測 更 に 農 産 物 生 産 可 能 量 が 半 乾 燥 地 域 及 び 乾 燥 地 域 の 縁 に 沿 って 減 尐 することが 予 測 される このことは この 大 陸 にお いて 食 料 安 全 保 障 に 一 層 の 悪 影 響 を 与 え 栄 養 失 調 を 悪 化 させる いくつかの 国 において 降 雤 依 存 型 農 業 からの 収 穫 量 は 2020 年 までに 50% 程 度 減 尐 しうる というシナリオを 発 表 しており 気 候 変 動 による 水 利 用 可 能 量 の 減 尐 による 土 壌 劣 化 は アフリカに 大 きな 影 響 を 与 えることを 明 示 している 一 方 で 人 為 的 な 要 因 も 砂 漠 化 を 招 いていると 指 摘 されている アフリカにおける 土 壌 劣 化 の 主 要 因 を 土 壌 劣 化 面 積 別 の 割 合 で 見 ると もっとも 広 いのが 過 放 牧 次 いで 農 業 活 動 薪 炭 材 の 過 剰 摂 取 森 林 減 尐 自 然 資 源 の 現 象 と 続 く'UNEP, 1997( つまり 家 畜 飼 育 農 業 伐 採 といった 自 然 資 源 とともに 生 きる 人 々が 生 活 に 必 要 な 活 動 を 行 う 上 で 行 う 摂 取 が 土 壌 に 対 して 過 剰 負 担 となってしま うことが 土 壌 劣 化 をもたらしていると 捉 えられる 過 剰 摂 取 には そうせざるを 得 ない 状 況 をもたらして いる 貧 困 や 人 口 増 加 生 活 条 件 の 悪 化 といった 社 会 的 経 済 的 要 因 が 背 景 にある 小 農 による 耕 作 は 狭 い 限 られた 土 地 資 源 において 天 候 次 第 である 降 雤 に 頼 った 耕 作 という 脆 弱 な 環 境 下 で 行 われている 脆 弱 な 環 境 下 では 気 候 変 動 の 影 響 は 大 きく ひとたび 干 ばつ 水 不 足 が 起 こ ると 収 穫 が 全 滅 することもあり 翌 年 の 作 付 けはもとより 明 日 からの 生 計 にも 困 難 をきたす 狭 い 土 地 において 機 械 化 や 肥 料 といった 手 段 を 特 に 持 たない 小 農 が 生 産 を 維 持 増 加 させるには 休 耕 期 57

62 間 の 短 縮 等 による 過 剰 耕 作 しか 方 法 が 無 いが それは 更 に 土 地 を 劣 化 させ 砂 漠 化 を 進 行 させる そ して 砂 漠 化 の 進 行 は 農 産 物 の 生 産 性 を 落 とし さらなる 貧 困 をもたらすという 悪 循 環 に 陥 っている また アフリカにおいては 放 牧 により 生 計 を 立 てている 人 が 一 定 数 存 在 している 例 えば 東 アフリカの マサイ 族 は 20~30 万 人 規 模 であると 推 定 されている 彼 らは 放 牧 地 を 回 って 家 畜 を 飼 育 し 家 畜 や 家 畜 の 生 産 物 ' 生 乳 皮 等 (により 現 金 収 入 を 得 ている 人 口 の 増 加 により 家 畜 の 数 が 増 え 家 畜 が 食 す 牧 草 の 量 が 増 えると 家 畜 の 増 加 に 牧 草 の 再 生 に 追 いつかなくなり 土 地 の 劣 化 が 始 まる 家 畜 が 土 壌 表 面 の 草 や 木 を 食 べつくし 裸 地 化 すると 風 雤 が 直 接 土 壌 に 当 たることになり 風 食 や 水 食 が 発 生 する 降 雤 や 地 表 を 流 れる 水 により 土 壌 が 侵 食 されたり 風 により 表 土 が 運 び 去 られたりすること で 栄 養 分 のある 土 が 流 出 し 砂 漠 化 が 進 行 する 人 為 的 要 因 の 一 つとして 不 適 切 な 水 管 理 もまた 砂 漠 化 の 要 因 として 報 告 されている 河 川 や 井 戸 からの 取 水 が 過 剰 になると 下 流 での 水 流 不 足 や 資 源 の 枯 渇 を 生 む また 過 剰 な 灌 漑 そのものも 湛 水 を 招 き 過 湿 害 による 土 壌 の 劣 化 をもたらす 乾 燥 がはげしく 日 照 の 強 い 土 地 において 過 剰 な 灌 漑 や 不 十 分 な 排 水 が 行 われると 土 の 中 に 染 み 込 んでいた 水 が 蒸 発 し 水 分 中 の 塩 分 が 土 壌 表 面 に 集 積 する 塩 類 集 積 と 呼 ばれる 現 象 も 起 こっている 塩 分 が 集 積 した 土 地 では 植 生 は 発 生 せず 砂 漠 化 する 3 南 アフリカに 特 有 の 原 因 南 アフリカの 農 業 が GDP に 占 める 割 合 は 3% 程 度 と 低 いものの 付 加 価 値 額 は 高 い 他 のアフリカ 各 国 と 違 い 穀 物 や 野 菜 果 物 といった 多 様 な 生 産 物 が 生 産 できることから 農 産 物 はほぼ 自 給 である し かしながら 南 アフリカの 農 業 は 白 人 による 商 業 農 業 と 黒 人 による 自 給 自 足 農 業 に 大 きく 分 断 されて おり 後 者 においては 他 のアフリカ 各 国 と 同 様 農 業 生 産 性 の 低 さと 農 地 の 不 足 が 食 料 不 足 と 貧 困 をも たらしているという 構 図 が 当 てはまる アパルトヘイトは 耕 作 可 能 な 土 地 の 87%を 白 人 農 場 主 が 保 有 し ホームランドと 呼 ばれる 残 り 13%の 土 地 を 黒 人 農 民 が 使 用 するという 状 況 を 作 り 出 した 白 人 農 場 主 の 土 地 においては 灌 漑 設 備 の 導 入 や 優 遇 金 利 での 融 資 流 通 規 制 等 を 通 じた 農 業 保 護 政 策 により 商 業 的 農 業 が 発 展 したのに 対 し ホーム ランドにおいては 人 口 過 密 な 土 地 で 自 給 自 足 のための 生 産 性 が 低 い 農 業 が 行 われ 過 剰 耕 作 により 土 壌 は 劣 化 した アパルトヘイトが 終 焉 した 後 も 土 壌 劣 化 の 問 題 は 残 り 北 部 と 西 部 では 砂 漠 化 が 進 行 している 更 に ホームランドと 指 定 されていた 土 地 には アパルトヘイト 後 も 人 口 の 35% 近 い 人 が 住 んでおり' 環 境 観 光 省 2004/2005( 黒 人 農 民 における 食 料 供 給 の 不 足 と 貧 困 は 引 き 続 き 生 み 出 され ている 1- 有 害 砂 飛 散 問 題 とその 原 因 公 害 の 中 で アフリカ 特 に 南 アフリカで 問 題 視 されている 鉱 山 の 有 害 砂 に 起 因 する 公 害 に 着 目 する 南 アフリカは 金 白 金 クロム マンガンなどを 産 する 世 界 屈 指 の 鉱 業 国 である 世 界 シェアは 高 く 金 7.7%' 世 界 第 4 位 ( 白 金 75.6%' 同 第 1 位 ( クロム 39.5%' 同 第 1 位 ( マンガン 18.2%' 同 第 2 位 ('い ずれも 2010 年 (となっており 鉱 業 部 門 の 雇 用 人 口 は 約 52 万 人 に 上 る 鉱 業 の 歴 史 は 古 く この 地 で 鉱 山 が 発 見 されて 以 来 多 くの 開 山 と 閉 山 が 繰 り 返 されてきた 例 えば 金 鉱 山 の 場 合 1945 年 から 70 年 の 間 に 新 たに 開 山 した 鉱 山 数 は 17 鉱 山 である 一 方 26 鉱 山 が 金 資 源 の 枯 渇 やコスト 上 昇 により 58

63 閉 山 した 鉱 山 会 社 には 環 境 管 理 として 土 地 利 用 による 環 境 影 響 に 対 し できる 限 り 回 復 措 置 を 施 す ことが 義 務 付 けられているものの 有 害 化 学 物 質 に 汚 染 されている 閉 山 した 鉱 山 は 農 地 として 再 生 するなどの 産 業 転 換 が 困 難 な 状 態 にある ; 図 表 59 南 アフリカにおける 主 要 鉱 山 探 鉱 プロジェクト' 石 油 天 然 ガス 金 属 鉱 物 資 源 機 構 2011(> 鉱 山 の 周 囲 には マインダンプと 呼 ばれる 採 掘 作 業 の 際 に 生 じた 残 土 の 集 積 地 いわゆるぼた 山 が 広 がっている ヨハネスブルグが 属 するハウテン 州 ' 人 口 1,200 万 人 (には 380 のマインダンプが 点 在 して おり これらは 居 住 地 から 近 い 場 所 にある マインダンプの 土 砂 は 鉱 石 分 離 作 業 に 使 用 された 有 毒 な 化 学 物 質 に 汚 染 されており 特 に 金 鉱 山 のマインダンプの 場 合 は 微 量 の 放 射 線 を 発 するウランが 含 まれる これが 風 により 近 隣 の 居 住 地 に 飛 散 することで 呼 吸 器 疾 患 といった 健 康 被 害 や 農 作 物 への 汚 染 を 引 き 起 こしている マインダンプの 砂 が 飛 散 する 原 因 は マインダンプの 砂 漠 化 にある 更 に 砂 漠 化 の 原 因 は 気 候 変 動 による 降 雤 量 の 減 尐 にある 砂 漠 化 し 飛 散 しやすくなった 砂 塵 は 近 郊 のコミュニティに 対 し 一 層 大 きな 健 康 被 害 をもたらしている 59

64 3. 課 題 解 決 の 方 向 性 0- 課 題 と 解 決 方 法 '0( 食 料 不 足 と 貧 困 の 課 題 アフリカ 南 アフリカの 農 業 に 関 して 食 料 不 足 と 貧 困 をもたらしている 原 因 は 農 業 の 生 産 性 の 低 さと 農 地 不 足 である 人 口 の 増 加 により 食 料 需 要 が 増 している 中 食 料 供 給 を 満 たしていくためには 肥 料 等 の 投 入 要 素 や 水 利 用 が 管 理 された 生 産 性 の 高 い 農 業 を 行 う 必 要 があり それが 自 給 自 足 を 超 えて 現 金 収 入 を 得 ることにつながれば 貧 困 の 解 消 にも 資 することとなる また 過 剰 耕 作 や 気 候 変 動 等 により 劣 化 した 土 壌 の 砂 漠 化 を 防 止 し 農 地 として 使 われていない 場 所 や 土 壌 劣 化 により 農 地 利 用 が 不 可 能 と なった 場 所 を 農 地 化 することができれば 食 料 の 供 給 量 は 増 え 農 家 の 貧 困 解 消 に 資 することができる 課 題 解 決 手 法 RPとDIによる 生 産 システムは 水 資 源 さえあればどのような 場 所 でも 農 業 を 行 うことを 可 能 にするため 農 地 化 を 促 進 する 方 法 となりうる また 同 システムは 土 壌 と 水 利 用 を 管 理 した 農 業 を 実 行 するため 小 農 がこれを 利 用 することにより 降 雤 頼 りの 農 業 から 脱 し 生 産 性 を 上 げることで 自 給 自 足 農 業 から 商 業 農 業 へ 進 化 し 貧 困 を 脱 することが 可 能 となる '1( 土 壌 汚 染 地 からの 有 害 砂 飛 散 の 課 題 閉 鎖 された 鉱 山 やマインダンプから 飛 散 する 有 害 砂 による 周 辺 コミュニティの 健 康 被 害 に 着 目 する マ インダンプからの 砂 飛 散 を 食 い 止 める 責 任 は 採 掘 会 社 にあり 各 社 は ネットや 灌 漑 設 備 を 設 置 し 飛 散 防 止 策 を 実 施 しているが 効 果 が 上 がっていない 効 果 のある 砂 飛 散 防 止 技 術 が 導 入 されれば 周 辺 コミュニティの 健 康 被 害 解 消 と 採 掘 会 社 のCSRに 貢 献 することとなる 課 題 解 決 手 法 RPとDIシステムは マインダンプの 植 生 化 緑 化 を 進 めるための 方 法 となりうる マインダンプは 有 害 化 学 物 質 が 含 まれた 土 地 であるため 食 料 用 農 産 物 の 生 産 は 差 し 控 えるものの ジャトロファ 等 のバイオ 燃 料 の 生 産 地 として 有 効 利 用 が 可 能 だと 考 える 閉 鎖 鉱 山 やマインダンプを 緑 化 農 地 化 することは 鉱 山 会 社 による 環 境 規 制 対 応 にとるべき 手 段 を 提 供 するとともに 近 郊 住 民 が 現 在 被 っている 砂 塵 による 健 康 被 害 を 削 減 することに 資 する 1-RP DIシステムの 適 応 対 象 砂 漠 荒 廃 地 を 土 壌 汚 染 の 無 い 食 料 用 の 農 産 物 栽 培 に 適 した 地 域 ' 農 業 セクター(と 土 壌 汚 染 があり 食 料 用 農 地 に 適 さない 地 域 ' 産 業 セクター(に 区 分 し 適 応 するシステムの 組 み 合 わせと 栽 培 する 植 物 を 以 下 の 通 り 設 定 する セクター 条 件 適 応 システム 植 物 効 果 農 業 土 壌 汚 染 が 無 く 水 源 がある RP DI システム 食 料 用 農 作 物 食 料 不 足 貧 困 の 緩 和 産 業 土 壌 汚 染 があり 水 源 がある RP DI システム 産 業 用 農 作 物 有 害 砂 塵 公 害 の 緩 和 廃 鉱 地 の 有 効 活 用 土 壌 汚 染 があり 水 源 が 無 い RP システム 緑 化 用 植 物 有 害 砂 塵 公 害 の 緩 和 60

65 4. 調 査 項 目 0-FS 事 前 準 備 '0( 南 アフリカ 共 和 国 大 使 館 への 事 業 内 容 説 明 1 在 日 南 アフリカ 共 和 国 大 使 館 を 訪 問 し Peco 大 使 へ 当 事 業 の 概 要 を 説 明 し 理 解 を 求 める '1( 部 品 製 作 1RP ST をミツカワ にて 製 造 '2( 福 井 県 農 業 試 験 場 での 事 前 試 験 による 導 入 システムの 効 果 の 確 認 1 南 アフリカでの 実 証 実 験 の 前 に 日 本 の 福 井 県 農 業 試 験 場 にて 初 めての 組 み 合 わせとなる RP DI システムの 植 物 生 長 に 対 する 効 果 を 確 認 し RP と DI 機 材 設 置 デザインを 決 定 する 1-FS 実 施 ' 現 地 での 実 証 実 験 の 実 施 評 価 市 場 調 査 ( '0( 第 1 回 南 アフリカ 訪 問 '11 月 ( 1 産 業 セクターの 対 象 市 場 として 鉱 山 会 社 のマインダンプを 訪 問 し 状 況 を 調 査 する 2C&S 社 をリーダーとする 南 アフリカ 実 証 実 験 推 進 体 制 を 構 築 する '1( 第 2 回 南 アフリカ 訪 問 '12 月 ( 1 実 証 実 験 地 を 決 定 する 2RP DI システムの 実 証 実 験 水 準 を 決 定 する 3RP DI システムを 設 置 し 播 種 実 証 実 験 開 始 '2( 第 3 回 南 アフリカ 訪 問 '2013 年 1 月 ( 1RP DI システムによる 植 物 生 長 度 を 調 査 する 2 南 アフリカでの 実 証 実 験 結 果 を 検 証 し 砂 漠 荒 廃 地 の 農 地 化 の 目 的 に 対 し 適 合 するかを 評 価 する 3 農 業 セクターの 対 象 市 場 として 小 規 模 農 家 の 実 態 を 調 査 する 4 産 業 セクターの 対 象 市 場 として 鉱 山 会 社 の 環 境 保 全 の 実 態 を 調 査 する '3( 砂 漠 移 動 防 止 工 法 の 確 立 1 鳥 取 砂 丘 にて 砂 漠 移 動 防 止 資 材 ST 設 置 工 法 の 効 率 化 実 証 実 験 を 実 施 する '4(ベース 調 査 1アフリカビジネスパートナーズ 南 アフリカ 共 和 国 大 使 館 UNDP 等 へのヒアリング 及 び 文 献 による 調 査 を 実 施 する 61

66 4. 調 査 実 施 内 容 0-FS 事 前 準 備 '0( 南 アフリカ 大 使 館 への 事 業 内 容 説 明 当 FS 事 業 の 実 施 対 象 国 を 南 アフリカ 共 和 国 とした 背 景 は 先 端 技 術 の 展 示 会 で 東 レの 中 国 に 於 ける 砂 漠 緑 化 技 術 を 目 にした 南 アフリカ 共 和 国 大 使 館 科 学 技 術 担 当 公 司 ' 当 時 (セシル マソカ 氏 の 要 請 で 南 アフリカのマインダンプにて RP を 用 いた 10 m2 程 度 の 小 規 規 模 デモ 実 験 を 実 施 し 緑 化 植 物 の 育 成 定 着 効 果 を 確 認 した 経 緯 による 8 月 28 日 に 南 アフリカ 共 和 国 Pheko 大 使 に 謁 見 し 上 記 の 背 景 と 当 FS 事 業 の 内 容 及 び 南 アフリカでの 実 証 実 験 計 画 の 概 要 を 説 明 し 意 見 交 換 を 行 った 結 果 大 使 から は 農 業 へ 貢 献 する 技 術 の FS である 点 を 評 価 していただき 進 捗 状 況 を 定 期 報 告 するよう 要 請 された '1( 部 品 製 作 ミツカワ にて 実 証 実 験 用 RP 及 び ST の 製 造 を 実 施 した 1RP 7 月 13 日 ~8 月 27 日 で 1,085kg を 製 造 8 月 30 日 に 南 アフリカ 共 和 国 向 けに 輸 出 し 農 地 化 実 証 実 験 に 使 用 2ST 8 月 28 日 ~8 月 29 日 で 48kg を 製 造 10 月 11 日 に 鳥 取 大 学 乾 燥 地 研 究 センターへ 輸 送 し ST 設 置 工 法 効 率 化 実 験 に 使 用 ; 写 真 29RP ST 製 造 機 械 > 62

67 '3( 福 井 県 農 業 試 験 場 での 事 前 試 験 による 導 入 システムの 効 果 の 確 認 RP と DI の 組 み 合 わせについて 南 アフリカでの 実 験 前 に 植 生 緑 化 の 効 果 が 上 がる 組 み 合 わせ 条 件 を 見 出 すことを 目 的 として 福 井 県 農 業 試 験 場 にて 試 験 を 実 施 した ' 期 間 97 月 ~12 月 ( 今 回 の 事 前 試 験 では 砂 漠 での 農 業 生 産 の 可 能 性 を 探 索 するため 試 験 はハウス 内 の 砂 地 に RP を 設 置 して 実 施 水 や 肥 料 については DI から 与 えるのみとした 栽 培 品 目 については アフリカで 主 食 とされているトウモロコシ アフリカの 食 料 事 情 改 善 を 目 的 に 開 発 さ れたネリカ'New Rice for Africa( 現 地 生 産 実 績 のあるホウレンソウとキャベツの 4 種 類 とした ; 事 前 試 験 条 件 > 場 所 実 験 農 業 用 ハウス 内 'ハウス9 幅 2-7mx 高 さ 2-2mx 奥 行 7-0m( 培 地 砂 RP 充 填 物 砂 ネリカのみ 保 水 効 果 を 高 めるため 吸 水 ポリマー 試 験 追 加 水 * 肥 料 ' 液 肥 ( 点 滴 潅 水 システム'DI(から 与 える 栽 培 品 目 ネリカ トウモロコシ ホウレンソウ キャベツ 1ネリカの 栽 培 ' 種 子 はブルキナファソ 産 ( 試 験 区 植 付 調 査 内 容 1 RP なし 種 RP 有 無 での 生 育 比 較 2 RP のみ 種 RP 内 吸 水 ポリマーの 保 水 効 果 による 育 成 比 較 3 RP* 吸 水 ポリマー1-0% 種 4 RP* 吸 水 ポリマー0-1% 種 吸 水 ポリマーは 充 填 物 の 重 量 比 (a) 経 緯 播 種 ~7 日 栽 培 適 期 ではなかったが 7 月 27 日 に 播 種 7 日 後 に 発 芽 ' 水 稲 と 比 較 し 早 い( ポリマー 充 填 水 準 は 水 分 吸 収 による 膨 張 で 太 く 見 える' 写 真 3+4 参 照 ( ; 写 真 39ネリカ 種 子 を 播 種 > ; 写 真 49 播 種 から 7 日 後 >

68 播 種 ~44 日 播 種 から 44 日 後 試 験 区 2の 一 番 生 育 が 良 く 次 い で 試 験 区 4> 試 験 区 3> 試 験 区 1となる 試 験 区 1は 全 体 的 に 葉 の 緑 色 が 薄 く 下 の 葉 が 脱 色 枯 れている RP が 無 いことで 根 域 の 温 度 の 影 響 を 受 けやすく 根 が 弱 り 水 肥 料 を 吸 えない 状 況 にある 試 験 区 3の RP 表 面 は 50 以 上 になっていたが RP 下 は 40 以 下 ' 室 温 同 等 (と 思 われるため 試 験 区 1よりは 熱 の 影 響 をうけにくかったと 考 えられる ; 写 真 59 播 種 ~44 日 > 播 種 ~113 日 秋 に 入 り 気 温 が 上 昇 しなく なったことで 登 熱 も 停 滞 収 穫 に 踏 み 切 った ; 写 真 69 播 種 ~113 日 > (b) 結 果 試 験 区 植 付 成 績 稈 長 粒 数 考 察 1 RP なし 種 D 約 66cm 約 110 RP 使 用 は 生 育 が 非 常 に 良 い 2 RP のみ 種 A 約 110cm 約 310 吸 水 ポリマーは 使 用 しない 方 が 良 い 3 RP* 吸 水 ポリマー1-0% 種 C 約 95cm 約 RP* 吸 水 ポリマー0-1% 種 B 約 102cm 約 180 (c) 生 長 差 異 要 因 分 析 ; 図 表 69 試 験 区 温 度 のサーモク ラフによる 調 査 > 生 長 差 異 の 原 因 について 図 表 6のサーモグラフにある 根 域 の 温 度 と 生 長 成 績 が 相 関 することから 根 域 温 度 上 昇 が 生 育 に 影 響 したと 考 えられる 試 験 区 3の 温 度 上 昇 の 要 因 は 水 を 含 んだポリマーが 熱 を 保 持 した あるいは 水 が 蒸 発 しにくく 気 化 熱 を 奪 えな かったなどの 要 因 が 考 えられる 3 1 次 いで 試 験 区 1の 温 度 が 高 い 試 験 区 2 4の 温 度 は 室 温 同 等 RP が 根 域 の 温 度 上 昇 4 2 を 抑 えている 64

69 2トウモロコシの 栽 培 ' 品 種 9キャンベラ 90( 試 験 区 植 付 調 査 内 容 1 RP なし 種 セル 苗 RP 有 無 の 生 育 比 較 2 RP2 列 種 セル 苗 RP2 列 と RP4 列 の 生 育 比 較 3 RP4 列 種 セル 苗 種 とセル 苗 と 生 育 比 較 (a) 経 緯 播 種 苗 ; 写 真 79 実 験 水 準 セルトレイ> 8 月 14 日 に 実 験 地 種 区 セルト レイに 播 種 種 苗 セル 苗 セルトレイ 播 種 ~26 日 種 試 験 区 苗 試 験 区 ともに 同 じような 生 育 トウモロコシの 種 子 は 大 きく 乾 燥 条 件 での 発 芽 力 も 強 い RP 有 無 では RP の 方 が 生 育 は 良 いが RP4 列 は やや 生 育 が 劣 る 水 液 肥 が 偏 るためか バラツキが 見 えた ; 写 真 89 播 種 ~15 日 > 種 苗 播 種 ~94 日 播 種 後 94 日 で 収 穫 ; 写 真 0/9 播 種 ~83 日 > (b) 結 果 試 験 区 植 付 成 績 考 察 1 RP なし 種 セル 苗 B DI と RP の 距 離 が 適 切 であれば RP を 使 用 した 方 が 生 育 も 良 い 2 RP2 列 種 セル 苗 A 4 列 には 生 育 にバラツキが 出 る 3 RP4 列 種 セル 苗 C 種 セル 苗 ともに 生 育 の 差 は 無 くどちらも 良 い 65

70 3キャベツの 栽 培 ' 品 種 9 彩 音 ( 試 験 区 植 付 調 査 内 容 1 RP なし 種 セル 苗 RP 有 無 の 生 育 比 較 2 RP2 列 種 セル 苗 RP2 列 と RP4 列 の 生 育 比 較 3 RP4 列 種 セル 苗 種 とセル 苗 と 生 育 比 較 (a) 経 緯 セル 苗 の 試 験 区 は すぐに 根 付 い て 生 長 したが 種 の 試 験 区 は 初 期 生 育 が 遅 かった 種 試 験 区 苗 試 験 区 ともに 大 きく 生 長 したが 種 試 験 区 は 結 球 不 良 となった ; 写 真 0097 月 03 日 播 種 > ; 写 真 019 播 種 ~15 日 > 種 1 苗 1 ; 写 真 029 播 種 ~83 日 > ; 写 真 039 苗 試 験 区 のキャヘ ツ> (b) 結 果 試 験 区 植 付 成 績 考 察 1 RP なし 2 RP2 列 種 /セル 苗 種 /セル 苗 B/A B/A '0( RP 有 無 の 差 は 特 に 見 られなかった '1( 2 列 4 列 の 差 は 特 に 見 られなかった '2( セル 苗 の 初 期 生 育 が 非 常 に 良 い 3 RP4 列 種 /セル 苗 B/A RP 使 用 の 場 合 初 期 生 育 時 の 保 水 による 根 の 乾 燥 を 抑 えること から 効 果 的 な 施 肥 と 節 水 を 期 待 できる (c) 生 長 差 異 分 析 セル 苗 は RP の 中 に 根 が 張 る 活 着 が 早 い 種 の 場 合 内 部 にも 根 は 張 るが 下 に 根 が 伸 び RP 下 に 多 く 根 が 張 る 傾 向 がある 種 の 大 きいトウモロコシは 種 と 苗 で 生 長 差 は 無 かった が 種 の 小 さいキャベツは 苗 の 方 が 生 長 が 良 い 従 って 種 の 大 きさ' 品 種 の 違 い(で 種 苗 を 使 い 分 け る 必 要 がある ' 図 表 7 参 照 ( ; 図 表 79 根 の 張 り 方 > 66

71 4ホウレンソウの 栽 培 継 続 中 ' 品 種 9 楽 天 ( 試 験 区 植 付 調 査 内 容 1 RP なし 種 RP 有 無 の 生 育 比 較 2 RP2 列 種 3 RP4 列 種 (a) 経 緯 ホウレンソウは 過 湿 に 弱 いため RP 無 しは 発 芽 後 一 部 の 芽 が 腐 る 減 尐 が 見 られた ' 印 ( RP2 列 と RP4 列 の 生 育 比 較 ; 写 真 049 播 種 ~17 日 > ; 写 真 059 播 種 ~52 日 > (b) 結 果 試 験 区 植 付 成 績 考 察 1 RP なし 種 C RP なしは 過 湿 になったが RP 使 用 は 安 定 して 生 育 した 2 RP2 列 種 A 過 湿 に 対 する 強 みが 確 認 された 3 RP4 列 種 B 4 列 に 試 験 区 の 傾 きから 生 育 ムラができた 5 結 果 まとめ 福 井 県 農 業 試 験 場 での 事 前 試 験 結 果 は 以 下 の 通 り (a)rp の 効 果 について RP を 設 置 することで 根 域 の 温 度 上 昇 を 押 さえる' 温 度 調 整 能 力 ( RP 内 に 水 が 広 がり 適 度 な 湿 度 ' 水 分 (を 保 つ' 湿 度 調 整 能 力 (などの 効 果 により 根 にとって 良 い 環 境 となった そのため 根 を 良 く 発 達 させ 地 上 部 の 生 育 の 違 いとして 現 れた 特 にネリカの 場 合 栽 培 適 期 では 無 かったが DI を 単 独 で 用 いた 条 件 よりも RP と DI を 組 み 合 わせた 方 が 植 物 の 生 育 が 明 らかに 良 いことから 収 量 増 に 直 結 すると 考 えられる (b)rp と DI の 割 合 について RP と DI の 割 合 は 種 と 水 の 距 離 に 影 響 する トウモロコシでは RP2 列 * 点 滴 灌 漑 1 本 と RP4 列 * 点 滴 灌 漑 1 本 で 初 期 生 育 に 差 は 見 られたが 収 穫 時 には 差 が 無 いレベルとなり キャベツやホウレンソウで は 生 育 差 は 小 さかった 南 アフリカでは 厳 しい 条 件 下 での 植 物 の 育 成 を 確 実 にするために RP3 列 * 点 滴 灌 漑 1 本 で 試 験 を 実 施 することとした (c) 種 と 苗 での 生 育 について RP に 苗 を 使 うと 初 期 生 育 が 早 く 生 長 の 早 期 化 につながることが 考 えられる 農 業 において 初 期 の 生 育 は 重 要 なポイントになり また 生 産 現 場 での 鳥 の 被 害 や 発 芽 時 の 水 管 理 の 失 敗 が 減 ることを 考 えると 育 成 確 率 の 高 い 手 法 として 苗 からの 育 成 も 検 討 する 必 要 がある 67

72 1-FS 実 施 ' 現 地 での 実 証 実 験 の 実 施 評 価 市 場 調 査 ( '0( 第 1 回 訪 問 '11 月 19 日 ~24 日 ( 鉱 山 会 社 保 有 マインダンプを 視 察 し 実 証 実 験 地 とする 予 定 であったが 鉱 山 運 営 会 社 より 土 地 使 用 の 許 可 が 下 りず 第 1 回 南 アフリカ 訪 問 ではマインダンプの 調 査 のみ 実 施 した 1 産 業 セクター 調 査 (a)drd gold 社 保 有 のマインダンプを 視 察 し 実 態 を 調 査 した DRD gold 社 は 1895 年 設 立 の 南 アフリカ 共 和 国 に 本 社 を 置 く 産 金 企 業 場 所 ' 図 表 8 参 照 ( 南 アフリカ 共 和 国 の 主 要 都 市 であるヨハネスブルグ 市 街 地 から 南 西 約 10km に 位 置 し 130 万 人 の 黒 人 が 住 むソウェトに 隣 接 する 北 東 からの 強 風 により マインダンプから 飛 散 する 砂 塵 はソウェトの 居 住 地 区 に 飛 来 し 住 民 が 被 害 を 受 けている 現 地 調 査 でマインダンプと 居 住 地 区 の 距 離 の 近 さを 目 の 当 たりにし 被 害 の 深 刻 さを 実 感 した ; 図 表 89DRD gold 保 有 マインダンプ 地 図 > 規 模 マインダンプ 1 個 は 高 さ 約 100m の 四 角 錐 形 状 で 上 部 は 平 坦 で 約 1k m2の 面 積 がある' 写 真 06 参 照 ( ; 写 真 069DRD gold 保 有 マインダンプ 写 真 > 68

73 土 壌 マインダンプの 砂 の 粒 径 は 中 国 内 モンゴル 自 治 区 の 流 動 性 砂 漠 の 粒 径 と 同 等 で 日 本 の 砂 浜 の 粒 径 と 比 較 すると 非 常 に 細 かく 飛 散 しやすい また 土 壌 からは 微 量 の 放 射 線 が 検 出 されるので 食 用 農 産 物 の 栽 培 には 適 さない 'DRD gold 社 環 境 保 全 担 当 Engelbrecht 氏 談 ( 競 合 品 ; 写 真 079 競 合 品 > 今 回 のマインダンプ 視 察 により マインダンプからの 砂 飛 散 防 止 を 目 的 とした 灌 漑 による 緑 化 システムが 存 在 することを 確 認 した 同 システムは DRD 社 と 契 約 してい る 環 境 保 全 会 社 が 運 営 しており 簡 易 な 灌 漑 ホースを ポリエチレン'PE( 製 ネットの 間 に 敷 設 し 播 種 し 緑 化 す る 工 法 ' 写 真 07 参 照 ( PE 製 ネットは 耐 久 性 が 無 いた め 1 年 後 に 張 り 替 え 又 は 撤 去 するとのことだが ネット 撤 去 後 の 植 物 の 定 着 性 に 課 題 があると 推 測 する コストは 14,000$.ha'ネット 5,900$ 灌 漑 システム 8,100$(と 割 安 だが 有 価 植 物 の 栽 培 可 否 等 RP DI システムの 優 位 点 は 成 果 の 項 で 述 べる 2C&S 社 をリーダーとする 実 証 実 験 推 進 体 制 構 築 図 表 0/の 通 り コンソーシアムからの 指 示 を 受 け 南 アフリカでは C&S 社 がサイト 探 索 RP DI システ ム 設 置 播 種 後 の 植 物 管 理 等 全 ての 実 務 を 実 施 する 体 制 を 構 築 した ; 図 表 0/9 実 証 実 験 推 進 体 制 > コンソーシアム プロジェクトリーダー ミツカワ ロールプランター 製 造 東 レ PLA 繊 維 製 造 ネタフィム 点 滴 灌 漑 装 置 製 造 南 アフリカにおける 協 力 体 制 C&S RP DI 設 置 実 験 地 管 理 ネタフィム 南 ア 点 滴 灌 漑 設 備 設 置 指 導 69

74 '1( 第 2 回 訪 問 '12 月 18 日 ~29 日 ( 当 初 計 画 した DRD gold 社 保 有 マインダンプでの 実 験 断 念 後 新 規 実 験 地 を 探 索 した 結 果 ヨハネスブ ルグとプレトリアの 間 に 位 置 するCenturionに 決 定 した ネタフィムジャパン 田 川 氏 が 南 アフリカを 訪 問 し RP DI 実 験 資 材 設 置 を 指 導 し C&S 主 導 で 現 場 作 業 を 実 施 した 1 実 証 実 験 実 施 場 所 の 決 定 及 び 条 件 ' 図 表 00 参 照 ( 実 験 場 所 は ヨハネスブルグとプレトリアの 間 に 位 置 するCenturionの 荒 廃 地 'Waste land( 表 土 は 地 表 5~10cm 程 度 と 浅 く その 下 は 礫 と 石 で シャベルや 鉄 棒 が 刺 さらないくらい 硬 いため 農 地 には 適 さない また 地 下 80m に 伏 流 水 を 汲 み 上 げるための 井 戸 があり タンクを 設 置 しポンプで 井 戸 水 を 汲 み 上 げることにより 点 滴 灌 漑 可 能 な 場 所 である ; 図 表 009 実 験 場 所 地 図 > センチュリオン Centurion 新 規 実 験 地 当 初 実 験 を 計 画 したマインダンプ 低 B 93m C 68m B C D 5m 勾 配 A D 井 戸 タンク A 70

75 2 実 証 実 験 水 準 の 決 定 農 地 化 及 びマインダンプ 緑 化 を 想 定 し 図 表 01の 実 験 水 準 を 設 定 した 農 地 用 植 物 は 実 験 期 間 1 ヶ 月 内 に 生 長 が 確 認 でき 且 つ 真 夏 に 育 成 可 能 な 種 類 を 選 定 した 尚 Bio-fuel 原 料 となるジャトロファ 等 産 業 用 農 作 物 は 播 種 時 期 が 適 合 しなかったため 今 実 験 では 見 送 ることとした 以 降 農 地 は FL'Farm Land( 緑 地 は GL'Grass Land(と 表 記 ; 図 表 019 実 験 水 準 > 水 準 目 的 植 物 RP DI 充 填 土 面 積 1 GL 1 品 種, 現 地 の 土 * 培 養 土 散 布 450 m2 2 GL 1 品 種, 現 地 の 土 450 m2 3 GL 1 品 種,,, 450 m2 4 FL 3 品 種 培 養 土 m2 5 FL 3 品 種, 培 養 土 m2 6 FL 3 品 種,,, 62.5 m2 ) 培 養 土 は 緩 効 性 肥 料 を 含 むものを 使 用 ) 植 物 の 種 類 GL 9 1 品 種 4-Evergreen FL 9 3 品 種 Hybrid Sweet Corn Swiss Chard Baby Spinach ) 水 準 5は 水 準 4の DI との 比 較 のため 2 回. 日 手 作 業 での 水 遣 りを 実 施 3 実 証 実 験 資 材 の 設 置 播 種 上 記 実 験 水 準 を 図 表 02の 通 り 設 置 した 実 験 地 決 定 の 遅 れから 施 行 工 期 を 約 1 週 間 としたため FL 区 については 計 画 より 小 規 模 となったが 実 験 水 準 は 確 保 した FL 区 GL 区 の 詳 細 は 以 下 の 通 り ; 図 表 029 実 証 実 験 全 体 設 計 図 > 水 準 6 水 準 5 水 準 4 10m 30m 30m タンク コントロールヘッド Control FL RP FL RP+DI (62.5m2) (187.5m2) (187.5m2) 水 準 3 水 準 2 水 準 1 15m 15m 15m 6.25m 30 m GL RP + Compost GL RP GL Control (450m2) (450m2) (450m2) 71

76 (a)fl 区 設 置 内 容 詳 細 DI と RP の 設 置 比 率 は 福 井 県 農 業 試 験 場 にて RP4 本 に DI1 本 の 割 合 で 植 物 が 生 長 することを 確 認 していたが 南 アフリカでは 生 長 の 確 率 の 高 い RP3 本 に DI1 本 の 比 率 で 設 置 した RP の 充 填 土 は 緩 効 性 肥 料 を 含 む 培 養 土 を 使 用 播 種 方 法 は 種 類 により 間 隔 を 決 めて RP の 間 へ 挟 み 込 むように 行 う DI 有 無 RP 有 無 を 比 較 し 効 果 を 検 証 する ' 図 表 03 参 照 ( ; 図 表 039FL 区 詳 細 > Control RP RP+DI 水 準 6 水 準 5 水 準 4 Sweet Corn ' 播 種 の 間 隔 ( Sweet corn 0.75m 1.5m 6.25m Swiss Chard Swiss chard 0.3m pulled out by thining later Baby Spinach Baby spinach 0.1m 1.2m pulled out by thining later 10m 30m 30m 1.0m (b)gl 区 設 置 内 容 詳 細 GL 区 の RP には 現 地 の 土 をほぼそのまま 使 用 ' 大 きめの 植 物 残 渣 や 石 は 除 去 (し 水 は 天 水 を 基 本 とするが 渇 水 の 場 合 水 遣 り 実 施 肥 料 については RP の 上 から 肥 料 入 り 培 養 土 を 散 布 する 方 法 をと り 散 布 しない 区 RP 無 しと 比 較 し RP の 効 果 を 検 証 する 播 種 方 法 は 種 子 散 布 ' 図 表 04 参 照 ( ; 図 表 049GL 区 詳 細 > Control RP( 現 地 の 土 ) RP( 現 地 の 土 )+ 培 養 土 散 布 水 準 3 水 準 2 水 準 1 0.5m 0.5m 30m 15m 15m 15m 72

77 (c) 設 置 作 業 手 順 と 現 場 写 真 ;FL 区 > RP RP へ 培 養 土 充 填 RP の 設 置 播 種 DI 給 水 タンク 設 置 水 源 確 保 コントロールヘット 設 置 ト リッフ チューフ の 設 置 RP DI システム 完 成 形 ;GL 区 > RP へ 砂 充 填 RP 設 置 播 種 培 養 土 散 布 完 成 形 4 作 業 工 数 (a)gl 区 1ha 設 置 に 必 要 な 工 数 は RP 設 置 に 3,200 人 h (b)fl 区 1ha 設 置 に 必 要 な 工 数 は RP 設 置 で 2,560 人 h これらに 工 数 は 日 本 で 経 験 している 作 業 工 数 と 比 較 すると 非 常 に 効 率 が 悪 い 現 地 手 配 の 砂 充 填 機 材 の 完 成 度 の 低 さと 現 場 作 業 員 の 不 慣 れが 原 因 である 73

78 '2( 第 3 回 訪 問 '1 月 23 日 ~30 日 ( 実 証 実 験 地 訪 問 による 植 物 生 長 の 測 定 及 び UNDP 農 業 支 援 団 体 鉱 山 会 社 への 調 査 を 実 施 した 1 南 アフリカ 実 証 実 験 サイトにおける 植 物 生 長 度 の 調 査 及 び RP DI システムの 効 果 の 測 定 (a)fl 区 ' 図 表 05 参 照 ( Sweet corn Swiss chard Baby spinach の 3 種 の 植 物 を RP DI RP 手 作 業 の 水 遣 り 裸 地 天 水 の 3 水 準 で 4 週 間 育 成 した 結 果 植 物 の 生 長 を 高 さと 育 成 率 ' 生 育 株 数 / 播 種 数 (で 比 較 すると RP DI は RP 比 高 さで 136% 育 成 率 で 607% 裸 地 は 生 長 が 無 く 比 較 できない 結 果 となった また 用 水 量 は RP DI 区 は 125L.1 区 日 RP 区 の 手 作 業 での 水 遣 りは 196L.1 区 日 となり 36%の 節 水 となっ た ; 図 表 059 南 ア 実 験 サイト FL 区 の 植 物 生 長 調 査 結 果 > Sweet corn Swiss chard Baby spinach RP DI Ave. 高 さ 9-7cm 育 成 率 79% 高 さ 23-6cm 育 成 率 83%'130/160( 高 さ 2-4cm 育 成 率 85%'979/1,152( 高 さ 3-2cm 育 成 率 76%'1,642/2,160( RP 高 さ 19-5cm 高 さ 1-7cm 高 さ 0-2cm Ave. 育 成 率 70%'112/160( 育 成 率 22%'257/1,152( 育 成 率 4%'90/2,160( 高 さ 7-1cm 育 成 率 13% 裸 地 高 さ 0 育 成 率 0 高 さ 0 育 成 率 0 高 さ 0 育 成 率 0 74

79 (b)gl 区 ' 図 表 06 参 照 ( 非 可 食 植 物 の 4-Evergreen を RP 培 養 土 RP 裸 地 の 3 区 分 に 播 種 し RP 培 養 土 区 は 手 作 業 での 水 遣 りを 実 施 RP 裸 地 は 天 水 のみで 4 週 間 育 成 した 結 果 植 物 の 生 長 を 高 さ 密 度 で 比 較 した 結 果 RP 培 養 土 は RP 比 高 さで 19 倍 密 度 で 20 倍 裸 地 は 発 芽 せず 比 較 できない 結 果 となった RP 培 養 土 区 で 水 遣 りを 実 施 した 理 由 は 今 夏 の 渇 水 要 因 を 省 くためであり 水 分 量 は 196L.1 区 日 'ハ ウテン 州 の 1 月 の 降 水 量 を 想 定 ( RP 区 も 十 分 な 水 分 量 があれば 発 芽 の 密 度 が 高 くなったと 考 えられ る 根 の 様 子 は 写 真 08の 通 りで RP に 根 が 定 着 していることを 確 認 できる ; 図 表 069 南 ア 実 験 サイト GL 区 の 植 物 成 長 調 査 結 果 > 4-Evergreen RP 培 養 土 高 さ 3-8cm ; 写 真 089GL の 根 > 密 度 隙 間 無 く 緑 化 RP 高 さ 0-2cm 密 度 5% 裸 地 高 さ 0 密 度 0 75

80 (c) 実 験 サイトの 結 果 のまとめ 上 記 実 験 サイトの 調 査 結 果 をまとめると 図 表 07のとおりとなる ; 図 表 079 実 験 サイトの 結 果 のまとめ> FL GL 評 価 生 長 性 育 成 率 用 水 量 評 価 生 長 性 育 成 率 RP DI 8-6cm 68% 014L,,, RP* 水 遣 り 6-0cm 02% 085L 2-7cm 隙 間 無 く 裸 地 /cm /% 天 水 /cm /% FLでは 前 述 のとおり RP DI 区 の 植 物 の 生 長 性 育 成 率 は 他 区 より 高 く また 用 水 量 は 尐 ない この 結 果 により 荒 廃 地 にて RP DI を 設 置 することにより 生 産 性 の 高 い 農 業 を 実 施 できることを 実 証 した GLでも 前 述 のとおり RP 区 の 植 物 の 生 長 性 育 成 率 は 他 区 より 高 く また RP への 根 の 張 りこみによ る 定 着 が 確 認 でき RP による 荒 廃 地 の 緑 化 効 果 を 実 証 した 今 夏 の 尐 雤 による 発 芽 期 の 水 不 足 を 補 うべく 手 作 業 での 水 遣 りを 行 ったが RP 内 に 根 が 張 れば RP の 保 水 効 果 で 天 水 での 生 長 の 持 続 が 期 待 できる 2 農 業 セクターの 現 地 調 査 農 業 セクターの RP DI システムの 導 入 先 として 考 えている 小 規 模 農 家 を 商 業 農 家 へと 成 長 させるプロ グラム を 実 践 している 農 業 特 化 商 業 銀 行 のLand Bank と 農 業 支 援 NGO HUMANA と 面 談 し 南 アフ リカの 小 規 模 農 業 の 実 態 課 題 及 び 支 援 状 況 と RP DI システム 導 入 の 可 能 性 を 調 査 した また UNDP とはアフリカ 支 援 プロジェクトへの RP DI システム 活 用 法 について 協 議 した (a)land Bank 面 談 日 91 月 27 日 ' 日 ( 面 談 者 9Mahendra Kara 氏 場 所 9Centurion のサイト Land Bank とは 商 業 農 業 を 対 象 とする 企 業 向 け 部 門 と 小 規 模 農 業 を 対 象 とする 個 人 向 け 部 門 をもち 小 規 模 農 家 部 門 の 顧 客 数 は 約 3 万 世 帯 ある 小 規 模 農 家 部 門 のうち 面 談 者 の Kara 氏 が 担 当 する Retail Emerging Markets は 食 料 の 安 全 保 障 と 貧 困 削 減 を 上 位 目 標 とし 黒 人 小 農 の 商 業 化 を 目 指 した 融 資 技 術 支 援 農 業 資 材 の 斡 旋 インフラ 支 援 等 の 多 様 なサービスを 提 供 している 具 体 的 には Crebus と いうサービスプロバイダーと 提 携 し Land Bank がファイナンスを 提 供 し Crebus が 現 場 で 農 家 にサー ビスを 提 供 するという 役 割 分 担 で 展 開 している 小 規 模 農 家 の 実 態 南 アフリカの 農 業 は 黒 人 による 小 規 模 自 給 自 足 が 農 業 GDP の 20% 白 人 による 商 業 農 業 が 同 80% で 農 業 従 事 者 は 黒 人 小 規 模 農 業 が 70 万 人 白 人 商 業 農 業 は 3-5~4 万 人 と 言 われている 小 規 模 農 家 の 月 収 は 1,400 ランド' 約 1-4 万 円 ( 程 度 で 保 有 耕 作 地 の 面 積 は サンフラワーで 100ha 穀 物 で 5~10ha 野 菜 で 1~5ha 耕 作 物 はメイズ'トウモロコシ( 豆 サンフラワー 野 菜 等 である 商 業 農 業 を 目 指 す 小 規 模 農 家 の 課 題 は 過 剰 耕 作 による 農 業 生 産 性 の 低 下 耕 作 面 積 の 狭 さであり 農 業 の 生 産 性 を 上 げる 技 術 や 農 地 面 積 の 拡 大 を 必 要 としている 76

81 RP DI の 評 価 Centurion のサイトを 視 察 し 農 業 生 産 性 向 上 農 地 面 積 拡 大 の 課 題 解 決 に 適 合 する 技 術 であると 評 価 され 興 味 を 持 たれた 5 年 融 資 で 商 業 ベースに 乗 せるのが 基 本 モデルだが 1 年 目 から 収 穫 増 に よる 商 業 生 産 が 見 込 めるのであれば 既 存 技 術 ではできない 新 しいモデルとなる 可 能 性 がある 今 後 ビジネスモデルを 策 定 するプロバイダーと 共 に 同 サイトを 訪 問 し 評 価 を 進 めたいとの 前 向 きな 評 価 であった 南 アフリカ 農 業 に 関 する 情 報 換 金 作 物 の 農 家 出 荷 価 格 を 高 い 順 に 10 品 種 聞 いたところ 季 節 や 販 売 ルートにより 異 なるので 判 断 できないが メイズ 砂 糖 ホウレンソウ キャベツの 出 し 値 が 高 く メイズで 1t あたり 2,000~2,500 ラン ド' 約 2~2-5 万 円 ( 程 度 とのことであった ; 写 真 1/9 中 央 が KARA 氏 > 農 業 支 援 団 体 は 金 融 機 関 は Land Bank のみで NGO として HUMANA 他 尐 数 あるとの 情 報 であった (b)humana 面 談 日 91 月 26 日 ' 土 ( 面 談 者 9Roland Naoh 氏 場 所 9ソウェト HUMANA とは 貧 困 撲 滅 を 主 要 概 念 とし 農 業 開 発 健 康 促 進 HIV 撲 滅 教 師 の 教 育 技 術 者 育 成 環 境 保 全 につ いて 32 カ 国 20 万 人 のボランティアが 様 々なプロジェクトに 取 り 組 んでいる NGO 団 体 南 アフリカにおける 活 動 貧 困 対 策 として 子 供 の 救 済 及 び 農 業 コミュニティの 援 助 具 体 的 には 農 地 の 貸 付 ' 写 真 10 参 照 ( 種 子 苗 の 援 助 農 業 技 術 の 指 導 等 を 行 っている 南 アフリカでは 5 州 で 展 開 しており ソウェトはハ ウテン 州 の 支 部 RP DI システムについて 小 麦 に 適 用 可 能 であれば 展 開 を 考 えたいとのことで Centurion のサイトを 視 察 し 効 果 を 確 認 するとのこと 同 団 体 は 農 業 技 術 支 援 も 行 っているため 農 家 に 対 し 小 規 模 で 生 産 性 を 高 める 工 法 として RP DI システムを 推 奨 してもらえれば 普 及 に 役 立 つ 可 能 性 はある 但 し 価 格 については 意 見 交 換 していないため 今 後 の 展 開 で 課 題 となる ; 写 真 109HUMANA 訪 問 風 景 > 77

82 (c)undp 面 談 日 91 月 25 日 ' 金 ( 面 談 者 9Agrostinho Zacarias 南 アフリカ UNDP 代 表 Letsholo Mojanaga 氏 場 所 9UNDP 南 アフリカ 本 部 'プレトリア( 南 アフリカ UNDP の 目 的 は 貧 困 コミュニティを 対 象 とした 生 活 向 上 失 業 低 減 産 業 活 性 であり それ らを 目 的 とした 支 援 プログラムを 実 行 している RP DI システムを 活 用 する 支 援 プログラムとして 貧 困 コミュニティの 荒 廃 地 を 活 用 した 農 業 支 援 と 鉱 山 会 社 Anglo America の 出 した 14,000 人 に 及 ぶ 大 量 解 雇 者 救 済 を 目 的 とした 雇 用 創 出 のための 農 業 支 援 が 考 えられるということであった ; 写 真 119 南 ア UNDP 代 表 と> ; 写 真 129コミュニティ 候 補 地 > 3 産 業 セクターの 現 地 調 査 鉱 山 会 社 Shanduka Coal African Rainbow Minerals Gold Field と 面 談 し マインダンプのリハビリの 状 況 及 び RP システム 導 入 の 可 能 性 を 調 査 した また Gold one のマインダンプでは 2010 年 に 設 置 し た RP による 植 物 生 長 の 状 況 を 視 察 した (a)shanduka Coal 面 談 日 91 月 24 日 ' 木 ( 面 談 者 9Sunil Mungaroo 氏 場 所 9Shanduka 本 社 'プマランガ 州 ( Shanduka 社 の 採 掘 する 鉱 山 があるムプマランガ 州 は ヨハネスブルグのあるハウテン 州 の 東 に 位 置 し ており インド 洋 からの 気 候 の 影 響 を 受 け 雤 が 多 い 同 社 保 有 鉱 山 のリハビリテーション 手 法 は 表 層 の 土 に 肥 料 を 混 ぜ 播 種 するだけの 安 価 でシンプルな 手 法 で 天 水 のみで 草 が 生 長 する 写 真 13は 11 月 播 種 の 地 域 であり 3 ヶ 月 で 緑 化 が 完 了 している 因 みに 天 水 のみの 工 法 の 価 格 は 25,000 ランド. ha' 約 2,800$(で RP の 約 9 分 の 1 である 更 に 金 鉱 山 ではリハビリテーション 費 用 が 採 掘 開 始 時 にデポジットされているのに 対 し 石 炭 鉱 山 で はその 制 度 が 無 く 且 つ 石 炭 が 安 価 であることから リハビリテーション 費 用 をできるだけ 低 く 抑 える 傾 向 にある ; 写 真 13: 石 炭 マインダンプのリハビリ> このように 水 に 恵 まれた 地 域 にある 石 炭 鉱 山 の マインダンプは 高 度 なリハビリ 技 術 が 不 要 であり RP DI システムのターゲットとはならないことが 分 かった 78

83 (b)african Rainbow Minerals'ARM( 面 談 日 91 月 28 日 ' 月 ( 面 談 者 9Tsietsi B Letanta 氏 場 所 9ARM 本 社 'サントン( 石 炭 プラチナ 鉄 鉱 石 金 を 採 掘 する 会 社 であり 会 長 が 黒 人 で ボードメンバーの 半 数 が 黒 人 金 はハーモニーゴールド 社 へのマイナー 出 資 '15%(の 位 置 づけだが 他 は 100%の 権 益 を 持 つ 石 炭 鉱 山 はムプマランガ 州 にあるため Shanduka 社 と 同 様 の 理 由 で RP の 市 場 に 適 さないが プラチナ 鉱 山 の 位 置 するリンポポ 州 は 乾 燥 気 候 であり 砂 塵 飛 散 を 引 き 起 こすマインダンプの 管 理 が 課 題 となってい るとのこと 同 社 から 入 手 した 決 算 報 告 書 によると 2011 年 度 でマインダンプの 緑 化 排 水 浄 化 等 の 環 境 費 用 引 当 金 として 4 億 ランド'46 百 万 $( 計 上 している Letanta 氏 はプラチナ 鉱 山 の 環 境 管 理 マネジャーであり 同 氏 から 上 位 者 へ RP DI システムを 紹 介 して もらい 実 証 試 験 実 施 を 進 めたい DRD 社 の 前 例 を 考 えると 今 後 既 存 の 環 境 管 理 業 者 との 競 合 人 種 差 別 的 妨 害 等 課 題 はあると 推 測 されるが 黒 人 管 理 者 が 多 い 会 社 との 特 徴 から 同 社 との 商 売 が 実 現 することを 期 待 したい (c)gold Field 面 談 日 91 月 28 日 ' 月 ( 面 談 者 9Johan 氏 'マインタ ンフ マネシ ャー( Mohammed 氏 'フ ロシ ェクトマネシ ャー( 場 所 9 下 地 図 Gold One DRD gold Gold Field マインダンプの 状 況 金 を 採 掘 する 会 社 であり 廃 鉱 のマインダンプを 3 箇 所 稼 働 中 のマインダンプを 2 箇 所 抱 えている 特 に 我 々が 訪 問 したマインダンプは 500m 程 の 場 所 に 病 院 があり 8 月 ~11 月 に 吹 く 北 西 の 強 風 に よる 砂 塵 飛 散 により 病 院 を 含 むコミュニティから 毎 年 クレームを 受 けているとのこと マインダンプ 底 部 は 上 部 からの 水 が 溜 まる 構 造 になっており 緑 化 しているが 斜 面 と 頂 上 部 の 砂 が 止 められていな い 頂 上 部 では 灌 漑 業 者 が 灌 漑 設 備 設 置 を 試 みた 後 があったが パイプの 盗 難 等 の 問 題 があり 途 中 放 棄 されていた 現 状 では 打 つ 手 が 無 い 状 況 である RP DI システム 実 証 実 験 実 施 について マインダンプのマネジャーである Johan 氏 は 現 状 に 困 っているため RP DIシステム 導 入 に 非 常 に 積 極 的 であり 上 位 者 を 説 得 するので 今 回 訪 問 したマインダンプで 是 非 トライしたいとの 意 向 で 今 出 張 79

84 で 一 番 の 好 感 触 であった 頂 上 部 のみで 6ha あり 許 可 が 出 れば 先 ず 1,600 m2の RP の 実 証 実 験 を 開 始 する 実 験 は 盗 難 問 題 を 考 慮 し RP 設 定 を 実 施 し 緑 化 効 果 が 実 証 された 後 鉱 山 会 社 にてセキュリ ティを 整 備 し RP DI システム 設 置 を 有 償 で 開 始 する 3 月 中 に 実 験 可 否 の 連 絡 が 入 る 予 定 であり 許 可 された 場 合 には C&S 社 により 作 業 を 開 始 する ; 写 真 149マインダンプ 斜 面 マインダンプ 頂 上 Johan 氏 ' 右 端 (> (d)gold One マインダンプ 視 察 訪 問 日 91 月 26 日 ' 土 ( 場 所 9 下 地 図 Gold One DRD gold Gold Field RP の 状 況 2010 年 に RP による 小 規 模 実 験 を 行 った Gold one 社 のマインダンプを 視 察 し 設 置 から 2 年 経 過 後 の 緑 化 状 況 を 確 認 した 写 真 15の 通 り 周 囲 から 飛 んできた 砂 で 25cm 埋 まっているものの しっかり 根 付 いており 植 物 'KIKUYU(の 生 長 は 持 続 し ; 写 真 159 播 種 後 2 年 の KIKUYU 草 と14cm 砂 に 埋 もれた RP> ている マインダンプの 頂 上 は 砂 漠 化 して いるが PLA には 保 水 効 果 がある ため 尐 量 の 雤 でも 枯 れる 心 配 は 尐 ない RP 80

85 リハビリの 現 状 Gold one のマインダンプのリハビリ' 砂 塵 飛 散 防 止 対 策 (は 石 積 み 土 嚢 積 み ネット 等 多 様 な 技 術 で 実 施 されているが 全 て 失 敗 している' 写 真 参 照 ( しかし 上 記 の 通 り RP 小 規 模 実 験 の 成 果 が 上 がっているにもかかわらず RP 採 用 の 意 思 が 無 いのは 既 存 リハビリ 工 法 請 負 業 者 が 白 人 で 既 得 権 益 を 主 張 し C&S' 黒 人 (の 持 ち 込 む 新 技 術 を 拒 絶 している 可 能 性 がある ; 写 真 169 剥 がれたフェンス> ; 写 真 179 石 と 土 嚢 > (e)マインダンプのリハビリが 進 まない 原 因 第 0 回 第 2 回 の 南 アフリカ 訪 問 で DRD gold Shanduka coal Gold Field Goid one の3 箇 所 のマイン ダンプを 視 察 した 結 果 Shanduka coal を 除 く2 箇 所 で 緑 化 が 進 まない 原 因 は 以 下 が 考 えられる 山 頂 部 は 風 が 強 く 植 物 の 種 が 固 定 されない 降 雤 量 が 尐 なく 砂 の 保 水 性 が 低 い 更 に 堆 積 した 砂 の 飛 散 という 問 題 に 対 し 現 状 のリハビリ 手 段 は 短 期 的 な 適 応 策 'ネット 石 等 (であ り 持 続 的 な 緩 和 策 になっていない 鉱 業 法 によりリハビリ 費 用 は 鉱 山 会 社 の 会 計 上 積 み 立 てられて いるが 有 効 な 使 い 道 となっていないのが 現 状 である 現 地 調 査 により 明 らかになった 事 実 として リハビリに 新 規 技 術 が 導 入 されない 理 由 として 環 境 施 行 会 社 と 鉱 山 採 掘 会 社 の 癒 着 がある 既 存 の 会 社 が 既 得 権 として' 成 否 に 関 わらず( 既 存 のリハビリ 手 法 を 実 行 しており またリハビリを 進 める 際 の 鉱 山 採 掘 会 社 との 複 雑 な 手 続 きが 新 規 参 入 を 阻 んでい る 81

86 '3(ST による 砂 漠 移 動 防 止 工 法 の 確 立 PLA サンドチューブ'ST(による 砂 漠 移 動 防 止 効 果 は 中 国 内 モンゴル 自 治 区 に 於 ける 実 証 実 験 で 確 認 しており 今 FS 事 業 では ST の 機 械 設 置 工 法 を 以 下 の 内 容 で 評 価 検 証 した '10 月 11~12 日 ( 1 実 験 目 的 実 験 場 所 (a) 実 験 目 的 9 機 械 化 による ST 設 置 効 率 を 手 作 業 と 比 較 検 証 し また 使 用 車 輌 の 能 力 を 検 証 する (b) 実 験 場 所 9 鳥 取 大 学 乾 燥 地 研 究 センター' 写 真 18 参 照 ( ; 鳥 取 砂 丘 実 験 地 > (c) 実 験 現 場 9 ST' 草 方 格 ( 設 置 実 験 面 積 約 500 m2'10m 50m(で 評 価 検 証 ' 写 真 18 参 照 ( ; 写 真 189 鳥 取 砂 丘 実 験 地 概 観 > 2 使 用 車 輌 の 仕 様 価 格 (a) 仕 様 概 要 車 輌 名 9 YAMAHA RHINO 'ヤマハ ライノ( カテゴリー9 SIDE x SIDE Vehicle 開 発 コンセプト9 全 地 形 走 行 車 輌 の 二 人 乗 り 四 輪 駆 動 の オフロード ビークルとしての 開 発 車 輌 (b) 仕 様 詳 細 車 輌 本 体 92,885x1,385 x1,853mm' 荷 台 883x1,112 x 312mm( 乾 燥 重 量 544kg 荷 台 許 容 182kg 牽 引 力 550kg エンジン9686cc 水 冷 4 ストローク SOHC 4 バルブ 駆 動 方 式 92WD, 4WD シャフトドライブ サスペンション9 独 立 式 ダブルウィッシュボンーン 燃 料 タンク932 リットル (c) 参 考 価 格 ' 南 ア 購 入 の 場 合 12 年 11 月 試 算 ( 小 売 価 格 9130,000 ランド' 含 VAT14%( US$ 換 算 9 約 14.8 千 $( 82

87 3 実 証 実 験 (a) 実 験 19 工 法 準 備 ' 砂 充 填 ( 作 業 の 効 率 検 証 目 的 9 砂 充 填 作 業 の 効 率 を 評 価 検 証 する 実 施 9ホッパーを 用 いた 砂 充 填 作 業 ' 右 写 真 ( 結 果 9 約 180m/ 人 時 間 '2 人 で ST 長 さ 約 12m のホッパー 砂 充 填 に 約 120 秒 を 要 した ( (b) 実 験 29 工 法 準 備 ' 車 輌 積 載 ( 作 業 の 効 率 検 証 目 的 9 車 輌 積 載 作 業 の 効 率 を 評 価 検 証 する 実 施 9 砂 充 填 ST の 車 輌 積 載 作 業 ' 右 写 真 ( 結 果 9 約 1,211m/ 人 時 間 ' 3 人 で 長 さ 約 115m の 車 輌 積 載 に 約 114 秒 を 要 した ( (c) 実 験 39 設 置 工 法 ' 車 輌 設 置 (の 作 業 効 率 検 証 目 的 9 車 輌 設 置 作 業 の 効 率 を 評 価 検 証 する 実 施 9 砂 充 填 ST の 車 輌 設 置 作 業 ' 右 写 真 ( 結 果 9 約 1,617m/ 人 時 間 ' 運 転 手 1 人 設 置 者 3 人 での 車 輌 設 置 に 約 64 秒 を 要 した ( (d) 実 験 49 比 較 工 法 ' 手 作 業 (の 作 業 効 率 検 証 目 的 9 手 作 業 での 設 置 効 率 を 評 価 検 証 する 実 施 9 手 作 業 による 充 填 設 置 作 業 ' 右 写 真 ( 結 果 9 約 29.33m/ 人 時 間 '1 人 で 長 さ 231m の 手 作 業 設 置 に 4.5 時 間 を 要 した ( (e) 実 験 59ST 設 置 後 の 車 輌 走 行 影 響 検 証 目 的 9 施 工 後 の 車 輌 走 行 影 響 を 評 価 検 証 する 実 施 9ST 積 載 状 態 で 施 工 面 を 走 行 ' 右 写 真 ( 結 果 9 約 810kg の 砂 充 填 ST を 積 載 した 約 1.3t の 合 計 重 量 で 施 工 面 を 走 行 した 結 果 破 損 等 のダメージは 見 られなかった (f) 実 験 69 積 載 時 の 車 輌 走 行 状 態 検 証 目 的 9 運 搬 時 の 車 輌 走 行 状 態 を 評 価 検 証 する 実 施 9ST 積 載 状 態 で 斜 面 等 走 行 ' 右 写 真 ( 結 果 9 重 量 約 1.3t での 平 地 走 行 は 問 題 無 かった 傾 斜 地 走 行 は 荷 姿 傾 斜 角 度 車 輌 重 心 等 を 考 慮 し た 走 行 が 必 要 4 結 果 まとめ9 ST 機 械 設 置 工 法 の 評 価 検 証 結 果 は 以 下 の 通 り' 図 表 08 参 照 ( (a)st 機 械 設 置 工 法 の 評 価 検 証 結 果 9 従 来 工 法 ' 手 作 業 設 置 ( 対 比 で 6 倍 の 効 率 改 善 を 確 認 した ( 図 表 08の 実 験 水 準 1 と 4 の 比 較 ) バギー 車 による 設 置 速 度 は 1,211m. 人 h で ST への 砂 充 填 速 度 180m. 人 h より 圧 倒 的 に 速 い 今 工 法 では 砂 充 填 速 度 の 向 上 が 課 題 である 83

88 (b) 使 用 車 輌 の 評 価 検 証 結 果 9 設 置 後 の 走 行 影 響 や 運 搬 時 の 走 行 状 態 は 問 題 無 い ; 図 表 089 実 験 結 果 のまとめ> 水 準 実 験 目 的 [ 評 価 検 証 対 象 ] 実 施 結 果 1 新 工 法 準 備 ' 砂 充 填 (の 作 業 効 率 ホッパーを 用 いた 砂 充 填 作 業 約 180m/ 人 時 間 2 新 工 法 準 備 'ST 積 載 (の 作 業 効 率 車 輌 への 砂 充 填 ST 積 載 作 業 約 1,211m/ 人 時 間 3 新 工 法 施 工 ' 車 輌 施 工 (の 作 業 効 率 車 輌 による ST 施 工 作 業 約 1,617m/ 人 時 間 4 旧 工 法 施 工 ' 手 作 業 (での 作 業 効 率 手 作 業 による 充 填 設 置 作 業 約 29.3m/ 人 時 間 5 車 輌 走 行 影 響 ' 施 工 面 上 ( 施 工 面 上 を 車 輌 走 行 問 題 無 6 車 輌 走 行 状 態 ' 運 搬 時 [ 施 工 物 人 ]( 平 地 傾 斜 地 等 を 車 輌 走 行 問 題 無 傾 斜 地 課 題 有 '5( 文 献 及 び 現 地 調 査 によるベース 情 報 1 農 業 セクター 南 アフリカの 農 業 の 構 造 歴 史 背 景 などについて 文 献 による 調 査 を 実 施 した (a) 南 アフリカ 農 業 の 構 造 南 アフリカの 農 業 は 白 人 による 商 業 農 業 ' 農 業 GDPの80%(と 黒 人 による 自 給 自 足 農 業 の 二 重 構 造 となっている このような 構 造 を 解 消 できない 背 景 は 以 下 の 通 り 1910 年 に 南 アフリカ 連 邦 が 形 成 され 新 政 府 は 鉱 山 及 び 白 人 農 場 への 労 働 力 確 保 のため 1913 年 原 住 民 土 地 法 を 成 立 し アフリカ 人 とヨーロッパ 人 の 土 地 を 分 離 し アフリカ 人 居 住 地 域 を 作 るととも に 賃 金 労 働 による 大 農 場 経 営 企 業 だけを 認 めた' 小 作 制 度 の 廃 止 ( アフリカ 人 農 民 は 公 的 な 活 動 へ の 参 加 を 認 められず 各 種 の 支 援 を 受 けられなくなった 結 果 収 入 や 財 産 を 失 い 生 活 状 況 が 急 速 に 悪 化 白 人 農 民 層 に 対 しては 1912 年 に 融 資 を 行 う 土 地 銀 行 を 設 立 し 独 占 的 流 通 機 構 の 設 立 研 究 普 及 やインフラ 供 給 などの 支 援 を 強 化 した 1948 年 にオランダ 系 移 民 が 支 持 する 国 民 党 が 政 権 に 就 くことにより 人 種 隔 離 政 策 'アパルトヘイト( が 更 に 強 まり 1951 年 アフリカ 人 管 轄 法 と1959 年 バンツー 自 治 政 府 促 進 法 により Pede, Sotho, Tswana, Swazi 等 部 族 ごとの 自 治 国 が 人 工 的 に 造 られ 年 に350 万 人 のアフリカ 人 が 強 制 移 住 させられた この 強 制 移 住 が 複 雑 な 力 関 係 を 生 み 地 域 における 権 威 をめぐる 争 いが 起 こるとと もに 既 存 の 社 会 ネットワークの 瓦 解 によりコミュニティが 分 裂 した (b) 農 業 政 策 上 記 を 背 景 として 政 府 は アパルトヘイト 崩 壊 後 格 差 と 歪 みの 是 正 のため 以 下 の 取 り 組 みを 推 進 農 業 生 産 性 及 び 生 産 量 の 増 大 による 南 アフリカ 全 体 の 経 済 成 長 への 貢 献 貧 困 層 の 収 入 向 上 ' 小 農 中 農 が 自 給 及 び 販 売 用 生 産 を 改 善 できる 機 会 の 創 出 ( 農 業 セクターでの 新 規 雇 用 機 会 の 創 出 生 産 拡 大 と 資 源 の 公 正 な 分 配 による 食 料 安 全 保 障 の 向 上 具 体 的 施 策 は 以 下 の 通 り 補 助 金 と 技 術 支 援 を 伴 った 市 場 型 土 地 分 配 プログラムの 導 入 土 地 保 有 改 革 土 地 返 還 全 ての 流 通 公 社 統 制 価 格 各 種 補 助 金 の 廃 止 土 地 銀 行 の 役 割 転 換 大 農 への 融 資 支 援 の 廃 84

89 止 干 魃 の 影 響 を 受 けた 商 農 の 債 務 帳 消 しの 改 善 等 政 府 は 特 に 黒 人 層 の 貧 困 削 減 格 差 是 正 のため 生 産 性 の 高 い 小 規 模 及 び 中 規 模 農 民 の 育 成 を 目 指 している 更 に 1997 年 の 農 村 開 発 フレームワーク'RDF9Rural Development Framework:(は 貧 困 に 強 い 焦 点 をあてており 主 な 目 標 は 以 下 の 通 りである 地 方 農 村 住 民 の 地 方 政 府 での 決 定 段 階 からの 参 加 雇 用 創 出 と 経 済 開 発 人 口 密 度 が 高 く 孤 立 した 地 域 での 基 礎 インフラの 提 供 と 公 共 サービスの 向 上 地 区 行 政 組 織 'local government(の 能 力 向 上 持 続 性 の 確 保 (c) 農 業 支 援 策 公 的 農 業 技 術 普 及 サービスは 白 人 農 家 と 旧 ホームランド 地 域 で 格 差 があり 前 者 に 技 術 を 持 つ 普 及 員 ' 大 卒 以 上 (が 集 中 普 及 には 予 算 スキルが 不 十 分 である 等 の 問 題 がある 農 協 投 入 財 会 社 取 引 所 などを 含 む 民 間 セクターでも 公 的 普 及 サービスとほぼ 同 じ 規 模 の 普 及 サービスがある 州 及 び 国 の 農 業 省 は 共 同 で 普 及 支 援 計 画 を 行 っており 特 に 研 究 と 普 及 の 連 携 'FSR-E 9Farming Systems Research and Extension:(の 導 入 による 農 民 と 研 究 者 の 対 話 促 進 普 及 員 の 再 研 修 '2,400 人 の 再 研 修 を 予 定 ( 農 協 による 普 及 員 の 雇 用 や 民 間 セクターとのパートナーシップ 等 に 取 り 組 んでいる 研 究 開 発 機 関 のARC'Agricultural Research Council(は 1990 年 に 農 業 技 術 開 発 及 び 技 術 移 転 の 研 究 の ため 設 立 され 農 業 省 と 文 部 科 学 技 術 省 が 所 管 650 人 の 科 学 者 その 他 2,500 人 のスタッフがいる 持 続 可 能 な 農 業 畜 産 に 関 する 研 究 開 発 を 進 めており 約 200のフィールド プロジェクトがある 農 業 研 究 予 算 の60%がARCへ 拠 出 されており ARC 資 金 の 内 訳 は 国 会 予 算 が65%で 国 際 ドナーからの 資 金 は 予 算 の5% 以 下 である 主 なドナーはNORAD, CIDA, DfID, GTZ, France, EU, USAIDである (d) 農 業 金 融 現 在 小 農 貧 農 が 利 用 できる 金 融 サービスはほとんど 無 い 農 業 貸 付 委 員 会 による 比 較 的 貧 しい 白 人 商 農 に 対 する 貸 付 は1997 年 に 廃 止 旧 ホームランド 地 域 での 各 州 開 発 金 融 公 社 によるアフリカ 人 小 農 に 対 する 支 援 は 利 用 者 が 尐 数 であった 農 村 金 融 サービスに 関 する 政 府 方 針 は 農 協 取 引 所 土 地 銀 行 等 が 農 業 金 融 実 施 機 関 となるよう 提 言 している 農 村 金 融 サービスに 関 するストラウス 委 員 会 の 提 言 に 基 づいている 土 地 銀 行 は 貧 農 に 対 応 すべく 貸 付 プログラムを 作 成 貧 農 への 貸 付 での 問 題 は 返 済 能 力 だが 担 保 を 土 地 から 移 動 可 能 な 財 産 に 移 行 し また 貸 付 機 関 の 貸 付 を 促 す 保 障 スキームとして 土 地 銀 行 が リスク 保 障 基 金 で 損 失 を 一 部 補 填 する 更 に 貸 付 仲 介 業 者 が 不 足 し ているため 取 引 コストの 削 減 などの 導 入 支 援 によって 組 織 支 援 を 図 っている 金 融 サービス 協 同 組 合 としての 村 銀 行 の 発 展 が 注 目 されている 村 銀 行 はすでに 多 様 な 金 融 サービ スを 進 めており 小 規 模 サトウキビ 生 産 者 金 融 支 援 基 金 などは45,000 人 の 農 民 に 施 設 を 提 供 してい る 政 府 は 今 後 は 技 術 的 支 援 及 び 法 整 備 のみに 徹 する 方 針 で 農 業 省 は 必 要 な 場 合 のみ 規 制 やガ イドラインを 作 成 農 村 金 融 システムのモニタリング 及 び 評 価 を 行 う (e) 農 民 の 協 同 組 合 農 民 組 織 には 農 民 協 会 協 同 組 合 等 があり マーケティング 土 地 管 理 土 地 情 報 やサービスへの アクセスに 取 り 組 んでいる その 上 に 地 域 あるいは 州 レベルの 組 織 があり 各 種 のサービスを 提 供 更 に 国 家 レベルでは 連 合 体 として 政 策 提 言 を 行 っている 既 存 の 大 規 模 農 協 により 小 農 へのサービスは 拡 大 されるが 更 に 小 農 の 組 織 化 支 援 が 望 まれており NGOや 教 会 組 織 にファシリテーターとしての 役 85

90 割 が 期 待 されている 政 府 は 農 民 組 織 に 対 し 融 資 面 での 優 遇 や 補 助 金 を 行 うことは 無 く なるべく 介 入 せず 研 修 家 畜 検 疫 インフラ 整 備 金 融 サービス 整 備 に 限 った 役 割 を 担 う 方 針 である (f) 土 地 制 度 1997 年 に 土 地 問 題 省 'Department of Land Affairs(が 議 会 に 提 出 した 土 地 改 革 白 書 は 土 地 なし 層 に 対 して 土 地 へのアクセス 付 与 の 枠 組 みを 提 示 し 土 地 改 革 プログラムとして 下 記 3つに 取 り 組 んでいる 土 地 返 還 'Land Restitution( 1913 年 の 人 種 差 別 的 法 律 により 土 地 の 権 利 を 剥 奪 された 人 への 土 地 返 還 を 目 的 とする 土 地 申 立 裁 判 所 及 び 土 地 返 還 委 員 会 が 設 立 され 申 立 から 返 還 実 行 まで 約 18 年 間 かかる 予 定 で 原 則 は 剥 奪 さ れた 土 地 の 返 還 であるが 不 可 能 な 場 合 は 代 替 地 提 供 や 補 償 金 支 払 いとなる 土 地 返 還 対 象 者 は 最 大 15,000 ランドの 補 助 金 を 受 けることができる 土 地 再 分 配 'Land Redistribution( 社 会 的 弱 者 への 居 住 及 び 生 産 用 地 へのアクセス 提 供 を 目 的 とし アパルトヘイトで 不 利 益 を 被 った 人 々 全 てを 対 象 とする 市 場 での 自 発 的 な 土 地 売 買 を 基 本 とするが 土 地 購 入 者 は 一 世 帯 当 たり 最 大 15,000ランドの 補 助 金 を 受 けられ 集 団 での 土 地 購 入 も 奨 励 されている 土 地 保 有 改 革 'Land Tenure Reform( 土 地 改 革 ' 労 働 小 作 人 ( 法 '1996 年 (は 土 地 保 有 権 を 全 南 アフリカ 人 に 法 的 に 保 証 することを 目 的 とし 旧 ホームランドの 共 有 地 の 住 民 や 白 人 農 場 の 農 場 労 働 者 など 土 地 の 法 的 な 権 利 を 持 たない 人 々に 対 し 立 ち 退 き 防 止 と 居 住 耕 作 してきた 土 地 の 取 得 を 認 可 している 但 し 黒 人 農 民 層 の 土 地 保 有 は 進 んでいないのが 実 態 (g) 灌 漑 政 策 現 在 南 アフリカではすでに50% 以 上 の 水 が 灌 漑 目 的 で 使 われており 更 に 都 市 及 び 産 業 地 域 から の 水 の 需 要 が 急 速 に 伸 びているため 灌 漑 地 の 拡 大 は 最 大 でも20 万 haとなる 灌 漑 政 策 においては 既 存 の 灌 漑 スキームのリハビリ 20 万 haの 灌 漑 地 開 発 政 策 実 施 のための 効 果 的 な 組 織 制 度 の 構 築 水 利 用 の 効 率 性 の 改 善 の4つの 課 題 が 挙 げられている 水 政 策 白 書 及 び1998 年 の 水 関 連 法 において 水 供 給 は 全 国 民 の 利 益 のために 持 続 的 に 平 等 な 形 で 保 護 利 用 管 理 されるべきとしている この 水 関 連 法 制 定 後 は 許 可 制 によって 全 国 民 の 水 へのアクセスが 規 制 され 水 需 要 が 高 ければ 水 利 用 者 の 利 用 料 金 が 上 がることとなる 農 業 も より 合 理 的 かつ 持 続 可 能 な 水 利 用 パターンへの 変 更 が 必 要 となる ' 参 考 文 献 9(a)~(g) JICA 南 部 アフリカ 研 究 会 報 告 書 第 2 巻 別 冊 南 アフリカ 現 状 分 析 資 料 編 ( 2 産 業 セクター 南 アフリカの 鉱 業 の 構 造 と 環 境 規 制 について 文 献 による 調 査 を 実 施 した (a) 南 アフリカ 鉱 業 の 構 造 南 アフリカでは 鉱 業 は 主 要 産 業 であり 関 連 業 界 を 含 め GDP の 18%に 貢 献 しており 輸 出 の 18%を 占 める 生 産 される 鉱 産 物 は 鉄 貴 金 属 ' 金 白 金 ( ベースメタル 石 炭 で 白 金 クロム バナジウ ムは 世 界 一 の 生 産 量 を 誇 り 日 本 の 輸 入 ランクでも 上 位 を 占 める その 構 造 は アパルトヘイトと 地 下 資 源 所 有 権 が 地 上 権 者 に 属 す' 地 下 資 源 は 国 家 に 属 するのが 世 界 の 趨 勢 (という 南 アフリカ 特 有 の 制 度 により 白 人 が 黒 人 労 働 者 を 支 配 する 構 造 であったが マンデ 86

91 ラ 政 権 発 足 後 個 人 に 属 していた 鉱 業 権 を 国 に 返 還 するという 鉱 業 法 の 改 正 により 制 定 された 鉱 物 石 油 資 源 開 発 法 '2004 年 5 月 (と 黒 人 の 経 済 活 動 への 参 加 を 促 すための 鉱 業 憲 章 '2002 年 10 月 (が 実 施 され 構 造 が 変 わりつつある しかし 各 法 制 度 の 実 効 性 に 問 題 があり 相 変 わらずの 白 人 支 配 の 継 続 と 一 部 黒 人 エリートへの 富 の 偏 重 に 対 する 不 満 を 原 因 とするストライキが 頻 発 する 状 況 にある (b) 鉱 業 の 環 境 に 関 する 規 制 法 律 鉱 業 に 対 する 環 境 保 護 規 制 を 調 査 した 結 果 関 連 する 以 下 の 法 規 制 を 報 告 する 採 掘 権 獲 得 に 際 し 採 掘 による 環 境 への 影 響 をアセスメントすることを 求 められ 採 掘 後 の 原 状 回 復 が 原 則 であると 規 定 さ れている また 採 掘 による 廃 棄 物 も 厳 しく 規 制 されている 採 掘 権 を 所 管 するのは 鉱 物 資 源 省 であり 同 省 の 指 導 力 が 鉱 業 が 引 き 起 こす 環 境 問 題 解 決 のポイントとなる 鉱 業 憲 章 上 記 新 鉱 業 法 にて 個 人 から 国 へ 移 った 鉱 業 権 を 新 規 に 獲 得 するために 鉱 業 憲 章 の 目 標 を 達 成 する 必 要 があるとした 鉱 業 憲 章 では 9 つの 基 準 を 定 めたスコアカードが 公 表 され 2014 年 までの 達 成 目 標 が 示 されている 重 要 目 標 は 黒 人 の 経 営 参 加 即 ち 所 有 権 を 2009 年 までに 15% 2014 年 までに 26%に 引 き 上 げるものだが 同 国 鉱 業 大 臣 から 2009 年 実 績 は 企 業 平 均 で 8-9%しか 達 成 できていな いとの 指 摘 があり 2010 年 9 月 に 目 標 値 をクリアしない 場 合 のペナルティが 制 定 され 徹 底 されること となった 同 憲 章 の 根 幹 は BEE'Black Economic Empowerment( 政 策 であるが もう 一 つの 柱 が 持 続 可 能 な 開 発 と 成 長 という 環 境 アセスメントの 項 目 である 課 題 の 項 目 で 指 摘 したように 鉱 山 は 鉱 石 自 身 に 含 まれる 有 害 物 質 や 鉱 石 分 離 に 使 用 する 有 害 物 質 が 地 下 水 や 粉 塵 に 紛 れて 周 辺 コミュニティ ーに 拡 散 するという 公 害 問 題 を 抱 えており 環 境 対 策 は 鉱 業 会 社 個 別 の 課 題 であったが 鉱 業 憲 章 で 規 定 されたことにより 鉱 業 権 獲 得 のための 重 い 義 務 となった 鉱 物 石 油 資 源 開 発 法 'MPRD 法 2004 年 施 行 ( MPRD 法 は 鉱 物 資 源 省 が 所 轄 する 南 アフリカの 鉱 業 活 動 を 統 括 する 基 本 法 である 上 述 のように 同 法 により 従 来 個 人 が 所 有 していた 鉱 物 石 油 資 源 は 国 家 の 保 護 管 理 化 に 置 かれることとなり 鉱 物 の 試 掘 採 掘 権 利 は 国 家 に 帰 属 することとなった この 鉱 業 権 を 申 請 するプロセスで 環 境 影 響 評 価 'EIA9Environment Impact Assessment(を 実 施 し 環 境 管 理 プログラム'EMPR9Environment Management Program(を 策 定 推 進 することが 義 務 付 けられた 尚 EIAは 環 境 観 光 省 の 所 管 する 環 境 管 理 法 'NEM9National Management Act(で 規 定 されている MPRD 法 上 の 環 境 管 理 規 定 ' 抜 粋 (は 以 下 の 通 り ; 第 38 項 > 試 掘 及 び 採 掘 事 業 による 環 境 影 響 は NEM 法 第 24 項 '7(で 規 定 された 環 境 影 響 評 価 'EIA(の 手 続 き を 踏 んで 評 価 する 必 要 がある 環 境 影 響 についての 義 務 承 認 された 環 境 管 理 プログラム'EMPR(や 環 境 管 理 プラン'EMP9Environmental Management Plan(と の 一 致 自 然 の 状 態 または 予 定 されていた 状 態 あるいは 持 続 可 能 な 開 発 というコンセプトに 基 づき 土 地 利 用 による 環 境 影 響 に 対 し できる 限 り 回 復 措 置 を 施 す 環 境 汚 染 に 対 する 厳 格 な 責 任 義 務 87

92 全 ての 種 類 の 鉱 業 権 の 保 有 者 は その 事 業 の 結 果 として 引 き 起 こされた いかなる 環 境 ダメージ 汚 染 や 生 態 系 汚 染 について それが 認 可 された 区 画 の 内 外 にかかわらず 責 任 を 負 う ; 第 37 項 > 予 察 調 査 許 可 試 掘 権 採 掘 権 採 掘 許 可 保 留 許 可 の 保 有 者 は NEM 第 27 節 '7(で 意 図 した 環 境 に 対 する 試 掘 と 採 掘 が 及 ぼす 影 響 について 検 討 調 査 評 価 そし て 通 達 の 義 務 を 負 う 環 境 影 響 全 てを 管 理 する 義 務 がある それは EMPや 認 可 されたEMPRに 一 致 させる 担 当 大 臣 の 指 導 が 無 くても 予 察 調 査 試 掘 あるいは 採 掘 事 業 を 統 合 管 理 する 自 然 の 状 態 または 予 定 されていた 状 態 あるいは 持 続 可 能 な 開 発 というコンセプトに 基 づき 試 掘 や 採 掘 事 業 運 営 によって 影 響 を 受 けた 環 境 に 対 して できる 限 り 理 にかなった 実 行 可 能 な 回 復 措 置 を 施 す 予 察 調 査 試 掘 採 掘 事 業 が 引 き 起 こした いかなる 環 境 ダメージ 汚 染 や 生 態 系 汚 染 について そ れが 認 可 された 区 画 の 内 外 にかかわらず 責 任 を 負 う 環 境 管 理 法 'NEM 法 1998 施 行 ( NEM 法 は 環 境 観 光 省 が 所 管 する 法 律 である 鉱 山 の 環 境 汚 染 規 制 に 関 する 項 目 は 以 下 の 通 り ; 第 28 項 > 環 境 汚 染 の 原 因 を 発 生 させ または 誘 発 したりする 者 は その 発 生 継 続 再 発 する 環 境 汚 染 を 防 止 するため 相 応 な 処 置 を 講 じる 義 務 がある 一 定 レベルの 汚 染 を 認 めた 許 可 同 意 認 可 を 受 けてい る 場 合 や 正 当 な 理 由 で 回 避 または 防 止 ができない 場 合 に その 者 は 汚 染 を 最 小 限 に 調 整 する 義 務 を 負 う これは 廃 棄 物 産 出 者 自 身 が 廃 棄 物 を 適 切 に 管 理 することを 要 請 するもので 環 境 汚 染 を 阻 止 するものでは 無 い ライフサイクルの 責 任 を 負 うという 原 則 は 廃 棄 物 が 揺 りかごから 墓 場 まで 管 理 されることで 相 応 な 汚 染 防 止 策 を 講 じていない 場 合 に 廃 棄 物 産 出 者 は 自 身 の 廃 棄 物 が 原 因 となっている 環 境 汚 染 に 対 して 義 務 責 任 を 持 つべきである 環 境 影 響 評 価 'EIA( EIAの 報 告 には 下 記 の 項 目 を 含 む 必 要 がある ' 抜 粋 ( 申 請 した 事 業 による 環 境 影 響 蓄 積 する 影 響 を 含 む 事 業 が 引 き 起 こす 可 能 性 のある 環 境 社 会 文 化 的 影 響 の 種 類 範 囲 期 間 確 率 と 重 要 性 の 評 価 申 請 した 事 業 による 重 大 な 影 響 を 緩 和 する 適 切 な 対 策 の 決 定 環 境 影 響 の 監 視 や 管 理 の 手 配 についての 記 述 環 境 管 理 プログラム'EMPR( EMPR は 下 記 の 内 容 を 含 む 申 請 した 事 業 に 由 来 する 環 境 影 響 を 明 確 にする 管 理 法 環 境 への 応 急 対 策 や 救 済 処 置 に 関 する 手 続 き EMPR 実 施 に 関 わる 財 政 的 準 備 環 境 管 理 プラン'EMP( 試 掘 あるいは 採 掘 の 許 可 を 法 的 に 認 可 された 申 請 者 は 申 請 者 が 居 住 する 地 域 の 地 方 管 理 官 まで 通 知 を 受 けた 日 から 60 日 以 内 に EMP を 提 出 する 必 要 がある 内 容 は 以 下 の 通 り ' 抜 粋 ( 申 請 する 試 掘 採 掘 事 業 により 予 想 される 環 境 への 影 響 の 記 述 88

93 申 請 する 試 掘 採 掘 事 業 によって 引 き 起 こされる 可 能 性 のある 環 境 社 会 経 済 状 態 文 化 遺 産 に 及 ぼす 影 響 の 評 価 及 び 有 害 な 影 響 と 不 利 益 を 最 小 限 に 抑 えるための 緩 和 策 を 記 述 EMP 実 施 に 関 わる 財 政 的 準 備 EMP 遂 行 の 確 約 (c)マインダンプの 分 布 個 数 南 アフリカ 大 使 館 の 情 報 では 南 アフリカのマインダンプは 全 体 で 約 6,000 個 あると 言 われているが 現 地 調 査 でも 正 確 な 個 数 及 び 分 布 は 掴 めなかった また ヨハネスブルグ 等 大 都 市 が 集 中 するハウテ ン 州 では 380 個 のマインダンプがあるとの 新 聞 記 事 があった 第 3 回 南 アフリカ 訪 問 で ハウテン 州 ムプマランガ 州 を 訪 問 したが 鉱 山 近 くに 来 ると 高 速 道 路 から 見 える 範 囲 でも 至 る 所 にマインダンプが 点 在 しており 周 囲 の 森 や 草 原 の 中 で 茶 色 い 山 が 聳 え 立 つ 姿 は 異 様 である ; 写 真 2/9ハウテン 州 金 鉱 山 マインダンプ> (d)マインダンプのリハビリテーション 予 算 鉱 業 による 環 境 への 悪 影 響 に 対 する 回 復 処 置 または 管 理 に 必 要 な 資 金 について MPRD 法 にて EMPR や EMP を 実 施 するのに 必 要 な 資 金 を 採 掘 実 施 前 に 準 備 するよう 規 定 されている 具 体 的 には 鉱 山 の 廃 止 及 び 操 業 の 最 終 的 閉 鎖 残 留 物 や 潜 在 する 環 境 影 響 の 閉 鎖 後 の 管 理 の 費 用 を 計 上 するよう 求 められている また 環 境 への 悪 影 響 が 明 確 になった 場 合 担 当 大 臣 の 権 限 で 準 備 資 金 の 増 額 や 取 り 崩 しを 指 導 できるとしている 準 備 資 金 の 金 額 は 鉱 山 の 状 況 により 異 なるため 明 確 な 資 料 は 無 いが 2010 年 の 回 復 処 置 費 用 'リ ハビリ 費 用 (は 20 億 ランド' 約 200 億 円 (に 達 したと 言 われている ' 南 アフリカ 大 使 館 情 報 ( ' 参 考 文 献 9(a)(b)(d)JETRO 南 アフリカ 共 和 国 の 環 境 政 策 と 環 境 エネルギー 産 業 の 現 状 2003 石 油 天 然 ガス 金 属 鉱 物 資 源 機 構 南 アフリカ 共 和 国 の 投 資 環 境 調 査 2006( 89

94 5. 指 標 ( 方 法 論 )とベースラインデータ 0- 方 法 論 9Input Output Outcome アプローチ Input は RP DI ST のシステム 導 入 Output はシステム 導 入 による 直 接 の 成 果 Outcome は 南 アフリ カが 抱 える 農 業 や 社 会 の 課 題 解 決 への 貢 献 となる Input Output 評 価 Outcome 方 法 農 業 セ クター 砂 漠 荒 廃 地 へ RP DI システムを 設 置 し 食 料 用 農 作 物 の 種 を 蒔 く ' 南 アフリカで 実 証 実 験 実 施 ( 1 砂 漠 荒 廃 地 に 於 ける 植 物 の 生 長 2 農 業 生 産 性 の 向 上 3 農 業 用 水 の 節 約 4 農 地 化 作 業 工 数 の 検 証 A BC D E 1 農 地 面 積 の 拡 大 2 農 作 物 の 収 穫 増 と 食 糧 不 足 の 緩 和 3 農 業 への 就 業 人 口 増 加 と 雇 用 拡 大 5 事 業 性 の 検 証 F 産 業 セ クター 砂 漠 荒 廃 地 へ RP DI システムを 設 置 し 産 業 用 農 作 物 の 種 を 蒔 く ' 実 証 実 験 は 見 送 り( 1マインダンプに 於 ける 植 物 の 生 長 2 鉱 山 会 社 が 遵 守 義 務 を 負 う 環 境 マネジメント 規 制 へのソ リューション 提 供 3 事 業 性 の 検 証 A G H 1 近 郊 のコミュニティへの 砂 塵 被 害 を 縮 小 2 脱 石 油 燃 料 'バイオ 燃 料 ( の 拡 大 に 貢 献 砂 漠 荒 廃 地 へ RP シス 1マインダンプに 於 ける 植 物 A 1 近 郊 のコミュニティへの 砂 塵 テムを 設 置 し 植 物 の の 生 長 被 害 を 緩 和 種 を 蒔 く 2 鉱 山 会 社 が 遵 守 義 務 を 負 う G ' 南 アフリカで 実 証 実 験 環 境 マネジメント 規 制 へのソ 実 施 ( リューション 提 供 3 事 業 性 の 検 証 H ST 設 置 工 法 の 機 械 化 ' 鳥 取 大 学 で 実 証 実 験 実 施 ( 1ST 設 置 作 業 効 率 の 向 上 I 1 強 風 地 域 での 砂 漠 農 地 化 推 進 時 に 短 期 間 で 設 置 し 農 地 への 砂 被 りを 防 止 ; 評 価 方 法 > )ベースライン9システム 設 置 無 しの 状 態 ' 現 状 ( A9 実 証 実 験 により 植 物 の 生 長 有 無 を 確 認 B9 植 物 の 生 長 ' 高 さ(を 比 較 RP DI システム.ベースライン C9 単 位 面 積 当 たりの 農 作 物 の 育 成 率 ' 育 成 株 数. 播 種 数 (を 比 較 RP DI システム.ベースライン D9 単 位 面 積 当 たりの 水 の 使 用 量 を 比 較 RP DI システム.ベースライン 90

95 E9 単 位 面 積 当 たりの 作 業 工 数 について RP DI システム 設 置 工 法 と 既 存 農 法 による 農 地 化 工 数 を 比 較 F9RP DI 設 置 費 用 と 農 作 物 収 入 による 収 支 を 検 証 G9 鉱 物 石 油 資 源 開 発 法 等 南 ア 鉱 業 における 環 境 規 制 の 調 査 H9 価 格 緑 化 の 持 続 性 について RP システムの 競 合 品 比 優 位 性 を 検 証 I 9ST 設 置 効 率 ' 工 数 時 間 (を 比 較 ST システム.ベースライン 1-ベースラインデータ 出 所 資 料 名 等 調 査 項 目 農 1 JETRO 経 済 統 計 資 料 南 アの 人 口 GDP 失 業 率 市 場 業 南 アフリカ 市 場 と 市 場 開 拓 2 ネタフィム TuTiempo.net 南 ア 気 候 変 動 ' 降 雤 量 推 移 ( 3 南 アフリカ 大 使 館 Economic Review of the South African Agriculture Maize Market Value Chain Profile 南 アの 農 産 物 の 種 類 と 生 産 高 農 地 面 積 品 種 別 価 格 単 位 収 穫 量 大 使 館 員 へのヒアリング 4 JICA 南 アフリカ 現 状 分 析 資 料 南 アの 農 業 構 造 農 業 就 業 人 口 貧 困 問 題 人 種 差 別 問 題 5 FAO FAO9Hunger statics 南 ア 食 糧 不 足 の 現 状 6 家 の 光 協 会 アフリカ 農 業 と 地 球 環 境 齋 藤 晴 美 監 修 アフリカの 砂 漠 化 事 情 水 源 の 分 布 7 アフリカヒ シ ネスハ ート ナース ヒアリング 南 アの 農 業 構 造 産 業 8 福 井 県 農 業 試 験 場 ヒアリング RP DI 適 正 施 行 生 産 性 9 Land Bank 現 地 ヒアリング 南 アの 農 業 融 資 の 実 態 10 HUMANA 現 地 ヒアリング 南 アの 小 農 支 援 の 実 態 11 UNDP 現 地 ヒアリング 南 アの 支 援 プログラム 12 石 油 天 然 ガス 金 南 アフリカ 共 和 国 の 投 資 環 境 調 査 南 ア 鉱 業 の 歴 史 構 造 現 状 属 鉱 物 資 源 機 構 世 界 の 鉱 業 の 趨 勢 '1/00( 主 要 鉱 山 の 分 布 環 境 対 応 状 況 'JOGMEC( 南 アフリカの 鉱 業 事 情 13 日 本 政 策 金 融 公 鉱 業 の 発 展 と 鉱 山 国 有 化 をめぐる 庫 国 際 協 力 銀 行 議 論 14 JETRO 南 アフリカ 共 和 国 の 環 境 政 策 と 環 南 アの 鉱 業 と 環 境 問 題 境 エネルギ, 産 業 の 現 状 15 iol news Toxic mne dumps threaten Joburg マインダンプ 公 害 問 題 Removal of mine dump halte 16 EcoPartners South African mine dumps マインダンプの 個 数 リハビリ 91

96 17 DRD gold Shanduka coal ARM Gold Field 18 日 本 国 際 地 域 開 発 学 界 鉱 山 会 社 現 地 ヒアリング アフリカにおけるジャトロファの 適 正 利 用 マインダンプの 現 状 リハビリの 実 態 アフリカのバイオ 原 料 生 産 状 況 92

97 6 適 応 対 策 において 今 後 見 込 める 成 果. 1- 農 業 セクター '0(RP DI システムによる 南 アフリカでの 実 証 実 験 による 成 果 'Output( 1 植 物 の 生 長 7 項 '2(で 記 述 したとおり 南 アフリカでの 実 証 実 験 により 荒 廃 地 へ RP DI システムを 設 置 し 食 料 用 農 作 物 が 育 成 することを 確 認 した システムを 置 かない 裸 地 は 不 毛 であった 2 農 業 生 産 性 の 向 上 7 項 '2(で 記 述 したとおり 実 証 実 験 では わずか 4 週 間 という 短 期 間 での 実 績 であるが RP DI は RP のみと 比 較 し 生 長 性 ' 高 さ(136% 育 成 率 607%という 結 果 となり RP DI システムによる 効 果 が 非 常 に 高 いことを 実 証 した 3 農 業 用 水 の 節 約 7 項 '2(で 記 述 したとおり 実 証 実 験 では RP DI は RP のみと 比 較 し 64%の 用 水 量 で 植 物 は 生 長 し た これは 植 物 生 長 の 条 件 において 36% 節 水 した 事 となる 以 上 より RP DI システムは 水 源 さえ 確 保 できれば 場 所 を 選 ばず コンクリート 上 でさえも 農 作 物 を 栽 培 でき 且 つ 通 常 の 農 法 より 植 物 の 生 長 性 育 成 率 が 高 いことから 農 地 拡 大 及 び 農 作 物 生 産 性 向 上 に 対 し 高 い 効 果 を 期 待 できる 4 農 地 化 作 業 工 数 の 検 証 実 証 実 験 により FL 区 1ha 設 置 に 要 する 工 数 は RP 設 置 で 2,560 人 h であったが 土 充 填 機 を 改 良 し た 日 本 での 実 証 試 験 をベースに 換 算 すると 850 人 h まで 改 善 する 一 方 荒 廃 地 を 農 地 化 する 場 合 従 来 農 法 では 表 層 の 土 と 肥 料 を 混 ぜて 鍬 と 鋤 で 耕 す 必 要 があるが 日 本 での 農 作 業 時 間 を 参 考 に 計 算 すると 400 人 h となる' 福 井 県 農 業 試 験 場 ヒアリング( 以 上 により RP 工 法 は 従 来 工 法 と 比 較 し 鍬 鋤 で 農 地 化 できる 場 所 では 劣 位 だが 砂 地 や 岩 場 斜 面 等 従 来 工 法 では 農 地 化 困 難 な 荒 廃 地 では 優 位 となる 5 現 地 調 査 に 基 づく 農 業 セクターに 於 ける RP DI システムの 事 業 性 検 証 (a)ターゲット 現 地 ヒアリング 調 査 及 び 文 献 による 調 査 の 結 果 食 料 の 安 全 保 障 貧 困 の 撲 滅 というアフリカの 抱 え る 課 題 解 決 を 最 終 目 的 として 主 要 ターゲットは 商 業 農 業 を 目 指 す 小 規 模 農 家 とする (b)rp DI システムの 価 格 モデル 小 規 模 農 家 向 け 低 コストシステムでの 販 売 単 位 100 m2の 価 格 と 商 業 農 家 を 対 象 とする 10,000 m2 '1ha(の 価 格 モデルを 図 表 08に 示 す 価 格 に 含 まれる 内 容 9RP DI 材 料 費 設 置 指 導 料 ユーザー 負 担 費 用 :RP DI 設 置 作 業 費 貯 水 タンク 代 ポンプ 代 種 子 肥 料 水 道 代 電 気 代 前 提 : 為 替 85 円.$ ヨハネスブルグ 着 荷 ベース RP は 日 本 製 造 DI はイスラエル 南 ア 製 造 93

98 ; 図 表 089 農 業 セクター 向 け RP DI システム 価 格 モデル> 小 規 模 農 家 商 業 農 家 価 格 640$.100 m $.ha システム 内 容 水 の 点 滴 灌 漑 のみ 点 滴 量 管 理 は 手 動 水 * 液 肥 の 点 滴 灌 漑 点 滴 量 管 理 は 手 動 肥 料 は 1 作 目 分 は RP 中 に 入 れ 2 作 目 以 降 上 から 散 布 (c) 事 業 性 検 証 1ha の 農 地 を 新 設 する 場 合 を 想 定 する Land Bank は 融 資 期 間 5 年 を 想 定 しており 例 えば 1%の 低 金 利 で 融 資 した 場 合 RP DI システム 費 用 $の 返 済 のためには 年 間 6,500$ 程 度 の 収 入 が 必 要 ' 種 肥 料 水 のコスト 抜 き(であり 農 家 出 し 値 300$.t のメイズで 試 算 すると 22t. 年 の 収 穫 量 が 必 要 である 2010 年 度 の 南 アフリカにおけるメイズの 単 収 実 績 は 平 均 4.1t. 年 だが 灌 漑 を 整 備 した 場 合 10t まで 上 がった 実 績 があり'Land Bank( RP DI システムも 10tの 収 穫 量 を 前 提 とすると 目 指 す 収 穫 量 は1 倍 である 事 業 化 のためには 無 償 援 助 を 入 れたスキームの 構 築 や RP の 現 地 生 産 等 踏 み 込 んだコストダウンを 実 行 することにより 費 用 の 半 分 をカバーする 必 要 がある '1( 期 待 される 成 果 'Outcome( 事 業 性 の 課 題 を 解 決 した 後 に 期 待 される 成 果 を 以 下 に 述 べる 1 農 地 面 積 の 拡 大 Land Bank へのヒアリングによると 南 アフリカに 於 ける 小 規 模 農 家 は 約 70 万 人 で 彼 らの 周 辺 にある 農 業 放 棄 地 及 び 過 剰 耕 作 により 生 産 性 の 低 下 した 土 地 が 市 場 となる 小 規 模 農 家 70 万 人 のうち 10%が 商 業 農 家 を 目 指 し 1ha の 農 地 を 拡 大 すると 仮 定 した 場 合 RP DI システムの 市 場 は 7 万 ha とな る 2 食 料 不 足 の 緩 和 7 万 ha の 農 地 拡 大 は メイズ'トウモロコシ(の 単 収 で 試 算 すると28.7 万 t の 食 料 増 となる これは 166 万 人 分 の 年 間 穀 物 消 費 量 に 相 当 し 南 アフリカにおける 食 料 不 足 人 口 250 万 人 (FAO)の 73%を 救 済 す ることとなる 3 農 業 収 入 の 拡 大 7 万 ha の 農 地 拡 大 は 8,610 万 $の 農 業 収 入 増 を 産 み 出 す これは 農 業 GDP を 0.5% 押 し 上 げ ベ ースビジネスである 農 業 の 拡 大 に 貢 献 する 94

99 1- 産 業 セクター '0(RP DI システム 及 び RP システムによる 荒 廃 地 緑 化 の 想 定 される 成 果 'Output( 産 業 セクターでは 実 証 実 験 は マインダンプで 実 施 できず 更 に 季 節 が 合 わず 産 業 用 農 産 物 の 育 成 もできなかったが 農 業 セクター 向 け 実 験 結 果 及 び RP システムによる 緑 化 実 験 の 結 果 から 想 定 され る 成 果 を 述 べる 1マインダンプに 於 ける 植 物 の 成 長 7 項 '2(で 記 述 したとおり 南 アフリカでの RP システムの 実 証 実 験 に 於 いて 植 物 の 育 つ 環 境 に 無 い 土 壌 でも RP に 根 が 定 着 することにより 植 物 が 生 長 することを 確 認 した 想 定 するマインダンプでの 厳 しい 環 境 に 於 いても 植 物 の 根 付 きが 確 認 されれば 十 分 に 生 長 可 能 であると 予 測 される 2 鉱 山 会 社 に 対 する 環 境 マネジメント 規 制 に 対 するソリューションの 提 供 7 項 '4(で 記 述 したとおり 鉱 山 採 掘 会 社 は 鉱 物 石 油 資 源 法 'MPRD 法 (により 採 掘 後 の 鉱 山 を 元 の 状 態 に 復 旧 'リハビリテーション(する 義 務 を 負 っているが 現 状 では 効 果 的 なリハビリ 工 法 が 確 立 されていないため マインダンプからの 有 害 砂 塵 飛 散 問 題 が 収 束 しない RP DI システム 及 び RP シス テムはマインダンプにおける 植 物 育 成 及 び 定 着 を 期 待 できることから 環 境 規 制 課 題 に 対 する 有 効 な 解 決 策 となり 得 る 3 事 業 性 検 証 (a)ターゲット 現 地 ヒアリング 及 び 文 献 による 調 査 の 結 果 コミュニティに 近 く 年 間 降 雤 量 の 尐 ない 地 域 で 深 刻 な 環 境 汚 染 をもたらす マインダンプ を 抱 える 鉱 山 採 掘 会 社 をターゲットとする 図 表 1/は 主 要 鉱 山 炭 鉱 プロジェクトに 2012 年 度 地 域 別 年 間 降 雤 量 をプロットしたものである 円 の 大 きさは 降 雤 量 の 相 対 比 較 を 表 現 している 降 雤 量 の 多 いインド 洋 性 気 候 はムプマランガ 州 クワ ズル ナタール 州 西 側 の 1,500m の 高 地 にぶつかり その 西 に 位 置 するハウテン 州 ノースウエスト 州 は 乾 燥 気 候 となる ムプマランガ 州 クワズル ナタール 州 に 位 置 する 石 炭 鉱 山 のマインダンプは 降 雤 量 が 多 く 自 然 緑 化 し 易 い 条 件 下 にあるが ハウテン 州 ノースウエスト 州 の 金 鉱 山 マインダンプは 乾 燥 地 のためリハビリ 困 難 な 地 域 となる 従 って 上 記 ターゲットに 適 合 するのは 乾 燥 地 でコミュニティ が 近 郊 にあるハウテン 州 に 位 置 する 金 鉱 山 のマインダンプとなる 95

100 ; 図 表 1/9 主 要 鉱 山 及 び 降 雤 量 ' 石 油 天 然 ガス 金 属 鉱 物 資 源 機 構 2011 資 料 に 加 筆 (> ノースウエスト 州 Ventensdorp 112mm ムプマランガ 州 Witbank 314mm (b) 価 格 モデル 緑 化 のみを 目 的 とした RP システムと 産 業 用 農 作 物 栽 培 を 目 的 とした RP DI システムの 価 格 モデルを 図 表 1/に 示 す DI は コンピューター 管 理 による 自 動 システムとした 価 格 に 含 まれる 内 容 9RP DI 材 料 費 設 置 指 導 料 ユーザー 負 担 費 用 :RP DI 設 置 作 業 費 貯 水 タンク 代 ポンプ 代 種 子 肥 料 水 道 代 電 気 代 前 提 : 為 替 85 円.$ ヨハネスブルグ 着 荷 ベース RP は 日 本 製 造 DI はイスラエル 南 ア 製 造 ; 図 表 1/9 産 業 セクター 向 け 価 格 モデル> RP システム RP DI システム 目 的 緑 化 産 業 用 農 作 物 栽 培 価 格 $.ha $.ha システム 内 容 RP のみを 設 置 水 * 液 肥 の 点 滴 灌 漑 水 液 肥 量 はコンピューター 管 理 最 も 省 力 化 した 高 機 能 灌 漑 システム (c) 競 合 品 との 比 較 現 地 調 査 の 結 果 既 存 のマインダンプのリハビリテーション 手 法 は 下 記 の 通 りである ネット 及 び 土 嚢 石 による 砂 飛 散 防 止 灌 漑 ネットと 灌 漑 の 組 み 合 わせ 環 境 コンサルタント 会 社 がリハビリテーション 手 段 を 提 供 し 各 社 各 マインダンプの 手 法 で 砂 飛 散 防 止 に 取 り 組 んでいるが 決 定 的 手 法 は 確 立 されていない 最 も 洗 練 された 手 法 に 見 えた DRD gold 社 の マインダンプリハビリ 手 法 は ネットと 灌 漑 設 備 の 組 み 合 わせ 手 法 で コストは 1ha 当 たり $と 言 われているが ネットの 耐 用 期 間 は 1 年 で 毎 年 張 り 替 える 必 要 'ネット 費 用 は 5,900$(があるとのこ 96

101 と 緑 化 のみを 目 的 とする 場 合 RP システムとの 比 較 となり 初 期 費 用 は RP の 方 が $ 高 い が 4 年 間 の 総 費 用 で 逆 転 する また 緑 化 効 果 は 土 壌 の 影 響 を 受 けない RP の 方 が 高 い (d) 産 業 セクターでの 事 業 性 検 証 南 アフリカでは 鉱 山 で 採 掘 する 場 合 鉱 物 石 油 資 源 開 発 法 'MPRD 法 (により 採 掘 による 環 境 負 荷 の 低 減 を 義 務 つけられており 違 反 すると 採 掘 権 の 更 新 が 認 められない マインダンプのリハビリも 義 務 化 されているが 乾 燥 地 では 現 状 有 効 なリハビリ 手 段 が 無 いため 近 隣 コミュニティへの 汚 染 さ れた 砂 塵 の 拡 散 が 問 題 視 されている マインダンプリハビリに 掛 ける 費 用 は 2010 年 度 の 総 額 で 20 億 ランド' 約 200 億 円 (と 言 われており 現 状 有 効 なリハビリ 手 段 が 無 い 状 況 下 では 大 きなビジネスチャンスである 鉱 山 会 社 への 効 果 的 なマーケティング 即 ち 既 存 手 法 と 比 較 しリハビリ 効 果 が 高 いという 優 位 差 を 提 案 することにより 事 業 化 できる 可 能 性 は 高 いと 判 断 する '1( 期 待 される 成 果 'Outcome( 1コミュニティへの 砂 塵 被 害 の 緩 和 鉱 山 近 郊 のコミュニティとは 採 掘 労 働 者 の 居 住 区 であり 即 ち 黒 人 の 居 住 区 である 採 掘 労 働 者 は 鉱 山 の 閉 山 と 共 に 職 を 失 い 且 つマインダンプからの 有 害 な 砂 塵 被 害 を 受 けるという 2 重 苦 の 中 にある RP によるマインダンプのリハビリ 事 業 は コミュニティへの 砂 塵 飛 散 被 害 を 緩 和 すると 同 時 に RP 設 置 作 業 という 新 しい 仕 事 が 生 まれ コミュニティの 失 業 率 低 下 へ 貢 献 する 2 環 境 負 荷 低 減 への 貢 献 'Bio-fuel の 原 料 ( 南 アフリカのエネルギー 源 は 石 炭 が 70%を 占 め バイオマスを 含 む 再 生 可 能 エネルギーが 10%であ る' 出 所 9IEA/Energy Balance of Non-OECD countries 2010( 再 生 可 能 エネルギーの 比 率 は 日 本 等 先 進 国 の 5~9%のレベルと 比 較 して 同 等 以 上 であるが その 背 景 には 電 力 が 普 及 していない 黒 人 家 庭 が 熱 源 として 未 だに 薪 糞 等 を 利 用 しているという 事 情 がある COP17 が 南 アフリカのダーバンで 開 催 されたことにより GHG 削 減 に 対 する 意 識 は 高 まっており 今 後 不 足 電 力 の 補 填 及 び 自 動 車 向 け に 石 炭 石 油 の 代 替 としてバイオマス 燃 料 等 再 生 可 能 エネルギーの 拡 大 が 見 込 まれる このような 環 境 に 対 し 早 期 にジャトロファ 等 産 業 植 物 がマインダンプで 育 つことを 実 証 し 環 境 負 荷 低 減 課 題 を 解 決 していきたい 97

102 2-ST 設 置 工 法 の 機 械 化 による 効 率 化 '0( 実 験 による ST 設 置 工 法 効 率 化 の 実 証 'Output( ホッパーを 用 いた ST への 砂 充 填 装 置 とバギー 車 による ST 設 置 工 法 は 従 来 の 手 作 業 による 設 置 工 法 と 比 較 して 6 倍 の 作 業 効 率 があることを 鳥 取 砂 丘 での 実 験 を 通 じて 実 証 した '1( 強 風 地 域 農 地 化 の 際 の ST 設 置 スピード'Outcome( オプションである ST 設 置 はできるだけ 小 工 数 で 迅 速 に 行 うことが 要 求 される ST は 格 子 状 に 設 置 する ため RP より 設 置 資 材 が 尐 なく 機 械 化 による 1ha 当 たりの 設 置 工 数 は 112 人 h となり RP DI システ ム 設 置 工 数 比 13%で 主 作 業 の 工 程 を 妨 げない また 今 作 業 で 起 用 したバギー 車 は 農 地 区 の RP 設 置 作 業 にも 活 用 可 能 であり 農 地 区 の 作 業 効 率 向 上 にも 貢 献 する 可 能 性 がある 但 し ST の 価 格 は $.ha であり バギー 車 の 運 搬 費 リース 料 を 加 味 すると 農 業 セクターへ の 導 入 は 困 難 であり ターゲットは 産 業 セクターの 強 風 にさらされる 可 能 性 のあるマインダンプとす る 98

103 3) コートジボワール ガーナにおける 安 全 な 水 の 供 給 を 通 じた 生 活 / 健 康 改 善 を 伴 う 小 型 浄 水 装 置 の 事 業 化 検 証 (ヤマハ 発 動 機 ) 平 成 24 年 度 途 上 国 における 適 応 対 策 への 我 が 国 企 業 の 貢 献 可 視 化 に 向 けた 実 現 可 能 性 調 査 事 業 最 終 報 告 書 コンソーシアム 名 または 企 業 団 体 名 事 業 名 ヤマハ 発 動 機 株 式 会 社 コートジボワール ガーナにおける 安 全 な 水 の 供 給 を 通 じ た 生 活 / 健 康 改 善 を 伴 う 小 型 浄 水 装 置 の 事 業 化 検 証 1. 本 事 業 の 目 的 国 連 気 候 変 動 枠 組 条 約 (UNFCCC) 第 16 回 締 約 国 会 議 (COP16)では カンクン 合 意 が 決 定 さ れた 適 応 分 野 の 支 援 協 力 にあたっては カンクン 合 意 に 明 示 されているとおり アフ リカ(サブサハラ)における 脆 弱 性 の 提 言 及 び 適 応 能 力 抵 抗 力 の 維 持 増 加 が 求 められてい る 一 方 当 社 は 世 界 の 人 々に 新 たな 感 動 と 豊 かな 生 活 を 提 供 する ことを 企 業 理 念 の 一 つとして 掲 げ 長 年 にわたり 発 展 途 上 国 において 二 輪 車 や 船 外 機 等 の 販 売 に 携 わり 地 域 住 民 の 生 活 水 準 の 向 上 に 貢 献 してきた 導 入 を 想 定 している 小 型 浄 水 装 置 (クリーンウォー ター 装 置 )は 1996 年 からインドネシアで 開 発 を 進 め 2003 年 以 降 東 南 アジア 諸 国 を 中 心 に 8 ヵ 国 において 実 証 試 験 や 販 売 をしてきた クリーンウォーター 事 業 をビジネスとして 該 当 国 で 成 立 させることを 通 じて 気 候 変 動 の 影 響 による 安 全 な 水 へのアクセス 率 の 低 下 や 病 気 の 発 生 拡 大 を 軽 減 することが 可 能 である かかる 状 況 を 踏 まえ 当 社 は 気 候 変 動 適 応 案 件 の 水 資 源 分 野 において 脆 弱 性 への 適 応 対 策 の 計 画 実 施 を 行 うべく 事 業 計 画 を 立 案 し 途 上 国 における 社 会 課 題 の 解 決 をビジネス チャンスと 捉 え 実 行 しようとするものである (1) 将 来 の 事 業 の 目 的 気 候 変 動 の 影 響 による 地 球 温 暖 化 によって 引 き 起 こされる 安 全 な 水 の 供 給 の 格 差 に 苦 しむ 地 域 において 小 型 浄 水 装 置 を 販 売 し 現 地 住 民 による 小 型 浄 水 装 置 の 運 営 を 通 じて 安 全 な 水 へのアクセス を 増 大 させることが 本 事 業 の 目 的 である (2) 事 業 対 象 地 域 コートジボワール 国 ガーナ 国 全 土 ( 河 川 等 の 表 流 水 を 取 水 源 とすることが 可 能 な 地 域 ) 99

104 (3) 事 業 国 選 定 理 由 1) 気 候 変 動 の 影 響 コートジボワール 及 びガーナは 熱 帯 モンスーン 気 候 ( 雨 季 の 雨 量 は 熱 帯 雨 林 気 候 と 変 わらないが モンスーンの 影 響 による 乾 季 があり 多 少 乾 燥 する)である 海 岸 部 の 一 部 を 除 き サバンナ 気 候 ( 夏 は 多 雨 冬 は 乾 燥 するため 一 年 の 間 で 雨 季 と 乾 季 がはっきりと 分 かれている)に 属 している ヤマハ 発 動 機 が 現 地 事 務 所 を 通 じて 情 報 を 収 集 したところ 両 国 における 気 候 変 動 の 影 響 と 思 われる 以 下 のような 報 告 を 得 た - 従 来 から 乾 季 に 干 ばつの 影 響 を 受 けている 地 域 では その 影 響 が 深 刻 化 してい る - 雨 季 に 極 端 な 降 雨 の 頻 度 と 強 度 が 増 しており 洪 水 の 影 響 が 深 刻 化 している - 以 上 のような 現 象 が 河 川 のみならず 井 戸 においても 水 量 を 不 安 定 にし 水 質 を 汚 濁 させている このことは 生 態 系 人 間 の 健 康 水 システムの 信 頼 性 及 び 運 営 費 用 への 影 響 を 伴 うものであり 従 来 の 解 決 手 法 である 上 水 道 の 整 備 と 井 戸 の 掘 削 だけでは 解 決 が 難 しいと 考 えられ 小 型 浄 水 装 置 の 導 入 に 対 する 需 要 が 見 込 まれる 2) 経 済 状 況 コートジボワールにおける 貧 困 層 の 割 合 は 2002 年 の 38.4%から 2008 年 48.9% ( 農 村 部 62.5%)に 悪 化 している 脆 弱 性 の 特 に 弱 い 農 村 部 の 住 民 に 対 する 自 立 支 援 が 必 須 な 社 会 課 題 となっている ガーナの 経 済 は 農 業 鉱 業 等 に 依 存 する 典 型 的 な 一 次 産 品 依 存 型 であり, 主 要 輸 出 品 も 金,カカオ 豆, 木 材 が 上 位 3 位 を 占 めており, 国 際 市 況 及 び 気 候 変 動 の 影 響 を 受 けやすい 主 要 産 業 の 農 業 は 国 内 総 生 産 (GDP)の 約 30%, 雇 用 の 約 60%を 占 め ている 両 国 とも 貧 困 層 の 多 い 農 村 部 住 民 は 気 候 変 動 の 影 響 もあり 安 全 な 水 の 確 保 に 困 窮 しており 本 件 事 業 のニーズは 高 いものと 思 われる 3) 水 供 給 状 況 農 村 地 域 での 安 全 な 水 へのアクセス 向 上 は コートジボワールで 現 在 実 施 中 の 衛 生 大 綱 の 中 心 課 題 の 一 つである コートジボワール 政 府 は 衛 生 大 綱 達 成 の 手 段 として 2008 年 に 国 家 水 供 給 プログラム を 策 定 し 給 水 政 策 を 進 めているが 既 存 の 給 水 システムを 適 用 できず 安 全 な 水 へのアクセスを 確 立 できない 村 落 への 対 応 が 課 題 となっている 対 象 国 に 対 して 行 った IMF のカントリーレポートによると 安 全 な 水 にアクセスできる 割 合 は 都 市 部 で 75% 町 等 では 60% 村 落 部 では 50% 100

105 であった (ガーナも 同 等 レベル) 4) 保 健 衛 生 状 況 コートジボワール ガーナの 医 療 衛 生 事 情 を 見 た 場 合 妊 産 婦 死 亡 率 乳 幼 児 死 亡 率 等 様 々な 保 健 指 標 は 劣 悪 であり コートジボワール 政 府 における MDGs の 保 健 指 標 目 標 においても 2008 年 の 5 歳 未 満 児 の 死 亡 率 は 出 生 1 千 人 あたり 123 人 乳 幼 児 死 亡 率 は 86 人 と 依 然 として 高 い 値 を 示 している WHO は 途 上 国 での 乳 幼 児 死 亡 の 90%は 飲 料 水 と 劣 悪 な 衛 生 状 況 に 起 因 すると 指 摘 している よって 安 全 な 水 にアクセスできない 集 落 ( 特 に 地 方 )に この 小 型 浄 水 装 置 を 導 入 すること により 抵 抗 力 の 弱 い 乳 幼 児 の 安 全 でない 水 を 媒 介 とする 感 染 症 からの 解 放 につ ながり 保 健 指 標 の 改 善 にも 寄 与 する 5)ヤマハ 発 動 機 の 優 位 性 ヤマハ 発 動 機 は コートジボワールとガーナには 特 約 店 を 設 置 しており 既 に 二 輪 車 船 外 機 等 のビジネスを 展 開 していて 特 約 店 から 各 種 サポートが 得 られる 状 況 にある それに 加 え コートジボワール アビジャンに 別 途 駐 在 員 事 務 所 を 設 け ており 担 当 者 を 活 用 して 各 種 調 査 が 可 能 である また 事 業 化 後 の 展 開 と 効 率 性 を 考 え コートジボワールとガーナの2カ 国 をあわせて 調 査 する (4) 今 回 の 検 証 対 象 となるビジネスモデル 1)ビジネスモデル 概 要 第 一 段 階 として 需 要 者 は 安 全 な 水 にアクセスできない 地 方 村 落 の 住 民 診 療 所 学 校 等 を 想 定 している これらの 対 象 は 貧 困 エリアが 多 いため 公 的 機 関 や 各 種 ドナー 機 関 の 資 金 による 購 入 を 考 えている 第 二 段 階 としては 公 的 機 関 や 各 種 ドナー 機 関 に 全 額 資 金 を 拠 出 してもらうので はなく 需 要 者 による 浄 水 販 売 によって 設 備 資 金 の 回 収 が 見 込 まれる 範 囲 内 におい て 購 入 資 金 の 一 部 を 需 要 者 の 自 己 資 金 や マイクロファイナンス 等 の 活 用 による 借 り 入 れにより 調 達 する 方 法 を 考 えている 第 三 段 階 としては 需 要 者 による 浄 水 販 売 によって 設 備 資 金 全 額 の 回 収 が 確 実 に 見 込 まれることを 前 提 に 需 要 者 の 自 己 資 金 とマイクロファイナンス 等 の 活 用 によ り 必 要 資 金 の 全 額 を 需 要 者 により 調 達 することを 目 標 としている 西 アフリカの 水 売 り 業 者 による 浄 水 販 売 価 格 (20L)は 平 均 5 円 程 度 である 小 型 浄 水 装 置 を 購 入 して 各 種 諸 費 用 経 費 を 払 いながら 浄 水 販 売 事 業 を 行 った 場 合 に その 収 入 で 装 置 費 用 ならびに 経 費 を 回 収 するためには 約 10 年 を 要 すると 想 定 される しかしながら 世 界 的 な 浄 水 販 売 価 格 の 上 昇 が 西 アフリカにも 及 びつつ あるところ この 傾 向 が 今 後 も 続 くこととなれば 経 費 の 回 収 期 間 の 短 縮 が 想 定 さ 101

106 れる 合 わせて 装 置 のコストダウンによる 販 売 価 格 の 低 下 を 考 慮 すると 回 収 に 要 する 年 月 は 大 幅 に 短 縮 される 可 能 性 が 高 い 仮 に 回 収 までに 要 する 期 間 が 約 5 年 を 切 る 状 況 になったとすると 民 間 の 浄 水 販 売 業 者 の 需 要 が 高 まる 可 能 性 がある 浄 水 装 置 の 維 持 管 理 のために 人 件 費 電 気 代 等 を 捻 出 する 必 要 もあり できあ がった 浄 水 は 適 正 価 格 で 販 売 することを 考 えている 浄 水 を 販 売 することにより 維 持 管 理 費 用 の 捻 出 だけでなく 一 定 の 収 益 が 期 待 できるので NGO との 協 業 による 村 落 開 発 弱 者 救 済 活 動 等 の 費 用 に 当 てることも 可 能 で 収 益 向 上 による 貧 困 脱 出 の 効 果 も 期 待 できる 2) 売 上 計 画 現 段 階 においては 以 下 の 売 り 上 げ 計 画 を 想 定 している 2014 年 2015 年 2016 年 2017 年 コートジボワール 台 数 ( 台 ) ガーナ 売 上 ( 百 万 円 ) ) パートナー 候 補 本 調 査 により 特 約 店 候 補 選 定 4) 本 年 度 の 実 施 計 画 と 来 年 度 以 降 における 事 業 推 進 上 のスケジュール 2012 年 7 月 ~2013 年 2 月 : 実 現 可 能 性 調 査 2013 年 3 月 : 最 終 設 置 場 所 決 定 2013 年 9 月 : 小 型 浄 水 装 置 設 置 2014 年 4 月 : 特 約 店 設 置 販 売 開 始 2016 年 : FRP タンク 等 大 物 部 材 のアフリカ 調 達 開 始 2017 年 : アジア アフリカ 地 域 での 販 売 100 台 以 上 を 目 指 す 5) 装 置 概 要 砂 砂 利 と 自 然 界 にいるバクテリアによる 緩 速 ろ 過 をベースにした 浄 水 装 置 フィルターや 凝 集 剤 を 使 わず ランニングコストが 安 価 専 門 家 による 維 持 管 理 が 不 要 で 地 域 住 民 や 病 院 学 校 等 の 管 理 人 による 自 主 運 営 が 可 能 浄 水 能 力 は 1 日 8,000 リットル(800~1200 人 を 対 象 ) 設 置 面 積 は 7 10m 程 度 102

107 2. 課 題 (1) 気 候 変 動 に 対 する 適 応 行 動 の 実 現 可 能 性 1 現 地 における 気 候 変 動 の 脆 弱 性 の 実 態 コートジボワール 及 びガーナ 両 国 全 体 の 気 候 変 動 の 脆 弱 性 の 実 態 を 把 握 すると ともに 小 型 浄 水 装 置 が 設 置 された 特 定 の 村 落 に 対 して 衛 生 的 な 水 の 供 給 を 可 能 と するものであることから 設 置 可 能 なエリアを 特 定 した 上 で 当 該 エリアにおける 気 候 変 動 の 脆 弱 性 を 把 握 する 2 気 候 変 動 によって 増 大 する 社 会 課 題 としての 腹 痛 下 痢 皮 膚 病 等 の 疾 病 率 死 亡 率 の 実 態 気 候 変 動 の 脆 弱 性 の 実 態 調 査 と 同 様 に 国 全 体 における 社 会 課 題 としての 腹 痛 下 痢 皮 膚 病 等 の 疾 病 率 死 亡 率 の 実 態 とともに 小 型 浄 水 装 置 設 置 可 能 場 所 にお ける 社 会 課 題 としての 腹 痛 下 痢 皮 膚 病 等 の 疾 病 率 死 亡 率 の 実 態 を 把 握 する 3 小 型 浄 水 装 置 の 活 用 による 社 会 課 題 に 対 する 影 響 小 型 浄 水 装 置 の 設 置 後 当 該 村 落 の 住 民 が 衛 生 的 な 水 の 利 用 によって 社 会 課 題 である 腹 痛 下 痢 皮 膚 病 等 の 疾 病 率 死 亡 率 の 実 態 がどの 程 度 改 善 されたかにつ いて 把 握 する (2) 事 業 の 実 現 可 能 性 ヤマハ 発 動 機 の 提 供 する 小 型 浄 水 装 置 は 河 川 や 湖 沼 池 などの 表 流 水 を 浄 化 し 衛 生 的 な 水 を 供 給 することが 可 能 な 装 置 であり 水 道 が 未 設 な 地 域 や 井 戸 水 が 飲 用 に 適 さない 地 域 での 利 用 が 期 待 されている 既 に インドネシアやベトナムをはじめとする 東 南 アジア 諸 国 では 小 型 浄 水 装 置 の 販 売 をしている アフリカにおいては セネガルで 実 証 実 験 として 小 型 浄 水 装 置 の 設 置 運 用 がなされており 地 域 住 民 の 生 活 向 上 に 貢 献 していることが 確 認 できてい る 以 下 において コートジボワール 及 びガーナにおけるヤマハ 発 動 機 の 小 型 浄 水 装 置 の 事 業 化 に 係 る 課 題 を 記 載 する 1 現 地 関 係 機 関 との 連 携 可 能 性 コートジボワールとガーナにはヤマハ 発 動 機 の 特 約 店 が 存 在 するが 浄 水 装 置 の 取 扱 い 経 験 がないため 需 要 の 把 握 や 供 給 体 制 の 整 備 等 情 報 は 十 分 でない 小 型 浄 水 装 置 の 設 置 運 営 は 現 地 の 社 会 課 題 を 解 決 することに 資 するものでもあり そ の 実 現 のためには 現 地 政 府 地 方 行 政 機 関 NGO 等 との 連 携 が 欠 かせない 本 件 調 査 事 業 を 通 じて 現 地 政 府 をはじめとする 関 係 機 関 との 連 携 可 能 性 を 調 査 する 103

108 2 小 型 浄 水 装 置 の1 基 目 を 設 置 する 仕 組 みと 体 制 事 業 の 実 現 可 能 性 調 査 にあたっては 1 基 目 設 置 を 前 提 とした 調 査 を 実 施 する まず 1 基 目 設 置 にあたってのカウンターパートを 特 定 し カウンターパートに 対 しては 早 い 段 階 で 1 基 目 の 設 置 を 前 提 としたコミュニケーションに 努 め その 設 置 がスムーズに 行 えるよう 努 める そのためには 設 置 候 補 地 の 選 定 とその 候 補 地 における 社 会 課 題 の 実 態 把 握 及 びモニタリング 体 制 の 構 築 等 を 行 う 必 要 がある また 小 型 浄 水 装 置 の 設 置 後 の 運 用 体 制 等 についても カウンターパートと 協 力 してその 構 築 に 努 めることとする 3 事 業 化 実 施 にあたり 必 要 な 各 種 許 認 可 規 制 輸 出 入 手 続 物 流 網 の 現 状 ヤマハ 発 動 機 がコートジボワールとガーナビジネスを 展 開 するにあたり 必 要 な 各 種 制 度 等 については 二 輪 車 や 船 外 機 等 の 輸 出 を 通 じて 一 定 程 度 の 知 見 はあるも のの 小 型 浄 水 装 置 については 知 見 が 十 分 でなく 本 件 調 査 事 業 を 通 じて 事 業 化 実 施 にあたり 必 要 な 各 種 許 認 可 規 制 輸 出 入 手 続 物 流 網 の 現 状 を 調 査 する 4 想 定 需 要 者 ( 村 落 病 院 学 校 等 )における 安 全 な 水 に 対 する 需 要 いかなるマーケットにおいても 需 要 を 的 確 に 把 握 することはビジネスの 基 本 で ある 小 型 浄 水 装 置 についても 村 落 病 院 学 校 等 の 想 定 需 要 者 における 安 全 な 水 に 対 する 需 要 を 調 査 することは 欠 かせない 5 事 業 推 進 時 の 価 格 調 査 設 置 にあたっては ろ 材 である 砂 利 や 砂 を 現 地 で 調 達 する 必 要 がある また 基 礎 工 事 や 配 管 工 事 等 の 付 帯 工 事 に 係 る 費 用 が 設 置 場 所 によって 異 なるため 本 件 調 査 事 業 を 通 じて 事 業 推 進 時 に 必 要 な 資 材 等 の 価 格 を 調 査 する 6 小 型 浄 水 装 置 設 置 可 能 場 所 の 選 定 小 型 浄 水 装 置 は 上 水 道 の 敷 設 が 困 難 な 地 域 や 井 戸 による 安 全 な 水 の 取 水 が 困 難 な 地 域 において 河 川 や 湖 沼 の 表 流 水 の 利 用 が 可 能 な 地 域 での 利 用 を 想 定 してい る 設 置 可 能 なエリアが 広 ければビジネスチャンスが 拡 大 することとなるため 本 件 調 査 事 業 を 通 じて 小 型 浄 水 装 置 の 設 置 可 能 エリアの 確 認 と1 基 目 設 置 候 補 地 の 選 定 を 行 う 7 上 記 項 目 を 踏 まえた 事 業 化 案 仮 説 1から6までの 調 査 を 通 じて コートジボワール 及 びガーナのそれぞれにおいて 事 業 を 推 進 していく 上 で 必 要 な 現 地 関 係 機 関 を 確 保 するとともに 需 要 の 規 模 を 把 握 し それぞれの 国 に 相 応 しいビジネスモデルの 立 案 を 目 指 す 104

109 (3) 調 査 によって 新 たに 判 明 した 課 題 具 体 的 な 選 定 地 域 とその 地 域 における 課 題 1 コートジボワールにおける 政 治 危 機 の 影 響 コートジボワールでは 1999 年 12 月 のクーデター 以 降 政 治 的 な 危 機 が 続 いて いたが 2011 年 5 月 にウワタラ 大 統 領 就 任 後 平 和 への 復 興 と 国 家 再 建 が 図 られて いる しかしながら 一 部 残 った 反 政 府 勢 力 が 散 発 的 に 事 件 を 起 こしている 事 実 が り 安 全 に 留 意 は 必 要 である 2 コートジボワールにおける 統 計 データの 焼 失 コートジボワールでは 政 治 危 機 の 影 響 によって 過 去 10 年 以 上 にわたって 全 国 規 模 の 統 計 調 査 が 行 われていないことが 判 明 した また 既 存 の 統 計 資 料 について も 地 方 政 府 を 含 めて 少 なからず 焼 失 或 いは 散 逸 してしまっていることが 判 明 し た 3 ガーナにおける 政 府 関 係 機 関 との 協 力 関 係 2012 年 12 月 に 大 統 領 選 挙 が 実 施 され ジョン ドラマニ マハマ 大 統 領 が 選 出 されて 新 しい 体 制 になった しかしながら 現 在 大 統 領 選 の 不 正 が 発 覚 して 裁 判 になっているため 関 係 省 庁 との 具 体 的 な 交 渉 は 今 後 も 難 航 することが 予 想 され る また 既 に 現 地 で 活 動 している 企 業 や 政 府 の 下 でプロジェクトを 実 施 している NGO によると 関 係 省 庁 からの 各 種 許 認 可 取 得 に 際 しては かなりの 時 間 と 労 力 を 掛 ける 必 要 があることが 判 明 した 105

110 3. 課 題 解 決 の 方 向 性 (1) 気 候 変 動 に 対 する 適 応 行 動 の 実 現 可 能 性 1 現 地 における 気 候 変 動 の 脆 弱 性 の 実 態 - コートジボワール 国 全 体 の 気 候 変 動 の 脆 弱 性 の 実 態 を 把 握 するため 水 資 源 の 管 理 開 発 を 統 括 する 水 森 林 省 より 必 要 なデータを 入 手 するとともに ヒアリング 調 査 を 実 施 する 小 型 浄 水 装 置 の 設 置 可 能 なエリアにおける 気 候 変 動 の 脆 弱 性 を 把 握 するため に 必 要 なデータを 入 手 するとともに ヒアリング 調 査 を 実 施 する 合 わせて 候 補 地 で 活 動 している NGO や 住 民 に 対 するヒアリング 調 査 を 実 施 する - ガーナ 国 全 体 の 気 候 変 動 の 脆 弱 性 の 実 態 を 把 握 するため 気 候 変 動 と 生 態 系 の 変 動 に 関 する 研 究 及 びその 対 応 策 の 構 築 を 行 っている CECAR-Africa (Climate and Ecosystem Change Adaption and Resilience Research) 地 方 給 水 の 管 理 開 発 を 行 っている 村 落 給 水 衛 生 公 社 より 必 要 なデータを 入 手 するとともに ヒア リング 調 査 を 実 施 する 小 型 浄 水 装 置 の 設 置 可 能 なエリアにおける 気 候 変 動 の 脆 弱 性 を 把 握 するため に 必 要 なデータを 入 手 するとともに ヒアリング 調 査 を 実 施 する 合 わせて 候 補 地 で 活 動 している NGO や 住 民 に 対 するヒアリング 調 査 を 実 施 する 2 気 候 変 動 によって 増 大 する 社 会 課 題 としての 腹 痛 下 痢 皮 膚 病 等 の 疾 病 率 死 亡 率 の 実 態 - コートジボワール 国 全 体 における 社 会 課 題 としての 腹 痛 下 痢 皮 膚 病 等 の 疾 病 率 死 亡 率 の 実 態 を 把 握 するため 世 界 保 健 機 関 等 の 国 際 機 関 の 統 計 データをベースに 現 地 において 関 係 機 関 からのデータ 収 集 とヒアリング 調 査 を 実 施 する 小 型 浄 水 装 置 設 置 可 能 場 所 における 社 会 課 題 としての 腹 痛 下 痢 皮 膚 病 等 の 疾 病 率 死 亡 率 の 実 態 を 把 握 するため 候 補 地 の 診 療 所 より 必 要 なデータを 入 手 するとともに ヒアリング 調 査 を 実 施 する - ガーナ 国 全 体 における 社 会 課 題 としての 腹 痛 下 痢 皮 膚 病 等 の 疾 病 率 死 亡 率 の 実 態 を 把 握 するため 世 界 保 健 機 関 等 の 国 際 機 関 の 統 計 データをベースに 現 地 において 関 係 機 関 からのデータ 収 集 とヒアリング 調 査 を 実 施 する 小 型 浄 水 装 置 設 置 可 能 場 所 における 社 会 課 題 としての 腹 痛 下 痢 皮 膚 病 等 の 疾 病 率 死 亡 率 の 実 態 を 把 握 するため 候 補 地 の 診 療 所 より 必 要 なデータを 入 手 するとともに ヒアリング 調 査 を 実 施 する 106

111 3 小 型 浄 水 装 置 の 活 用 による 社 会 課 題 に 対 する 影 響 小 型 浄 水 装 置 の 設 置 後 当 該 村 落 の 住 民 が 衛 生 的 な 水 の 利 用 によって 社 会 課 題 である 腹 痛 下 痢 皮 膚 病 等 の 疾 病 率 死 亡 率 の 実 態 がどの 程 度 改 善 されたかにつ いて 把 握 するため 小 型 浄 水 装 置 の 設 置 1 年 前 から 設 置 1 年 後 まで 当 該 村 落 の 診 療 所 より 必 要 なデータを 入 手 するとともに ヒアリング 調 査 を 実 施 する (2) 事 業 の 実 現 可 能 性 1 現 地 関 係 機 関 との 連 携 可 能 性 - コートジボワール 現 地 政 府 との 連 携 可 能 性 を 調 査 するため 水 資 源 の 管 理 開 発 を 統 括 する 水 森 林 省 に 対 して 小 型 浄 水 装 置 の 事 業 化 について 理 解 と 協 力 を 求 める また 関 係 機 関 との 連 携 可 能 性 を 調 査 するため 国 際 NGO(SOLIDARITES International) 及 び 現 地 NGO(Fondation Manlan Kassi Leopold 及 び Association N CHRIST)に 対 して 小 型 浄 水 装 置 の 事 業 化 について 理 解 と 協 力 を 求 める - ガーナ 現 地 政 府 との 連 携 可 能 性 を 調 査 するため 地 方 給 水 を 管 轄 する 村 落 給 水 衛 生 公 社 に 対 して 小 型 浄 水 装 置 の 事 業 化 について 理 解 と 協 力 を 求 める また 関 係 機 関 との 連 携 可 能 性 を 調 査 するため 国 際 NGO(World Vision 及 び Water Aid) 及 び 現 地 NGO(LINKS)に 対 して 小 型 浄 水 装 置 の 事 業 化 について 理 解 と 協 力 を 求 める 2 小 型 浄 水 装 置 の1 基 目 を 設 置 する 仕 組 みと 体 制 - コートジボワール 小 型 浄 水 装 置 の 第 1 号 基 の 設 置 を 前 提 とした 事 業 の 実 現 可 能 性 調 査 を 実 施 す るため 水 森 林 省 より 候 補 地 の 推 薦 を 受 ける カウンターパート 候 補 である 国 際 NGO(SOLIDARITES International) 及 び 現 地 NGO(Fondation Manlan Kassi Leopold 及 び Association N CHRIST)と その 候 補 地 における 社 会 課 題 の 実 態 把 握 及 びモニタリング 体 制 の 構 築 等 を 行 う また 小 型 浄 水 装 置 の 設 置 後 の 運 用 体 制 等 についても 水 森 林 省 や 地 方 行 政 機 関 の 協 力 を 得 ながら カウンターパート 候 補 である NGO とその 構 築 に 努 める - ガーナ 小 型 浄 水 装 置 の 第 1 号 基 の 設 置 を 前 提 とした 事 業 の 実 現 可 能 性 調 査 を 実 施 す るため カウンターパート 候 補 である 国 際 NGO(World Vision 及 び Water Aid) 及 び 現 地 NGO(LINKS)より 候 補 地 の 推 薦 を 受 ける カウンターパート 候 補 である 国 際 NGO(Water Aid) 及 び 現 地 NGO(LINKS)と 設 置 候 補 地 の 選 定 とその 候 補 地 における 社 会 課 題 の 実 態 把 握 及 びモニタリング 体 107

112 制 の 構 築 等 を 行 う また 小 型 浄 水 装 置 の 設 置 後 の 運 用 体 制 等 についても 村 落 給 水 衛 生 公 社 や 地 方 行 政 機 関 の 協 力 を 得 ながら カウンターパートである NGO とその 構 築 に 努 める 3 事 業 化 実 施 にあたり 必 要 な 各 種 許 認 可 規 制 輸 出 入 手 続 物 流 網 の 現 状 - コートジボワール 事 業 化 実 施 にあたり 必 要 な 各 種 許 認 可 規 制 輸 出 入 手 続 物 流 網 の 現 状 を 調 査 するため 水 森 林 省 及 び 候 補 地 の 現 地 政 府 を 通 じて 必 要 な 情 報 を 入 手 す る 併 せて ヤマハ 発 動 機 の 現 地 事 務 所 及 びカウンターパートである NGO を 通 じて 必 要 な 情 報 を 入 手 する - ガーナ 事 業 化 実 施 にあたり 必 要 な 各 種 許 認 可 規 制 輸 出 入 手 続 物 流 網 の 現 状 を 調 査 するため 村 落 給 水 衛 生 公 社 及 び 候 補 地 の 現 地 政 府 を 通 じて 必 要 な 情 報 を 入 手 する 併 せて ヤマハ 発 動 機 の 現 地 特 約 店 及 びカウンターパートである NGO を 通 じて 必 要 な 情 報 を 入 手 する 4 想 定 需 要 者 ( 村 落 診 療 所 学 校 等 )における 安 全 な 水 に 対 する 需 要 村 落 診 療 所 学 校 等 の 想 定 需 要 者 における 安 全 な 水 に 対 する 需 要 を 調 査 するた め 候 補 地 の 住 民 病 院 関 係 者 学 校 関 係 者 等 に 対 するヒアリング 調 査 を 実 施 する 5 事 業 推 進 時 の 価 格 調 査 事 業 推 進 時 に 必 要 な 資 材 等 の 価 格 を 調 査 するため カウンターパートである NGO を 通 じて 候 補 地 におけるろ 材 である 砂 利 や 砂 の 現 地 で 調 達 価 格 及 び 基 礎 工 事 や 配 管 工 事 等 の 付 帯 工 事 に 係 る 費 用 を 調 査 する 6 小 型 浄 水 装 置 設 置 可 能 場 所 の 選 定 - コートジボワール 小 型 浄 水 装 置 の 設 置 可 能 エリアの 確 認 を 行 うため 水 森 林 省 国 際 NGO(SOLIDARITES International) 及 び 現 地 NGO(Fondation Manlan Kassi Leopold 及 び Association N CHRIST)より 上 水 道 の 敷 設 や 井 戸 による 飲 料 水 の 取 水 が 困 難 で 河 川 や 湖 沼 の 表 流 水 の 利 用 が 可 能 な 地 域 及 び 具 体 的 な 候 補 地 の 推 薦 を 受 け る 推 薦 された 地 域 に 対 しては データやヒアリングの 分 析 を 通 じて 設 置 が 可 能 かどうかを 調 査 する また 推 薦 された 候 補 地 については 現 地 調 査 を 通 じて 設 置 が 可 能 かどうかを 調 査 する 108

113 - ガーナ 小 型 浄 水 装 置 の 設 置 可 能 エリアの 確 認 を 行 うため 村 落 給 水 衛 生 公 社 国 際 NGO(World Vision 及 び Water Aid) 及 び 現 地 NGO(LINKS) より 上 水 道 の 敷 設 や 井 戸 による 飲 料 水 の 取 水 が 困 難 で 河 川 や 湖 沼 の 表 流 水 の 利 用 が 可 能 な 地 域 及 び 具 体 的 な 候 補 地 の 推 薦 を 受 ける 推 薦 された 地 域 に 対 しては データやヒアリングの 分 析 を 通 じて 設 置 が 可 能 かどうかを 調 査 する また 推 薦 された 候 補 地 については 現 地 調 査 を 通 じて 設 置 が 可 能 かどうかを 調 査 する 7 上 記 項 目 を 踏 まえた 事 業 化 案 仮 説 中 央 政 府 地 方 政 府 国 際 NGO 現 地 NGO 販 売 代 理 店 等 の 事 業 化 に 必 要 なパート ナーを 確 保 するため 小 型 浄 水 装 置 の 有 用 性 と 優 位 性 に 関 するプレゼンテーション と 意 見 交 換 を 地 道 に 重 ねていく また 意 見 交 換 やデータの 収 集 分 析 を 通 じて 小 型 浄 水 装 置 の 需 要 規 模 を 把 握 し ビジネスモデルを 立 案 し 事 業 効 果 の 最 大 化 を 図 る (3) 調 査 によって 新 たに 判 明 した 課 題 及 び 具 体 的 な 選 定 地 域 とその 地 域 における 課 題 への 対 応 1 コートジボワールにおける 政 治 危 機 の 影 響 事 業 関 係 者 の 安 全 を 確 保 しつつ 小 型 浄 水 装 置 の 事 業 を 展 開 していくため 必 要 な 情 報 の 収 集 分 析 を 行 う 2 コートジボワールにおける 統 計 データの 欠 如 収 集 が 不 可 能 な 統 計 データに 代 わる 情 報 として 気 候 変 動 によって 増 大 する 社 会 課 題 の 状 況 調 査 及 び 安 全 な 水 に 対 する 需 要 実 態 調 査 の 実 施 にあたっては 現 地 におけるヒアリング 調 査 を 実 施 する 3 ガーナにおける 政 府 関 係 機 関 との 協 力 関 係 既 に 政 府 機 関 と 強 い 繋 がりを 持 つ 衛 生 的 な 水 の 供 給 に 携 わっている NGO やコン サルタントとの 協 力 関 係 構 築 に 注 力 し それらの 組 織 を 通 じて 各 種 許 認 可 を 取 得 す る 等 事 業 の 円 滑 化 に 務 める 109

114 4. 調 査 結 果 通 貨 レートについては OANDA により 2012 年 9 月 1 日 から 2013 年 1 月 31 日 までの 平 均 レートを 算 出 し 現 地 通 貨 を USD に 換 算 した 1USD=502CFA 1.88GHS 82.1 円 1EUR=656CFA 2.45GHS 円 1 気 候 変 動 における 脆 弱 性 の 実 態 調 査 a. 水 道 普 及 率 - コートジボワール 都 市 部 や 地 方 主 要 都 市 における 生 活 インフラの 整 備 によって コートジボワ ールの 水 道 普 及 率 はアフリカ 諸 国 の 中 では 比 較 的 高 いが 村 落 においては 生 活 インフラ 全 般 の 整 備 が 遅 れており 水 道 普 及 率 ゼロの 村 落 が 依 然 として 多 いの が 実 態 である 2010 年 時 点 では 都 市 部 の 上 水 道 普 及 率 が 64%に 達 している のに 比 べ 地 方 は 16%にとどまっている 水 道 の 普 及 状 況 都 市 地 方 合 計 1990 年 2010 年 1990 年 2010 年 1990 年 2010 年 上 水 道 50% 64% 5% 16% 23% 40% 上 水 道 以 外 50% 36% 95% 84% 77% 60% ( 出 典 )Estimates for the use of Improved Drinking-Water Sources/WHO UNICEF - ガーナ 都 市 部 や 地 方 主 要 都 市 における 生 活 インフラの 整 備 によって ガーナの 水 道 普 及 率 はアフリカ 諸 国 の 中 では 比 較 的 高 いが 村 落 においては 生 活 インフラ 全 般 の 整 備 が 遅 れており 水 道 普 及 率 ゼロの 村 落 が 依 然 として 多 いのが 実 態 であ る 2010 年 時 点 では 都 市 部 への 人 口 の 急 激 な 流 入 により 上 水 道 普 及 率 が 1990 年 よりも 低 くなっている また 地 方 においてもわずか 3%の 普 及 率 にとどま っている 水 道 の 普 及 状 況 都 市 地 方 合 計 1990 年 2010 年 1990 年 2010 年 1990 年 2010 年 上 水 道 41% 33% 2% 3% 16% 18% 上 水 道 以 外 59% 67% 98% 97% 84% 82% ( 出 典 )Estimates for the use of Improved Drinking-Water Sources/WHO UNICEF b. 水 質 基 準 - コートジボワール コートジボワールにおいては WHO における 水 質 基 準 がコートジボワール においても 適 応 されているため WHO の 基 準 を 参 考 にするものとする 110

115 - ガーナ ガーナにおいても WHO の 水 質 基 準 が 適 応 されているため WHO の 基 準 を 参 考 にするものとする c. 浄 水 の 販 売 価 格 - コートジボワール 小 型 浄 水 装 置 の 第 1 号 機 を 設 置 することとなったチャサレ 県 ンジナウアン 村 では 1 万 人 以 上 の 人 口 を 抱 えながら 水 道 が 敷 設 されておらず 住 民 の 多 く が 手 押 し 車 1 台 分 (25 リットルタンク 8 個 =200 リットル)の 河 川 の 表 流 水 を 配 達 距 離 に 応 じて 0.5~1 ドルで 購 入 している 浄 水 については 500cc が 0.1 ドル 前 後 で 販 売 されているがほとんどの 住 民 にとって 購 入 は 不 可 能 で あり 表 流 水 を 購 入 し 煮 沸 も 投 薬 もせずに 飲 用 している - ガーナ 小 型 浄 水 装 置 の 第 1 号 機 を 設 置 することとなった 南 クワフ 郡 アスボニ 村 で は 浄 水 500cc が 0.06 ドル 前 後 で 販 売 されているが ほとんどの 住 民 が Volta 湖 の 表 流 水 を 煮 沸 も 投 薬 もせずに 飲 用 している 2 気 候 変 動 によって 増 大 する 社 会 課 題 の 状 況 調 査 a. 気 候 変 動 の 脆 弱 性 - コートジボワール コートジボワールにおける 気 候 変 動 の 脆 弱 性 について 関 係 4 省 より 以 下 の 説 明 があった 雨 季 と 乾 季 の 変 わり 目 が 曖 昧 になっている 年 間 を 通 しての 降 雨 量 は 減 少 傾 向 にあり 川 の 水 量 や 井 戸 の 水 位 が 減 少 傾 向 にある 一 方 で 局 地 的 な 豪 雨 の 回 数 は 増 えており 洪 水 の 回 数 が 以 前 より 増 え ているため 井 戸 への 汚 水 の 流 入 が 問 題 となっている 1973 年 に 開 始 された 人 への 水 供 給 の 国 家 プログラムによれば 村 落 給 水 に 関 しては 2008 年 時 点 で 6 千 カ 所 近 くの 給 水 地 が 放 棄 されているが その 中 には 洪 水 や 乾 燥 等 によって 放 棄 された 井 戸 も 相 当 数 が 含 まれてい る 国 際 NGO の SOLIDARITES International からは 以 下 の 説 明 があった これまで 明 確 であった 雨 季 と 乾 季 の 境 目 が 不 安 定 になっている 北 部 の 厳 しい 乾 燥 状 態 が 南 下 している 現 地 NGO の Fondation Manlan Kassi Leopold からは 以 下 の 説 明 があった アビジャン 周 辺 地 域 では 気 候 変 動 の 影 響 で 降 雨 量 が 増 え 洪 水 の 影 響 により 井 戸 水 の 水 質 が 悪 化 している 111

116 現 地 NGO の Association N CHRIST からは 以 下 の 説 明 があった チャサレ 県 においては 洪 水 の 影 響 によって 井 戸 水 の 水 質 が 悪 化 してい る 2010 年 に 水 森 林 省 が 作 成 した 気 候 変 動 に 関 するレポートによれば 1960 年 から 1975 年 の 平 均 気 温 は 26.5 であったが 2000 年 代 前 半 には 27.4 ま で 上 昇 している また 1960 年 から 1975 年 の 平 均 降 雨 量 は 1,475mm であった が 1966 年 には 1,191mm に 減 じ 2005 年 には 1,030mm に 減 じている 小 型 浄 水 装 置 の 設 置 候 補 地 2 か 所 の 現 地 調 査 を 実 施 したところ 地 方 行 政 機 関 や 診 療 所 のスタッフ 及 び 住 民 より 以 下 の 説 明 があった チャサレ 県 ンジナウアン 村 では 局 地 的 な 豪 雨 により 井 戸 水 への 汚 水 の 流 入 が 著 しく 飲 料 には 適 さなくなったため 住 民 の 多 くが 河 川 の 表 流 水 を 飲 用 している アジャケ 県 エプレムレム 村 では 浅 井 戸 が 飲 用 に 適 さなくなってしまうと ともに 深 井 戸 の 汚 染 も 深 刻 で 薬 剤 を 投 与 していたにもかかわらず 雨 季 にコレラ 患 者 が 発 生 した - ガーナ ガーナにおける 気 候 変 動 の 脆 弱 性 について CECAR-Africa より 1960 年 代 からの 変 化 として 以 下 の 説 明 があった 雨 季 と 乾 季 の 変 わり 目 が 曖 昧 になっている 南 部 の 丘 陵 地 帯 を 除 き 北 部 及 び 沿 岸 部 の 乾 燥 が 進 んでおり 沿 岸 部 の 井 戸 では 塩 害 が 発 生 している 一 方 で 局 地 的 な 豪 雨 の 回 数 は 増 えており 洪 水 の 回 数 が 以 前 より 増 え ているため 井 戸 への 汚 水 の 流 入 が 問 題 となっている 特 に 北 部 の 中 心 都 市 であるタマレ 周 辺 では 地 盤 が 岩 盤 層 で 表 土 が 少 な いこともあり 降 った 雨 が 地 中 に 染 み 込 まずに 地 表 を 濁 流 となって 流 れ るため 洪 水 の 被 害 が 深 刻 化 している 村 落 給 水 衛 生 公 社 によると 破 損 目 詰 まり 水 質 悪 化 等 により 使 われ ていない 井 戸 の 数 は 全 体 の 20~30%とのことであるが それらの 相 当 程 度 は 洪 水 の 被 害 によってもたらされていると 推 測 できる ガーナ 気 象 庁 からは 以 下 の 説 明 があった 1961 年 から 2000 年 までの 40 年 間 に 平 均 気 温 が 1 度 上 昇 している アッパーボルタ(ブルキナファソ 及 びガーナ 北 部 )における 鉱 山 開 発 や 木 材 資 源 開 発 によって 森 林 破 壊 が 進 み 気 温 の 上 昇 もともなってサバン ナが 南 下 している その 結 果 アッパーボルタにおける 水 の 許 容 限 度 が 下 がっており 洪 水 が 増 えるとともにその 被 害 が 拡 大 している 小 型 浄 水 装 置 の 設 置 候 補 地 2 か 所 の 現 地 調 査 を 実 施 したところ 地 方 行 政 機 関 や 診 療 所 のスタッフ 及 び 住 民 より 以 下 の 説 明 があった 112

117 アクラマング 郡 ゴモア 村 では 井 戸 水 の 塩 分 濃 度 が 高 くなり 飲 用 に 適 さ なくなったため 河 床 の 水 や 雨 水 を 飲 料 水 に 使 っている 南 クワフ 郡 アスボニ 村 では 雨 季 と 乾 季 の 時 期 が 変 わってきている b. 腹 痛 下 痢 皮 膚 病 等 の 疾 病 率 死 亡 率 に 対 する 気 候 変 動 の 影 響 - コートジボワール 関 係 4 省 からは 気 候 変 動 の 脆 弱 性 による 飲 料 水 への 影 響 が 下 痢 や 腹 痛 水 系 感 染 症 の 多 発 という 社 会 課 題 を 増 大 しており コートジボワール 政 府 にお いても 深 刻 に 捉 えられているとの 説 明 があった 具 体 的 には 衛 生 的 な 飲 料 水 を 常 用 できない 村 落 では 病 人 の 数 が 多 くその 大 半 が 下 痢 や 腹 痛 水 系 感 染 症 によるものであること 特 に 雨 季 にはコレラ が 発 生 する 村 落 もあることについての 説 明 があった 小 型 浄 水 装 置 の 第 1 号 機 を 設 置 することとなったチャサレ 県 ンジナウアン 村 ( 推 定 人 口 12 千 人 )では 毎 月 400~700 人 が 診 療 所 で 診 察 を 受 けている 患 者 の 半 数 が 下 痢 食 中 毒 水 系 感 染 症 を 患 っており その 多 くが 非 衛 生 的 な 飲 料 水 に 由 来 すると 診 断 されている また 患 者 の 半 数 が 15 才 未 満 の 年 少 者 で 特 に 5 才 未 満 の 乳 幼 児 の 患 者 は 全 患 者 数 の 4 割 前 後 となっている 彼 ら の 多 くが 下 痢 を 伴 うマラリアや 気 管 支 炎 を 併 発 しており 診 療 所 の 医 師 か らは 貧 困 により 非 衛 生 的 な 水 しか 飲 用 できないことによる 下 痢 等 によって 体 力 が 落 ちたが 故 にマラリアや 気 管 支 炎 を 患 っているとの 説 明 があった - ガーナ CECAR-Africa からは 北 部 及 び 沿 岸 部 の 乾 燥 が 進 んだ 地 域 や 沿 岸 部 の 塩 害 が 進 んだ 地 域 では 井 戸 による 衛 生 的 な 飲 料 水 の 確 保 が 難 しくなりつつあり その 結 果 として 下 痢 食 中 毒 水 系 感 染 症 等 の 健 康 被 害 が 顕 在 化 しているとの 説 明 があった 村 落 給 水 衛 生 公 社 からは 水 道 の 敷 設 が 進 んでいない 都 市 近 郊 特 に 都 市 周 辺 の 高 台 については 井 戸 の 水 位 の 低 下 が 著 しく 地 方 から 流 入 してきた 貧 困 層 にとっては 河 川 や 湖 沼 の 非 衛 生 的 な 水 を 飲 用 せざるを 得 ない 状 況 であるた め 下 痢 食 中 毒 水 系 感 染 症 等 の 健 康 被 害 が 顕 在 化 しているとの 説 明 があっ た 小 型 浄 水 装 置 の 第 1 号 機 を 設 置 することとなった 南 クワフ 郡 アスボニ 村 ( 人 口 約 16 百 人 )では 季 節 によって 異 なるものの 毎 月 60 人 ~100 人 が 診 療 所 で 診 察 を 受 けているが 患 者 の 4 割 程 度 が 下 痢 食 中 毒 水 系 感 染 症 等 の 非 衛 生 的 な 飲 料 水 に 由 来 する 病 気 を 患 っている c. 腹 痛 下 痢 皮 膚 病 等 の 疾 病 率 死 亡 率 に 対 する 小 型 浄 水 装 置 導 入 後 の 効 果 - コートジボワール ンジナウアン 村 の 診 療 所 との 間 において 過 去 の 診 療 記 録 とともに 設 置 作 113

118 業 中 及 び 設 置 後 の 診 療 記 録 が 提 供 されることで 合 意 を 得 ており 腹 痛 下 痢 皮 膚 病 等 の 疾 病 率 死 亡 率 に 対 する 小 型 浄 水 装 置 導 入 後 の 効 果 について 経 年 変 化 を 把 握 することが 可 能 となっている - ガーナ アスボニ 村 の 診 療 所 との 間 において 過 去 の 診 療 記 録 とともに 設 置 作 業 中 及 び 設 置 後 の 診 療 記 録 が 提 供 されることで 合 意 を 得 ており 腹 痛 下 痢 皮 膚 病 等 の 疾 病 率 死 亡 率 に 対 する 小 型 浄 水 装 置 導 入 後 の 効 果 について 経 年 変 化 を 把 握 することが 可 能 となっている 3 ビジネス 環 境 調 査 a. 浄 水 河 川 公 共 事 業 村 落 開 発 等 を 扱 っている 関 係 各 省 庁 との 協 業 可 否 - コートジボワール 渡 航 前 の 事 前 調 査 において 衛 生 的 な 飲 料 水 の 供 給 に 関 わる 業 務 を 所 管 して いる 官 庁 として 企 画 開 発 省 経 済 インフラ 省 環 境 持 続 的 開 発 省 水 森 林 省 をリストアップし 現 地 において 各 省 に 対 してアプローチしたところ 水 森 林 省 が 水 資 源 を 包 括 的 に 所 管 している 官 庁 であることを 確 認 した 水 森 林 省 が ヤマハ 発 動 機 の 小 型 浄 水 装 置 を 高 く 評 価 し ヤマハ 発 動 機 の コートジボワールにおける 小 型 浄 水 装 置 に 係 る 事 業 を 政 府 としても 積 極 的 に 協 力 すべきプロジェクトと 位 置 付 けたことにより ヤマハ 発 動 機 は 水 森 林 省 を 議 長 とする 保 健 エイズ 撲 滅 省 及 び 教 育 省 経 済 インフラ 省 の 合 議 体 ( 以 下 関 係 4 省 という ) によって 小 型 浄 水 装 置 に 係 る 事 業 への 協 力 を 得 ら れることとなった また 地 方 行 政 機 関 に 対 しては 関 係 4 省 の 地 方 出 先 機 関 はもとより 県 や 市 町 村 に 対 しても 関 係 4 省 を 通 じて 協 力 を 要 請 することが 可 能 となった - ガーナ 渡 航 前 の 事 前 調 査 において 水 資 源 公 共 事 業 住 宅 省 が 衛 生 的 な 飲 料 水 の 供 給 に 関 わる 業 務 を 所 管 していることが 明 らかになったので 現 地 において 同 省 水 資 源 局 にアプローチしたところ 衛 生 的 な 飲 料 水 の 供 給 については 都 市 においては 水 道 事 業 を 所 管 するガーナ 水 道 公 社 が 地 方 においては 飲 料 水 供 給 事 業 を 所 管 する 村 落 給 水 衛 生 公 社 がそれぞれ 実 際 の 業 務 を 所 管 していること が 判 明 した 村 落 給 水 衛 生 公 社 より ヤマハ 発 動 機 の 小 型 浄 水 装 置 に 対 する 評 価 を 得 ることができ 小 型 浄 水 装 置 に 係 る 事 業 への 協 力 を 得 られることとなっ た b. 当 該 国 における 気 候 変 動 による 脆 弱 性 の 改 善 への 寄 与 - コートジボワール 関 係 4 省 との 協 議 を 経 て 小 型 浄 水 装 置 に 係 る 事 業 に 対 しては コートジボ 114

119 ワールにおける 気 候 変 動 による 脆 弱 性 の 改 善 への 寄 与 が 期 待 できるとして 中 央 政 府 及 び 地 方 政 府 の 各 レベルにおいて 協 力 を 得 られることとなっている また 国 際 NGO(SOLIDARITES International) 及 び 現 地 NGO(Fondation Manlan Kassi Leopold 及 び Association N CHRIST)からは 小 型 浄 水 装 置 に 係 る 事 業 に 対 して コートジボワールにおける 気 候 変 動 による 脆 弱 性 の 改 善 への 寄 与 が 期 待 できるとして 事 業 への 高 い 関 心 が 表 明 されている - ガーナ 村 落 給 水 衛 生 公 社 との 協 議 を 経 て 小 型 浄 水 装 置 に 係 る 事 業 に 対 しては ガ ーナにおける 気 候 変 動 による 脆 弱 性 の 改 善 への 寄 与 が 期 待 できるとして 中 央 政 府 及 び 地 方 政 府 の 各 レベルにおいて 協 力 を 得 られることとなっている また 国 際 NGO(World Vision 及 び Water Aid) 及 び 現 地 NGO(LINKS)からは 小 型 浄 水 装 置 に 係 る 事 業 に 対 して ガーナにおける 気 候 変 動 による 脆 弱 性 の 改 善 への 寄 与 が 期 待 できるとして 事 業 への 高 い 関 心 が 表 明 されている c. 民 間 企 業 の 事 業 としての 成 立 の 可 否 気 候 変 動 の 影 響 により コートジボワールとガーナにおいては 国 土 全 体 が 乾 燥 化 しつつあるなかで 不 規 則 で 局 地 的 な 豪 雨 が 発 生 することにより 水 道 が 未 設 の 地 域 においては 飲 料 用 として 唯 一 の 水 源 であった 井 戸 について 水 位 の 低 下 や 塩 害 汚 染 が 顕 在 化 しつつある これによって 都 市 化 開 発 から 取 り 残 された 地 方 の 村 落 や 都 市 周 辺 に 流 入 した 貧 困 層 の 生 活 は 衛 生 的 な 飲 料 水 の 入 手 が 困 難 となり 大 きな 社 会 問 題 となっている ヤマハ 発 動 機 の 提 供 する 小 型 浄 水 装 置 は 河 川 や 湖 沼 池 などの 表 流 水 を 浄 化 し 衛 生 的 な 水 を 供 給 することが 可 能 な 装 置 であり また 初 期 の 導 入 には 費 用 が 生 じるものの 運 用 とメンテナンスにはほとんど 費 用 を 要 しないことから 地 方 の 村 落 や 都 市 周 辺 の 貧 困 層 向 けの 衛 生 的 な 水 の 供 給 装 置 としては 適 当 な 装 置 で ある 近 年 途 上 国 に 進 出 した 先 進 国 の 企 業 等 が 進 出 先 途 上 国 における CSR 活 動 を 活 発 化 しドナーとしての 地 位 を 確 立 しつつあることから 公 的 ドナーや 最 終 需 要 者 に 加 えて 途 上 国 に 進 出 した 先 進 国 の 企 業 等 を 新 たなターゲットとすることに よって 民 間 事 業 としての 成 立 の 可 能 性 が 高 くなった d. 装 置 の 競 合 状 況 - コートジボワール コートジボワールには 競 合 となるような 小 型 浄 水 装 置 を 販 売 している 事 業 者 を 確 認 することはできなかったが 村 落 地 域 における 浄 水 の 供 給 手 段 とし て Vestergaard Frandsen 社 の LifeStraw が 配 布 されてることを 確 認 した 持 ち 運 び 可 能 な LifeStraw は 約 15 ドル 家 庭 用 の LifeStraw は 約 36 ドルで あり 双 方 ともに 3 年 間 使 用 可 能 である 115

120 - ガーナ 米 国 資 本 の 民 間 企 業 である WaterHealth Ghana が 濾 過 膜 式 浄 水 装 置 を 販 売 し ていることを 確 認 した WaterHealth Ghana の 浄 水 装 置 が 人 口 規 模 で 3 千 人 以 上 をターゲットとして いるのに 比 べ ヤマハ 発 動 機 の 小 型 浄 水 装 置 は 人 口 規 模 で 1 千 人 程 度 をターゲ ットとしているため 両 社 のマーケットが 重 なることはない また WaterHealth Ghana の 浄 水 装 置 はフィルターの 交 換 が 必 要 である 維 持 管 理 に あたっては 専 門 家 の 常 駐 が 必 要 となるため 運 転 費 用 は 毎 月 約 500 ドルかか る ヤマハ 発 動 機 と WaterHealth Ghana の 浄 水 装 置 概 要 ヤマハ 発 動 機 製 WaterHealth Ghana 製 濾 過 方 式 緩 速 濾 過 濾 過 膜 式 濾 過 量 8,000 リットル/ 日 65,000 リットル/ 日 需 要 者 数 1 千 人 程 度 3 千 人 以 上 価 格 65,000 ドル 80,000 ドル ( 出 典 ) 調 査 団 調 べ e. 事 業 化 実 施 にあたり 必 要 な 各 種 許 認 可 規 制 輸 出 入 手 続 物 流 実 態 調 査 等 - コートジボワール 小 型 浄 水 装 置 の 設 置 に 係 る 許 認 可 について 以 下 の 通 り 確 認 した 小 型 浄 水 装 置 の 設 置 に 必 要 な 許 認 可 と 所 管 官 庁 許 認 可 項 目 所 管 官 庁 河 川 水 の 利 用 水 森 林 省 取 水 施 設 の 設 置 及 び 取 水 管 の 敷 設 水 森 林 省 地 方 政 府 保 健 エイズ 撲 滅 省 ( 診 療 所 設 小 型 浄 水 装 置 の 設 置 に 係 る 土 地 利 用 置 の 場 合 ) 教 育 省 ( 学 校 設 置 の 場 合 ) ( 出 典 ) 調 査 団 調 べ また 小 型 浄 水 装 置 をインドネシアから 輸 入 した 場 合 輸 入 関 税 は 20~50% 程 度 となることを 確 認 した 物 流 については 数 社 の 物 流 業 者 の 確 認 したところ アビジャンから1 基 目 設 置 のチャサレ 県 ンジナウアン 村 への 輸 送 費 は 600~1,800 ドル 程 度 となる - ガーナ 本 件 プロジェクトは ガーナにとっても 政 府 レベルで 協 力 すべきプロジェク トとして 位 置 付 けられており 各 種 許 認 可 等 については 村 落 給 水 衛 生 公 社 に よる 地 方 レベルも 含 めた 協 力 が 得 られることを 確 認 している 116

121 小 型 浄 水 装 置 の 設 置 に 必 要 な 許 認 可 と 所 管 官 庁 許 認 可 項 目 所 管 官 庁 Volta 湖 Volta 川 の 利 用 ボルタ 川 管 理 公 社 取 水 施 設 の 設 置 及 び 取 水 管 の 敷 設 村 落 給 水 衛 生 公 社 ( 出 典 ) 調 査 団 調 べ また 小 型 浄 水 装 置 をインドネシアから 輸 入 した 場 合 輸 入 関 税 は 約 20%と なることを 確 認 した 物 流 については テマから1 基 目 設 置 の 南 クワフ 郡 アスボニ 村 への 輸 送 費 は 1,200 ドル 程 度 となる 4 安 全 な 水 に 対 する 需 要 実 態 調 査 - コートジボワール 安 全 な 水 に 対 する 需 要 について 関 係 4 省 から 上 水 道 の 未 整 備 の 村 落 井 戸 の 水 質 に 問 題 があるような 村 落 においては 住 人 の 多 くが 貧 困 層 に 属 してお り 雨 水 や 表 流 水 を 何 ら 処 理 することなく 飲 用 せざるを 得 ない 状 況 にあるとの 説 明 があった 小 型 浄 水 装 置 第 1 号 機 の 設 置 場 所 に 決 まったチャサレ 県 ンジナウアン 村 の 住 民 に 対 して 行 ったヒアリング 調 査 によると ンジナウアン 村 の 一 般 的 な 世 帯 (10 人 家 族 で4 人 が 働 いている)の 場 合 一 世 帯 あたりの 収 入 は 960~4,370ド ルと 推 測 され 貧 しい 世 帯 では1 人 あたり1 日 0.26ドル 比 較 的 豊 かな 世 帯 でも 1 人 あたり1 日 1.2ドル 程 度 で 生 活 していることが 推 定 され ンジナウアン 村 の 住 民 の 多 くが 国 連 ミレニアム 開 発 目 標 の 目 標 1 極 度 の 貧 困 と 飢 餓 の 撲 滅 で 示 された 国 際 貧 困 ラインである1 日 1.25ドル 未 満 で 暮 らす 人 に 分 類 されるこ とが 推 察 される ンジナウアン 村 では N ZI 川 の 表 流 水 を 煮 沸 や 投 薬 をすることなく 飲 用 し ているため 診 療 所 を 訪 れる 病 人 の 過 半 数 が 飲 料 水 に 由 来 する 下 痢 食 中 毒 水 系 感 染 症 の 患 者 となっている 住 民 自 身 も 表 流 水 の 飲 用 が 自 分 たちの 健 康 を 害 していることを 自 覚 しており 衛 生 的 な 飲 料 水 が 適 当 な 価 格 で 販 売 されれ ば 相 当 程 度 の 需 要 が 見 込 まれる 117

122 収 入 ( 年 間 ) 支 出 ( 年 間 ) ンジナウアン 村 住 民 の 家 計 収 支 項 目 金 額 (ドル) 備 考 農 業 245~1,000 小 作 バナナ 工 場 730~1,090 プランテーション 730~1,090 米 240~480 水 270~900 N ZI 川 の 表 流 水 肉 魚 木 炭 48~150 7~70 50~70 ( 注 意 ) 収 入 は1 人 あたりの 金 額 支 出 は1 世 帯 あたりの 金 額 ( 出 典 ) 調 査 団 ヒアリング 調 査 - ガーナ 安 全 な 水 に 対 する 需 要 について 村 落 給 水 衛 生 公 社 から 上 水 道 が 未 整 備 で 井 戸 の 水 質 に 問 題 あるような 村 落 特 に 都 市 近 郊 の 貧 困 層 が 多 く 住 む 地 域 にお いては 住 人 の 多 くが 貧 困 層 に 属 するため 雨 水 や 表 流 水 を 何 ら 処 理 すること なく 飲 用 し 健 康 を 害 しているとの 説 明 があった 小 型 浄 水 装 置 第 1 号 機 の 設 置 が 決 まった 南 クワフ 郡 アスボニ 村 の 住 民 に 対 し て 行 ったヒアリング 調 査 によると アスボニ 村 の 一 般 的 な 世 帯 (20 人 家 族 で10 人 が 働 いている)では 一 世 帯 あたりの 収 入 は 4,470~15,960ドルと 推 測 され 貧 しい 世 帯 では1 人 あたり1 日 0.62ドル 豊 かな 世 帯 では1 人 あたり1 日 2.18ドル で 生 活 していることが 推 定 され アスボニ 村 の 住 民 の 相 当 数 が 国 連 ミレニア ム 開 発 目 標 の 目 標 1 極 度 の 貧 困 と 飢 餓 の 撲 滅 で 示 された 国 際 貧 困 ラインで ある1 日 1.25ドル 未 満 で 暮 らしていると 推 測 される アスボニ 村 では ほぼ 100%の 住 民 が 習 慣 的 にボルタ 湖 の 水 を 煮 沸 や 投 薬 を することなく 飲 用 しているため 診 療 所 を 訪 れる 病 人 の 約 半 数 が 飲 料 水 に 由 来 すると 思 われる 下 痢 食 中 毒 水 系 感 染 症 の 患 者 となっている 118

123 アスボニ 村 住 民 の 家 計 収 支 項 目 金 額 (ドル) 備 考 収 入 ( 年 間 ) 農 業 漁 業 米 2,560~12,760 1,910~3,190 3,000~4,000 芋 0 自 家 栽 培 トウモロコシ 0 自 家 栽 培 支 出 ( 年 間 ) 水 0 Volta 湖 の 生 水 肉 160~540 魚 0 漁 の 残 り 木 炭 ( 注 意 ) 収 入 支 出 ともに1 世 帯 あたりの 金 額 ( 出 典 ) 調 査 団 ヒアリング 調 査 210~420 5 小 型 浄 水 装 置 の 設 置 可 能 性 調 査 a. 想 定 設 置 場 所 である 河 川 湖 沼 の 実 態 - コートジボワール コートジボワールには Cavally Sassandra Bandama Comoe の 4 つの 一 級 河 川 が 国 土 を 南 北 に 縦 断 するとともに 沿 岸 部 には 8 つの 二 級 河 川 が 流 れて いる コートジボワールの 一 級 河 川 名 称 主 な 支 流 長 さ(km) 流 域 面 積 (km2) Cavally 川 ,800 Sassandra 川 Boa 川 Tienba 川 ,000 Bandama 川 Bou 川 Marahoue 川 1,050 97,000 Comoe 川 Ba 川 Iringou 川 1,160 78,000 Leraba 川 ( 出 典 )Master Plan for Integrated Management of Water Resources 一 方 自 然 の 湖 沼 が 存 在 しないため 治 水 のために 古 来 より 池 が 作 られ 現 在 その 数 はコートジボワール 全 土 で 570 カ 所 以 上 となっている 河 川 の 流 量 については 地 域 ごと 季 節 ごとに 増 減 が 異 なっているが 北 部 の 乾 燥 地 帯 を 流 れる 支 流 を 除 いて 河 川 の 水 が 涸 れることはなく 表 流 水 は 通 年 での 利 用 が 可 能 である このことから コートジボワールには 小 型 浄 水 装 置 に 利 用 可 能 と 思 われる 表 流 水 がほぼ 全 土 に 存 在 しているということがいえる 119

124 地 域 別 河 川 水 位 地 域 増 水 期 渇 水 期 北 部 8 月 ~10 月 11 月 ~5 月 南 部 ( 沿 岸 部 ) 6 月 7 月 10 月 11 月 12 月 ~3 月 8 月 9 月 (ピークは 2 月 ) 中 央 部 5 月 ~11 月 (ピークは 9 月 10 月 ) 渇 水 期 はない 西 部 山 岳 地 帯 4 月 ~10 月 (ピークは 9 月 ) 1 月 2 月 ( 出 典 )Second National Communication under the United Nations Framework Convention on Climate Change - ガーナ ガーナには 三 つの 大 きな 水 系 がある 特 に Volta 水 系 はガーナの 北 部 と 東 部 流 れ 流 域 は 国 土 の 67%をカバーしており その 多 くがブルキナファソ を 水 源 としている Volta 川 の 下 流 には Akosombo ダムによって 堰 き 止 められ た 川 の 水 によって 作 られた 世 界 最 大 の 人 工 湖 である Volta 湖 がある また Southwestern 水 系 はカカオをはじめとするガーナの 主 要 農 産 物 の 産 地 を 形 成 している ガーナの 河 川 水 系 水 系 主 な 河 川 国 土 に 占 める 流 域 面 積 Volta Southwestern Coastal Red Volta Black Volta White Volta Oti Bia Ankobra Pra Todzei/Aka Densu Ayensu Ochi-Nakwa Ochi-Amissah ( 出 典 )National Water Policy of Ghana 河 川 の 流 量 については 地 域 ごと 季 節 ごとに 増 減 が 異 なっているが 支 流 を 除 いて 河 川 の 水 が 涸 れることはなく 表 流 水 は 通 年 での 利 用 が 可 能 である このことから ガーナには 小 型 浄 水 装 置 に 利 用 可 能 と 思 われる 表 流 水 が 全 土 に 存 在 しているということがいえる Aframso における Afram 川 の 水 位 の 変 化 (2000 年 から 2010 年 の 平 均 水 位 ) 1 月 2 月 3 月 4 月 5 月 6 月 7 月 8 月 9 月 10 月 11 月 12 月 水 位 81cm 72cm 74cm 90cm 111cm 136cm 140cm 117cm 152cm 189cm 155cm 108cm ( 出 典 ) 水 資 源 公 共 工 事 住 宅 省 ( 注 意 )Afrmso は 小 型 浄 水 装 置 第 1 号 基 の 設 置 場 所 であるアスボニ 村 に 最 も 近 い 観 測 地 点 70% 22% 8% 120

125 b. 基 礎 工 事 を 含 む 施 工 体 制 浄 水 装 置 に 使 うろ 材 の 現 地 調 達 可 否 小 型 浄 水 装 置 の 設 置 にあたっては 新 たに 設 定 する 特 約 店 が 小 型 浄 水 装 置 を 設 置 することとする 小 型 浄 水 装 置 を 設 置 するためにコンクリートに 基 礎 工 事 が 必 要 となるが 今 回 の 調 査 を 通 じて 現 地 の 建 築 業 者 をコートジボワールとガーナで 数 社 見 つけることができた 現 地 建 築 業 者 の 能 力 については 1 基 目 設 置 後 に 評 価 することとする ろ 材 については コートジボワールで 建 設 用 の 砂 利 を 供 給 している 業 者 や 川 砂 を 扱 っている 個 人 の 業 者 を 見 つけることができた さらに 飲 料 水 メーカーの 工 場 用 に 砂 や 砂 利 を 供 給 している 業 者 の 調 査 も 引 き 続 き 実 施 し ろ 材 の 品 質 と 価 格 を 評 価 することで 現 地 調 達 が 可 能 になる 見 通 しである c. 事 業 化 に 向 けて 一 号 機 を 設 置 する 具 体 的 な 場 所 の 選 定 - コートジボワール 関 係 4 省 の 推 薦 を 受 けた 複 数 の 候 補 地 について 現 地 調 査 を 重 ねた 結 果 小 型 浄 水 装 置 の 第 1 号 機 の 設 置 場 所 をチャサレ 県 ンジナウアン 村 に 決 定 した 高 速 道 路 沿 いの N ZI 川 から 取 水 し 500m ほど 離 れたンジナウアン 村 の 診 療 所 の 敷 地 内 に 小 型 浄 水 装 置 を 設 置 することとし 河 川 の 表 流 水 や 土 地 の 使 用 権 限 についてチャサレ 県 政 府 から 内 諾 を 得 た ンジナウアン 村 121

126 - ガーナ 国 際 NGO の Water Aid と 現 地 NGO の LINK 村 落 給 水 衛 生 公 社 から 推 薦 を 受 け Volta 湖 畔 の 南 クワフ 郡 アスボニ 村 を 小 型 浄 水 装 置 の 第 1 号 機 の 設 置 場 所 に 決 定 した 湖 から 350m ほど 離 れた 小 学 校 の 近 くに 小 型 浄 水 装 置 を 設 置 す ることとし 設 置 にあったての 許 認 可 取 得 の 準 備 を 進 めている アスボニ 村 6 事 業 化 案 仮 説 作 成 ヤマハ 発 動 機 の 提 供 する 小 型 浄 水 装 置 は 河 川 や 湖 沼 池 などの 表 流 水 を 浄 化 し 衛 生 的 な 水 を 供 給 することが 可 能 な 装 置 であり また 初 期 導 入 には 費 用 負 担 が 生 じるものの 運 用 とメンテナンスにはほとんど 費 用 を 要 しないことから 地 方 の 村 落 や 都 市 周 辺 の 貧 困 層 向 けの 衛 生 的 な 水 の 供 給 装 置 としては 最 も 適 当 な 装 置 であ る 現 地 での 調 査 等 を 経 て 以 下 の 二 つのステップを 事 業 化 案 として その 実 現 に 取 り 組 むこととする 第 一 段 階 : 当 初 公 的 機 関 やドナー 機 関 の 資 金 を 活 用 することを 有 力 な 事 業 化 手 法 として 検 討 を 進 めていたが 調 査 の 結 果 当 該 国 において 事 業 を 展 開 している 企 業 も CSR 活 動 の 一 翼 を 担 うという 形 でドナーとなりうることが 分 かったため 当 該 企 業 からの 資 金 も 活 用 できるものとする また 現 在 路 上 等 で 販 売 されている 小 袋 やボトルの 水 の 販 売 業 者 や 大 量 の 浄 化 された 飲 料 水 を 必 要 とする 食 品 加 工 業 者 等 の 民 間 企 業 や 個 人 事 業 主 への 販 売 も 想 定 でき る 第 二 段 階 については ドナーたる NGO や 企 業 から 提 供 された 資 金 の 不 足 分 を 需 要 者 自 らが 自 己 資 金 やマイクロファイナンス 等 の 活 用 によって 調 達 すると いう 事 業 形 態 とともに 需 要 者 自 らが 自 己 資 金 やマイクロファイナンス 等 の 活 用 によって 調 達 した 資 金 に 不 足 する 資 金 をドナーたる NGO や 企 業 の 資 金 提 供 で 賄 うという 事 業 形 態 の 実 現 を 図 ることとする 122

127 5. 指 標 ( 方 法 論 )とベースラインデータ (1) 評 価 方 法 1 インプット - 小 型 浄 水 装 置 の 導 入 による 衛 生 的 な 水 の 安 定 的 な 供 給 2 アウトプット - 安 全 な 水 へのアクセスにより 小 型 浄 水 装 置 の 設 置 地 域 における 住 民 の 疾 患 率 が 減 少 する - 管 理 運 営 委 員 会 によって 小 型 浄 水 装 置 の 維 持 運 営 と 売 水 が 行 われる 3 アウトカム - 安 全 な 水 にアクセスできない 人 口 の 割 合 が 減 少 - 地 域 住 民 の 健 康 改 善 ( 水 由 来 の 疾 病 の 減 少 )に 繋 がる - 地 域 住 民 の 生 活 改 善 ( 所 得 の 増 加 )に 繋 がる 4 評 価 指 標 - 評 価 対 象 は 小 型 浄 水 装 置 の 設 置 場 所 を 中 心 に 人 口 1 千 人 程 度 を 包 含 する 円 弧 の 範 囲 内 とする - 評 価 は 当 該 1 千 人 を 対 象 に 衛 生 的 な 水 の 利 用 者 数 下 痢 患 者 数 食 中 毒 患 者 数 浄 水 の 売 水 による 売 上 のそれぞれについて 小 型 浄 水 装 置 の 設 置 前 と 設 置 後 の 実 数 を 比 較 することとする - なお 水 系 感 染 症 患 者 数 と 乳 児 死 亡 率 については 間 接 的 には 小 型 浄 水 装 置 の 設 置 に 関 係 すると 思 われるが 直 接 的 な 因 果 関 係 が 明 確 でないため 指 標 の 項 目 からは 除 くこととする インプット アウトプット アウトカム 評 価 指 標 衛 生 的 な 水 の 安 定 的 な 供 給 住 民 の 疾 患 率 の 減 少 衛 生 的 な 水 の 利 用 者 数 下 痢 患 者 数 食 中 毒 患 者 数 人 口 1 千 人 あたりの 裨 益 者 数 導 入 後 / 導 入 前 の 患 者 数 導 入 後 / 導 入 前 の 患 者 数 装 置 の 維 持 運 営 売 水 が 行 われる 浄 水 販 売 による 売 上 売 水 による 売 上 金 額 (2)ベースラインデータ 調 査 時 点 における コートジボワールのンジナウアン 村 及 びガーナのアスボニ 村 に 関 する 評 価 指 標 項 目 のアウトカムは 以 下 のとおりである 123

128 ンジナウアン 村 ( 推 定 値 ) アスボニ 村 人 口 12,000 人 1,636 人 衛 生 的 な 水 の 継 続 的 利 用 者 数 600 人 10 人 下 痢 患 者 数 ( 年 間 ) 4,000 人 180 人 食 中 毒 患 者 数 ( 年 間 ) 2,500 人 120 人 ( 注 意 )データは 両 村 ともに 診 療 所 において 医 師 や 看 護 師 に 対 して 行 った 聞 き 取 り 調 査 の 結 果 であるが ンジナウアン 村 については 全 ての 数 値 が 実 数 ではなく 推 定 値 である コートジボワール 及 びガーナの 両 国 において 以 下 の 3 項 目 の 実 態 把 握 等 を 行 うため 下 表 に 示 したデータの 取 得 を 国 全 体 及 び 小 型 浄 水 装 置 の 設 置 可 能 なエリアにおいて 調 査 する 1 現 地 における 気 候 変 動 の 脆 弱 性 の 実 態 把 握 2 気 候 変 動 によって 増 大 する 社 会 課 題 としての 腹 痛 下 痢 皮 膚 病 等 の 疾 病 率 死 亡 率 の 実 態 把 握 3 小 型 浄 水 装 置 の 活 用 による 社 会 課 題 に 対 する 影 響 把 握 ベースラインデータ 一 覧 気 温 降 水 量 下 痢 患 者 数 食 中 毒 患 者 数 水 系 感 染 症 患 者 数 衛 生 的 な 水 とは 衛 生 的 に 管 理 された 上 水 道 井 戸 水 雨 水 をいう 124

129 6. 適 応 対 策 において 今 後 見 込 める 成 果 適 応 対 策 に 関 する 具 体 的 な 効 果 測 定 の 方 法 について 目 標 とする 評 価 指 標 の 具 体 的 な 数 値 は 以 下 のとおり インプット アウトプット アウトカム 評 価 指 標 期 待 される 成 果 住 民 の 疾 患 率 の 減 衛 生 的 な 水 少 の 安 定 的 な 供 給 装 置 の 維 持 運 営 売 水 が 行 われる 衛 生 的 な 水 の 人 口 1 千 人 あたりの 裨 益 利 用 者 数 者 数 90% 以 上 下 痢 患 者 数 導 入 後 / 導 入 前 の 患 者 数 10% 以 下 食 中 毒 患 者 数 導 入 後 / 導 入 前 の 患 者 数 10% 以 下 浄 水 の 売 水 に 浄 水 販 売 による 売 上 金 額 1 日 あたり よる 売 上 ( 稼 働 率 80%とする) N ドル(20L) X 320 評 価 対 象 は 小 型 浄 水 装 置 の 設 置 場 所 を 中 心 に 人 口 1 千 人 程 度 を 包 含 する 円 弧 の 範 囲 内 とする 評 価 は 当 該 1 千 人 を 対 象 に 衛 生 的 な 水 の 利 用 者 数 下 痢 患 者 数 食 中 毒 患 者 数 浄 水 販 売 による 売 上 のそれぞれについて 小 型 浄 水 装 置 の 設 置 前 と 設 置 後 の 実 数 を 比 較 することとする これらの 条 件 をコートジボワールのンジナウアン 村 とガーナのアスボニ 村 の 2 カ 所 に 反 映 させると 下 表 のような 成 果 が 期 待 される ンジナウ アン 村 アスボニ 村 実 数 人 口 比 人 口 1 千 人 あたり 設 置 前 設 置 後 人 口 12,000 人 - 1,000 人 1,000 人 衛 生 的 な 水 の 利 用 者 数 600 人 5.0% 50 人 900 人 下 痢 患 者 数 4,000 人 33.3% 333 人 33 人 食 中 毒 患 者 数 2,500 人 20.8% 208 人 20 人 人 口 1,636 人 - 1,000 人 1,000 人 衛 生 的 な 水 の 利 用 者 数 10 人 0.6% 6 人 900 人 下 痢 患 者 数 180 人 11.0% 110 人 11 人 食 中 毒 患 者 数 120 人 7.3% 73 人 7 人 今 後 の 小 型 浄 水 装 置 の 設 置 に 伴 って 期 待 される 成 果 は 下 表 のとおりである なお 数 値 は コートジボワールについてはンジナウアン 村 と 同 じ 環 境 に 設 置 した 場 合 を ガーナについてはアスボニ 村 と 同 じ 環 境 に 設 置 した 場 合 を それぞれ 前 提 として 算 出 した 推 計 値 である また 衛 生 的 な 水 の 利 用 者 数 は 純 増 数 を 下 痢 患 者 数 と 食 中 毒 患 者 数 は 設 置 しなかった 場 合 からの 純 減 数 を それぞれ 推 計 してある 125

130 アウトカム 2014 年 2015 年 2016 年 2017 年 衛 生 的 な 水 の 利 用 者 数 900 人 1,800 人 4,500 人 9,000 人 コートジ 下 痢 患 者 数 850 人 1,700 人 4,250 人 8,500 人 ボワール 食 中 毒 患 者 数 300 人 600 人 1,500 人 3,000 人 衛 生 的 な 水 の 利 用 者 数 900 人 1,800 人 4,500 人 9,000 人 ガーナ 下 痢 患 者 数 99 人 198 人 495 人 990 人 食 中 毒 患 者 数 66 人 132 人 330 人 660 人 ( 注 意 ) 数 値 は 人 口 1 千 人 あたりの 裨 益 者 数 設 置 台 数 である 126

131 4) タンザニア 共 和 国 における 農 産 物 高 温 障 害 等 に 対 するアミノ 酸 含 有 肥 料 による 適 応 対 策 実 現 可 能 性 調 査 ( 味 の 素 ) 平 成 24 年 度 途 上 国 における 適 応 対 策 への 我 が 国 企 業 の 貢 献 可 視 化 に 向 けた 実 現 可 能 性 調 査 事 業 最 終 報 告 書 コンソーシアム 名 または 企 業 アミノ 酸 活 用 地 球 温 暖 化 対 策 研 究 会 団 体 名 事 業 名 タンザニア 連 合 共 和 国 における 農 産 物 高 温 障 害 等 に 対 す るアミノ 酸 含 有 肥 料 による 適 応 対 策 実 現 可 能 性 調 査 1. 本 事 業 の 目 的 地 球 温 暖 化 を 起 因 とした 気 温 上 昇 により 農 産 物 等 植 物 において 発 生 する 可 能 性 が 高 い 高 温 障 害 等 への 耐 性 を 高 めるアミノ 酸 含 有 葉 面 散 布 材 AJIFOL を 活 用 し 地 球 温 暖 化 問 題 への 適 用 対 策 として 最 も 重 要 である 農 業 食 料 に 関 連 する 課 題 の 解 決 を 図 ることを 目 的 とする AJIFOL は 南 米 や 東 南 アジアなどにおいて 既 に 事 業 化 を 実 施 しているが アフリカ 大 陸 においては 事 業 化 がなされていない アフリカ 大 陸 における 市 場 性 を 考 えた 場 合 Food and Agriculture Organization の 提 供 する FAOSTAT によると 2008 年 時 点 の 人 口 2004 ~2006 年 の 農 業 生 産 額 平 均 から 考 えるとナイジェリア( 人 口 : 約 1 億 5,000 万 人 農 業 総 生 産 額 :659 億 US$) エジプト( 人 口 : 約 7,800 万 人 農 業 総 生 産 額 :100 億 US$) 南 ア フリカ( 人 口 : 約 4,900 万 人 農 業 総 生 産 額 :76 億 US$) エチオピア( 人 口 :7,900 万 人 44 億 US$) タンザニア( 人 口 :4,100 万 人 農 業 生 産 額 不 明 ) ケニア( 人 口 :3,800 万 人 農 業 総 生 産 額 :47 億 US$)の 6 カ 国 が 主 要 な 国 であると 考 えられる これらの 国 の 中 でも タンザニアは National Adaptation Programme of Action (NAPAs) において 地 球 温 暖 化 による 影 響 が 顕 在 化 されており 農 業 分 野 における 適 応 策 を 重 点 分 野 としている また 国 際 協 力 機 構 の 支 援 により 設 立 された Kilimanjaro Agricultural Training Centre が 新 たな 農 業 技 術 を 広 げる 中 心 的 な 存 在 となっており タンザニア 国 内 での 拡 大 他 国 への 広 がりという 観 点 から 波 及 効 果 が 大 きいものと 考 えられる そこで 本 年 度 はタンザニア 共 和 国 を 対 象 として AJIFOL を 活 用 した 実 証 試 験 を 実 施 する また 事 業 化 実 現 のために 必 要 となる 各 種 検 討 についても 本 事 業 で 実 施 し 将 来 より 実 行 性 の 高 い 取 組 を 実 施 することの 手 掛 かりを 得 ることを 目 的 としている 127

132 2. 課 題 タンザニア 連 合 共 和 国 では 地 球 温 暖 化 等 の 環 境 変 化 に 伴 い 発 現 しつつある 農 産 物 の 高 温 障 害 生 産 量 増 加 および 病 害 虫 問 題 による 食 料 生 産 への 影 響 が 挙 げられる この 点 に ついては タンザニア 政 府 系 農 業 研 究 機 関 である KATC でのヒアリングにおいても 確 認 され ている これらの 課 題 に 対 して AJIFOL を 展 開 し 課 題 解 決 するためには それを 利 用 する 農 業 者 に 対 して その 商 品 としての 明 確 な 効 果 と 市 場 性 を 明 らかにすることが 大 きな 課 題 であ る その 効 果 を 明 確 にするためには 現 地 研 究 機 関 において 適 正 な 実 験 がなされることが 重 要 であるが 技 術 面 実 験 資 材 面 で 十 分 な 状 況 ではなかった 現 地 調 査 では AJIFOL と 同 じ 散 布 形 態 をとる 肥 料 である 葉 面 散 布 材 を 使 用 している 実 態 が 明 らかとなり また 既 存 の 葉 面 散 布 材 は 価 格 が 安 いものの 効 果 が 低 いため 効 果 の 高 い 製 品 を 購 入 したいというニーズがあることが 明 らかとなった 政 府 としてもバウチャー 制 度 で 農 業 資 材 の 購 入 補 助 を 実 施 しており 農 業 者 が 購 入 し 易 い 環 境 整 備 も 進 んでいる 一 方 で ケニアや 南 アフリカの 農 業 に 比 べ タンザニア 農 業 を 粗 放 的 であり 農 業 資 材 へのニーズ は 比 較 するとまだまだ 小 さいのが 現 状 である また 自 由 経 済 圏 である East Africa Community (EAC)に 参 加 していることもあり ケニアに 比 べ 農 産 物 や 資 材 の 競 争 力 という 点 でも 弱 い 状 況 となっている 農 家 の 収 入 や 農 業 資 材 への 資 本 投 下 の 実 態 について 農 家 や 政 府 機 関 外 資 企 業 等 へ のヒアリングを 実 施 したが ダルエスサラームにおいて 取 り 扱 われている 野 菜 などの 付 加 価 値 が 高 い 農 産 物 はアルーシャやモシから 供 給 されている 例 も 多 いことから 実 証 事 業 を 実 施 す る 場 所 としては 本 事 業 の 選 定 に 間 違 いはなかったものと 認 識 している また 著 しい 経 済 成 長 に 伴 い 地 方 部 において 農 業 者 の 農 外 所 得 の 向 上 の 実 態 も 把 握 しており この 所 得 向 上 が 農 業 の 労 働 力 不 足 につながり その 結 果 として 労 働 集 約 型 農 業 からの 脱 却 のため 農 業 資 材 購 入 という 日 本 の 経 験 と 同 様 の 状 況 になるか 注 視 することが 必 要 である 現 地 政 府 は 外 国 資 本 の 導 入 に 積 極 的 であり 特 に 肥 料 など 貢 献 度 の 高 い 製 品 に 関 連 す る 外 国 資 本 の 投 入 に 関 して 関 税 の 減 免 など 優 遇 策 を 実 施 しておりそのニーズの 高 さを 理 解 することが 出 来 る( 調 査 結 果 において 詳 述 ) 既 に 進 出 している Yara 等 欧 州 企 業 ( 肥 料 メー カー:タンザニアでは 輸 入 販 売 )のコメントでも 手 続 き 面 含 め 対 政 府 面 での 課 題 は 少 ないとの ことであった また Southern Agricultural Growth Corridor of Tanzania (SAGCOT)という 政 府 主 導 のパートナーシップを 展 開 しており タンザニア 南 部 において 集 中 的 な 資 本 投 下 を 図 る 計 画 となっており この 中 には 欧 米 企 業 が 既 に 参 加 する 形 で 関 与 しており 政 府 として は 日 本 企 業 の 参 加 を 促 したいニーズがあった 128

133 3. 課 題 解 決 の 方 向 性 AJIFOL を 展 開 するための 課 題 解 決 策 としては その 商 品 としての 明 確 な 効 果 と 市 場 性 を 明 らかにすることである 明 確 な 効 果 を 明 らかとするため 農 家 の 現 状 における 農 法 について 調 査 を 実 施 した 調 査 に 基 づき 伝 統 的 農 業 に 対 して 効 果 がどの 程 度 あるのか 示 すため 施 肥 方 法 のケース 分 けが 必 要 であると 考 え 以 下 のようなケースに 従 った 実 証 試 験 を 試 みた また ハクサイについては 水 不 足 による 試 験 結 果 への 影 響 を 考 慮 し 点 滴 灌 漑 を 実 施 した 表 実 証 試 験 区 と 栽 培 種 の 設 定 栽 培 種 試 験 区 名 施 肥 方 法 ハクサ イ NERICA1 SARO T0 無 肥 料 T1 尿 素 T2 尿 素 +0.2% AJIFOL T3 尿 素 +0.2% AJIFOL +10mM バリン 129

134 ケース 分 けされた 実 証 試 験 圃 場 ( 白 菜 ) 現 地 研 究 機 関 における 効 果 的 な 実 証 試 験 を 実 現 するため 実 証 試 験 実 施 方 法 など 細 かく 設 計 綿 密 な 打 合 せ 進 行 チェックを 実 施 実 証 試 験 に 必 要 と なる 資 材 も 提 供 した 図 本 実 証 試 験 で 提 供 した 資 材 の 例 ( 防 鳥 ネット) 本 実 証 試 験 により 資 材 の 効 果 の 有 効 性 を 明 確 化 することにより 農 家 での 使 用 が 増 えていくものと 期 待 している 130

135 4. 調 査 結 果 1. 現 地 市 場 調 査 評 価 1.1 基 礎 情 報 収 集 社 会 経 済 一 般 (1) 人 口 タンザニア 連 合 共 和 国 の 人 口 は 3444 万 人 (2002 年 現 在 )である 今 後 人 口 の 大 幅 な 増 加 が 予 想 されており 2025 年 には 6500 万 人 近 くになると 見 積 もられている 人 口 構 成 は 2025 年 に おいても 若 年 層 の 比 率 が 高 くなると 見 込 まれている 州 別 人 口 をみると ダルエスサラームに 人 口 が 集 中 しており 地 域 別 では 特 に 都 市 部 における 人 口 増 加 が 顕 著 になると 見 込 まれている 都 市 農 村 人 口 ( 単 位 : 百 万 人 ) 図 人 口 将 来 推 計 ( 出 典 )NATIONAL PROJECTIONS VOLUME XII FEMALE MALE FEMALE MALE ,000 3, ,000 6,000 6,000 3, ,000 6,000 図 年 齢 構 成 別 人 口 の 内 訳 ( 単 位 : 千 人 左 :2000 年 右 2025 年 ) ( 出 典 )NATIONAL PROJECTIONS VOLUME XII (2) 経 済 タンザニア 連 合 共 和 国 の 一 人 あたり 実 質 GDP は 496USD(2008 年 現 在 )であり 2005 年 の 131

136 326USD から 大 幅 に 拡 大 している MKUKUTA と 呼 ばれるタンザニア 連 合 共 和 国 の 貧 困 削 減 戦 略 ペーパーでは 高 い 経 済 成 長 ( 年 率 6~8%)を 目 指 しているが ここ 数 年 は 目 標 に 近 いペースで 進 展 しているといえる ただし 政 府 機 関 へのヒアリングによると この 成 長 は 鉱 業 開 発 ( 金 など)によ るところが 大 きく 大 部 分 の 国 民 が 従 事 している 農 業 の 成 長 率 は 相 対 的 に 低 く 推 移 している 図 実 質 GDP 推 移 ( 出 典 )Ministry of Planning, Economy and Empowerment (2007) The status of growth and the reduction of income poverty in Tanzania タンザニア 連 合 共 和 国 の 経 済 の 中 で 最 もシェアを 有 しているのは 農 業 を 中 心 とした 第 一 次 産 業 である 農 業 部 門 は GDP のおよそ 45%を 占 めており このうち 大 部 分 は 作 物 生 産 となっている その 他 業 務 建 設 業 電 力 水 製 造 業 鉱 業 非 換 金 農 業 農 業 作 物 家 畜 林 業 狩 猟 作 物 ( 非 換 金 部 門 ) 家 畜 ( 非 換 金 部 門 ) 森 林 狩 猟 ( 非 換 金 部 門 ) 漁 業 ( 非 換 金 部 門 ) 図 タンザニア 連 合 共 和 国 の 付 加 価 値 生 産 額 の 産 業 別 内 訳 推 移 ( 左 )と 農 林 水 産 分 野 の 内 訳 ( 右 ) ( 出 典 )Agriculture Basic Data 1998/ /05 より 作 成 132

137 (3) 政 治 第 二 次 世 界 大 戦 後 タンザニア 連 合 共 和 国 の 前 身 であるタンガニーカは 国 連 の 信 託 統 治 領 とし て 英 国 の 管 理 下 におかれた 1954 年 には 初 めての 政 党 TANU(Tanganyika African National Union)が 組 織 され 1962 年 より 共 和 国 となり 大 統 領 制 となっている ザンジバルは 1890 年 に 英 国 の 保 護 領 となり 1963 年 に 独 立 したが 1964 年 にタンガニーカとの 共 和 国 建 設 に 合 意 し タンザニア 連 合 共 和 国 が 形 成 され 現 在 に 至 っている 1977 年 初 代 ニエレレ 大 統 領 の 強 いリーダーシップのもと TANU はザンジバルの 単 一 政 党 であ るアフロ シラジ 党 を 統 合 した 新 たに CCM(Chama cha Mapinduzi)となった 政 党 は 社 会 主 義 政 策 を 推 し 進 めたが 十 分 な 経 済 成 長 を 得 られなかったため 失 敗 例 として 挙 げられることが 多 い その 後 現 在 に 至 るまで CCM は 政 権 を 維 持 しているが その 間 に 社 会 主 義 体 制 から 経 済 自 由 主 義 体 制 に 移 行 し 現 在 は 複 数 政 党 による 大 統 領 選 国 政 選 挙 も 実 施 されている 2005 年 以 降 に はキクウェテ 大 統 領 が 就 任 し 現 在 に 至 っている 外 交 面 では 2001 年 には 南 部 アフリカ 開 発 共 同 体 (Southern African Development Community: SADC)および 東 アフリカ 共 同 体 (East AfricanCommunity: EAC)に 加 盟 しており 外 交 面 では 周 辺 国 とも 協 力 関 係 を 構 築 している (4) 社 会 情 勢 タンザニア 連 合 共 和 国 では 都 市 部 における 人 口 集 中 の 一 方 で 都 市 と 農 村 部 の 所 得 格 差 が 拡 大 してきている 都 市 部 では 治 安 の 悪 化 や 都 市 廃 棄 物 の 問 題 など 新 たな 問 題 に 直 面 している 一 方 で 農 村 部 では 貧 困 に 苦 しむ 国 民 がいまだに 多 く 存 在 している 国 連 世 界 食 糧 計 画 (WFP)が 実 施 している 食 料 安 全 に 関 する 評 価 によると タンザニア 連 合 共 和 国 の 食 糧 難 人 口 は 多 く 地 域 別 に 見 ると 食 糧 難 人 口 比 率 は Tabora Singida Dodoma など 中 央 部 の 地 域 が 比 較 的 高 くなってい る 中 央 部 は 食 糧 難 人 口 が 多 い 図 食 糧 難 人 口 比 率 ( 出 典 )World Food Programme (2006), Comprehensive Food Security and Vulnerability Analysis (CFSVA) 133

138 1.1.2 国 土 地 形 気 象 条 件 (1) 国 土 タンザニア 連 合 共 和 国 は 東 アフリカ 最 大 の 国 で タンザニア 連 合 共 和 国 の 本 土 とザンジバル 自 治 区 で 構 成 されている 国 土 面 積 は 945,000km 2 ( 日 本 の 約 2.5 倍 に 相 当 本 土 881,289km 2 ザンジバル 2,460km 2 )で ケニア ウガンダ ルワンダ ブルンジ コンゴ 民 主 共 和 国 ザンビア マ ラウィ モザンビークなどと 国 境 を 接 している ザンジバル 図 タンザニア 連 合 共 和 国 の 地 図 (2) 地 形 タンザニア 連 合 共 和 国 の 地 形 は 極 めて 多 様 である 北 には 5,895m とアフリカで 最 も 高 いキリマ ンジャロ 山 を 有 し ビクトリア 湖 や 国 立 公 園 などの 自 然 環 境 に 恵 まれている 北 東 部 のメル キリマ ンジャロはどちらも 活 火 山 である 北 部 の 山 岳 地 域 にはセレンゲティ 国 立 公 園 があり 様 々な 野 生 動 物 が 生 息 している さらに 西 にいくと ケニア ウガンダとの 国 境 付 近 にアフリカ 最 大 のビクトリア 湖 がある コンゴ 民 主 共 和 国 と の 国 境 にはアフリカで 2 番 目 に 古 いとされるタンガニーカ 湖 が 広 がる タンザニア 連 合 共 和 国 の 中 央 部 は 台 地 となっているが ここに 首 都 のトドマが 位 置 している 海 岸 沿 いの 東 部 にはタンザニア 連 合 共 和 国 最 大 の 都 市 ダルエスサラームがあり 海 を 渡 った 北 部 にはザンジバル 自 治 区 が 位 置 している (3) 気 象 条 件 タンザニア 連 合 共 和 国 は 海 岸 部 の 高 温 多 湿 な 気 候 から 気 温 が 低 いな 高 地 など 様 々な 気 候 が 混 在 している また 雨 期 が 1 度 の 地 域 (Unimodal)と 2 度 の 地 域 (Bimodal)の 2 つに 大 別 される 雨 期 が 一 度 の 地 域 は 南 西 部 中 央 部 西 部 地 域 であり 11 月 か 12 月 ごろから 4 月 ごろまでが 雨 期 である 雨 期 が 二 度 の 地 域 は 北 部 海 岸 地 域 北 東 部 の 高 地 ビクトリア 湖 水 域 Unguja 島 Pemba 島 などの 地 域 であり Masika とよばれる 3 月 から 5 月 頃 までの 比 較 的 長 期 の 雨 期 と Vuli と 呼 ばれる 10 月 から 12 月 ごろまでの 雨 期 がある 134

139 Bimodal Unguja Unimodal 図 タンザニア 連 合 共 和 国 における Unimodal 地 域 と Bimodal 地 域 およびその 耕 作 期 間 ( 出 典 )World Food Programme (2006), Comprehensive Food Security and Vulnerability Analysis (CFSVA) 降 水 量 は 中 央 部 付 近 で 極 端 に 少 ない 一 方 で 年 間 降 雨 量 が 1,800mm を 超 える 地 域 もある( 参 考 : 東 京 の 平 均 降 水 量 は 1,622mm 程 度 ) 気 温 はどの 地 域 も 比 較 的 高 く 年 間 の 最 高 気 温 は 30 度 近 い 135

140 月 間 平 均 降 雨 量 (mm) 月 間 平 均 降 雨 量 (mm) 月 間 平 均 降 雨 量 (mm) Mwanza 月 2 月 3 月 4 月 5 月 6 月 7 月 8 月 9 月 10 月 11 月 12 月 Tabora 月 2 月 3 月 4 月 5 月 6 月 7 月 8 月 9 月 10 月 11 月 12 月 Dodoma 月 2 月 3 月 4 月 5 月 6 月 7 月 8 月 9 月 10 月 11 月 12 月 月 間 最 高 / 最 低 気 温 ( ) 月 間 最 高 / 最 低 気 温 ( ) 月 間 最 高 / 最 低 気 温 ( ) 平 均 降 雨 量 (mm) 最 低 気 温 ( ) 最 高 気 温 ( ) 月 間 平 均 降 雨 量 (mm) 月 間 平 均 降 雨 量 (mm) 月 間 平 均 降 雨 量 (mm) Tanga 月 2 月 3 月 4 月 5 月 6 月 7 月 8 月 9 月 10 月 11 月 12 月 Dar es Salaam 月 2 月 3 月 4 月 5 月 6 月 7 月 8 月 9 月 10 月 11 月 12 月 Mtwara 月 2 月 3 月 4 月 5 月 6 月 7 月 8 月 9 月 10 月 11 月 12 月 月 間 最 高 / 最 低 気 温 ( ) 月 間 最 高 / 最 低 気 温 ( ) 月 間 最 高 / 最 低 気 温 ( ) 図 各 都 市 における 月 間 平 均 降 水 量 と 最 高 / 最 低 気 温 ( 出 典 ) World Meteological Organization World Weather Information Services (1) 土 壌 Mlingano 農 業 研 究 所 が 中 心 となり 土 壌 データに 関 する GIS マップを 公 表 している 土 壌 として はカンビソルが 最 も 多 く 35.6% 続 いてアクリソル レプトソル ルビソル フェラルソル パーティソ ルとなっている 以 下 にタンザニア 連 合 共 和 国 の 土 壌 分 布 と 各 土 壌 の 特 性 を 示 す 136

141 図 土 壌 分 布 図 ( 出 典 )FAO 土 壌 面 積 (km2) 概 要 表 代 表 的 な 土 壌 カンビソル 337,354 (35.6 %) アクリソル 81,643 (8.6 %) レプトソル 76,738 (8.1 %) ルビソル 68,706 (7.3 %) フェラルソル 59,853 (6.3 %) バーティソル 47,498 (5.0 %) 農 業 用 地 として 適 しており 養 分 もアクリソルやフェラルソル などと 比 較 して 高 い 単 年 作 物 永 年 作 物 ともに 耕 作 地 として 広 く 利 用 される 重 要 な 有 機 物 を 含 む 表 土 を 保 全 することがアクリソル 土 壌 で の 農 業 の 前 提 条 件 この 地 域 での 作 物 生 産 は 難 しく 高 度 な 管 理 と 肥 料 投 入 が 必 要 酸 性 への 耐 性 が 強 い パイナップル カシ ュー ゴム 等 の 成 功 事 例 がいくつか 存 在 する 土 壌 生 成 がはじまったばかりの 若 い 土 壌 であり 岩 石 上 の 浅 い 土 壌 土 地 利 用 としては 放 牧 や 採 石 に 利 用 されている 森 林 や 自 然 保 護 地 としても 適 している 石 灰 岩 の 上 に 生 成 された 赤 色 で 肥 沃 な 土 壌 物 理 的 性 質 もよ く 耕 作 も 容 易 な 土 壌 であり 幅 広 い 適 用 が 可 能 傾 斜 がきつ い 斜 面 においては 土 壌 の 侵 食 対 策 が 必 要 土 壌 中 の 栄 養 分 は 少 ないが タンザニア 連 合 共 和 国 のフェラル ソルは 侵 食 されにくく 耕 作 しやすい 排 水 性 も 高 いが 保 水 性 が 小 さいため 乾 季 には 旱 魃 の 影 響 を 受 けやすい 乾 季 には 硬 く 雨 期 には 粘 性 が 強 い 雨 期 / 乾 季 の 変 わり 目 を 除 いて 耕 作 が 難 しい 塩 分 や 塩 質 を 含 む 場 合 もあるが 比 較 的 肥 沃 でうまく 管 理 すれば 生 産 性 は 高 い 米 メイズ 綿 花 さとう きび 野 菜 などの 単 年 作 物 を 栽 培 する 場 合 が 多 い 137

142 1.1.3 農 業 (1) 生 産 開 発 状 況 タンザニア 連 合 共 和 国 の 主 たる 農 業 生 産 物 を 考 えるにあたっては 生 産 重 量 ベースで 見 るか 耕 地 面 積 ベースでみるかによって 大 きく 変 わってくる 食 料 作 物 の 重 量 ベースの 生 産 量 シェアではキャッサバが 最 も 多 く 全 体 の 27%となっている その ほかサツマイモ メイズ バナナなどの 割 合 が 大 きい 換 金 作 物 では 砂 糖 の 生 産 量 が 最 も 多 く 次 いで 綿 茶 となっている 2007/2008 年 度 における 食 料 作 物 の 総 生 産 量 は 1,936 万 t 換 金 作 物 の 総 生 産 量 は 86 万 t となっている コーヒー 5% サイザル 麻 4% ポテト 21% メイズ 19% ソルガム 4% 除 虫 菊 0% ミレット(きび) カシューナッツ 12% 綿 23% バナナ 15% 米 7% 豆 類 6% 小 麦 0% 1% 砂 糖 31% 茶 18% キャッサバ たばこ 27% 7% 図 食 料 作 物 ( 左 )および 換 金 作 物 ( 右 )の 生 産 割 合 (2007 年 : 重 量 ベース) ( 出 典 )World Food Programme (2006), Comprehensive Food Security and Vulnerability Analysis (CFSVA) 他 方 で これを 食 用 作 物 の 耕 地 面 積 シェアでみるとメイズが 最 も 多 く 37%となる( 総 面 積 は 781 万 ha) そのほか 豆 類 ソルガム キャッサバなどの 割 合 が 大 きい なお 地 域 ごとに 主 生 産 物 はこ となる 降 水 量 が 少 ない 中 央 部 はソルガム 米 ミレットなど 様 々な 作 物 を 生 産 している バナナ 5% ポテト 9% キャッサバ 10% メイズ 37% 豆 類 15% 小 麦 1% 米 9% ソルガム 11% ミレット (きび) 3% 図 主 要 作 物 の 耕 地 面 積 割 合 ( 出 典 )World Food Programme (2006), Comprehensive Food Security and Vulnerability Analysis (CFSVA) 138

143 州 境 ミレット メイズ ソルガム 米 キャッサバ 小 麦 図 主 要 作 物 の 生 産 地 このように 地 域 別 に 主 要 作 物 が 異 なっているのは タンザニア 連 合 共 和 国 における 農 業 生 産 の 気 象 条 件 や 土 壌 条 件 がきわめて 多 様 なためである このような 背 景 から Mlingano 農 業 研 究 所 で は 土 壌 評 価 をもとに 天 水 型 農 業 を 想 定 しての 作 物 別 の 適 地 評 価 が 行 われている ph 土 壌 高 度 降 水 量 耕 作 期 間 などの 地 域 データと 各 作 物 の 特 色 を 照 らし 合 わせて 評 価 を 行 っている 1 肥 料 機 械 タンザニア 連 合 共 和 国 における 肥 料 の 消 費 量 推 移 を 以 下 に 示 す 窒 素 肥 料 に 関 しては 2005 年 に 非 常 に 消 費 量 が 多 かったものの 年 間 おおよそ 30,000~40,000 トン/ 年 程 度 となっている リン(P 2 O 5 )およびカリウム(K 2 O)の 消 費 量 は それぞれ 10,000~20,000 トン 10,000 トン 弱 程 度 となっており 大 きな 経 年 変 化 は 見 られない 肥 料 消 費 量 (トン) 80,000 70,000 60,000 50,000 40,000 30,000 20,000 10,000 0 窒 素 肥 料 (N) リン 肥 料 (P205) カリウム 肥 料 (K20) 図 肥 料 消 費 量 の 推 移 ( 出 典 )FAOSTAT 139

144 タンザニア 連 合 共 和 国 のトラクター 台 数 は 1995 年 ごろから 急 増 しており 機 械 化 が 急 速 に 進 展 していることがうかがえる 他 方 で 近 年 急 速 にトラクターの 値 段 が 上 昇 してきており 機 械 化 促 進 に 向 けた 大 きな 課 題 となっている 25,000 20,000 トラクター( 台 数 ) 15,000 10,000 5, 図 トラクター 台 数 の 推 移 ( 出 典 )FAOSTAT *2003 年 以 降 のデータは 欠 損 図 トラクターの 価 格 の 推 移 ( 出 典 )FAO (2006) Addressing the challenges facing agricultural mechanization input supply and farm product processing *2003 年 以 降 のデータは 欠 損 2 畜 産 タンザニア 連 合 共 和 国 の 家 畜 頭 数 は 牛 ヤギ 羊 をあわせると 3,000~3,500 万 頭 となってお り 増 加 傾 向 にある その 内 訳 としては 牛 が 半 数 以 上 を 占 めている また 食 肉 用 としても 肉 用 牛 が 多 くを 占 めている 140

145 40,000, ,000 35,000, ,000 30,000, ,000 25,000, ,000 20,000,000 15,000,000 10,000,000 羊 ヤギ 牛 250, , , ,000 鶏 肉 豚 肉 ヤギ 羊 牛 肉 5,000,000 50, 図 家 畜 頭 数 ( 左 )および 食 肉 生 産 量 (トン)( 右 )の 推 移 *2004/2005 年 ~2006/2007 年 の 家 畜 数 データは 欠 損 (2) 政 策 タンザニア 連 合 共 和 国 は 農 業 開 発 戦 略 (ASDS)を 2001 年 に 制 定 し これを 踏 まえて 多 くのステ ークホルダーの 意 見 を 聞 きつつ 農 業 開 発 プログラム(ASDP)を 2003 年 に 定 めた この ASDP が 現 在 でもタンザニア 連 合 共 和 国 における 農 業 開 発 の 基 本 的 な 方 針 となっている なお ASDP では 県 農 業 開 発 計 画 の 実 施 に 力 をいれている このため 県 現 場 レベルの 事 業 に 農 業 公 共 投 資 の 75%を 投 入 し 国 や 分 野 横 断 的 投 資 はそれぞれ 20% 5%を 配 分 するという 資 金 配 分 を 採 用 してい る ASDS 戦 略 の5 本 柱 1. 制 度 的 枠 組 みの 強 化 2. 農 業 の 商 業 化 促 進 のための 環 境 整 備 3. 民 間 公 共 の 役 割 の 明 確 化 と 促 進 4. 農 業 資 材 生 産 物 のマーケ ティングおよび 市 場 の 改 善 5. 農 業 開 発 の 計 画 づくりを 他 分 野 においても 主 流 化 ASDPの 特 徴 1. 農 業 開 発 のためのセクターワイドアプローチであり 制 度 的 資 金 的 枠 組 みを 提 示 している 2. 農 業 の 生 産 性 収 益 性 持 続 可 能 性 地 方 の 収 入 増 加 食 料 安 全 貧 困 削 減 などに 重 点 がおかれている 3. 伝 統 的 に 行 われてきた 単 独 ドナーのプロジェクト 支 援 から 共 同 しつつ 管 理 するセクターワイドアプローチを 採 用 している 4. 中 央 政 府 の 役 割 を 事 業 の 実 行 から 政 策 や 制 度 の 再 構 築 や 参 加 型 の 品 質 保 証 などにシフトしている 5. 地 方 政 府 再 構 築 プログラム(LGRP)を 支 援 し 地 方 政 府 やコ ミュニティの 統 治 機 能 の 開 発 に 努 めている 6. サービスや 投 資 の 提 供 および 管 理 に 関 する 官 民 パートナー シップ 推 進 のための 多 様 な 手 法 を 検 討 している 図 農 業 開 発 戦 略 農 業 開 発 プログラム 概 要 ( 出 典 )ASDP Tanzania より 作 成 ASDP は 国 レベルの 開 発 は 5 つの 農 業 関 係 の 省 庁 (ASLMs)が 中 心 となって 先 導 している ま た 75%の 資 金 が 供 給 される 地 方 レベルでは 地 方 自 治 体 が 地 方 の 開 発 計 画 (DDP)に 基 づき 141

146 県 農 業 開 発 計 画 (DADPs)を 策 定 して 実 行 するという 体 制 ができている ASDP には 各 国 援 助 機 関 の 資 金 がバスケットファンドとして 運 用 されている バスケットファンドを 支 援 している 国 際 機 関 は デンマーク(DANIDA) 日 本 (JICA) EU アイルランド(IA) IFAD IDA などである ASLMs バスケットファンド 農 業 食 料 協 同 組 合 省 家 畜 開 発 省 25% 75% 地 方 自 治 体 貿 易 産 業 マーケティング 省 水 資 源 省 県 農 業 開 発 計 画 に 基 づく 事 業 の 実 施 首 相 オフィス 地 方 自 治 体 局 図 バスケットファンドイメージ 図 ( 出 典 )ASDP Tanzania より 作 成 エネルギー 関 連 インフラ タンザニア 連 合 共 和 国 において 事 業 を 実 施 するためには 電 力 の 現 状 について 把 握 する 必 要 が ある 以 下 にエネルギー 統 計 から 得 られる 情 報 を 整 理 する (1) 生 産 開 発 状 況 1エネルギー 全 般 2007 年 におけるタンザニア 連 合 共 和 国 の 一 次 エネルギー 消 費 量 は 18.3Mtoe( 石 油 換 算 百 万 トン)であり その 大 部 分 は 薪 などのバイオマスエネルギーが 中 心 である また 量 としては 限 定 的 で あるが 石 油 製 品 や 天 然 ガスなどの 化 石 燃 料 の 消 費 量 も 近 年 拡 大 傾 向 にあり 今 後 拡 大 していく と 見 込 まれる 142

147 一 次 エネルギー 消 費 量 ( 石 油 換 算 千 t) 20,000 15,000 10,000 5, 電 力 ( 輸 入 ) 水 力 その 他 石 油 製 品 重 油 ディーゼル 灯 油 ガソリン LPG 天 然 ガス バイオマス 石 炭 一 次 エネルギー 消 費 量 ( 石 油 換 算 千 t) 2,500 2,000 1,500 1, 電 力 ( 輸 入 ) 水 力 その 他 石 油 製 品 重 油 ディーゼル 灯 油 ガソリン LPG 天 然 ガス 石 炭 図 タンザニア 連 合 共 和 国 における 一 次 エネルギー 消 費 ( 上 :バイオマス 含 む 下 :バイオマス 除 ( 出 典 )IEA (2010) Energy Balance of non-oecd Countries 2010 Edition く) 2007 年 における 最 終 エネルギー 消 費 量 は 15.8Mtoe( 石 油 換 算 百 万 トン)であり 一 次 エネルギ ー 供 給 量 との 差 が 小 さくとどまっている これは 発 電 用 などにエネルギーを 転 換 せず 直 接 利 用 して いるためであると 考 えられる 他 方 で 木 炭 の 消 費 量 が 増 加 してきており 薪 から 木 炭 の 製 造 過 程 で 一 定 のエネルギーロスが 生 じていることが 窺 える 薪 木 炭 などのバイオマス 資 源 を 除 くと ディー ゼルの 消 費 量 が 急 速 に 拡 大 してきていることも 大 きな 特 徴 の 一 つである 143

148 最 終 エネルギー 消 費 量 ( 石 油 換 算 千 t) 20,000 15,000 10,000 5, 電 力 その 他 石 油 製 品 重 油 ディーゼル 灯 油 ガソリン LPG 天 然 ガス 木 炭 バイオマス 石 炭 2,500 最 終 エネルギー 消 費 量 ( 石 油 換 算 千 t) 2,000 1,500 1, 電 力 その 他 石 油 製 品 重 油 ディーゼル 灯 油 ガソリン LPG 天 然 ガス 石 炭 図 タンザニア 連 合 共 和 国 における 最 終 エネルギー 消 費 ( 上 :バイオマス 含 む 下 :バイオマス 除 ( 出 典 )IEA (2010) Energy Balance of non-oecd Countries 2010 Edition く) 2 電 力 タンザニア 連 合 共 和 国 における 送 配 電 網 はそれぞれ 220kV:2,248km 132kV:1,400km とな っており 送 配 電 網 は 限 定 的 である また このほか 小 水 力 発 電 による 独 立 電 源 網 地 域 が 55 地 域 ほど 存 在 しているが 全 て 合 わせても 23MW と 極 めて 小 さい 値 にしかなっていない 特 にタンザ ニア 連 合 共 和 国 中 央 部 や 南 部 にはほとんど 系 統 網 が 行 っておらず 電 力 が 供 給 されているのは 一 部 の 地 域 に 限 られているのが 現 状 である 144

149 図 系 統 電 力 網 ( 出 典 ) 3 化 石 燃 料 米 国 の CIA のデータによると タンザニア 連 合 共 和 国 のパイプラインは 石 油 :888km 天 然 ガス: 254km 石 油 製 品 :8km と 報 告 されている 石 油 パイプラインはダルエスサラームから Mbeya を 通 過 し ザンビアへと 抜 けている 近 年 タンザニア 近 海 に 比 較 的 大 きなガス 田 (7Tcf)が 発 見 された ため 今 後 のエネルギー 需 給 に 与 える 影 響 など 動 向 が 注 目 されている 図 タンザニア 連 合 共 和 国 におけるパイプライン 敷 設 状 況 ( 出 典 )World Energy Atlas 2009 Dominion Petroleum Ltd. 2nd%20July% pdf 145

150 4 道 路 タンザニア 連 合 共 和 国 の 道 路 延 長 はおよそ 9 万 km となっている その 敷 設 状 況 を 表 および 図 に 示 す 基 幹 道 路 であっても 舗 装 率 は 40%にとどまっており 州 道 路 やそれよ り 小 さい 道 路 ではほとんど 舗 装 はされていない 表 道 路 敷 設 状 況 ( 単 位 :km) 分 類 舗 装 道 非 舗 装 道 合 計 舗 装 率 (%) 基 幹 道 路 5,131 7,656 12, 州 道 路 ,524 20, 地 域 都 市 における 小 道 等 ,291 58, 合 計 6,578 84,471 91, ( 出 典 )TANROADS & PMORALG, 2010 図 道 路 敷 設 状 況 ( 出 典 )Roads Fund Board タンザニア 連 合 共 和 国 の 鉄 道 網 の 整 備 もいまだ 開 発 途 上 であるといえる 鉄 道 輸 送 サービスは TRC(Tanzania Railways Corporation)と TAZARA(Tanzania-Zambia Railway Authority)の 2 つ の 会 社 によって 提 供 されているが それぞれの 車 輪 幅 が 異 なるなどにより 相 互 乗 り 入 れができな い 状 態 となっている タンザニア 連 合 共 和 国 の 鉄 道 延 長 は 2004 年 時 点 で 4,582km であり このうち TRC が 2,722km TAZARA は 1,860km となっている 146

151 図 鉄 道 敷 設 図 ( 出 典 )MINISTER FOR INFRASTRUCTURE DEVELOPMENT (2008) World Bank 2004: United Repoblic of Tanzania Transport Sector Snapshot 航 空 輸 送 については タンザニア 連 合 共 和 国 には 全 部 で 124 の 空 港 が 整 備 されており 主 要 都 市 を 結 ぶ 重 要 な 輸 送 機 関 の 一 つとなっている ただし これらの 空 港 の 中 で 滑 走 路 が 整 備 され ているのは 9 つのみであり 国 際 空 港 は Julius Nyerere 空 港 Kilimanjaro 空 港 Zanzibar 空 港 の 3 つである 図 空 港 整 備 状 況 ( 出 典 )UNHCR 147

152 1.1.2 その 他 (1)その 他 の 政 策 1 貧 困 削 減 戦 略 タンザニア 連 合 共 和 国 の 第 二 次 貧 困 削 減 戦 略 (PRSP)では 比 較 的 農 業 に 関 する 記 述 が 多 い 具 体 的 には 農 業 部 門 および 家 畜 部 門 の 経 済 成 長 率 を 2002/2003 年 から 2010 年 までの 間 に 5% 10%( 農 業 部 門 ) 2.7% 9%( 家 畜 部 門 )にまで 高 めることを 目 標 に 掲 げている さらに 安 定 かつ 安 価 なエネルギーの 供 給 も 成 長 と 貧 困 の 削 減 の 項 目 の 中 で 挙 げられており きわめて 重 要 な 要 素 として 位 置 づけられている バイオマスの 利 活 用 は 農 業 部 門 の 成 長 率 向 上 と 食 物 生 産 性 の 向 上 ひいてはエネルギー 問 題 への 寄 与 など 多 面 的 な 効 果 が 期 待 できるため 適 切 な 導 入 が 進 めばタンザニア 連 合 共 和 国 の 開 発 戦 略 との 相 性 も 極 めて 高 いといえるであろう 表 タンザニア 連 合 共 和 国 の PRSP 概 要 ゴール 持 続 可 能 かつ 幅 広 い 成 長 の 推 進 食 料 の 確 保 とアクセシビ リティの 改 善 地 方 における 貧 困 の 削 減 ( 男 女 とも) 都 市 における 貧 困 の 削 減 ( 男 女 とも) 清 潔 で 安 価 安 全 な 水 衛 生 施 設 住 居 安 全 で 持 続 可 能 な 環 境 への アクセスの 確 保 環 境 リ スクへの 脆 弱 性 の 緩 和 具 体 的 目 標 農 業 部 門 の 経 済 成 長 率 を 2002/03 の 5%から 2010 年 には 10% に 高 める 家 畜 部 門 の 経 済 成 長 率 を 2002/03 の 2.7%から 2010 年 には 9% に 高 める 環 境 および 人 々の 家 計 に 関 わる 負 の 影 響 を 削 減 する 土 地 の 劣 化 生 物 多 様 性 の 喪 失 を 食 い 止 める 食 糧 作 物 生 産 を 2003/2004 の 900 万 トンから 2010 年 には 1200 万 トンに 高 める 穀 物 貯 蔵 を 国 内 の 食 料 需 要 の 少 なくとも 4 ヶ 月 分 維 持 する 地 方 における 食 糧 不 足 人 口 を 2000/01 の 27%から 14%まで 削 減 する 農 業 分 野 およびその 他 の 分 野 の 生 産 性 および 利 益 率 を 高 める 農 業 以 外 での 持 続 的 な 収 入 拡 大 のための 取 り 組 みを 強 化 する 農 業 生 産 物 の 販 路 の 確 保 および 推 進 都 市 における 食 糧 不 足 人 口 を 2000/01 の 13.2%から 6.6%まで 削 減 する 地 方 における 清 潔 で 安 全 な 水 に 30 分 以 内 でアクセスできる 人 口 を 2003 年 の 17%から 2009/10 年 には 65%にまで 増 加 させる 水 に 関 する 汚 染 レベルを 2003 年 の 20%から 2010 年 には 10%にま で 減 少 させる 産 業 および 農 業 からの 有 害 な 廃 水 を 減 少 させる 環 境 災 害 に 対 する 脆 弱 性 を 緩 和 させる 人 々の 生 産 再 生 産 活 動 に 関 わる 土 壌 森 林 水 の 生 態 系 を 保 全 す る 土 地 の 劣 化 を 防 ぎ 生 物 多 様 性 の 喪 失 を 食 い 止 める 2マプト 宣 言 2003 年 AU のマプト 宣 言 では 2008 年 までにアフリカ 各 国 での 予 算 の 10%を 農 業 に 振 り 向 けることを 目 標 としている 一 方 でタンザニア 連 合 共 和 国 の 公 共 支 出 に 占 める 農 業 部 門 への 投 入 額 のシェアは 2%~3% 程 度 でそれほど 大 きな 変 化 は 見 られない 他 方 で タンザニア 連 合 共 和 国 政 府 は 最 近 新 たな 農 業 政 策 として Kilimo Kwanza 政 策 (ス 148

153 ワヒリ 語 で 農 業 第 一 という 意 味 )を 導 入 しており 農 業 部 門 への 予 算 配 分 が 増 加 する 可 能 性 も ある Actual Budget Share 4.00% 3.50% 3.00% % % % % % / / / / / / / % 図 マプト 宣 言 の 達 成 状 況 ( 出 典 )World Bank (2006), United Republic of Tanzania Public Expenditure and financial Accountability Review FY 市 場 調 査 評 価 肥 料 等 の 使 用 実 態 タンザニアは 肥 料 を 全 量 輸 入 に 頼 っており アジア 諸 国 と 比 較 し 高 価 な 陸 上 輸 送 費 が 農 村 部 に おいて 肥 料 価 格 をさらに 押 し 上 げ 単 位 面 積 当 たりの 肥 料 使 用 量 がアジア 諸 国 の 10 分 の 1 以 下 に 留 まる 大 きな 理 由 となっている また 農 民 向 けの 小 規 模 融 資 制 度 は 制 度 としてあるものの 金 利 返 済 期 間 などの 条 件 が 多 くの 農 民 にとって 使 いやすいものではなく 肥 料 をはじめとする 農 業 生 産 資 材 の 利 用 が 進 まず 農 業 生 産 性 向 上 の 阻 害 要 因 となっている 貧 困 削 減 策 として 世 界 銀 行 より 拠 出 された 資 金 により 補 助 金 付 肥 料 販 売 制 度 (バウチャーシ ステム)が 導 入 されており 149

154 (1) 肥 料 使 用 量 図 タンザニアにおける 土 壌 中 の 養 分 と 推 奨 施 肥 量 農 家 の 使 用 量 の 現 状 ( 出 典 )FAO, Integrated Plant Nutrition Information System よりみずほ 情 報 総 研 が 作 成 ( 出 典 )FAO 表 Annual Fertilizer Nutrient Consumption (ton/yr) Products/Years Nitrogen N 35,444 31,832 67,750 37,421 54,872 66,942 Phosphate P2O5 5,003 13,836 19,825 20,916 10,283 17,336 14,951 Potash K2O 3,224 7,748 7,805 6,341 5,987 10,341 4,640 NPK 43,671 53,416 95,380 64,678 16,270 82,549 86,

155 (2) 肥 料 価 格 タンザニアにおける 肥 料 価 格 と 消 費 量 の 1990~2003 年 までの 推 移 を 以 下 に 示 す 図 タンザニアにおける 肥 料 投 入 量 の 変 化 と 肥 料 価 格 ( 出 典 )International Centre for Soil Fertility & Agricultural Development (IFDC), Improuving Fertilizer Supply in Sub-Saharan Africa, 2004 表 1.2-2Monthly National Prices For Fertilizers (USD/ton) Dec Jan Feb Mar Apr May Jun Jul Aug CAN DAP ,105 1,124 1,096 1,146 1,146 1,192 1,167 1,116 1,206 NPK ,071 NPK ,019 1,019 1, ,093 PHOSPHATE ROCK UREA , ,010 ( 出 典 )AMITSA & MIR+ Projects, IFDC (3) 葉 面 散 布 材 の 使 用 実 態 モシ 市 内 にある 比 較 的 規 模 の 大 きな 農 業 資 材 店 であるタンガニカ ファーマーズ アソシエーショ ン(Tanganyika Farmers Association Limited)を 訪 問 し 販 売 されている 肥 料 や 肥 料 散 布 機 材 それら 資 機 材 の 入 手 先 などについて 情 報 収 集 を 行 なった まず 流 通 している 肥 料 についてである が 1 番 売 れているものとしては UREA があげられ また DAP(Diammonium Phosphate) CAN (Calcium Ammonium Nitrate)なども 多 く 売 れている 151

156 これらの 肥 料 はイタリアやイスラエルなどから 輸 入 されており 輸 入 肥 料 を 取 り 扱 う 代 表 的 な 企 業 としてヤラ インターナショナル(Yara International)やタンザニア ファティライザ- カンパニー (Tanzania Fertilizer Conpany) エクスポート トレーディング グループ(Export Trading Group ETG)があげられた 噴 霧 器 の 取 り 扱 いがあり 買 い 手 としてはプランテーション 経 営 者 など 大 規 模 農 園 のみでなく 個 別 の 農 民 も 噴 霧 器 を 購 入 している 噴 霧 器 の 値 段 であるが 製 造 会 社 と 生 産 国 によって 差 があ り Solo(カナダ 製 )で 160,000 タンザニアシリング(8,000 円 0.05 円 /タンザニアシリングで 換 算 以 下 同 様 ) Vita(ドイツ 製 )で 150,000 タンザニアシリング(7,500 円 ) SP-15(インドネシア 製 )で 85,000 タンザニアシリング(4,250 円 )であった また 葉 面 散 布 座 の 取 り 扱 いもあり 売 れ 筋 の 商 品 として Flexil シリーズがある 窒 素 リン 酸 カ リの 含 有 量 がそれぞれ 違 い Flexil P は Flexil は Flexil Quality はカリウ ムの 値 が 高 い 1kg 入 りが 値 段 はそれぞれ 7,000 シリング(350 円 )で 50g につき 20L の 水 に 溶 かし 使 用 する 図 現 地 で 販 売 されていた 葉 面 散 布 材 152

157 図 葉 面 散 布 材 VEGMAX の 価 格 (5,800 タンザニアシリング) 農 産 物 小 売 価 格 農 業 者 の 購 買 力 を 推 計 するための 参 考 情 報 として 農 産 物 を 取 り 扱 う 小 売 店 において 価 格 調 査 を 実 施 した 図 スーパーマーケット 内 の 農 産 物 153

158 表 農 産 物 別 小 売 価 格 (2013 年 1 月 下 旬 ) モシ/ダル スーパー /ローカル 場 所 モシ/ダル スーパー /ローカル 場 所 モシ/ダル スーパー /ローカル 場 所 モシ/ダル スーパー /ローカル 場 所 モシ/ダル スーパー /ローカル 場 所 モシ/ダル スーパー /ローカル アイテム 単 位 ダル スーパー Shoprite ダル スーパー Uchumi ダル ローカル Kinondoni ダル ローカル Kinondoni 近 くモシ スーパー Nakumatt モシ ローカル 米 5kg/1kg (1kg) 2200 (1k メイズ 粉 2kg/1kg (1k じゃがいも 1kg 玉 ねぎ 1kg 人 参 1kg キャベツ 1 個 ピーマン 1kg トマト 1kg ライム 1kg/ 個 (1 個 ) 200 (1 個 ) (1 個 ) アボカド 1 個 (1kg) ナス 1kg/ 個 (1 個 ) 200 (1 個 リンゴ 1kg/ 個 600 (1 個 ) オレンジ 1kg/ 個 (1 個 ) ココナッツ 1 個 バナナ 1 本 200 きゅうり 1kg ズッキーニ 1kg 所 得 分 析 タンザニア 国 内 の 所 得 について 以 下 に 示 す 農 業 生 産 を 実 施 している 地 域 は 下 表 では Rural が 該 当 する 2007 年 時 点 の Rural における 月 収 は 28,418 タンザニアシリング( 日 本 円 で 1,421 円 0.05 円 /タンザニアシリングで 換 算 )となっ ている 表 地 域 別 一 人 当 たり 月 収 平 均 (タンザニアシリング,2007) ( 出 典 )National Bureau of Statistics(2009),Household Budget Survey 2007 Rural2000/01 と Rural2007 の Agricultural Income ( 農 業 収 入 )を 比 較 すると 60.4%から 49.6%と 10.8%の 減 少 となっている 154

159 表 地 域 別 世 帯 所 得 内 訳 (%) ( 出 典 )National Bureau of Statistics(2009),Household Budget Survey 2007 Rural における 消 費 は 2000/01 に 14,185 タンザニアシリングであり 2007 には 16,418 タンザニア シリングと 116%の 増 加 となっている このうち 肥 料 が 含 まれる 費 目 が Other non-durables が 該 当 する と 考 えられる その 値 が 4,368 タンザニアシリングであり 日 本 円 で 218 円 と 考 えられる 以 上 のことから 農 家 が 肥 料 に 支 払 える 予 算 は この 内 数 と 考 えられる 表 地 域 別 世 帯 支 出 (タンザニアシリング) ( 出 典 )National Bureau of Statistics(2009),Household Budget Survey

160 2. 現 地 アライアンス 先 探 索 ヒアリング 2.1 全 体 日 程 表 第 1 次 調 査 訪 問 日 時 11/14 在 タンザニア 日 本 大 使 館 JICA タンザニア 事 務 所 11/15 CAMARTEC 11/16 KATC CAMARTEC 訪 問 先 表 第 2 次 調 査 訪 問 日 時 訪 問 先 12/12 KATC(JICA 専 門 家 ) ローアーモシの 灌 漑 施 設 水 田 訪 問 モシ 市 内 農 業 資 材 店 訪 問 12/13 KATC 農 民 稲 作 組 合 CHAWAMPU Rural Co-operative Society 12/14 投 資 庁 (Tanzania Investment Centre) 表 第 2 次 調 査 訪 問 日 時 1/28 Yara International Tanzania FAO 1/29 農 業 省 統 計 局 ノルウェー 大 使 館 1/30 JICA 在 タンザニア 日 本 国 大 使 館 アイルランド 大 使 館 1/31 KATC Kibo Trading & Services Tanzania Coffee Board マチャレエステート 訪 問 先 156

161 2/1 資 材 取 扱 い 業 者 市 場 調 査 2.2 政 府 機 関 (1)Kilimanjaro Agricultural Training Center (KATC) 1 訪 問 月 日 第 1 次 :2012 年 11 月 16 日 第 2 次 :2012 年 12 月 12 日 第 3 次 :2013 年 1 月 31 日 2 対 応 者 Mr. Adam G. Pyuza, Principal Mr. Ellysa Zablon, Head of Rice Cultivation Section Mr Fitta S.Sillo Assistant, Head of Rice Cultivation Section 3 聞 き 取 り 内 容 第 1 次 : 実 証 試 験 の 実 施 についての 内 諾 実 施 方 法 について 検 討 を 実 施 圃 場 実 験 への 協 力 を 正 式 要 請 と 承 諾 圃 場 実 験 の 実 施 の 検 討 補 助 実 験 についての 契 約 について 協 議 圃 場 実 験 についての 仮 契 約 書 文 面 で 概 ね 合 意 仮 契 約 で 実 証 試 験 着 手 することで 合 意 第 2 次 : 実 証 試 験 の 進 捗 について 確 認 課 題 対 応 についての 検 討 を 実 施 契 約 書 について 正 式 に 締 結 実 証 試 験 進 捗 確 認 第 3 次 : 実 証 試 験 の 進 捗 および 結 果 について 確 認 実 証 試 験 結 果 の 報 告 方 法 について 協 議 実 証 試 験 進 捗 確 認 4 概 要 実 証 試 験 について 実 施 を 依 頼 実 際 の 実 証 試 験 に 至 った また 農 業 の 実 態 各 種 企 業 の 紹 介 などに 協 力 頂 いた 157

162 図 KATC でのミーティング( 第 1 次 ) 図 圃 場 における 実 証 内 容 の 検 討 158

163 図 実 証 圃 場 および 対 象 品 種 の 検 討 (2)Tanzania Investment Centre(TIC) 1 訪 問 日 時 2012 年 12 月 14 日 2 対 応 者 Mr. Innocent Kahwa Mr. Brendan Raro 3 聞 き 取 り 内 容 カフア 氏 は 投 資 庁 の 投 資 促 進 担 当 官 であり 第 2 次 現 地 調 査 において 投 資 庁 を 訪 問 するにあ たり 調 整 段 階 よりコンタクトパーソンとなっており 訪 問 に 対 して 協 力 的 であった まず 投 資 に 関 する 一 般 的 な 情 報 について 聞 き 取 りを 行 なった タンザニアでは 投 資 に 関 する 優 先 分 野 が 決 めら れており 製 造 農 業 交 通 機 関 人 間 開 発 建 設 不 動 産 などである そして 海 外 からの 投 資 を 促 進 するために 輸 入 税 や 消 費 税 について 優 遇 措 置 をとっている 特 に 東 アフリカ 地 域 や 南 アフリカ 開 発 地 域 (South African Development Community) 内 の 輸 出 入 では これらの 優 遇 措 置 が 特 徴 的 にみられる また 他 の 国 からの 輸 入 品 についても 本 来 なら 完 成 品 の 輸 入 については 25%の 輸 入 税 と 18%の 消 費 税 を 支 払 う 必 要 があるが 例 えば 肥 料 のような 一 部 の 優 先 分 野 に 該 当 する 物 品 については 免 税 処 置 がとられる 優 遇 措 置 を 受 けるためには いくつかの 手 順 を 踏 み 登 録 を 行 なう 必 要 がある 下 記 に 手 順 を 列 159

164 挙 する 法 人 登 録 を 行 なう( 約 2 日 間 で 登 録 が 完 了 する) 会 社 の 物 件 もしくは 用 地 を 選 定 する 納 税 者 登 録 を 行 ない PIN ナンバーを 取 得 する 投 資 庁 に 登 録 する 投 資 庁 に 登 録 することで いくつか 有 利 な 点 があることがカフア 氏 より 強 調 された 例 えば 登 録 を 行 なうことで 25%の 輸 入 税 が 2.5% また 18%の 消 費 税 が 10%に 減 税 される 他 にも 登 録 した 1 社 につき 5 名 までの 就 労 許 可 証 が 取 得 できること そして 利 益 を 企 業 の 本 国 へ 規 制 されるこ となく 送 金 できることなどがあげられた SAGCOT は 政 府 の Kilimo Kwanza(Agriculture First) 政 策 の 実 践 を 促 進 するために 立 ち 上 げ られたイニシアチブであり パイロット 地 域 において 民 間 投 資 を 促 進 し 官 民 連 携 強 化 を 通 して 持 続 的 な 農 業 経 済 の 発 展 を 目 指 している SAGCOT は 農 業 3 分 野 ( 穀 物 砂 糖 など) インフラストラ クチャー2 分 野 ( 電 気 交 通 )の 計 5 つの 優 先 分 野 を 定 めており 本 事 業 の 肥 料 の 生 産 流 通 に 関 しても 優 先 事 項 に 該 当 する 部 分 にあたる 多 くの 大 手 企 業 が SAGCOT に 参 入 しているが 日 本 企 業 は 訪 問 時 の 段 階 では 参 画 していない SAGCOT への 参 入 を 考 慮 する 場 合 投 資 庁 が 窓 口 となり 情 報 や 助 言 を 提 供 している (3)FAO 1 訪 問 日 時 2013 年 1 月 28 日 2 対 応 者 Mr. Michael Winklmaier(Chief Technical Advisor) 3 聞 き 取 り 内 容 農 作 物 の 価 格 や 農 家 の 収 入 などについてのまとまった 信 頼 できる 情 報 等 はない 政 府 より 発 行 されているような 報 告 等 での 情 報 はあったとしても 現 実 を 反 映 した 内 容 になっていないため タン ザニアでの 事 業 を 考 慮 するならば 人 伝 に 信 頼 できるデータを 探 してゆくしかない 有 益 と 思 える 情 報 源 としては 下 記 のようなものがある -Bill and Melinda Gates Foundation が 報 告 している 米 に 関 する 調 査 -マイケル 氏 自 身 が 最 近 書 き 上 げた 米 メイズ 食 用 油 赤 肉 白 肉 に 関 する 報 告 書 (マイケル 氏 は 10 年 以 上 タンザニアに 関 わっているとのことである) -JICA の 関 わってる DADP( 県 農 業 開 発 計 画 )よりの 情 報 -USAID の NARFAKA に 関 する 報 告 書 160

165 - 世 銀 の 報 告 書 :Tanzania Economic Update -Ministry of Trade のメイズと 米 に 関 する 調 査 マイケル 氏 自 身 の 調 査 及 び 世 銀 の 報 告 書 について 訪 問 後 にメールにてデータを 送 付 頂 いてい る タンザニアの 95%の 農 家 は 自 足 のための 農 業 を 行 なっている そのため 農 家 であっても 一 部 の 農 家 を 除 いて 農 産 物 が 大 きな 収 入 源 となることは 難 しい 農 産 物 の 品 質 についても 質 が 悪 く 問 題 である わずかに 農 産 物 を 販 売 して 農 家 が 得 られる 収 入 についても 多 くの 仲 買 人 が 販 売 までのチェー ンの 中 に 入 っているため 実 質 的 な 農 家 の 売 り 上 げは 微 々たるものである また 降 雨 量 の 変 化 に よる 価 格 変 動 も 大 きい タンザニアの 経 済 成 長 が 大 きく 取 り 上 げられるが これは 一 部 の 産 業 (テレコミュニケーション ビ ール 鉱 物 オイルなど)から 得 られる 成 長 であり 大 きな 農 業 部 門 での 発 展 や 農 民 の 生 活 水 準 の 向 上 には 直 結 していない SAGCOT については 主 に 4 大 企 業 が 大 きく 関 わってイニシアチブをとっており 中 小 企 業 の 力 は 小 さい また 内 部 の 政 治 的 なやり 取 りのため 実 質 的 な 動 きは 遅 々として 進 まないものになって いる (4) 農 業 省 1 訪 問 日 時 2013 年 1 月 29 日 2 対 応 者 Mr. Gungu M. Mibavu(Head of Crop Policy Unit) Mr. Oswald M. Ruboha (Monitoring, evaluation and Statistics) 3 聞 き 取 り 内 容 農 業 所 得 についてのヒアリングを 実 施 農 業 省 データよりも 統 計 局 データの 方 が 適 切 なデータが ある 旨 の 紹 介 を 受 けた (5)ノルウェー 大 使 館 1 訪 問 日 時 2013 年 1 月 29 日 2 対 応 者 Ms. Anne Kristin Hermansen(The Minister Counsellor) Denise Habimana(Trainee) 161

166 3 聞 き 取 り 内 容 ノルウェー 大 使 館 は SAGCOT に 参 入 しているが 直 接 大 きく 関 与 しているというよりは 間 接 的 なサポート 役 として 関 わっている 例 えば SAGCOT の 会 議 等 に 出 席 し 企 業 の 自 然 環 境 への 配 慮 や 投 資 を 呼 びかけている SAGCOT へ 参 加 し 実 際 に 大 きな 役 割 を 担 っているのは 大 規 模 な 企 業 が 多 い 比 較 的 中 小 規 模 の 企 業 進 出 の 可 能 性 についてはあまり 大 きくない ノルウェー 政 府 としても 積 極 的 に 小 規 模 企 業 の 進 出 を 推 進 しているわけではない 日 本 企 業 とノルウェー 企 業 との 連 携 については 可 能 ではあるが 重 要 なのは 日 本 やノルウェーな どの 海 外 企 業 が 結 び 付 くことよりも タンザニアの 現 地 企 業 とどのように 関 係 を 構 築 し パートナー として 事 業 展 開 をしてゆけるかである (6)アイルランド 大 使 館 訪 問 1 訪 問 日 時 2013 年 1 月 30 日 2 対 応 者 Mr. Nicholas Michael(Second Secretary) 3 聞 き 取 り 内 容 アイルランド 大 使 館 が 行 なっている 事 業 としては 主 に 援 助 関 係 の 活 動 であり 民 間 企 業 のタン ザニア 進 出 や 官 民 連 携 促 進 を 通 した 農 業 ビジネスの 発 展 などの 分 野 に 関 しては 現 状 では 行 なえ ていない 例 えば 実 施 している 事 業 としては Africa Agri-Food Development Fund (AADF)がある AADP はタンザニアやケニアを 対 象 国 としており 農 業 食 料 分 野 において 申 請 に 基 づいて 支 出 される 基 金 である 規 模 は 小 さく 全 体 で 約 200 万 US ドルの 基 金 である 民 間 企 業 への 基 金 支 出 も 行 うが 主 に NGO への 援 助 である アイルランド 企 業 はタンザニアへ 市 場 を 冷 静 に 判 断 しており 訪 問 時 での 参 入 は 難 しいという 見 方 をしている 企 業 がほとんどである 民 間 企 業 がアフリカへの 事 業 拡 大 を 検 討 する 際 には より 分 かりやすく 参 入 が 比 較 的 簡 単 であると 判 断 される 南 アフリカやケニアへの 進 出 が 多 い 僅 かに 参 入 しているのは ESBI など 電 力 会 社 や 一 部 のエンジニアリング 分 野 においてのみで 農 業 分 野 につい ての 進 出 は 無 い 今 後 の 可 能 性 としては 欧 州 連 合 での 合 意 により 制 限 されている 牛 乳 の 生 産 量 が 近 々 解 禁 になるため アイルランドが 持 っている 畜 産 に 係 る 技 術 と 制 限 の 解 禁 により 今 後 乳 製 品 を 輸 出 できる 市 場 が 必 要 になり タンザニア 市 場 も 検 討 の 価 値 がある タンザニアでのアグリビジネスについては SAGCOT 事 務 所 やナイロビにある 国 際 農 業 研 究 協 議 グループ(CGIAR)の 研 究 所 より 情 報 を 入 手 することも 有 効 と 考 えられる また 酒 造 メーカーのディ アジオ(DIAGOE)のタンザニアでの 事 業 展 開 なども 参 考 になると 思 われる 162

167 2.3 農 業 者 (1) 農 民 稲 作 組 合 CHAWAMPU Rural Co-operative Society 1 訪 問 日 時 2012 年 12 月 13 日 2 対 応 者 CHAWAMPU 副 議 長 ( 男 性 ) CHAWAMPU 役 員 ( 女 性 ) 3 聞 き 取 り 内 容 Chama cha Wakulima wa Mpunga (CHAWAMPU 以 下 チャワンプ)はタンザニアモシに 基 盤 を 置 く 農 民 稲 作 組 織 であり 隣 接 する 4 村 の 稲 作 農 民 が 任 意 で 加 入 できる 農 民 稲 作 組 合 である チャワンプは 日 本 の 協 力 により 実 施 された 農 業 事 業 の 中 で 組 織 化 された 住 民 グループであり KATC 周 辺 の 隣 接 する 4 村 を 対 象 にし 約 2,000 軒 の 農 家 のうち 1,165 軒 の 農 家 が 会 員 となっ ている その 事 業 内 容 は 主 に 農 業 用 肥 料 等 の 購 入 及 び 販 売 であり モシ 市 にある 農 業 資 材 を 取 り 扱 う 企 業 キボ トレーディング(Kibo Trading)から 肥 料 を 買 い 付 け 住 民 に 対 して 販 売 を 行 なって いる また 周 辺 地 域 の 水 田 を 借 り 稲 を 育 てたり そこで 収 穫 した 種 モミを 販 売 したりもしている なお チャワンプに 加 入 していない 農 民 でも 肥 料 や 種 の 購 入 はできる 肥 料 流 通 の 方 法 としては まずチャワンプがキボ トレーディングに 赴 き 肥 料 を 購 入 する そして 公 共 交 通 機 関 や 車 両 などの 交 通 手 段 をチャワンプが 準 備 し 販 売 所 である 同 組 合 の 事 務 所 まで 運 搬 する そして 購 入 を 希 望 する 農 民 は 同 事 務 所 まで 赴 き 購 入 する 必 要 がある そのため 在 庫 の 状 況 に 応 じて 定 期 的 にキボ トレーディングより 肥 料 が 配 送 されるというよりは 肥 料 を 必 要 とする 住 民 側 が 企 業 に 働 きかけを 行 なうことで 品 物 が 流 通 していると 言 え チャワンプの 肥 料 流 通 に 関 する 同 地 域 での 役 割 は 重 要 であると 推 察 される 肥 料 散 布 時 期 など 購 入 の 際 に 現 金 が 準 備 できない 農 民 に 対 しては チャワンプが 肥 料 を 手 数 料 2%で 買 い 付 け 収 穫 が 得 られたときに 農 民 より 購 入 費 と 手 数 料 を 回 収 している その 他 政 府 からの 農 業 投 入 購 入 支 援 のためのバウチャーを 利 用 し て 購 入 することも 可 能 である しかしながら バウチャーは 年 間 を 通 じて 定 期 的 に 配 布 されているわ けではなく 手 に 入 らない 時 期 も 多 い 同 地 域 で 最 も 多 く 使 用 されている 肥 料 は UREA であり チャワンプでは1 耕 作 時 期 につき 50kg の UREA を 約 600 袋 販 売 する また SA の 使 用 もあり 1 耕 作 時 期 につき 約 400 袋 が 売 れる 葉 面 散 布 剤 についても 取 り 扱 いがあり チャワンプ 対 象 区 の 農 民 も 購 入 している 駆 虫 剤 も 同 地 域 で は 使 用 され 種 類 としては dasband fionex duduall selectrom などがある 稲 作 農 民 の 平 均 的 な 収 入 について 質 問 すると わからないという 回 答 であったが 同 副 議 長 の 家 庭 では 3/4 エーカーの 土 地 で 約 20 袋 の 籾 殻 つきのコメが 収 穫 できるそうである 籾 殻 つきコメ 袋 約 120kg が 調 査 時 では 約 8,000 タンザニアシリングほどで 買 い 取 られていた 脱 穀 を 終 える とコメの 重 量 は 120kg から 75kg に 減 り コメ 50kg の 袋 は 約 135,000 タンザニアシリングで 販 売 される 同 地 域 の 水 不 足 の 問 題 から 多 くの 農 家 が 稲 作 を 行 なえておらず それらの 農 家 はメイズの 耕 作 を 行 なっている メイズは 100kg 袋 が 約 70,000 から 100,000 シリングで 販 売 される 163

168 図 農 民 稲 作 組 合 CHAWAMPU Rural Co-operative Society (2)マチャレエステート(コーヒープランテーション) 1 訪 問 日 時 2013 年 1 月 31 日 2 対 応 者 Ms. Bente 3 聞 き 取 り 内 容 ベンテ 氏 は 約 10 年 前 に 本 農 園 を 購 入 して 運 営 管 理 を 行 なってきた 農 園 内 は 大 きく 2 部 分 に 分 かれており 化 学 肥 料 や 農 薬 を 使 用 するエリアと 有 機 農 法 でのコーヒー 栽 培 のエリアに 分 かれて いる 当 初 は 全 体 が 非 有 機 農 法 でのコーヒー 栽 培 であったが 経 営 を 行 なう 中 で 土 壌 劣 化 や 害 虫 被 害 が 顕 著 になり 化 学 肥 料 や 農 薬 の 使 用 量 を 継 続 的 に 増 加 せざるを 得 ない 状 況 が 続 いた 試 験 的 に 園 内 の 一 部 で 行 なうようになった 有 機 農 法 では 少 量 の 肥 料 と 薬 の 散 布 で 持 続 的 に 健 康 なコーヒーを 維 持 してゆける 状 況 が 見 られたため 農 園 全 体 の 有 機 農 法 への 転 換 に 向 けて 区 画 を 区 切 って 徐 々に 移 行 を 進 めている コーヒー 栽 培 に 主 に 必 要 になる 栄 養 物 質 はリン 酸 カリであるため 窒 素 系 の 肥 料 はあまり 必 要 と しない そのため UREA も 使 用 はするがごく 少 量 のみである その 他 マグネシウム( 使 用 商 品 : EPSOTOP) 鉄 ( 使 用 商 品 :Fe-EDDHA)やホウ 素 銅 カルシウム 系 の 肥 料 を 使 用 する 葉 面 散 布 164

169 剤 も 使 用 しているが 有 機 農 法 の 区 画 が 増 すにつれ 資 料 量 は 減 少 してきている 使 用 する 肥 料 や 農 薬 は 主 にダルエスサラームで 購 入 し 購 入 先 にモシまでの 運 搬 を 依 頼 するか たちをとっている また 園 内 で 独 自 に 堆 肥 を 作 り 主 に 有 機 農 法 区 画 に 使 用 している 堆 肥 づくりにはコーヒーチ ェリー 草 や 芝 生 牛 糞 などを 材 料 にし 微 生 物 を 投 入 して 発 酵 を 促 進 する 園 内 で 唯 一 使 用 する 害 虫 駆 除 剤 はニームより 作 られた Nimbecidine のみである 4 年 前 から 使 用 を 始 めたが タンザニアでは 作 られておらず 手 に 入 りにくいためケニアより 輸 入 している 以 前 使 用 していた 駆 除 剤 では 長 年 使 用 するごとに 害 虫 に 耐 性 ができて 効 果 が 出 にくくなり 使 用 量 も 増 え て 経 営 を 圧 迫 するようになっていた 有 機 の 害 虫 駆 除 剤 である Nimbecidine を 使 用 し 始 めてから 少 量 の 散 布 で 害 虫 を 制 御 できている 有 機 農 法 を 行 なってゆくうえで 大 変 重 要 となるのは コーヒーの 木 の 状 態 を 常 に 細 かに 把 握 し 病 気 や 害 虫 の 広 がりを 早 期 に 発 見 し 早 い 段 階 で 食 い 止 めることである 以 前 の 方 法 では 1 ヶ 所 に 病 気 を 見 つけると 園 全 体 に 駆 除 剤 を 撒 くという 対 策 をとっていた これはコーヒーの 木 の 健 康 にとっても 望 ましくなく また 経 営 的 にも 無 駄 な 出 費 となる そのため 訪 問 時 には 園 内 を 細 かなエ リアに 分 割 し 担 当 者 を 決 め それぞれが 恒 常 的 に 園 内 をまわってコーヒーの 状 態 を 把 握 する 害 虫 ス カウト(Pest Scouting)という 方 法 をとっている 病 気 や 害 虫 が 繁 殖 している 状 態 を 発 見 したらすぐ にベンテ 氏 に 報 告 し 対 策 を 検 討 する 園 内 で 多 くみられるコーヒーの 育 成 に 関 する 問 題 としてミネラル 不 足 がある 実 際 に 訪 問 時 に 園 内 を 見 学 した 際 に 見 られたミネラル 不 足 としては 鉄 不 足 ホウ 素 不 足 マグネシウム 不 足 があっ た これらの 症 状 に 対 して マチャレ 農 園 では ミネラルの 混 合 材 肥 料 ではなく 各 成 分 を 症 状 に 合 わせて 個 別 に 散 布 する ミネラル 不 足 に 加 えて 潜 葉 性 昆 虫 などの 害 虫 も 視 察 の 際 に 見 られた 165

170 図 マチャレエステート(コーヒー 農 園 ) 図 マチャレエステート(コーヒーチェリー) 2.4 肥 料 等 農 産 物 資 材 関 連 企 業 (1)Tanganyika Farmers Association Limited モシ 市 内 小 規 模 農 業 資 材 店 1 訪 問 日 時 2012 年 12 月 12 日 2 聞 き 取 り 内 容 モシ 市 内 にある 比 較 的 規 模 の 大 きな 農 業 資 材 店 であるタンガニカ ファーマーズ アソシエーショ ン(Tanganyika Farmers Association Limited)を 訪 問 し 販 売 されている 肥 料 や 肥 料 散 布 機 材 それら 資 機 材 の 入 手 先 などについて 情 報 収 集 を 行 なった まず 流 通 している 肥 料 についてである が 1 番 売 れているものとしては UREA があげられ また DAP(Diammonium Phosphate) CAN (Calcium Ammonium Nitrate)なども 多 く 売 れている これらの 肥 料 はイタリアやイスラエルなどから 輸 入 されており 輸 入 肥 料 を 取 り 扱 う 代 表 的 な 企 業 としてヤラ インターナショナル(Yara International)やタンザニア ファティライザ- カンパニー(Tanzania Fertilizer Conpany) エクスポ ート トレーディング グループ(Export Trading Group ETG)があげられた ヤラ インターナショナル についてはモシには 支 社 がなく 別 の 流 通 業 者 であるキボ トレーディング(Kibo Trading)を 通 じて 輸 入 した 肥 料 をモシにて 販 売 している タンザニア ファティライザ- カンパニーやエクスポート トレ ーディング グループについては それぞれの 支 社 がアルーシャ 市 とモシ 市 にある しかしながら 訪 166

171 問 時 には UREA や DAP などの 肥 料 は 品 切 れの 状 態 であり 店 員 によると 肥 料 の 在 庫 を 大 量 に 抱 え ると 買 手 がいつでも 買 えると 思 い 少 量 ずつしか 買 わなくなるため 在 庫 は 多 く 置 かないようにして いるとのことであった タンガニカ ファーマーズ アソシエーションでも 噴 霧 器 の 取 り 扱 いがあり 買 い 手 としてはプランテ ーション 経 営 者 など 大 規 模 農 園 のみでなく 個 別 の 農 民 も 噴 霧 器 を 購 入 している 噴 霧 器 の 値 段 であるが 製 造 会 社 と 生 産 国 によって 差 があり Solo(カナダ 製 )で 160,000 タンザニアシリング Vita(ドイツ 製 )で 150,000 タンザニアシリング SP-15(インドネシア 製 )で 85,000 タンザニアシリ ングであった また 葉 面 散 布 材 の 取 り 扱 いもあり 売 れ 筋 の 商 品 として Flexil シリーズがある 窒 素 リン 酸 カ リの 含 有 量 がそれぞれ 違 い Flexil P は Flexil は Flexil Quality はカリウ ムの 値 が 高 い 1kg 入 りが 値 段 はそれぞれ 7,000 シリングで 50g につき 20L の 水 に 溶 かし 使 用 する タンガニカ ファーマーズ アソシエーションに 比 べると 比 較 的 小 規 模 な 農 業 資 材 店 を 訪 問 したと ころ 同 様 に 肥 料 の 扱 いがあり 住 民 の 間 に 流 通 している 様 子 がうかがえた やはり UREA が 一 番 売 れている 肥 料 であり 一 袋 50kg が 60,000 シリングで 販 売 されていた (2)Yara International Tanzania 1 訪 問 日 時 2013 年 1 月 28 日 2 対 応 者 Mr. Julien Camaleonte(Commercial Manager) Mr. Hillary Patto(in charge of marketing) 3 聞 き 取 り 内 容 Yara International は 約 50 の 国 で 事 務 所 を 構 えており また 160 の 国 にて 自 社 の 商 品 を 販 売 し ている 東 アフリカにおいては 15 年 以 上 の 経 験 がある 会 社 全 体 の 売 上 高 は 約 800 億 ノルウェークローネ(2011 年 ) 肥 料 売 上 高 約 190 億 ノルウェー クローネ EBITDA 約 150 億 ノルウェークローネ 肥 料 はタンザニア 内 で 生 産 しているわけではなく すべて 輸 入 である タンザニア 進 出 の 主 な 理 由 としては 東 及 び 中 央 アフリカへの 進 出 し 商 品 を 輸 入 するため 港 が 必 要 であったこと もともとノ ルウェー 政 府 とタンザニアにつながりがあり タンザニアの 農 業 発 展 を 促 進 する 動 きがあって Yara としても 農 業 発 展 への 貢 献 を 目 指 していることがある 港 に 関 してはケニアやモザンビーク 南 アフリカ 等 の 港 も 押 さえ ブルンジ ルワンダ ウガンダな どへの 輸 出 への 入 り 口 としている タンザニアの 農 民 の 肥 料 等 農 業 投 入 の 購 買 力 については 低 い 考 え 方 として タンザニアの 地 域 別 で 購 買 力 の 差 を 見 るというよりは 換 金 作 物 が 作 られている 場 所 をターゲットとすると 肥 料 流 167

172 通 の 需 要 はあると 考 える 根 底 にある 大 きな 問 題 は 農 民 が 貧 しいということである 農 業 の 発 展 も 遅 れており 現 状 として すぐに 利 益 が 出 る 大 きな 市 場 がタンザニアにあるわけではない Yara の 流 通 ネットワークに 関 して 例 えば 種 を 扱 う Kibo Trading のような 既 にネットワークを 持 っ ている 企 業 を 見 つけ それらの 企 業 と 提 携 することで タンザニア 各 地 への 流 通 経 路 を 広 げ 確 保 している 形 態 としては Kibo が Yara から 肥 料 を 購 入 し Kibo のネットワークで 販 売 している タンザニア 政 府 も 農 業 発 展 に 関 しては 協 力 的 であるため 法 律 面 等 でのやり 取 りやサポートの 面 での 問 題 などはあまりない 2.5 物 流 関 連 企 業 (1)Kibo Trading & Services 1 訪 問 日 時 2013 年 1 月 31 日 2 対 応 者 Mr. Mossi W. L.(Proprietor) 3 聞 き 取 り 内 容 キボトレーディング&サービスは タンザニア 国 内 各 地 に 拠 点 とネットワークを 持 った 農 業 資 材 を 取 り 扱 う 企 業 である 主 な 取 扱 商 品 は 肥 料 や 除 草 剤 等 の 農 薬 メイズなど 農 作 物 の 種 スコップ や 鍬 などの 農 機 具 である Monsanto や Yara International などと 提 携 しており 各 企 業 がタンザニア 国 外 から 輸 入 した 資 機 材 を 安 い 価 格 で 買 い 取 り それらをタンザニア 内 の 各 地 で 流 通 させ 販 売 している 取 扱 商 品 に ついて 種 は Monsanto 肥 料 は Yara International 農 機 具 は 南 アフリカ 企 業 のというように 住 み 分 けがされている 農 業 資 材 流 通 のシステムとしては Monsanto などの 企 業 がタンザニア 国 内 に 持 ち 込 んだ 商 品 を キボにまず 卸 す キボは 地 域 の 統 括 事 務 所 以 外 に 小 規 模 な 店 舗 を 村 に 構 えているため その 各 支 店 に 商 品 を 卸 す 消 費 者 はその 小 規 模 店 舗 に 赴 き 商 品 を 購 入 する 例 えばモシ 地 域 においては 本 調 査 で 訪 問 したモシの 中 心 地 にある 統 括 事 務 所 に 商 品 が 運 ばれる キリマンジェロ 地 区 には 統 括 事 務 所 から 30 キロ~40 キロ 離 れた 場 所 に 4 つの 支 店 があり それら 支 店 にはキボの 社 員 が 出 向 している 1~2 週 間 の 間 隔 で 総 括 事 務 所 より 在 庫 状 況 確 認 のために 社 員 が 出 向 き 在 庫 が 少 ない 商 品 については 総 括 事 務 所 より 商 品 を 運 搬 する キボはアグロディーラーとして 政 府 に 登 録 されているため 政 府 が 発 行 する 農 業 資 材 購 入 のため のバウチャーの 取 り 扱 いができる バウチャー 配 布 の 前 には 事 前 に 対 象 者 選 定 のための 調 査 が 行 なわれ 支 援 を 必 要 としている 小 規 模 な 零 細 農 家 が 選 ばれる しかしながら バウチャーが 支 給 されるのは 資 材 の 約 半 額 程 度 である ため 残 りの 金 額 の 支 払 意 志 と 能 力 があるということを 対 象 となる 農 家 は 政 府 に 対 して 説 明 しな ければならない 168

173 バウチャーには 例 えば UREA のように 対 象 となる 資 材 が 名 前 まで 記 載 されているが バウチャ ーを 使 用 する 農 民 が 資 材 と 支 援 額 の 差 額 を 払 えるならば 記 載 された 特 定 の 資 材 以 外 の 商 品 でも 購 入 できる バウチャー 上 に 肥 料 の 成 分 などについての 細 かな 記 載 は 無 い 取 り 扱 われる 商 品 は 必 ず Tropical Pesticide Research Institute(TPRI)に 登 録 されていなければならない 葉 面 散 布 剤 はモシ 地 域 では 広 く 使 用 されており 販 売 数 についても 向 上 しているということであ った 3. 実 証 試 験 普 及 啓 発 3.1 目 的 概 要 本 実 証 試 験 は 地 球 温 暖 化 に 起 因 する 気 温 上 昇 により アフリカ 農 産 物 において 発 生 する 可 能 性 が 高 い 高 温 障 害 等 に 対 する アミノ 酸 含 有 葉 面 散 布 剤 AJIFOL の 施 用 効 果 を 実 証 することによ り 地 球 温 暖 化 問 題 への 適 応 対 策 として 重 要 と 考 えられる アフリカの 農 業 食 料 に 関 連 する 課 題 の 解 決 を 図 ることを 目 的 としている 本 年 度 は 作 物 高 温 障 害 の 問 題 が 顕 在 化 しているタンザニア 共 和 国 の 代 表 的 な 作 物 試 験 機 関 の 一 つである Kilimanjaro Agricultural Training Centre (KATC)を 選 定 し 地 球 温 暖 化 に 起 因 する 高 温 障 害 等 が 問 題 となっている 作 物 を 対 象 として AJIFOL 施 用 効 果 の 実 証 試 験 を 行 った 3.2 対 象 品 目 ハクサイ イネ(NERICA1 SARO) 3.3 実 証 機 関 名 及 び 実 施 場 所 Kilimanjaro Agricultural Training Centre (KATC), P.O. Box 1241, Moshi, Tanzania KATC 敷 地 内 実 験 圃 場 にて 栽 培 試 験 3.4 試 験 方 法 試 験 の 構 成 ハクサイ イネ 品 種 現 地 栽 培 種 NERICA1 SARO 栽 植 密 度 160 個 体 /66m 2 約 500 個 体 /95m 2 仕 様 資 材 基 肥 : 尿 素 基 肥 : 尿 素 栽 培 面 積 66m 2 / 処 理 区 95m 2 / 処 理 区 169

174 その 他 点 滴 灌 漑 水 田 各 試 験 区 の 詳 細 各 試 験 区 の 詳 細 (ハクサイ) T1 無 肥 料 無 処 理 T2 基 肥 尿 素 施 用 無 処 理 T3 基 肥 尿 素 施 用 0.2% AJIFOL 葉 面 散 布 処 理 T4 基 肥 尿 素 施 用 0.2% AJIFOL +10mM バリン 葉 面 散 布 処 理 各 試 験 区 の 詳 細 (イネ) T1 基 肥 尿 素 施 用 無 処 理 T2 基 肥 尿 素 施 用 0.2% AJIFOL 葉 面 散 布 処 理 T3 基 肥 尿 素 施 用 0.2% AJIFOL +10mM バリン 葉 面 散 布 処 理 耕 種 の 概 要 ハクサイ イネ イネ 品 種 現 地 栽 培 種 NERICA1 SARO 播 種 日 2012/12/ /10/8 2012/10/16 定 植 日 直 播 2012/11/ /11/30 畝 幅 約 1m 約 1m 約 1m 株 数 約 160 個 体 / 処 理 区 約 500 個 体 / 処 理 区 約 500 個 体 / 処 理 区 施 肥 方 法 粉 末 尿 素 土 壌 施 肥 粉 末 尿 素 水 田 施 肥 粉 末 尿 素 水 田 施 肥 肥 料 成 分 尿 素 尿 素 尿 素 施 肥 量 現 地 慣 行 に 準 ずる 現 地 慣 行 に 準 ずる 現 地 慣 行 に 準 ずる 成 分 ベース 現 地 慣 行 に 準 ずる 現 地 慣 行 に 準 ずる 現 地 慣 行 に 準 ずる 施 肥 量 資 材 施 用 日 2012/12/28 より 2012/12/4 より /12/4 より 週 1 回 週 間 に 1 回 2 週 間 に 1 回 2013/2/1 まで 農 薬 散 布 無 し 無 し 無 し 収 穫 日 2013/2/8 2013/3 予 定 2013/4 予 定 試 験 期 間 中 の 気 象 概 要 170

175 測 定 期 間 2012/12/17 ~ 2013/2/11 昼 間 平 均 気 夜 間 平 均 気 最 高 気 温 平 均 相 対 湿 温 温 度 % 3.5 実 証 試 験 の 結 果 生 育 状 況 実 験 区 比 較 SPAD 値 ( 葉 の 葉 緑 素 量 を 表 す) 数 値 上 位 3 個 体 のデータを 示 す 赤 字 は 全 データ 中 の 最 高 値 を 示 す SPAD 値 (ハクサイ) No.1 No.2 No.3 平 均 値 T0: 無 肥 料 T1: 尿 素 T2: 尿 素 +0.2% AJIFOL T3: 尿 素 +0.2% AJIFOL +10mM バリン SPAD 値 (イネ NERICA1) No.1 No.2 No.3 平 均 値 T1: 尿 素 T2: 尿 素 +0.2% AJIFOL T3: 尿 素 +0.2% AJIFOL +10mM バリン SPAD 値 (イネ SARO) No.1 No.2 No.3 平 均 値 T1: 尿 素 T2: 尿 素 +0.2% AJIFOL T3: 尿 素 +0.2% AJIFOL +10mM バリン 収 穫 物 調 査 結 果 実 験 区 比 較 新 鮮 重 量 数 値 上 位 3 個 体 のデータを 示 す 赤 字 は 全 データ 中 の 最 高 値 を 示 す 171

176 ハクサイ 新 鮮 重 量 (kg/plant) No.1 No.2 No.3 平 均 値 T0: 無 肥 料 T1: 尿 素 T2: 尿 素 +0.2% AJIFOL T3: 尿 素 +0.2% AJIFOL +10mM バリン 実 証 試 験 結 果 の 考 察 (1) 既 存 農 法 ( 尿 素 施 肥 )と 比 較 した 効 果 ハクサイ SPAD 値 については 平 均 値 に 注 目 すると T1 に 比 べ T2 では 違 いが 認 められず AJIFOL の 栄 養 効 果 が 認 められなかった 一 方 で T3 では 全 ハクサイデータ 中 の 最 高 値 が 取 得 さ れるとともに T1 に 比 べて SPAD 平 均 値 の 増 加 が 認 められた イネ SPAD 値 については NERICA1 では T2 および T3 でも T1 に 対 する 平 均 値 の 違 いは 認 められなかった 一 方 で SARO では 平 均 値 に 注 目 すると T1 に 比 べ T2 ではわずかな 増 加 さらに T3 では T1 に 比 べて SPAD 平 均 値 の 増 加 が 認 められた さらに 両 品 種 において T3 では 全 イネデータ 中 の 最 高 値 が 取 得 さ れた これらのことから T3 すなわち AJIFOL とアミノ 酸 バリンの 混 合 葉 面 散 布 によって 植 物 種 を 問 わず SPAD 値 が 増 加 する 傾 向 が 認 められた またハクサイ 新 鮮 重 量 については T1 に 比 べ T2 では 違 いが 認 められなかった 一 方 で T2 で は 全 データ 中 の 最 高 値 が 取 得 されるとともに T1 に 比 べて 新 鮮 重 量 の 増 加 が 認 められたことか ら SPAD 値 のデータとは 異 なる 結 果 となった SPAD 値 は 葉 の 葉 緑 素 量 と 相 関 する 値 を 表 してお り ハクサイが 仮 に 地 球 温 暖 化 による 高 温 障 害 を 被 った 場 合 に 葉 やけを 生 じ 数 値 が 低 下 する ことが 考 えられる このことから 推 測 し まず T3 において T1 よりも SPAD 値 が 増 加 した 理 由 とし て SPAD 値 計 測 日 時 点 で 生 じていた 葉 の 高 温 障 害 が AJIFOL とアミノ 酸 バリンの 混 合 葉 面 散 布 により 若 干 軽 減 された 可 能 性 が 考 えられる 一 方 で 収 穫 後 の 新 鮮 重 量 は T3 よりも T2 の ほうが 大 きくなっており SPAD 値 の 高 温 障 害 による 変 動 では 説 明 がつかない 当 コンソーシアム ではこれまでに 植 物 への 過 剰 バリン 葉 面 散 布 が 薬 害 を 引 き 起 こし 生 育 の 遅 延 につながること を 見 出 している 従 って 本 結 果 は 週 1 回 の AJIFOL とバリン 混 合 葉 面 散 布 が 現 地 栽 培 種 の ハクサイにとって 過 剰 となり 最 終 的 な 新 鮮 重 量 としての 低 下 につながった 可 能 性 が 考 えられ る また 当 コンソーシアムではこれまでに AJIFOL が 植 物 の 病 害 抵 抗 性 を 誘 導 し 病 害 の 感 染 を 抑 制 する 効 果 を 見 出 している 植 物 病 害 は 低 温 よりも 高 温 の 条 件 で 発 生 しやすいことが 知 られており タンザニアでは 作 物 高 温 障 害 が 顕 在 化 していることから 病 害 の 発 生 も 顕 著 である 可 能 性 が 考 えられる これらのことから T1 に 比 べ T2 で 新 鮮 重 量 が 増 加 した 理 由 としては AJIFOL がハクサイの 病 害 による 新 鮮 重 量 低 下 を 抑 制 した 可 能 性 が 考 えられる (2) 今 後 期 待 される 効 果 172

177 本 結 果 より AJIFOL およびそのバリン 混 合 葉 面 散 布 剤 が タンザニアにおいてハクサイをは じめとした 葉 物 野 菜 の 高 温 障 害 や 病 害 を 抑 制 し 品 質 や 収 量 の 改 善 に 効 果 がある 可 能 性 が 見 出 された 今 回 の 結 果 ではバリンの 過 剰 施 用 の 可 能 性 が 考 えられたことから 今 後 はタンザニア の 栽 培 種 の 性 質 や 気 温 病 害 の 発 生 状 況 に 合 わせた 的 確 な AJIFOL アプリケーション 開 発 が 必 要 となる 図 実 証 試 験 の 実 施 結 果 5. 指 標 ( 方 法 論 )とベースラインデータ 173

178 インプット アウトプット アウトカム アプローチ 本 事 業 におけるインプットは AJIFOL の 導 入 アウトプットは 資 材 投 入 による 効 果 アウ トカムは タンザニア 連 邦 共 和 国 の 課 題 ニーズ 解 決 となる 本 事 業 では ハクサイおよびコメについての 実 証 研 究 を 実 施 したがハクサイについては 計 画 していた 研 究 結 果 が 出 ているが コメについては 2013 年 3 月 初 旬 時 点 において 栽 培 中 の SPAD 値 のみの 結 果 に 留 まっている そのため コメについての 評 価 方 法 については 参 考 とするに 留 める 表 AJIFOL の 導 入 によるインプット アウトプット アウトカム アプローチ インプット アウトプット アウトカム 評 価 野 菜 果 実 等 付 加 価 値 農 産 物 への AJIFOL の 導 入 効 果 確 認 高 温 障 害 への 耐 性 食 料 増 産 農 業 者 所 得 の 向 上 単 収 の 増 加 病 気 抵 抗 性 コメ メイズ 等 穀 物 類 効 果 確 認 食 料 増 産 栽 培 への AJIFOL 高 温 障 害 への 耐 の 導 入 性 未 確 認 参 考 病 気 抵 抗 性 単 収 の 増 加 評 価 方 法 本 実 証 試 験 では 栽 培 期 間 の 短 い 野 菜 ( 白 菜 )については 高 温 障 害 への 耐 性 病 気 抵 抗 性 収 量 の 増 加 について 一 定 程 度 の 効 果 を 確 認 することが 出 来 た しかし 半 年 に 満 たない 実 証 期 間 であったことから 作 物 や 地 域 特 性 に 対 応 した 的 確 な AJIFOL アプリケー ション 開 発 を 実 施 するまでに 至 っておらず AJIFOL の 有 する 最 大 の 効 果 を 示 すことは 出 来 なかった そのため 本 実 証 試 験 で 得 られた 効 果 についての 原 単 位 は 最 小 限 の 効 果 と 捉 え 導 入 による 効 果 の 評 価 方 法 について 検 討 を 行 った AJIFOL の 効 果 を 評 価 するには 慣 行 に 比 べた 収 穫 量 の 増 加 による 差 で 評 価 すること が 最 も 一 般 に 理 解 しやすくアウトカムでの 評 価 も 容 易 である しかし 高 温 障 害 への 耐 性 病 気 抵 抗 性 は 農 産 物 栽 培 において 非 常 に 重 要 な 要 素 ではあるが その 問 題 が 発 生 する か 否 か 発 生 した 場 合 においてもその 度 合 いなど 気 象 条 件 の 変 化 により 全 く 異 なる また 本 事 業 の 主 目 的 である 地 球 温 暖 化 への 適 応 という 観 点 からは 重 大 な 気 象 変 化 によるイン パクトを 受 けた 際 にいかにその 影 響 を 抑 えるかが 重 要 となると 考 えられる 本 実 証 期 間 中 には 重 大 な 気 象 変 化 は 発 生 しなかったが 従 来 型 の 農 産 物 栽 培 ( 慣 行 農 法 )をベースラインと 設 定 し AJIFOL の 導 入 によるプロジェクト 効 果 について 評 価 を 行 った 174

179 ベースライン 高 温 障 害 が 発 生 した 場 合 の 生 産 量 病 気 が 発 生 した 場 合 の 生 産 量 高 温 障 害 病 気 が 発 生 した 場 合 の 単 収 単 位 収 量 (kg/ha) ,000 1,800 1,600 1,400 1,200 1, 生 産 量 ( 千 トン) 西 暦 - 生 野 菜 単 収 生 野 菜 生 産 量 図 生 野 菜 の 単 収 生 産 量 の 推 移 ( 出 典 )FAOSTAT を 基 に 作 成 平 均 最 高 気 温 ( ) 年 1 月 2010 年 2 月 2010 年 3 月 2010 年 4 月 2010 年 5 月 2010 年 6 月 2010 年 7 月 2010 年 8 月 2010 年 9 月 2010 年 10 月 2010 年 11 月 2010 年 12 月 図 Kilimanjaro 地 方 における 月 別 平 均 最 高 気 温 ( 出 典 )National Bureau of Statistics, Tanzania in Figures

180 タンザニア 国 内 における 農 産 物 生 産 物 データおよび 気 象 データについては 収 集 可 能 なデ ータに 限 界 がある 本 調 査 では 2010 年 1 年 間 の 平 均 最 高 気 温 についてのデータを 収 集 す ることが 出 来 た また 本 実 証 期 間 内 においても 気 象 データの 蓄 積 を 実 施 した そのデータを 以 下 に 示 す 2013 年 1 月 19 日 ~23 日 の 期 間 では 最 高 気 温 が 40 度 を 越 している 月 別 平 均 最 高 気 温 でも 2013 年 1 月 は 38.5 度 となっている 最 高 気 温 ( ) 平 均 最 高 気 温 図 本 実 証 期 間 における 最 高 気 温 の 推 移 平 均 最 高 気 温 ( ) 年 12 月 (17 日 -31 日 ) 2013 年 1 月 2013 年 2 月 (1 日 -11 日 ) 平 均 最 高 気 温 図 本 実 証 期 間 における 月 別 平 均 最 高 気 温 の 推 移 気 温 と 生 産 量 に 関 するデータの 相 関 について 検 討 出 来 ることが 望 ましいがデータに 制 約 が あるため 参 考 数 値 として 記 載 するに 留 めざるを 得 ない 本 来 であれば 気 温 が 高 く 生 産 量 が 低 い 高 温 障 害 が 発 現 した 場 合 の 単 収 病 気 が 発 現 した 場 合 の 単 収 高 温 障 害 病 気 が 発 生 した 場 合 の 単 収 のデータをベースラインとして 設 定 することが 望 ましいが 気 象 デー タが 比 較 的 存 在 する 2010 年 をベースラインとして 設 定 する 下 表 では 新 鮮 重 量 の 計 測 が 可 能 となったハクサイについてのデータについて 示 している 176

181 表 ハクサイ 実 証 試 験 結 果 ハクサイ 新 鮮 重 量 (kg/plant) No.1 No.2 No.3 平 均 値 T0: 無 肥 料 T1: 尿 素 T2: 尿 素 +0.2% AJIFOL T3: 尿 素 +0.2% AJIFOL +10mM バリン 農 村 におけるヒアリングによると タンザニアにおいて 施 肥 はほとんどなされていないのが 実 態 であり 実 施 したとしても 尿 素 を 利 用 するに 留 まる 傾 向 にある T0: 無 肥 料 T1: 尿 素 は 慣 行 農 法 の 位 置 づけであり これらから 得 られる 農 産 物 生 産 量 をベースラインとす る 比 較 の 結 果 AJIFOL を 用 いたハクサイの 収 量 は T0 比 で 146% T1 比 で 108%の 上 昇 効 果 であった 表 農 家 規 模 別 平 均 作 付 面 積 ( 出 典 )Tanzania Agriculture Sample Census より 作 成 日 本 で 販 売 されている AJIFOL 施 用 による 小 規 模 農 家 の 追 加 コストについて 下 表 のよう に 試 算 した その 結 果 一 戸 当 たりの 追 加 コストは 1,296 円 / 作 期 となった 農 家 が 1 月 あ たりに 支 払 っている 肥 料 コストは 218 円 と 見 込 まれることから ハクサイ 栽 培 に 約 2 か 月 か かると 考 えた 場 合 に 1 月 あたり 648 円 となる これは 肥 料 コストの 約 3 倍 程 度 であり 既 存 の 葉 面 散 布 材 の 約 10 倍 の 価 格 である 従 来 型 の 農 業 を 実 施 している 小 規 模 農 業 者 の 月 の 農 業 収 入 が 1,421 円 であることを 考 えると 小 規 模 農 家 に 対 して 日 本 製 品 と 同 等 の 価 格 で の 販 売 では 販 売 は 厳 しいと 考 えられるが 所 得 の 高 い 大 規 模 農 家 において 利 用 できる 可 能 性 は 否 定 できない いずれにせよ 現 在 ここで 示 した 数 値 は 日 本 で 販 売 されている 製 品 の 価 格 であるため 地 域 に 応 じたコスト 構 造 および 価 格 の 検 討 が 必 要 である 177

182 表 AJIFOL 施 用 による 小 規 模 農 家 の 追 加 コスト AJIFOL 計 算 式 数 値 単 位 濃 縮 kl 単 価 1 40,000 USD/ 濃 縮 kl 希 釈 倍 率 倍 希 釈 kl 単 価 3=1/2 80 USD/ 希 釈 kl 希 釈 L 単 価 4=3 / USD/ 希 釈 L 為 替 レート 5 90 \/USD 希 釈 L 単 価 ( 円 ) 6= 円 / 希 釈 L 1ha 当 たり 散 布 量 希 釈 kl/ha 単 位 換 算 (kl L) 8= 希 釈 L/ha 小 規 模 農 家 平 均 作 付 面 積 ha/ 戸 農 家 AJIFOL 散 布 期 待 量 10= 希 釈 L/ 戸 1 戸 当 たり 必 要 経 費 11=6 10 1,296 円 / 戸 以 下 では タンザニア 国 内 で 用 いられている 既 存 の 葉 面 散 布 材 との 価 格 競 争 を 前 提 に 既 存 製 品 の 価 格 の 120%に 抑 えた 場 合 に 求 められる 金 額 を 示 す その 結 果 AJIFOL の 価 格 は 濃 縮 液 として 5,833USD/kL と 試 算 された これは 1 戸 当 たり 189 円 (3,780 タンザニ アシリング)に 該 当 する この 価 格 はあくまで 努 力 目 標 としての 数 値 である 表 既 存 製 品 の 価 格 の 1.2 倍 の 価 格 に 抑 えた 場 合 の AJIFOL に 求 められるコスト AJIFOL 計 算 式 数 値 単 位 濃 縮 kl 単 価 1 5,833 USD/ 濃 縮 kl 希 釈 倍 率 倍 希 釈 kl 単 価 3=1/ USD/ 希 釈 kl 希 釈 L 単 価 4=3 / USD/ 希 釈 L 為 替 レート 5 90 \/USD 希 釈 L 単 価 ( 円 ) 6= 円 / 希 釈 L 1ha 当 たり 散 布 量 希 釈 kl/ha 単 位 換 算 (kl L) 8= 希 釈 L/ha 小 規 模 農 家 平 均 作 付 面 積 ha/ 戸 農 家 AJIFOL 散 布 期 待 量 10= 希 釈 L/ 戸 1 戸 当 たり 必 要 経 費 11= 円 / 戸 178

183 プロジェクト 効 果 前 述 のベースラインデータや 試 験 結 果 数 値 を 利 用 し プロジェクト 効 果 の 計 算 式 を 以 下 のよ うに 設 定 した 農 産 物 生 産 減 少 の 抑 制 増 収 効 果 =(T0 or T1 収 穫 量 /T2 収 穫 量 ) 2010 年 農 産 物 生 産 量 農 業 所 得 の 向 上 =(( 農 業 所 得 農 産 物 生 産 減 少 の 抑 制 増 収 効 果 )- 投 入 資 材 コストによる 追 加 コ スト))/ 農 業 所 得 評 価 結 果 評 価 結 果 は 以 下 のとおりとなった 農 産 物 増 収 効 果 では 増 加 が 見 込 まれる また 農 業 所 得 の 向 上 についてはハクサイなどの 野 菜 の 場 合 では TO との 比 較 で 考 えるとプラス 効 果 が 見 込 まれ AJIFOL 導 入 によりタンザニア 連 合 共 和 国 にアウトカムとして 十 分 な 効 果 を 提 供 できるものと 考 えられる しかし T1 に 比 べた 場 合 には 農 業 所 得 は 低 下 する 可 能 性 がある 農 産 物 収 量 の 安 定 性 を 考 えた 場 合 この 追 加 コストとリスクバランスを 考 えた 製 品 選 択 が 農 家 サイドに 必 要 になると 考 えられる また 品 質 面 での 効 果 についてはここでは 定 量 的 に 示 されていない AJIFOL の 施 用 によ り 品 質 向 上 がなされた 場 合 には その 点 も 考 慮 した 評 価 が 必 要 になるものと 考 えられる 農 産 物 増 収 効 果 (T0ケース:146%)=1.46 1,500 千 トン=2,190 千 トン 農 産 物 増 収 効 果 (T1ケース:108%)=1.08 1,500 千 トン=1,620 千 トン 農 業 所 得 の 向 上 (T0ケース:146%)=((28,418Tsh 146%)-3,780Tsh) /28,418Tsh=133% 農 業 所 得 の 向 上 (T1ケース:108%)=((28,418Tsh 108%)-3,780Tsh) /28,418Tsh=95% 179

184 6. 適 応 対 策 において 今 後 見 込 める 成 果 AJIFOL を 現 地 において 展 開 する 場 合 初 期 段 階 では 輸 出 することになると 考 えられる 輸 出 の 場 合 の 価 格 については 既 存 の 日 本 製 品 と 同 等 になると 考 えられるが この 価 格 で は 現 地 価 格 の 10 倍 程 度 となるため 競 争 力 は 弱 い しかし 将 来 的 に 現 地 において 肥 料 を 供 給 する 生 産 基 盤 流 通 基 盤 を 構 築 した 場 合 に は 低 コスト 化 を 図 り 実 証 試 験 によりその 効 果 の 明 確 化 を 図 ることが 可 能 となれば その 品 質 についても 既 存 製 品 に 比 べた 場 合 優 位 性 は 非 常 に 高 いものとなる 可 能 性 が 高 い このことによる 波 及 効 果 として 大 規 模 高 収 益 の 農 業 者 だけでなく 小 規 模 低 収 益 の 農 業 者 も 現 地 生 産 により 商 品 にアクセスすることが 可 能 となり 気 候 変 動 の 影 響 を 受 けにく い 安 定 した 生 産 が 可 能 となる 加 えて 生 産 の 安 定 化 は 食 料 問 題 や 所 得 向 上 社 会 の 安 定 化 にもつながるため アフリカ 地 域 における 一 次 産 業 の 大 幅 前 進 に 貢 献 し 社 会 発 展 の 基 盤 となる 可 能 性 が 十 分 にあると 考 えている また 評 価 指 標 は 事 業 を 実 際 に 実 施 し 状 況 が 詳 細 に 把 握 されることによって より 精 度 を 高 めていく 本 事 業 評 価 手 法 の 確 立 により 1 次 産 業 に 近 い 分 野 における 評 価 手 法 の 確 立 が 可 能 であり 食 料 問 題 に 関 連 した 対 象 までの 汎 用 的 手 法 になるものと 考 えられる 180

185 5) ベトナム 社 会 主 義 共 和 国 における 暴 風 雨 および 集 中 豪 雨 による 斜 面 災 害 の 防 災 減 災 事 業 ( 川 崎 地 質 ) 平 成 24 年 度 途 上 国 における 適 応 対 策 への 我 が 国 企 業 の 貢 献 可 視 化 に 向 けた 実 現 可 能 性 調 査 事 業 最 終 報 告 書 コンソーシアム 名 または 企 業 団 体 名 事 業 名 川 崎 地 質 株 式 会 社 ベトナム 国 社 会 主 義 共 和 国 における 暴 風 雨 及 び 集 中 豪 雨 による 斜 面 災 害 の 防 災 減 災 事 業 1. 本 事 業 の 目 的 1. 事 業 目 的 ベトナム 国 の 幹 線 交 通 網 沿 い 及 び 集 落 における 斜 面 変 動 ( 地 すべり 崩 壊 )による 被 害 の 軽 減 とその 対 策 についての 事 業 化 の 可 能 性 調 査 2. 事 業 の 全 体 像 下 記 のステップにしたがって 事 業 展 開 する Step-1 ベトナム 国 における 斜 面 防 災 減 災 事 業 の 実 現 可 能 性 調 査 を 実 施 する Step-2 特 定 のエリアまたは 路 線 をターゲットとして 事 業 を 開 始 する Step-3 国 家 防 災 戦 略 によって 指 定 された 地 域 をターゲットとして 事 業 を 継 続 する Step-4 高 速 道 路 や 高 速 鉄 道 などのプロジェクトをターゲットとして 事 業 を 発 展 する 3. 事 業 成 果 地 すべりや 崩 壊 などの 斜 面 変 動 に 伴 う 災 害 の 事 前 予 測 と 被 害 軽 減 及 びその 対 策 4. 事 業 内 容 地 質 調 査 技 術 を 基 幹 技 術 として 斜 面 変 動 に 対 して 下 記 の 項 目 について 実 施 する 1マッピングと 斜 面 危 険 度 評 価 航 空 写 真 及 び 地 形 図 などを 利 用 して 危 険 斜 面 を 抽 出 しマップを 作 成 する 抽 出 された 斜 面 は 斜 面 危 険 度 評 価 手 法 によってその 危 険 度 をランク 付 けする このランクに 応 じて その 後 の 現 地 調 査 ~ 対 策 までの 実 施 優 先 度 を 決 定 する 2 現 地 調 査 現 地 踏 査 及 び 現 地 調 査 (ボーリング 調 査 物 理 探 査 による 調 査 )によって 斜 面 変 状 の 規 模 や 発 生 危 険 度 を 評 価 する 3 現 地 計 測 機 器 設 置 及 び 観 測 現 地 調 査 を 実 施 した 箇 所 の 斜 面 危 険 度 評 価 結 果 にしたがって 現 地 計 測 器 を 設 置 する 計 測 結 果 は 関 係 者 ( 地 域 住 民 道 路 管 理 者 など)が 常 時 確 認 することができるシステムとする 181

186 4 早 期 避 難 警 戒 システムの 構 築 1~3によって 斜 面 変 動 の 滑 動 度 が 高 く 被 害 発 生 の 可 能 性 がある 箇 所 については 3の 計 測 結 果 と 連 動 する 避 難 警 戒 システムを 構 築 して 周 囲 へ 危 険 を 周 知 する 5 対 策 工 の 設 計 と 施 工 管 理 斜 面 変 動 の 滑 動 スピードが 速 く また 被 害 発 生 の 可 能 性 が 高 く 緊 急 に 対 策 が 必 要 と 判 断 される 箇 所 は 対 策 工 の 設 計 ~ 施 工 管 理 を 実 施 する 5. 選 定 理 由 気 候 変 動 の 影 響 と 見 られる 暴 風 雨 や 集 中 豪 雨 による 被 害 が 増 加 する 東 南 アジアにおいて ベトナム 国 は 先 進 的 に 経 済 発 展 を 遂 げようとしているものの 自 然 災 害 への 対 策 はほとんど 講 じられていない また ベトナム 国 の 国 土 は 南 北 に 細 長 いため 沿 岸 の 低 地 部 から 内 陸 の 山 間 部 まで 地 すべり 崩 壊 などの 多 様 な 自 然 災 害 に 見 舞 われやすい 状 況 にある しかし 行 政 機 関 及 び 大 学 などの 研 究 機 関 等 からのヒアリング 調 査 において これら 自 然 災 害 に 対 する 調 査 計 測 対 策 の 技 術 及 びノウハウが 不 足 しているため 十 分 に 対 策 が 講 じられていない 状 況 にある 一 方 で 斜 面 災 害 対 策 の 必 要 性 から 国 家 防 災 戦 略 が 発 表 されており また 南 北 高 速 道 路 事 業 の 開 始 や 南 北 高 速 鉄 道 計 画 など 斜 面 対 策 が 不 可 欠 なプロジェクトが 計 画 されており ベトナム 国 において 斜 面 防 災 減 災 分 野 に 係 る 技 術 の 需 要 は 大 きく その 市 場 規 模 も 非 常 に 大 きい また 近 い 将 来 東 南 アジア 地 域 で 周 辺 国 (カンボジア ラオス ミ ャンマーなど)を 主 導 していく 可 能 性 が 高 く その 経 済 発 展 状 況 から ベトナム 国 における 事 業 展 開 が 東 南 アジア 地 域 における 事 業 展 開 へ 発 展 する 可 能 性 が 高 いと 評 価 される 以 上 から ベトナム 国 において 斜 面 防 災 減 災 事 業 の 展 開 を 図 るものである 182

187 2. 課 題 1.ベトナム 国 における 防 災 減 災 事 業 の 発 注 形 態 の 把 握 ベトナム 国 側 と 日 本 国 側 の 関 係 団 体 等 の 関 係 図 式 の 整 理 担 当 省 庁 自 治 体 地 方 組 織 地 域 団 体 協 力 団 体 個 人 (ボランティア) 日 本 企 業 などとの 関 係 のありかた 2.ベトナム 国 における 防 災 減 災 事 業 に 係 る 市 場 規 模 の 把 握 国 家 防 災 戦 略 における 斜 面 防 災 減 災 分 野 の 実 行 性 の 把 握 巨 大 プロジェクトに 伴 う 斜 面 防 災 減 災 分 野 の 貢 献 度 と 日 本 企 業 の 技 術 適 用 に よる 効 果 の 検 証 その 他 の 公 的 事 業 の 市 場 規 模 民 的 事 業 の 市 場 規 模 の 把 握 資 金 不 足 を 前 提 として 事 業 実 施 に 際 するベトナム 国 側 資 金 調 達 の 方 法 防 災 減 災 分 野 周 辺 の 課 題 に 対 する 需 要 と 市 場 規 模 の 把 握 3.ベトナム 国 における 日 本 国 企 業 が 保 有 する 技 術 の 適 用 性 ベトナム 国 における 実 務 レベルの 確 認 日 本 企 業 が 持 つ 技 術 のベトナム 国 への 適 用 性 の 評 価 ベトナム 国 での 品 質 管 理 安 全 管 理 手 法 の 確 立 4.ベトナム 国 における 防 災 減 災 分 野 に 係 る 法 制 度 の 把 握 事 業 展 開 に 係 る 測 量 調 査 設 計 対 策 に 係 る 法 整 備 の 状 況 自 然 災 害 全 般 に 係 る 法 制 度 実 行 プラン 国 の 政 策 などの 把 握 5.ベトナム 国 における 事 業 開 始 に 伴 う 日 本 企 業 組 織 運 営 のための 条 件 日 本 企 業 が 事 業 を 実 施 するために 必 要 な 許 可 申 請 制 度 の 把 握 ベトナム 国 における 協 会 団 体 等 の 存 在 の 有 無 ベトナム 国 における 事 業 実 施 に 伴 う 収 益 性 の 検 討 6.その 他 の 課 題 ( 現 地 政 府 自 治 体 からの 具 体 的 ニーズ) パイロット 事 業 実 施 に 伴 うラオカイ 省 からの 現 地 調 査 結 果 報 告 の 要 請 への 対 応 協 力 団 体 (VJEC)を 通 じて パイロット 事 業 の 結 果 に 対 する ラオカイ 省 及 び 交 通 運 輸 省 (MOT)との 現 地 調 査 結 果 報 告 会 の 開 催 183

188 3. 課 題 解 決 の 方 向 性 1.ベトナム 国 における 防 災 減 災 事 業 の 発 注 形 態 の 把 握 ベトナム 国 における 防 災 減 災 事 業 としてはベトナム 国 政 府 機 関 ベトナム 国 省 政 府 ( 自 治 体 ) 及 び 日 本 政 府 や 諸 外 国 による 援 助 支 援 業 務 がある 今 回 の 当 該 業 務 では 主 として ベトナム 国 政 府 機 関 ベトナム 国 省 政 府 ( 自 治 体 ) 発 注 による 事 業 をターゲットとして 考 え て 情 報 収 集 にあたった 当 該 業 務 では ベトナム 国 でも 地 すべり 大 規 模 崩 壊 及 び 土 石 流 災 害 が 多 発 しているベト ナム 国 北 部 ラオカイ 省 を 中 心 に 情 報 収 集 を 図 っている 特 にラオカイ 省 政 府 ラオカイ 省 人 民 委 員 会 等 に 対 してベトナム 国 現 地 法 人 ベトナム 国 科 学 アカデミー(IGS) 等 を 通 じてコン タクトを 図 り 現 地 での 地 すべり 崩 壊 や 土 石 流 などの 災 害 発 生 の 状 況 やその 対 応 について ヒアリングを 行 うとともに 現 地 状 況 の 確 認 を 行 った その 結 果 については 最 終 報 告 でとりま とめるものとするが 後 述 する 項 目 6 においても 少 し 触 れることにする これらのラオカイ 省 政 府 における 防 災 減 災 事 業 等 については ラオカイ 省 防 災 委 員 会 が 対 応 しており 防 災 減 災 事 業 に 関 わる 方 向 性 や 発 注 などに 関 与 している これらのベトナ ム 国 側 クライアントによる 発 注 形 態 について 情 報 収 集 を 図 った 2.ベトナム 国 における 防 災 減 災 事 業 に 係 る 市 場 規 模 の 把 握 ベトナム 国 における 防 災 減 災 事 業 に 関 する 市 場 規 模 については パイロット 的 にベトナ ム 国 北 部 のラオカイ 省 においてマーケットリサーチ マーケットの 想 定 マーケットの 規 模 について 調 査 を 行 った 今 回 の FS 調 査 における 具 体 的 な 市 場 規 模 の 調 査 方 法 としては 衛 星 画 像 を 用 いた 斜 面 災 害 発 生 箇 所 の 抽 出 ベトナム 国 側 カウンターパート( ベトナム 国 科 学 アカデミー VJEC など)を 通 じて ラオカイ 省 政 府 防 災 担 当 部 局 ( ラオカイ 省 防 災 委 員 会 )に 接 触 し 防 災 減 災 事 業 に 関 する 要 求 事 項 などの 聞 き 取 り 調 査 資 料 調 査 ( 防 災 減 災 対 策 の 範 囲 費 用 事 業 規 模 ) 及 びラオカイ 省 管 内 における 道 路 等 斜 面 等 災 害 状 況 の 現 地 調 査 ( ラオカイ 省 防 災 委 員 会 同 行 )を 行 った さらに その 代 表 的 地 すべり 災 害 が 発 生 している 国 道 4D 沿 いの ラオカイ 省 サパ 地 区 モンセン 地 すべりにおいて 地 すべり 調 査 測 量 対 策 工 の 検 討 としての パイロット 事 業 を 行 い その 事 業 実 行 可 能 性 について 詳 細 調 査 を 実 施 した これらの 調 査 結 果 に 基 づいて 地 すべりなどの 斜 面 災 害 の 発 生 頻 度 が 高 いラオカイ 省 全 体 における 市 場 規 模 について 推 計 した また これらに 加 えて 同 様 の 地 すべりなどの 斜 面 災 害 が 発 生 している ベトナム 国 における 他 の 省 や 民 間 資 本 におけるリゾート 開 発 が 進 められているベトナム 国 中 南 部 においても 市 場 規 模 の 調 査 を 進 めた 今 回 の 業 務 においては ラオカイ 省 サパ 地 区 モンセン 橋 における 地 すべりに 対 して パイ ロット 事 業 を 行 い 想 定 される 防 災 減 災 分 野 でのビジネスモデルを 抽 出 し 仮 想 事 業 を 想 定 して 様 々な 観 点 からビジネスに 際 しての 問 題 や 課 題 の 抽 出 の 他 コスト 採 算 性 資 機 材 調 達 現 地 協 力 会 社 の 確 保 用 いる 技 術 業 務 遂 行 能 力 など 様 々な 面 から 評 価 を 行 った 我 々の 有 する 防 災 減 災 技 術 は これらの 災 害 の 予 測 技 術 調 査 測 量 技 術 対 策 工 法 の 設 計 技 術 及 び 各 種 観 測 機 器 を 用 いたこれらの 災 害 に 関 する 早 期 警 戒 システムなどを 組 み 合 わ 184

189 せたコンサルタント 技 術 である 今 回 実 施 しているラオカイ 省 サパ 地 区 モンセン 橋 地 すべり での パイロット 事 業 はまさしく 想 定 される 事 業 の 実 証 調 査 であり これらのことを 念 頭 に パイロット 事 業 の 評 価 を 行 った また ラオカイ 省 だけではなく ベトナム 国 内 における 建 設 関 連 日 本 国 内 企 業 NEXCO JR などの 特 にインフラ 整 備 における 現 時 点 でのビジネス 展 開 の 現 状 将 来 的 なビジネス 展 開 の 状 況 について 調 査 し ベトナム 国 におけるマーケットの 種 類 や 規 模 についても 調 査 整 理 が 必 要 と 考 えており 国 内 においても 情 報 収 集 を 行 った これらの 分 野 では 必 ずしも 防 災 減 災 に 直 接 関 連 しないものもあるが インフラ 整 備 には 斜 面 や 法 面 対 策 地 すべり 対 策 盛 土 地 盤 改 良 対 策 など 様 々なニーズが 想 定 される 分 野 である これらのニーズを 洗 い 出 し 防 災 減 災 分 野 でのニーズに 特 化 したものも 整 理 した さらに 今 回 の FS 調 査 の 過 程 で 情 報 収 集 した 内 容 について 付 け 加 える ベトナム 国 に おいては その 自 然 環 境 を 活 かしたリゾート 開 発 がゴルフ 場 建 設 リゾートホテル 建 設 など 多 様 にわたり 様 々な 海 外 資 本 による 運 営 がされている その 中 でもベトナム 国 中 部 ~ 南 部 における 海 岸 に 面 した 地 域 ではオーシャンビューの 施 設 建 設 やアクセス 道 路 の 整 備 に 際 し て 地 すべりや 斜 面 崩 壊 など 防 災 上 の 問 題 が 散 見 され 維 持 管 理 も 含 めた 防 災 減 災 対 策 に 関 して 開 発 クライアントからの 需 要 がある このように 海 外 資 本 ベースの 開 発 に 関 わる 防 災 減 災 対 策 のニーズに 関 しても 今 後 高 速 鉄 道 網 などインフラ 整 備 の 進 行 とともに 増 加 し ていくと 予 測 され 今 後 このようなリゾート 開 発 などの 民 需 に 関 する 情 報 収 集 も 重 要 な 課 題 と 考 えており 公 共 事 業 における 需 要 とともに 我 国 の 防 災 減 災 技 術 を 売 り 出 す 市 場 の 一 つ であると 考 える 3.ベトナム 国 における 日 本 国 企 業 が 保 有 する 技 術 の 適 用 性 防 災 減 災 分 野 における 前 述 した 項 目 について 現 時 点 においてベトナム 国 に 進 出 してい る もしくは 進 出 を 予 定 している 国 内 企 業 の 現 状 や 将 来 展 望 も 踏 まえ 当 社 など 斜 面 防 災 減 災 に 関 する 調 査 測 量 設 計 技 術 のベトナム 国 における 適 用 性 について 今 回 の FS 調 査 で 実 施 するパイロット 事 業 を 通 じて 評 価 を 行 った 今 回 の FS 調 査 において 我 社 を 含 めた 日 本 国 内 企 業 がベトナム 国 において 斜 面 防 災 減 災 分 野 でビジネス 展 開 する 上 での 問 題 や 課 題 について 抽 出 した 特 に 阻 害 要 因 については 具 体 的 に 抽 出 を 図 り 排 除 もしくは 緩 和 しう る 解 決 策 代 替 策 を 含 めて 提 示 した もしくは 何 が 我 国 企 業 にとって 有 利 になり 何 が 不 利 になるかについて 考 察 し 有 用 な 技 術 の 抽 出 や 改 良 策 代 替 策 などについてまとめた 欧 米 中 国 韓 国 などの 企 業 とも 競 合 する 可 能 性 が 高 いがその 現 状 や 将 来 予 測 を 的 確 に 行 い ビジ ネスとして 可 能 性 について 整 理 し 考 察 した 4.ベトナム 国 における 防 災 減 災 分 野 に 係 る 法 制 度 現 段 階 では ベトナム 国 におけるカウンターパート( ベトナム 国 現 地 日 本 法 人 の 弁 護 士 事 務 所 日 本 現 地 法 人 VJEC など)の 協 力 も 含 めて ベトナム 国 におけるこれらの 分 野 の 法 制 度 法 規 制 を 含 めて 情 報 収 集 を 行 っているところである ベトナム 国 における 防 災 減 災 対 策 を 推 進 する 法 的 なバックボーンとしては2007 年 11 月 19 日 に 発 令 された

190 0 年 までの 防 災 減 災 に 関 する 国 家 戦 略 があり この 国 家 戦 略 に 基 づいて 法 整 備 がされて きている この 法 律 に 基 づく 情 報 収 集 を 進 めており 工 期 までの 間 に 可 能 な 限 り 情 報 収 集 を 行 った 5.ベトナム 国 における 事 業 開 始 に 伴 う 日 本 企 業 組 織 運 営 のための 条 件 ベトナム 国 における 防 災 減 災 事 業 を 受 注 し 展 開 していくためには 現 地 法 人 の 開 設 現 地 協 力 企 業 者 などの 開 拓 教 育 の 必 要 性 など 我 社 にとってまだまだ 大 きな 課 題 が 残 ってお り 今 回 の FS 調 査 期 間 中 での 解 決 は 困 難 な 面 も 多 い ここでは 項 目 2で 記 述 した 課 題 に 沿 って 課 題 解 決 の 方 向 性 を 記 述 する (1)ベトナム 国 における 防 災 減 災 事 業 の 発 注 形 態 の 把 握 ベトナム 国 における 防 災 減 災 事 業 の 展 開 は 主 としてベトナム 国 政 府 ベトナム 国 地 方 政 府 によるものであり ベトナム 国 法 人 日 越 合 弁 法 人 などに 発 注 される またそのほかに 世 界 遺 産 登 録 地 周 辺 やベトナム 国 中 南 部 海 岸 地 域 を 中 心 に 海 外 資 本 によるリゾート 開 発 事 業 が 盛 んに 行 われており こうしたリゾート 開 発 における 斜 面 災 害 が 問 題 となるケースも 多 く 民 間 ベースでの 需 要 も 多 い これらの 民 間 ベースでの 事 業 においてはベトナム 国 北 部 南 部 における 地 域 性 も 考 慮 した 現 地 カウンターパートとの 連 携 が 重 要 である (2)ベトナム 国 における 防 災 減 災 事 業 に 係 る 市 場 規 模 の 把 握 2020 年 までのベトナム 国 家 防 災 戦 略 がバックボーンにあるが ベトナム 国 経 済 の 停 滞 から 防 災 減 災 分 野 での 事 業 実 行 性 に 黄 色 信 号 が 点 滅 しているとされる 今 後 さらに 現 地 カ ウンターパートとの 連 携 を 図 り 地 すべり 多 発 地 帯 であるベトナム 国 北 部 ラオカイ 省 におい て 事 業 動 向 を 調 査 し 事 業 開 始 のための 課 題 解 決 に 向 けての 情 報 収 集 を 継 続 する 必 要 があ る また 民 間 事 業 の 市 場 規 模 についてもベトナム 国 中 南 部 リゾート 開 発 における 防 災 減 災 分 野 での 需 要 については 前 述 したように 現 地 カウンターパートと 連 携 し 市 場 規 模 の 把 握 を 進 めていく 必 要 があり 現 段 階 では 具 体 的 な 市 場 規 模 採 算 性 についての 調 査 を 実 施 した (3)ベトナム 国 における 日 本 国 企 業 が 保 有 する 技 術 の 適 用 性 我 社 を 含 めて 防 災 減 災 に 関 する 日 本 の 技 術 の 適 用 性 については 今 回 実 施 したラオカ イ 省 におけるパイロット 事 業 によって ベトナム 国 における 実 務 レベル 日 本 企 業 が 持 つ 技 術 のベトナム 国 への 適 用 性 評 価 ベトナム 国 での 品 質 管 理 安 全 管 理 手 法 についての 評 価 を 行 った 評 価 結 果 については 後 述 する 成 果 の 項 目 に 記 述 する (4)ベトナム 国 における 防 災 減 災 分 野 に 係 る 法 制 度 の 把 握 事 業 展 開 に 係 る 測 量 調 査 設 計 対 策 に 係 る 法 整 備 自 然 災 害 全 般 に 関 わる 法 整 備 の 状 況 については 現 地 にて 情 報 収 集 を 行 っており 各 種 ベトナム 国 の 法 律 や 法 規 制 等 につい て 調 査 を 実 施 した 186

191 (5)ベトナム 国 における 事 業 開 始 に 伴 う 日 本 企 業 組 織 運 営 のための 条 件 日 本 企 業 が 事 業 展 開 のための 許 可 申 請 制 度 については 現 地 法 人 化 や 現 地 ベトナム 国 法 人 との 連 携 が 条 件 になるが 詳 細 な 条 件 については 最 終 成 果 において 整 理 する また ベトナ ム 国 における 協 会 団 体 等 について 整 理 する (6)その 他 の 課 題 ( 現 地 政 府 自 治 体 からの 具 体 的 ニーズ) パイロット 事 業 実 施 に 伴 うラオカイ 省 からの 現 地 調 査 結 果 報 告 の 要 請 については 本 業 務 の 結 果 を 含 めて 現 地 カウンターパートと 連 携 し 対 応 する 予 定 である 具 体 的 には 現 地 協 力 団 体 (VJEC)を 通 じて パイロット 事 業 の 結 果 に 対 する ラオカイ 省 防 災 委 員 会 等 及 び 交 通 運 輸 省 (MOT) 等 とのベトナム 国 側 発 注 者 に 対 してと 国 道 4D 沿 いのラオカイ 省 サパ 地 区 モンセ ン 地 すべりの 現 地 調 査 結 果 報 告 会 の 開 催 する 予 定 である 我 社 が 保 有 する 斜 面 等 災 害 の 予 測 技 術 調 査 測 量 技 術 各 種 解 析 技 術 対 策 工 法 の 設 計 技 術 及 び 各 種 観 測 機 器 を 用 いた 早 期 警 戒 システムなどを 組 み 合 わせたコンサルタント 技 術 を 発 揮 し 事 業 展 開 していくためには 現 在 国 内 において 技 術 提 携 している 協 力 企 業 とのコラ ボレーションが 重 要 と 考 えている 特 に 当 社 と 正 式 に 技 術 提 携 の 調 印 をしている 中 日 本 航 空 ( 株 ) の 持 っているヘリレーザー 測 量 衛 星 画 像 処 理 技 術 その 他 地 形 解 析 技 術 やこれら を 総 合 的 に 管 理 する GIS 技 術 とを 組 み 合 わせた 防 災 減 災 技 術 をパッケージ 化 し さらに ベトナム 国 においてもベトナム 国 の 人 々によって 維 持 運 営 出 来 るようなシステム 構 築 を 行 うことで 他 国 競 合 企 業 に 対 して 有 利 な 事 業 展 開 が 図 れると 考 えており 市 場 規 模 市 場 性 と 収 益 性 について 整 理 した 6.その 他 の 課 題 ( 現 地 政 府 自 治 体 からの 具 体 的 ニーズ) これまで 我 社 は 現 地 カウンターパートであるベトナム 国 現 地 法 人 (VJEC) ベトナム 国 科 学 アカデミー(IGS) 等 とともにラオカイ 省 政 府 や 人 民 委 員 会 と 接 触 を 図 り 現 地 政 府 クラ イアントの 防 災 減 災 のニーズに 対 する 聞 き 取 りを 行 ってきた その 結 果 特 に 台 風 災 害 に 伴 い 毎 年 のようにラオカイ 省 人 民 の 生 命 財 産 に 対 する 大 規 模 な 被 害 を 被 っている 現 状 が 聞 き 取 り 調 査 や 現 地 調 査 結 果 からも 明 らかである 当 該 省 政 府 にとってはこれらの 防 災 減 災 対 策 は 人 民 の 生 命 財 産 に 対 しての 安 全 安 心 を 確 保 し 今 後 経 済 発 展 を 果 たしていくための 急 務 の 課 題 となっている 具 体 的 には 農 業 の 保 全 ( 農 地 及 び 農 業 に 携 わる 人 民 )とサパなどの 観 光 資 源 の 保 全 であり 農 地 や 集 落 の 保 全 国 道 4D を 中 心 とする 観 光 地 サパへのアクセス 道 路 などのライフラインに 対 して 多 発 する 地 すべりな どの 自 然 災 害 に 対 する 防 災 減 災 対 策 に 対 するニーズである これらのニーズに 対 して 災 害 国 である 日 本 企 業 ノウハウや 技 術 はベトナム 国 において 極 めて 有 用 なものであり 高 価 過 ぎる 日 本 の 技 術 に 対 しては ベトナム 国 の 現 状 にあった 技 術 にダウングレードし 改 良 して いくことで 十 分 ビジネスとして 成 立 していくものと 考 える これらの 市 場 性 と 採 算 性 につ いて 整 理 した 187

192 4. 調 査 結 果 1. 基 礎 資 料 の 入 手 可 能 性 調 査 ( 添 付 資 料 1) 地 形 図 :2 万 5 千 分 の1 地 形 図 ( 省 単 位 で 購 入 可 能 ) 印 刷 物 電 子 データ 空 中 写 真 : 国 の 機 関 で 複 数 年 代 の 航 空 写 真 を 保 有 しかし 日 本 企 業 はもとより ベトナム 国 企 業 が 購 入 することも 困 難 であることが 判 明 した 空 中 写 真 の 代 用 として パイロット 事 業 で 実 体 視 可 能 な 衛 星 画 像 を 購 入 地 質 図 :20 万 分 の1 地 質 図 ( 省 単 位 で 購 入 可 能 ) 印 刷 物 上 記 収 集 データおよび 現 地 測 量 によって ベトナム 国 全 土 において 斜 面 災 害 に 対 する 防 災 減 災 事 業 に 必 要 な 基 礎 データを 作 成 できることを 確 認 した 2. 現 地 企 業 による 現 地 調 査 の 実 施 可 能 性 調 査 ベトナム 国 における 防 災 減 災 事 業 に 係 る 技 術 を 提 供 する 企 業 パイロット 事 業 の 実 施 によるベトナム 国 企 業 の 現 地 調 査 に 係 る 技 術 レベル 費 用 文 化 風 習 を 検 証 ベトナム 国 における 企 業 情 報 の 収 集 調 査 とパイロット 事 業 の 実 施 結 果 による 費 用 3. 斜 面 変 動 計 測 機 器 の 流 通 状 況 の 調 査 ( 添 付 資 料 2) 斜 面 防 災 分 野 で 使 用 する 計 器 メーカー 複 数 社 に 問 い 合 わせたところ ひずみ 測 定 の トータルサプライヤーであるベトナム 国 のハノイに 事 務 所 を 持 つ 日 本 企 業 より ベ トナム 国 ハノイに 本 社 がある INOTECH という 代 理 店 があることを 確 認 した INOTECH 社 では 貫 入 試 験 器 や 地 中 レーダシステムの 販 売 も 行 っている ベトナム 国 では 携 帯 電 話 網 が 発 達 しており データ 通 信 も 含 めて 日 本 国 内 とほぼ 変 わらない 計 測 を 提 供 することが 可 能 である 4.ベトナム 国 における 斜 面 対 策 に 関 わる 技 術 指 針 基 準 等 の 調 査 4.1 斜 面 防 災 に 関 する 技 術 指 針 基 準 ( 添 付 資 料 3) 日 本 国 内 における 河 川 砂 防 治 山 土 地 改 良 鉄 道 道 路 等 の 各 分 野 における 斜 面 対 策 に 係 る 基 準 書 を 収 集 し 共 通 項 共 通 点 に 着 目 して 総 括 的 なとりまとめ を 実 施 した ベトナム 国 で 適 用 可 能 な 基 準 書 の 作 成 に 際 しては アメリカ 国 の TheTransportationResearchBoard 発 行 の LANDSLIDES:INVESTIGATIONANDMITIGATION. との 照 合 を 実 施 した 4.2 地 すべり 防 止 対 策 工 設 計 基 準 案 の 起 案 ベトナム 国 に 適 用 する 技 術 基 準 は, 地 すべり 災 害 を 防 止 するために 調 査 計 画 緊 急 時 の 調 査 危 機 管 理, 設 計, 工 事 実 施 後 の 地 すべり 斜 面 に 対 する 点 検 観 測, 地 すべ り 防 止 施 設 の 機 能 維 持 を 実 施 していく 上 の 標 準 的 な 手 法 と 留 意 点 を 示 すものであ る 188

193 なお 基 準 における 地 すべりとは, 土 地 の 一 部 が 地 下 水 等 に 起 因 してすべる 現 象 又 は これに 伴 って 移 動 する 現 象 をいう 基 準 の 適 用 範 囲 は 地 すべりは 地 中 深 いところの 脆 弱 面 をすべり 面 として 発 生 する 自 然 現 象 であり その 発 生 機 構 及 び 危 険 度 を 予 測 することは 困 難 であるため 調 査 計 画 対 策 工 事 の 実 施 にあたっては 地 すべり 現 象 の 特 性 に 応 じて 調 査 対 応 するこ とが 大 切 である このため 本 規 準 を 適 用 すれば 不 合 理 となる 場 合 においては, 別 途 の 規 準 などを 適 用 する 必 要 がある 対 策 工 設 計 規 準 については, 地 すべりの 現 象 について 災 害 の 危 険 範 囲, 危 険 度 及 び 発 生 機 構 を 調 査 し, 地 すべり 災 害 を 未 然 に 防 止 するために 構 造 物 による 対 策 施 設 を 設 計 施 工 して 災 害 防 止 を 図 るものである 本 規 準 では 調 査 計 画 地 すべり 防 止 施 設 の 設 計 について 各 段 階 での 標 準 的 な 手 法 と 留 意 点 を 示 す 地 すべり 対 策 実 施 にあたっての 限 られた 調 査 では 地 すべり 運 動 とその 特 性 を 十 分 に 把 握 出 来 ていない 可 能 性 もあるという 意 識 を 常 に 持 ちつつ 調 査 から 防 止 施 設 設 計 までの 地 すべり 対 策 事 業 の 全 体 像 を 意 識 し 実 務 にあたる 必 要 がある 本 規 準 の 構 成 は 以 下 の 通 りであるが 地 すべり 対 策 のための 調 査 は 限 られたもの であるため 地 すべりの 運 動 と 特 性 を 全 て 把 握 した 上 で 対 策 を 行 うことは 難 しいの が 現 状 である そのため 施 工 中 或 いは 施 工 後 の 観 測 監 視 により, 必 要 に 応 じて 地 すべり 運 動 の 確 認 を 行 いながら 必 要 に 応 じて 前 の 章 に 立 ち 戻 ることも 必 要 である 5.ベトナム 国 における 斜 面 対 策 工 の 実 績 調 査 ( 添 付 資 料 5) これまでの 実 態 調 査 により ベトナム 国 では 日 本 で 使 用 されている 鋼 管 ( 杭 工 )や PC 鋼 線 (グラウンドアンカー 工 )はほとんど 存 在 しないことを 確 認 している 本 FSにおいて 実 施 した 調 査 においても 同 様 の 結 果 であった 6. 国 道 4D 線 沿 いの 大 規 模 地 すべり 地 を 対 象 としたパイロット 事 業 の 実 施 6.1 ボーリング 調 査 ( 添 付 資 料 6) (1) 調 査 結 果 現 場 作 業 ボーリングコアによる 地 すべりのすべり 面 及 び 不 動 地 盤 の 確 認 標 準 貫 入 試 験 による 地 盤 強 度 の 確 認 インクリノメータ( 地 中 内 変 動 観 測 機 器 )を 設 置 した ボーリングデータの 整 理 や 地 質 成 果 の 取 りまとめを 現 地 の 調 査 員 が 行 った (2) 課 題 本 ボーリング 調 査 会 社 の 技 量 では 日 本 での 防 災 調 査 で 得 られるボーリングコアの 品 質 は 得 られなかった 標 準 貫 入 試 験 は 問 題 なく 実 施 可 能 で 基 礎 地 盤 の 支 持 力 調 査 なら 実 施 可 能 である 安 全 に 対 する 現 状 での 意 識 は 低 く 滑 り 止 めや 安 全 柵 を 設 けず 櫓 の 高 所 作 業 でも 安 全 帯 を 用 いない 189

194 (3) 解 決 策 調 査 班 の 作 業 の 迅 速 性 や 真 摯 な 労 働 態 度 などから 適 切 なボーリングツールを 使 用 し 日 本 で 少 し 経 験 を 積 めば 所 要 の 品 質 が 確 保 できる 安 全 に 対 するいくつかの 指 摘 (ヘルメットの 着 用 機 械 の 固 定 )に 対 し 素 直 に 対 応 できることから 適 切 な 指 示 を 行 う (4) 成 果 ボーリング 技 術 を 向 上 させるための 具 体 策 の 取 りまとめ それにかかる 時 間 と 費 用 を 算 出 した (5) 今 後 の 事 業 の 見 通 し ベトナム 国 におけるベトナム 国 人 によるボーリング 調 査 は 資 材 の 改 善 教 育 訓 練 により 比 較 的 短 期 間 に 所 要 の 品 質 を 確 保 できる 見 込 みがある 6.2 高 密 度 電 気 探 査 ( 添 付 資 料 7) (1) 調 査 結 果 現 地 計 測 が 終 了 し 現 地 測 定 班 及 び 日 本 の 技 術 者 によるデータ 解 析 を 実 施 した (2) 課 題 現 地 の 専 門 技 術 者 はオートメーション 化 された 器 材 と 解 析 ソフトに 頼 っている 状 況 であり データの 品 質 に 対 する 問 題 意 識 が 欠 如 している( 欠 測 や 異 常 データに 対 す る 対 応 が 不 十 分 ) パイロット 事 業 対 象 地 のような 接 地 抵 抗 が 大 きい 斜 面 地 における 接 地 改 良 を 行 うた めのノウハウがないなど 経 験 が 不 足 している (3) 解 決 策 測 定 資 機 材 は 現 況 のものが 使 用 可 能 である 専 門 技 術 者 の 育 成 が 必 要 であり 日 本 で 経 験 を 積 み 計 測 器 と 解 析 ソフトに 頼 らず データ 品 質 に 対 する 問 題 意 識 を 持 たせることで 所 要 の 品 質 が 確 保 できる 6.3ハザードマップ 作 成 ( 危 険 度 判 定 ) 及 び 事 業 規 模 の 算 定 ( 添 付 資 料 8) (1) 作 業 の 進 捗 衛 星 画 像 による 実 体 視 判 読 を 行 い 地 すべり 地 形 判 読 図 を 作 成 現 地 踏 査 を 実 施 した 斜 面 の 危 険 度 判 定 及 び 事 業 規 模 の 算 定 を 実 施 した (2) 課 題 詳 細 な 地 形 図 が 入 手 できないため 高 い 精 度 で 地 盤 の 評 価 を 行 うことは 難 しい 日 本 では 対 策 工 が 当 然 設 置 されているような 箇 所 であっても 無 手 当 のことが 多 く 低 予 算 の 中 限 られた 工 法 で 効 果 的 な 対 策 工 を 検 討 する 必 要 がある (3) 解 決 策 詳 細 な 地 形 図 は 今 後 航 空 レーザ 測 量 などを 実 施 し 直 接 観 測 することが 可 能 である グラウンドアンカー 工 などの 構 造 物 ではなく 現 地 では 確 認 できなかった 地 下 水 排 除 工 や 水 路 工 等 の 抑 制 工 を 主 体 とする 地 すべり 対 策 工 が 適 用 可 能 190

195 6.4 地 すべり 流 下 解 析 土 石 流 シミュレーション( 添 付 資 料 ) 地 すべり 移 動 地 塊 による 下 流 域 の 流 下 氾 濫 域 について 数 値 解 析 を 行 いその 危 険 範 囲 およ び 危 険 度 のレベルを 検 討 することは 極 めて 有 用 である これら 数 値 解 析 の 実 施 において, 国 際 的 観 点 においてカナダ 国 を 除 いて 多 くの 国 では 大 学 の 研 究 機 関 が 実 施 されているものが 多 い 一 方, 我 が 国 では 狭 小 な 国 土 において 台 風 や 梅 雨 あるいは 地 震 を 起 因 とする 地 すべり 災 害 の 多 発 より, 警 戒 避 難 のソフト 対 策 の 対 応 も 重 点 的 に 実 施 され, 多 くの 民 間 レベルでの 解 析 も 実 施 され, 汎 用 化 がなされており, 国 際 的 に 先 端 的 的 な 実 施 体 制 にある この 警 戒 避 難 体 制 の 構 築 において 重 要 な 検 討 情 報 を 提 供 する 地 すべり 移 動 地 塊 の 解 析 手 法 は 以 下 の 特 徴 を 有 している 1) 地 すべりの 現 象 として 固 体 から 破 砕 による 流 動 地 塊 による 一 連 の 地 すべり 現 象 の 解 析 手 法 であり, 多 種 多 様 の 地 すべり 現 象 に 対 応 可 能 な 解 析 手 法 である 2) 地 すべりの 移 動 及 び 斜 面 途 中 において, 地 すべり 地 塊 の 停 留 再 活 動 の 検 討 が 可 能 であ り, 再 度 災 害 の 防 止 及 び 警 戒 避 難 体 制 の 樹 立 検 討 が 可 能 な 解 析 手 法 である 3) 地 すべり 移 動 地 塊 の 流 下 解 析 手 法 は 典 型 的 な 移 流 方 程 式 であり, 極 めて 数 値 安 定 性 が 悪 い この 数 値 安 定 性 を 高 めることが 多 種 多 様 な 地 すべり 地 塊 の 移 動 解 析 の 適 用 において 重 要 であり,これら 対 応 のため 種 々の 安 定 化 項 を 付 加 した 解 析 手 法 であり, 極 めて 経 済 的 な 手 法 である 6.5 警 戒 避 難 システムの 構 築 ( 添 付 資 料 8-3) 警 戒 避 難 ステムは, 地 すべり 運 動 に 伴 う 地 すべり 地 内 及 び 下 流 域 の 土 砂 の 氾 濫 流 下 に 伴 う 災 害 発 生 の 未 然 防 止 にある この 警 戒 避 難 システムにおいて 最 も 重 要 な 地 すべり 移 動 量 か ら 滑 落 時 間 を 予 測 する 手 法 は, 我 が 国 において 開 発 された 手 法 であり, 非 常 に 簡 単 であるに も 関 わらず 精 度 高 く 多 くの 地 すべり 現 場 で 多 くの 成 功 例 が 報 告 されている 1) 地 すべり 移 動 量 の 伸 縮 量 より,その 滑 落 時 間 を 予 測 する 手 法 は 我 が 国 で 開 発 された 手 法 である 極 めて 単 純 であるが, 地 すべりの 種 類 及 び 地 質 帯 で 適 用 可 能 であり, 汎 化 性 の 高 い 経 済 的 な 手 法 である 2)これら 警 戒 避 難 システムは, 地 下 水 位 などの 各 種 の 地 すべり 誘 因 及 び 地 すべり 変 動 の 計 測 が 可 能 で, 地 すべり 機 構 の 解 明 は 勿 論 のこと, 地 すべり 対 策 工 施 工 時 の 安 全 管 理 にも 適 用 可 能 など, 幅 広 い 環 境 条 件 に 適 用 出 来 る 経 済 的 システムである 3) 警 戒 避 難 規 準 の 警 報 情 報 を 携 帯 電 話 などで 広 域 及 び 迅 速 に 伝 達 できるシステムより 構 築 されており, 迅 速 対 応 が 可 能 である 特 徴 を 有 する 191

196 7. 事 業 化 への 可 能 性 調 査 7.1 気 候 変 動 に 伴 う 降 水 量 と 災 害 発 生 件 数 の 増 加 ( 添 付 資 料 9 10) 気 候 変 動 により ベトナム 国 でも 年 降 水 量 の 増 加 が 認 められ 災 害 件 数 も 増 加 して いる そのため 防 災 減 災 に 対 するニーズが 高 まっており 市 場 の 拡 大 が 予 想 できる 海 外 コンサルティング 業 務 等 受 注 実 績 調 査 ( 一 般 社 団 法 人 国 際 建 設 技 術 協 会 )によ ると 日 本 国 の 海 外 コンサルティング 業 務 (コンサルティング 測 量 地 質 調 査 業 務 )の 受 注 状 況 は 過 去 5 年 ( 平 成 19~23 年 度 ) 約 680~890 億 円 / 年 となってい る このうちベトナム 国 における 受 注 額 は 総 額 の 10% 前 後 となる 67~102 億 円 に 達 して いる この 受 注 額 は 国 別 受 注 額 順 位 でほぼ 1 位 ( 平 成 22 年 度 のみ 2 位 : 同 年 1 位 はイン ドネシア)を 占 める このような 背 景 を 受 け 同 業 他 社 でもベトナム 国 ならびに 近 隣 国 への 出 店 が 見 られ る( 応 用 地 質 :マレーシア 駐 在 員 事 務 所 2011 年 開 設 ベトナム 国 市 場 情 報 収 集 基 礎 地 盤 コンサルタント:ハノイ 連 絡 事 務 所 1997 年 開 設 復 建 調 査 設 計 :ベトナム 国 合 弁 会 社 FMC2007 年 開 設 日 本 工 営 :ベトナム 国 関 連 会 社 VECCONSULTANTJSC) 7.2 気 候 変 動 と 斜 面 土 砂 災 害 ( 添 付 資 料 11) 1) 気 候 変 動 によりほとんどの 地 域 において 大 雨 の 発 生 頻 度 が 増 加 している 可 能 性 が 高 く, 時 間 80mm の 集 中 豪 雨 の 発 生 頻 度 は 20 年 前 の 約 1.7 倍 に 増 大 し, 降 水 量 の 変 化 は 100 年 後 で は 現 在 の 最 大 1.5 倍 に 達 する 2) 土 砂 災 害 発 生 件 数 は, 過 去 30 年 と 比 較 して 1.29 倍 に 増 加 している 3) 大 規 模 の 斜 面 災 害 をもたらす 深 層 崩 壊 は 48 時 間 雨 量 で 600mm を 超 える 豪 雨 で 発 生 する 7.3 リゾート 開 発 に 伴 う 防 災 施 設 の 設 計 維 持 管 理 業 務 ( 添 付 資 料 12) リゾート 開 発 には 大 規 模 な 土 木 工 事 を 伴 う 斜 面 を 掘 削 し 谷 を 埋 め 立 てる 際 は 地 盤 の 長 期 耐 久 性 能 を 評 価 し 対 策 施 設 の 建 設 工 事 費 と 将 来 にわたるメンテナンス 費 用 を 考 慮 し た 防 災 施 設 の 計 画 メンテナンス 業 務 が 発 生 する ベトナム 国 では 中 部 においてリゾート 開 発 が 盛 んであり 主 としてインターネットによ りリゾート 開 発 計 画 について 調 査 した 192

197 5. 指 標 ( 方 法 論 )とベースラインデータ (1) 指 標 ( 方 法 論 ) 適 応 対 策 の 指 標 は 途 上 国 の 開 発 計 画 への 貢 献 を 踏 まえ 本 事 業 の 実 施 によって 成 果 の 連 鎖 がわかるようなインプット アウトプット アウトカムのフレームワークの 中 で 策 定 され るべきであるとある( 適 応 分 野 における 指 標 の 考 え 方 :NRI による) すなわち 防 災 減 災 の 適 用 分 野 である 本 事 業 の 指 標 策 定 のフレームワークを 表 6-1の 通 りに 整 理 した インプットは 斜 面 防 災 減 災 分 における 調 査 測 量 設 計 及 びその 監 理 技 術 であり アウトプットは 斜 面 防 災 減 災 技 術 の 導 入 による 成 果 及 び 効 果 アウトカ ムはその 貢 献 度 のグレードによって 記 載 したが 最 終 的 には ベトナム 国 における 目 標 や 課 題 への 貢 献 日 本 の 斜 面 防 災 減 災 技 術 のベトナム 国 への 導 入 による 日 本 国 経 済 への 貢 献 と なる 表 6-1. 本 事 業 の 指 標 策 定 のフレームワーク 適 応 事 業 適 応 技 術 (インプット) 適 応 事 業 適 用 技 術 による 実 施 結 果 (アウトプット) 目 標 や 課 題 への 貢 献 (アウトカム) より 上 位 の 貢 献 1 衛 星 画 像 航 空 写 真 地 形 図 を 用 いた 斜 面 災 害 地 形 の 抽 出 整 備 2レーザー(LiDAR)を 用 いた 航 空 測 量 地 上 測 量 による 斜 面 災 害 地 形 の 抽 出 整 備 ハザードマップ アボイド マップの 提 供 3 斜 面 危 険 度 評 価 技 術 の 適 用 と 斜 面 危 険 度 評 価 管 理 基 準 の 整 備 4 高 度 かつ 精 細 な 斜 面 調 査 技 術 (コアサ ンプリング 技 術 物 理 探 査 技 術 )による 災 害 地 : 地 すべり 調 査 解 析 技 術 の 導 入 適 用 危 険 斜 面 の 抽 出 危 険 度 ランク 区 分 対 策 工 の 優 先 順 位 効 率 的 合 理 的 な 調 査 測 量 設 計 技 術 及 び 監 理 技 術 の 導 入 災 害 発 生 予 測 及 び 災 害 規 模 の 予 測 が 可 能 となり 被 害 軽 減 被 害 回 避 促 進 防 災 減 災 計 画 による 地 域 住 民 の 安 全 安 心 の 確 保 人 的 経 済 的 損 出 の 軽 減 災 害 危 険 箇 所 からの 移 転 促 進 日 本 企 業 におけ る 高 速 交 通 網 の 整 日 本 企 業 保 備 事 業 原 子 力 発 有 技 術 のベトナ 電 事 業 等 への 参 ムへの 展 開 促 入 進 日 本 製 品 の 展 開 促 進 (ソフ ト ハード 技 術 のパッケージ 化 ) ベトナム 国 家 防 災 戦 略 目 標 達 成 の 促 進 支 援 5 斜 面 変 動 計 測 技 術 ( 地 すべり 動 態 観 測 ) 情 報 化 技 術 の 適 用 及 び 整 備 6 防 災 減 災 対 策 工 の 計 画 設 計 技 術 設 計 監 理 施 工 管 理 技 術 の 導 入 7 斜 面 対 策 に 関 する 技 術 指 針 技 術 基 準 提 案 : 設 計 施 工 及 び 維 持 の 管 理 基 準 の 移 転 と 適 用 災 害 発 生 時 緊 急 警 戒 避 難 システム 構 築 j 地 域 住 民 へ の 情 報 提 供 ベトナムにおける 斜 面 災 害 に 対 する 設 計 施 工 維 持 管 理 技 術 の 向 上 観 光 資 源 の 保 全 観 光 収 入 の 増 加 高 速 交 通 網 の 計 画 整 備 におけ る 効 率 的 合 理 的 安 全 かつ 経 済 的 な 路 線 選 定 災 害 による 自 然 災 害 被 災 軽 減 による 経 済 損 出 縮 小 経 済 発 斜 面 災 害 軽 減 に 展 の 促 進 よる 観 光 産 業 振 興 農 業 振 興 農 産 物 の 増 産 による 農 業 経 済 発 展 193

198 (2) 評 価 方 法 及 びベースラインデータ 事 業 における 効 果 評 価 については ベースライン( 基 準 計 画 基 準 値 )に 基 づき 評 価 する 手 法 が 一 般 的 である すなわち ベースラインとは 事 業 の 時 間 的 経 過 を 伴 う 変 化 を 評 価 判 定 するときの 基 準 の 値 のことであり 事 業 実 施 前 ( 現 状 )と 事 業 実 施 後 における 一 定 期 間 の 推 移 データや 統 計 的 代 表 値 を 用 いて 評 価 することを 念 頭 に 検 討 した 定 量 的 なベースラインの 設 定 には ベトナム 国 における 斜 面 災 害 発 生 件 数 被 害 状 況 ( 人 的 被 災 被 害 家 屋 被 災 ライフラインの 規 模 ) これらの 斜 面 防 災 減 災 の 復 旧 や 予 防 に 対 する 予 算 及 びその 執 行 状 況 の 情 報 が 必 要 である しかし これらのベトナム 国 全 土 もしくは 各 省 政 府 における 情 報 収 集 においては 開 示 されているものが 極 端 に 少 なく さらに 関 係 機 関 からの 情 報 収 集 や 情 報 提 供 については 開 示 条 件 が 厳 格 であったり 閲 覧 費 用 が 発 生 するケ ースも 多 い これらの 情 報 の 多 くは 現 地 カウンタパートを 通 じての 情 報 収 集 に 頼 らざるを 得 なく さらにベトナム 国 語 を 翻 訳 しなければならないため かなりの 時 間 を 要 しているのが 現 状 である 今 回 の FS 調 査 において 行 った 文 献 調 査 現 地 調 査 から 得 られたベースライン に 関 する 資 料 は 別 途 参 考 資 料 として 添 付 するものとするが 主 なものの 一 覧 を 表 6-2 に 示 した また 事 業 の 効 果 と 評 価 項 目 の 一 覧 を 表 6-3に 示 した 表 6-2.ベースラインデータ 使 用 データ 洪 水 台 風 に 対 する 防 災 減 災 法 令 (1993/3/8 国 会 常 務 委 員 会 国 会 主 席 ) 同 上 の 改 正 および 追 加 (2000/8/24 国 会 常 務 委 員 会 国 会 主 席 ) 2012 年 の 自 然 災 害 に 対 する 防 災 対 策 と 被 害 者 救 助 捜 査 活 動 につ いての 指 示 (2012/2/23 首 相 府 ( 副 首 相 )) ベトナム 国 内 における 災 害 情 報 ( ネアジア 防 災 センター) ベトナム 国 内 の 災 害 に 係 るデイリーニュース( Viet Num News) ベトナム 国 内 の 災 害 に 係 るデイリーニュース( VietnumPlus) 降 水 量 データ( ベトナム 統 計 局 ) 全 体 法 令 自 然 災 害 防 災 減 災 科 学 技 術 研 究 論 文 観 光 開 発 高 速 交 通 網 気 象 変 動 及 びベトナムにおけるその 被 害 リスク 報 告 (2012/8/17 資 源 環 境 省 国 連 開 発 計 画 ONDP) 気 象 変 動 とその 対 応 体 制 ( 被 害 軽 減 対 策 )について(2009/12/17 ホーチミン 市 資 源 環 境 局 ) 地 すべり 関 連 セミナー(2012/4/27 サイゴン 建 設 検 査 アジア 工 科 大 学 ) 194

199 使 用 データ 全 体 法 令 自 然 災 害 防 災 減 災 科 学 技 術 研 究 論 文 観 光 開 発 高 速 交 通 網 交 通 運 輸 省 の2012 年 の 自 然 災 害 に 対 する 防 災 対 策 と 被 害 者 救 助 捜 査 活 動 についての 指 示 (2012/3/12 交 通 運 輸 大 臣 ) 自 然 災 害 に 対 する 防 災 活 動 のための 道 路 網 の 確 保 と 指 導 につい ての 規 定 (2012/11/5 ベトナム 情 報 通 信 省 情 報 通 信 大 臣 ) 自 然 災 害 マネジメントをベトナム 経 済 社 会 発 展 計 画 に 連 帯 させる 研 究 報 告 (2007/12 オランダ-ルクセンブルク- 農 業 農 村 開 発 省 ) メコンデルタにおける 道 路 橋 梁 計 画 (2005/05/16 運 輸 交 通 省 ) HoChi Minh-Long Than-Dau Giay 高 速 道 路 建 設 工 事 (2013 完 成 ) (2011/09/26 Vietnam Expressway Corp.) Tan Son Nhat 空 港 -Tan An 高 速 道 路 計 画 (2010/03/02 Lon An 交 通 運 輸 局 ) HoChi Minh 東 南 部 高 速 道 路 計 画 (2011/10/06 Tedi South) HoChi Minh-CanTho 高 速 鉄 道 建 設 の 事 前 調 査 報 告 (2012/06/13 Tedi South Transport Engineering Design Inconported) 北 南 横 断 高 速 鉄 道 (Hanoi-Vinh300km Ho Chi Minh-Nha Trang370km) 建 設 計 画 (2012 ベトナム 鉄 道 公 社 -JICA) 減 災 と 気 候 変 動 の 適 応 についての 国 家 のフォーラム ベトナム 中 部 における 気 候 変 動 のインパクトとローカルのための 行 動 計 画 のワークショップ 議 事 録 ベトナムにおけるスロープ 岸 辺 洪 水 のgeohazards 原 因 予 測 と 防 災 減 災 対 策 ハノイの 問 題 気 候 変 動 適 応 と 対 策 の 科 学 技 術 会 議 KJCK OFF WORKSHOP THE PROJECT FOR BUJLDJNG DJSASTER SOCJETJES IN CENTRAL REGION IN VIETNA 恥 f コミュニティに 頼 る 自 然 災 害 リスク 管 理 2001 年 から2005 年 の5 年 間 の 洪 水 防 止 と 捜 索 救 助 の 作 業 の 報 告 2006 年 から2010 年 の5 年 間 の 方 向 性 とミッションの 会 議 2007 年 の 洪 水 防 止 と 捜 索 救 助 の 作 業 の 報 告 2007 年 のオリエン テーション ベトナムにおける 気 候 変 動 と 海 面 上 昇 の 概 況 ベトナムにおける 気 候 変 動 に 応 じる 国 際 サポート 雨 量 と 気 温 (サパ 局 ラオカイ 省 ) 1990 年 2012 年 の 期 間 のベトナム 全 体 における 自 然 災 害 の 財 産 と 人 的 の 被 害 195

200 表 6-3. 事 業 の 効 果 評 価 項 目 効 果 評 価 項 目 単 位 情 報 源 災 害 発 生 及 び 災 害 規 模 の 予 測 が 可 能 とな り 人 的 被 害 軽 減 被 災 回 避 促 進 斜 面 災 害 による 人 的 被 害 者 数 ( 死 亡 行 方 不 明 ) 斜 面 災 害 による 人 的 被 害 者 数 ( 負 傷 者 数 ) 人 人 ラオカイ 省 農 業 農 村 開 発 局 (DARD) 防 災 計 画 (ハザードマップ)に 基 づく 移 転 促 進 コスト VDN 地 域 の 防 災 減 災 計 画 による 地 域 住 民 の 安 全 安 心 の 確 保 人 的 経 済 的 損 失 の 軽 減 斜 面 災 害 緊 急 対 策 費 用 の 削 減 コスト 斜 面 災 害 等 による 移 転 家 屋 数 VDN 戸 ラオカイ 省 人 民 委 員 会 斜 面 災 害 による 被 災 家 屋 等 の 被 害 額 (の 減 少 ) 便 益 VDN 被 害 農 地 の 面 積 m2 地 域 の 防 災 減 災 計 画 による 農 地 の 保 全 安 定 した 農 業 環 境 収 益 の 確 保 農 作 物 への 被 害 金 額 農 業 従 事 者 収 入 VDN VDN ラオカイ 省 人 民 委 員 会 農 業 農 村 開 発 局 各 郡 コミューンの 人 民 委 員 会 総 被 害 額 に 対 するGDPの 割 合 (%) ライフライン( 国 道 省 道 その 他 )の 防 災 工 事 コスト ライフライン( 国 道 省 道 その 他 ) 施 設 別 被 災 額 便 益 VDN ラオカイ 省 交 通 運 輸 局 安 定 したライフラインの 確 保 および 観 光 資 源 の 保 全 による 観 光 収 入 の 増 加 主 な 観 光 地 の 観 光 人 口 の 増 減 ( 本 事 業 ではサパ 地 区 ) 主 な 観 光 地 の 観 光 収 入 の 増 減 ( 本 事 業 ではサパ 地 区 ) リゾート 施 設 の 開 発 ( 対 象 地 域 のホテルの 客 室 数 ) 人 VDN 室 ベトナム 統 計 総 局 ラオカイ 省 国 家 観 光 管 理 局 ( 確 認 中 ) 高 速 交 通 網 の 計 画 整 備 における 効 率 的 合 理 的 安 全 かつ 経 済 的 な 路 線 選 定 ベトナム 交 通 運 輸 省 ( 確 認 中 ) 196

201 6. 適 応 対 策 において 今 後 見 込 める 成 果 今 後 見 込 める 成 果 については 当 社 がターゲットとしてきたラオカイ 省 における 被 害 状 況 などのベー スラインデータに 基 づき 防 災 減 災 の 効 果 を 定 量 的 に 示 すことで 効 果 を 測 定 する 防 災 計 画 (ハザードマップに 基 づく 移 転 促 進 )による 効 果 =( 土 砂 災 害 被 害 想 定 範 囲 の 予 想 被 害 額 + 災 害 発 生 時 の 緊 急 対 策 費 ( 救 護 救 援 復 旧 費 用 )) / 移 転 費 用 早 期 警 戒 システムの 導 入 による 効 果 ( 道 路 ) =( 道 路 通 行 における) 土 砂 災 害 による 人 的 被 害 額 /システム 導 入 運 用 費 防 災 工 事 による 効 果 =( 土 砂 災 害 による 人 的 被 害 額 農 作 物 への 被 害 額 通 行 止 めによる 経 済 損 失 ( 観 光 収 益 減 物 流 ))/ 対 策 工 事 費 リゾート 開 発 における 防 災 事 業 における 効 果 = 事 業 計 画 時 における 防 災 対 策 費 + 維 持 管 理 段 階 における 防 災 対 策 費 197

202 6) 東 アフリカ 一 帯 における 旱 魃 がもたらす 社 会 的 課 題 解 決 に 貢 献 するソーラーランタン の 普 及 可 能 性 調 査 ( 三 洋 電 機 ) 平 成 24 年 度 途 上 国 における 適 応 対 策 への 我 が 国 企 業 の 貢 献 可 視 化 に 向 けた 実 現 可 能 性 調 査 事 業 最 終 報 告 書 コンソーシアム 名 または 企 業 団 体 名 事 業 名 三 洋 電 機 株 式 会 社 東 アフリカ 一 帯 における 旱 魃 がもたらす 社 会 的 課 題 解 決 に 貢 献 するソ ーラーランタンの 普 及 可 能 性 調 査 1. 本 事 業 の 目 的 1 将 来 の 事 業 の 目 的 ソーラーランタンの 市 場 および 販 売 チャネルを 確 立 することにより 旱 魃 により 増 加 する 難 民 の 生 活 環 境 の 改 善 に 寄 与 する なお この 取 り 組 みは ソーラーランタンの 普 及 を 契 機 として ソーラーランタンだけでなく 充 電 関 連 機 器 ( 携 帯 重 電 など)や ラジオなどの 家 電 製 品 など 住 民 が 近 代 的 な 生 活 を 送 る 上 での 基 盤 となる 製 品 等 の 普 及 の 拡 大 にも 資 するものであり レジリエンスの 向 上 に 貢 献 するものである 2 事 業 対 象 地 域 東 アフリカ 地 域 (ソマリア 難 民 に 焦 点 をあてながらも 東 アフリカ 地 域 全 体 への 適 応 可 能 性 を 模 索 する) 3 事 業 対 象 地 域 の 選 定 理 由 前 述 の 通 り 東 アフリカ 地 域 は 2011 年 に 大 規 模 な 旱 魃 被 害 を 被 った 中 でも 災 害 耐 性 が 脆 弱 なソマリア 南 部 の 住 民 が 生 活 環 境 の 悪 化 により 難 民 化 し ソマリア 国 内 外 へと 移 動 している ソマリアは 1991 年 以 来 20 年 間 内 戦 が 続 き 暫 定 政 府 の 統 治 は 首 都 モガティシの 一 部 のみ 武 装 した 住 民 が 海 賊 となって 各 国 の 船 舶 を 襲 撃 南 部 ではイスラム 武 装 勢 力 アルシャバーブが 住 民 を 抑 圧 し 国 際 テロ 組 織 も 潜 伏 西 欧 文 化 を 目 の 敵 にして 国 連 機 関 の 活 動 を 妨 害 している こうした 無 政 府 状 態 の 中 で 2011 年 に 過 去 60 年 間 で 最 悪 と 言 われる 大 規 模 旱 魃 が 発 生 したことにより ソマリ アだけで 400 万 人 以 上 ( 人 口 の 半 分 )が 被 災 し 内 戦 の 影 響 も 相 まって 150 万 人 の 国 内 避 難 民 が 発 生 した 現 在 でも 250 万 人 ( 人 口 の 30% 以 上 )の 人 々が 飢 饉 による 食 糧 支 援 を 必 要 としている 状 況 であり これら 難 民 が 多 く 存 在 するために 移 民 先 のコミュニティとの 衝 突 移 民 先 での 森 林 伐 採 等 の 自 然 資 源 の 減 少 も 指 摘 されてお り 気 候 変 動 に 起 因 する 被 害 が 多 様 化 している こうした 旱 魃 の 影 響 は 東 アフリカ 全 体 において 重 要 な 課 題 として 認 識 されているため 内 戦 の 影 響 があり 難 民 問 題 が 最 も 深 刻 であるソマリアを 中 心 としながらも 東 アフリカ 地 域 全 体 への 適 応 可 能 性 を 模 索 したい なお 東 アフリカ 地 域 全 体 への 適 用 可 能 性 においては 国 際 機 関 の 拠 点 が 集 積 するケニアにおいて 主 に 調 査 を 実 施 する 198

203 2. 課 題 (1) 国 際 機 関 と 連 携 する 上 での 課 題 1.ソマリアにおいては ソーラーランタンという 灯 り(ソリューション)が 存 在 しないか 存 在 しても 中 国 やインドの 粗 悪 品 が 大 部 分 であったため ソーラーランタンそのものがソマリア 避 難 民 に 受 け 入 れられるかどうか 2.ソマリアで 避 難 民 を 支 援 する 活 動 を 行 っている 国 際 機 関 が 認 識 する 社 会 的 課 題 に 対 し ソーラーランタンを 導 入 することによって 具 体 的 な 改 善 効 果 があるかどうか (2) 販 売 上 の 課 題 持 続 可 能 なビジネスモデルを 構 築 する 上 で 主 な 課 題 は 下 記 のとおり 複 数 の 課 題 が 相 互 に 影 響 しあっている 状 況 である 1. 東 アフリカの 避 難 民 を 含 む 貧 しい 人 々へ 直 接 リーチできる 販 売 網 が 存 在 しない (スーパーマーケットなど 既 存 の 家 電 販 売 ルートは 機 能 しない ) 2. 当 該 地 域 に 暮 らす 住 民 の 所 得 水 準 は 極 めて 低 く 数 十 ドルレベルの 商 品 を 現 金 の 一 括 払 いで 購 入 できる 層 は 極 めて 限 られている そこで 融 資 及 びその 他 の 借 入 / 分 割 払 いが ソーラーランタンの 普 及 には 必 要 になる が 今 のところ そういった 仕 組 みのソーラーランタンへの 適 用 可 能 性 は 限 定 されている また そうした 消 費 者 が 商 品 を 購 入 する 零 細 な 商 店 においても 同 様 に 商 品 を 仕 入 れるための 資 金 繰 りの 問 題 があり それに 対 する 融 資 及 びその 他 借 入 / 分 割 払 いの 仕 組 みが 必 要 になる 3. 今 のところ ソーラーランタンが 販 売 されているのは 比 較 的 大 きな 都 市 にある 中 高 級 スーパーマーケットに 限 られているため 無 電 化 地 域 の 消 費 者 はソーラーランタンとういう 商 品 そのものを 知 らない また スーパーで 販 売 されているソーラーランタンは 中 国 製 インド 製 が 大 部 分 であるが 直 ぐに 壊 れてしまう 粗 悪 品 が 殆 どである ただ 紙 に 書 いたスペックを 見 ただけでは 当 社 製 品 と 遜 色 ないため 製 品 としての 差 別 化 が 困 難 である 4. 上 記 のように 今 の 市 場 には 粗 悪 品 が 大 部 分 であるため ソーラーランタンという 製 品 に 対 する 消 費 者 の 信 用 そのものが 失 われている (3) 商 品 企 画 上 の 課 題 ( 弊 社 ) 1. 中 国 製 インド 製 に 対 する 製 品 としてのパフォーマンスはキープする 必 要 がある 一 方 で 現 地 消 費 者 に 受 け 入 れられる 価 格 設 定 は 事 業 化 の 絶 対 条 件 であり パフォーマンスと 価 格 のバランスをどのように 実 現 するか 2. 中 国 製 インド 製 といえども 性 能 的 にはこれからキャッチアップしてくると 思 われ 比 較 優 位 を 保 っている 間 に 商 品 化 を 急 ぐ 必 要 がある 199

204 3. 課 題 解 決 の 方 向 性 (1) 国 際 機 関 と 連 携 する 上 での 課 題 解 決 IOM( 国 際 移 民 機 関 )の 協 力 を 得 て 当 社 製 ソーラーランタン 1,480 台 をソマリア 避 難 民 で 試 用 してもらいながら 社 会 課 題 の 具 体 的 改 善 効 果 を 測 定 する (2) 販 売 上 の 課 題 解 決 (ケニア) 前 述 の 課 題 に 対 する 解 決 策 として 以 下 を 検 討 する 1. 東 アフリカの 無 電 化 地 域 の 隅 々にまで 存 在 するネットワークとして 教 育 ( 学 校 )が 存 在 する 教 育 とソーラーラン タンの 親 和 性 は 高 く これを 販 売 網 として 活 用 する 2. 分 割 払 いを 可 能 にすることにより 購 買 意 欲 が 向 上 する 事 を 検 証 する また 製 品 需 要 が 確 認 された 場 合 各 販 売 拠 点 において 運 転 資 本 補 強 のための 銀 行 融 資 が 可 能 かどうか 確 認 する ( 特 に 私 立 校 のネットワークを 販 売 網 として 活 用 する 場 合 通 常 の 学 校 経 営 においてすでに 銀 行 との 取 引 があり ランタン 販 売 のための 追 加 運 転 資 本 の 調 達 が 公 立 校 よりはスムーズではないかと 予 測 される ) 3.マーケティング 活 動 及 び 消 費 者 教 育 に 関 し 下 記 を 実 施 する - 製 品 デモンストレーション( 日 中 夜 間 及 び 日 中 の 遮 光 した 部 屋 で) - 夜 間 学 校 での 使 用 ( 但 し 夜 間 まで 子 供 を 学 校 に 置 かせたくない 親 が 多 く あまり 効 果 がない ) - 安 価 でのレンタル 及 び 無 料 トライアル -ランタンの 効 果 についての 教 育 ( 例 : 灯 油 ランプからの 切 り 替 えによる 節 約 効 果 を 算 数 教 育 に 織 り 込 む) 4. 製 品 スペック 及 び 東 アフリカの 貧 困 層 に 適 応 した 価 格 設 定 の 困 難 さに 関 しては パイロット 事 業 の 実 施 を 通 じ 販 売 実 績 及 びアンケートにより 適 正 価 格 範 囲 を 調 査 する (3) 商 品 企 画 上 の 課 題 上 記 マーケティング 活 動 からのフィードバックを 通 じ 価 格 仕 様 上 のターゲットを 定 め その 実 現 可 能 性 を 追 求 す る 200

205 4. 調 査 結 果 (1) 現 地 ユーザーニーズの 把 握 1. パイロット 企 画 及 びパートナー 選 定 10 月 に 政 府 学 校 団 体 及 びその 他 の 団 体 とのミーティングを 行 う パートナーとして UWEZO( 学 生 の 習 得 度 測 定 を 行 う NGO) 及 び KISA( 私 立 校 団 体 )を 選 定 これら 2 団 体 とともにパイロットの 拠 点 となる 学 校 を 3 校 選 定 ( 都 市 部 都 市 周 辺 部 及 び 農 村 部 ) 2. デモ 用 ランタンの 配 布 (パイロット 開 始 ) 11 月 に 3 拠 点 すべてを 訪 問 しパイロットの 可 能 性 を 吟 味 の 上 デモ 用 のランタンを 配 布 3. 需 要 に 基 づくランタンの 配 布 (パイロットの 拡 大 ) 2013 年 1 月 31 に 日 現 在 で 12 個 のランタンが 販 売 され 2 件 の 注 残 が 入 っている 尚 販 売 に 関 する 費 用 は 弊 社 が 負 担 したものである 4. 主 要 指 標 及 びユーザーコメントの 収 集 ( 以 下 6 参 照 ) 5. 必 要 に 応 じたパイロット 企 画 の 調 整 以 下 の 2 点 の 調 整 が 行 われた パイロット 拠 点 の 再 選 定 ( 当 初 選 定 された 3 拠 点 のうち 2 拠 点 での 実 施 見 通 しが 困 難 となったた め 新 たに 2 拠 点 を 選 定 都 市 部 都 市 周 辺 部 及 び 農 村 部 という 3 つの 異 なる 類 の 拠 点 をカバ ーする 方 針 は 変 わらない )このため 最 終 的 なパイロット 拠 点 は 下 記 のとおりとなる o Bensesa(KISA ネットワーク 内 の 私 立 校 ナイロビ 市 ダゴラティ( 都 市 部 )) o Hope Community Center(Uwezo ネットワークの 団 体 キアンブ 郡 ジュジャ( 都 市 周 辺 部 )) o Tahidi Youth Development and Empowerment Organization(Uwezo ネットワークの 団 体 キチュイ 郡 ムウィンギ( 農 村 部 )) -パイロット 期 間 の 見 直 し(ランタン 現 物 のナイロビ 到 着 が 予 定 より 遅 れたため 開 始 及 び 終 了 時 期 を 先 に 延 ばした ) 6. 主 要 指 標 及 びユーザーコメントの 再 収 集 調 査 項 目 目 的 1- 適 正 価 格 の 把 握 調 査 結 果 : 多 くの 消 費 者 にとって 約 Ksh3,000 が 上 限 と 見 られる 根 拠 : 下 記 消 費 者 サーベイ 結 果 に 基 づく なお 実 際 の 販 売 注 文 における 販 売 価 格 も 参 考 としたが( 上 限 Ksh3,050) サンプル 数 が 少 なく また 一 括 支 払 い 割 賦 支 払 いが 混 合 していること また 割 賦 支 払 いにおいては 起 業 家 がパイロットにおいては 十 分 な 価 格 交 渉 を 行 わなかったことから サーベイ 結 果 を 主 たる 根 拠 情 報 としている 消 費 者 が 考 える 適 正 価 格 (サーベイにより 聴 取 ) 約 半 数 が Ksh 3,000 と 回 答 30%が Ksh3,000 未 満 の 回 答 201

206 残 りが Ksh3,000-3,500 内 の 回 答 をしている 分 布 は 下 記 表 のとおり What price would you buy the lantern for when paying upfront? (Ksh) Number of respondents n/a なお 製 品 そのものだけではなく 消 費 者 側 の 事 情 ( 定 職 の 有 無 給 与 水 準 等 )も 消 費 者 が 回 答 する 価 格 に 影 響 を 与 えていることがサーベイ 結 果 から 判 明 している また これらはソーラーランタンによる 灯 油 ランプの 燃 料 代 節 約 効 果 の 教 育 を 教 育 を 実 施 する 以 前 且 つ 一 括 払 いにかかる 回 答 であり 消 費 者 教 育 や 分 割 払 いの 可 能 性 等 により 消 費 者 が 考 える 適 正 価 格 は 大 きく 変 化 する 点 認 識 されるべきである たとえば 以 下 の 方 策 により 購 買 支 払 い 意 欲 が 高 まることが 分 かった: 分 割 払 い 分 割 払 いの 場 合 3 ヶ 月 に 亘 ってなら Ksh4,000 まで 払 っても 良 いという 顧 客 が 68%い る 以 下 を 含 む 消 費 者 教 育 : ソーラーランタンによる 灯 油 代 及 び 携 帯 電 話 充 電 費 の 節 約 効 果 ( 約 7 ヶ 月 で Ksh3,500 約 8 ヶ 月 で Ksh4,000 の 節 約 )について 明 確 に 伝 えること レンタル 及 び 無 料 トライアルによる 製 品 使 用 付 属 品 複 数 の 電 話 を 充 電 するための USB ケーブルを 同 時 販 売 すること 調 査 項 目 目 的 2- 金 融 (Access to Finance)の 重 要 度 の 確 認 および 金 融 を 伴 った 場 合 の 適 正 価 格 の 把 握 調 査 結 果 :ソーラーランタン 販 売 にあたっては 金 融 ( 分 割 払 い)を 提 供 することが 非 常 に 重 要 であり また 金 融 を 202

207 提 供 することにより 消 費 者 が 適 正 と 考 える 製 品 価 格 が 大 きく 増 加 することが 確 認 された 根 拠 : 下 記 消 費 者 サーベイ 結 果 および 実 際 の 販 売 結 果 に 基 づく サーベイ 対 象 者 の 99%(サンプル 100)が 分 割 払 いを 希 望 確 定 した 販 売 の 100%(12 件 )が 分 割 払 い サーベイ 対 象 者 の 77%が 一 括 払 いの 場 合 は 価 格 上 限 を Ksh3,000 以 下 としている 一 方 で 68%が 3 ヶ 月 に 亘 る 分 割 払 いであれば Ksh4,000 支 払 う 意 欲 を 見 せた 一 括 払 いの 場 合 は 適 正 価 格 平 均 が 低 い 農 村 部 の 消 費 者 も 分 割 払 いであれば 都 市 部 消 費 者 と 同 様 の 額 を 支 払 う 意 欲 を 見 せた 2 月 までの 販 売 実 績 16 台 のうち15 台 が 割 賦 支 払 いにより 販 売 調 査 項 目 目 的 3- 消 費 者 の 製 品 知 識 レベルの 把 握 および 差 別 化 に 関 する 確 認 調 査 結 果 : 製 品 デモだけでは 販 売 には 至 らない マーケティング 及 び 消 費 者 教 育 が 重 要 であることが 確 認 された 根 拠 : 以 下 の 消 費 者 ヒアリング(ブランド 認 知 度 等 )および 節 約 効 果 にかかる 消 費 者 教 育 の 販 売 意 欲 増 加 効 果 実 験 に 基 づく 節 約 効 果 に 関 する 消 費 者 教 育 を 行 い その 前 後 で 適 正 価 格 の 調 査 を 行 ったところ 大 幅 な 増 加 が 確 認 された ( 節 約 効 果 測 定 方 法 については 以 下 参 照 ) ブランド 認 識 が 比 較 的 まだ 低 いため 低 コスト 低 品 質 の 製 品 との 差 別 化 が 困 難 である なお レンタルおよび 無 料 トライアルも 実 施 したが 本 パイロットにおいては 販 売 意 欲 増 加 への 効 果 を 測 定 する 段 階 にまだ 至 っていない 前 回 パイロットにおいてはレンタルモデルがマーケティング 効 果 を 発 揮 することが 確 認 され ている ( 参 考 ) 購 入 者 の 照 明 費 節 約 額 ( 購 入 者 数 がまだ 少 ないため 灯 油 ランプ 使 用 に 基 づく 実 験 データ 及 び 携 帯 電 話 充 電 費 に 係 るサーベイ 結 果 で 代 用 ) 一 日 あたり 節 約 額 : 約 Ksh18 [ 内 訳 ] 灯 油 ランプ 点 灯 のための 灯 油 代 Ksh13(4 時 間 点 灯 と 仮 定 灯 油 消 費 量 を 測 定 し 灯 油 の 市 場 価 格 を 基 に 費 用 を 算 定 ) 携 帯 電 話 充 電 費 :Ksh5(サーベイ 平 均 値 ) その 他 の 調 査 項 目 目 的 - 社 会 効 果 : 1 購 入 家 庭 における 児 童 学 習 時 間 販 売 台 数 がまだ 少 なく また 販 売 後 間 もないため 聴 取 できていない 但 し 2011 年 に JICA 支 援 によりナイロビ 大 東 京 大 と 共 同 で 実 施 した 調 査 結 果 では 子 供 が 家 で 4 時 間 以 上 勉 強 する 過 程 の 割 合 が 一 ヶ 月 で 12%から 33%に 増 加 した 203

208 2その 他 の 効 果 事 業 本 格 導 入 時 長 期 的 には Uwezo を 通 して 測 定 することが 可 能 と 考 えられる 例 : ランタン 使 用 による 健 康 への 害 の 削 減 ( 家 計 における 医 療 費 の 削 減 等 ) 児 童 学 業 習 得 度 の 向 上 (2) 現 地 国 際 機 関 のニーズ 把 握 1. 東 アフリカ 地 域 における 気 候 変 動 による 旱 魃 に 対 する 脆 弱 性 の 実 態 後 述 の6.-1を 参 照 2. 気 候 変 動 によって 増 大 する 社 会 課 題 としての 避 難 民 問 題 の 実 態 2011 年 7 月 東 アフリカの 一 地 域 である アフリカの 角 と 呼 ばれる ソマリア ジブチ エリトリア エチオピア ケ ニアが 60 年 に 一 度 といわれる 大 干 ばつに 見 舞 われ 国 連 により 飢 饉 の 発 生 が 宣 言 された この 地 域 は 元 々 乾 燥 した 土 地 が 多 く 人 々は 地 の 利 を 生 かし 時 折 来 る 旱 魃 にも 耐 え 日 々の 生 活 を 営 んでいた しかし 1980 年 代 には 7 年 に 一 度 の 頻 度 で 発 生 していた 旱 魃 が 近 年 では 2 3 年 に 一 度 起 こるようになり 2011 年 の 干 ばつは 近 年 まれに 見 る 災 害 となった 干 ばつにより 飢 饉 が 宣 言 されたピーク 時 には 1250 万 人 以 上 が 栄 養 失 調 により 命 の 危 険 にさらされ 最 終 的 には 5 万 から 10 万 人 もの 人 が 亡 くなったと 報 告 が 出 ている やぎ や 羊 らくだなどの 牧 畜 の 売 買 により 生 計 をたてていた 遊 牧 民 が 多 く 住 む 地 域 ではあったが 干 ばつの 影 響 でまず 彼 らが 所 有 する 牧 畜 の 多 くが 死 に 慣 れ 親 しんだ 生 活 を 捨 て 支 援 を 求 めて 隣 国 の 難 民 キャンプや 都 市 部 に 大 勢 の 避 難 民 が 流 れた 飢 饉 発 生 一 年 以 上 が 経 過 した 現 在 もなお 食 糧 住 居 医 療 といった 基 本 的 な 支 援 を 必 要 と する 人 々が ケニアに 220 万 人 ソマリアに 251 万 人 ジブチに 18 万 人 エチオピアに 320 万 人 いると 推 定 さ れている 1991 年 以 降 20 年 以 上 国 際 的 に 正 式 に 認 められた 政 府 が 存 在 せず 破 綻 状 態 が 続 いていたソマリアは 特 に 多 く の 人 々が 支 援 を 必 要 とする 状 況 に 陥 った 飢 饉 の 発 生 が 宣 言 されて 以 降 2011 年 には 29 万 人 以 上 の 人 々がケ ニア エチオピア イエメン ジブチといった 周 辺 国 そしてさらに 国 境 を 越 え エジプト エリトリア ウガンダ タン ザニア 南 アフリカと 言 った 国 々に 流 出 した 2012 年 にも 77,000 ものソマリア 人 が 難 民 登 録 を 行 っており 現 在 100 万 人 以 上 ものソマリア 難 民 が 周 辺 国 暮 らしている また ソマリア 国 内 の 都 市 部 にも 130 万 人 以 上 のの 国 内 避 難 民 が 集 まった 彼 らは UNHCR が 建 設 したキャンプ ではなく 自 主 的 に 都 市 周 辺 に 居 住 区 を 形 成 し 劣 悪 な 環 境 で 暮 らしている 特 に 首 都 であるモガディシュ 市 には 旱 魃 の 影 響 により 多 くの 人 々が 流 入 した 204

209 2011 年 モガディシュ 市 国 内 避 難 民 避 難 理 由 (UNHCR が 把 握 した 85,000 人 の 回 答 による) その 他 1% 国 内 避 難 民 避 難 理 由 家 畜 の 喪 失 8% 治 安 の 悪 化 15% 旱 魃 の 発 生 76% 出 所 :UNHCR (2011). IASC Population Movement Tracking Data UNHCR が 避 難 民 の 移 動 地 域 の 特 定 のため 毎 月 発 表 しているソマリアの 人 口 動 態 調 査 結 果 によると 2012 年 初 めに 飢 饉 の 終 焉 が 宣 言 されたにもかかわらず 2012 年 末 時 点 で 未 だ 110 万 人 以 上 がこのような 国 内 避 難 民 居 住 区 に 留 まっているとの 結 果 が 出 ている 特 にモガディシュ 市 への 流 入 は 顕 著 で 2012 年 1 月 に 18 万 5 千 人 だ った 国 内 避 難 民 の 数 は 12 月 には 倍 の 37 万 人 まで 増 加 している 3. 避 難 民 の 生 活 環 境 の 劣 悪 さを 示 す 指 標 ( 暴 力 件 数 など) ソマリアにおいて 暴 力 の 実 態 を 正 確 に 示 すデータは 未 だ 収 集 されていない しかし 2009 年 2010 年 に 国 連 開 発 計 画 (UNDP) 国 連 ソマリア 政 務 事 務 所 (UNPOS) 国 連 女 性 機 関 (UN WOMEN)により 国 内 五 箇 所 (ボサソ ブラオ ガルカイヨ ラスアノッド モガディシュ)で 実 施 された 調 査 より 以 下 の 報 告 がなされている ( 調 査 はサーベ イ 収 集 フォーカスグループディスカッション(FGD) キー インフォーマント インタビュー(KII)を 通 して 実 施 ) 205

210 性 暴 力 被 害 者 の 年 齢 層 ( 地 域 別 ) 7 6 # of Females Bossaso Burao Galkayo Las Anod Mogadishu Age (years) 出 所 :UNDP, UNPOS, UN Women (2012). Violence in the Lives of Girls and Women in the Somali Republic 2008 年 ー2009 年 の 一 年 間 で 128 件 の 女 性 女 子 に 対 する 暴 力 が 報 告 プントランドで 367 人 の 女 性 に 対 し 実 施 された 調 査 では 27.5%が 身 体 的 虐 待 を 受 けていると 報 告 暴 力 の 種 類 としては 殴 る 蹴 る はたく 押 す 焼 く 石 を 投 げる 銃 で 撃 つなど 性 的 暴 力 は 幅 広 く 起 こっており 日 常 茶 飯 事 となっている 2011 年 7 月 から 2012 年 7 月 までの 一 年 間 でガルカイヨの 国 内 避 難 民 居 住 地 域 にて 84 件 ( 月 平 均 7 件 )のレイプが 報 告 されている 収 入 がなく 貧 しい 家 庭 の 女 性 ほど 性 的 暴 力 に 脆 弱 である 性 的 暴 力 の 約 59%が 夜 間 に 起 こっており FGD でも レイプはほとんど 夜 間 に 起 こっている との 報 告 が 上 げられている 暗 い 道 広 場 藪 など 人 気 がなく 隔 離 された 場 所 で 最 も 襲 われる 頻 度 が 高 い 12 性 暴 力 被 害 にあった 時 間 帯 ( 地 域 ごと) 10 # of Females Morning Afternoon Evening Time of Day Bossaso Burao Galkayo Las Anod Mogadishu 出 所 :UNDP, UNPOS, UN Women (2012). Violence in the Lives of Girls and Women in the Somali Republic 4. 避 難 民 の 増 加 により 引 き 起 こされる 森 林 伐 採 等 の 自 然 資 源 の 減 少 や 原 住 民 との 紛 争 などの 社 会 問 題 の 実 態 206

211 ソマリアは 637,700 km²といわれる 広 大 な 国 土 を 持 つ 国 である しかし 森 林 があるのはこのうちわずか 2.4%の みで 60%は 低 木 がまばらに 広 がるサバンナ そしてその 他 は 樹 木 が 全 く 育 たない 砂 漠 が 広 がっている(UNEP (2005). The State of the Environment in Somalia) 人 々は 元 来 限 られた 資 源 を 共 有 し 生 活 してきたが 気 候 変 動 により 近 年 徐 々に 悪 化 の 一 途 をたどっている 干 ばつの 影 響 によりそのバランスが 崩 れてきている 2011 年 に 発 生 した 60 年 に 一 度 と 言 われる 大 干 ばつは 更 にその 資 源 を 減 少 させ 飢 饉 が 発 生 多 くの 難 民 およ び 国 内 避 難 民 を 生 み 出 す 結 果 となった ソマリア 人 の 多 くは 薪 や 炭 を 料 理 や 灯 りために 使 用 し 薪 拾 いは 日 常 活 動 の 一 部 となっている 収 入 源 が 限 られていることもあり 移 動 先 の 難 民 キャンプおよび 国 内 避 難 民 居 住 地 域 で も 資 源 が 限 られており 薪 を 手 に 入 れるために 一 日 の 大 半 を 費 やそうとも 同 様 の 活 動 を 続 けている しかし 元 々その 土 地 に 住 んでいた 地 元 住 民 もおり 限 られた 資 源 を 巡 って 彼 らと 対 立 している 地 域 が 多 数 存 在 してい る 薪 拾 い 中 に 地 元 住 民 に 襲 われたという 事 例 は 多 く 報 告 されており 中 には 殺 害 まで 至 ったケースも 報 告 されて いる 現 在 世 界 最 大 と 言 われているケニアのソマリア 国 境 に 接 するダダーブ 難 民 キャンプは 最 も 顕 著 に 地 元 住 民 との 対 立 が 顕 在 化 している 地 域 の 一 つである 本 来 は 9 万 人 を 対 象 にした 難 民 キャンプが 国 連 により 建 設 されてい た 2011 年 7 月 時 点 でこの 難 民 キャンプには 30 万 人 もの 難 民 が 暮 らしており 既 に 超 過 状 態 であった ここに 大 干 ばつの 影 響 により 数 ヶ 月 のうちに 16 万 人 もの 難 民 が 押 し 寄 せ 現 在 は 45 万 人 の 難 民 が 暮 らしている そし て この 45 万 人 の 難 民 に 対 し 各 国 際 機 関 多 数 の NGO が 結 集 し 支 援 を 行 っている ソマリアから 逃 げてきた と 伝 えるだけで 水 食 糧 配 給 医 療 教 育 など 様 々なサービスを 無 料 で 受 けることができ NGO などで 働 くこと ができるうえに 地 元 の 資 源 を 壊 滅 的 に 奪 っていく 難 民 に 対 しヤギや 羊 ラクダの 放 牧 を 生 活 の 糧 とする 地 元 住 民 は 快 く 思 っておらず 頻 繁 に 難 民 が 襲 われている 難 民 を 職 員 として 雇 用 して 運 営 されていたある NGO の 工 場 では 地 元 の 若 者 グループが 彼 らの 雇 用 を 訴 えナイフ や 斧 を 持 って 武 装 し 工 場 に 押 し 入 るという 事 件 が 起 こっている 職 員 の 難 民 の 数 人 が 怪 我 を 負 い 最 終 的 に 工 場 は 閉 鎖 雇 用 していた 難 民 も 解 雇 せざるを 得 ない 状 況 に 陥 った 難 民 の 数 が 増 えるにつれ 同 様 な 事 件 が 頻 発 す るようになっている 207

212 5. 指 標 ( 方 法 論 )とベースラインデータ 東 アフリカの 避 難 民 に 対 する 可 能 性 調 査 1. ベースライン 調 査 ~ 気 候 変 動 問 題 の 全 体 把 握 / 大 規 模 旱 魃 による 避 難 民 問 題 の 把 握 ~ アフリカ 東 部 ソマリア ジブチ エリトリア エチオピア ケニアを 含 む アフリカの 角 と 呼 ばれる 地 域 は 元 来 の 過 酷 な 自 然 環 境 に 加 え ソマリアの 内 戦 エチオピアとエリトリア 間 の 対 立 エチオピア ソマリア 間 の 紛 争 などの 政 情 不 安 により 長 年 苦 しめられてきた このような 地 域 に 2011 年 気 候 変 動 の 影 響 により 60 年 に 一 度 と 言 われる 大 干 ばつが 発 生 国 連 により 飢 饉 が 宣 言 された 飢 饉 により 5 万 10 万 人 もの 人 々が 命 を 落 とし 一 時 は 1300 万 人 を 越 える 人 々が 緊 急 支 援 を 必 要 とするとする 状 態 になった ソマリアはこの 干 ばつの 被 害 の 影 響 から 未 だに 苦 しんでいる 国 である 大 干 ばつ 発 生 後 一 年 半 2012 年 11 月 現 在 も ソマリア 国 内 では 110 万 人 から 136 万 人 もの 国 内 避 難 民 が 存 在 し 周 辺 諸 国 へ 逃 れた 難 民 も 100 万 人 以 上 もの 人 々と 合 わせると 230 万 人 以 上 の 人 々が 国 内 避 難 民 居 住 地 域 や 難 民 キャンプといった 劣 悪 な 環 境 で 暮 らしている また 昨 年 に 引 き 続 き 降 雨 量 が 低 く 推 移 しており 食 料 価 格 は 高 騰 370 万 人 もの 人 々が 人 道 支 援 が 必 要 な 状 態 である ガロウェ 基 礎 調 査 結 果 ガロウェ(Garoowe) ガロウェは 人 口 57 万 人 を 擁 するソマリア プントランドの 行 政 上 の 首 都 である 人 口 5 万 7 千 人 を 擁 するプントラ ンド 第 三 の 都 市 である ガロウェ 周 辺 には 複 数 の 国 内 避 難 民 居 住 地 域 が 点 在 しており その 中 のジョウレおよびシ ャベレ 国 内 避 難 民 居 住 地 域 にて 調 査 を 実 施 した ジョウレ 地 域 には 約 1250 世 帯 約 6,800 人 シャベレ 地 域 には 約 400 世 帯 約 3,100 人 が 在 住 している 調 査 は 国 際 移 住 機 関 職 員 により 国 内 避 難 民 居 住 地 域 の 女 性 コミュニティリーダー(5 名 )へのインタビューおよび 国 内 避 難 民 居 住 地 域 の 女 性 グループでのフォーカスグループディスカッション(14 名 が 参 加 )を 通 して 行 われた 208

213 質 問 項 目 コミュニティーリーダーへの 質 問 1. 国 内 避 難 民 居 住 地 域 人 口 を 教 えてください 可 能 であれば 男 女 それぞれの 人 口 も 教 えてください 2. 国 内 避 難 民 居 住 地 域 で 現 在 暮 らしている 人 々はどのぐらいの 頻 度 で 移 動 していますか? 3. 各 世 帯 の 一 日 ごとの 収 入 はを 教 えてください どのように 収 入 を 得 ていますか? 収 入 は 支 出 をカバ ーできていますか? 本 業 以 外 に 収 入 源 はありますか? 4. 過 去 一 年 で 何 件 性 暴 力 事 件 が 起 こっていますか?それはどのような 状 況 で 起 こっていますか? 具 体 的 に 教 えてください 5. 国 内 避 難 民 居 住 地 域 に 自 治 組 織 はありますか?もしある 場 合 どのような 組 織 が 作 られています か? 組 織 には 何 名 のメンバーがいますか( 男 女 それぞれの 人 数 も)? 自 治 組 織 はコミュニティの 中 で どのような 役 割 を 担 っていますか? 6. 国 内 避 難 民 居 住 地 域 内 で 医 療 サービスを 受 けられますか( 移 動 式 クリニックや 訪 問 診 療 なども 含 め)?もし 受 けられる 場 合 どのようなサービスを 受 けられますか( 一 次 診 療 栄 養 指 導 など)?も し 受 けることができていない 場 合 住 民 は 医 療 サービスを 受 けるためにどこまで 行 っていますか? 7. 性 暴 力 被 害 者 に 対 し 心 理 社 会 的 なサポートを 提 供 しているところはありますか?もしサービスがあ る 場 合 どのようなサービスを 受 けることができていますか? 8. 性 暴 力 被 害 を 減 少 させるためにどのような 介 入 が 必 要 だと 思 いますか? 灯 りの 提 供 は 効 果 がある と 思 いますか? 9. ソーラーランタンの 性 暴 力 被 害 減 少 効 果 を 調 査 に 来 る 調 査 チームにどのような 協 力 をしていただけ ますか? 調 査 に 対 して 住 民 はどのように 受 け 取 ると 思 われますか? 調 査 チームを 危 険 にさらさない ためにどのようなセキュリティを 設 置 する 必 要 があると 思 われますか? フォーカスグループディスカッション 1. 性 暴 力 被 害 にあった 際 に 心 理 社 会 的 なサポートを 受 けたことがある または 受 けたことがあるという 人 を 知 っていますか?サポートはどのようなものでしたか? 2. あなた 方 が 住 むコミュニティにコミュニティ 開 発 委 員 会 はありますか?もしある 場 合 は 委 員 会 はどのよ うな 役 割 を 担 っていますか?メンバーは 何 名 いますか( 男 女 それぞれの 人 数 も 聞 く)?もし 委 員 会 が 行 った 活 動 で 成 功 した 例 があれば 教 えてください 3. どうすれば 性 暴 力 被 害 が 減 ると 思 いますか? 灯 りの 存 在 は 性 暴 力 被 害 減 少 に 効 果 があると 思 いま すか?もし 効 果 があると 思 う 場 合 どのような 種 類 の 灯 りが 効 果 がと 思 いますか( 懐 中 電 灯 街 灯 ソーラーランタン ケロシンランプ etc)? 209

214 結 果 1 収 入 就 労 者 の 一 日 の 平 均 収 入 は 約 4 米 ドル 女 性 の 多 くはガロウェ 市 内 の 家 庭 にて 掃 除 や 洗 濯 ゴミ 収 集 を 行 い 収 入 を 得 ている また キャンプ 内 で 小 規 模 の 売 店 を 運 営 し 収 入 を 得 ている 女 性 もいる また 男 性 は 建 設 現 場 での 労 働 および 運 搬 作 業 に 従 事 している しかし 家 族 を 養 うには 十 分 な 収 入 とは 言 えない 2 公 共 サービス 水 道 保 健 医 療 施 設 学 校 栄 養 指 導 といった 公 共 サービスは 存 在 しない NGO による 単 発 的 に 子 供 や 妊 産 婦 に 向 けた 栄 養 指 導 やワクチン 接 種 の 実 施 されているが 定 期 的 なサービスは 行 われていない 3 灯 りの 利 用 夜 間 は 売 店 等 からの 灯 りが 唯 一 の 光 源 である 各 家 庭 では 灯 りを 持 っておらず ろうそくも 日 常 的 には 使 用 していない 4 自 治 システム 地 域 の 長 老 たちにより 組 織 された 委 員 会 によりコミュニティの 統 治 が 行 われており 男 性 女 性 両 方 を 含 め た 若 手 の 委 員 会 により 居 住 地 域 内 での 様 々な 啓 発 活 動 を 行 っている 外 部 との 渉 外 は 若 手 が 担 ってい る 2. 指 標 ( 方 法 論 ) ~ ソーラーランタンに 対 する 社 会 課 題 問 題 の 効 果 測 定 ~ 1 調 査 目 的 ソーラーランタンの 国 内 避 難 民 居 住 地 域 における 性 暴 力 予 防 効 果 およびソーラーランタンの 適 応 可 能 性 を 測 定 する 2 調 査 方 法 以 下 三 つの 方 法 を 用 い 調 査 目 的 を 実 施 二 つの 国 内 避 難 民 居 住 地 域 にて 1200 世 帯 を 対 象 に 質 問 表 を 用 いインタビューを 実 施 ベースラ イン 調 査 を 実 地 直 後 600 世 帯 にソーラーランタンを 配 布 し 6 ヶ 月 後 に 追 跡 調 査 を 実 施 予 定 コミュニティリーダー 男 性 女 性 男 子 女 子 五 つのフォーカスグループディスカッションを 行 い 性 暴 力 の 被 害 状 況 およびソーラーランタンに 対 する 意 見 を 収 集 キー インフォーマント インタビューを 実 施 し 地 域 の 治 安 に 関 する 情 報 を 収 集 3 調 査 時 期 1) ベースライン 調 査 :2012 年 12 月 10 日 -12 月 26 日 2) ポストインターベンション 調 査 :2013 年 1 月 210

215 3) フォローアップ 調 査 :2013 年 6 月 A B C D E F 4 調 査 項 目 インプット アウトプット アウトカム 対 象 者 のデモグ 対 象 者 の 性 別 教 育 レベルといった 基 本 情 報 の ラフィック 把 握 所 得 改 善 効 果 の エネルギー 支 出 の 減 少 ( 可 処 分 所 得 の 増 大 ) 測 定 調 理 の 際 の 太 陽 光 エネルギーの 薪 など 森 林 伐 採 の 減 少 導 入 灯 りとしてのソー 子 供 の 学 習 時 間 の 増 加 夜 なべ 仕 事 による 収 ラーランタンの 活 入 増 用 居 住 地 域 のセキ 避 難 民 居 住 地 域 における 治 安 の 改 善 性 暴 力 ュリティーとしての の 減 少 活 用 健 康 改 善 の 効 果 灯 油 ランプの 煙 による 健 康 被 害 の 減 少 火 事 に 測 定 よる 被 害 者 の 減 少 ソーラーランタン 導 入 により 経 済 的 自 立 クリーンエネルギー 導 入 による 自 然 環 境 改 善 ソーラーランタン 導 入 により 経 済 的 自 立 ソーラーランタン 導 入 による 経 済 的 自 立 ( 特 に 女 性 ) ソーラーランタン 導 入 による 経 済 的 自 立 5 評 価 方 法 ベースライン 調 査 ( 事 業 実 施 前 )とポストインターベンション 調 査 ( 事 業 実 施 後 ) およびフォローアップ 調 査 を 通 して コホート 調 査 ( 追 跡 調 査 )を 行 い 各 対 象 者 の 変 化 を 評 価 特 に 項 目 D および E の 結 果 を 比 較 することによって ソ ーラーランタンの 効 果 を 測 定 211

216 6. 適 応 対 策 において 今 後 見 込 める 成 果 の 調 査 項 目 に 対 する 目 標 は 以 下 の 通 り A) 対 象 者 のデモグラフィック 性 別 結 婚 の 有 無 子 供 の 数 教 育 レベルといった 対 象 者 の 背 景 情 報 に 加 え 家 庭 の 収 入 源 家 屋 の 状 況 国 内 避 難 民 居 住 地 域 での 在 住 期 間 も 確 認 することで 国 内 避 難 民 が 置 かれている 状 況 をデータとして 確 保 する B) 世 帯 収 入 および 歳 出 各 家 庭 の 月 々の 収 入 と 具 体 的 な 歳 出 項 目 を 確 認 することで ソーラーランタンの 購 買 可 能 性 を 評 価 そして 購 買 希 望 価 格 も 確 認 することで 商 品 の 価 格 設 定 の 際 に 参 考 となる C) 料 理 に 利 用 するエネルギー 源 について 実 際 利 用 しているエネルギー 源 を 確 認 することで 薪 伐 採 による 環 境 破 壊 の 可 能 性 を 評 価 D) 灯 りに 利 用 するエネルギー 源 について 現 在 利 用 している 灯 りの 種 類 や 利 用 状 況 ( 灯 かりの 種 類 灯 かり 利 用 に 対 する 歳 出 等 )を 確 認 す ることで 競 合 製 品 との 比 較 優 位 性 を 確 認 E) 居 住 地 域 のセキュリティについて 現 在 の 治 安 状 況 を 確 認 し ソーラーランタン 配 布 後 半 年 後 に 収 集 したデータと 比 較 し 性 暴 力 等 の 予 防 効 果 を 確 認 F) 健 康 関 連 情 報 国 内 避 難 民 がどのような 健 康 状 態 にあり どのような 医 療 サービスを 受 けているかをの 情 報 を 収 集 し 支 援 の 現 状 とニーズのギャップを 探 る 本 調 査 では A-D の 調 査 項 目 によりソーラーランタンの 適 応 可 能 性 および 販 売 モデル 確 立 への 基 本 情 報 を 収 集 し E-F の 調 査 項 目 にて 暴 力 等 の 被 害 の 状 況 を 調 査 の 前 後 で 比 較 することにより ソーラーランタンによる 予 防 の 効 果 を 確 認 し 関 連 する 支 援 の 改 善 も 目 指 す 2013 年 1 月 末 時 点 での 判 明 事 項 は 以 下 ( 中 間 調 査 ) 調 査 方 法 :ソーラーランタンの 配 布 一 ヵ 月 後 配 布 した 家 庭 に 対 し 質 的 調 査 ( 何 らかの 一 定 の 社 会 的 な 体 験 を 有 している(あるいは 有 した) 少 数 の 限 られた 人 びと( 標 本 あるいは 被 調 査 者 )を 対 象 にいわゆるアンケート 調 査 など 量 的 調 査 のような 定 まった 形 式 をもたずに 洞 察 的 な 解 釈 によって 意 味 連 関 的 に 分 析 する 社 会 調 査 )を 実 施 明 か りの 利 用 ソーラーランタンの 利 用 およびセキュリティに 関 する 7 項 目 を 質 問 1 番 3 番 はベースライン 調 査 の 質 問 項 目 D との 比 較 4 番 6 番 は 質 問 項 目 E との 比 較 そして 7 番 は 質 問 項 目 F との 比 較 を 目 的 としている(ベー スライン 調 査 の 質 問 項 目 A B C は 調 査 対 象 者 の 背 景 の 確 認 を 目 的 としており 比 較 項 目 となっていない) 1) ソーラーランタン 受 け 取 り 前 の 明 かりの 利 用 (D) 懐 中 電 灯 ケロシンランプ そして 薪 を 利 用 懐 中 電 灯 ケロシンランプを 利 用 していた 家 庭 は 夜 間 外 出 する 際 や 寝 る 前 の 準 備 のときなど 212

217 必 要 最 低 限 のみ 明 かりを 利 用 2) ソーラーランタンとの 比 較 (D) ソーラーランタンは 一 晩 中 明 かりを 点 すことができる 夜 間 に 家 族 が 顔 を 合 わすことができるので 家 庭 内 のコミュニケーションが 向 上 した 電 池 ( 月 20 ドル)やケロシン( 月 15 ドル)を 買 う 必 要 がないので 家 計 に 助 かる 薪 拾 いに 行 く 必 要 がなくなったため 襲 われる 心 配 がなくなった 3) ソーラーランタンの 効 果 (D) 夜 間 子 供 たちが 勉 強 することができる 夜 間 に 宗 教 指 導 者 の 方 と 地 域 の 人 を 呼 び お 祈 りすることができるようになった 夜 間 にお 祈 りすることができるようになった 日 中 忙 しい 夫 が 子 供 たちとコミュニケーションを 取 れる 時 間 が 増 えた 夜 間 ランタンのおかげで 安 全 な 出 産 をすることができた 以 前 は 学 校 から 帰 宅 後 母 の 手 伝 いをしている 間 に 日 が 暮 れてしまって 勉 強 することができ なかったが ランタンのおかげで 母 の 手 伝 いと 勉 強 の 両 方 ができるようになった 4) コミュニティにおける 治 安 状 況 (D) 夜 間 のギャングによる 強 盗 夜 間 の 窃 盗 夜 間 の 女 性 に 対 する 身 体 的 暴 力 性 的 暴 力 5) 被 害 にあった 際 の 対 応 (E) 警 察 に 報 告 しかし 警 察 は 通 常 何 もしてくれない コミュニティリーダーに 報 告 6) 被 害 を 防 ぐための 方 法 (E) 明 かりさえあれば 被 害 から 防 ぐことができる 地 域 の 連 携 を 強 化 地 域 と 警 察 で 情 報 を 共 有 し 協 力 して 対 応 7) 被 害 にあった 際 のコミュニティのサポート 状 況 (F) 被 害 にあっても 周 りには 伝 えない 治 療 が 必 要 な 場 合 コミュニティ 内 で 寄 付 を 募 り 病 院 へいくため 募 金 を 集 める NGO がカウンセリングを 実 施 213

218 7) バングラデシュ 国 塩 害 地 域 での 緑 豆 生 産 の 事 業 化 可 能 性 調 査 ( 雪 国 まいたけ) 平 成 24 年 度 途 上 国 における 適 応 対 策 への 我 が 国 企 業 の 貢 献 可 視 化 に 向 けた 実 現 可 能 性 調 査 事 業 最 終 報 告 書 コンソーシアム 名 または 企 業 団 体 名 事 業 名 株 式 会 社 雪 国 まいたけ バングラデシュ 国 塩 害 地 域 での 緑 豆 生 産 の 事 業 化 可 能 性 調 査 1. 本 事 業 の 目 的 (1) 背 景 弊 社 は 従 来 よりバングラデシュにおいてJETRO JICAの 支 援 を 得 てモヤシの 原 材 料 とな る 緑 豆 栽 培 事 業 を 展 開 してまいりました JETROとは 2010 年 度 開 発 輸 入 企 画 実 証 事 業 に 案 件 採 択 され バングラデシュでのモ ヤシ 種 子 栽 培 の 可 能 性 を 実 証 しました JICAとは 2011 年 度 BOPビジネス 連 携 促 進 に 案 件 採 択 され 緑 豆 生 産 の 体 制 構 築 事 業 準 備 調 査 を 現 在 推 進 しています 本 事 業 の 目 的 は 多 くの 栽 培 ノウハウを 活 用 することにより 単 位 あたりの 収 穫 量 を 増 加 させ 農 民 の 収 入 を 増 やすことです これまで 2 年 にわたる 実 証 栽 培 を 経 て 本 年 度 は 大 量 栽 培 にトライアルしました 結 果 は 従 来 の 平 均 収 穫 量 (1 ヘクタール 当 り 0.8ton~1ton)を 大 きく 上 回 り 平 均 で 150% の 収 穫 (1 ヘクタール 当 り 1.3ton~1.5ton)を 実 現 しました (2012 年 6 月 終 了 時 点 ) 全 収 穫 量 も 1,000 トンを 越 え 十 分 な 雇 用 と 収 入 を 実 現 しました これらを 実 現 するため 播 種 方 法 や 農 薬 肥 料 の 使 用 法 を 指 導 しました この 成 果 は バングラデシュ 政 府 からも 大 きな 評 価 を 得 ました 具 体 的 には 一 年 半 に 亘 る 交 渉 の 末 にバングラデシュ 政 府 内 の 商 務 省 から 日 本 向 けに 緑 豆 輸 出 許 可 (7/30 日 付 )が 下 り ましたが その 際 に 農 業 省 から 当 国 農 業 発 展 のため 南 地 区 塩 害 地 域 での 栽 培 にも 協 力 し て 欲 しいとの 依 頼 を 受 けています (2) 本 事 業 の 目 的 第 一 フェーズとして 組 織 的 に 大 量 栽 培 することを 目 標 にビジネスを 展 開 してきましたが 今 回 の 成 果 を 受 けて 前 述 のとおり 現 地 農 業 省 より 南 部 の 沿 岸 地 帯 で 緑 豆 栽 培 の 可 能 性 を 調 査 して 欲 しいとの 依 頼 を 受 けました 214

219 土 地 の 少 ないバングラデシュでは 南 部 の 沿 岸 地 方 で 収 穫 可 能 な 農 作 物 を 収 穫 できるように することは 喫 緊 の 課 題 であります 当 地 は 海 に 近 いため 従 来 から 塩 害 の 影 響 を 受 け 続 けて きました 気 候 変 動 による 海 水 面 の 上 昇 が 進 行 する 中 このリスクは 益 々 深 刻 化 しています この 地 において 農 作 物 栽 培 の 可 能 性 が 実 証 できれば 同 国 における 耕 地 面 積 の 広 がりは 飛 躍 的 に 増 加 することになります これまでの 実 証 栽 培 の 実 績 を 踏 まえ バングラデシュ 政 府 か らは 弊 社 並 びに 日 本 の 農 業 技 術 に 対 する 期 待 が 大 なるものになっています これまで 共 同 作 業 を 進 めてきたダッカ 国 立 農 業 大 学 (BSMRAU)からも 引 き 続 き 本 事 業 に 取 り 組 みたいとの 意 向 を 受 けています 過 去 の 経 験 や 現 地 のネットワークを 活 かし 有 意 義 な 調 査 事 業 ができるものと 考 えています また 塩 害 地 域 での 栽 培 可 能 性 が 実 証 できれば 海 面 上 昇 による 同 様 の 悩 みを 持 つ 他 国 で の 応 用 も 可 能 と 考 えられますし 適 応 ビジネスとしてバングラデシュのみならず 市 場 は 限 りなく 拡 大 します 以 上 が 事 業 の 目 的 です ちなみに これまで 他 省 庁 等 の 補 助 事 業 等 により 採 択 された 案 件 との 役 割 分 担 は 次 の 通 りと なります JETRO:バングラデシュ 国 でのモヤシ 種 子 ( 緑 豆 ) 栽 培 の 可 能 性 を 実 証 JICA:バングラデシュ 国 の 貧 困 農 村 部 ( 主 に 北 部 と 西 部 )での 緑 豆 生 産 の 体 制 構 築 事 業 準 備 調 査 今 回 提 案 プロジェクト:バングラデシュ 国 塩 害 地 域 ( 南 部 )での 緑 豆 生 産 の 事 業 化 可 能 性 調 査 215

220 2. 課 題 (1) 塩 害 地 域 の 課 題 本 事 業 の 最 大 の 課 題 は 現 地 農 民 の 栽 培 目 標 クリア となります そのためには 以 下 の 項 目 1と2それぞれを 克 服 すべき 課 題 の 両 輪 として 位 置 づけ 対 応 していくことが 必 要 とな ります 1 拡 大 傾 向 にある 塩 害 耕 地 での 農 作 物 の 作 付 率 および 収 穫 率 向 上 塩 害 地 域 での 土 壌 塩 分 濃 度 のなかで 弱 度 レベルの 耕 地 では 適 切 な 土 壌 管 理 や 灌 漑 を することで 作 物 強 度 が 増 す 可 能 性 があることを 踏 まえ 農 作 物 の 作 付 率 および 収 穫 率 を いかにして 上 げていくかが 課 題 となります (2009 年 の 塩 害 耕 地 面 積 における 弱 度 レベルは 32.8 万 ヘクタールで 全 体 の 約 31%) 同 国 農 業 省 の 見 解 にも 沿 うものでありますが 本 調 査 において 上 記 レベルの 圃 場 にて 栽 培 の 可 能 性 を 調 査 してまいりたいと 思 います 2 塩 害 地 域 内 農 民 レベルでの 最 新 農 業 技 術 の 習 得 と 実 践 地 元 農 民 は これまでの 伝 統 的 な 栽 培 手 法 に 頼 っており 気 候 変 動 の 影 響 に 対 応 しきれ ていないのが 現 状 です そのため 作 物 収 量 作 付 率 など 生 産 レベルが 他 地 域 と 比 べて かなり 低 い 状 態 となっています 適 切 な 栽 培 管 理 に 基 づく 最 新 の 農 業 技 術 を 現 場 レベル で 導 入 する 必 要 があります (2) 塩 害 問 題 点 1 浸 透 圧 が 上 昇 する 事 による 根 傷 め 土 壌 に 海 水 が 流 れ 込 むことにより 土 壌 水 分 中 の 塩 類 ( 水 溶 性 物 質 ) 濃 度 が 上 昇 します 水 分 は 塩 類 濃 度 の 低 いところから 高 いところへ 移 動 し 平 衡 状 態 ( 同 じ 塩 類 濃 度 )になろ うとする 性 質 があります このために 塩 類 濃 度 の 高 い 土 壌 では 根 の 水 分 吸 収 が 阻 害 され ます その 結 果 根 傷 めが 発 生 し 植 物 体 全 体 が 萎 縮 します 216

221 2 濃 度 障 害 海 水 が 流 入 する 事 により 負 の 電 荷 を 持 つ 土 壌 粒 子 に 陽 イオンであるナトリウム マグネシ ウムなどが 結 合 し これらの 濃 度 障 害 塩 基 バランスの 悪 化 が 起 きます ナトリウム マグネ シウム カリウム カルシウムの 塩 基 類 はナトリウムを 除 いて 植 物 の 必 須 元 素 ですが 絶 対 量 よりもバランスが 大 事 になるため どれかの 元 素 が 突 出 して 多 い 状 態 は 植 物 にとって 良 くないことです 陰 イオンでは 主 に 塩 素 などが 濃 度 障 害 を 起 こします 植 物 の 根 圏 への 浸 透 圧 の 影 響 が 大 きくなり 生 育 阻 害 が 懸 念 されます また 海 水 由 来 の 元 素 ではホウ 素 も 濃 度 障 害 を 起 こ しやすくなります 217

222 3. 課 題 解 決 の 方 向 性 (1) 塩 害 の 影 響 を 受 けた 耕 地 での 農 作 物 の 作 付 率 および 収 穫 率 を 向 上 させるためには 塩 害 問 題 点 ( 浸 透 圧 が 上 昇 することによる 根 傷 め/ 濃 度 障 害 )を 以 下 の 方 法 によって 解 決 する ことが 必 要 となります 1 真 水 による 灌 水 除 塩 真 水 による 灌 水 除 塩 ( 掛 け 流 し)が 対 策 となります 潅 水 し 代 掻 き( 土 をかき 混 ぜる) 表 層 水 を 流 すと 同 時 に 地 下 浸 透 を 図 ります これを 繰 り 返 し 電 気 伝 導 度 による 簡 易 診 断 を 行 う 事 で 効 果 を 測 定 します 上 記 を 行 うためには 真 水 の 確 保 が 重 要 となることから 河 川 水 及 び 地 下 水 の 塩 分 調 査 が 丌 可 欠 となります そして 圃 場 での 灌 漑 設 備 も 併 せて 必 要 となります しかし 今 回 は 調 査 時 期 が 乾 期 にあたり 雨 水 の 影 響 が 反 映 されない 状 況 のため 適 切 な 塩 分 濃 度 計 測 ができていません 引 き 続 き 調 査 してまいります また 現 地 農 民 よりヒアリングしたところ 主 に 農 業 用 水 には 主 に 河 川 水 を 使 用 しているこ とが 判 明 しましたので 河 川 水 の 栽 培 期 の 濃 度 調 査 も 行 います 塩 害 濃 度 別 必 要 水 量 塩 害 区 分 基 準 水 量 塩 害 なし - 弱 度 2,500 m3/ha 中 度 3,000 m3/ha 塩 害 あり 強 度 4,500 m3/ha 高 強 度 2カルシウムによる 置 換 え 陽 イオンである 塩 基 類 は 負 の 電 荷 を 持 つ 土 壌 粒 子 に 吸 着 され 水 の 掛 け 流 しだけでは 十 分 に 取 り 除 くことができません このため 石 灰 類 を 施 用 する 事 によりカルシウムでそれらの 陽 イオン( 主 にナトリウム)を 置 換 え(カルシウムイオンを 土 壌 粒 子 に 吸 着 させる 事 で 他 の 陽 イオンを 引 き 剥 がす)して 土 壌 水 分 と 一 緒 に 流 せる 状 態 にします その 際 土 壌 Phを 測 定 し 適 正 値 ( 緑 豆 の 場 合 6.5)より 低 い 場 合 は 炭 酸 カルシウムを 施 用 し 高 い 場 合 は 硫 酸 カルシウムを 施 用 する 施 用 量 は 100kg/ha とします 3 耕 起 耕 起 は 除 塩 能 率 を 高 めるうえで 必 要 な 作 業 です 土 壌 と 石 灰 質 資 材 の 混 和 や 除 塩 用 水 が 土 壌 に 浸 透 しやすくするために 行 います 218

223 4 適 量 施 肥 土 壌 成 分 分 析 結 果 を 踏 まえ 適 量 の 施 肥 を 行 います 塩 害 地 域 では 塩 害 によるリン 酸 の 吸 収 低 下 を 補 うためにリン 酸 を 増 肥 必 要 の 可 能 性 があります またその 後 の 生 育 過 程 を 観 察 しながら 窒 素 を 中 心 にした 追 肥 を 行 うことで 生 育 の 調 整 を 行 います また 慣 習 による 肥 料 施 肥 が 見 受 けられ 結 果 養 分 の 偏 りが 見 られるため 適 正 量 の 指 導 を 行 うことも 併 せて 必 要 になります (2) 塩 害 地 域 内 農 民 レベルでの 最 新 技 術 の 習 得 と 実 践 に 関 しては 今 回 の 調 査 項 目 として 挙 げ ている 以 下 の 項 目 を 進 める 上 で マネジメント 体 制 確 立 時 に 運 用 方 法 を 組 み 込 んでまいりま す 具 体 的 には 下 記 項 目 を 行 います 1 農 民 向 けガイドラインの 作 成 ガイドラインを 作 成 し 粒 径 の 大 きな 緑 豆 を 栽 培 する 為 の 必 要 なラインソーイング 畝 造 り 肥 料 の 施 肥 農 薬 指 導 を 指 導 します 特 に 輸 出 するにあたり 農 薬 指 導 は 日 本 の 基 準 に 合 致 する 必 要 があるので 重 要 となり ます ガイドライン( 例 ) 2 農 業 技 術 に 関 するビデオの 活 用 農 民 の 識 字 率 が 約 50%であります よってガイドラインでの 指 導 を 補 足 する 為 ガイド ラインビデオを 作 成 し 農 民 集 会 で 上 映 し 理 解 の 浸 透 を 図 ります 219

224 ガイドライン ビデオ( 例 ) North Head office 3 ICT システムの 活 用 農 民 の 情 報 を 取 り 纏 める 為 に ICT システムを 活 用 します ここでは 農 民 の 登 録 情 報 栽 培 履 歴 収 穫 情 報 を 取 り 纏 めていく 予 定 です ICT システム( 例 ) GYM (Dhaka) PC & Browser YMC (Tokyo) PC & Browser ICT System Server Field Office (Rangpur / Ishwardi) PC & Browser Farmer (Field / Farm) Mobile Phone 220

225 4 フィールド スーパーバイザーの 農 民 指 導 上 記 指 導 及 び 確 認 そして 各 農 家 が 理 解 しているかを 農 民 に 直 接 コンタクトして 活 動 し ます また 栽 培 履 歴 等 の 情 報 管 理 を 行 います 対 象 となる 取 り 組 み 項 目 と 調 査 内 容 (5) 指 導 方 法 組 織 の 確 立 :フィールド スーパーバイザーの 選 出 および 組 織 網 確 立 調 査 (6) 栽 培 管 理 方 法 の 確 立 : 栽 培 ガイドラインに 基 づく 栽 培 レコード 運 用 準 備 調 査 221

226 4. 調 査 結 果 ( 調 査 項 目 ごとに) (1) 情 報 収 集 分 析 1 塩 害 地 域 背 景 塩 害 地 域 は ベンガル 湾 に 面 した 沿 岸 エリアに 位 置 します 沿 岸 エリアの 面 積 は 47,201 km2で 全 国 土 の 32% 人 口 は 3,510 万 人 で 全 人 口 の 28%を 占 めています また 耕 作 地 の 30% 以 上 がこのエリアに 存 在 し 稲 作 を 中 心 に 作 付 されています (この 沿 岸 エリアは Exposed Coast と Interior Coast に 区 分 され Exposed Coast が 塩 害 地 域 となります ) バングラデシュでは GDP の 20% 強 を 農 業 が 占 め 労 働 人 口 の 約 55%が 農 業 に 従 事 してい るなど 農 業 が 同 国 経 済 の 主 要 産 業 となっています 塩 害 地 域 を 含 む 沿 岸 エリアが 国 内 面 積 人 口 の 約 30% 前 後 を 占 めていることを 考 えますと 気 候 変 動 による 農 業 分 野 への 影 響 が 今 後 長 期 的 にバングラデシュ 国 全 体 に 大 きなダメージとなることが 危 惧 されます 実 際 に 地 球 温 暖 化 による 気 候 変 動 により 沿 岸 エリアでは 洪 水 頻 度 の 増 加 降 雨 パターン の 変 化 頻 繁 な 干 ばつや 塩 害 といった 自 然 災 害 の 現 象 がみられます これらにより 農 作 物 の 収 穫 高 減 少 や 食 糧 価 格 の 高 騰 といった 影 響 も 出 ています その 結 果 として 食 糧 確 保 に 懸 念 が 生 じ 飢 餓 と 栄 養 丌 良 の 危 険 性 が 増 加 すると 予 測 されて います 国 連 世 界 食 糧 計 画 (WFP)の 報 告 では 2050 年 までに 気 候 変 動 の 影 響 により 飢 餓 人 口 が 10~20% 増 加 するとされています 塩 害 の 影 響 がある 耕 地 面 積 ですが 土 地 資 源 開 発 研 究 所 (SRDI)の 調 査 によると 年 々 拡 大 傾 向 にあります 1973 年 は 83.3 万 ヘクタールでしたが 2009 年 には 万 ヘクタ 222

227 ールと 約 27% 増 加 しています Changes in soil salinity over the years Increase of soil salinity during 1973 to ,450 ha 1,020,750 ha 1,056,190 ha 4 また 土 壌 塩 分 濃 度 レベル 別 の 塩 害 の 影 響 がある 耕 地 面 積 の 推 移 は 以 下 のとおりです [ 塩 害 耕 地 面 積 (ha)] 弱 度 中 度 強 度 高 強 度 合 計 1973 年 28.7 万 42.6 万 8.0 万 4.0 万 83.3 万 2000 年 29.0 万 30.7 万 33.6 万 8.7 万 万 2009 年 32.8 万 27.4 万 35.2 万 10.2 万 万 ちなみに 土 壌 塩 分 濃 度 レベルの 区 分 けには 電 気 伝 導 度 が 指 標 として 用 いられます 塩 害 あり 塩 害 区 分 塩 害 なし 弱 度 中 度 強 度 高 強 度 電 気 伝 導 度 (ds/m) <2 2~4 5~7 8~16 >16 1 電 気 伝 導 度 / Salainity (ds/m) 一 般 に 塩 類 濃 度 の 指 標 として 用 いられます 溶 存 イオンの 総 濃 度 ( 活 動 度 )を 反 映 する 事 作 物 の 吸 水 に 影 響 する 浸 透 圧 とほぼ 比 例 することから 作 物 への 影 響 程 度 の 指 標 として 用 いられます さらに 上 表 の 弱 度 レベル 耕 地 において 適 切 な 土 壌 管 理 や 灌 漑 を 実 践 することによって 作 物 強 度 が 増 す 可 能 性 もあるとの 考 察 もされています しかし バングラデシュでは 現 状 有 効 な 対 策 がとられていないとの 見 方 もされています 223

228 加 えて 塩 害 地 域 の 土 壌 土 地 特 性 は 土 壌 塩 分 濃 度 の 他 にも 厳 しい 制 約 として 以 下 項 目 が 挙 げられます 水 はけが 悪 い 土 質 土 地 が 痩 せている( 肥 沃 ではない) 河 岸 浸 食 粘 土 質 の 河 川 流 域 良 質 の 灌 漑 用 水 丌 足 遠 隔 地 であるデメリット 等 現 在 当 地 域 の 農 民 の 大 多 数 は 低 収 量 で 伝 統 的 な 稲 品 種 を 雨 期 に 栽 培 しています 乾 期 (11 月 ~3 月 )は 上 記 の 要 因 で 作 付 されず 休 閑 状 態 となっている 農 耕 地 が 多 くみられます 塩 害 地 域 の 作 物 収 量 作 付 率 生 産 レベル 人 々の 生 計 の 質 は 高 収 量 品 種 や 改 良 された 肥 料 水 管 理 農 薬 管 理 に 基 づく 最 新 の 農 業 技 術 で 成 果 をもたらした 他 地 域 と 比 べてかな り 低 いのが 実 態 です 現 地 政 府 機 関 の 塩 害 に 対 する 取 り 組 み 状 況 ですが 農 業 省 傘 下 の 農 業 普 及 局 (DAE)で は 土 壌 塩 分 濃 度 を 下 げるための 学 術 調 査 の 経 験 は 無 いに 等 しいと 聞 いています また 土 壌 資 源 開 発 研 究 所 (SRDI)でも 複 数 の 学 術 調 査 はあるが 塩 害 耕 地 の 拡 がりに 比 べて 有 効 な 対 策 がとられていないようです 2 南 部 塩 害 地 域 での 塩 害 土 壌 調 査 および 気 象 データ 収 集 分 析 塩 害 地 域 に 関 して 5 ケ 所 (ボティアガタ デバタ コラロア ダコペ モレルゴンジ) 情 報 収 集 分 析 を 行 いました (a)ボティアガタ Information of Upazila Name of Upazila : Botiaghata, Khulna Date : 30 Sept., Upazila total area ha 9. Other activities which are being promoted in the upazila 2. Aguricultural area ha Activity 1: National Agricultural Technology Project (NATP) 3. Popuration 4. No of household Activity 2: 5. Land category Medium Low 3397 ha/ Midium High ha/ High 1950 ha Cereal System Initiative for South Asia (CSISA) 6. Salinity area 7. Salinity level 8000 ha 2-5 ds/m Activity 3: Production, storage and distribution of high quality rice, wheat and jute seeds at farmers level 8. Crop area/calendar Mung bean Oil seed Boro rice Aman rice Vegetables Area (ha) Jan Feb Mar Apr May Jun Jul Aug Sep Oct Nov Dec 1025 ha 8000 ha 3600 ha ha 400 ha 224

229 (b)デバタ Information of Upazila Name of Upazila : Debhata, Satkhira Date : 30 Sept., Upazila total area ha 9. Other activities which are being promoted in the upazila 2. Aguricultural area ha Activity 1 3. Popuration Second Crop Diversification Project (SCDP) 4. No of household Activity 2 5. Land category Medium Low 2544 ha/ Midium High ha/ High 3354 ha Integrated Pest Management Project (IPM) 6. Salinity area 6110 ha Activity 3 7. Salinity level 4-12ds/m Rice, wheat and jute seed production, storage and distribution in farmers levels 8. Crop area/calendar Mung bean Aus rice Boro rice Aman rice Potato Jute Oil seed Area (ha) Jan Feb Mar Apr May Jun Jul Aug Sep Oct Nov Dec 0 ha 610 ha 7450 ha 6500 ha 290 ha 120 ha 1112 ha (c)コラロア Information of Upazila Name of Upazila : Kolaroa, Satkhira Date : 30 Sept., Upazila total area ha 9. Other activities which are being promoted in the upazila 2. Aguricultural area 3. Popuration 4. No of household 5. Land category 6. Salinity area 7. Salinity level ha Low 54 ha/ Medium Low 2279 ha/ Midium High 8336 ha/ High 6925 ha 6550 ha 2-5 ds/m Activity 1: Activity 2: Activity 3: National Agricultural Technology Project (NATP) Increase agriculture production through farm mechanization Rice, wheat and jute seed production, storage and distribution in farmers levels 8. Crop area/calendar Mung bean Aus rice Boro rice Aman rice Area (ha) Jan Feb Mar Apr May Jun Jul Aug Sep Oct Nov Dec 40 ha 3300 ha ha ha ha 225

230 (d)ダコペ Information of Upazila Name of Upazila : Dacope Date :30 Sept, Upazila total area ha 9. Other activities which are being promoted in the upazila 2. Aguricultural area 3. Popuration 4. No of farmers 5. Land category ha persons persons Medium High land Activity 1: Activity 2: Mushroom culture is being promoted towards farmers through UAO as a alternative income source Compost preparation technique is being generated among the farmers through UAO 6. Salinity area 7. Salinity level ha 4-30 ds/m Activity 3: Organized Training session by UAO to train the management of soil salinity 8. Crop area/calendar Aman Water Melon Aus Boro Mung Area (ha) Jan Feb Mar Apr May Jun Jul Aug Sep Oct Nov Dec ha 2125 ha 156 ha 50 ha 30 ha (e)モレルゴンジ Information of each Upazila Name of Upazila : Morelgong Date :30 Sept, Upazila total area ha 9. Other activities which are being promoted in the upazila 2. Aguricultural area ha Activity 1: Emeregencry 2007 Cyclone SIDR Recovery and 3. Popuration persons Restoration Project (ECRRP) 4. No of farmers persons Activity 2: Cereal System Initiative For South Asia (CSISA) High land 5. Land 2888, category Medium high land 14728, Medium low land 11372, Low land 700 ha 6. Salinity area 50% of cultivable land Activity 3: Agricultural Extension Component (AEC) 7. Salinity level 4-12 ds/m 8. Crop area/calendar Aman ha Area (ha) Jan Feb Mar Apr May Jun Jul Aug Sep Oct Nov Dec Kheshari Aus Boro Mung 1000 ha 3000 ha 2500 ha 50 ha 226

231 灌 漑 設 備 現 地 DAE スタッフとの 打 ち 合 わせ(タラ 地 区 ) 現 地 農 民 より 聞 き 取 り 調 査 227

232 気 象 データは 他 地 域 との 比 較 で 情 報 収 集 分 析 を 行 いました Rangpur 北 部 Ishurdi 西 部 Barisal 南 部 ( 塩 害 地 域 ) (mm) Rainfall Monthly Rangpur Ishurdi Barisal Month Temp cumulate( ) Temp cumulate Monthly Rangpur Ishurdi Barisal Month 上 記 データより 南 部 塩 害 地 域 播 種 時 期 は 他 地 域 の 発 芽 条 件 を 勘 案 すると 2 月 下 旬 から 3 月 中 旬 となり ます 2 月 は 乾 期 中 にあたります 圃 場 での 塩 分 濃 縮 が 予 想 される 為 より 一 層 の 除 塩 作 業 が 必 要 と 思 われます ( 雨 季 中 は 雨 水 により 洗 い 流 し 効 果 により 塩 分 濃 度 が 低 くなる 模 様 です ) 228

233 3 南 部 塩 害 地 域 での 圃 場 水 質 調 査 および 除 塩 作 業 (a) 圃 場 水 質 調 査 実 施 日 :2012 年 12 月 24 日 25 日 実 施 場 所 :ボティアガタ モレルゴンジ Field & Water Research in Coastal Area (Khulna) Concerning EC level, there is a correlation between river and field. (In the order of high level) EC measuring instrument River EC(mS/cm) EC(mS/cm) EC(mS/cm) Drawing water 5 Drawing water 1 Drawing water Pasunia, Batiaghata 2 Rice Field4 Rice Field 2 Kuchubunia, Morrelgang EC(mS/cm) Debitola, Batiaghata Rice Field6 EC(mS/cm) EC(mS/cm) 7~15 Measuring each point from the surface By scraping only 3cm away at a surface in a rice field, EC level can decrease under 2. [Poeulhat] [Kuchubunia] EC(mS/cm) EC(mS/cm) 0cm cm cm cm cm cm 0.61 In the vegetable field, EC level is low. [Kuchubunia] EC(mS/cm) 0cm cm cm 0.27 EC (Electro Conductivity) = an index of salinity [Note] If EC indicates 0.9 over in case of no salt damage (<2), there is an interference with crop growth. <2:no salt damage, 2~4:salinity level (Low), 5~7:salinity level (Moderate) Date : Dec 24 & 25, 2012 Location : Morrelgang & Batiaghata 調 査 結 果 調 査 エリア 内 の 複 数 圃 場 と 最 寄 りの 河 川 の 塩 分 濃 度 を 測 定 圃 場 内 の 土 壌 と 灌 漑 用 水 として 利 用 している 河 川 の 水 質 の 間 には 塩 分 濃 度 レベル (EC 値 : 電 気 伝 導 度 )の 相 関 関 係 があります 圃 場 内 の 地 表 からの 深 さ3ポイントを 設 定 し 長 さも 変 動 させて 測 定 地 表 面 (0cm)で 弱 度 の 塩 害 があるポイントを 掘 って 地 下 を 測 定 すると EC 値 は 塩 害 なし レベルまで 低 減 しました 深 さの 程 度 による 差 は 殆 どありません (3cm 掘 るだけで 塩 害 なしレベルまで 低 減 ) 野 菜 栽 培 圃 場 での EC 値 は 低 レベルです [ 注 記 ] EC 値 の 2 以 下 は 塩 害 なしレベルですが 0.9 以 上 の 場 合 には 作 物 の 生 育 障 害 が 起 こ る 可 能 性 があります 229

234 (b) 除 塩 作 業 実 施 日 :2012 年 12 月 23 日 26 日 実 施 場 所 :ボティアガタ デビトラ 村 実 施 内 容 : 耕 起 石 灰 質 資 材 散 布 河 川 水 による 灌 漑 Salt Removal Work in Coastal Area (Khulna) Plowing to replace surface soil with subsoil Fertilizing Calcium Sulfate Irrigation salt removal by river water Drying surface soil, and educe moisture in soil to the surface. Cost:3TK/Kg EC(mS/cm) Before Plowing 2.24 After Plowing 1.42 Calcium Sulfate can separate sodium ion from soil particles. (Improvement of soil) Cost:2TK/Kg [After Plowing] EC(mS/cm) w/o Fertilizing 1.42 w/- Fertilizing 0.84 Vertical impregnation method [Measuring three days later] EC(mS/cm) w/o Fertilizing 1.22 w/- Fertilizing 0.77 EC (Electro Conductivity) = an index of salinity [Note] If EC indicates 0.9 over in case of no salt damage (<2), there is an interference with crop growth. <2:no salt damage, 2~4:salinity level (Low), 5~7:salinity level (Moderate) Date : Dec 23 & 26, 2012 Location : Debitola, Batiaghata 調 査 結 果 耕 起 の 作 業 だけでも 土 壌 の 空 隙 確 保 や 塩 分 を 土 塊 の 表 面 に 析 出 させることができ EC 値 が 低 減 しました 石 灰 質 資 材 ( 硫 酸 カルシウム)を 散 布 することによって 土 壌 の 物 理 性 改 善 が 行 われ EC 値 が 低 減 しました 河 川 水 を 用 いた 湛 水 および 排 水 作 業 を 行 いました 河 川 水 の 塩 分 濃 度 が 高 かったため EC 値 に 大 きな 差 はみられませんでした 塩 害 耕 地 で 農 作 物 の 作 付 率 および 収 穫 率 を 向 上 させるためには 耕 起 ならびに 石 灰 質 資 材 ( 硫 酸 カルシウム) 散 布 でのカルシウムによる 置 換 えが 有 効 なことが 判 りました 実 際 の 栽 培 工 程 においても 同 作 業 を 導 入 します 河 川 水 による 灌 漑 は 当 調 査 時 期 よりも 播 種 時 期 の 塩 分 濃 度 が 上 昇 すると 想 定 される ため 栽 培 工 程 に 組 み 込 まないこととします 230

235 4 塩 害 土 壌 水 を 使 った 緑 豆 発 芽 試 験 の 実 施 ダッカ 国 立 農 業 大 学 (BSMRAU) 協 力 のもと 塩 害 の 影 響 がある 土 壌 と 水 を 使 った 緑 豆 発 芽 試 験 を 実 施 しました 実 施 日 :2012 年 12 月 26 日 ~2013 年 1 月 6 日 採 取 サンプル:ボティアガタとモレルゴンジ 内 の 土 壌 ( 圃 場 )および 水 ( 運 河 溜 池 ) 比 較 対 象 として BSMRAU 内 研 究 農 場 土 壌 と 井 戸 水 を 採 取 実 施 方 法 : 培 養 皿 1 枚 につき 緑 豆 15 粒 を 入 れ 採 取 した 土 壌 と 水 で 栽 培 T1~T5 それぞれ 7 皿 サンプルを 準 備 2 日 間 隔 で 数 値 測 定 ( 平 均 値 を 記 録 ) Treatment Location GPS data Source of Source of EC (ds/m) soil water Soil Water T1 Bhoyervanga Poshimpara, Batiaghata T2 Bhoyervanga Modhopara, Batiaghata T3 Bhoyervanga Purbapara. Batiaghata T4 Boloibunina, Morelgonj T5 BSMRAU, Gazipur N E Rice field Canal N Rice field Canal E N Rice field Pond E N Rice field Canal E N Research Deep tube E field well 調 査 結 果 発 芽 発 芽 率 は 塩 分 濃 度 レベルが 増 加 するにつれて 減 少 塩 害 なしレベルの 土 壌 (T5)では 約 90%が 発 芽 塩 害 弱 度 レベル(3.21dS/m)での 発 芽 率 は 80%を 下 回 る 塩 害 中 度 レベル(5.55dS/m 以 上 )では 悪 影 響 が 顕 著 となり 発 芽 率 は 50% 以 下 231

236 苗 木 生 長 緑 豆 苗 木 が 生 長 する 高 さは 塩 分 濃 度 の 影 響 を 受 けている 最 も 高 い 苗 木 (8.67cm) は 塩 害 なしレベルの 土 壌 (T5)で 記 録 塩 分 濃 度 が 増 加 するにつれて 苗 木 生 長 の 度 合 いは 減 少 土 壌 塩 分 と 発 芽 / 苗 木 生 長 の 関 連 性 土 壌 の 塩 分 濃 度 レベルと 緑 豆 発 芽 率 ならびに 苗 木 が 生 長 する 高 さとの 間 には 負 の 相 関 関 係 がある 回 帰 直 線 から 発 芽 率 (%)と 苗 木 の 高 さ(cm)の 決 定 係 数 (R2)は 極 めて 高 いことが 見 てとれる ( 土 壌 塩 分 が 緑 豆 発 芽 に 対 して 不 える 影 響 度 合 いは 96% 以 上 で 苗 木 の 高 さについては 86% 以 上 という 結 果 ) [ 緑 豆 発 芽 試 験 ] 発 芽 率 低 下 が 見 込 まれるため 実 際 に 圃 場 で 播 種 を 行 う 際 には 現 状 が 畝 に 等 間 隔 で 1 粒 蒔 きのところを 2 粒 蒔 きとします 232

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