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1 平成 28 年熊本地震 現地調査報告 - 建築物 各種構造物の被害調査 年 5 月 株式会社イー アール エス 佐武直紀

2 目次 ページ 1. はじめに 1 2. 現地調査 調査概要 調査地域の地震動特性 建築物の被害調査結果 各種構造物の被害調査結果 課題とまとめ 14 参考文献 15

3 1. はじめに熊本県熊本地方を震源として発生した 2016 年 ( 平成 28 年 )4 月 14 日午後 9 時 26 分頃の M( マグニチュード )6.5 の地震 ( 前震 ) および 2 日後の 16 日午前 1 時 25 分頃の M7.3 の地震 ( 本震 ) により 熊本県の益城町で震度 7 を 2 回観測したほか 16 日の本震では熊本 阿蘇地方から大分県中部の広い範囲で震度 6 弱以上の激しい揺れに見舞われ その後も余震が頻発している この地震で 熊本県を中心に死者 行方不明者 70 人 ( 震災関連死を含む ) 住宅損壊 8 万棟超 (5 月 16 日現在 ) など甚大な被害が発生し 気象庁は一連の地震を 平成 28 年熊本地震 と命名した 弊社では 地震の発生を受けて 建築物 各種構造物の被害を対象に現地調査を実施した 本報告はその結果に基づいて取り纏めたもので 今後への課題として次の 3 点について整理した (1) 複数回の地震に備えた建物の耐震対策 (2) 日頃の建物 設備などの地震への備え (3) ブロック塀の耐震対策 本報告では 調査で得た情報を分かり易く整理して伝えるよう努めたが もとより限られた期間と範囲での調査のため 内容は今回の地震被害のごく一端を示すにとどまることを始めにお断りしたい また 本地震およびそれに伴う被害その他の詳細情報については 気象庁 地震調査研究推進本部 内閣府 国土交通省ほか関係機関をはじめ 損害保険会社 地震リスク関連会社 建築 土木 地震工学関連学会などからも情報が発信されているので 適宜参照されたい 報告に先立ち 今回の地震で亡くなられた方々 遺族の方々に謹んでお悔やみ申し上げるとともに 被災された方々にお見舞いと一日も早い復興をお祈り申し上げる 2. 現地調査 2-1 調査概要現地調査の概要を以下に示す * 調査日時 2016 年 4 月 22 日 ( 金 ) 4 月 23 日 ( 土 ) の 2 日間 * 主な調査地点 地域 ( 以下 1~9は調査順 図 -1 に9を除く各地点 地域の位置を示す ) 4 月 22 日 ( 金 ) 1 宇土市庁舎および周辺 2 JR 九州新幹線高架橋 ( 宇土市三拾町 熊本市南区富合町田尻 ) 3 熊本市民病院 ( 熊本市東区 ) 4 健軍商店街および周辺 ( 同上 ) 5 熊本赤十字病院 ( 同上 ) 6 熊本市東区保田窪 西原地区 4 月 23 日 ( 金 ) 7 KiK-net 益城 [ 防災科学技術研究所 ( 以下 防災科研 ) の強震観測点 ] 周辺 ( 益城町辻の城 ) 8 益城町中心部 ( 益城町木山 宮園 安永 ) 9 S 社メガソーラー施設 ( 益城町内 ) - 1 -

4 図 -1 調査地点の概略位置図 google マップを使用 2 km 1 宇土市庁舎および周辺 2 JR 九州新幹線高架橋 ( 宇土市三拾町 熊本市南区富合町田尻 ) 3 熊本市民病院 ( 熊本市東区 ) 4 健軍商店街 ( 熊本市東区 ) 5 熊本赤十字病院 ( 熊本市東区 ) 6 熊本市東区保田窪 西原地区 7 KiK-net 益城周辺 ( 益城町辻の城 ) 8 益城町中心部 ( 益城町木山 宮園 安永 ) 2-2 調査地域の地震動特性今回の調査地点の一つである益城町に設置された防災科研の強震観測点 KiK-net 益城における 4 月 16 日本震時の観測記録の加速度応答スペクトル ( 減衰定数 5% 水平 2 方向のベクトル和 ) を図 -2 2) に示す 図には 1995 年兵庫県南部地震以降における主な被害地震の観測記録の加速度応答スペクトルを同じ条件で重ね書きしてある ( 応答スペクトルについての解説を図 -3 3) に示す ) これをみると KiK-net 益城の応答スペクトル ( 図中 (5)- 紫色の線 ) は 木造建物の被害と大きな相関があるとされている周期 1~2 秒の範囲 ( 図の黄色部分 ) において 兵庫県南部地震の JR 鷹取の応答スペクトル ( 図中 (1)- 赤色の線 ) よりは小さいが 今回の地震での益城町と同様に震度 7 を観測した 2004 年新潟県中越地震の小千谷での応答スペクトル ( 図中 (2)- 黒色の線 ) 2011 年東北地方太平洋沖地震の栗原での応答スペクトル ( 図中 (4)- 緑色の線 ) よりも大きいレベルである - 2 -

5 (1) 1995 年兵庫県南部地震 (JR 鷹取 ) (2) 2004 年新潟県中越地震 ( 小千谷 ) (3) 2003 年宮城県沖地震 ( 大船渡 ) (4) 2011 年東北地方太平洋沖地震 ( 栗原 ) (5) 2016 年熊本地震 (KiK-net 益城 ) 図 年熊本地震の観測記録 (KiK-net 益城 4 月 16 日本震時 ) の加速度応答スペクトルと最近の主 2) な被害地震のスペクトルとの比較 ( いずれも水平 2 方向のベクトル和 ) 応答スペクトルとは いろいろな固有周期 ( 建築物や構造物が揺れやすい周期 ) を持つ様々な建築物や構造物に対して 地震動がどの程度の揺れの強さ ( 応答 ) を生じさせるかを分かり易く示したものである ( 右図を参照 ) 建築物や構造物の揺れは その固有周期や減衰定数 ( 揺れが時間とともに弱まっていく程度を示す定数のこと ) と同じ固有周期や減衰定数をもつ振子の揺れとして計算され その最大値が採用される また 揺れの強さは 振子の振れ幅 ( 変位 ) だけでなく その単位時間における変化 ( 速度 ) やその変化率 ( 加速度 ) でも表現され 図 -2 では加速度で示している 図 -3 応答スペクトルについての解説 3) 2-3 建築物の被害調査結果本節では 建築物関連の被害調査の結果について示す (1) 宇土市庁舎宇土市庁舎 ( 宇土市浦田町 ) および周辺部の被害状況を目視により確認した 庁舎は RC 造 5 階建てで 1965 年の竣工である 庁舎の被害は 庁舎南側の正方形平面を有する本館に集中し 議会棟ほか他の建物には外見上被害は認められなかった 本館では 北西面 南西面で 4 階中央部の柱が損壊して 4 階の一部が崩壊し それに伴い 5 階の一部も崩落した ( 写真 -1 写真 -2) 他の 2 面は崩落に至っていないが 南東面では 4,5 階の柱梁接合部の損壊 ( 写真 -3) 2 階隅柱の脚部の損壊 ( 写真 -4) などが認められ 南東面全体での被害ランクとしては大破に相当している 庁舎は旧耐震基準による建築物のため 構造的な耐力が不足していたことも被害の一因ではないかと思われる 報道によると 崩壊に至ったのは 4 月 16 日の本震時であり 庁舎は 10 年前に実施した耐震診断で補強が必要と判定され 昨年より耐震改修を検討し始めていた矢先であったとのことである 一方 宇土市庁舎の周辺地域では 一部の木造住宅で屋根瓦の落下などの被害がみられたが 非住家も含め建築物の大きな被害は確認できなかった - 3 -

6 写真 -1 宇土市庁舎の被害状況 ( 北西面 ) 写真 -2 同 ( 南西 南東面 ) 写真 -3 庁舎南東面 4,5 階の柱梁接合部の損壊 写真 -4 庁舎南東面 2 階の隅柱脚部の損壊 (2) 熊本市民病院および熊本赤十字病院熊本市東区にある熊本市民病院 ( 東区湖東 1) と熊本赤十字病院 ( 東区長峰南 2) を対象に 建築物被害と診療状況を確認した 熊本市民病院は RC 造 8 階建ての北病棟 ( 写真 -5 奥の建物 竣工 1979 年 ) RC 造 8 階建ての南病棟 ( 写真 -5 真ん中の建物 竣工 1984 年 ) および RC 造 7 階建ての新館 ( 写真 -5 手前の建物 竣工 2001 年 ) から成る 4 月 16 日の本震で診療関連の設備に大きな損傷を受け 外来診療を中止していた あいにく関係者以外の建物および敷地内への立入は許可されず 敷地外からの目視調査のみ行った その結果 南北病棟 新館ともタイルの剥落が見られるものの 外見上は構造体の大きな損傷はないように思われた 一方 熊本赤十字病院 ( 写真 -6) は RC 造 8 階建ての建築物である 4 月 16 日の本震により 正面玄関ホールの天井板やガラスが落下しホールは立入禁止となっていたが 建物の他の部分では大きな損傷はないように見受けられ 診療も平常通り行われていた 被害個所では足場が組まれ 早速に復旧作業が行われていた 病院は災害時の拠点として重要な施設であり地震後の機能維持が求められるが 今回の地震では 熊本市民病院のように機能の一部喪失に加え 建物の継続使用の判断に時間を要したため使用中止期間が半月程度の長期に亘ったことは 地震防災上の大きな教訓である - 4 -

7 写真 -5 熊本市民病院 ( 南面 西面外観 ) 写真 -6 熊本赤十字病院 ( 南西面外観 ) (3) 健軍商店街熊本市東区の健軍商店街 ( 東区若葉 1) で建物倒壊に伴うアーケード損壊の被害が発生したとのことで 周辺 ( 東区健軍 3 東本町) の被害状況とも併せて確認した 健軍商店街では RC 造 3 階建のスーパーマーケット ( サンリブ健軍店 ) の 1 階部分が アーケードの支柱に寄り掛かるように倒壊した ( 写真 -7) それに伴い アーケード本体も支柱が折損するなど大きく損壊したが ( 写真 -8) アーケードは 2 年前に完成したばかりで 構造的に堅固な構造であったのが幸いし倒壊は免れた 一方 商店街内および周辺の建物の状況をみると 築年数が古い建物において 店舗の 1 階部分の傾斜や外装材 窓ガラスの損壊 ( 写真 -9 写真-10) など 軒並み被害を生じている 写真 -7 店舗の倒壊状況 ( 熊本市東区若葉 1) 写真 -8 店舗倒壊に伴うアーケードの損壊状況 - 5 -

8 写真 -9 商店街周辺店舗の外壁の損壊 写真 -10 商店街周辺の建物の窓ガラスおよび ( 熊本市東区東本町 ) タイルの損壊 ( 熊本市東区健軍 3) (4) 熊本市東区保田窪 西原地区熊本市東区の保田窪 西原地区では 西原 1 丁目で集合住宅 1 棟が崩壊したほか 保田窪 4,5 丁目付近でも被害が周辺地域に比べ顕著であるように見受けられたため これらの地域を対象に非木造建物の集合住宅を中心に調査した 西原 1 丁目では RC 造 5 階建て集合住宅の 1 階部分が完全に崩壊した ( 写真 -11 写真-12) この建物は 1977 年に竣工した旧耐震基準による建物で 1 階が店舗 2 階以上が住宅である 1 階部分の耐震要素が 2 階以上と比べ相対的に少ないと考えられ それが層崩壊に至った一因ではないかと思われる 耐震要素の一つと思われる南側階段室周りを観察したところ ( 写真 -13 写真 -14) 壁厚は 15cm 程度 シングル程度であった また 西原 1 丁目と保田窪 4,5 丁目では RC 造の 10 階建て程度の比較的築年数の新しいと思われる中層集合住宅 ( 例えば写真 -15 写真-17 写真-19) で 中間階の非耐力壁のせん断ひびわれを確認したほか ( 写真 -16 写真-18 写真-20) RC 造 5 階建ての低層集合住宅 ( 写真 -21) では 1 階耐力壁のせん断ひび割れを確認した ( 写真 -22) 一方 これらの建物の周辺では 築年数が古い木造の住宅や店舗で軒並み倒壊や傾斜などの被害を生じていた この地域は 地名が示す通りかつては田や窪地などであったとすると 地盤が緩く地震時の揺れが増幅されやすいことも 建物被害が周辺地域と比べ多くなった一因ではないかと考えられる なお調査時点において 倒壊した写真 11 の建物は本来立入禁止であるにもかかわらず 2 階以上の居住者が損壊した階段室を通じて出入りしていた また他の 4 棟のうち 写真 -15 の建物では 1 階駐車場に車が駐車しておらず 恐らく全戸退去している状況と思われた 残り 3 棟 ( 写真 -17 写真-19 写真-21) は継続使用されているようであった - 6 -

9 写真 -11 RC 造 5 階建集合住宅の崩壊 ( 西面 ) 写真 -12 同 ( 東面 ) ( 熊本市東区西原 1) 写真 -13 写真 -11,12 の建物の 写真 -14 同 ( 点線部分の壁の配筋は 1 シングル程度 ) 写真 -15 RC 造 11 階建集合住宅 写真 -16 写真 -15 の建物の ( 熊本市東区保田窪 4) 非耐力壁のせん断ひび割れ - 7 -

10 写真 -17 RC 造 11 階建集合住宅 ( 熊本市東区保田窪 5) 写真 -18 写真 -17 の建物の非耐力壁のせん断ひび割れ 写真 -19 RC 造 11 階建集合住宅 写真 -20 写真 -19 の建物の非耐力壁の ( 熊本市東区保田窪 5) せん断ひび割れ 写真 -21 RC 造 5 階建集合住宅 写真 -22 写真 -21 の建物の 1 階耐力壁の ( 熊本市東区西原 1) せん断ひび割れ - 8 -

11 (5) 益城町 (KiK-net 益城周辺および中心部 ) 益城町は熊本市の東側に隣接し 今回の地震の震源断層の直上に位置しているため 前震と本震で震度 7 を 2 回観測し 最も大きな被害を生じた自治体の一つである 益城町では 同町中心部での調査に先立ち 益城町役場から北東 1km ほどに位置する防災科研の強震観測点 KiK- net 益城周辺の住宅地 ( 益城町辻の城 ) を対象に調査し 引き続き中心部のうち概ね町役場以南において 県道 28 号線を挟んで市街地南部を流れる秋津川の間の地域 ( 益城町宮園 木山 安永 ) を対象に被害状況を調査した 調査対象範囲を図 -4 に示す KiK-net 益城周辺の調査範囲 益城町中心部の調査範囲 200 m 図 -4 益城町での調査対象範囲 google マップを使用 KiK-net 益城周辺では 強震計が設置されている益城町辻の城公園の周辺 7 ブロックに建つ約 60 棟の木造 ( 一部建物は軽量鉄骨造 ) の住宅 ( 一部建物は店舗 集会所など ) を対象に 目視による確認とともに 調査日時点で既に実施済の応急危険度判定結果の状況を調べた その結果 一部築年がごく新しいと思われる住宅を除き 殆どの住宅で屋根瓦の落下 建物の傾斜 外塀の倒壊 傾斜など何らかの被害を生じていた また 応急危険度判定結果をみると 結果を確認できた 56 棟のうち 調査済 ( 緑色 ) の判定用紙が貼られた建物は 12 棟と約 2 割に過ぎず 要注意 ( 黄色 ) と 危険 ( 赤色 ) の各用紙が貼られた建物はそれぞれ 21 棟 23 棟と約 4 割ずつに上った 判定はあくまでも建物への立入が危険かどうかという観点で行われるため 危険 の判定が必ずしも建物の倒壊を意味する訳ではないが 被害が激甚な中心部からやや離れた場所でもかなりの被 - 9 -

12 害を生じている状況が伺えた 益城町中心部では 建物および敷地地盤の被害状況を目視により確認した 調査した範囲で建物被害が特に甚大な地域は 県道 28 号線沿いの一帯 ( 益城町木山 安永 ) および県道 28 号線から秋津川の間の地域 ( 益城町宮園 木山 ) である これらの地域では 一見して過半数の建物 ( 住宅のほか商店 神社 寺院など ) で倒壊 傾斜の被害を生じていた また 建物は使用可能であるが敷地内の駐車場に地割れなどの地盤変状を生じ 使用に注意を要する診療所の建物が複数あった 一方 低層 RC 造の金融機関店舗など構造的に堅固な建物は 外見上ほとんど被害はなく 店舗も通常営業していた 益城町中心部は被害が余りに甚大であるので ここでは特徴的な被害を 3 つ挙げて紹介する 1 揺れの方向性と建物被害気象庁は今回の地震のメカニズムを横ずれ断層型と説明しており 震源からほど近い益城町中心部では地震の揺れに方向性があると考えられた 今回 実際に益城町中心部の調査を通じて 建物被害には揺れの方向性との関連が明確に認められた 調査した範囲では 以下に示す通り ほぼ全域で東西方向への揺れが卓越したと考えられる 写真 -23 写真-24 は 町内の木山交差点を挟んで東西方向に延びる県道 28 号線沿いに建つ鉄骨造建物もしくは木造建物の被害例で いずれも通りと並行する東西方向に倒壊 傾斜の被害を生じている これに対し写真 -25 写真-26 は 木山交差点を挟んで南北方向に延びる町道沿いに建つ木造建物の被害例で いずれも通りと直交する東西方向に倒壊 傾斜被害を生じている これらの建物の倒壊 傾斜の方向は 明らかに揺れの方向性に関連していると推察される 写真 -23 東西方向 [ 道路と並行方向 ] へ写真 -24 同左 ( 益城町安永 ) 倒壊 傾斜した建物 ( 益城町木山 )

13 写真 -25 東西方向 [ 道路と直交方向 ] へ写真 -26 同左 ( 益城町木山 ) 倒壊 傾斜した建物 ( 益城町宮園 ) 2 耐震要素の量と建物被害写真 -27 写真-28 は 同じ敷地内に建ち築年数もほぼ同じとみられる 2 棟の木造 2 階建の集合住宅である 写真 -27 の建物は傾斜被害を生じているが 写真 -28 の建物は外見上は被害を生じていない いずれの建物も東西方向が桁行方向であり 写真 -27 の建物被害は上記 1で示した揺れの方向に沿って生じたと考えられる 一方の写真 -28 は写真 -27 の建物に比べ 明らかに東西方向の耐力壁が多い 南北方向 ( 梁間方向 ) は外見上ほぼ同じ構造であったことから 東西方向の耐震要素の量が両棟の被害の差となって現れたと推察され 耐震要素を設けることの重要性を改めて認識させられる例である 写真 階に耐震要素が少なく傾斜した建物 写真 -28 耐震要素が多く外見上無被害の建物 ( 益城町宮園 ) ( 同左 ) 3 大規模な地盤震動写真 -29 は 益城町役場の北側に建つ RC 造 4 階建の集合住宅である 建物は東西方向が桁行方向で 見かけ上は大きな被害を受けていないように見えるが 敷地内の電柱が 1 本だけ東側に折損していたほか 出されていたゴミに家財が多数見受けられたことなどから 周辺一帯と同様 建物および地盤が激しい揺れに見舞われたことが伺えた そこで建物周辺の地盤を確認したところ 建物の東側では地面に大きな陥没を生じ ( 写真 -30) もう一方の西側では地面が隆起して設備

14 棟に傾斜を生じさせていた ( 写真 -31) また 北側の地盤では多数の亀裂が認められた ( 写真 -32) これらの状況から 敷地全体が東西方向に動いて建物が西側に大きく移動し 併せて電柱の折損 被害を生じたと推察される 写真 -29 外見上は無被害の RC 造 4 階建集合住宅 写真 -30 写真 -29 の建物東側の地盤の陥没 ( 益城町宮園 ) 奥 ( 点線内 ) に折損した電柱の根元が見える 奥 ( 点線内 ) に折損した電柱が見える 写真 -31 写真 -29 の建物西側での地盤の隆起 写真 -32 写真 -29 の建物北側での地盤変状 2-4 各種構造物の被害調査結果本節では 建築物以外の各種構造物の被害調査結果について示す (1) 九州新幹線高架橋宇土市と熊本市の境界付近 ( 宇土市三拾町 熊本市南区富合町田尻 ) で 新幹線高架橋の被害状況を 目視により確認した 確認地点の周辺では 報道にあるような橋脚本体のひび割れ等の被害は確認できなかったが 防音壁の落下は至る所で散見された ( 写真 -33 写真-34) 落下個所では高架橋の橋脚の構造形式が変化していることから 高架橋の構造と防音壁の落下との間に何らかの関連があるように思われる

15 写真 -33 新幹線高架橋の防音壁の落下 写真 -34 防音壁落下個所の状況 ( 熊本市南区富合町田尻 ) ( 宇土市三拾町 ) (2) メガソーラー施設益城町内のあるメガソーラー施設を対象に 被害状況を確認した 写真 -35 写真-36 にその状況を示す この施設は斜面にパネルが設置されているが パネルを設置した地盤が崩落したために生じたと思われるパネルの波打ちや一部脱落 パイプの外れなどが認められた 斜面への設置は施工のしやすさの面では有利な面もあるが 大きな揺れを伴う地盤変状を生ずると 施設へのダメージが大きくなることを示す例であると思われる この地域には他にも多くのメガソーラー施設が存在し 調査の途上でも幾つかの施設を確認できたが 平地にパネルを設置していた施設では 少なくとも外見上は被害はないように見受けられた 写真 -35 メガソーラー施設全景 ( 益城町内 ) 写真 -22 パネルおよびパイプの波打ち 脱落の状況 (3) ブロック塀熊本市東区や益城町では 住宅地を中心に各所でブロック塀の倒壊被害を確認した ( 写真 -37 写真 -38) 倒壊したブロック塀は築年数が古いものが多く また鉄筋が全く入っていないか極めて少数のもの 腐食が甚だしく鉄筋としての用をなさないものが大半であった

16 写真 -37 ブロック塀の倒壊 ( 熊本市東区湖東 2) 写真 -38 同 ( 熊本市東区湖東 2) 3. 課題とまとめ今回の地震および現地調査を通じて得た課題として 以下の 3 点が挙げられる (1) 複数回の地震に備えた建物の耐震対策今回の地震では 4 月 14 日に最大震度 7の前震が発生し 僅か2 日後に同じく最大震度 7の本震が発生するという 最近では例のない経緯をたどった このため 前震では倒壊を免れた建物が本震で多数倒壊し 多くの犠牲者を生む要因となった 震度 6~7 クラスの激しい揺れを受けた建物では 地震で倒壊を免れた場合でも構造体に多くのダメージを生じることは 過去の多くの地震被害例や防災科研の実大震動実験施設 E-ディフェンス での実験結果でも示されているが 現行の設計基準では 大地震時に建物が倒壊せずに人命だけは守ることを最優先に構造体の多少の損傷は許すという前提に立っており 複数回の地震発生の影響は考慮されているとはいえない 今回の地震を受けて 連続して発生する地震に対応した耐震設計基準のあり方についても 今後検討する必要があるものと考えられる また 2-3(1),(2) 項で述べた自治体庁舎や病院など災害時の拠点となるべき施設においては 建物に致命的な損壊がないかどうかを早期に把握でき 建物の使用制限期間を可能な限り短くできるようなシステムの構築が求められよう (2) 日頃の建物 設備などの地震への備え調査を通じて 旧耐震基準で設計 施工されたままの建物や 重い屋根瓦に見合う耐震要素を備えていない建物など 耐震性に課題がある建物が多数見受けられ また建物被害はそのような建物を中心に多く発生じている状況が改めて確認出来た 今回の地震の教訓として 日本国内では地震の発生頻度には多少の差こそあれ 大きな被害をもたらすような地震は全国どこでも起こり得るということを改めて肝に銘じる必要がある 実際 国の地震調査研究推進本部では 2013 年 2 月に 九州地域の活断層の地域評価結果として 熊本地方など九州中部で 30 年以内にマグニチュード 6.8 以上の地震が発生する確率を 18~27% と公表し 4) 熊本地方が決して地震が少ない地域ではないことを警告していた 今回の被害を見ると 残念ながら熊本の自治体や企業 住民に地震の危険性が十分知らされず 建物の耐震対策も十分ではなかったように思われる 特に今回の地震では 2-3(1) 項で述べたように 行政の中枢であ

17 る庁舎の損壊が宇土市 八代市 益城町など幾つかの自治体で生じたことは それを端的に物語っている 今後 国や自治体においては 企業や個人所有の建物の耐震診断 補強への一層の助成拡大とともに 災害時の拠点や避難所となる自治体自らの施設の耐震対策の強化を望みたい また各企業 個人においては 所有施設の構造躯体 非構造部材 設備 什器 備品 ( 家具 ) に至るまで 耐震対策に本腰を入れる必要がある (3) ブロック塀の耐震対策 2-4(3) 項で述べたように 今回の調査を通じて ブロック塀の倒壊被害が随所で散見された ブロック塀の倒壊被害は 1978 年宮城県沖地震の際に仙台市内ほか各所で発生し 10 余名の犠牲者が出たことを受けて ブロック塀の耐震基準が定められたが 古いブロック塀については耐震対策がなされないまま放置されているのが現状である 今回の地震は 前震 本震ともたまたま夜間に発生したため ブロック塀の倒壊による直接の死者は数名に留まっているが ブロック塀の倒壊による犠牲者をこれ以上増やさないためにも速やかな対策が望まれる 以上 平成 28 年熊本地震 について 弊社で実施した現地調査結果を中心に今後の課題も含めて整理した 今回の地震は 最大震度 7 を観測する地震が連続して発生し 甚大な被害を生じ住民生活や企業活動に計り知れない影響を与えた 上記 (2) で述べたように このような大きな被害を発生させるような地震は全国どこでも起こり得るとの視点で 企業や個人において改めて地震防災対策を真剣に見直す必要があると考える 本報告が そのために多少ともお役に立てば幸いである 最後に 共同で現地調査を行った応用アール エム エス株式会社 鱒沢工学研究所には 調査を通じて様々な協力をいただいたことを記し 改めて感謝申し上げる 参考文献 1) 応用アール エム エス株式会社 : 平成 28 年熊本地震現地調査レポート ( 2) 境有紀 : 熊本県の地震 (2016/04/16) で発生した地震動 ( 3) 地震調査研究推進本部 : 長周期地震動予測地図 2012 年試作版 p ( 4) 地震調査研究推進本部 : 九州地域の活断層の長期評価 ( 第一版 ) (

18 執筆者紹介 佐武直紀 ( さたけなおき ) 株式会社イー アール エスエンジニアリング部リスクマネジメントグループシニアエンジニア 1960 年生まれ 1988 年東北大学大学院博士課程修了 工学博士 専門は建築構造 耐震工学 同年より清水建設 ( 株 ) にて地震工学 建築構造関連の研究開発 耐震診断 建築施工支援実務などに従事 2006 年より応用地震計測 ( 株 ) にて地震防災関連の耐震化啓発教材 計測機器の開発などに従事 2010 年より文部科学省 ( 地震調査研究推進本部事務局 ) にて強震動予測関連の調査業務などに従事 2013 年より現職 建物の構造 耐震調査 企業施設の地震リスク評価などに従事 日本建築学会 建築物の減衰機構とその性能評価小委員会 幹事 実測データベース検討 WG 主査などを務める - 免責事項 - 本報告書の使用に起因して 本報告書の使用者または第三者に発生し得る損害賠償責任等その他一 切の法的問題について ( 株 ) イー アール エスとその関係会社 およびその従業員は免責されます

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