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あきたけちゃわんや
5 years ago
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1 農業用水路の劣化進行予測と補修更新費用の算定を支援するソフトウェア操作マニュアル平成 21 年 7 月農研機構農村工学研究所農村総合研究部地域資源保全管理研究チーム

2 目次 1. はじめに 1-1 ソフトウェアの内容と特徴パソコンの準備 LCC 算定に必要なファイルの準備 2-1 基本情報点検情報入力ファイル劣化予測ファイル維持管理シナリオファイル LCCの算定 3-1 農業用水路 LCC 評価システムファイルを用いたLCCの算定その他作動上の注意

3 農業用水路の劣化進行予測と補修更新費用の算定を支援するソフトウェア操作マニュアル 1. はじめに農業水利施設の施設劣化状態の診断から対策工事の実施までを一貫してできる基幹水利施設ストックマネジメント事業が平成 19 年度に創設されまた併せて国が造成した施設の劣化状況の診断を全国的に実施する制度整備が行われましたストックマネジメントを推進する上で施設の将来状態の劣化進行予測を行いまた既存施設を対象とした適時の補修補強更新に係る費用算定と必要に応じた対策時期の調整を行うことは非常に重要な工程であるこれらの作業を事業実施現場で適確に行うためには劣化進行予測や費用算定及び対策時期の調整を効率的に行うことが求められていますそこで鉄筋コンクリート製農業用開水路 ( 以下農業用水路 ) を対象とし現場技術者が実施した施設の診断結果を用い劣化進行予測から補修補強更新費用算定等までの一連の作業を一つのパッケージで実施するソフトウェアを作成しました 1-1 ソフトウェアの内容と特徴 (1) 本ソフトウェア ( 以下ソフト ) は農業用水路の診断結果を蓄積する1 基本情報点検情報入力ファイル将来の劣化状態を予測する2 劣化予測ファイル補修補強更新対策工法と対策時期を設定する3 維持管理シナリオファイルとこれらを統合的に管理する4 農業用水路 LCC 評価システムの4つのファイルにより構成され表計算ソフト Excel(23) の環境で作動しマクロプログラムを使用することにより簡易な操作で劣化進行予測及び費用算定等までの計算を短時間で実行します 2

4 (2) 劣化進行予測には対象とする農業用水路の診断結果を用いて 1 農業用水路に特有の劣化メカニズム ( 摩耗継目劣化 ) を対象とした水路ブロック毎の劣化進行状況を予測するプログラム ( 単一劣化曲線に基づく予測 ) 2 鉄筋コンクリートに共通する劣化メカニズム ( 中性化塩害等 ) に対する既往の知見による予測手法に新たな知見を補完して水路ブロック毎の劣化進行を予測するプログラム ( 既往の知見に基づく予測 ) 3 水路系全体の将来の劣化進行割合を算定し施設全体の対策時期の決定に役立つ劣化の状態分布を予測するプログラム ( マルコフ連鎖に基づく予測 ) の3 種類が用意されています (3) 対策費用の算定では予測結果を用いて技術者が設定する複数の対策の組合せ ( 対策シナリオ ) に対応した適時の補修補強更新費用算定と年度の実施予算が限られた場合に対応する対策時期の調整 ( 平準化 ) を実施します 3

5 単年度補修費額百万円 35 単年度補修費額百万円診断情報ファイルの入力項目例水路の区間長寸法水利施設の竣工年点検日水セメント比鉄筋のかぶり塩化物イオン濃度診断調査から求まる健全度 (1 段階 ) 5.5( 新設時点とほぼ同等の状態 )~1.( 更新した方が経済的に有利な状態 ) 29 年 29 年必要補修年と補修費額 215 年 215 年水路 A 水路 B 累計額 221 年 227 年補修年 233 年 239 年自動的平準化の結果水路 A 水路 B 累計額 221 年 227 年 233 年補修年 239 年 245 年 245 年 251 年百万円補修費累計額百万円 5 補修費累計額劣化診断データの入力劣化の進行度合に対応した補修補強更新工法の設定入力劣化予測ファイル用水路に特有の劣化メカニズムに対応した予測の出力既往の知見経験を補完した劣化予測の出力水路系全体の状態分布を求める劣化予測の出力費用算定システムファイル既存の施設を対象とした適時の補修補強更新費用算定の出力限られた年度予算に対応した対策時期の調整結果 ( 平準化 ) の出力 1% 8% 健全 6% 度割 4% 合 2% % 4 健全度 2 対策工法シナリオファイルの概要 6 劣化進行度合いに対応した対策工法の設定例健全度 4.5~3.5 軽微な補修工法健全度 3.~1.5 補修補強工法健全度 1. 更新 ( 再建設 ) 単一劣化曲線に基づく劣化予測 6 4 健全度 2 y = 5.5 観測値単一劣化曲線経過年既往の知見に基づく劣化予測経過年数マルコフ連鎖に基づく劣化予測経過年数健全度 1. 健全度 1.5 健全度 2. 健全度 2.5 健全度 3. 健全度 3.5 健全度 4. 健全度 4.5 健全度 5. 健全度 5.5 劣化進行予測と LCC 算定を支援するソフトウェアの概要 4

6 農業用水路の劣化進行予測と補修更新費用の算定を支援するソフトウェアの使用マニュアル 1-2. パソコンの準備動作環境ソフトを使用する前に以下の項目について確認してくださいシステムの OS が Microsoft Windows XP SP2 以上であること (Windows XP SP2,3 でのみ動作確認済 ) [ マイコンピュータ ]-[ ヘルプ ]-[ バージョン情報 ] で確認ハードディスクの空き容量が 1MB 以上 Microsoft Excel( 以下 Excel)23 がインストールされていること (Excel 23 でのみ動作確認済 ) Excel のマクロが有効であること [ ツール ]-[ マクロ ]-[ セキュリティ ] にてセキュリティレベルを中に設定分析ツール分析ツールがインストールされていること [ ツール ]-[ アドイン ] にて分析ツールをチェックする各エクセルファイルすべてに分析ツールがインストールされていることが必要インストール農業用水路 LCC 評価システム (H 現在のファイル名は 9522 農業用水路 LCC 評価システム.xls ) を使用するパソコンの任意の場所にコピーする 5

2.LCC 算定に必要なファイルの準備 LCC 算定を開始するにあたり計算に使用する基本情報点検情報入力ファイル劣化予測ファイル維持管理シナリオファイルを用意する必要があります 2-1 基本情報点検情報入力ファイルこのファイルは LCC を計算する農業用水路の基本情報や点検情報を入力するファイルです LCC を計算するだけなら赤文字で表現されている項目例えば水路番号

7 2.LCC 算定に必要なファイルの準備 LCC 算定を開始するにあたり計算に使用する基本情報点検情報入力ファイル劣化予測ファイル維持管理シナリオファイルを用意する必要があります 2-1 基本情報点検情報入力ファイルこのファイルは LCC を計算する農業用水路の基本情報や点検情報を入力するファイルです LCC を計算するだけなら赤文字で表現されている項目例えば水路番号バレル長等を入力するだけで OK です 1 基本情報点検情報入力ファイルを起動する 2 起動したファイルを別名で任意の場所に保存するファイルメニュー名前を付けて保存を選択してファイル名と保存先を指定する 3 新しく名前を付けたファイルを使って LCC 算定に必要な項目の入力作業を行うヒント基本情報点検情報入力ファイルは 1 水路系で 1 つのファイルとします 1 ワークシート =1 水路となり 1 水路系の水路の数だけあらかじめワークシートをコピーしておきます ( 最大 1 水路まで可能 ) ワークシートのコピーは編集メニューシートの移動またはコピーを選択シートの移動またはコピー画面 ( 図 1) ではコピーを作成するにチェックを入れ OK ボタンを押しますこれをワークシート数が水路の数になるまで繰り返しますワークシートのシート名は水路番号など任意のシート名を付けることができます ( 注 ) 基本情報点検情報入力シートを作成する場合データが入力されていない余分なシートが含まれていないようにする ( 含まれているとエラーとなる ) 図 1 シートの移動またはコピー画面 6

4 ワークシート毎に異なる水路番号を入力し LCC 算定に必要な次の項目をバレル数分 (1 ワークシートに入力できるバレルの数は最大 999 バレルまで ) 入力する水路番号任意の数字や文字で入力する例えば A 幹線 -1 A 幹線 -2 A 幹線 -3 バレル番号ごとにバレル長バレル幅壁高さ必須項目 m 単位で入力主たる劣化機構 - 健全度目視 LCC

8 4 ワークシート毎に異なる水路番号を入力し LCC 算定に必要な次の項目をバレル数分 (1 ワークシートに入力できるバレルの数は最大 999 バレルまで ) 入力する水路番号任意の数字や文字で入力する例えば A 幹線 -1 A 幹線 -2 A 幹線 -3 バレル番号ごとにバレル長バレル幅壁高さ必須項目 m 単位で入力主たる劣化機構 - 健全度目視 LCC 算定を単一劣化曲線で行う場合は必須健全度を 5.5~1. から選択 LCC 算定をマルコフ過程で行う場合は主たる劣化機構の入力に係わらず部位毎に劣化機構を以下のように定めている部位 : 目地劣化機構を継目劣化とする部位 : 壁面 - 左右劣化機構を壁面摩耗とする部位 : 壁面 - 底劣化機構を底版摩耗とする LCC 算定をマルコフ過程で行う場合は劣化機構の入力に係わらず目地は継目劣化壁面 ( 右左 ) は壁面摩耗壁面 ( 底 ) は底版摩耗を劣化機構の対象とする LCC 算定を単一劣化曲線で行う場合は入力された劣化機構を対象にして行う図 2 主たる劣化機構の入力方法主たる劣化機構 - 劣化機構 LCC 算定を単一劣化曲線で行う場合は必須壁面摩耗継目劣化底版摩耗中性化塩害凍害アル骨ひび割れ化学的侵食から選択竣工年月日 ( 西暦 ) 補修年月日( 西暦 ) 劣化予測をマルコフ過程で指定したい場合はどちらかの入力が必須竣工年月日だけが入力されている場合竣工年月日において健全度 5.5 と評価する補修年月日が入力されている場合補修年月日において健全度 5.5 と評価する健全度を判定した日 ( 西暦 ) LCC 算定を単一劣化曲線で行う場合は必須 7

9 ヒント LCC を一つの水路系例えば A 幹線の LCC を求める場合水路番号は A 幹線 -1 A 幹線 -2 A 幹線 -3 のように付ければよいでしょう LCC を複数の水路系を合せて例えば A 幹線 +B 幹線 +C 幹線の LCC を求める場合水路番号は A 幹線 B 幹線 C 幹線のように付ければよいでしょう A 幹線 -1 A 幹線 -2 A 幹線 -3 図 3 水路系の考え方バレル番号の付け方の順序は任意であるが上流側からバレル番号を付けるのが分かりやすいでしょうバレル 1 目地バレル 2 目地バレル 3 目地バレル 4 目地水流バレル 1 バレル 2 バレル 3 バレル 4 バレル 5 目地 A 幹線 -1 バレル 1 目地バレル 1 バレル 2 目地バレル 3 目地バレル 4 目地バレル 2 バレル 3 A 幹線 -2 バレル 1 バレル 1 目地 A 幹線 -3 バレル 2 目地図 4 バレル番号の考え方バレル長バレル幅壁高さは下図のように定める目地のバレル長は隣り合うバレルの.3m 幅を合せて.6m とします但し水路端部の目地は隣り合うバレルが無いため.3m とします壁面のバレル長目地のバレル長 =.3m 2=.6m 目地のバレル長 =.3m 2=.6m バレル幅目地目地壁高さ図 5 寸法の考え方 8

LCC 算定を単一劣化曲線で行う場合は点検データから将来の劣化予測を行うので健全度目視劣化機構健全度を判定した日の入力が必須です言い換えれば点検データの無いものは LCC 算定が出来ないことになります一方 LCC 算定をマルコフ過程で行う場合は遷移率から将来の劣化予測を行うので遷移率を求めるための点検データがあれば竣工年月日また補修が行われている場合には補修年月日

10 LCC 算定を単一劣化曲線で行う場合は点検データから将来の劣化予測を行うので健全度目視劣化機構健全度を判定した日の入力が必須です言い換えれば点検データの無いものは LCC 算定が出来ないことになります一方 LCC 算定をマルコフ過程で行う場合は遷移率から将来の劣化予測を行うので遷移率を求めるための点検データがあれば竣工年月日また補修が行われている場合には補修年月日のデータが入力されていればよいでしょうデータの終わりはバレル長がブランクになっていることで判断します入力の例水路番号 ( 共通必須 ) 健全度目視劣化機構 ( 単一劣化で必須 ) 健全度を判定した日 ( 単一劣化で必須 ) 竣工年月日補修年月日 ( マルコフ過程で必須 ) バレル長バレル幅壁高さ ( 共通必須 ) バレル数分の入力を行う ( 最大 999) 図 6 基本情報点検情報入力ファイル 5 すべての入力を終えたらファイルを保存する 9

2-2 劣化予測ファイル劣化予測には単一劣化曲線を用いる方法とマルコフ過程の遷移率を用いて予測を行う方法があります劣化予測ファイルは単一劣化曲線と遷移率を求めるためのファイルです劣化機構のうち壁面摩耗と継目劣化は点検データを入力して単一劣化曲線と遷移率の両方を求めます中性化等の劣化機構は水セメント比等の材料の特性値を入力して単一劣化曲線だけを求めます 1)

11 2-2 劣化予測ファイル劣化予測には単一劣化曲線を用いる方法とマルコフ過程の遷移率を用いて予測を行う方法があります劣化予測ファイルは単一劣化曲線と遷移率を求めるためのファイルです劣化機構のうち壁面摩耗と継目劣化は点検データを入力して単一劣化曲線と遷移率の両方を求めます中性化等の劣化機構は水セメント比等の材料の特性値を入力して単一劣化曲線だけを求めます 1) 壁面摩耗と継目劣化の点検データの入力 1 劣化予測ファイルを起動する 2 起動したファイルを別名で任意の場所に保存するファイルメニュー名前を付けて保存を選択してファイル名と保存先を指定する 3 新しく名前を付けたファイルを使って以下の入力作業を行う 4 劣化機構の内壁面摩耗と継目劣化に関する入力はそれぞれ壁面摩耗入力シート継目劣化入力シートに入力する 5 入力項目は竣工年または点検前補修年点検日点検日健全度ランクに入力する上記項目を入力すると竣工年等からの点検日までの経過年と健全度ランクを自動計算して表示する ( 入力できる要素数は最大 2 まで ) 点検した要素の数だけ入力を行う ( 最大 2) 図 7 劣化予測ファイル - 壁面摩耗入力画面 1

12 ヒント壁面摩耗の点検データは壁面摩耗入力シート継目劣化の点検データは継目劣化入力シートに入力します壁面摩耗と継目劣化の単一劣化曲線とマルコフ過程の遷移率は上記の点検データを共通のものとして求めます 11

健全度2) 単一劣化曲線を求める単一劣化曲線は以下の手順で求めます 1 壁面摩耗入力シートまたは継目劣化入力シートのグラフ作成ボタンで単一劣化 ( 壁面継目 ) シートに段階 Ⅰ~ 段階 Ⅳに至る経過年数とグラフを作成する図 8 劣化予測ファイル - 単一劣化曲線グラフヒント段階 Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳとは潜伏期等の劣化進行過程の境を示します竣工時 5.5 5. 4.

13 健全度2) 単一劣化曲線を求める単一劣化曲線は以下の手順で求めます 1 壁面摩耗入力シートまたは継目劣化入力シートのグラフ作成ボタンで単一劣化 ( 壁面継目 ) シートに段階 Ⅰ~ 段階 Ⅳに至る経過年数とグラフを作成する図 8 劣化予測ファイル - 単一劣化曲線グラフヒント段階 Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳとは潜伏期等の劣化進行過程の境を示します竣工時段階 Ⅰ( 潜伏期と進展期の境 ) 段階 Ⅱ( 進展期と加速期前期の境 ) 段階 Ⅲ( 加速期前期と後期の境 ) 段階 Ⅳ( 加速期と劣化期の境 ) 1.. 経年潜伏期進展期加速期前期劣化期加速期後期図 9 健全度と進行過程単一劣化曲線のグラフには二次曲線近似と線形近似の 2 種類のグラフが表示されますが LCC 算定に用いるのは線形近似のものを用いています 12

2 劣化機構の内中性化塩害凍害ひび割れアルカリ骨材化学的侵食に関する入力は中性化他入力シートの入力値列に入力する図 1 劣化予測ファイル- 入力シート画面 ( 薄緑は直接入力水色は選択肢入力 ) 3 中性化他入力シートの入力値の列に入力を行うと単一劣化 ( 中性化他 ) シートに中性化塩害凍害ひび割れアルカリ骨材化学的侵食の段階 Ⅰ~ 段階

14 2 劣化機構の内中性化塩害凍害ひび割れアルカリ骨材化学的侵食に関する入力は中性化他入力シートの入力値列に入力する図 1 劣化予測ファイル- 入力シート画面 ( 薄緑は直接入力水色は選択肢入力 ) 3 中性化他入力シートの入力値の列に入力を行うと単一劣化 ( 中性化他 ) シートに中性化塩害凍害ひび割れアルカリ骨材化学的侵食の段階 Ⅰ~ 段階 Ⅳに至る経過年数とグラフが作成されるヒント入力データは標準的と考えられる値をデフォルト値として設定しています中性化塩害凍害ひび割れアルカリ骨材化学的侵食の単一劣化曲線の求め方を知りたい場合はシート後半にある中性化シート塩害シート凍害シートひび割れシートアルカリ骨材シート化学的侵食シートを開けばそれぞれの演算式を参照することができます 13

3) マルコフ過程の遷移率を求めるマルコフ過程の遷移率は以下の手順で求まります 1 壁面摩耗継目劣化のマルコフ遷移率を求めるにはそれぞれマルコフ ( 壁面摩耗 ) シートマルコフ ( 継目劣化 ) シートの遷移率計算ボタンを押す 2 遷移率計算単位選択画面( 図 11) が表示される遷移率は壁面摩耗入力シート継目劣化入力シートに入力した点検データを用いて

15 3) マルコフ過程の遷移率を求めるマルコフ過程の遷移率は以下の手順で求まります 1 壁面摩耗継目劣化のマルコフ遷移率を求めるにはそれぞれマルコフ ( 壁面摩耗 ) シートマルコフ ( 継目劣化 ) シートの遷移率計算ボタンを押す 2 遷移率計算単位選択画面( 図 11) が表示される遷移率は壁面摩耗入力シート継目劣化入力シートに入力した点検データを用いて最小二乗法により自動計算されるこの際に点検データの竣工年等から点検日までの経過年数をそのまま使う場合には単年を選択 5 年単位で括る場合には 5 年を選択 1 年単位で括る場合には 1 年を選択する例 )5 年を選択したケース竣工年あるいは補修年から点検日までの経過年数 1~5 年の点検データを経過年数 5 年の点検データとして扱う竣工年あるいは補修年から点検日までの経過年数 6~1 年の点検データを経過年数 1 年の点検データとして扱う図 11 遷移率計算単位選択画面 3 出力として黄色のセル部分に遷移率 X1~X9 までの自動計算結果が示されるシート右上には自動計算で得られた遷移率 X1~X9 での 1 年次 2 年次 3 年次 4 年次の健全度の割合がグラフ表示されるその下側には点検データそのものの 1 年次 2 年次 3 年次 4 年次の健全度の割合がグラフ表示されるが点検データそのものに 1 年次等のデータが無い場合にはグラフ中には表示されない点検データの健全度割合の推移が X1~X9 の遷移率で表現できる場合には両者のグラフは同じものになる 14

ある健全度から次の健全度に遷移する割合を率で表したものです遷移率が X1~X9 の 9 個あるのは健全度が 5.5 から 5. に遷移する率 X1 健全度が 5. から 4.

16 4 X1~X9 までの遷移率は黄色のセル部分に手動でユーザが任意に入力することも可能である X1~X9 までの遷移率ユーザによる直接指定可上側 : 遷移率に基づく 1 年毎の健全度割合グラフ下側 : 点検データに基づく 1 年毎の健全度割合グラフ図 12 劣化予測ファイル - 壁面摩耗マルコフ画面 5 すべての入力を終えたらファイルを保存するヒント遷移率とはある健全度から次の健全度に遷移する割合を率で表したものです遷移率が X1~X9 の 9 個あるのは健全度が 5.5 から 5. に遷移する率 X1 健全度が 5. から 4.5 に遷移する率 X2 健全度が 1.5 から 1. に遷移する率 X9 の合計 9 個になるからです遷移率計算単位選択を設定したのは竣工年あるいは補修年から点検までの経過年数が同じデータが多いほど遷移率を求めるのに有効と考えたからです 15

17 2-3 維持管理シナリオファイルこのファイルは農業用水路の LCC を算定する場合の維持管理方針と対策工 ( 対策工の種類補修数量補修費回復レベル補修費単価 ) を関係付けしたファイルですこの維持管理方針と対策工を関係付けした表を対策工法マトリクスと呼びますこのファイルでは維持管理方針に沿った標準的な対策工が既に設定してありますこのためこのファイルをそのまま使用すればいいのですが新たな対策工や補修費単価等を変更したい場合にはユーザーシナリオとして新たな対策工を入力して用いることができますここではユーザーシナリオの設定方法について説明します 1 維持管理シナリオファイルを起動する 2 起動したファイルを別名で任意の場所に保存するファイルメニュー名前を付けて保存を選択してファイル名と保存先を指定する 3 新しく名前を付けたファイルを使ってユーザーシナリオの設定を以下のとおりに行う 4 入力対象のシートは壁面摩耗継目劣化底版摩耗中性化塩害凍害アルカリ骨材ひび割れ化学的侵食の 9 シートこの 9 シートのシート名は変更してはいけない 5 それぞれの劣化機構には長寿命化シナリオ 1~3 と更新シナリオが用意してある特に支障のない限りはこの長寿命化シナリオ 1~3 と更新シナリオは変更しないこと 6 ユーザが任意のシナリオを作成する場合は H 列以降に次からの手順で作成するなおシナリオは最大 1 シナリオまで用意できる 7 3 行目にはシナリオ名を入力し 4 行目には補修を実施する健全度をの中から選択する 8 実施時期は進展期加速期前期加速期後期劣化期の 4 つがありそれぞれの対策工補修数量補修費回復レベル補修費単価 ( 円 / m2 ) を入力する 9 対策工と補修費の行は LCC 算定時の読み込みは行わないため空白でも構わない 1 補修数量はパーセント表記で入力し必ず % の文字が必要であり LCC 算定時には % 前の数値を読み込む 11 回復レベルには.~5.5 までの数値 (.5 単位でなくても良い ) を入力する 12 回復レベル. とは健全度が対策を実施する健全度に達した場合に対策を行うが健全度の回復を行わない場合に使用する 13 すべての入力を終えたらファイルを保存する 16

18 図 13 維持管理シナリオファイルの対策工法マトリクス ( 壁面摩耗の例 ) 17

ヒント回復レベルとは対策工を施すことによって回復する健全度のことです単一劣化曲線による LCC 算定とマルコフ過程による LCC 算定とでは対策工法マトリクスの使用する領域が次のように異なります網掛けの領域は遷移率による LCC 算定で対策を実施する健全度よりも高い健全度のものも対策工を施す場合に使用する対策工単一劣化曲線の LCC 算定には網掛けの領域は使用しない図

19 ヒント回復レベルとは対策工を施すことによって回復する健全度のことです単一劣化曲線による LCC 算定とマルコフ過程による LCC 算定とでは対策工法マトリクスの使用する領域が次のように異なります網掛けの領域は遷移率による LCC 算定で対策を実施する健全度よりも高い健全度のものも対策工を施す場合に使用する対策工単一劣化曲線の LCC 算定には網掛けの領域は使用しない図 14 対策工法マトリクスの使用領域単一劣化曲線による LCC 算定の場合対策を実施する健全度よりも高い健全度にあるものは対策工を施さないことが基本になっています例えば長寿命化シナリオ 2 で LCC を計算する場合対策を実施する健全度は 3.5 であるので進展期 (4.5 健全度 >3.5) にあるものは対策を施しません従って長寿命化シナリオ 2 の進展期にある対策工の領域は用いません遷移率による LCC 算定の場合単一劣化曲線と同様に扱うケースと対策を実施する健全度よりも高い健全度にあるものも対策工を施すケースの 2 種類があります後者は例えば長寿命化シナリオ 2 で LCC を計算する場合対策を実施する健全度は 3.5 であっても進展期 (4.5 健全度 >3.5) にあるものも対策を施します従って長寿命化シナリオ 2 の進展期にある対策工の領域を用います 18

3.LCC の算定 3-1 農業用水路 LCC 評価システムファイルを用いた LCC の算定 2. で述べた基本情報点検情報入力ファイル劣化予測ファイル維持管理シナリオファイルを用いて農業用水路の LCC の算定を行います算定の手順は次のとおりです 1 農業用水路 LCC 評価システム (H21.5.

20 3.LCC の算定 3-1 農業用水路 LCC 評価システムファイルを用いた LCC の算定 2. で述べた基本情報点検情報入力ファイル劣化予測ファイル維持管理シナリオファイルを用いて農業用水路の LCC の算定を行います算定の手順は次のとおりです 1 農業用水路 LCC 評価システム (H 現在のファイル名は 9522 農業用水路 LCC 評価システム.xls ) を起動する 2 を参照 3 を参照 4 を参照 5 を参照 6 を参照 7 を参照 8 を参照図 15 起動時の農業用水路 LCC 評価システムの入力画面 2 基本情報点検情報ファイルを選択する基本情報点検情報ファイル選択の参照ボタンを押す 2-1で別名を付けて保存した基本情報点検情報ファイルを指定する 19

21 3 劣化予測ファイルを選択する LCC の算定を単一劣化曲線を用いて行う場合には劣化予測の方法を単一劣化曲線を選択する LCC の算定をマルコフ過程の遷移率を用いて行う場合には劣化予測の方法をマルコフ過程を選択する劣化予測ファイル選択の参照ボタンを押す 2-2で別名を付けて保存した劣化予測ファイルを指定する 4 維持管理シナリオファイルを選択する維持管理シナリオファイル選択の参照ボタンを押す 2-3で別名を付けて保存した維持管理シナリオファイルを指定する 5 LCC 算定の条件として次の 4 項目の入力を行う LCC 算定を開始する年を西暦で入力する空白の場合はパソコンの現在時刻の年が LCC 開始年となる LCC 算定期間 (1~1 年 ) を入力する算定結果のグラフ (7-c) 参照 ) は LCC 開始年から LCC 算定期間までが表示される空白の場合は 1 年分をグラフ表示する 3でマルコフ過程を選択した場合対策工法マトリクスの対策を実施する健全度以下の割合が何 % に達したら対策を実施するかを 1~1% で指定する空白の場合は 5% となる社会的割引率には将来費用の割引計算に使用する割引率 (~1%) を入力する社会的割引率を考慮した将来補修費は下式で計算する空白の場合は % となる年数将来補修費 =LCC 開始年の補修費 /(1+ 社会的割引率 ) 社会的割引率を考慮しない場合は % を入力または空白にするヒントマルコフ過程では施設の健全度を全施設の何% が健全度何々以下であるというように評価しますこのため補修時期も全施設の何 % が健全度何々以下に達したら行うと設定しています社会的割引率は公共事業評価の費用便益分析に関する技術指針 ( 平成 16 年 2 月国土交通省 ) では 4% と定めています 2

水路毎に各劣化機構に対する維持管理シナリオを選択するマルコフ過程を選択した時のシナリオの選択では補修時期の補修対象施設も選択する

22 6 LCC 算定を行うすべての入力を終えたら LCC 算定ボタンをクリックする LCC 算定を開始してしばらくするとシナリオの選択画面が表示されるシナリオの選択画面は 3で単一劣化曲線を選択した場合は図 16 の画面マルコフ過程を選択した場合は図 17 の画面を表示するシナリオの選択画面では水路毎に各劣化機構に対する維持管理シナリオを選択するマルコフ過程を選択した時のシナリオの選択では補修時期の補修対象施設も選択する水路番号毎に各劣化機構の維持管理シナリオを選択図 16 シナリオの選択 ( 単一劣化曲線 ) 対策時期における対策を行う施設を選択上 : 指定した健全度以下の施設を補修する下 : 健全度 4.5 以下の施設を全て補修する図 17 シナリオの選択 ( マルコフ過程 ) 21

23 ヒントマルコフ過程では施設の健全度を全施設の何% が健全度何々以下であるというように評価しますこのため対策時期も全施設の何 % が健全度何々以下に達したら行うと設定していますこの補修時期においてシナリオで指定された健全度以下のものだけを補修するかあるいは健全度 4.5 以下のもの全てを補修するかを選択するものです後者は維持管理者によっては補修するなら健全度に関係なく補修したいとする意見を反映できるようにしたものです長寿命化シナリオ 1~3 更新シナリオを選択する目安は次のとおりです長寿命化シナリオ 1 長寿命化シナリオ 2 長寿命化シナリオ 3 更新シナリオ表 1 維持管理シナリオの種類水路を高品質に維持管理するシナリオ水路躯体の軽微な劣化は許容するシナリオ水路の機能が保たれない状況になった段階で補修を行うシナリオ水路の機能が満足できなくなるまで使用して更新するシナリオ 22

次のシートに LCC の算定結果が出力される a) 全水路全バレル LCC 算定シート 3の劣化予測で単一劣化曲線を選択した場合シートには水路番号 +バレル番号順に LCC 開始年から 1 年間の補修必要年次と補修費が一覧表示される 3の劣化予測でマルコフ過程を選択した場合水路番号順に LCC 開始年から 1 年間の補修必要年次と補修費が一覧表示され

この右岸側目地を長寿命化シナリオ 2 で維持管理する場合 ( 健全度 3.5 に達したら補修を行う ) 272 年には健全度 3.

24 次のシートに LCC の算定結果が出力される a) 全水路全バレル LCC 算定シート 3の劣化予測で単一劣化曲線を選択した場合シートには水路番号 +バレル番号順に LCC 開始年から 1 年間の補修必要年次と補修費が一覧表示される 3の劣化予測でマルコフ過程を選択した場合水路番号順に LCC 開始年から 1 年間の補修必要年次と補修費が一覧表示されバレル番号には水路の健全度が補修を行う健全度以下になる割合が表示される補修費には社会的割引率を考慮しない補修費と LCC 開始年を起点にした社会的割引率を考慮した補修費の両方が表示される表 2 単一劣化曲線を選択した場合の算定結果の見方幹線 1-1 のバレル番号 1 の右岸側目地 ( 要素番号 Jo11) は点検時の健全度は 5 主要な劣化機構は継目劣化であったこの右岸側目地を長寿命化シナリオ 2 で維持管理する場合 ( 健全度 3.5 に達したら補修を行う ) 272 年には健全度 3.5 に達すると予測されるその時の補修費は社会的割引率を考慮しない場合は 12,15 円で考量した場合は 1,15 円である表 3 マルコフ過程を選択した場合の算定結果の見方幹線 1-1 の壁面底版を長寿命化シナリオ 2 で維持管理する場合底板摩耗によって 223 年には全底版の 51.1% が健全度 3.5 以下になると予測されるので補修が必要であるその時の補修費は社会的割引率を考慮しない場合は 971,442 円で考量した場合は 56,984 円である b) 補修必要年次順 LCC 算定シート a) の全水路全バレル LCC 算定を補修必要年次順で並べ替えたもので各項の見方は同じである 23

25 c) グラフシート水路毎の補修を行う年次と補修費を示す補修費は社会的割引率を考量した補修費であるグラフに表示する期間は 3-5で指定した LCC 算定期間となるグラフ左にある表はグラフのデータ内訳を示している図 18 グラフシートの例 ( 単一劣化曲線による ) 図 19 グラフシートの例 ( マルコフ過程による ) 24

マルコフ過程では継目劣化と摩耗による健全度の変化を併せて表現しているグラフの健全度はその年が補修必要年である場合は

26 d) 健全度割合の推移シート健全度割合の推移をグラフ表示するグラフに表示する期間は 3-5で指定した LCC 算定期間となるグラフは水路系全体での健全度の割合を表すものであり単一劣化では基本情報点検情報ファイルので指定された主たる劣化機構マルコフ過程では継目劣化と摩耗による健全度の変化を併せて表現しているグラフの健全度はその年が補修必要年である場合はその年の健全度は回復後の健全度になるものとして表現している図 2 健全度割合の推移グラフの例 ( 単一劣化曲線による ) 図 21 健全度割合の推移グラフの例 ( マルコフ過程による ) 25

27 7 平準化計算を行う目標年度予算を入力する目標年度予算は累計補修費 /LCC 算定期間を目安に定めるとよい但し目標年度予算は平準化を行う単位の最大補修費以上を入力する必要がある平準化を行う単位とは補修工事の最低単位のことであり単一劣化の場合は要素単位マルコフ過程の場合は部位単位 ( 目地左右壁面底板壁面 ) としている先送り許容年数を入力する平準化は対策を先送りすることを基本にして行うしかし目標年度予算に収まるよう平準化した結果対策時期が当初の必要時期を大きく過ぎることが考えられるこのため対策を先送りしてよい先送り許容年数を定め平準化後の結果の判定に用いるなお平準化は平準化前の社会的割引率を考慮した補修費を用いて行うが先送りによる劣化の進行による対策費の増加分や社会的割引率に対する再計算は行っていない集約期間を入力する集約期間とは補修工事の効率化を図るため集約期間内にある同一水路の対策を同一年度に実施するように設定するものであるまた集約期間内に複数水路の対策が必要な場合集約期間内での対策費の合計が高い水路を優先するよう定めている 5 年間の対策を水路毎に集約する ( ここでは集約期間 5 年 ) 対策費の合計が高い水路を優先して他の水路は対策時期を先送りする 4,5 4, 3,5 3, 水路 Ⅲ 水路 Ⅱ 水路 Ⅰ 4,5 4, 3,5 3, 水路 Ⅲ 水路 Ⅱ 水路 Ⅰ 補修費 2,5 2, 目標年度予算補修費 2,5 2, 目標年度予算 1,5 1,5 1, 1, 年次 2 年次 3 年次 4 年次 5 年次補修執行年次 1 年次 2 年次 3 年次 4 年次 5 年次補修執行年次図 22 平準化例 26

28 平準化計算ボタンをクリックして平準化計算を自動で行う次のシートに平準化の結果が出力される a) 自動平準化後の LCC 算定シート平準化後のデータ一覧とグラフが表示されるデータ一覧では平準化後の結果が目標年度予算に収まっているか平準化するための対策の先送りが先送り許容年数を超えていないかの判定結果が表示されるまたデータ一覧と併せてグラフが表示されるなおグラフシートには平準化前の結果と平準化後の結果が表示される判定 1 補修執行年次の合計補修費目標年度予算? 判定 2 補修執行年次補修必要年次 + 先送り許容年数? 図 23 平準化後のデータ一覧 27

29 必要補修年次と補修費補修費 12,, 1,, 8,, 6,, 4,, 2,, 水路幹線 1-3 水路幹線 1-2 水路幹線 1-1 累計 35,, 3,, 25,, 2,, 15,, 1,, 5,, 補修費累計 29 年 211 年 213 年 215 年 217 年 219 年 221 年 223 年 225 年 227 年 229 年 231 年 233 年 235 年 237 年 239 年 241 年 243 年 245 年 247 年 249 年 251 年 253 年 255 年 257 年補修執行年次 1,2, 1,, 自動的平準化の結果水路幹線 1-3 水路幹線 1-2 水路幹線 1-1 累計 35,, 3,, 8, 25,, 補修費 6, 4, 2, 2,, 15,, 1,, 5,, 補修費累計 29 年 211 年 213 年 215 年 217 年 219 年 221 年 223 年 225 年 227 年 229 年 231 年 233 年 235 年 237 年 239 年 241 年 243 年 245 年 247 年 249 年 251 年 253 年 255 年 257 年 259 年 261 年補修執行年次図 24 平準化前と後のグラフの比較 28

30 ユーザ指定後の LCC 算定を行う自動的に平準化された結果に対してユーザが例えば予算の都合で対策時期を変えたい等の理由で対策の執行年次を直接指定したい場合ユーザ指定後の LCC 算定シートを用いて執行年次を変更しその結果をグラフで表示することができるなおグラフシートには平準化前の結果平準化後の結果とユーザ指定後の結果が表示されるユーザ指定執行年次に執行年次を手入力で指定する図 25 ユーザ指定執行年次 29

31 必要補修年次と補修費補修費 12,, 1,, 8,, 6,, 4,, 2,, 水路幹線 1-3 水路幹線 1-2 水路幹線 1-1 累計 35,, 3,, 25,, 2,, 15,, 1,, 5,, 補修費累計 29 年 211 年 213 年 215 年 217 年 219 年 221 年 223 年 225 年 227 年 229 年 231 年 233 年 235 年 237 年 239 年 241 年 243 年 245 年 247 年 249 年 251 年 253 年 255 年 257 年補修執行年次 1,2, 1,, 自動的平準化の結果水路幹線 1-3 水路幹線 1-2 水路幹線 1-1 累計 35,, 3,, 8, 25,, 補修費 6, 4, 2, 2,, 15,, 1,, 5,, 補修費累計 29 年 211 年 213 年 215 年 217 年 219 年 221 年 223 年 225 年 227 年 229 年 231 年 233 年 235 年 237 年 239 年 241 年 243 年 245 年 247 年 249 年 251 年 253 年 255 年 257 年 259 年 261 年補修執行年次ユーザが執行年次を変更することで平準化が行える 1,2, 1,, 水路幹線 1-3 水路幹線 1-2 水路幹線 1-1 累計ユーザ指定平準化の結果 35,, 3,, 補修費 8, 6, 4, 2, 25,, 2,, 15,, 1,, 5,, 補修費累計 29 年 211 年 213 年 215 年 217 年 219 年 221 年 223 年 225 年 227 年 229 年 231 年 233 年 235 年 237 年 239 年 241 年 243 年 245 年 247 年 249 年 251 年 253 年 255 年 257 年 259 年 261 年補修執行年次図 26 平準化前平準化後ユーザ執行年次指定後のグラフの比較 3

32 3-2 その他作動上の注意計算時間について( 単一劣化曲線の場合 ) パソコンのスペックにもよるが LCC の計算時間は比較的短い (2~3 分以内 ) しかし平準化の計算には多少の時間を要する ( 単一劣化曲線を用いた場 ) (15 分以内 ) 平準化の計算を始めてから 3 分経過しても結果が出ない場合は計算量が膨大であるかまたは入力ミスがどこかにあることが考えられるので中断して検討した方がよい計算時間はバレル数に応じ 2 次曲線的に増加する ( 図 27) 算定時間 ( 平準化算定時間結果例 ( 秒 ) y =.7x x R 2 =.9999 y =.4x x R 2 = 1 実時間秒)2 PC 表示時間バレル数多項式 ( 実時間 ) 多項式 ( 表図 27 平準化算定時間例 ( 比較的高性能の PC で計算 ) 31

図維持管理の流れと診断の位置付け 1) 22 22

図維持管理の流れと診断の位置付け 1) 22 22 第 2 章. 調査診断技術 2.1 維持管理における調査診断の位置付け (1) 土木構造物の維持管理コンクリート部材や鋼部材で構成される土木構造物は立地環境や作用外力の影響により経年とともに性能が低下する場合が多いこのためあらかじめ設定された予定供用年数までは構造物に要求される性能を満足するように適切に維持管理を行うことが必要となる土木構造物の要求性能とは構造物の供用目的や重要度等を考慮して設定するものである