ひずみ集中帯の重点的調査観測・研究

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れれさくいし
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1 3.6.1 古地震津波等の史資料の収集と解析目次 (1) 業務の内容 448 (a) 業務題目 (b) 担当者 (c) 業務の目的 (d) 5か年の年次実施計画 ( 過去年度は実施業務の要約 ) 1) 平成 20 年度 2) 平成 21 年度 3) 平成 22 年度 4) 平成 23 年度 5) 平成 24 年度 (e) 平成 24 年度業務目的 (2) 平成 24 年度の成果 450 (a) 業務の要約 (b) 業務の実施方法及び成果 1) 史料データの校訂作業 2) 地震史料データベースの改良 a) 史料の再分類 b) インデックスマップの追加 c) 絵画史料の追加 d) トップページの改良 3) 新たな震度データベースの構築 a) 情報の表示方法 d) 村町の位置の設定 c) 家屋倒壊率の算出方法 (c) 結論ならびに今後の展開 (d) 引用文献 (e) 成果の論文発表口頭発表等 (f) 特許出願, ソフトウエア開発, 仕様標準等の策定 447

2 (1) 業務の内容 (a) 業務題目古地震津波等の史資料の収集と解析 (b) 担当者所属機関役職氏名メールアドレス国立大学法人東京大学地震研究所教授佐竹健治同学術支援専門西山昭仁職員国立大学法人神戸大学名誉教授石橋克彦国立大学法人静岡大学教育学部教授小山真人国立大学法人群馬大学教育学部教授早川由紀夫国立大学法人東京大学史料編纂所教授榎原雅治国立大学法人信州大学人文学部教授笹本正治国立大学法人神戸大学名誉教授高橋昌明東京国立博物館学芸研究部調査研書跡歴史室長田良島哲究課学校法人天理大学国際学部教授藤田明良国立大学法人新潟大学人文社会教教授矢田俊文育科学系国立大学法人京都大学地域研究統教授原正一郎合情報センター長野市教育委員会学芸員原田和彦独立行政法人産業技術総合研究所研究員行谷佑一国立大学法人秋田大学教育文化学部教授林信太郎国立大学法人新潟大学災害復興科准教授卜部厚志学研究所独立行政法人産業技術総合研究所研究チーム長宍倉正展公益財団法人深田地質研究所客員研究員都司嘉宣 (c) 業務の目的ひずみ集中帯で近世以前の古地震の地質学的歴史学的地震学的記録等の収集さらには地質サンプルから発生年代を直接測定等して過去の活動履歴を明らかにするまた収集した記録からひずみ集中帯の震度データベースを構築する (d) 5か年の年次実施計画 ( 過去年度は実施業務の要約 ) 1) 平成 20 年度 : ひずみ集中帯で近世以前に発生した地震に関する史料を電子データベース化するために該当する地震に関する史料の調査を行ったその結果山形県新潟県及び長野県のひずみ集中帯に震源を持つと考えられる比較的信頼度が高く史料が豊富な 7 448

3 つの地震 (1714 年正徳小谷地震 1751 年宝暦越後高田地震 1762 年宝暦佐渡地震 1802 年享和佐渡小木地震 1828 年文政越後三条地震 1833 年天保庄内沖地震 1858 年安政大町地震 ) を選定したこれらのうちまず 1828 年文政越後三条地震から調査検討を始めることとした 12 月に現地での検討会を行い自然地形と史料に書かれた被害状況 ( 震度 ) の関係等について検討を行ったさらに既存の地震史料集に所収されている三条地震の史料を電子化したその際史料の信頼性の検討も合わせて行い明治時代以降に作成された史料や原本が不明な史料は除いた電子データベース化にあたっては XML 言語を用いデータ項目として史料の所在情報を取り入れ余震等本震以外の記事には別データ項目にする等の作業を行うことでデータベース使用が簡易になるようにした 2) 平成 21 年度 : デジタル XML 化済みの 1828 年越後三条地震の史料データについて可能な限り原史料に遡って紙面上で校訂作業を行ったこの校訂作業の結果に基づいて史料データを修正し原史料の調査収集によって得られた新たな史料データを追加したまた 1828 年越後三条地震について校訂作業済みの史料データから信頼性の高い史料を選び出しその史料に基づいて村ごとの家屋倒壊率を導き出したこの村ごとの家屋倒壊率から推定震度を求め既存のものよりも確実度の高い震度分布図を作成したさらにひずみ集中帯で近世以前に発生した 1751 年越後高田地震と 1802 年佐渡小木地震について新規に史料のデジタル XML 化を行った一方平成 22 年度以降の業務に向けて予備的な現地調査史料調査を長野県内において行った 3) 平成 22 年度 :1751 年越後高田地震及び 1802 年佐渡小木地震についてデジタル XML 化した史料の校訂データベース化を行うとともに新たな史料を収集したまた現地での地質学的痕跡の調査を開始し試料の分析も行ったこれらに基づき信頼性の高い震度分布を推定し震源断層の特定に役立てたさらに 1833 年庄内沖地震等山形県で発生した地震を中心に史料の収集やデジタル XML 化を行った 4) 平成 23 年度 : 秋田県山形県沿岸で発生した 1833 年庄内 ( 出羽 ) 沖地震についてデジタル XML 化した史料の校訂データベース化を行うとともに新たな史料を収集したまた地震史料データベース及び震度データベースの構築に向けて地震津波に関する現地での歴史記録や地形地質学的痕跡の調査検討を行ったこれらの結果に基づいて信頼性の高い被害分布震度分布を推定し震源断層の特定に役立てたさらに 1762 年佐渡地震等山形県から新潟県沿岸で発生した地震を中心に史料の収集やデジタル XML 化を行った加えてこれまでの成果の発表と関連分野における最新の知見の収集を目的として国内外の学会等で研究発表を行った 5) 平成 24 年度 : 佐渡島沿岸が震源と考えられる 1802 年佐渡小木地震や 1762 年佐渡地震等本業務でデジタル XML 化した 7 つの歴史地震について史料データの再校訂作業や新史料の調査収集を実施し地震史料データベースの修正再構成を行うまたひずみ集中帯で発生した歴史地震の震度データベースを構築し地震史料データベースと組み合わせた統合データベース完成のため画像データ等との統合作業を進めるさらに国内外の学会等において今までに得た研究成果を発表する等し新たな専門的知見を得成果の取りまとめに反映させる 449

4 (e) 平成 24 年度業務目的ひずみ集中帯において佐渡島沿岸が震源と考えられる 1802 年佐渡小木地震や 1762 年佐渡地震等本業務でデジタル XML 化した 7 つの歴史地震について史料データの再校訂作業を行う同時に新史料を調査収集し地震史料データベースの修正再構成を実施するまたひずみ集中帯で発生した歴史地震について震度データベースを構築し地震史料データベースと組み合わせた統合データベース ( ひずみ集中帯歴史地震データベース ) 完成のため画像データ等との統合作業を進める上記に加えこれまでに得た研究成果について国内外の学会等で発表議論し新たな専門的知見を得ることによって成果の取りまとめに反映させていく (2) 平成 24 年度の成果 (a) 業務の要約平成 20 年度以降にデジタル XML 化した 1828 年越後三条地震 1751 年越後高田地震 1802 佐渡小木地震等の史料データについて可能な限り原史料に遡って紙面上で校訂や再校訂の作業を行ったこれらの作業の結果に基づいて地震史料データベースの史料データ (XML データ ) を修正し原史料の調査収集によって得られた新たな史料データを追加したまたひずみ集中帯で発生した 1714 年小谷地震 1762 年佐渡地震 1858 年大町地震について平成 20 年度以降にデジタル XML 化した史料の校訂データベース化を行うとともに新たな史料を収集して史料データの追加を行った以上の成果に基づいて地震史料データベースを修正し画像データ等との統合作業を行ったさらにこの地震史料データベースを用いて信頼性の高い史料を選び出しひずみ集中帯で発生した歴史地震の被害分布震度分布を推定して震度データベースを構築したこのように個別に構築した地震史料データベースと震度データベースを組み合わせてひずみ集中帯歴史地震データベースを作成した加えて国内外の学会等でこれまでの成果を発表して議論を行い新たな専門的知見や建設的意見等を取り入れることによって業務成果の取りまとめに反映させた (b) 業務の実施方法及び成果 1) 史料データの校訂作業ひずみ集中帯で発生した 1714 年小谷地震 1762 年佐渡地震 1858 年大町地震についてデジタル XML 化した史料の校訂データベース化を行うとともに新たな史料を収集して史料データ (XML データ ) の追加を行ったまた平成 20 年度以降にデジタル XML 化した 1828 年越後三条地震 1751 年越後高田地震 1802 佐渡小木地震等の史料データについて可能な限り原史料に遡って紙面上で校訂や再校訂の作業を行ったこれらの作業の結果に基づいて地震史料データベースの史料データを修正し原史料の調査収集によって得られた新たな史料データを追加した 2) 地震史料データベースの改良本業務ではひずみ集中帯で発生した歴史地震に関する震度データベースの構築を目的 450

5 としているその目的の達成には基礎となる地震史料データベースの構築が不可欠であるそこで平成 20 年度 ~ 同 23 年度までの業務においてデジタル XML 化した歴史地震の史料データや画像データを用いて地震史料データベースを構築した本年度はこの地震史料データベースに部分的な改良を加えた主な改良点は以下のとおりである a) 史料の再分類平成 20 年度にデジタル XML 化した 1828 年越後三条地震平成 21 年度にデジタル XML 化した 1751 年越後高田地震については史料データの再校訂作業を行ったそれに伴って史料データを系統別に再分類しデータベースの一覧表示の並び順も変更した b) インデックスマップの追加本業務で対象とするひずみ集中帯で発生した 7 つの歴史地震について史料の一覧表示のページにおいて史料に関係するおおよその場所が分かるように該当する地域のインデックスマップが表示されるようにした ( 図 1 P454) c) 絵画史料の追加 1751 年越後高田地震の地震史料データベースに越後国頸城郡高田領往還破損所絵図のデジタルデータをトレース図とともに追加したこの絵図には地震によって日本海沿岸で生じた山崩れの様子が描かれており場所ごとの詳細な被害状況が文字で記されている ( 図 2 P454) d) トップページの改良ひずみ集中帯の歴史地震データベースではトップページにデータベースの概要構成と使い方といった注意書きを加え史資料データベースから歴史地震データベースに入れるようにした ( 図 3 P455) また本業務で対象とするひずみ集中帯で発生した 7 つの歴史地震について地震史料の一覧表示と史料検索の選択ができるようになっているさらにこの史資料データベースのページには本業務で対象としているひずみ集中帯の範囲や 7 つ歴史地震のおおよその震源域を示したインデックスマップを追加した ( 図 4 P455) 3) 新たな震度データベースの構築平成 23 年度には上記の地震史料データベースを基盤として 1828 年越後三条地震の震度データベースのプロトタイプ版を構築した本年度は同様に地震史料データベースに基づき平成 22 年度に作成した 1751 年越後高田地震の被害分布図震度分布図のデータを用いて新たに同地震の震度データベースを構築した基本的な仕様については 1828 年越後三条地震のプロトタイプ版震度データベースに準拠している a) 情報の表示方法震度データベースのベースマップには汎用性の高い Google Earth を使用しており地 451

6 点ごとの推定震度については丸印で色を変えて表示しているまた任意の丸印を選択すると画面上に別の窓が表示され当時の地名現在の地名推定震度家屋倒壊率典拠となった史料名史料本文を表示できるそのため地点ごとの推定震度だけではなくその震度を導き出す基になった家屋倒壊率家屋倒壊率を算出する際に用いた史料名や本文が閲覧できる ( 図 5 P456) また新たに構築した震度データベースでも同様に Google Earth を使用しており平面だけではなく視点を変えると立体的に表示することができる視点を斜め上方に変えると村町ごとの家屋倒壊率については棒グラフの高さで地点ごとの推定震度については棒グラフの色で表せるようになっている ( 図 6 P456) b) 村町の位置の設定震度データベースで表示される当時の村町の位置 ( 緯度経度 ) については 1828 年越後三条地震の場合と同様に現在の地図における集落の中心には設定していない現在の地図よりも大正三年 (1914 年 ) 及び同四年 (1915 年 ) に陸地測量部によって作成された地図の方が地震の発生した江戸時代後期により近い時期にあたるためであるそのためここでは大正期の地図に記されている集落の中心を地震発生時の村町の位置として設定している c) 家屋倒壊率の算出方法ここで用いている家屋倒壊率は地震史料データベースに所収されている史料の中から地震発生時の村町ごとの総家数と倒壊家屋数の両方が記されている史料を選び出してそれらの史料から村町ごとに算出したものである ( 矢田卜部 ) ) 村町ごとの総家数は時代によって増減するために地震発生と同時期の総家数が記されている史料が必要不可欠であるこれらの家屋倒壊率から震度を推定する方法については現時点では暫定的な方法を用いており今後検討を重ねていく必要がある (c) 結論ならびに今後の展開ひずみ集中帯において近世以前に発生した歴史地震のうち佐渡島沿岸が震源と考えられる 1802 年佐渡小木地震や 1762 年佐渡地震等本業務でデジタル XML 化した 7 つの歴史地震について史料データの再校訂作業を行ったまた新たな史料を調査収集し地震史料データベースの修正再構成を実施したさらにひずみ集中帯で発生した歴史地震について震度データベースを構築し史料データと画像データから成る地震史料データベースと組み合わせてひずみ集中帯歴史地震データベースを作成した上記に加えこれまでに本業務で得た研究成果について国内外の学会等で発表議論を行い新たな専門的知見を得て成果の取りまとめに反映させた本業務で作成したひずみ集中帯歴史地震データベースはすでに公開されている [ 古代中世 ] 地震噴火史料データベース (β 版 ) ( を継承するものとして位置付けられる本業務の終了と同時に本データベースは公開され 452

7 る予定である今後は本業務で構築した歴史地震データベースを基にして歴史地震に関する研究や地震防災業務の進展に活用されることが期待される (d) 引用文献 1) 矢田俊文卜部厚志, 1751 年越後高田地震による被害分布と震源域の再検討, 資料学研究, 8 号, pp.1-23, (e) 成果の論文発表口頭発表等著者題名発表先発表年月日 Akihito Nishiyama, Kenji Satake, The trial edition of historical earthquake data Austria, Vienna (EGU General 平成 24 年 4 月 24 日 Toshifumi Yata, Atsushi Urabe, Yoshinori Maejima base in Japan( ポスター ) Assembly 2012) 佐竹健治, 西山昭仁, 矢田俊文, 卜部厚志, ひずみ集中帯における歴史地震データベースの試作版 ( ポ千葉県千葉市 ( 日本地球惑星科学連合平成 24 年 5 月 23 日前嶋美紀スター ) 2012 年大会 ) Akihito Nishiyama, Kenji Satake, The trial edition of historical earthquake data Singapore, Singapore 平成 24 年 8 月 14 日 Toshifumi Yata, Atsushi Urabe, Yoshinori Maejima base in central Japan( 口頭, Invited) (AOGS-AGU(WPGM) Joint Assembly 2012) 矢田俊文地震直前の民衆の生活一八二八年越後三条地震の場合鶴崎裕雄編, 地域文化の歴史を往く古代中世から近世へ, 和泉書院, 平成 24 年 8 月 25 日 (f) 特許出願, ソフトウエア開発, 仕様標準等の策定 1) 特許出願なし 2) ソフトウエア開発なし 3) 仕様標準等の策定なし 453

8 図 1 史料の一覧表示とインデックスマップ史料の一覧表示の際にインデックスマップが表示される図 2 越後国頸城郡高田領往還破損所絵図 ( 冒頭部分 ) 往還沿いでの被害が彩色で描かれている手前は海である 454

9 図 3 ひずみ集中帯歴史地震データベースのトップページ史資料データベースから歴史地震データベースに入る図 4 史資料データベースのページ任意の地震史料データベースと震度データベースが選択できる 455

10 図年越後高田地震の震度データベースの画面 ( 平面表示 ) 震度を推定する基になった史料名や史料本文が表示される図年越後高田地震の震度データベースの画面 ( 棒グラフ表示 ) 震度の推定に用いた家屋倒壊率が棒グラフで表示される 456

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Microsoft Word - H doc 3.2.3. 広帯域高ダイナミックレンジ孔井式地震計の開発 (1) 業務の内容 (a) 業務題目広帯域高ダイナミックレンジ孔井式地震計の開発 (b) 担当者所属機関役職氏名メールアドレス独立行政法人防災科学技術研究所地震観測データセンターセンター長主任研究員主任研究員小原一成功刀卓廣瀬仁 obara@bosai.go.jp kunugi@bosai.go.jp hirose@bosai.go.jp