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まさとしかみこ
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1 海事デジタル化に関するセミナー平成 29 年 11 月 30 日,12 月 1 日日本船舶海洋工学会 P-40 プロジェクト研究委員会 P-55 プロジェクト研究委員会広島大学大学院工学研究科濱田邦裕三菱重工業株式会社船舶海洋事業部平木常正

2 目次 SPEEDS とは? 造船所内での 3D 情報高度利用検討分科会の検討成果造船所外での 3D 情報高度利用検討分科会の検討成果プロトタイプの紹介 2

3 造船における3D活用の現状現状認識造船所が設計に3D-CADを利用するようになって久しいにも関わらず 3D情報が社内社外問わず十分に活用しきれていない造船所内部の課題社外船主船級協会利用の課題 3

4 造船 CAD の現状と課題造船所には複数の CAD が混在互換性が問題となり 3D 情報の有効利用が行えないアプリケーションは各社が個別に開発 3D CAD ベンダーが Closed Architecture を志向日本の技術ノウハウが欧米の CAD ベンダーに吸収される各社の3D-CAD AVEVA MARINE NAPA STEEL NUPUS/CADMATIC SMART MARINE FORAN CATIA V5 NX SHIP SHIP CONSTRUCTOR MATES GRADE HULL ICAD P-CAD AJISAI EVO SHIP 3D Viewer AVEVA Review PrimeShip-CAD 3D Viewer ebrowser SmartPlant Free View FORAN Fviewer Navisworks 3D-XML Viewer XVL Player/Studio PLMVis Hull/Fit Viewer Beagle View EPD Connect Acrobat.RVM.XML.EBM.VUE.V3D.NWF.3DXML.XV2.JT 独自.DDS.GAF.PDF

P-40 研究委員会船舶 3D 製品情報の共有と高度利用のための標準フォーマットの策定船舶の建造から運航に渡るライフサイクルの中で生み出される様々な情報を,3 次元情報を核に交換し, 各プレーヤーが迅速かつ有効に活用できる海事産業内情報交換標準を策定すること会長 : 濱田邦裕 ( 広大 ) 分科会長 : 平木常正 (MHI), 長野元睦 (JMU) 研究機関 : 大和裕幸, 青山和浩,

5 P-40 研究委員会船舶 3D 製品情報の共有と高度利用のための標準フォーマットの策定船舶の建造から運航に渡るライフサイクルの中で生み出される様々な情報を,3 次元情報を核に交換し, 各プレーヤーが迅速かつ有効に活用できる海事産業内情報交換標準を策定すること会長 : 濱田邦裕 ( 広大 ) 分科会長 : 平木常正 (MHI), 長野元睦 (JMU) 研究機関 : 大和裕幸, 青山和浩, 稗方和夫 ( 東大 ), 竹澤晃弘 ( 広大 ), 梶原宏之, 木村元 ( 九大 ), 松尾宏平 ( 海技研 ) 船級協会 : 佐々木吉通 (NK) 船社 : 安藤英幸 (MTI) ソフトウェアベンダー : 尾崎雅, 岡本直樹 (NDES), 伊藤健 (CIM クリエーション ) 造船所 : 中尾洋一, 平山隆男 ( 大島 ), 松野二郎, 中野宏紀 ( 川重 ), 黒龍英之, 国貞泰介 ( サノヤス ), 土井憲治, 登川康則, 浜田信郎, 吉富祐介 (JMU), 伊藤圭司 (SHI-ME), 藤原浩二, 竹薮直紀 ( 三井 ), 松尾稔, 中尾 5

6 海事産業全体で様々な情報を有効に活用できるようにするには 6

7 情報共有への期待承認作業の効率化 :25 付加価値の向上 :17 船員の教育修繕改造等ドックでの工事計画検査メンテナンス記録との結びつけ船主殿と造船所との意思疎通製品へのフィードバック :6 営業活動 :4 外注の効率化 :3 その他 :1 外注の効率化, 3 営業活動, 4 製品への FB, 6 付加価値向上, 17 研究への活用, 1 承認の効率化, 25 P-40 分科会の議論から ( 回答数 :25) 7

8 情報共有への不安 3DViewerで提供 :1 画面キャプチャーなどイメージ図の形で提供 :1 基本スタンス拒否. どうしても必要な場合は出来るだけ情報を減らせるようネゴ :6 あくまで受け入れない :2 その時はじめて対応を考える :2 その他 :2 期待と不安が混在 P-40 分科会の議論から ( 回答数 :14) 8

9 意見交換で分かったこと造船所が嫌でも世界は待ってくれない. ならば, どうするか? 船社が必要とする 3D 情報 : 概略的船社が必要とするのは 3D 情報よりも各種の属性情報船級や関連会社に提供する 3D 情報 : 詳細で OK 情報の共有と有効利用のためには,3D 情報に加え各種の属性情報の提供が重要. 造船所が主体となって提供する 3D 情報の詳細度を管理情報漏洩の防止 9

10 SPEEDS Smart Platform of Enhanced Engineering Data for Shipping and Shipbuilding 10

SPEEDS の目指す方向性各社の 3D-CAD AVEVA MARINE NAPA STEEL NUPAS/CADMATIC SMART MARINE FORAN SHIP CONSTRUCTOR CATIA V5 NX SHIP MATES GRADE HULL ICAD P-CAD AJISAI EVO SHIP 1 CAD から出力時に用途に合わせて機能 / 出力制限 2 暗号化

11 SPEEDS の目指す方向性各社の 3D-CAD AVEVA MARINE NAPA STEEL NUPAS/CADMATIC SMART MARINE FORAN SHIP CONSTRUCTOR CATIA V5 NX SHIP MATES GRADE HULL ICAD P-CAD AJISAI EVO SHIP 1 CAD から出力時に用途に合わせて機能 / 出力制限 2 暗号化ファイルに Viewer ID の組込遠隔監視 3 Viewer Native Format に保存後も ID を引き継ぐ SPEEDS デファクトスタンダードフォーマットへの I/F 3D-PDF JT XVL 3D Viewer AVEVA Review Viewer 解 PrimeShip-CAD 3D Viewer ebrowser 析 / 計算ツー SmartPlant Free View ルは FORAN CAD Fviewer に Navisworks 依らず 3D-XML Viewer PLMVis 自由に発 Hull/Fit Viewer Beagle View 展競争選 XVL Player/Studio EPD Connect 択可能 Acrobat 各種計算解析ツール 11

12 SPEEDS オープンアーキテクチャとし, 日本発のコンセプトで世界の海事産業を繋ぎリードする 12

13 USE CASE 具体的な利用イメージこの仕組みを有効に機能させフォーマットに必要な情報を組込むには, 情報活用面からの要件を明らかにすることが必要造船所内および造船所外 ( 船級や船主 ) との共有が実現された際の具体的な利用イメージ (USE CASE) をピックアップ 13

14 SPEEDS の実現のために造船所内での 3D 情報高度利用検討分科会造船所間および関連会社との情報共有と高度利用ユースケースおよび必要な属性情報の明確化分科会長 : 平木常正 ( 三菱長崎 ) 造船所外での 3D 情報高度利用検討分科会造船所と船級協会船社との情報共有と高度利用ユースケース, 必要な属性情報, 造船所へのフィードバック分科会長 : 長野元睦 (JMU 津 ), 佐々木吉通 (NK) 14

15 目次 SPEEDS とは? 造船所内での 3D 情報高度利用検討分科会の検討成果造船所内での 3D 情報高度利用検討分科会の検討成果プロトタイプの紹介 15

16 造船用 3D Viewer 情報要件の検討 3D Viewer は殻艤一体での表示を想定し以下の品目を対象とした船殻配管管部品機器鉄艤品ダクト電路管サポート対象とする業務範囲は基本設計から工作まで造船所内で遂行される設計製造業務プロセスとした各品目毎に必要と思われる情報項目を抽出しその内容について検討を行った 3D Viewer 用データは 3D 設計情報の大元である 3D CAD より必要とされる情報項目を選別し軽量化して出力する運用が一般的一方で各社の利用している 3D CAD は会社毎に異なることから同じ情報項目でもその詳細内容には各社毎に差分が生じることが考えられる 16

17 造船用 3D Viewer 情報要件の検討情報項目の詳細内容を規定するにあたっては特定の3D CAD に固有の内容や特定の造船所に固有の情報 ( 特定の生産設備に特化した情報等 ) は除外し各社各 3D CADの最大公約数的業界標準的な内容とするよう留意した船殻配管共通化 CAD 毎の属性内容共通化 CAD 毎の属性内容 17

18 Use Case の検討大区分として基本設計詳細設計生産設計工作部門の 4 ケースを検討し特定の目的に着目したより詳細かつ具体的な利用シナリオとして 14 ケースを検討した (1) 基本設計 (2) 詳細設計 (3) 生産設計 (4) 工作部門 (5) 船級ルールチェック (6) 解析ツール連係 (7) 船殻加工 (8) 管艤装品加工 (9) 船殻組立 (10) 艤装取付 (11) 塗装面積集計 (12) 揚重検討 (13) 施工生産計画 (14) 管理監督者向け進捗管理 (15) 設計外注 (16) 施工外注 (17) 収材配材 (18) 不具合管理 18

19 Use Case 具体例１船殻組立施工上の注意点作業日程目標工数安全ポイント作業のイメージアップ日程工数の確認注意点安全ポイントの確認 19

20 Use Case 具体例２艤装取付作業ステージ別に表示手法を切り替える ①そのステージで取り付ける管だけ表示 ②取りつける姿勢で表示 ③取付管の消込みを表示ユニット地上艤装船内艤装 20

21 Use Case 具体例 (3) 施工生産計画足場架設計画モス型 LNG 船の足場枚数 : 約 2 万枚 / 隻 E/R 21

22 Use Case 具体例３施工生産計画足場架設計画人間モデル作業しやすい場所への架設計画が容易ムダ足場の削減足場モデル最終的には足場図レスへ 22

23 情報要件項目と Use Case との関係必要とする情報項目の多い Use Case ベスト 3 ( を 2pt を 1pt として計算 ) Use Case ポイント数施工外注 152 設計外注 134 艤装取付

24 造船所内での 3D 情報高度利用検討分科会まとめ本分科会では SPEEDS が必要とする情報要件について検討を行い業界標準的な情報要件定義を行った Use Case についても検討を行い 18 の Use Case を提案しそれぞれの Use Case について必要とする情報要件項目との関係を星取表の形で整理を行った本研究の成果は海事産業内情報交換標準 SPEEDS の概念を造船所内での 3D データ交換に応用した一例と言える 24

25 目次 SPEEDS とは? 造船所内での 3D 情報高度利用検討分科会の検討成果造船所外での 3D 情報高度利用検討分科会の検討成果プロトタイプの紹介 25

26 社外向け USE CASE 船級協会船会社の視点に立ってみて分かりやすい3D 図面 3D 図面承認造船所との設計レビュー本船乗船前の教育乗組員のトレーニング 3Dオペレーションマニュアルタンククリーニング計算船底清掃計画より高度な荷役計算本船の各種トラブル保守等のライフサイクル情報管理定期検査改造修繕記録駐在監督官業務支援コマーシャル社外向けと言えども考え方次第で新たなサービス提供や就航後のフィードバック等造船所にとってもチャンスになり得る P-40 分科会の議論から 26

27 USE CASE ３Ｄ利用の５つの具体例図面承認監督用Viewer 定期検査記録修繕記録船員教育 H-CSR等大規模解析需要増加設計上流での3D化の必然性 2D設計との併用から3D中心の設計製造プロセスへの移行促進 27

28 1 図面承認 USE CASE 監督用 Viewer 定期検査記録修繕記録船員教育 3D 利用の 5 つの具体例建造監督が日々の検査業務の記録進捗消込や本社への報告などに活用する Viewer 監督官の満足度 UP 本船への理解促進 28

29 USE CASE ３Ｄ利用の５つの具体例図面承認監督用Viewer 定期検査記録修繕記録船員教育板厚検査記録修理図写真塗装補修図等膨大な情報 Google Map風に3DをI/Fとし情報へのアクセス性向上造船所へのFeedbackにより造船技術の進化を促す 29

1 図面承認 2 3 4 52 USE CASE 監督用 Viewer 定期検査記録修繕記録船員教育 3D 利用の 5 つの具体例

30 1 図面承認 USE CASE 監督用 Viewer 定期検査記録修繕記録船員教育 3D 利用の 5 つの具体例定期的に船を乗り換える船毎に異なる仕様配置 3D オペレーションマニュアル安全の手引き 3D 保船記録等で業務慣れをサポート 30

31 世の中の趨勢船主からの要望海洋構造物や客船の分野では顧客への 3D 情報提供はもはや珍しくないオフショア支援船などでは船社より 3D 情報の提供を求められるケースも電子情報化は否応なく進む GBS-SCF (Ship Construction File) 造船所が作る設計情報の透明性可用性を高めようとする流れも出来つつある一般商船でも 3D 情報共有が否応なく求められるようになる時代は遠くない 31

32 目次 SPEEDS とは? 造船所外での 3D 情報高度利用検討分科会の検討成果造船所内での 3D 情報高度利用検討分科会の検討成果プロトタイプの紹介国土交通省先進船舶造船技術研究開発費補助事業 ( 革新的造船技術研究開発 ) 支援対象事業 ( 平成 28 年度,29 年度 ) 32

33 塗装支援システム 3 次元情報を利用した塗装面積の自動算出集計効果 : 手作業による集計作業の削減 (300 時間 / 隻 ) 3 次元情報を利用した直感的具体的な作業指示効果 : 施工時間 5% 削減 ( 作業内容の理解向上と誤作業低減 ) 各社の CAD と互換性複数の造船所で共通して利用可能塗装面積の自動集計設計 3D データ作業指示書の作成作業指示書の閲覧 SPPEDS 33

34 これまでの開発では多様な CAD システム, 異なるフォーマット一つの造船所でも, 上流 / 下流, 船殻 / 配管で異なる CAD. 3D-CAD AVEVA MARINE NAPA STEEL NUPAS/CADMATIC SMART MARINE 3D CAD"A" Application α I/F Program Application α format Application α FORAN SHIP CONSTRUCTOR CATIA V5 NX SHIP MATES GRADE HULL 3D CAD"B" Application β I/F Program Application β ICAD P-CAD Application β format AJISAI EVO SHIP 3D CAD"C" Application β I/F Program 34

35 SPEEDS に基づく開発中間ファイル仕様 SPEEDS XML Schema の策定 SPEEDS XML Schema と CAD/ アプリケーションは I/F プログラムを介して接続 3D CAD A Application1 3D CAD B SPEEDS XML Schema Application2 3D CAD C I/F program I/F program 35

36 SPEEDS XML Schema 全体の情報構造 : NK の Ship3D データフォーマットに基づく形状情報 : 簡略化のためポリゴンを利用属性情報 : SPEEDS 要件定義書に基づく 36

37 I/F プログラム対象 CAD: MATES, Grade Hull, AVEVA Marine アプリケーション : Beagle Paint 37

38 デモ 38

39 現在の取り組みー SPEEDS の実現に向けてー他のユースケースへの拡張 ( 社内のみではなく社外との共有 ) 知的財産管理, セキュリティ問題への対応規格化や維持管理体制の構築船殻艤装 H29 も i-shipping 事業に採択され, 実現化に向けた研究を継続情報共有の範囲造船所内造船所外 H28 i-shipping H29 H29 39

40 船舶定期検査修繕支援システム 3 次元情報を利用した検査修繕支援外部に出せる簡易的な船殻形状情報アノテーションを利用したデータの関係づけ工事計画要領書等の自動生成構造解析システムへの出力各社の CAD との互換性計測と同時に 3D にマッピング修繕工事計画の生産性向上 (10%) 40

41 艤装品取付支援システム 3 次元情報を利用した作業指示艤装品表現のための簡易形状モデル各社の CAD との互換性工程や作業手順を考慮した艤装品の表示と消込への対応取付作業の容易化と誤作低減取付作業の生産性 +10% 図面作成工数の削減 (40 時間 ) 41

42 おわりにー SPEEDS の効果ーこれまで :A 社用のアプリケーションの開発 SPEEDS: 複数の CAD を対象としたアプリケーションの開発ベンダー : 開発速度向上, 対象造船所拡大造船市場の魅力の増大造船所 : 他社用のアプリも利用可能アプリ利用の選択肢の多様化共通フォーマットによる国際的な市場としての価値の向上造船用ソフトウェアの活性化が強く期待 42

43 日本船舶海洋工学会プロジェクト研究委員会 P-40,55 海事産業における3D 製品情報の共有と高度利用本研究開発は, 国土交通省の先進船舶造船技術研究開発費補助事業 ( 革新的造船技術研究開発 ) の支援対象事業として採択されています. 43

研究組織 ( 平成 28 年 1 月末現在 ) 氏名所属会長濱田邦裕広島大学大学院工学研究科社会環境システム専攻教授副会長長野元睦ジャパンマリンユナイテッド ( 株 ) 技術総括部システム開発グループ津システムチーム主査幹事関口晋住友重機械マリンエンジニアリング製造本部シ

研究組織 ( 平成 28 年 1 月末現在 ) 氏名所属会長濱田邦裕広島大学大学院工学研究科社会環境システム専攻教授副会長長野元睦ジャパンマリンユナイテッド ( 株 ) 技術総括部システム開発グループ津システムチーム主査幹事関口晋住友重機械マリンエンジニアリング製造本部シ IT-P40 公益社団法人日本船舶海洋工学会船舶 3D 製品情報の共有と高度利用のための標準フォーマットの策定研究委員会最終報告書平成 28 年 3 月研究組織 ( 平成 28 年 1 月末現在 ) 氏名所属会長濱田邦裕広島大学大学院工学研究科社会環境システム専攻教授副会長長野元睦ジャパンマリンユナイテッド ( 株 ) 技術総括部システム開発グループ津システムチーム主査

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