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1 総務省 ICTスキル総合習得教材 概要版 eラーニング用 [ コース1] データ収集 1-3: データ収集技術とウェアラブルデバイス [ コース1] データ収集 [ コース2] データ蓄積 [ コース3] データ分析 [ コース4] データ利活用

2 座学本講座の学習内容 (1-3: データ収集技術とウェアラブルデバイス ) 講座概要 人為的に記録した情報を読み取るリーディング技術と先端事例としての RFID を説明します 自然の情報を読み取るセンシング技術とその対象となる情報を紹介します センシング技術の応用例として 身につけるウェアラブルデバイスとその活用事例を紹介します 講座構成 [1] リーディング技術とRFID [2] センシング技術とその適用例 [3] ウェアラブルデバイスの事例 学習のゴール リーディング技術の全体像と注目を集めている RFID 技術の利活用を把握する 様々なセンシング技術の種類と対象情報 利活用例を把握する センシング技術が活用されているウェアラブルデバイスの活用事例を把握する

3 リーディングとセンシング [1] リーディング技術と RFID リーディングは人工的な記録を読み取る一方で センシングは自然の情報を感知します リーディング ( 読み取り ) は人工的な記録情報を読み取ることを指し 読み取る機器はリーダーです センシングは自然の情報を読み取ることを指し 情報収集用 IoT 機器は センサー ( 感知器 ) の役割を持ちます リーダーとセンサーは 情報収集を担う点では共通しています IoT 機器がセンサーになることで 人間の五感のように 光 音 臭い 味 温度 圧力などの情報収集をすることができます メディアリーダー ( リーディング ) [SD カード等の読み込み ] MESH の IoT ブロック ( センシング ) [ 動き 温度湿度 明るさの感知 ] 出典 ソニー株式会社 この講座では リーディングに関連して RFID センシング技術に関連してウェアラブルデバイスを学びます

4 IoT との親和性が高いリーディング技術 (RFID) [1] リーディング技術と RFID IoT との親和性が高い通信 記録技術として RFID が挙げられ 広く利用されています RFID( アールエフアイディー :Radio Frequency Identifier) は 接続された RF タグの情報を短距離無線通信 ( 数 cm~ 数 m) によって送受信するシステムで 電波を利用する認証技術の総称です RFID は技術の総称であり データが書き込まれているタグ ( 札 ) は RF タグ IC タグ 電子タグ RFID タグと様々に呼ばれています RFID の中に NFC( エヌエフシー :Near Field Communication) という通信距離約 10cm の技術があります NFC の規格の一つである Felica( フェリカ ) は 電車の乗車カード ( 例 :Suica) や電子マネー ( 例 : 楽天 Edy) などの形で広く利用されています NFC には Felica 以外にも規格があり マイナンバーカードや運転免許証に採用されている規格は 通称 Type B と呼ばれています FeliCa 規格の RF タグを搭載することで お財布ケータイとして利用できるスマートフォンもあります RFID NFC Felica の包含関係 RFID: 電波利用の認証の総称 RFID の特徴として 非接触通信であることが挙げられます データの送受信のために リーダーに RF タグを接触させる必要がないので スマートフォンやカードの中に RF タグを埋め込んで利用できます 金属以外の物であれば RF タグとリーダの間に存在しても ほとんど影響を受けずにデータの読み書きができます カード型に埋め込まれた RF タグを財布の中に入れたまま利用できるように スマートフォンの機器の中に RF タグを埋め込んでも 利用可能です NFC: 約 10cm の近距離通信技術 Felica ( 規格 ) Type B ( 規格 ) 電車の乗車カード 電子マネーカードに利用されている マイナンバーカード 運転免許証に利用されている RFID はスマートフォンをはじめとする IoT との親和性が高く 注目をされているリーディング技術です

5 RFID の特徴と低価格化 普及の推進 [1] リーディング技術と RFID RFID の低価格化 普及を官民が協力して推進しています RF タグを QR コードとバーコードを比較すると 長所の方が多くありますが 大きな短所として相対的に作成単価が高いことが挙げられます QR コードとバーコードは 紙と印刷代だけで安価に作成することができます RF タグ (RFID) を QR コード バーコードと比較した場合の長所と短所 長所 規格に応じて 最大数 m 程度まで読みとれる 複数のタグを一括して読みとることができる 情報を読むだけではなく 書き込むこともできる 箱の中等に隠れていても読み取れる 表面が汚れていても読み取れる 短所 作成単価が相対的に高い RFタグ (RFID) QRコード バーコード 2017 年 3 月 大日本印刷株式会社は 現在の単価が 10 円台の RF タグを 2020 年までに 5 円以下 2025 年に 1 円を目指す開発に着手することを発表しました 出典 IoT の拡大に向けてコンビニ向けの低価格 IC タグの開発に着手 ( 大日本印刷株式会社 ) 年 4 月 経済産業省では コンビニ電子タグ 1000 億枚宣言 を策定し 5 系列のコンビニエンスストアの全ての取扱商品に 2025 年までに RF タグを貼りつけ 商品の個品管理を実現する方針をとりまとめました 出典 コンビニ電子タグ 1000 億枚宣言 を策定しました ( 経済産業省 )

6 RFID の実用化例 [1] リーディング技術と RFID RFID は既に様々なサービスで実用化されています 2017 年 4 月株式会社ファーストリテイリングのブランド ジーユー は 176 店舗に RF タグを読み取るセルフレジを導入することを発表しました セルフレジでは購入予定の商品をカゴに入れたまま レジ下側の BOX に入れることで商品を判別し 金額を算出します 実証結果では セルフレジでは 精算所要時間が有人レジと比較して 最大で約 3 分の 1 となると示されています 図書館の図書管理に RFID を利用すると 貸出機では本を閉じたまま一括して認識することができます 回転寿司店においては 皿に RF タグを取り付けることで 会計時の皿の分類や数え上げの手間と時間を解消しています RFID を利用したセルフレジ RFID を利用した貸出機 RFID を利用した回転寿司店の皿 出典 株式会社 GU 出典 東京都港区図書館 出典 回転寿しトリトン RF タグが使い捨てできるレベルにまで低価格化できれば 製品管理や会計処理が大きく変わると考えられます

7 センシングの対象となる情報 [2] センシング技術とその適用例 自然から情報を読み取るセンシングの対象は様々なケースが考えられます A) 日射量や風のような自然環境に関する情報 B) 機械の温度や作動音などの人工物に関する情報 C) 動物の体温 心拍数 血圧などの意識的なコントロールが不可能な身体に関する情報 D) 人間の体の動き 発声 押したボタンなどの意識的な行動に関する情報 C と D に関しては センシング技術を活かしたウェアラブルデバイスに発展しています 下表のように人間の五感で感知可能な情報は 一般にセンシングを用いて収集可能です 現在のセンサーでは 強弱のみで表すことができない複雑な臭いや味の識別は困難です 感覚 センサー 用途 視覚 照度センサー カメラ 日射量管理 顧客数の把握 聴覚 マイクロフォン 防犯 音声入力 嗅覚 臭気センサー アルコールや危険物質の検知 味覚 味覚センサー 食品開発 医薬品開発 触覚 圧力センサー 温度センサー 環境管理 人間の五感で感じる情報は 測定精度に差がありつつもセンサーによって代替可能となってきています

8 人間の五感を代替するセンシング事例 視覚情報や聴覚情報のセンシングと人工知能の技術を組み合わせた製品もあります フランス企業のNETATMO 社が発売した NETATMO WELCOME では インターネットを通じてスマートフォン等へ動画 通知を送信します NETATMO WELCOME では 動くものがあった場合のみ録画をすることも可能です [2] センシング技術とその適用例 NETATMO WELCOME は 顔認識機能を搭載しており 事前に登録していない人が来たときのみユーザーに通知することが可能です 防犯カメラとして スマートフォンなどから情報を確認できます Amazon 社が発売した Amazon Echo や Google 社が発売した Google Home では 聴覚情報を代替するセンシングに加えて 音声認識によって声による操作が可能です 視覚情報を代替する NETATMO WELCOME 聴覚情報を代替する Amazon Echo と Google Home 出典 NETATMO 出典 Amazon.com 2015 Google Inc, used with permission センシングは画像認識 音声認識といった人工知能の技術と組み合わせることで 利便性が高まります

9 身につける IoT( ウェアラブルデバイス ) 身につける IoT として ウェアラブルデバイスが普及しつつあります [3] ウェアラブルデバイスの事例 スマートフォンは持ち歩く機器ですが 眼鏡や衣類など身につける機器をウェアラブルデバイスと呼びます ウェアラブルデバイスには 体温 心拍数 血圧といった体に関する情報のセンシングができるものもあります ウェアラブルデバイスには 目線の動きや体の動き ( ジェスチャー ) によって 機器を操作できるものもあります 衣料型ウェアラブルシステム メガネ型ウェアラブルシステム 出典 グンゼ株式会社 出典 株式会社メガネスーパー

10 ウェアラブルデバイスのセンシングと活用 [3] ウェアラブルデバイスの事例 健康に関する情報の感知など ウェアラブルデバイスに特徴的なセンシングがあります 情報主なセンサー用途 血流光センサー健康管理 ストレス 病気の予兆検知 体温赤外線センサー健康管理 病気の予兆検知 脳波頭部電位センサーストレス 睡眠深度の測定 目線アイトラッカー集中力の測定 注目対象の把握 位置 移動速度 GPS 加速度センサー位置や速度の測定 筋肉の動き筋電位センサー動作検知 パワードスーツ 体の動き加速度センサー ジャイロセンサー身振り手振りによる操作 ウェアラブルデバイスは 位置や速度に関する情報収集 としてスポーツに活用される例もあります 2017 年 5 月に開催された世界トライアスロンシリース 横浜大会では ウェアラブルデバイスによる位置情報 速度の測定の実証実験が行われました ウェアラブルデバイスは 入力支援 運動支援 として指輪型などのジェスチャーで操作可能なものや 体全体の動きを支援できるものもあります 身体機能を補助するウェアラブルスーツはパワードスーツ ( ロボットスーツ ) とも呼ばれ ロボットに分類されることもあります ウェアラブルデバイスは 健康情報をはじめとする情報の把握 ジェスチャーでの操作が可能となり 幅広い活用が期待されています