申し立てることができますなお特許異議申立てや無効訴訟の手続きにおいて訂正を行うことができますがそれらの手続き外でも単独で訂正を行うことができます単独で行う場合の訂正はDPMAが取り扱いその決定 (Beschluss) に対しては抗告という形でBPatGに不服を申し立てることができます (

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やすはるしどり
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1 欧州における特許審査後の手続き審判部第 9 部門 ( 自動制御 ) 部門長久保竜一審査第四部伝送システム ( 移動体通信システム ) 上席審査官清水祐樹抄録経済活動のグローバル化に伴い知財司法分野における国際的な議論が活発になっていますこのような状況において各国の特許審査後の手続きについても注目が集まっています特許庁は7 年 5 月にドイツ特許商標庁ドイツ連邦特許裁判所及び欧州特許庁と特許審査後の手続きに関して意見交換を行いました本稿では当該意見交換で得られた情報も含めドイツの国内手続きと欧州特許庁における手続きについて概説します. はじめに経済活動のグローバル化に伴い知財司法分野における国際的な議論が活発になっていますこのような状況において各国の特許審査後の手続きについても注目が集まっています欧州における特許審査後の手続きは特許審査時に国内特許庁による手続きを選択したか欧州特許庁による手続きを選択したかにより異なります本稿ではドイツの国内手続きと欧州特許庁における手続きについて概説します ). ドイツにおける特許審査後の手続き () 概要ドイツにおける特許取得手続きの概要は図のとおりです査定までの流れは日本と類似していますがドイツでは日本の拒絶査定不服審判に対応する拒絶査定に対する抗告 (Beschwerde) と無効審判に対応する無効訴訟 (Nichtigkeitsklage) はドイツ特許商標庁 (DPMA: Deutsches Patent und Markenamt) ではなく連邦特許裁判所 (BPatG: Bundespatentgericht) が取り扱う点が日本とは大きく異なります ) 特許異議申立て (Einspruch) は DPMAが取り扱いますがその決定に対する抗告は BPatGが担当します日本と異なり維持決定に対しても不服を出願 E A 査定抗告特許裁判審査りの抗告特許出願審査請求 ( 出願から 7 ) 審査手続き技術の査審査ン取定特許査定特許 E B3 B 特許異議申立て ( 大 ) り異議申立手続抗告無効訴訟定図ドイツにおける特許出願手続きの流れ 3) ) ドイツの制度全般に関する資料 : 多田達也ドイツの特許制度とそれを取り巻く環境特技懇誌第 6 号年月 8 日 ) 特許取得手続きからは離れますが特許の有効性が侵害裁判所で判断されない点も日本の制度との大きな違いです 3)DPMAの特許制度紹介資料の一部を筆者にて和訳簡略化 : tokugikon no.88

2 申し立てることができますなお特許異議申立てや無効訴訟の手続きにおいて訂正を行うことができますがそれらの手続き外でも単独で訂正を行うことができます単独で行う場合の訂正はDPMAが取り扱いその決定 (Beschluss) に対しては抗告という形でBPatGに不服を申し立てることができます ()DPMA 及びBPatGについて DPMAはドイツ国内の特許実用新案意匠商標等を所管する官庁で連邦司法消費者保護省 (BMJV:Bundesministerium der Justiz und für Verbraucherschutz) の管轄下にあります本部はミュンヘンにありイェナ (Jena) ベルリン (Berlin) 及びハウツェンベルク (Hauzenberg) に支所があります職員数は約,6 名で 6 年には約 6.8 万件の特許出願 5.5 万件の意匠出願 6.9 万件の商標出願を受理しており年予算は約 3 億ユーロです ) 日本国特許庁(JPO) とDPMAとは国際審査官協議やPPHなどの実務的な協力を行っています BPatGは 96 年に DPMAの抗告部 (Beschwerdesenat) が独立してできた裁判所で DPMAと同じく BMJVの管轄下にあります 5) 所在地はミュンヘン職員数は約名 ( うち約半数が裁判官 ) 6 年の受理事件数は約,7 件で 6) 年予算は約千万ユーロ 7) です BPatGは図に示すように DPMA 及び連邦品種庁 (BSA: Bundessortenamt) の決定に対する抗告権利の無効訴訟 (Nightigkeitsklage) 並びに強制実施権 (Zwangslizenz) の付与を管轄します ( ドイツ特許法 8) (Patentgesetz 以下特と省略 )65 条植物品種保護法 (Sortenschutzgesetz) 第 3 条 ) 本稿ではその中で DPMAの決定に対する抗告と特許権の無効訴訟について説明します訴 ( 事審査と法律審査 ) 特許裁判裁判法律理とる抗告 ( 法律審査 ) 告裁判無効の訴抗告訴ドイツ特許庁庁裁判図ドイツにおける訴訟の概要 9) (3)DPMA における手続き : 特許異議申立て DPMAが付与した特許権に対し特許公報発行後 9 月以内に DPMAに異議を申し立てることができます ( 特 59 条 ()) 異議が申し立てられると名の技術系職員を含む3 名の合議体が事件の審理を行います ( 特 7 条 (3)) 名の技術系職員は原則として特許査定した審査官とその技術分野のグループリーダーになります ) 特許異議申立手続きにおいては当事者の請求又は合議体が必要と認めた場合に口頭審理 (Anhörung) が行われます ( 特 59 条 (3)) 実際には9 割以上の事件で口頭審理が実施されており口頭審理には特許権者だけでなく異議申立人も参加します ) ) ドイツ特許商標庁年次報告書 (Jahresbericht)6: 5) ドイツ連邦特許裁判所の紹介資料 ( 第頁 ): Veroeffentlichungen/Informationsbroschueren/infobroschuere_jap.pdf 6)BPatG 年次報告書 6: jahresbericht_6.pdf 7) ドイツ連邦予算 6: 8) ドイツ特許法 ( ドイツ語英語 ): ドイツ特許法 ( 日本語 ): 9) 連邦特許裁判所の紹介資料 ( 日本語 ) より抜粋 : Veroeffentlichungen/Informationsbroschueren/infobroschuere_jap.pdf ) 平成 9 年 5 月のDPMAとの意見交換にて聴取 ) 脚注 no.88 3 tokugikon

3 図 3 ドイツにおける異議申立ての統計 ) 合計取合計また特許異議申立ての手続き中には日本と同様に訂正を行うこともできます ) ( 特 6 条 ) 訂正は口頭審理の間を含めいつでもできます 3) 特許異議申立ての結果に不服がある当事者はその結果に対し BPatGに抗告を行うことができます ( 特 65 条 ) 日本においては維持決定に対しては不服を申し立てることはできません ( 日本特許法条 5 項 ) がドイツでは維持決定と取消決定の双方に対して不服を申し立てることができますもう一つ日本と異なる点として取下げが挙げられます日本では審理の開始後は申立てを取り下げることはできない ( 日本特許法条の) のに対しドイツでは申立てを取り下げることができますが申立てが取り下げられても DPMAが職権で審理を続行します ( 特 6 条 ()) 年間の処理件数は図 3のとおりです ()BPatG における手続きイ. 抗告 DPMAの拒絶査定や特許異議申立ての決定に不服がある場合その当事者 ( 拒絶査定における出願人異議決定における特許権者や異議申立人 ) は DPMAの決定の送達 (Zustellung) から月以内に抗告をDPMAに提出することができます ( 特 73 条 ()) 抗告が提出されると DPMAはその内容を検討し決定の内容を修正することができます ( 特 73 条 (3)) DPMAの検討後抗告はBPatGに移送されます DPMAから移送された抗告は技術抗告事件として当該技術分野を管轄する部門で審理が行われます技術抗告事件は名の裁判官による合議体で審理されます合議体の構成は図のとおりです法律にたメンー技術の事けたメンー技術の事けたメンーア. 管轄 BPatGは7 の審理部門から構成されそれぞれの審理部門には無効法律抗告技術抗告商標抗告意匠抗告実用新案抗告植物品種抗告の管轄が定められています 5) さらに無効技術抗告商標抗告については分野毎の管轄も定められています図技術抗告事件における合議体の構成 6) ) 社団法人日本国際知的財産保護協会諸外国における特許権利化後の補正訂正制度に関する調査研究平成 3 年 3 月 : jpo.go.jp/shiryou/toushin/chousa/pdf/zaisanken_kouhyou/h_report_.pdf 3) 脚注 )DPMA 年次報告書 (Jahresbericht)6: 5) ドイツにおける裁判所は審理部門の管轄を業務割当 (Geschäftsverteilung) として決定し一般に公開しています連邦特許裁判所の業務割当 : 6) 連邦特許裁判所の紹介資料 ( 日本語 ) より抜粋 : Veroeffentlichungen/Informationsbroschueren/infobroschuere_jap.pdf tokugikon no.88

4 事件審理において当事者の請求証拠調べ又は合議体が必要と認めた場合に口頭審理 (mündliche Verhandlung) を行うことができ ( 特 78 条 ) 大半の事件で行われています 7) 口頭審理は裁判所内に設けられている法廷 (Sitzungssaal) で行われます口頭審理は原則として一般に公開されており誰でも手続きなしで傍聴が可能です BPatGでは技術的な議論を円滑に進めるため法廷のIT 化に力を入れていますこれについては後述します事件の審理が終わるとその結論は議決 (Beschluss) として出されます ( 特 79 条 ()) BPatGは事件をDPMAに差し戻すこともできますが多くの場合直接決定を行います 8) 例えば BPatGは DPMAで拒絶査定された出願に対してその拒絶査定を取り消し直接特許査定を行います BPatGの議決判決文はウェブサイトでも公開されています 9) が残念ながらその公式な英訳は公開されていません特定の条件の下で抗告事件の連邦最高裁判所 (BGH:Bundesgerichtshof) への上告が可能です上告が可能な場合は BPatGが許可した場合 ( 特条 ()) と裁判に手続上の瑕疵があったことを理由とする場合 ( 特条 (3)) ですなおドイツでは BGHも事件を差し戻すことなく自判できるので BGHからBPatGに差し戻される事件はほとんどありません ) ウ. 特許無効訴訟日本の特許無効審判に相当する特許無効訴訟 ( 以下単に無効訴訟 ) は特許権者を被告として BPatGに提起します ( 特 8 条 ()) 無効訴訟はドイツ特許に加え欧州特許のドイツ部分も対象とすることができます ( 欧州特許条約 (EPC)6 条 ()) 無効訴訟は原則としていつでも提起できますが特許異議申立てが可能な期間又は特許異議申立手続の係属中は提起できません ( 特 8 条 ()) 法律上明記されていませんが無効訴訟は通常は誰でも提起できると考えられています ) 無効訴訟は 5 名の裁判官の合議体によって審理されます合議体の構成は図 5のとおりです法律にたメンー技術の事けたメンー法律にたメンー技術の事けたメンー図 5 無効訴訟における合議体の構成 ) 一般的に訴訟提起から年程度で合議体による最初の心証開示が書面にて行われますそして当事者には月の応答期間が与えられそれらの応答に対する反論の機会が月与えられますその後 6 月から年程度で口頭審理が行われますが往復の応答と反論で議論が収束しない場合は引き続き書面による手続きが継続することもあります口頭審理は原則行いますが被告が適時に応答しなかった場合や当事者が同意する場合は行わないこともあります ( 特 8 条 ) 口頭審理が法廷で行われることや公開が原則であることは抗告事件と同様です無効訴訟では当事者からの主張を時機に遅れたものであるとして却下することができます ( 特 83 条 ) が時機に遅れなければ回数の制限なく訂正を行うことができます無効訴訟においては BPatGが第一審となりその結論は判決 (Urteil) として出されます ( 特 8 条 7) ドイツ連邦特許裁判所の紹介資料 ( 第 7 頁 ): Veroeffentlichungen/Informationsbroschueren/infobroschuere_jap.pdf 8) 平成 7 年 5 月のBPatGとの意見交換にて聴取 9) ドイツ連邦特許裁判所判決 : bpatg & Art=en ) 脚注 8 ) 産業構造審議会知的財産政策部会第 35 回特許制度小委員会参考資料 5 第 9 頁 : pdf/tokkyo_shiryou35/sankou5seido.pdf Dr. jur. Rudolf Krasser, Dr. jur. Christoph Ann, Patentrecht 第 7 版 (6), p.65, 欄 ) 連邦特許裁判所の紹介資料 ( 日本語 ) より抜粋 : Veroeffentlichungen/Informationsbroschueren/infobroschuere_jap.pdf no.88 5 tokugikon

()) BPatGの判決に不服がある場合は BGHに控訴することができます ( 特条 ) 控訴には抗告の場合のようなBPatGの許可は不要ですそして BGHは法律問題だけでなく事実問題についても審理を行いますそして BGHに判決が取り消された場合は BPatGに差し戻される ( 特 9 条 (3)) か BGHが新たな決定を行う ( 特 9 条 (5)) ことになりますらないよう

5 ()) BPatGの判決に不服がある場合は BGHに控訴することができます ( 特条 ) 控訴には抗告の場合のようなBPatGの許可は不要ですそして BGHは法律問題だけでなく事実問題についても審理を行いますそして BGHに判決が取り消された場合は BPatGに差し戻される ( 特 9 条 (3)) か BGHが新たな決定を行う ( 特 9 条 (5)) ことになりますらないようディスプレイは収納式となっており A 資料枚が同時に閲覧できるようなサイズのディスプレイが採用されていますまた BPatGでは当事者が発言する際起立して行うか着席して行うかも自由なため机の高さも調整可能となっています (5)BPatG における最近の動きア. IT 法廷 (Elektronischer Gerichtssaal) BPatG では書類が大量になることが多いことや DPMA 内で電子化されている情報を再度紙の形にすることは非効率であることから電子的に審理ができる体制の構築が進められています口頭審理においても当事者を含めて電子データを活用することができるよう法廷の IT 化も順次進められていますこの IT 化はドイツ国内でも先進的な取り組みだそうです 7 年 5 月時点で 5つの法廷がIT 化されておりその数はさらに増える見込みです IT 化された法廷の様子は図 6のとおりです裁判官と当事者とのコミュニケーションの妨げとな 3) 図 6 BPatGのIT 化された法廷イ. 審理の迅速化図 7に BPatGが受理処分した事件数を示します 5 年までは減少傾向であった受理事件数は 6 年に増加傾向に転じています特許異議申立事件の審理がDPMAに戻されたこともあり ) 全体としては滞貨が少なくなっているようです図 7 事件数の概要 5) 無効部法律抗告部技術抗告部意抗告部用抗告部抗告部合計 ) BPatG 年次報告書 6: jahresbericht_6.pdf ) 特許異議申立ての審理は DPMAの処理負担軽減のため年月日から 6 年 6 月 3 日まで BPatG に委託されていました 5) BPatG 年次報告書 6: jahresbericht_6.pdf tokugikon no.88

国際交流 6 年月に東京で開催された日欧知的財産司法シンポジウム6 3) に参加のため BPatGのシュミット (Beate Schmidt) 長官が来日されましたその際の特許庁との意見交換をきっかけとして 7 年 5 月に筆者らJPOの審判官がBPatGを訪問し BPatGの裁判官らと実務的な意見交換を行いました 3) この訪問は JPO

6 図 8に事件の審理期間を示します無効部の 6 年の審理期間は.6 月で横ばいです侵害訴訟は年程度で結論が出ることが多いので無効訴訟も同程度にすることが理想とのことです 6) 技術抗告部の6 年の審理期間は 38.7 月でありかなり短縮されてきています無効部技術抗告部用抗告部意抗告部法律抗告部エ. 国際交流 6 年月に東京で開催された日欧知的財産司法シンポジウム6 3) に参加のため BPatGのシュミット (Beate Schmidt) 長官が来日されましたその際の特許庁との意見交換をきっかけとして 7 年 5 月に筆者らJPOの審判官がBPatGを訪問し BPatGの裁判官らと実務的な意見交換を行いました 3) この訪問は JPO 審判部とBPatGとの実務者による最初の意見交換の機会となりました今回御紹介した内容のうちこの意見交換によって明らかになった部分は少なくありません図 8 事件の審理期間 ( 月 ) 7) ウ. 欧州統一特許裁判所 (UPC:Unified Patent Court) への対応欧州ではUPCを創設することが決まっており現在準備が進められています 8) BPatGは EPOによって許可された欧州特許のドイツ部分の有効無効を判断していますが今後その機能は UPCに移ることになります 9) 抗告事件と国内特許の有効性判断は引き続き BPatGが担当しますが BPatG の業務は縮小することが想定されますミュンヘンには UPCの中央部が設置されることが決まっていますが物理的な施設はBPatG 内に設置される予定です 3) ただし 7 年 5 月の時点では設備の設置作業はまだ始まっていないようでした図 9 BPatG のシュミット長官 ( 右から番目 ) 図 BPatG 裁判官との意見交換の様子 6) 平成 7 年 5 月のBPatGとの意見交換にて聴取 7)BPatG 年次報告書 6: jahresbericht_6.pdf 8) 田名部拓也欧州単一特許制度の行方特技懇誌第 75 号年月日 ; 濵中信行在ミュンヘン日本国総領事館での業務特技懇誌第 83 号 6 年月 5 日 ; 中野宏和田内幸治欧州における近年の知財情勢とジェトロデュッセルドルフ事務所の取組特技懇誌第 8 号 7 年月 3 日 9) 移行期間中はオプトアウトの手続きにより引き続き国内手続きを利用することも可能 3)UPCウェブサイト : 3)JPOウェブサイト : 3)JPOウェブサイト : no.88 7 tokugikon

7 3. 欧州特許庁 (EPO:European Patent Office) における特許審査後の手続き () 概要 EPOの特許取得手続きの概要は図 3のとおりです EPOにおいては特許査定後に特許異議申立て (opposition) 限定 (limitation) 及び取消 (revocation) の手続がありますこれらの手続きと出願拒絶 ( 方式的及び実体的理由の双方を含む ) の結果に対しては審判請求 (appeal) ができ審判部 (BoA:Boards of Appeal) でその是非が審理されますなお BoAの結論に対しては拡大審判部 (EBoA:Enlarged BoA) にレビューを求めることができる限られた場合を除いて不服を申し立てることはできません異議申立期間満了後の特許取消しは各国で個別の手続きとなります ()EPOの概要 EPOは欧州特許の審査異議申立て審判等を所管しており年予算は億ユーロ 3) 全職員数 35) は約 7 千人です EPOは年約 6 万件の特許出 36) 願を受理するとともに約 3 千件の異議事件を受理しています 37) BoAの職員は審判長 (Chairman)6 名技術系審判官 (Technically Qualified Member)96 名法律系審判官 (Legelly Qualified Member)7 名を含む名です 38) BoA 審判部は i) 拒絶査定不服審判及び異議決定に対する審判請求を担当する技術部 (Technical Boards) ii) 受理部及び法律部の決定等技術部が担当しない事件を担当する法律部 (Legal Board) iii) 弁理士の懲戒や試験に関する事件を担当する懲戒部 (Disciplinary Board) そして iv) 法解釈の統一や重要な法律問題に関する意見照特許出願出願審査サー特許にる見きサーート出願体審査定におけるーシン特許査定定 l tat on 取 re o at on 手続異議申立手続審判手続出願サーートの特許の者による意見出 o ser at on 図 3 EPO における特許取得手続きの概要 33) 33)WIPOItaly International Convention on Intellectual Property and Competitiveness of Micro, Small and MediumSized Enterprises (MSMEs)(WIPO/SMES/ROM/9)(9 年月開催 ) における EPO 発表資料 ( jsp?doc_id=3) を筆者が和訳 3) EPO Facts and figures 7: $File/epo_facts_and_figures_7_en.pdf 35)EPO 年次報告 6: 36)EPOへの直接出願とEPOにおける審査段階に移行したPCT 国際出願を含む 37) 脚注 35 38)BoA 年次報告 6: tokugikon no.88

8 ) 図 3 BoAの事件数 6 年の状況新受既済合計 ( 一部 ) 認容棄却和解法律部技術部審査手続 ( 査定系 ) 異議申立手続 ( 当事者系 ) 拡大審判部 9 8 意見紹介再審請求懲戒部合計 8 9 会 (EPC 条 ) 及び再審(EPC a 条 ) を担当するEBoAから構成され 39) 図 3に示すように年間約千件の事件を審理しています技術部は技術分野毎に分かれた8の部門から構成されますがそれぞれの部門の担当範囲やメンバーは業務配分計画 (business distribution scheme) として公開されています ) (3)EPO 異議部における手続き何人も特許公報発行から9 月以内に限り新規性進歩性産業上の利用可能性を理由として異議を申し立てることができます (EPC 条 (a)) 異議申立ては 3 名の委員 ( 通常は技術系 ) から構成される異議部 (opposition division) により審理されます (EPC 9 条 ) EPOにおける異議申立手続きは異議申立人が口頭審理に参加できることや維持決定に対しても不服を申し立てることができるなど日本の手続きに比べて異議申立人の関与が大きいといえますまた DPMAにおける手続きと同様異議部の判断や当事者からの請求に基づいて口頭審理が行われ (EPC 6 条 ()) 特許権者が異議申立手続中に訂正を請求することが可能です ( 規則 8(3)) 訂正により特許が維持される場合は中間決定 (interlocutory decision) が出されこれに対して審判請求することが可能です ) () 限定と取消 EPOには特許審査後に特許権者が行うことができる手続きとして権利範囲を減縮する限定と権利をはじめからなかったことにする取消がありますこれらの手続きは異議申立手続きが係属している期間を除きいつでも請求が可能です (EPC5a 条 ()) 限定又は取消が請求されるとその内容は審査部にて審査され ( 規則 95) 認容又は拒絶の決定が出されます (EPC5b 条 ()) そして拒絶に対しては審判請求が可能です (EPC 6 条 ()) (5)BoAにおける手続き一般に EPOの受理部審査部異議部法律部の決定に対しては審判請求を行うことが可能です (EPC 6 条 ()) 請求期間は決定の発送日(date of notification) から月以内です (EPC 8 条 ) 審判請求がされると当該請求は請求の対象となる決定を行った部に送付されそれから3 月の期間に当該決定を見直すことができます (EPC 9 条 39)EPOウェブサイト : )BoAの業務配分計画 : ) EPO 年次報告 6( boards_of_appeal_en.pdf) を筆者が和訳 )How to get a European patent( $File/how_to_get_a_european_patent_783_en.pdf) パラグラフ no.88 9 tokugikon

9 ()) ただし異議が申し立てられている場合は見直すことはできません (EPC 9 条 ()) 審判手続きにおいては当事者からの請求又は EPOの判断により口頭審理が実施されます (EPC 6 条 ) BoAは元の決定を取り消すときは自判することも差し戻すこともできます (EPC 条 ) また BoAによる審決はEPOウェブサイト上で公開されています 3) なお審判部における審理の言語は特許審査時に用いられたものと同じ言語 (language of the proceedings) であり審決文もその言語で記述されます (EPC 条 (3)) (6)BoA における最近の動きア. BoAの改組 BoAは組織的にはEPOの部門 (DG3) と位置づけられてきましたが年月のEBoAによ ) る中間判決をきっかけとして管理理事会 (Administrative Council) において組織の再編が議論されるに至りましたその後 5 年月に具体的な組織再編案の意見募集が行われ 5) 6 年 6 月に開催された管理理事会において上記組織再編案が承認されました 6) 改組のイメージは図 33のとおりで BoA 長官 (President of the BoA) のポストが新設され EPO 長官の直接の指示を受けない独立性の高い組織になりました (BoAの改組はEPCの改正を伴わないため EPCで規定された組織構造は不変です EPC5 条の規定により BoAは依然としてEPOの一部であり続けます ) 新ポストである BoA 長官には 7 年 3 月日付けでスウェーデンの控訴裁判所の上級判事であったヨゼフソン (Carl Josefsson) 氏が就任しています 7) 今回の改組では効率性の向上もその目的の一つとされていますその背景には技術部の平均審理期間 ( 年 :3.3 月 ) が欧州司法裁判所 (CJEU: Court of Justice of the European Union)( 年における控訴事件の平均審理期間 :.5 月 ) やBPatG (3 年における無効事件の平均審理期間 :3.6 理理事理理事部審判部長官審判部 EPO 長官審判部審判部拡大審判部技術部 (8) 法律部懲戒部 G 特許審査手続き G ーートサー G5 法法査理 (8) 化 () 理 (3) (7) 図 33 BoA の改組イメージ 8) 3)Search in the board of appeal decisions database: )EPOの異議決定に対する審判事件 (T 97/) に対する再審事件 (R 9/) 拡大審判部の議長を務める DG3 担当副長官に対する忌避の申立てを認めた R 9/ 中間判決 ( 独語 ): 5)JETRO デュッセルドルフ 5 年 5 月日付け欧州知的財産ニュース : 6)JETROデュッセルドルフ 6 年 7 月日付け欧州知的財産ニュース : europe/6/67.pdf 7)JETROデュッセルドルフ 7 年 3 月日付け欧州知的財産ニュース : europe/7/73.pdf 8)EPOより入手した資料を筆者が和訳 tokugikon no.88

月 ) と比べて長いことが関係しているようです 9) 今後の具体的な取り組みが注目されます図 3 BoA 技術部の平均審理期間 ( 月 ) 5) 年査定系 ( 査定不服 ) 当事者系 ( 異議 ) 全体 5 38 3 36 6 3 37 イ.

10 月 ) と比べて長いことが関係しているようです 9) 今後の具体的な取り組みが注目されます図 3 BoA 技術部の平均審理期間 ( 月 ) 5) 年査定系 ( 査定不服 ) 当事者系 ( 異議 ) 全体イ. BoAの移転 7 年 9 月まで BoAはミュンヘンのEPO 庁舎に所在していましたが BoAの改組とあわせてミュンヘン郊外のハール (Haar) に移転しました EPO ウェブサイト 5) によると 7 年月第週から新庁舎の運用が開始されているようです図 35 Haar 新庁舎 (EPOウェブサイト 5) より引用 ) 図 37 BoA のヨゼフソン (Carl Josefsson) 長官 ( 左から 3 番目 ). おわりに以上ドイツ及びEPOにおける特許審査後の手続きについて概略を御説明しました国際的な権利の活用が重要になる中各国における特許審査後の手続きについて理解を深めることが重要になっていますこれを機会に普段なじみのない方にも審判に興味を持って頂ければ幸いです最後になりましたが 7 年 5 月のミュンヘン関係機関訪問を強力に支援して頂くとともに本稿を執筆するにあたり多大な御助言を頂いたジェトロデュッセルドルフの中野知的財産部長田内知的財産副部長在ミュンヘン総領事館の濵中領事及び種々の貴重なご意見を頂いた特許庁審判課の皆様に厚く御礼を申し上げます profile 53) 図 36 Haar 新庁舎の位置ウ. 国際交流 7 年 5 月に筆者らJPOの審判官がEPOを訪問しヨゼフソンBoA 長官らと意見交換を行いました 5) 今回の訪問は組織再編後のBoAとJPO 審判部との最初の意見交換の機会であり 3 月日に就任したヨゼフソン長官にとっては海外の機関と意見交換を行う初めての機会となりました久保竜一 ( くぼりゅういち ) 昭和 63 年月特許庁入庁 ( 審査第三部一般機械 ) 特許審査第二部動力機械, 同自動制御, 総務部国際課, 審判部審判課等を経て, 平成 8 年 7 月より現職清水祐樹 ( しみずゆうき ) 平成年月特許庁入庁 ( 審査第五部映像機器 ) 総務部国際課, 米国フォーダム大学ロースクール, 総務部企画調査課, 特許審査第四部伝送システム, 在ミュンヘン日本国総領事館, 審判第 3 部門 ( 伝送システム ), 審判部審判課等を経て, 平成 9 年月より現職 9)EPO が管理理事会に提出した組織再編案 (CA/6/5): 5)EPO 審判部年次報告 6: 5) 5)EPOウェブサイト : 53)EPOより入手 5)JPOウェブサイト : no.88 3 tokugikon

間延長をしますので拒絶査定謄本送達日から 4 月が審判請求期間となります ( 審判便覧の 2.(2) ア ) 職権による延長ですので期間延長請求書等の提出は不要です 2. 補正について明細書等の補正 ( 特許 ) Q2-1: 特許の拒絶査定不服審判請求時における明細書等の補正は

間延長をしますので拒絶査定謄本送達日から 4 月が審判請求期間となります ( 審判便覧の 2.(2) ア ) 職権による延長ですので期間延長請求書等の提出は不要です 2. 補正について明細書等の補正 ( 特許 ) Q2-1: 特許の拒絶査定不服審判請求時における明細書等の補正は拒絶査定不服審判 Q&A 1. 期間の延長について拒絶理由通知の応答期間の延長 ( 特許 ) Q1-1: 特許について拒絶査定不服審判請求後 ( 前置審査中を含む ) に受けた拒絶理由通知に対する応答期間を延長することはできますか A1-1: 出願人が国内居住者のときは以下の理由 (1) を満たすときに 1 回 ( 最大 1 か月 ) 限りの延長が認められます出願人が在外者のときは以下の理由