「P2P」の分類技術的要因と人的要因

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ことこしどり
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1 日弁連コンピュータ委員会シンポジウム 2008 P2P ネットワークと法的問題 ~Winny をめぐって ~ 2008 年 1 月 22 日 ( 後日配布版 ) 用語 P2P の指すものいわゆるファイル交換ソフトを指す用語として P2P の分類技術的要因と人的要因独立行政法人産業技術総合研究所情報セキュリティ研究センター高木浩光自立分散型の接続方式を指す技術用語の略語として接続のうち暗に端点の管理が個人に委ねられている場合のものを指す俗語としての P2P これらの区別は重要 1 2 混乱した議論用語の混乱に乗じた誤った議論の典型例 P2P は将来有望な技術なのだからファイル交換ソフトは悪くない用語 P2P とファイル交換ソフトを同一視することの弊害 CDN に P2P を利用しているのでコンテンツ配信に P2P は必要不可欠な技術だ CDN: Contents Delivery Network 用語と P2P を同一視することの弊害昔からある単なる分散型システムをわざわざ P2P と呼ぶ意義は無い ( 技術論として ) 報道の例朝日新聞 2004 年 9 月 12 日朝刊 1 面無料の IP 電話日本で 25 万人利用ウィニーと同じ技術転用ファイル交換ソフトを転用した無料の IP( インターネットプロトコル ) 電話の利用者が日本でも広がり始めているスカイプと呼ばれるソフト ( 略 ) スカイプはそれを電話に応用したもので KaZaA 同様 P2P という技術を使う ( 略 ) P2P( ピアツーピア ) インターネット上でサーバーを介さずに情報を端末同士で交換する技術著作権法違反幇助 ( ほうじょ ) の罪で起訴された音楽ファイル交換ソフトウィニーの作者もこの技術を利用していた 3 4

2 用語の確認 P2P が暗に求める技術特性 Peer-to-peer Network 古くは Macintosh の LocalTalk もそう形容されていた NetWare が server-client network だったのに対して ad-hoc network と形容されることもあった Local Area Network の実現手法として狭義の定義では単にネットワーク構成法の一つ Server-Client vs Peer-to-Peer の優位性の逆転劇は LAN から WAN へと拡大とともに繰り返されてきた舞台はネットワーク層からアプリケーション層へとそしてまた逆に P2P でなく P2P と書く場合には何かしらの意味付けが感じられるがそれは何なのか? P2P 以外でも流行の技術特性 Decentralized, 非集権型集中要素を避け耐故障性を高める Ad hoc / Self Organized, 自己組織化 ad hoc に ( アプリケーションの ) ネットワークを構成再構成できる Autonomous / Cooperative, 自律協調構成要素が主体性を持ち構成要素間の相互作用で全体の機能が形成される自律分散協調オブジェクトシステムとか人と人を直接に結ぶ P2P ならではの特性であることの要件を前提とするを前提とする P2P とは呼ばれない 5 6 用語 P2P 誕生の経緯 (?) Napster 人と人が直接にファイルをやりとりする機能仲間から仲間へメールでは 5 メガバイト程度までしか送れない / 個人が FTP サーバを用意して管理するのは一般消費者向けでない / OS のファイル共有機能は WAN 向きでないなどの理由から存在価値ありファイルの存在場所を検索で教えるサービスの提供不特定多数による利用ファイル交換技術研究のトピックとして P2P と呼ばれるようになってからの研究動向分散ハッシュテーブル (DHT) 等従来の分散処理技術が超広域大規模ネットワーク向けとして発展チャレンジングな研究課題ニーズは? Gnutella, WinMX ファイルの存在場所の検索を decentralized に flooding による自律協調型検索管理されない自由の実現 Pure P2P 革命を援護する技術? 著作権革命? 7 8

3 技術の活用意義各技術要素がもたらす特長高品質動画像一斉配信大容量コンテンツ配布スケーラビリティファイル共有管理されない自由スケーラビリティファイル放流管理されない自由匿名性グループウェア管理不要性掲示板管理されない自由匿名性スケーラビリティ 9 Peer-to-peer 型 network の特徴 Decentralized, 分散型耐故障性, スケーラビリティ ( 規模拡張性 ) Ad hoc / Self Organized, 自己組織化耐故障性, スケーラビリティ, 管理不要性, Autonomous, 自律協調耐故障性, スケーラビリティ, 管理不要性, P2P 方式の特徴人と人を直接に結ぶ管理されない自由, ブローカレス ( 課金なし ), インフラ整備不要多対多管理されない自由, 匿名性 10 問題点 / 欠点昨年の講演管理不能性不確実性利用の動機付け利用を促す魅力的な動機とは? 不法な利用 / 悪意ある利用著作権侵害児童ポルノ頒布プライバシー侵害映像の流布 11 INTERNET Watch, Winny は既に必要な技術ではなく危険性を認識すべき高木氏講演 12

4 英語圏との比較 LimeWire と Winny の構造上の違い Gnutella ネットワークが主流複数の互換ソフトウェアが使用されている LimeWire (Lime Wire LLC 社 ) はその一つ情報漏洩事故は日本ほど深刻ではない様子漏洩事故は起きている漏洩の原因は設定ミスによるものと言われている My Documents フォルダを公開フォルダに設定してしまうミス原因の推定暴露ウイルスをばら撒いて他人の不幸を愉しむ者が日本のように多くは存在しないため? 流通ファイルが Winny のように暗号化されるわけではないのでアンチウイルスソフトが効果的に機能する利用者が不適切なファイルをみつけて削除する 13 Up Up ファイル Down 賢明な設定での LimeWire ファイルの中身をユーザは認識する Up/Down 暗号化されたファイル Cache 暗号化デフォルト設定の LimeWire Up Down Winny 復号 Cache の中身をユーザは認識しない 14 自動ダウンロードの実態キーワードで指定したファイルを根こそぎダウンロード 2 ちゃんねる界隈では地曳きと呼ばれている ( 地曳網の意 ) キーワードの例無修正キンタマ ( 暴露ウイルスが漏洩ファイルに付ける名前 ) ネットエージェント社の調査によると流出ファイルを収集している者は約 1000 人 Winny のどこが問題か Winny には確かに問題がある他のファイル交換ソフトにない問題がある国際比較においてどこが問題か自分が流通させているファイルをユーザが認識しないアンチウイルスソフトが有効に働かない自動ダウンロードによる無限流通無駄流通 15 16

5 P2P 一般の今後の問題管理責任が個人に委ねられる専用ソフトがクラックされた際の危険性 P2P は必要なの? Skype やチャットなどでは当然 Person to Person これは議論の本題とは関係がない NAT 越え技術を P2P 技術と呼ぶのも関係がない Decentralized であることは必要なの? 耐故障性? ハイブリッド型ではだめなの? 複数の管理主体が用意した複数サーバの連携という構成でもよいはずグループウェアの事例を見よ管理不要性? 管理コスト? 人と人が直接通信することは必要なの? 1 対 1 の場合 vs 多対多の場合ブローカ ( 管理され課金等される ) 経由ではだめなのか管理されない自由何の目的で利用する場合か 17 18

スライド 1

スライド 1 RF 研 2004-02-9 P2P の動向とフィルタリングの方向性 2005 年 1 月 27 日財団法人インターネット協会 1 目次 1.P2P の動向 2.P2P の問題点とフィルタリングの方向性 2 1.P2P の動向 3 P2P(Peer to Peer) とは? P2P の概要不特定多数の個人間で直接情報のやり取りを行うインターネットの利用形態多数のコンピュータを相互につないでファイルや演算能力などの情報資源を共有するシステム

「P2P」の分類 技術的要因と人的要因

「P2P」の分類技術的要因と人的要因