テクノロジー・リフレッシュ7(TR7):IBM iでRubyがサポートされます

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1 テクノロジー リフレッシュ 7 (TR7):Ruby on IBM i 開発のポイント その 1 1) TR7 TR7 では多くのソフトウェア関連の機能拡張と 新たな PCIe アダプターや SSD の追加サポートといったハードウェア関連の機能拡張がありました DB2 for i VLDB(Very Large Data Base) 対応 SQL 機能拡張 近代化対応 セキュリティ強化 RPG Ⅳ フリーフォーマット化 Java Java 7.1サポート PowerRuby Ruby / Ruby on Railsサポートハードウェア サポート PCIe2 1.8 GB キャッシュ RAID SAS アダプター 第 3 世代 387 GB および 775 GB SSD 1.2 TB/1.1 TB 10k rpm ディスク ドライブ PCIe 2 ポート非同期 EIA-232 アダプターへの非同期 PPP 機能追加 特に ソフトウェアを中心に広範囲の機能拡張が実装されており 主な新機能の紹介をしたいと思います DB2 for i VLDB 対応 索引 ( キー付き論理ファイル ) のサイズが 1TB から 1.7TB に拡大 表 ( 物理ファイル ) のサイズは今までどおり 1.7TB 約 43 億行となります DB2 表と索引の動的な SSD への配置がサポート 以前からサポートされていた表や索引の HDD から SSD への再配置が排他ロック不要となったため 動的に可能となりました SQL 機能拡張 動的コンパウンド ステートメント (Dynamic Compound statement) の新規サポート ストアドプロシージャに似たシンプルな SQL ステートメントをグルー

2 プ化する動的コンパウンド ステートメントをサポート 組み込み SQL でも RPG フリーフォーマット化をサポート 近代化対応 DDS で記述されたファイルからビューの DDL を生成する際に ビューの代わりに索引を作成したり 追加の索引を作成したりすることが可能となりました セキュリティ強化 オブジェクトへのアクセス権限のリストが DB2 カタログの利用により容易に取り出せるようになりました データベース権限カタログはファイル以外にライブラリーやプログラムなども用意されています RPG Ⅳ フリーフォーマット化 C 仕様書に加えて H, F, D, P 仕様書もフリーフォーマットで記述できるようになりました 制御仕様書 (H 仕様書 ) は CTL-OPT ファイル仕様書 (F 仕様書 ) や定義仕様書 (D 仕様書 ) は DCL-x の命令コードで始めます プロシージャー仕様書 (P 仕様書 ) は DCL-PROC ではじめ END-PROC で終わります /FREE と /END-FREE の記載は必要ありません 記載されていたとしてもコンパイラーは無視します RDi ではフリーフォーマットに対してもコンテンツ アシスト機能が可能です 5250 画面の SEU ではフリーフォーマット化がサポートされないため構文エラーとなります Java Java JV1 IBM Developer Kit for Java のオプション 14(32bit)/15(64bit) にて Java 7.1 が新規サポートされます

3 2) PowerRuby とは PowerRuby は IBM のパートナーとなり IBM i 版の Ruby プログラミング言語と Rails フレームワークを提供します これらには DB2 for i へのデータベースドライバーの提供も含まれます 2014 年 3 月現在 free community version が公開されており 今後商用版やサポート契約の提供が予定されています PowerRuby ホームページ Ruby とは まつもとゆきひろ氏が開発したオブジェクト指向スクリプト言語です シンプルさと高い生産性を備えており Perl のような手軽さで楽しく開発可能なプログラミング言語と評価されています Ruby on Rails とは Ruby で記述されたオープンソースの Web アプリケーションフレームワークで MVC アーキテクチャーに基づいて構築されています その基本理念は 設定より規約 (Convention over Configuration (CoC)) 同じ事を繰り返さない (Don t Repeat Yourself (DRY)) です 特にデータベースを利用した Web アプリケーション開発において 新たに書くコードを大幅に減らし開発期間を短縮できる生産性の高いフレームワークです IBM i における PowerRuby IBM i コミュニティにとって PowerRuby により Ruby や Ruby on Rails が正式にサポートされることで 今まで以上に若手開発者の IBM i 上での活発な開発参加を期待することが出来ます また オープンソースでありながら 商用版とサポートが提供されることで 業務アプリケーション開発の活発化も期待できます PowerRuby は Ruby で記述されたデータベースドライバーが提供されており これにより DB2 だけでなく RPG を含む IBM i オブジェクトへのアクセスが可能となります

4 3) PowerRuby のインストール ここからは PowerRuby のインストールをご紹介します 2014 年 3 月現在 PowerRuby はベータ版である free community version を入手することが可能で 現在のバージョンは 0.1.9b となります PowerRuby をインストールすることで プログラミング言語の Ruby と Web アプリケーションフレームワークの Ruby on Rails が IBM i 上に実装することが出来ます PowerRuby での登録 PowerRuby のホームページにて ダウンロードのための URL などのインストール情報を で受信するための入力フォームに記入してください アドレスや簡単なアンケートを入力する必要があります なお 前提となる OS バージョンは IBM i 7.1 となりますが ベータ版のため本番環境でのご利用はお勧めできません また IBM Portable Utilities for i の追加導入や最新累積 / グループ PTF の適用が必要になりますので テスト環境でのご活用をお勧めします PowerRuby のインストール 入力フォームに記入すると 登録した アドレスにベータ版のダウンロード URL やインストール手順等の技術情報が記載された Knowledge Base の URL が送られてきます インストール手順にあるとおり 5733-SC1 IBM Portable Utilities for i の Base と

5 Option 1 も前提ソフトウェアとして必要になります 5733-SC1 は IBM i 7.1 ライセンスプログラムの標準 DVD セットの B_GROUP3_04 メディアに含まれますが ベースオプションのインストールの際に言語の指定が必要となりますので注意してください インストールコマンドとしては以下となるので B_GROUP3_04 メディアを DVD ドライブにセットし そのドライブのデバイス名で実行してください なお 5733-SC1 とそれに関連する PASE は TCP/IP と Java のグループ PTF や累積 PTF に修正モジュールが含まれるので なるべく最新の累積 PTF を適用しておくことをお勧めします RSTLICPGM LICPGM(5733SC1) DEV(OPTxx) OPTION(*BASE) RSTOBJ(*ALL) LNG(2924) RSTLICPGM LICPGM(5733SC1) DEV(OPTxx) OPTION(1) RSTOBJ(*PGM) ベータ版の Zip ファイルを PC にダウンロードし解凍すると 4 つのセーブファイル (SAVF) が作成されるので こちらを任意のライブラリーの SAVF に FTP でバイナリー形式にて転送してください PowerRuby のインストール手順では QGPL ライブラリーに SAVF を作成して FTP で転送していますが ユーザーライブラリーや QTEMP など QGPL 以外のライブラリーに転送することをお勧めします これらのファイルを削除するのを忘れて QGPL ライブラリーに保存したままにしますと システム切り替えの際に無駄なデータ移行が発生します CRTSAVF FILE( 任意のライブラリー /PRUBY_BASE) CRTSAVF FILE( 任意のライブラリー /PRUBY_0001) CRTSAVF FILE( 任意のライブラリー /PRUBY_0002) CRTSAVF FILE( 任意のライブラリー /PRUBY_0003) PowerRuby のインストールコマンドは標準的な RSTLICPGM を使用します

6 RSTLICPGM LICPGM(1PRUBY1) DEV(*SAVF) LNG(2924) SAVF( 任意のライブラリー /PRUBY_BASE) RSTLICPGM LICPGM(1PRUBY1) DEV(*SAVF) LNG(2924) OPTION(1) SAVF( 任意のライブラリー /PRUBY_0001) RSTLICPGM LICPGM(1PRUBY1) DEV(*SAVF) LNG(2924) OPTION(2) SAVF( 任意のライブラリー /PRUBY_0002) RSTLICPGM LICPGM(1PRUBY1) DEV(*SAVF) LNG(2924) OPTION(3) SAVF( 任意のライブラリー /PRUBY_0003) isuc の Ruby on IBM i のセッションなどでは GCC コンパイラーを使用してソースからコンパイルしておりましたが PowerRuby では IBM i 版のバイナリーコードが提供されているため このように容易なインストールが可能となっています 3 つのオプション毎に PowerRuby の異なるバージョンがインストールされます PowerRuby の実行 インストールの際にエラー等が発生してないようであれば PowerRuby が導入されたか確認してみます まず ライブラリーリストに PowerRuby 関連のオブジェクトが含まれている POWER_RUBY ライブラリーを追加してください ADDLIBLE LIB(POWER_RUBY) 次に PowerRuby のバージョンをセットします SETPOWRBY VRM(*V193) 今回は V1R9M3 のバージョンをセットしますが VRM パラメーターでは 今回入力した *V193 以外に *V200 と *V210 が入力可能です 現在のところ PowerRuby のバージョンは V1R9M3 V2R0M0 V2R1M0 の 3 つ提供されており 各々の Ruby と Rails のバージョン対応表は以下のようになっています PowerRuby Ruby Rails V1R9M V2R0M V2R1M PowerRuby は PASE 環境で稼動するため 以下の CL コマンドで PASE の端末セッションを起動します

7 CALL QP2TERM Ruby と Rails のバージョンの確認は以下のコマンドとなります SETPOWRBY コマンドで *V193 とセットしていたので Ruby は V1.9.3 Rails は V を利用することが出来るのが分かります ruby -v rails -v 今回は TR7 と PowerRuby の導入までのご紹介でしたが 次回は Rails を使ったアプリケーション開発をご紹介したいと思います 4) 参考情報 TR に関する詳細情報や最新情報は DeveloperWorks にて公開しています DeveloperWorks では DB2 や HW Java PowerHA など項目毎に分けられており 個々の項目毎に TR の各リリースで提供された最新機能を解説しています IBM DeveloperWorks: IBM i Technology Updates PowerRuby ホームページ Ruby アソシエーション 日本 Ruby の会