01インドネシア.indd
|
|
|
- ちとら もてぎ
- 9 years ago
- Views:
Transcription
1 インドネシア鉱物資源高付加価値化政策の動向インドネシア鉱物資源高付加価値化政策の動向 調査部金属資源調査課 山本万里奈 はじめに 精鉱輸出への輸出税は 2014 年 1 月当初の税率 インドネシアにおいて新たな鉱業法 鉱物 石炭鉱業に関する法律 (2009 年法律第 4 号 以下 新鉱業法 ) 1 が公布 施行された2009 年 1 月から5 年が経過した 同法で新たに盛り込まれ 同国にとって重要な施策の一つである鉱物の高付加価値化義務に関し その施行期限 20% から 6か月又は1 年ごとに段階的に引き上げることとし 最終的に2016 年 7 月以降は60% の税率とする 2014 年 1 月 12 日以降の鉱産物の輸出は 許可制とする となっていた2014 年 1 月 様々な議論を経て 政府は 最終的な方針を打ち出し 関連する政令 大臣令を相次いで発効した その結果 一部の金属鉱物については中間鉱産物となる精鉱などの輸出は時限的に認められることになったものの 大部分の金属鉱物には製精錬処理が義務付けられることとなり 未処理鉱石の輸出が認められなくなった 本稿では インドネシア鉱業法の中で 最も耳目を 2 集める鉱物資源高付加価値化政策の概要や 2012 年以降 ここに至るまでの経緯 今後の見通しなどを取り上げる 施行から1 年が過ぎた今 当該政策が撤回されることはないというのが市場の認識であるが 新鉱業法成立の背景や高付加価値化政策施行までの経緯を整理することで 同国あるいは他の資源国における 以上の決定内容は 同日公布された以下の政令及び 3つの各大臣令に規定され 即時施行された (1) 鉱物 石炭鉱業の事業活動の実施 に関する政令 2010 年第 23 号を改正する政令 ( 政令 2014 年第 1 号 政令 2010 年第 23 号の2 次改正政令 ) (2) 国内における鉱物の選鉱 加工処理と製精錬活動を通じた鉱物の付加価値の増加 に関するエネルギー 鉱物資源大臣令 ( 同大臣令 2014 年第 1 号 ) (3) 輸出税の課税対象品と税率 に関する財務大臣令 2012 年 PMK.011 第 75 号を改正する財務大臣令 (2014 年 PMK.011 第 6 号 ) (4) 選鉱 精錬済み鉱産物の輸出規定 に関する商業大臣令 (2014 年 M-DAG/PER/1 第 04 号 ) 鉱業の行方を占う一つの材料としたい なお 本稿は2014 年 6~9 月発行のカレント トピックス インドネシアにおける鉱石輸出禁止政策の動向 ( その1~4)( 高橋健一 山本万里奈 ) を基に執筆したものであることを申し添える (1)~(4) の各大臣令の主な規定内容は 次のとおりである (1) の改正政令では 製精錬処理後の鉱産物に加え 選鉱処理後の鉱産物も輸出できる内容が盛り込まれ 詳細規定はエネルギー 鉱物資源大臣令に委任するこ 1. 鉱物資源高付加価値化の概要鉱物資源の高付加価値化義務は 新鉱業法の施行日 (2009 年 1 月 12 日 ) から5 年以内での実施が同法に規定されていたところ 期限前日となる2014 年 1 月 11 日 ユドヨノ (Susilo Bambang Yudhoyono) 大統領は 関係閣僚を招集の上 約 5 時間に及ぶ会議を実施し 次のような方針 内容を決定した ととした (2) のエネルギー 鉱物資源大臣令は 関連する大臣令中最もポイントとなる規定であり 同大臣令においては 対象となる鉱物は金属鉱産物 非金属鉱産物 岩石鉱産物の3 区分に大別され それぞれ個別鉱物毎にインドネシア国内での選鉱 加工 製精錬処理の最低基準が規定された 基準に満たないものの国外への 鉱業事業許可 (IUP) 事業者又は旧鉱業法による鉱 輸出 販売は許可されないこととなった 業事業契約 (Contract of Work:COW) 事業者に対し 改めて鉱物の選鉱又は製精錬処理を義務化し 未処理鉱石は原則輸出禁止 一部の金属鉱物については 輸出税の課税を条件に 選鉱処理済み鉱産物 ( 精鉱 ) の輸出を3 年間に限 金属鉱産物の最低加工基準は表 1のとおり ニッケル ボーキサイト 金 銀 クロムは製精錬製品のみ輸出が認められる一方 銅 鉄鉱石 マンガン 鉛 亜鉛等の一部の金属鉱物については 輸出税課税 (20 ~60%) が条件となるが 中間製品となる精鉱も本大 り認める 1 新鉱業法の概要については 小岩孝二 (2009) インドネシア新鉱業法について ( pdf) JOGMEC 金属資源レポート2009 年 3 月号を参照されたい ポート 金属資源レポート 1 (480)
2 ポートインド表 1. 金属鉱産物の選鉱加工処理 精錬の最低基準レネシア鉱物資源高付加価値化政策の動向臣令施行後 3 年間は経過的に認められることとなった この点について エネルギー 鉱物資源大臣の会見によると この決定は鉱山労働者の大量解雇や地域経済へのダメージに加え 輸出額減少による経済への悪影響を回避することが重要であるとの認識に立ったものである としている また 選鉱 加工又は製精錬事業は 鉱業事業許可 (IUP) 事業者等が自ら実施するか あるいは他の事業 者と協力実施するかの方法によるが 他事業者との協力実施の場合 原鉱石 ( 原料又は鉱石 ) 又は精鉱の売買による協力も可能である なお これら新たな大臣令が公布 施行されたことに伴い 2013 年 11 月に最高裁判所が違法判決を下し 取消を命じられていた2012 年 2 月公布の旧エネルギー 鉱物資源大臣令 2012 年第 07 号 ( 最終改正同大臣令 2013 年第 20 号 ) は廃止された 鉱物選鉱製品製精錬製品最低製品基準銅 ( 製錬プロセス ) 銅精鉱 - 15% Cu - a. 銅カソード Metal Cu 99% b. 陽極泥 ( アノードスライム ) a. Metal Au 99% b. Metal Ag 99% c. Bullion Pb 90% d. Metal Pd 99% e. Metal Pt 99% f. Metal Se 99% g. Metal Te 99% h. PbO 98% i. PbO2 98% j. SeO2 98% k. 希少金属及び希土類 ( 錫における希土類の条件を参照 ) c. テルル化銅 a. Metal Cu 99% b. Metal Te 99% c. TeO2 98% d. Te(OH)2 98% 銅 ( リーチング プロセス ) - 金属 a. Metal Cu 99% b. Metal Au 99% c. Metal Ag 99% d. Metal Pd 99% e. Metal Pt 99% f. Metal Se 99% g. Metal Te 99% h. 希少金属及び希土類 ( 錫における希土類の条件を参照 ) ニッケル及び ( 又は ) コバルト ( 製錬プロセス ) a. サプロライト b. リモナイト ニッケル及び ( 又は ) コバルト ( リーチング プロセス ) リモナイト ニッケル及び ( 又は ) コバルト ( 還元 ) a. サプロライト b. リモナイト - ニッケルマット 合金及びニッケル金属 a. Ni Mate 70% Ni b. FeNi 10% Ni c. Nickel Pig Iron (NPI) 4% Ni d. Metal Ni 93% e. Metal Fe 93% f. NiO 70% Ni - 金属 金属酸化物 金属硫化 a. Metal Ni 93% 物 混合水酸化物 / 硫化物 b. 混合水酸化物 (MHP) 25% Ni 炭酸水酸化ニッケル c. 混合硫化物 (MSP) 45% Ni d. 炭酸水酸化ニッケル (HNC) 40% Ni e. NiS 40% Ni f. Metal Co 93% g. CoS 40% Co h. Metal Ni 99% Ni i. Cr2O3 40% Ni j. MnO2 含有量 Mn 15% - 合金 a. FeNispon (Sponge FeNi) 4% Ni b. Luppen FeNi 4% Ni c. Nuget FeNi 4% Ni 2 (481) 金属資源レポート
3 インドネシア鉱物資源高付加価値化政策の動向鉱物選鉱製品製精錬製品最低製品基準 ボーキサイト - 金属酸化物 / 水酸化物 金属 a. スメルター グレード アルミナ 98% Al2O3 b. ケミカル グレード アルミナ 90% Al2O3 90% Al(OH)3 c. Metal Al 99% 鉄鉱石 鉄精鉱 - 62% Fe ラテライト鉄精鉱 - 51% Fe 含有量 (Al2O3+SiO2) 10% - スポンジ 金属及び合金 スポンジ鉄 75% Fe 銑鉄 90% Fe 合金 88% Fe 砂鉄 砂鉄精鉱 58% Fe 及び ( 又は ) ペレット 56% Fe - 金属 スポンジ鉄 75% Fe 及び ( 又は ) 銑鉄 90% Fe スラグ a. TiO2 90% b. TiCl4 98% c. 合金 65% Ti d. V2O5 90% e. 合金 65% V f. 希少金属及び希土類 ( 錫における希土類の条件を参照 ) 錫 ジルコン イルメナイト及びルチル精鉱の副 - 非金属鉱物のジルコンにおけるジルコン イルメナイト ルチルの条件を参照 産物 モナザイト及びゼノタイムの精鉱 - a. 酸化希土類 (REO) 99% b. 水酸化希土類 (REOH) 99% c. 希土類 99% - 金属 Metal Sn 99.90% スラグ a. Metal W 90% b. Ta2O5 90% c. Nb2O5 90% d. Sb2O5 90% マンガン マンガン精鉱 - 49% Mn. - 金属 合金 化学マンガン a. フェロマンガン (FeMn), Mn 60% b. シリコマンガン (SiMn),Mn 60% c. 一酸化マンガン (MnO), 0 Mn 47.5%, Mno2 4% d. 硫化マンガン (MnSO4) 90% e. 塩化マンガン (MnCl2) 90% f. 合成炭酸マンガン (MnCO3) 90% g. 過マンガン酸カリウム (KMnO4) 90% h. 酸化マンガン (Mn3O4) 90% i. 合成二酸化マンガン (MnO2) 98% j. スポンジマンガン ( 還元マンガン ) Mn 49%, MnO2 4% 鉛及び亜鉛 亜鉛精鉱 - 52% Zn. 鉛精鉱 - 57% Pb. - 金属 金属酸化物 / 水酸化物 a. Bullion 90% Pb b. PbO 98% c. Pb(OH)2 98% d. PbO2 98% e. Bullion 90% Zn f. ZnO 98% g. ZnO2 98% h. Zn(OH)2 98% i. Metal Au 99% ポート 金属資源レポート 3 (482)
4 表 2. 輸出税が課税される鉱産物の輸出税率レポートインドネシア鉱物資源高付加価値化政策の動向鉱物選鉱製品製精錬製品最低製品基準 金 - 貴金属 Metal Au 99% 銀 - 貴金属 Metal Ag 99% クロム - 金属及び合金 a. Metal Cr 99% b. 合金 60% Cr. (3) の財務大臣令では エネルギー 鉱物資源大臣令 2014 年第 1 号によって時限的な輸出が認められた精鉱類への課税が定められ その税率が規定された 最初の期間となる2014 年 1 月からは20%( 銅精鉱のみ 明細 銅精鉱含有率 15% Cu 鉄精鉱 ( 赤鉄鉱 磁鉄鉱 黄鉄鉱 ) 含有率 62% Te 鉄精鉱 ( 針鉄鉱 ラテライト ) 含有率 51%Fe 及び (Al2O3+SiO2) 10% マンガン精鉱含有率 49% Mn 1/12 ~ 6/30 ( 出所 : エネルギー 鉱物資源省 ) 25%) 以後 6か月又は1 年ごとに10% 又は5% 引き上げられ 最終期間の2016 年 7 月以降は税率 60% となる 個別の税率は表 2のとおり 輸出税率 (%) /1 ~ 12/31 1/1 ~ 6/30 7/1 ~ 12/31 1/1 ~ 6/30 7/1 ~ 12/31 25% 25% 35% 40% 50% 60% 20% 20% 30% 40% 50% 60% 20% 20% 30% 40% 50% 60% 20% 20% 30% 40% 50% 60% 鉛精鉱 含有率 57% Pb 20% 20% 30% 40% 50% 60% 亜鉛精鉱含有率 52% Zn 20% 20% 30% 40% 50% 60% イルメナイト精鉱 Fe 含有率 58%( 砂状 ) Fe 含有率 56%( パレット状 ) チタン精鉱 Fe 含有率 58%( 砂状 ) Fe 含有率 56%( パレット状 ) 20% 20% 30% 40% 50% 60% 20% 20% 30% 40% 50% 60% ( 出所 : エネルギー 鉱物資源省 ) (4) の商業大臣令は エネルギー 鉱物資源大臣令 2014 年第 1 号によって2014 年 1 月 12 日以後も 輸出可能となる鉱産物に関し 具体的な輸出手続きが規定されている 主な規定内容は次のとおり 1) 輸出事業者の認定 当該鉱産物の輸出事業者は 商業大臣から認定を取得することが求められる 上記の認定申請には 以下の書類の提出が必要 鉱業生産許可 特別鉱業生産許可又は工業事業許可のコピー 納税者番号のコピー 会社登記証のコピー 関連の省庁からの推薦状 : 鉱業生産許可 特別鉱業生産許可の所有者はエネルギー 鉱物資源大臣から 工業事業許可の所有者は工 業大臣から取得 輸出事業者の認定は3 年間有効 2) 鉱産物の輸出承認 検査 鉱産物の輸出時に 商業大臣の指定機関による検査を実施 一部の鉱産物の輸出には 商業大臣からの事前承認が必要 同承認申請には以下の書類の添付が求められる 生産活動許可又は加工 精錬専門生産活動許可のコピー 納税者番号のコピー 会社登記証のコピー エネルギー 鉱物資源大臣からの推薦状 鉱産物の輸出承認の有効期間は6か月 4 (483) 金属資源レポート
5 インドネシア鉱物資源高付加価値化政策の動向2. 高付加価値化政策施行までの動向本項では 新鉱業法成立までの状況や 高付加価値 化政策施行までの動きを振り返り インドネシア政府の鉱業政策の問題点やその対策を詳らかにする 2.1 新鉱業法成立の背景 旧鉱業法下の鉱業政策と体制転換スハルト (Haji Muhammad Soeharto) 政権下で制定された旧鉱業法 (1967 年 ) は 世界的に資源ナショナリズムの機運が高まっていた中で COW(Contract of Work: 鉱業事業契約 ) 制度に見られるように外資導入に積極的な政策として国際社会から評価された反面 手続きが煩雑で 恣意性が強く 透明性 環境保護規定への配慮や国家の経済発展に寄与する視点が欠如しているという問題が残されていた 3 また 後に制定された地方自治法 (1999 年 ) や森林法 ( 同年 ) と矛盾が生じることとなり 特に1998 年 5 月のスハルト体制崩壊以後は経済 政治の混迷も影響してこれら問題が表層化 鉱業投資も停滞した さらに 民主化と経済成長への道を歩む中で汚職の是正や富の再分配を求める動きも高まりつつある中 2004 年に発足したユドヨノ政権下で 政府は憲法第 3 条 33 節に規定される インドネシアの土 水 自然資源は国家が管理し 国民の幸福のために利用しなければならない という理念に基づき 鉱業法の近代化に取り掛かるのである 4 このように鉱業の振興による 国家利益の最大化 国民福祉の向上 を目指した鉱業法改正であったが 2005 年の法案上程後 3 年 7か月の議論を経て成立した時には 国益至上主義で具体性にやや欠ける法律となっていた この間 中国の需要急増や投機資金流入により金属価格は高騰 ( 図 1) し これに呼応す 5 る形で資源採掘 輸出量が拡大した インドネシアもこの恩恵を享受したが 乱掘による環境汚染と過去に例を見ない規模での資源流出 外資企業の莫大な利益計上は 経済危機からの回復を切望する同国にとって看過できない状況であり かねてより既存法に対し 外資優遇 との批判があった中で 資源ナショナリズムの潮流が激しくなった 6 こうした状況での議論では 既存 COWの取扱い 高付加価値化義務 鉱業権付与プロセスとその付与権限やロイヤルティ等と争点が多岐にわたり 7 多くの利害関係者間 ( 議会 中央政府 地方政府 外国投資家 環境 NGO 大学関係者等) の調整に時間を要することとなる また 2009 年には総選挙及び大統領選挙を控えており 政治的な思惑も議論を難化させる要因となった その結果として 国の経済発展に寄与するための鉱業という理念が先行し 実現性を含めた重要な議論が政省令という形で法律制定後に持ち越される このことは政省令制定の遅延をもたらし 業界も対応に苦慮することになる レポート図 1. 主要非鉄金属価格推移 (2003 年 5 月を1とした時の指数 ) ( 出所 :LMEを基にJOGMEC 作成 ) 3 千原宏典 井田龍二 (2013) インドネシアの鉱業と鉱業政策の行方, p.43 ほか, 一般社団法人日本メタル経済研究所. 4 ユドヨノ氏は ワヒド政権下 ( ) でエネルギー 鉱物資源大臣を務めていた この時から改正の必要性を強く感じていたと推察される 5 後述するが 地方政府による鉱業ライセンスの乱発もこれを助長したと推察される 6 鉱業法改正の議論が進む間にも 外資企業に対する現地住民の反対活動も起きた 7 当時の報道によると 法案の審議項目は 414 に上った (JOGMEC ニュース フラッシュ 2007 年 2 号 ) 金属資源レポート 5 (484)
6 レポート ユドヨノ政権の経済政策 2004年に同国史上初の大統領直接選挙によって選 出されたユドヨノ政権の発足によって インドネシ アはスハルト体制崩壊後の混乱を収束 政治体制の 安定化に成功した 一方で 非権威主義体制下での 経済成長は 汚職 外国援助の削減 財政難による インフラ整備の遅れ等によりかつての 東アジアの 奇跡 のポジションに戻れずにいた また輸出構造 も ス ハ ル ト 体 制 下 で は 工 業 製 品 の 割 合 が5 59 と上昇し 従来の産油国型から新興国工業型 への転換が果たされたように見えたが 2000年代に 入ると工業製品の輸出割合は2010年には1991年の水 準である41 に減少 一次産品の輸出が再び増加し 再び資源輸出国に逆戻りすることになった8 こうした中 ユドヨノ大統領は2011年5月 経済 開発迅速化 拡大マスタープラン MP3EI という 長期発展計画を発表した これは 2025年までに名 インドネシア 鉱物資源高付加価値化政策の動向 目GDPを2010年の6倍超にし GDP規模世界トップ 10入り 世界の主要な食糧サプライヤーであり 農 業 水産業 天然資源の加工センターであり そし てグローバル ロジスティックのセンター9 となる 目標が示された野心的な計画である 図2 MP3EI では8つの主要なプログラム 農業 鉱業 エネル ギー 工業 海運 観光業 通信の発展と 戦略的 地域の発展 に焦点を当てている さらにこれらプ ログラムは MP3EIの中でも重要な6つの回廊 スマ トラ ジャワ カリマンタン スラウェシ バリヌサ テンガラ パプア-マルク のもつ潜在的 戦 略的価値に基づいて計画された 22の主要な経済活 動によって構成されている この22の経済活動の一 つとして 鉱業においてはニッケル スラウェシ及 びパプア-北マルク 銅 パプア-マルク ボーキ サイト カリマンタン の開発も明確に示されてい る 図2. MP3EIの概要 出所 MP3EI資料を基に筆者作成 経済回廊地図及び写真はMETI 新鉱業法の成立 このように 新鉱業法は国の大きな構造転換が進 む中で成立したもので 特に第二期ユドヨノ政権で は 競争力のある経済発展と天然資源の活用 が政府 の最優先課題と位置付けられていた 資源輸出国と いうポジションからの脱却 下流産業の振興が叫ば れる中 高付加価値化政策は鉱業法審議の過程で大 きな反対が見られず 自明のこととして詳細の検討 は行われなかった また鉱区設定 鉱業事業許可 既存COWの取扱いといった意見の対立が生じた他 の点に議論が集中したこともあり 現実的なグラン ドデザインがないまま鉱業法施行後5年以内の実施 が法律にて定められることとなったのである 2.2 新鉱業法に係る政省令の公布 2009年1月12日に施行された新鉱業法において 関 連政令及び大臣令は1年以内に制定し それまでの間 は旧政令及び大臣令を矛盾しない範囲で適用するとさ 佐藤百合 2011 経済大国インドネシア 21世紀の成長条件, p.118, 中央公論新社. MASTERPLAN - ACCELERATION AND EXPANSION OF INDONESIA ECONOMIC 金属資源レポート DEVELOPMENT
7 レポートインドネシア鉱物資源高付加価値化政策の動向れた 政令については予定していた4つ全てが2010 年中に公布されたが これも詳細については下位のエネルギー 鉱物資源大臣令に委任する内容であった 大臣令は公布の時期がまちまちとなり 特に高付加価値 化 ( 初出 2012 年 2 月 ) と資本委譲 (2013 年 ) 鉱業許可競売 ( 同年 ) については大幅に遅延した 図 3に主要関連政省令を示す 改正があったものについては最新の公布年号のみ記している 図 3. 新鉱業法に係る主な政省令 ( 出所 :JOGMEC 作成 ) 2.3 鉱物資源高付加価値化と輸出規制を巡る動き 鉱物資源高付加価値化に係るエネルギー 鉱物資源大臣令の制定 (2012 年 2 月 ) 鉱業事業活動に関する政令 2010 年第 23 号では KP( 既存鉱業権 ) からIUP( 新鉱業権 ) へ移行する鉱業権者に対しても高付加価値化を義務付けたところ 政府は2012 年 2 月 エネルギー 鉱物資源大臣令 2012 年第 7 号で以て高付加価値化の具体的な内容を初めて正式に示した 同大臣令では 2014 年 1 月以降に高付加価値化が義務付けられる対象鉱物 鉱物の最低製精錬処理基準 違反者の罰則が規定された 対象鉱物は銅 金 銀 錫 鉛 亜鉛 クロム モリブデン 白金族金属 ボーキサイト 鉄鉱石 ニッケル コバルト マンガン チタン アンチモン及びこれらの副産物で 地金または中間製品までの高付加価値化が求められた ( この時点では精鉱の輸出は認められていない ) 石炭については精製 改質技術が未確立である等の理由によりこの時点で高付加価値化の対象外となることが決定した 本大臣令公布後 政府は国内鉱山事業に対し 3 10 か月以内に高付加価値化実施に係る計画書の提出を指示した この時 ジェロ ワチック (Jero Wacik) エネルギー 鉱物資源大臣はメディアに対し この期限内に提出しない場合には輸出許可が取り消される可能性がある と述べた この発言を巡っては 当該大臣令内における矛盾 即ち COW 保有者は 2014 年 1 月までに高付加価値化の実施が求められる (24 条 ) と IUP 保有者は大臣令発効後 3か月以内に鉱石を国外販売することが禁じられる (21 条 ) との記載と併せて業界に混乱をもたらし 2012 年 5 月から鉱石輸出が停止されるのではないかとの懸念が市場に広がった これに対し 後にワチック大臣は企業が提出した計画の内容によっては調整の余地を与えるとし 全ての企業に対し鉱石輸出停止措置を取るわけではないと説明した 輸出規制の導入と関連政省令の改定及び制定 (2012 年 5 月 ) 疑惑の 3か月 という期限直前の5 月 4 日 エネルギー 鉱物資源省は 鉱物資源輸出に対し 今後公布する商業大臣令にて輸出規制を実施することを発表した その後 5 月 7 日付で公布された商業大臣令 2012 年第 29 号では 以下のとおり主要鉱物 65 品目 ( うち金属鉱物は21 品目 ) の輸出に関して以下のような条件が定められた 鉱産物登録輸出業者として商業省による認定取得が求められる 認定企業は 3か月毎に見直される割り当て量に基づき輸出が許可される 認定には事前にエネルギー鉱物資源省による推薦状が必要 推薦状発行の条件として IUP のClean & Clear 認証 ( CnC, IUPの適法性に関す 10 この高付加価値化実施には 自らによる製錬所の建設に加え製錬所建設への支援 即ち他社が計画する製錬所への鉱石供給も含まれる 金属資源レポート 7 (486)
8 インドネシア鉱物資源高付加価値化政策の動向レポートる認証のこと 後述 ) 国内における製精錬設備建設又は同建設協力計画 エンドユーザーとの鉱業品売買契約 新鉱業法各規定の遵守に関する同意書 (Integrity Pact) などの書類が求められるさらに 16 日には財務大臣令 2012 年第 6 号が公布され 輸出規制の対象となる鉱物には20% の輸出税が課されることが明らかになった また 高付加価値化を規定した先のエネルギー 鉱物資源大臣令 2012 年第 7 号も これら大臣令と矛盾のないよう 2012 年第 11 号として改正された 政府は この突発的な輸出規制導入の目的を 新鉱業法施行以後の鉱物資源の輸出が急激に増大したことにより資源の乱掘や環境への影響を防止すること としている 確かに2012 年の鉱石輸出量は 図 4 及び5のとおり ( 鉱業法施行前である )2008 年比ニッケルは357% 増 ボーキサイトは同 76% 増と大きく増加した この増加は 2014 年の鉱石輸出禁止を見越したものとされるが そもそもこのような急増を許したのは鉱業ライセンスを乱発した地方政府に因るところが大きい 図 4. インドネシアのニッケル鉱石輸出量推移 ( ) ( 出所 :2000~2005 年はエネルギー 鉱物資源省 2006 年以降はGTA) 図 5. インドネシアのボーキサイト鉱石輸出量推移 ( ) ( 出所 :2000~2005 年はエネルギー 鉱物資源省 2006 年以降はGTA) 8 (487) 金属資源レポート
9 インドネシア鉱物資源高付加価値化政策の動向スハルトの中央集権体制崩壊以後 reformasi( レフォルマシ : 改革 ) の名のもとに進められた民主化プロセスの中で 中央集権体制の脱却 即ち地方分権化への道に邁進することとなり 年 地方自治法の一環として地方政府に鉱業ライセンス付与権限が移譲された ( 旧鉱業法では中央政府に当該権限が与えられ 移行や国内資本委譲等 新鉱業法において規定された内容の具体的な施策について政府から次々と方針が示された年であった 新鉱業法施行の2009 年から3 年が経過し 山積した課題に危機感を抱いてのこととも捉えられるが これらについても未だ決着を見ていないのが現状である ており 新鉱業法においてこの矛盾が解消される ) 加えて 中央 地方財政均衡法 ( 同年 ) によって 中央政府によって人口比に基づき分配されていた資源歳入は その80% が地元に還元される 12 ことが定められた しかし この権限移譲は 地方政府の管理能力の欠如あるいは怠惰と伴って鉱区の重複や鉱業ライセンスの乱発を招いた 矛盾を解消した新鉱業法の施行や中国の需要増大がこれに拍車をかけ 2011 年頃にはIUP 保有者数が10,000 件超に及んだため 政府はIUP 保有者に鉱区の重複等無しに適正に発行されたことを証明できる資料の提出を求め Clean & Clear(CnC) という認証システムを導入することで事態収拾を図っていた 輸出規制にあたり 政府は登録輸出業者認定の条件にこのCnC 認証取得と製精錬所建設計画を組み込むことで 膨大な数の鉱区重複及びIUP 保有者の存在 大量の資源流出 進まない企業の高付加価値化への対応といった状況の打開を試みたのであるが 拙速な対応は却って混乱を深めた 条件付きで未加工鉱物の輸出継続が可能となったものの 輸出企業認定の手続きに時間がかかり 実質 1か月程度輸出が停滞し インドネシア商工会議所 (KADIN) によればこの間の損失額は1 兆 IDR( ルピア )( 約 1 億 US$) に達した 企業からは 300 件近くの製精錬設備建設又は同建設協力計画が提出されたが 大部分は輸出許可を得ることを目的とした計画であり これらの実現性を評価する手間が生じた また ニッケル中小鉱山団体のインドネシア ニッケル協会 (Indonesia Nickel Association :ANI) 及び地 2.4 高付加価値化の実現性を巡る議論鉱物資源の高付加価値化を総論的に反対する者は皆無である しかし 実際には必ずしもその方向に邁進していた訳ではなく 2012 年 2 月以降の高付加価値化基準の発表 輸出規制の導入がなされる以前は 国営 PT Antamや中国企業との合弁による20 件弱の計画が提出されるのみで またその進捗も遅々としたものであった 加えて インドネシアの政策は これまで多くの変更 追加などが成されてきた経緯から 高付加価値化政策についても 製錬事業の採算性やインフラ未整備といった課題があることから 何らかの緩和策が採られるという楽観的な見方があった こうした中で エネルギー 鉱物資源大臣令 2012 年第 7 号において厳格な製精錬義務とその計画書提出が課されて以降 業界団体や企業は上記の問題に加えタイムスケジュールの観点から期限どおりの高付加価値化は困難と認識しながらも いよいよその実現可能性について本格的に検討 議論を始めることになる インドネシア鉱業協会 (Indonesia Mining Association: IMA) を中心とした業界関係者は 度重なる会合を通じ 製精錬所建設計画の実現性について独自の検討に取り掛かった IMAは外資系も含む大手鉱山事業者を中心とした業界団体組織であるが 他方で利害分野がやや異なる国内の中小鉱山事業者を中心としたインドネシア鉱物経営者協会 (APEMINDO) や インドネシア ニッケル協会 (Indonesia Nickel Association :ANI) 方 自 治 政 府 協 会 (Association of Municipality などの業界団体もロビー活動を始めるに至った Governments:APKASI) は 輸出規制の根拠とされるエネルギー鉱物資源大臣令 2012 年 7 号及びその改正令 11 号について 同年 4 月に最高裁に違法の訴えを起こし 2012 年 9 月 最高裁はこれを認める判決を下した 政府はこの結果を受け 2 回目の改正となる同大臣令 2013 年第 20 号 (2013 年 7 月 ) で規定の変更を行うこととなった さらに 折悪しく2013 年に入り米国金融緩和縮小観測や中国景気減速によって新興国からの資金流出が起こり 政策の変更を余儀なくされる インドネシアはIDR 安や株価下落 貿易収支の赤字化に陥り 政府は経常収支の改善を目的に緊急政策パッケージの実施を発表し 鉱石の輸出についても割当制度を撤廃したため 結局この輸出規制は完全な解決策とはならなかった 2012 年は この他にも外資企業のCOWからIUPへの IMAは 2012 年 8 月 ~11 月にかけて 政府が進める鉱物資源高付加価値化政策の鉱業に与えるインパクトやその実現性を鉱物毎に関係者全体で集中的に議論するFocused Group Discussion(FGD) を開催した これは 国内経済に最大の利益をもたらす施策を探り 加えて鉱山業界に対し鉱物資源高付加価値化政策への対応策などを示すことを目的とし 前述の新設業界団体も含め 政 官 民の主だったステークホルダーが参加した また 個別の会合終了に伴い開催された総括会合では 1 第三者 ( バンドン工科大学 ) による国内鉱物資源高付加価値化義務の経済 技術的実現可能性に係る研究 ( FS) 結果が示された ( 参考として表 3に掲載 ) ほか 一連のセミナーを通じ2 同国政府関係者の口から資金調達や経済性という現実的な問題の存在についての言 レ11 松井和久編 (2003) インドネシアの地方分権化 分権化をめぐる中央 地方のダイナミクスとリアリティー, p.6, IDE-JETRO. 12 石油 ガスは地元への還元率は15% と30% と抑えられた ポート 金属資源レポート 9 (488)
10 インドネシア鉱物資源高付加価値化政策の動向レポート表 3. LAPI-ITB( バンドン工科大学 ) による経済性評価結果 NPV ( 百万 US$) IRR (%) Pay Back Period( 年 ) スポンジ鉄 銑鉄 フェロニッケル ニッケル地金 SGA 銅地金 negative 鉛 亜鉛地金 negative 本会合では 製精錬所建設には巨額の投資が必要である一方 鉱物毎に経済性が大きく異なり個別の検討が必要なこと また 製精錬所建設には少なくとも4 ~5 年の期間は必要であり 2014 年 1 月の実施期限までに充分な時間がないこと 電力供給等のインフラ未整備の問題などが改めて指摘されることとなった 具体的には ニッケル ボーキサイト 砂鉄等は複数の建設プロジェクトが進行していることもあり 2014 年中にある程度の実現可能性は有るものとも考えられるが 銅 亜鉛等に関しては そもそも経済性に大きな問題があり 少なくとも2014 年 1 月までの実現は不可能なことは明らかとされた こうした結果を踏まえ 業界関係者は 政府に対し鉱物毎の政策の検討や 実施期限の2017 年までの延長 製精錬所建設に対する税軽減策の導入 インフラ整備の支援などを要求していく動きとなった 写真 1. IMA 主催 FGDの総括会合 Downstreaming Miningセミナーの様子 (2012 年 11 月開催 ) ( 出所 : 筆者撮影 ) 及が見られた 一方 総括会合においてエネルギー 鉱物資源省タムリン シヒテ (Thamrin Sihite) 総局長の直前の出席キャンセルや FS 結果を踏まえての政令改定を求める意見に対しては応じないなど 政府の対応には不明瞭な点が残った 上述のような業界からの指摘 要求を踏まえつつ エネルギー 鉱物資源省を始めとする政府は企業から提出された製精錬所建設計画について ワーキング チームを設置し 個々の計画に係る実現性の評価作業に着手した この評価作業は2013 年 11 月に完了し 各 計画は事業の進捗段階別に区分され 進捗度が高い28 件に関しては更に詳細評価がなされた 結果 15 件 ( 表 4) が最も実現性が高いものとされたものの これら15 件についても2014 年 1 月までの完成は殆ど見込めないものであった No. 企業場所鉱種生産物 1 PT Antam 2 PT Indonesia Chemical Alumina 3 PT Bintang Delapan Enrgy 4 PT Stargate Pasific Resources 5 PT Meratus Jaya Iron Steel 6 PT Sebuku Iron Lateritic Ore(PT Siro) 表 4. 実現可能性の高い建設計画 ( エネルギー 鉱物資源省資料より ) 北マルク Halmahera 西カリマンタン Sanggau 中部スラウェシ Morowali 南東スラウェシ Konawe Utara 南カリマンタン Batu Licin 南カリマンタン Kotabaru 生産規模 (/ 年 ) 投資額 (US$) ニッケル FeNi 6.8 万 t 10 億 ボーキサイト CGA 80 万 t 4.5 億 ニッケル FeNi 35 万 t 2.82 億 ニッケル NPI 5 万 t 18 億 鉄銑鉄 31.5 万 t 1.1 億 鉄 スポンジ銑鉄 270 万 t: Phase 億 10 (489) 金属資源レポート
11 インドネシア鉱物資源高付加価値化政策の動向No. 企業場所鉱種生産物 生産規模 (/ 年 ) 投資額 (US$) 7 PT Indoferro バンテン Cilegon 鉄銑鉄 50 万 t 億 8 PT Harita Prima Abadi Mineral 南カリマンタン Tahan Laut ボーキサイト CGA 200 万 t 22.8 億 9 PT Putra Mekongga Sejahtera 南東スラウェシ Kolaka ニッケル スポンジ FeNi 6t/ 日 炉 10 炉 : Phase 億 10 PT Indosmelt 南スラウェシ Maros 銅銅カソード 12 万 t 7 億 11 PT Sumber Suyadaya Prima 西ジャワ Sukabumi 砂鉄鉄ペレット 50 万 t 2 億 12 Shandon Nanshan Aluminium リアウ諸島 Bintan ボーキサイトアルミニウムインゴット 53 万 t 50 億 13 PT Vale Indonesia 南スラウェシ Sorowako ニッケル ニッケルマット 4.5 万 t 15 億 14 PT Vale Indonesia 南東スラウェシ Bahudopi ニッケル酸化ニッケル 3.6 万 t 5 億 15 PT Weda Bay Nickel 北マルク Weda ニッケル 水酸化ニッケル 6 万 t N/A 2.5 高付加価値化政策の緩和に向けた動き (3) 環境マネジメントの遵守 このような状況が表面化してくる中で 政府には次 ( その他 輸出税を賦課する案など ) 第に焦りが見られるようになる ユドヨノ大統領は 2013 年 2 月 13 日付けで関係各省庁及び地方政府に対し この他 2014 年 1 月 12 日以降の鉱石輸出継続を実現 鉱物資源高付加価値化促進に関する大統領指示 (2013 するためには 法改正が必須との認識がある中 実際 年第 3 号 ) を発令した それぞれの職務 権限に応じ の法改正は時間的に困難なことから インドネシア法 同政策を促進するための調整と同調 サービスの向上 制特有の緊急時等に発動する 法律に代わる特別政令 と許可手続の迅速化などを行うことにより国内での鉱 (Perpu) を制定し 暫定的に対処する案も浮上した 物資源高付加価値化を促進することが目的とされた 2013 年 10 月 KADIN は 2014 年 1 月以降も例外的に鉱 例えばエネルギー 鉱物資源大臣には加工製錬事業へ 石輸出を認めるための具体的な提案を政府及び国会に のエネルギー供給の促進や関係法令の評価 工業大臣 行うため この問題を検討するタスクフォースを結成 には鉱物資源を基盤とした産業のロードマップの策 した このタスクフォースからは 製錬所建設が実現 定 また経済担当調整大臣には高付加価値化促進に係 していない現状を指摘し 建設に着手している企業に る各機関の権限に関する調整といった中心的な役割を 対しては建設完了までの期間 インセンティブとして 果たすことが求められた 6 か月以内の施策実施とそ 条件付きにより引き続き鉱石輸出許可を与えるといっ の報告が求められていたが この結果が明らかになる た案も出された その他 IMA からは 法律改正によ ことはなかった 2013 年 4 月には エネルギー 鉱物資 らず 関連政令及び大臣令を改正することにより 鉱 源省の複数幹部による条件付きの鉱石輸出継続措置の 物毎の最低輸出処理基準等の内容を現実的な基準にす 言及についてしばしば報道され もっぱら高付加価値 ることは可能である との指摘や 経済 金融アナリ 化政策の緩和に議論が費やされることとなるのである ストからは 資源国インドネシアの鉱業政策として高 2014 年 1 月の政策施行まで残り 2 か月を切った 2013 年 付加価値化政策は経済的に重要な手段の一つのである 11 月 エネルギー 鉱物資源省の示した案では 以下 が 準備不足な中での実行は 同国の当面のマクロ経 のような条件をクリアする企業に対し 2014 年 1 月以 済に少なからず悪影響を及ぼすことに加え 現在進行 降も鉱石輸出を認める方針を固めた 中の製錬所建設プロジェクトのファイナンスにも影響 を与える可能性がある との指摘など 様々な議論が 鉱石輸出条件案 巻き起こった (1) 製精錬所建設のコミットメント (2) 製精錬所建設資金の一定金額について コミッ 2.6 最終方針の決定 トメントボンドとして指定国内金融機関への担 2013 年 12 月 5 日 エネルギー 鉱物資源大臣は イ 保差入れ ンドネシア国会第 7 委員会 ( エネルギー鉱物資源 技術 レポート 金属資源レポート 11 (490)
12 ポートインドネシア鉱物資源高付加価値化政策の動向員会 ( 大統領諮問機関 ) 委員長が新たに経済調整大臣に就任した レ環境等担当 ) 会合において 前項で示したような内容を含む鉱石輸出禁止緩和措置に関する提案を行った ところが 同委員会で完全に拒否され 新鉱業法 (2009 年法第 4 号 ) の規定どおり 例外なく完全実施するよう求められた 更に 両者間で鉱石輸出禁止緩和措置のための同法改正や法律に代わる特別政令 (Perpu) の制定も行わない方針で合意を余儀なくされ 同委員会に押し切られる格好となった 同会合では 直前になってからの提案では遅すぎる といった意見や 元々 国会は法律施行から7 年間の猶予期間を提案していたが 政府側の方針で5 年間となった経緯があり 緩和策は受け入れられない などの指摘がなされた また 鉱石輸出禁止により予想される国家収入減や鉱山労働者の失業に関し それらの結果は受け入れざるを得ないものとの認識を示し それ故 鉱山企業は製錬所建設を早めるべきであるとも指摘された エネルギー 鉱物資源大臣は この結果を受け 施行は間近に迫っており 混乱は避けられないものの 2014 年中に10 件が さらに2~3 年の後には28 件の製錬所が稼働する予定であり 混乱は長期化する問題ではないとの考えを示し また 鉱山企業からは国内裁判所や国際仲裁機関への提訴が予想されることから それに備える方針であることも示した 以前から 政府より鉱石輸出禁止を緩和する方向が示された場面では その度に同委員会委員から法律改正無しに2014 年 1 月以降の鉱石輸出はできない等の牽制がなされてきたが 結局 政府はこの壁を崩すまでには至らなかった 施行期限まで1か月を切る中 その後も政府内では幾度となくエネルギー 鉱物資源大臣のほか工業大臣 経済調整大臣 財務大臣 商業大臣などの関係閣僚による検討が行われ 法改正を実施せずに法に違反すること無く 製錬所建設を進める企業に対しては2014 年 1 月以降も鉱石輸出を継続可能とするための方策を模索し続けたが 最終的には ユドヨノ大統領の政治的決断によるものとなった そして ついに施行期限の前日となる2014 年 1 月 11 日 関係閣僚を招集し ユドヨノ大統領はその方針を決定するに至った 大統領が国会に巻き返しを図るのではといった期待もあったが 結果的に 中間生産品となる一部鉱物の精鉱の輸出は 課税を条件に可能となったものの 未処理鉱石の輸出は例外なく禁止されることとなった 3. 鉱物資源高付加価値化政策施行後の動向鉱物資源高付加価値化政策施行に伴う鉱石輸出停止 により 直接の打撃を受けたのが鉱山事業者であり 特に主要輸出鉱石であったニッケル ボーキサイトは例外無しに一切の鉱石輸出が禁止されたため 採掘事業者への影響は深刻となった その中には ニッケル 鉱石が売上総額の1/3を占める国営 PT Antamも含まれる 一方 3 年間の期間限定で中間製品となる精鉱の輸出が認められた銅などは 当面輸出の途は開かれたものの 輸出税が高率であったため 輸出は事実上非常に困難なものとなり 銅企業はその緩和を訴えることとなる 本項では 政策施行後の関係者の動向を纏める 2014 年 1 月以降の政策関連の主な動きは以下のとおり 高付加価値化政策施行後の主な動き ( 政策関連 ): 1 月 :インドネシア鉱物経営者協会(APEMINDO) ら 憲法裁判所に司法審査請求 2 月 :インドネシア商工会議所(KADIN) 輸出税率の見直しを要請 4 月 :エネルギー 資源大臣令 加工 精錬済みの鉱物の国外販売の実行についての推薦状の付与の方法及び条件 公布 (4 月 17 日付 ) 5 月 :ハイルル タンジュン(Chairul Tanjung) 新経済担 13 当調整大臣就任 (5 月 19 日 ) 7 月 :財務大臣第 3 改正令 輸出税賦課対象輸出品及び輸出税率の決定 公布 (7 月 25 日付 ) 翌日 PT Freeport Indonesiaは銅精鉱の輸出許可を取得 8 月 7 日輸出再開 9 月 :PT NNT 19 日に銅精鉱の輸出許可を取得 29 日輸出再開 / ワチックエネルギー 鉱物資源大臣 汚職及び恐喝容疑で摘発 10 月 :20 日 ジョコ ウィドド (Joko Widodo) 新政権発足 12 月 : 憲法裁判所 APEMINDOの司法審査請求を棄却 3.1 鉱山業界の動き KADIN 高率な輸出税に懸念表明 KADINは 精鉱などの一部の中間鉱産物に課される20~60% 輸出税が極めて高率であるため 多大な鉱山企業の経営圧迫 多数の鉱山労働者解雇を招くとし 強い反対を表明した 中間鉱産物への輸出税課税は基本的に無税とすべきとしながらも 仮に課税する場合でも鉱物毎に各業界の利益幅に基づいて税率を決定すべきとした ( 例えば鉄鉱石の場合 税率 5% など ) 中間鉱産物の輸出は認められたものの 現在の極めて高率となる税制下では鉱山の減産 休止が余儀なくされ これにより約 10 万人の鉱山失業者が 鉱石輸出が禁止された鉱物も含めた鉱山業界全体では40~60 万人の鉱山失業者が発生すると警告した 中小鉱山事業者 憲法裁判所への司法審査請求 鉱石輸出禁止後 APEMINDO 他 地元鉱山企業数社は 鉱石輸出禁止措置に対し憲法裁判所に司法 13 ハッタ ラジャサ (Hatta Rajasa) 経済調整大臣が 7 月 9 日の大統領選挙に向け副大統領候補となり辞任したため 5 月 19 日にタンジュン国家経済委 12 (491) 金属資源レポート
13 インドネシア鉱物資源高付加価値化政策の動向レ審査請求を行った 同請求の趣旨は 今回の措置は ニッケルは鉱石の品位調整により同 18.1% 減 金は インドネシア憲法 (1945 年 ) の規定 天然資源は国民品位低下により同 5.4% 減となり 売上高は前年同に最大限の利益を享受できるように活用されなけれ比 34% 減の5 兆 8,124 億 IDRとなった 2014 年 Q1~3(1 21 当初 銅回収後の電解スライムも輸出が認められない方針であったが 銅精鉱と同じく2017 年までの輸出が許可された ばならない に違反しており 特に鉱物資源の高付加価値化に関連する2009 年新鉱業法の第 102 条 第 103 条の規定では 鉱石禁輸は規定されておらず 今回政府の取った措置はその範囲を超えているとの主張に基づくものとなっている 2013 年末に国会と輸出緩和策案が決裂した時点で エネルギー 鉱物資源大臣が懸念していた業界からの司法提訴の動きがすぐさま現実化したものとなった さらにAPEMINDOは 当該政策が加盟企業約 680 社に与える影響に懸念を示し 引き続き猶予措置を求めた 一部の企業は製精錬所の建設を進めていたが 猶予期間もなく禁輸措置が打ち出されたことを問題視し 輸出禁止を前にした昨年 12 月頃から従業員を解雇する企業も増えているとも指摘 本政策が続く限り 鉱業界はさらに窮地に追い込まれるとの懸念を示した しかし 12 月 3 日 憲法裁判所は鉱石輸出停止に係る違法審査請求を棄却し 政府はこれを以て未加工鉱石輸出に係る議論は終結したとの見方を示している ~9 月 ) 決算は 当期損益が前年同期 4,849 億 IDRの黒字から5,639 億 IDRの赤字に転落した 他方 同社は数年前から鉱物資源高付加価値化政策の実施に備えTayan 以外にも複数の製精錬所建設を進めてきた 北マルク州東 Halmaheraでのフェロニッケルプロジェクト (Haltim FeNi) は2014 年 9 月現 17 在 6% の進捗率 Pomalaaフェロニッケル製錬所の拡張プロジェクト (P3FP) は 2014 年 8 月現在 68% の進捗率で 10 月 2 日には輸送設備等の稼働開始を明らかにした 18 完了した際には 生産能力は18,000 ~19,000t/ 年から27,000~30,000t/ 年に増強される しかし 西カリマンタン州 Mempawahスメルターグレードアルミナプロジェクト (SGA Mempawah) は 2013 年 8 月からパートナーを探しているが Antam 関係者によると 2015 年 1 月初旬現在 その目途はたっていない 19 その他にもスポンジ鉄やニッケル銑鉄 ( NPI) またPT Freeportとの銅製錬所建設の計画が一時報じられたものの 上記のような財務状況では困難を極めることが推測される なお 同社は対処策として 2014 年 5 月に国営 Eximbankから100 百万 US$ のクレジットファシリティ契約を取りつけ 国営 PT Antam 赤字転落 新規プラント建設の資金調達難化 国営 PT Antamは 2013 年末までは政府案で示されていた鉱石輸出緩和条件を満たすものとして2014 た旨発表した また 9 月にはこれらプロジェクト推進のため2015 年に1.5 兆 IDRの投資を行うとし 3 割を自己資金 7 割を外部から調達する方針であることを同社幹部が明らかにしている 20 年 1 月以降も鉱石輸出が認められる見通しであった ため楽観的であった しかし 主力のニッケル鉱石の輸出が完全不可へ急転したことにより苦境に陥ることとなった 同社は国営企業という性質上 政府の方針に従わざるを得ない ニッケル鉱石は全量自家消費に切り替え フェロニッケル及び金の増産 またランプアップ段階のTayanケミカルグレードアルミナ (CGA Tayan) 工場におけるアルミナ生産によってその減収分を補うとした しかし 売上の36% を占めていた 3.2 銅精鉱の輸出再開を巡る動き 外資大手銅鉱山の動向 インドネシアにおいて銅鉱山といえば 米 Freeport McMoRan(FCX 社 ) 子会社 PT Freeport Indonesia(PT FI) によるパプア州 Grasberg 鉱山と米 Newmont Mining 及び日系企業連合ヌサ テンガラ マイニングのJVである PT Newmont Nusa Tenggara(PT NNT) によるBatu Hijau 鉱山に代表される 二社とも 精鉱の一部は国内唯一のGresik 銅製錬所 (PT Smelting: 三菱マテリアル 14 ニッケル鉱石の影響は甚大との判断から 2014 年 60.5% 三菱商事 9.36% JX 日鉱日石金属 5.0% PT 3 月 Moody s 及びS&Pは早々に同社の格付けをそれぞれBa3からB2 B+からB-へ2 段階引き下げた 15 結果として Q1~3(1~9 月期 ) の生産実績は ボ 16 ーキサイトが同 19.7% 増 石炭が同 57.1% 増を見たものの ニッケル鉱石生産は同 87.7% 減 フェロ Freeport Indonesia 25% による操業 生産能力 30 万 t/ 年 ) 21 に供給しているが 約半量は銅精鉱として輸出している 両社は施行前から政府に対し見直しを訴えたりメディアにおいて高付加価値化完全施行時のインパクトを明らかにしたりといった行動をとってきた 施行後 年実績 同社のその他の製品別売上シェアは 金銀その他貴金属精錬 44% フェロニッケル18% ボーキサイト2% 15 なお Moody s はその後同社の格付けから撤退する旨を明らかにした (2014 年 10 月 27 日 ) 16 子会社 PT Indonesia Coal Resourceの生産による 17 現地報道 Rambu Energy, 2014 年 9 月 24 日 18 PT Antam 2014 年 Q3 生産レポート 19 現地報道 Okezone.com, 2014 年 1 月 6 日 一時中国企業と合意の途上にあったが 2014 年 8 月に決裂した 20 現地報道 Berita Satu.com, 2014 年 9 月 10 日 ポート 金属資源レポート 13 (492)
14 ポートインドネシア鉱物資源高付加価値化政策の動向25 ロイター 2014 年 12 月 23 日レも高率な輸出税率に反発し 既存 COW の改定や製錬 所建設計画の具体化と併せて政府と交渉に臨んだ 結果 輸出推薦状発出要件に係る細則 に係るエネルギー 鉱物資源大臣令 2014 年第 11 号 (4 月 17 日公布 ) 輸出税賦課対象輸出品及び輸出税率の決定 に係る改正財務大臣令 2014 年第 11 号 (7 月 25 日公布 ) において製錬所進捗計画に応じた輸出税率軽減が定められた しかし その後も政府からの輸出許可の取得にあたっての個別交渉が続き 二社はそれぞれ駆け引きに奔走した また 精鉱輸出許可は6か月毎に更新する仕組みとなっており 更新の条件は製錬所建設計画が60% まで進捗していることと定められている 以下 二社の対応について纏める Freeport McMoRan(PT Freeport Indonesia) PT FIは エネルギー 鉱物資源大臣令 2012 年第 7 号において輸出可能な最低製精錬基準が銅 99.9% と定められて以降 政府の高付加価値化政策を支援する姿勢を見せながら 2014 年以降の銅精鉱輸出継続を模索し始めた 2012 年 4 月 これまで拒否し続けていた政府とのCOW 再交渉に応じる姿勢を示した 22 他 2013 年 8 月には現地企業 PT Indosmelt 及びPT Indovasi Mineral Indonesiaと銅精鉱の供給に関する MOUを締結した 23 さらに10 月 PT Petrokimia Gresik 社 PT Semen Indonesia Tbk (SMGR) 社 及び国営電力会社 PT PLN と共同で銅製錬所のFSを実施中であることを明らかにした この共同 FSは東ジャワ州 Gresikで2か所 パプア州で1か所の計 3か所を対象にしていたが 結局これらはプロジェクトとして実現しなかった 結果的に製精錬基準が15% に引き下げられ 精鉱は輸出可能となったものの 25% の輸出税ではコストに見合わず 2014 年 1 月以降 鉱石生産量を6 割カットすることを余儀なくされた 政府は製錬所建設の進捗に応じて輸出税率を軽減する姿勢を見せたものの 条件や関係閣僚の調整に難航した PT FIは事態を打開するため 2014 年 4 月 国営 Antamと共同で銅製錬所の建設を表明し さらに米 FCX 社 CEOが自ら訪尼しインドネシア政府と交渉を進め 同年 7 月 25 日に改正財務大臣令に基づいた精鉱輸出税および製錬所建設保証金の支払い等を内容とした覚書を同政府と締結し これにより翌 26 日に輸出許可を取得 8 月 7 日に輸出を再開した 改正大臣令では 問題となっていた輸出税率を当初 7.5% とし 製錬所建設の進捗に応じ 進捗率 7.5% を超えた場合 5.0% 進捗率 30% 超で0% とされた 覚書にはこれに加えて 建設保証金として投資額 23 億 US$ の5% に相当する1 億 1,500 万 US$ を指定金融機関に預け入れることにも合意したとしている また 別途懸案となっていた鉱業事業契約 (COW) の再交渉内容となるロイヤルティの引き上げ ( 銅 3.75% 4.00% 金 1.00% 3.50%) 外資持分の引き下げ ( 新たに21% のローカル資本化 ) 鉱区縮小に関し 政府側の要求を受け入れることとし 以後 6か月以内に新たな鉱業事業契約を締結することで合意した 交渉期限は2015 年 1 月 26 日であるが 1 月初旬現在もCOW 再交渉中の模様である 製錬所建設計画については 2015 年 1 月現在 東ジャワ州での建設を目指し調整中と報道されている 24 なお 当初精鉱処理能力 160 万 t/ 年 ( 銅カソード40 万 t) としていたが 2021 年にはGrasberg 鉱山の生産量が増大するため200 万 t/ 年 ( 銅カソード50 万 t) へ引上げることを政府に対し要望している また 同社は1 月 7 日 ロジク スチプト (Rozik Soetjipto) 社長の定年に伴い後任としてマルフ シャムスディン (Maroef Sjamsoeddin) 氏を指名したことを発表した Sjamsoeddin 氏は元インドネシア空軍副元帥 国家情報庁 (BIN) の前副長官であり ユドヨノ政権下で国防副大臣を務めたシャフリ シャムスディン ( Sjafrie Sjamsoeddin) 氏の弟にあたる人物 PT Newmont Nusa Tenggara PT NNTは2014 年 1 月以降 政府と輸出再開の交渉を続ける一方 Batu Hijau 鉱山の銅精鉱の生産を継続し 精鉱をストックしてきた 交渉が難航する中 精鉱ストックヤードの容量が限界となったため 6 月 3 日に生産活動を停止し 約 8,000 千人の従業員の一部を一時帰休させるに至った 7 月には 鉱石輸出禁止措置は現状のCOW 違反だとし 国際投資紛争解決センター (ICSID) に提訴した 同社は 同時に政府との協議による解決を求めたが 政府は提訴の取り下げがなされてから交渉が再開されるべきと対立姿勢を強めたため 8 月 26 日に提訴を取り下げた 同社と政府は9 月 4 日にCOW 改定等に係るMOU を締結し 250 百万 US$ の建設保証金の預入 製錬所建設計画の進捗に基づいた輸出税の支払いについて合意した これにより19 日に輸出許可を取得 29 日に輸出再開に至った 2014 年 12 月時点の報道によると 同社はFCX 社と共同で2020 年までに投資規模 15 億 US$ 精鉱処理能力 160 万 t/ 年の製錬所を建設する可能性がある 25 本件は政府がPT FIに対し上述東ジャワの計画とは別に要請した製錬所計画にあたるものとされているが PT NNTとPT FIはコメントしていない PT 22 新鉱業法では COWはIUPへの移行が定められ また2003 年の政令税外収入規則によってロイヤルティ引き上げが求められていた一方 COWは 期限まで有効とされる矛盾があった また IUP 移行によって条件が不利になるために 外資は反発していた 年 8 月 13 日付同社ウェブサイト 24 現地報道 SINDOnews.com 2015 年 1 月 6 日 14 (493) 金属資源レポート
15 インドネシア鉱物資源高付加価値化政策の動向NNTも輸出許可の更新を3 月 19 日に控え 政府と調整を継続しているところである 3.3 世界へのインパクト本項では 鉱物資源高付加価値化政策の施行において懸念されていたマクロ経済の実績と 施行から現在までの状態および国際市場 ( ニッケル ) へのインパクトについて纏める 現時点で高付加価値化政策による直接的な影響をマクロデータから明確に読み取ることは難しい 貿易収支の悪化にはやや影響したであろうが むしろ天然ゴム パーム油 石炭価格の下落がより大きな要因と考えられる とはいえ 2012 年 5 月の輸出規制がマクロ経済環境の悪化により緩和されたことや 銅精鉱輸出に係る協議が一時停滞を見た時 タンジュン経済担当調整大臣が 鉱物輸出規制による輸出の低迷が経済成長率を鈍化させている と発言しPT FI PT NNTとの協議を早々に設けたことを鑑みれば 経済の動向によっては必要に応じ鉱業政策に変更が加わる可能性があることを示している また 中央銀行のマルトワルド ヨ ( Martowardojo) 総裁は 最大のリスクは経常赤字の拡大と指摘し 原油輸入の増加と鉱石輸出の制限が 貿易収支改善のための中銀の取り組みを妨げているとの懸念を示しており 一定の影響があることを認めている マクロ経済 (GDP 成長率, 貿易収支 ) インドネシア経済は 他の新興国と同様に中国の経済成長鈍化や米国の量的緩和策の縮小といった世界経済の影響を受け 2012 年から悪化傾向にある 米国量的緩和策の縮小観測が強まり通貨安 株安 債券安のトリプル安が進行した2013 年にはさらに加速した 2014 年に入っても実質 GDP 成長率は低迷し Q3は5 年ぶり低水準の5.01% を記録し 政府目標の 5.5~6% には届かなかった ( 図 6) ルピア安傾向も継続している ( 図 7) また 2014 年 Q1~3の貿易収支は15.9 億 US$ の赤字となり ( 図 8) 商業省によれば 2014 年の輸出額は 世界経済の減速や天然ゴムやパーム油など輸出商品価格の下落が原因で 目標の 1,843 億 US$ を下回る1,780 億 US$ となる見通し レポート図 6. インドネシアの実質 GDP 成長率 (2011 年第 1 四半期 ~2014 年第 3 四半期 ) ( 出所 :BPSデータを基に作成) 図 7. 為替推移 (IDR/USD)(2011 年 1 月 ~2014 年 12 月 ) ( 出所 : インドネシア中央銀行データを基に作成 ) 金属資源レポート 15 (494)
16 図 8. インドネシア貿易収支推移 (2011 年第 1 四半期 2014 年第 3 四半期 ) ( 出所 : 中央銀行データを基に作成 ) 市場への影響 26 出を停止したことが明らかとなり 徐々に中長期的ニッケル価格は 世界経済成長の鈍化による需要な供給リスクとして認識され始めた これに加えて 減退 / 新規プロジェクトからの供給量増加による供ウクライナ情勢を巡る対露制裁懸念 (2 月末以降 ) 給過剰で 2011 年を直近のピークに下落基調が続いニューカレドニア VNCプロジェクトでの供給障ていた インドネシアの高付加価値化政策は潜在的害懸念 (5 月初旬 ) といった主要生産国からの供給不なリスクとしてしばしば言及されながらも 市場は安が次々に浮上したことで価格は急騰 わずか4かインドネシア国内での議論の行方を静観するという月の間に50~60% の上昇を見 一時 2 年 3か月ぶりの状況であった したがって 価格にはさほど反映さ高値を記録した ( 図 9) その後は落ち着きを取り戻しれず 2013 年 6 月以降は13,000~15,000US$/tという4 9 月まで18,000~20,000US$/tで推移した その間 年ぶりの低水準を軟調に推移していた 実際に完全インドネシアの代替鉱石供給源となったフィリピン施行となった際にも 直後はやや値を上げたものの で未加工鉱石禁輸を盛り込んだ鉱業法改正案が提出 1 月末には再び下落した されたことで一時急騰する場面が見られたものの しかし 関係業界から施行に対し反発の声が上が Q4(10~12 月 ) は経済指標悪化とドル高の影響を受りながらも 政府は未加工鉱石の輸出停止についてけ15,000US$/t 前後を軟調に推移した は一貫して継続する姿勢を見せ また統計からも輸 22,000 21,000 20,000 LME ニッケル在庫 LME ニッケル価格 ,200US$/t 2 年 3 か月ぶり高値 フィリピン未加工鉱石禁輸法案提出 価格 (US$/t) 19,000 18,000 17,000 16, ニューカレト ニア供給障害 イント ネシア鉱石輸出停止 在庫 ( 千 t) 15,000 14,000 13,000 12, ,160US$/t 4 年 2 か月ぶり安値 2 月末 ~ 2 ウクライナ情勢緊迫化 2013/1/2 2013/2/2 2013/3/2 2013/4/2 2013/5/2 2013/6/2 2013/7/2 2013/8/2 2013/9/2 2013/10/2 2013/11/2 2013/12/2 2014/1/2 2014/2/2 2014/3/2 2014/4/2 2014/5/2 2014/6/2 2014/7/2 2014/8/2 2014/9/2 2014/10/2 2014/11/2 2014/12/ 図 9. ニッケル価格と在庫の推移 (2013 年 1 月 2014 年 12 月 ) ( 出所 :LMEデータを基に作成) 26 最も顕著に高付加価値化の影響が表れるのはニッケルとして ここではニッケル価格についてのみ言及する 16 (495)
17 インドネシア鉱物資源高付加価値化政策の動向一時期の急上昇は 実需を超えた過剰な反応だったという見方が大勢である しかし 市場から3 割の鉱石が消えたということは事実であり しかもこのインドネシア鉱石の最大需要国である中国は 世界のニッケル需要の半分を占める ニッケル市場においては中国の動向がますます注目される 各国の対応 ( 日本 中国 米国 ロシア OECD) インドネシア新鉱業法における高付加価値化政策は 資源国が常に切望する 資源をドライビングフォースとした経済発展 の実現策として鉱業界の注目を集めていた そして勿論 インドネシアに投資する国 インドネシアから鉱物資源を輸入する国 ニッケル 銅 アルミニウム産出国等は特に動向を注視し ロビー活動を積極的に行っていた 本項では関係国 組織の高付加価値化施行前後の対応を纏める 1 日本日本は戦前からインドネシアのニッケル資産に投資していた他 技術協力や人材育成に取り組んできた 新鉱業法が施行された2009 年以降 関連企業及び政府はそれぞれ製錬事業の採算性や日本の資源輸入の状況を繰り返し訴え これまでの関係を考慮した対応を求めた 2011 年 5 月には 官民合同ミッションを派遣し 関係各省と面談を行った そこでは 政府の高付加価値化政策に賛同の意を示しながらも 製錬事業は鉱山事業に比べマージンが低く ( インドネシアの現状においては ) 採算性が合わないことを説明した上で ベストミックスオプション を提案した これは 鉱石全量を一律輸出禁止とはせず 国内の製錬供給能力が追い付かないうちは その余剰鉱石を輸出することとし 製錬事業と鉱石輸出を組み合わせて鉱業による経済発展を追求するというものである その後も 政府高官やエネルギー 鉱物資源省 経済担当調整大臣との面談や日尼経済フォーラムといった場を通して何度も理解を求めたが 写真 2. 日尼首脳会談 ( 出所 : 外務省 / 提供 : 内閣情報室 ) 期待する対応は得られずにいた そして 遂に鉱石輸出が停止された2014 年 1 月以降は 日本のフェロニッケル生産企業 3 社はインドネシア以外の日本に比較的近いニッケル酸化鉱生産国 即ちフィリピンとニューカレドニアからの輸入量を増加させることで原料を確保しつつ 宮川日本鉱業協会長によるMETIへのWTO 規則に基づく紛争解決の申し入れ (4 月 ) や岸田外務大臣とウィドド次期大統領 ( 当時 ) との面談 (8 月 ) を通して現状の打開を試みている また 11 月の北京 APECにおける日尼首脳会談でも 安倍首相はウィドド大統領に 新鉱業法を含む経済上の懸案は互恵関係全体を踏まえ解決していきたい 旨伝達した 2 中国中国は 2000 年代初め以降の自国の需要増大に伴い 特にニッケル鉱石とボーキサイトについてはインドネシアからの輸入に依存していたが 鉱業政策自体には表だって見直しを訴えることはしていない 2013 年秋に習近平主席がインドネシアに訪問した際には ニッケル アルミニウム 鉄に関する9 件の製錬所建設計画について合意するなど むしろインドネシアへの積極的な進出を図っている APECでも 製錬所関係を含む12 事業 億 US$ の投資に合意したとされる ウィドド大統領は港湾 発電所 製錬所への更なる投資を求めたと報道されている 3 米国米国は Freeport McMoRanとNewmontが二大銅鉱山を操業していることから 大使館や商工会議所等を通して積極的なロビー活動を行ってきた 銅精鉱の輸出が施行直前になって許可されたのも 製錬所建設計画がニッケル アルミニウムに比べて少なかったことやGDPへの影響が大きいことの他 米国のロビー活動も大きかったと見られている 4ロシアインドネシア Hidayat 前工業大臣が2014 年 3 月にメディアに語ったところによると Rusalや Norilskはインドネシア当局に 輸出禁止政策が投資のための条件として提示 し ニッケル鉱石とボーキサイトの輸出を止めれば数十億 US$ 単位の投資を行うとの強いメッセージを発していた Rusal CEOのオレグ デリパスカ (Oleg Deripaska) 氏は2013 年 6か月間に3 回ジャカルタを訪問していたという なお Rusalは2 月に30 億 US$ の西カリマンタンのアルミナ製錬所に係るMOUを締結している また この他マントゥロフ (Denis Manturov) 商業貿易大臣は同国企業によるアルミナ製錬所 フェロニッケル製錬所建設計画 ( 計 15 億 US$) について言及している インドネシア政 レポート27 アダロ エナジーとシェンファ エナジー 15 億 US$ で東カリマンタンに 300MW 発電所 2 基等 金属資源レポート 17 (496)
18 レポート 府は 他国の働きかけによる影響を否定している が ロシアからのロビー活動があったことは認め ている しかし Norilskは2013年時点で海外事業の撤退 を明言しており 既にボツワナや豪州のニッケル 鉱山の売却を済ませ 国内製錬所の近代化に注力 している したがって もしインドネシア政府に 対する働きかけを行っていたとしても 実際に投 資をする意思があったかは不明である ⑤OECD 2014年11月にパリで開催されたOECD主催の原 材料貿易会議では 原材料の輸出規制がどのよう な影響をもたらすか また効果的な代替策はある かをテーマに議論された 輸出規制は誰も利する ことはなく摩擦とコストが発生する との見解が成 され 透明性と対話の必要性が訴えられたが イ ンドネシアはこの席には急遽欠席したとのこと インドネシア 鉱物資源高付加価値化政策の動向 4. 同政策の今後の行方 インドネシアでは2014年10月 10年ぶりの政権交代 が行われた 新政権となってからも 鉱業政策に転換 の萌芽は見られず 副大統領と鉱物 石炭総局長は鉱 石輸出停止の継続を明言 新エネルギー鉱物資源大臣 も政策を維持する方針としている また 12月3日に は憲法裁判所が鉱石輸出停止に係る違法審査請求を棄 却し 当該政策の正当性が 少なくとも国内では 認め られることとなった 他方 政府は7月に30のニッケ ル製錬所建設計画を含む資料を公表したが その後 進捗に関する前向きなニュースは入ってきていない 最後に 注視すべきものとして新政権における高付 加価値化政策の位置づけ インドネシア経済の行方 製錬所建設計画の動向を纏める 4.1 新政権にとっての高付加価値化政策 ユドヨノ政権では 非権威主義体制下での経済発展 を目指し 2004年の就任から一年以内で鉱業法改正案 ジョコ ウィドド大統領 通称 ジョコウィ ユスフ カラ副大統領 を国会に上程し 時間を要しかつやや現実味に欠けた とはいえ新鉱業法を施行 さらに2期目には ア 国民 福祉の向上 イ 民主主義の確立 ウ 正義の実践を今 後の五カ年計画の核とし 特に 競争力のある経済発 展と天然資源の活用及び人的資源の向上を政府の最優 先課題と位置付 28 け MP3EIのような鉱業の積極的 な活用を推進してきた また 急進的に進められた地 方分権による鉱区重複 IUP乱発の整理といった政策の 修正もあり この10年間の鉱業政策はインドネシアの 構造転換後の安定を図り試行錯誤されてきたものと言 える ジョコウィ 新政権においても 高付加価値化は勿 論目指すべき方向であることは間違いなく 後戻りす る も の で は な い ス デ ィ ル マ ン サ イ ド Sudirman Said 新エネルギー 鉱物資源大臣も 未加工鉱物輸 出禁止措置は 加工産業の強化に取り組む政府にとり 必要なもの との見方を示している 他方 現政権の目 下の関心は どちらかといえば石油 ガス法の改正29 と汚職のイメージ払拭にあり 鉱物資源政策そのもの の優先順位は現状高いものとは言えない ユドヨノ政 権の大きな功績の一つともいえるKPK 汚職撲滅委員 会 による汚職摘発は 鉱業においても不透明な契約 管理や軍事関係者による不正な税 ロイヤルティ滞納 と い っ た 問 題 に 立 ち 向 か っ た が 政 権 末 期 でSKK Migas長官の収賄容疑 ワチック大臣の汚職 恐喝容 疑も明らかにした 特にウィドド大統領はクリーンな 政治家として国民の支持を得たためにイメージ悪化は 求心力低下をもたらすものとして 閣僚の選定には何 よりも潔白であることが優先された人物本位の登用と 推測されている 写真3 インドネシアでは 植民地支配 スハルト体制崩壊 後の揺り戻しによって経済ナショナリズムに傾きがち な国会の力が強く 更に現在の国会は野党連合が多数 派をしめているため 鉱石禁輸解除について政府が検 討したとしても 前提条件となる鉱業法の改正には難 航が予想される さらに ユスフ カラ Jusuf Kalla スディルマン サイド エネルギー 鉱物資源大臣 写真3. ジョコ ウィドド新政権の顔ぶれ 鉱物資源関連 ソフヤン ジャリル 経済担当調整大臣 出所 Wikipedia 28 外務省ウェブサイト 29 新政権下の石油 ガス分野の動向については高橋衛 インドネシア新政権の石油ガス部門動向 b01_takahashi_id.pdf 2014年11月JOGMEC石油 天然ガスブリーフィング資料を参照されたい 金属資源レポート
19 インドネシア鉱物資源高付加価値化政策の動向副大統領は 第 1 期ユドヨノ政権でも副大統領を務め まさにこの高付加価値化政策を推進してきた 当事者 であり 政策継続を明言している 現在の政府としては 山積する課題の対応の一つであるスムーズな許認可取得を促すためのワンストップサービスの整備に注力している模様である 投資調整庁 ( BKPM) のフランキー シバラニ (Franky Sibarani) 長官によると 電力プラント許認可発行を含む電力分野の許認可プロセスは 2015 年初めにエネルギー鉱物資源省からBKPMに移管され 2015 年 6 月にも 探査 開発事業及び製錬設備の建設に必要な鉱物及び石炭分野に関する許認可を取扱う予定であるという 4.2 マクロ経済の動向 2014 年 3 月 財務省は 高付加価値化政策に伴う鉱石輸出停止による2014 年の歳入の逸失額が最大 20 兆 IDR( 約 17.1 億 US$ 2013 年歳入の1.2% 30 ) になると試算し その内訳は税収と税外収入で合わせて4~6 兆 IDR ロイヤルティで14 兆 IDRになると見込んだ 一方 2015 年以降は付加価値の付いた加工品の出荷が増えるため この額は縮小すると予測している 当時の経済担当調整大臣も同様の見方を示しており 以降 製錬所が多数稼動する2017 年からは禁輸政策による逸失額がなくなるとの見解を示しているが 一方で 歳入の回復には時間がかかるとの見方もある また 世界銀行は 今回の鉱石輸出禁止が同国経済に悪影響を及ぼし すでに減速感のある投資家心理をさらに悪化させるリスクを抱えていると指摘している 世界銀行の国別四半期レポート (2014 年 3 月発表 ) では 2014 年から 17 年までの期間において 鉱石輸出禁止措置が貿易収支を約 125 億 US$ 押し下げ またロイヤルティ 輸出税 法人税等の国家歳入も約 65 億 US$ の減収になると見積り 2014 年においては貿易収支を55~65 億 US$ 下押しすると予測している 同銀行インドネシア担当エコノミストは この政策により 長期にわたり収益を期待することは極めて不確実となり 加えて 同様の政策が成功した例はこれまで無いことも指摘している インドネシアの経済成長率は2014 年 Q3に世界金融危機以来最低水準の5.01% を記録した 同国の雇用維 31 持には6% 成長が必須という前提を置けば 現状から早急に脱する必要があり ウィドド大統領は雇用創出と貧困削減のため7% の成長率を目標に掲げている 他方で 2014 年 12 月 政府は歳出削減のため財政を大きく圧迫しているガソリン補助金を撤廃 また2015 年 1 月から燃料価格に変動制が導入された 補助金予算が当初予定の276 兆 IDRから81 兆 IDRへ大幅に削減された この削減分がインフラ関連予算に回されたことで インフラ予算は1.5 倍の290 兆 IDRとなった 世界銀行のレポート (2014 年 5 月発表 ) 32 は インドネシア政府による過去 10 年間のインフラ関連支出は対 GDP 比 4% 未満で これはインフラ整備に必要な額の半分であり この投資額の低さによって1% の成長を失ったとしている 2015 年の大規模な予算増は 政府の経済対策の推進力となることが期待される 33 加えて 折しも記録的な安値となっている原油価格もこの勢いを後押しするであろう IHSは 原油価格下落はアジア地域の GDPの伸びを0.25~0.5% 押し上げると予想し フィッチはインドネシアの2015 年 GDP 伸び率は14 年の推定 5.1% から5.5% に加速する可能性があるとしている 4.3 製精錬所建設計画の進捗 2014 年 5 月にエネルギー 鉱物資源省が発表した資料によると 現在 IUP 保有者による製精錬所計画は 178あり そのうち進捗率 81~100%( 試運転または生産段階に至っているもの ) は25か所 さらにそのうちニッケル製錬所は9か所である それ以降 政府から公式の進捗の報告はない 8 月にスキヤール (R.Sukhyar) 34 鉱物 石炭総局長が報道に語ったところによると 現在 FSを完了した64の製錬所建設計画があり これらへの投資額は49 億 US$ に達しており 2017 年には 180 億 US$ になる見込み と述べた この64の計画のうち ニッケル製錬所は30か所という 進捗率 81~100% に達している9プロジェクトの1つであるTsingshan Holding( 青山集団 Dingxin Group( 鼎信集団 ) 傘下 ) とインドネシアPT Bintang DelapanのJV であるPT Sulawesi Mining Investmentによるニッケル銑鉄プロジェクトは 2015 年 4 月に操業を開始する見込みである 年 8 月に第 1フェーズ (NPI 年産能力 30 万 t) の無負荷試験操業を完了しており その際には1 月に操業開始としていた 安泰科の資料によると 中国企業によるインドネシアのNPIプラント建設計画は21か所で 年産能力は第 1フェーズだけで262.8 万 tとされる しかし そのうち 9 件はまだ具体的な生産能力が不明 あるいは資金調達中の模様である また 銅についても 精鉱輸出が認められるのは 2017 年までであり PT FIやPT NNTには前述のとおり製錬所建設が求められている レポート30 IMF 統計による 31 佐藤百合 (2011) 経済大国インドネシア 21 世紀の成長条件, p.18, 中央公論新社. 32 Indonesia: Avoiding The Trap, The World Bank Office Jakarta, May さらにその後の報道によると 国家開発庁が取り纏めるインフラ開発に係る5か年計画では 5,500 兆 IDRが投じられる見通し 34 同氏は 新政権後も留任 35 現地報道 Rambu Energy, 2015 年 1 月 10 日 金属資源レポート 19 (498)
20 ポートインドネシア鉱物資源高付加価値化政策の動向このアンケートの鉱業政策指標 (Policy Perception Index) において 96か国中最下位と評価された レ4.4 インドネシアの鉱業政策に対する評価 Fraser Instituteによる投資環境調査アンケート (2014 年 3 月 ) トニー ウェナス (Tony Wenas) インドネシア鉱業協会副会長は 2014 年 5 月 21~22 日に上海で開催されたChina Nickel Conferenceの講演において インドネシアは法的確実性の担保のため作業しているところであり 6か月以内には新政権が発足し 政策も安定するのでFraser Instituteの投資環境調査の96 36 位という結果を恐れる必要はない 新鉱業法下では 外資 / 内資の区別はない 資源が豊富な我が国にぜひ投資してほしい と述べた しかし 最新 2013 年版の調査結果 (2014 年 3 月発行 ) では更にランクを落とし 鉱業政策指標では112か国中 104 位であった ( 同国より下位はジンバブエ アンゴラ アルゼンチンの一部の州 フィリピン ベネズエラ キルギス ) また 現行政策とベスト プラクティス上での資源ポテンシャルを比較すると ベスト プラクティスの場合は87.3% が投資要因 ( うち (c) 投資促進要因 1 3 %( d) 投資抑止要因ではない20.4%) となると回答した一方 現行政策の場合では30.4%( うち (c) 58.2 %( d)2 9.1%) と半分にも満たなかった いかに現行政策が鉱業投資意欲をそいでいるかがよく読み取れる アナリストの評価 (2014 年 8 月 ) 一方 当初は世銀や投資銀行アナリストから批判を受けていた当該政策に対する評価が徐々に上向いているとする報道が見られる 例えば S&Pアナリストは政府の ( 緩和を認めない ) ハードなスタンス が鉱山企業に製錬所への投資を再考させたとし 雇用 税およびロイヤルティによる収入への影響は政府の想定範囲内としている モルガン スタンレーのアナリストは 政府による鉱物禁輸は成功しているか? という問いに対し Yes と回答し 禁輸の狙いどおり 中国企業は既に下流分野のプラント建設にコミットしている と述べている 彼らの 成功 とは何を指しているのであろうか ( 彼らが願う ) ニッケル価格の引き上げという意味であれば Yes かも知れない しかし この評価が重機等の関連産業への影響 地方経済への打撃 そして製精錬所の経済性をどれだけ考慮しているかは分からず インドネシアの下流産業育成と雇用創出に繋がっているかといえば まだ判断ができない段階であろう 特に地方においては 鉱業は経済 雇用問題に直結する重要産業でもある 地方経済の問題は 数値 だけでなく同国が長らく課題にしてきた地方分権化や経済格差是正といった政策理念も絡むものであり 地方政治を経験し 庶民派 のジョコウィ次期大統領がこうした状況をどれだけ汲み取る ( 気がある ) か ということも考慮すべきポイントである もともと地域間の経済格差が大きい中 雇用創出を掲げている新政権下で失業問題が顕在化すれば 地方議員 政府も腰をあげざるを得なくなる 全ての製精錬所が鉱山に隣接した地域に建設されるとは限らず また 政府関係者らが主張するように製精錬所計画が順調に進むかは依然として不透明である アチェ パプア 東カリマンタンという独立心の強い地域を抱える中 地方の動向は常に注視すべき要因である 5. まとめインドネシアにとっては 5 年越しの高付加価値化政策 の施行となり 銅精鉱の輸出については関係企業との交渉により条件付き緩和がなされたものの ニッケル ボーキサイト等の未加工鉱石の禁輸については一切の緩和条件なく一貫して継続する姿勢を見せている 施行から1 年が過ぎた現在 中国のNPI 生産は当初予想より減少していないものの 中国のニッケル鉱石在庫の減少などから2015 年には世界市場でのニッケル供給不足が懸念される 価格は一時期の高騰からは一服し 再び低迷しているが 2015 年後半までには最も低い予測で17,000US$/t 高い予測では23,000US$/tに上昇するとされている インドネシアでの製錬所建設計画の進捗と これを積極的に進める中国の景気動向 ( 即ちニッケル需要と製錬所建設資金力 ) がニッケル市場の今後に大きく影響を与えることは間違いない 政府による鉱石禁輸は成功しているか? という質問に対し Yes と答えるのは未だ早計であろう 製錬所が稼働し経済性ある操業が一定期間持続するまでは 政府が目指す下流産業の振興が達成されたとは言えない 莫大な量の有用資源が目の前から取り去っていかれる様子を目の当たりにしてしまえば それを変革したいという考えが想起されることは自然な流れである また 特定鉱種の市場において一定の影響力を有する資源国が経済発展を遂げる時に 資源をドライビングフォースとするために保護主義的な動きをすること自体は正当かつ妥当な手段の一つと思料される このような動きの中 これまで資源産出国 - 資源消費国という関係で長らくwin-winであったとしても このバランスがいつ崩れるか分からない時代が到来していることを我々は認識する必要がある 国家間関係 特に大きな発展を遂げる可能性のある国との間では尚更であ 36 Fraser Institute が世界の鉱山会社 4,100 社を対象とした資源国の投資環境調査アンケート Survey of Mining Companies インドネシアは 2012 年 20 (499) 金属資源レポート
21 インドネシア鉱物資源高付加価値化政策の動向り 常にwin-win 関係の更新が求められる 他方で 上に記したFraser Reportの結果からも明らかなように 政策に度々かつ急な変更が加わることは投資家にとってリスクに他ならない もしインドネシアの高付加価値化政策が上述のような混乱の末に成功したとしても 手放しに喜ぶことは難しい 資源国が国際社会に対し新たなポジションを意識づけたいのであれば 自身が市場に与える影響の大きさを認識し 従来の構造に配慮した上で進めることが重要だからである 国際社会からacceptableであると支持される形でなければ その成長を維持 発展することはできない これはインドネシアに限らず その他のアジア アフリカ諸国にも言えることである 未曽有の金属価格の高騰 中国の資源爆食 米国量的緩和による新興国への資金流入 そしてこれらの終レ焉を経て 鉱業界は新たな局面を迎えつつある このように大きく変動する世界の潮流の中 2015 年中には高付加価値化改革の影響がインドネシアや金属市場で顕在化すると予測される また 本稿では触れなかったが インドネシアでは錫規制の強化や外資の国内資本移譲等 他にも注視すべきトピックがある 今後同国が鉱業政策をどのように進めて行くのか注視していきたい ( ) ポート 金属資源レポート 21 (500)
PowerPoint プレゼンテーション
0 インドネシア最新鉱業事情 - 新鉱業法施行状況他 - 平成 23 年 11 月 25 日 ジャカルタ事務所次長高橋健一 目 次 1 (1) 鉱業概況 (2) 新鉱業法 (3) 関連政令の制定状況 (4) 関連大臣令の制定状況 (5) 鉱物資源高付加価値義務化 (6) その他の懸案事項 課題 (7) まとめ (1) 鉱業概況 埋蔵量 鉱山 製錬所 PT. Indonesia Asahan Aluminium
現代資本主義論
終章世界的金融危機と 薄氷の帝国アメリカ 第 1 節 2008 年秋以降の世界的金融 経済危機と 危うい循環 (1) 世界的金融 経済危機の発生 (a) サブプライム ローンの行き詰まりケース シラー 20 都市住宅価格指数 220 200 180 160 140 120 100 80 2000 01 02 03 04 05 06 07 08 2006 年半ば 住宅価格低下 住宅価格上昇に依存した景気上昇にブレーキ
平成 30 年度第 5 回 JOGMEC 金属資源セミナー 0 インドネシア鉱業のトピックス ( 銅 ニッケル ) 平成 30 年 11 月 21 日 ジャカルタ事務所 南博志
平成 30 年度第 5 回 JOGMEC 金属資源セミナー 0 インドネシア鉱業のトピックス ( 銅 ニッケル ) 平成 30 年 11 月 21 日 ジャカルタ事務所 南博志 目次 1 1.Freeport 問題 ( 銅 ) 2. 青山集団の進出状況 ( ニッケル ) 3. おわりに 1. Freeport 問題 ( 銅 ) 2 Grasberg 鉱山概要 インドネシア最大 世界有数の銅鉱山 所有企業
目 次 1. はじめに 年市況概観 - 2. ニッケル生産フロー - 鉱石が製品になるまで- 3. 鉱石 製品市場動向 - 生産国動向 - 4. 需要について -ステンレス市況と電池の可能性- 5. おわりに 年の注目点とまとめ- 2
平成 29 年度第 10 回 JOGMEC 金属資源セミナー 00 ニッケルの需給動向 2017 年 3 月 10 日 2018 年 2 月 28 日調査部金属資源調査課新井裕実子 目 次 1. はじめに -2017 年市況概観 - 2. ニッケル生産フロー - 鉱石が製品になるまで- 3. 鉱石 製品市場動向 - 生産国動向 - 4. 需要について -ステンレス市況と電池の可能性- 5. おわりに
各資産のリスク 相関の検証 分析に使用した期間 現行のポートフォリオ策定時 :1973 年 ~2003 年 (31 年間 ) 今回 :1973 年 ~2006 年 (34 年間 ) 使用データ 短期資産 : コールレート ( 有担保翌日 ) 年次リターン 国内債券 : NOMURA-BPI 総合指数
5 : 外国株式 外国債券と同様に円ベースの期待リターン = 円のインフレ率 + 円の実質短期金利 + 現地通貨ベースのリスクプレミアム リスクプレミアムは 過去実績で 7% 程度 但し 3% 程度は PER( 株価 1 株あたり利益 ) の上昇 すなわち株価が割高になったことによるもの 将来予想においては PER 上昇が起こらないものと想定し 7%-3%= 4% と設定 直近の外国株式の現地通貨建てのベンチマークリターンと
平成 23 年 3 月期 決算説明資料 平成 23 年 6 月 27 日 Copyright(C)2011SHOWA SYSTEM ENGINEERING Corporation, All Rights Reserved
平成 23 年 3 月期 決算説明資料 平成 23 年 6 月 27 日 目 次 平成 23 年 3 月期決算概要 1 業績概要 4 2 経営成績 5 3 業績推移 6 4 売上高四半期推移 7 5 事業別業績推移 ( ソフトウェア開発事業 ) 8 6 事業別業績推移 ( 入力データ作成事業 ) 9 7 事業別業績推移 ( 受託計算事業 ) 10 8 業種別売上比率 ( 全社 ) 11 9 貸借対照表
2019 年 3 月期決算説明会 2019 年 3 月期連結業績概要 2019 年 5 月 13 日 太陽誘電株式会社経営企画本部長増山津二 TAIYO YUDEN 2017
2019 年 3 月期決算説明会 2019 年 3 月期連結業績概要 2019 年 5 月 13 日 太陽誘電株式会社経営企画本部長増山津二 決算サマリー 2019 年 3 月期業績概要 売上高 2,743 億円 ( 前期比 12% 増 ) 営業利益 352 億円 ( 同 74% 増 ) で増収増益 コンデンサは前期比 19% 増収 すべての用途で売上が増加 特に自動車向けが牽引 売上高と当期純利益は
検査の背景 (1) 事業者免税点制度消費一般に幅広く負担を求めるという消費税の課税の趣旨等の観点からは 消費税の納税義務を免除される事業者 ( 以下 免税事業者 という ) は極力設けないことが望ましいとされている 一方 小規模事業者の事務処理能力等を勘案し 課税期間に係る基準期間 ( 個人事業者で
会計検査院法第 30 条の 2 の規定に基づく報告書 ( 要旨 ) 消費税の課税期間に係る基準期間がない法人の納税義務の 免除について 平成 23 年 10 月 会計検査院 検査の背景 (1) 事業者免税点制度消費一般に幅広く負担を求めるという消費税の課税の趣旨等の観点からは 消費税の納税義務を免除される事業者 ( 以下 免税事業者 という ) は極力設けないことが望ましいとされている 一方 小規模事業者の事務処理能力等を勘案し
おカネはどこから来てどこに行くのか―資金循環統計の読み方― 第4回 表情が変わる保険会社のお金
なるほど金融 おカネはどこから来てどこに行くのか 資金循環統計の読み方 第 4 回 2013 年 11 月 6 日全 6 頁 表情が変わる保険会社のお金 金融調査部主任研究員島津洋隆 前回 日本の年金を通じてどのようにおカネが流れているのかということについて説明しました 今回は 保険会社を巡るおカネの流れについて注目します Q1 保険会社のおカネの流れはどうなっていますか A1 保険会社は加入者から預かった保険料を金融資産として運用する一方で
1. のれんを資産として認識し その後の期間にわたり償却するという要求事項を設けるべきであることに同意するか 同意する場合 次のどの理由で償却を支持するのか (a) 取得日時点で存在しているのれんは 時の経過に応じて消費され 自己創設のれんに置き換わる したがって のれんは 企業を取得するコストの一
ディスカッション ペーパー のれんはなお償却しなくてよいか のれんの会計処理及び開示 に対する意見 平成 26 年 9 月 30 日 日本公認会計士協会 日本公認会計士協会は 企業会計基準委員会 (ASBJ) 欧州財務報告諮問グループ (EFRAG) 及びイタリアの会計基準設定主体 (OIC) のリサーチ グループによるリサーチ活動に敬意を表すとともに ディスカッション ペーパー のれんはなお償却しなくてよいか
1. 鉱業一般概況 1 銅 2014 年 1 月 12 日からの鉱石輸出禁止により インドネシアからの銅鉱石輸出は一時途絶えたが エネルギー鉱物資源大臣規則 2014 年 1 号によって 同日以降も一定の条件を満たせば 鉱石輸出が認められている (2017 年 1 月 12 日まで ) Papua
インドネシア 主要データ 国名 英名 インドネシア共和国 Republic of Indonesia 面積 (km 2 ) 1,904,569 海岸線延長 (km) 54,716 人口 ( 百万人 ) 256.0 人口密度 ( 人 /km 2 ) 134.4 GDP( 十億 US$) 859.00 一人当り GDP(US$) 3,555.55 主要鉱産物 : 鉱石 ボーキサイト 銅 ニッケル 主要鉱産物
【16】ゼロからわかる「世界経済の動き」_1704.indd
1. 世界全体の経済規模は? 2. 主な国 地域の経済規模の動向は? 3. 世界経済の成長は? 4. 世界経済下支えのための金融政策は? 世界全体の経済規模は? 世界の名目 G D P 総額 ( 2 1 6 年末 ) は 約 7 5 兆米ドルで 2 年末時点と比較すると約 2. 2 倍になっています 世界の名目 GDP 規模とシェアの推移 ( 兆米ドル ) 8 7 6 5 約 2.2 倍 約 75
資料1:地球温暖化対策基本法案(環境大臣案の概要)
地球温暖化対策基本法案 ( 環境大臣案の概要 ) 平成 22 年 2 月 環境省において検討途上の案の概要であり 各方面の意見を受け 今後 変更があり得る 1 目的この法律は 気候系に対して危険な人為的干渉を及ぼすこととならない水準において大気中の温室効果ガスの濃度を安定化させ地球温暖化を防止すること及び地球温暖化に適応することが人類共通の課題であり すべての主要国が参加する公平なかつ実効性が確保された地球温暖化の防止のための国際的な枠組みの下に地球温暖化の防止に取り組むことが重要であることにかんがみ
バイオマス比率をめぐる現状 課題と対応の方向性 1 FIT 認定を受けたバイオマス発電設備については 毎の総売電量のうち そのにおける各区分のバイオマス燃料の投入比率 ( バイオマス比率 ) を乗じた分が FIT による売電量となっている 現状 各区分のバイオマス比率については FIT 入札の落札案
既認定案件による国民負担 の抑制に向けた対応 ( バイオマス比率の変更への対応 ) 2018 12 21 日資源エネルギー庁 バイオマス比率をめぐる現状 課題と対応の方向性 1 FIT 認定を受けたバイオマス発電設備については 毎の総売電量のうち そのにおける各区分のバイオマス燃料の投入比率 ( バイオマス比率 ) を乗じた分が FIT による売電量となっている 現状 各区分のバイオマス比率については
改正された事項 ( 平成 23 年 12 月 2 日公布 施行 ) 増税 減税 1. 復興増税 企業関係 法人税額の 10% を 3 年間上乗せ 法人税の臨時増税 復興特別法人税の創設 1 復興特別法人税の内容 a. 納税義務者は? 法人 ( 収益事業を行うなどの人格のない社団等及び法人課税信託の引
復興増税と平成 23 年度税制改正案の一部が成立しました!! 平成 23 年 11 月 30 日に 東日本大震災からの復興施策としての復興増税 ( 法人税及び所得税などの 臨時増税 ) と 平成 23 年度税制改正案のうち一部 ( 法人税率の引き下げや中小法人の軽減税率の引 き下げなど ) が国会で成立し 平成 23 年 12 月 2 日に公布 施行されました 成立している主な改正事項 企業関係個人
また 関係省庁等においては 今般の措置も踏まえ 本スキームを前提とした以下のような制度を構築する予定である - 政府系金融機関による 災害対応型劣後ローン の供給 ( 三次補正 ) 政府系金融機関が 旧債務の負担等により新規融資を受けることが困難な被災中小企業に対して 資本性借入金 の条件に合致した
資本性借入金 の積極活用について( 平成 23 年 11 月 23 日金融庁 ) 2012 年 4 月掲載 金融庁においては 平成 23 年 11 月 22 日 資本性借入金 の積極的な活用を促進することにより 東日本大震災の影響や今般の急激な円高の進行等から資本不足に直面している企業のバランスシートの改善を図り 経営改善につながるよう 今般 金融検査マニュアルの運用の明確化を行うこととしました 詳細は以下のとおりです
仮訳 日本と ASEAN 各国との二国間金融協力について 2013 年 5 月 3 日 ( 於 : インド デリー ) 日本は ASEAN+3 財務大臣 中央銀行総裁プロセスの下 チェンマイ イニシアティブやアジア債券市場育成イニシアティブ等の地域金融協力を推進してきました また 日本は中国や韓国を
日本と ASEAN 各国との二国間金融協力について 2013 年 5 月 3 日 ( 於 : インド デリー ) 日本は ASEAN+3 財務大臣 中央銀行総裁プロセスの下 チェンマイ イニシアティブやアジア債券市場育成イニシアティブ等の地域金融協力を推進してきました また 日本は中国や韓国をはじめとするアジア各国との積極的な政策対話や二国間金融協力を継続的に実施してきました こうした対話の枠組みや二国間金融協力をアジア域内の他の重点国との間にも広げるため
<4D F736F F D F4390B3817A4D42418C6F896390ED97AA8D758B60985E814091E63289F AE8E9197BF E646F63>
特別連載 RIEB ニュースレター No.114 212 年 5 月号 MBA 経営戦略講義録 付属資料 : 第 2 回経営戦略の定義と対象 (Definition of Strategy) 神戸大学経済経営研究所特命教授小島健司 企業価値分析 ( 出所 : 高村健一 経営戦略応用研究期末レポートキリンホールディングス株式会社 29 年 1 月 26 日 2-26 頁 ) キリンホールディングス株式会社およびアサヒビール株式会社の
[ 指針 ] 1. 組織体および組織体集団におけるガバナンス プロセスの改善に向けた評価組織体の機関設計については 株式会社にあっては株主総会の専決事項であり 業務運営組織の決定は 取締役会等の専決事項である また 組織体集団をどのように形成するかも親会社の取締役会等の専決事項である したがって こ
実務指針 6.1 ガバナンス プロセス 平成 29( 2017) 年 5 月公表 [ 根拠とする内部監査基準 ] 第 6 章内部監査の対象範囲第 1 節ガバナンス プロセス 6.1.1 内部監査部門は ガバナンス プロセスの有効性を評価し その改善に貢献しなければならない (1) 内部監査部門は 以下の視点から ガバナンス プロセスの改善に向けた評価をしなければならない 1 組織体として対処すべき課題の把握と共有
日本基準基礎講座 収益
日本基準基礎講座 収益 のモジュールを始めます パート 1 では 収益の定義や収益認識の考え方を中心に解説します パート 2 では ソフトウェア取引および工事契約に係る収益認識について解説します 日本基準上 収益 という用語は特に定義されていませんが 一般に 純利益または非支配持分に帰属する損益を増加させる項目であり 原則として 資産の増加や負債の減少を伴って生じるものと考えられます 収益の例としては
5 仙台市債権管理条例 ( 中間案 ) の内容 (1) 目的 市の債権管理に関する事務処理について必要な事項を定めることにより その管理の適正化を図ることを目的とします 債権が発生してから消滅するまでの一連の事務処理について整理し 債権管理に必要 な事項を定めることにより その適正化を図ることを目的
仙台市債権管理条例 ( 中間案 ) について 1 条例制定の趣旨 債権 とは 仙台市が保有する金銭の給付を目的とする権利のことで 市税や国民健康保険料 使用料 手数料 返還金 貸付金など様々なものを含みます そして 債権が発生してから消滅するまでの一連の事務処理を 債権管理 といい 具体的には 納付通知書の送付や台帳への記録 収納状況の管理 滞納になった場合の督促や催告 滞納処分 強制執行 徴収の緩和措置等の手続きを指します
<4D F736F F D208E9197BF E88E68EE58CA C490BA96BE95B62E444F43>
資料 5 地域主権関連 3 法案の早期成立について ( 案 ) 平成 22 年 7 月 地方分権推進特別委員会 政府が第 174 回通常国会へ提出した地域主権関連 3 法案については 我々 全国知事会をはじめとする地方六団体が再三強く求めてきたにもかかわらず 次期国会での継続審議となったことは誠に残念である 地域住民が自らの判断と責任において地域の諸課題に取り組む真の分権型社会を実現するためには 地方自治に影響を及ぼす重要事項について
個人消費活性化に対する長野県内企業の意識調査
松本 長野 飯田支店 問い合わせ先 松本支店住所 : 松本市中央 2-1-27 TEL:0263-33-2180 URL:http://www.tdb.co.jp/ 現在の個人消費 企業の 55% が 悪い と認識個人消費活性化に必要な条件のトップは 賃金の増加 はじめに 先月リリースした 2017 年の景気見通しに対する長野県内企業の意識調査 では 今年の景気見通しについて 踊り場局面 とする企業が
特定個人情報の取扱いの対応について
特定個人情報の取扱いの対応について 平成 27 年 5 月 19 日平成 28 年 2 月 12 日一部改正 一般財団法人日本情報経済社会推進協会 (JIPDEC) プライバシーマーク推進センター 行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律 ( 以下 番号法 という ) が成立し ( 平成 25 年 5 月 31 日公布 ) 社会保障 税番号制度が導入され 平成 27 年 10
PowerPoint プレゼンテーション
本資料に記載されている見通しは 弊社グローバル債券 通貨運用グループ ( 以下 債券チーム ) の見解です 今週の戦略要旨 日本国債の割高感が高まっていることや 予定されている財政および金融政策関連の会合の存在が 日本国債に対する ( これ以上の金利低下の ) 重しとなると考えられます 弊社では 特に長期ゾーンにおいて日本金利はやや上昇すると見ています 先週発表された豪州のインフレ率は市場予想を大きく下回り
社会的責任に関する円卓会議の役割と協働プロジェクト 1. 役割 本円卓会議の役割は 安全 安心で持続可能な経済社会を実現するために 多様な担い手が様々な課題を 協働の力 で解決するための協働戦略を策定し その実現に向けて行動することにあります この役割を果たすために 現在 以下の担い手の代表等が参加
私たちの社会的責任 宣言 ~ 協働の力 で新しい公共を実現する~ 平成 22 年 5 月 12 日社会的責任に関する円卓会議 社会的責任に関する円卓会議 ( 以下 本円卓会議 という ) は 経済 社会 文化 生活など 様々な分野における多様な担い手が対等 平等に意見交換し 政府だけでは解決できない諸課題を 協働の力 で解決するための道筋を見出していく会議体として 平成 21 年 3 月に設立されました
控訴人は, 控訴人にも上記の退職改定をした上で平成 22 年 3 月分の特別老齢厚生年金を支給すべきであったと主張したが, 被控訴人は, 退職改定の要件として, 被保険者資格を喪失した日から起算して1か月を経過した時点で受給権者であることが必要であるところ, 控訴人は, 同年 月 日に65 歳に達し
平成 25 年 7 月 4 日判決言渡平成 25 年 ( 行コ ) 第 71 号不作為の違法確認請求控 訴事件 主 文 1 本件控訴を棄却する 2 控訴費用は控訴人の負担とする 事実及び理由第 1 控訴の趣旨 1 原判決を取り消す 2 厚生労働大臣が平成 22 年 4 月 15 日付けで控訴人に対してした被保険者期間を411 月, 年金額を179 万 4500 円とする老齢厚生年金支給処分を取り消す
