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4 316 佐々木 図1 健 介 プリオン病の病理変化 A-C 孤発性 CJD 大脳皮質 A 海綿状変化 B 反応性アストロサイトの 増生 C シナプス型プリオン蛋白沈着 病期の進行とともに神経細胞脱落 反応性グリアの増生が顕著となり 基質は粗鬆化する D E GSS 小脳 D アミロイド コア 矢頭 E Kuru 斑型のプリオン蛋白沈着 F PrPresが type 2 の孤発性 CJD 大脳皮質 空胞周囲型プリオン蛋白沈着が 特徴的で type 1 PrPresの場合と病型が異なる G H 変異型 CJD 大脳皮 質 G 花弁状プラーク (florid plaque) H 花弁状プラーク型プリオン蛋 白沈着 空胞周囲型沈着と共存している I 硬膜移植 CJD 大脳皮質 神 経細胞周囲型プリオン蛋白沈着 A D G ヘマトキシリン エオジン染 色 B GFAP 免疫染色 C E F H I PrP 免疫染色

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023 プリオン病 23 プリオン病 概要 1. 概要プリオン病は 正常プリオン蛋白が何らかの理由で伝播性を有する異常プリオン蛋白に変化し 主に中枢神経内に蓄積することにより急速に神経細胞変性をおこす稀な致死性疾患である プリオン病の代表的なタイプである孤発性クロイツフェルト ヤコブ病 (CJD:Creutzfeldt-Jakob disease は1 年間に 100 万人に1 人程度の割合で発症することが知られている

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