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PCT 出願人の手引 - 国内段階 - 国内編 -MY MY 1 頁 マレーシア知的所有権公社 ( 指定官庁又は選択官庁 ) 目 次 国内段階 - 概要 国内段階の手続 附属書手数料 附属書 MY.Ⅰ 国内段階移行手数料 ( 特許様式 No.2A) 附属書 MY.Ⅱ 特許代理人の選任又は変更 ( 特

2.2.2 外国語特許出願の場合 2.4(2) を参照 2.3 第 184 条の 5 第 1 項に規定された書面 (1) 日本語特許出願 外国語特許出願を問わず 国際特許出願の出願人は 国内書面提出期間 ( 注 ) 内に 出願人 発明者 国際出願番号等の事項を記載した書面 ( 以下この部において 国

PCT 出願人の手引 - 国内段階 - 国内編 -SA S A 1 頁 サウジ特許庁 (SPO) ( 指定官庁又は選択官庁 ) 目 次 国内段階 - 概要 国内段階の手続 附属書手数料 附属書 SA.Ⅰ 略語のリスト国内官庁 : サウジ特許庁 (SPO) Law: 特許, 集積回路配置デザイン, 植

指定 ( 又は選択 ) 官庁 PCT 出願人の手引 - 国内段階 - 国内編 - ベトナム国家知的所有権庁 (NOIP) 国内段階に入るための要件の概要 3 頁概要 国内段階に入るための期間 PCT 第 22 条 (3) に基づく期間 : 優先日から 31 箇月 PCT 第 39 条 (1)(b)

出願人のための特許協力条約(PCT) -国際出願と優先権主張-

第5回 特許出願(2) ☆インド特許法の基礎☆

作成日 :2006 年 10 月 1 日 世界知的所有権機関 World Intellectual Property Organization (WIPO) 所在地 :34 chemin des Colombettes, 1211 GENEVE 20, Switzerland Tel : (41 2

特許制度 1. 現行法令について 2001 年 8 月 1 日施行 ( 法律 14/2001 号 ) の2001 年改正特許法が適用されています 2. 特許出願時の必要書類 (1) 願書 (Request) 出願人の名称 発明者の氏名 現地代理人の氏名 優先権主張の場合にはその情報等を記載します 現

指定 ( 又は選択 ) 官庁 CL PCT 出願人の手引 - 国内段階 - 国内編 -CL 国立工業所有権機関 ( チリ ) 国内段階に入るための要件の概要 3 頁概要 CL 国内段階に入るための期間 PCT 第 22 条 (1) に基づく期間 : 優先日から 30 箇月 PCT 第 39 条 (1

第6回 特許出願(3) ☆インド特許法の基礎☆

PCT 出願人の手引 - 国内段階 - 国内編 -RU RU 1 頁 連邦知的所有権行政局 (ROSPATENT)( ロシア連邦 ) ( 指定官庁又は選択官庁 ) 目 次 国内段階 - 概要 国内段階の手続 附属書手数料 附属書 RU.Ⅰ 特許国内処理請求様式 附属書 RU.Ⅱ 実用新案国内処理請求

欧州特許庁における審査期間短縮手段 背景欧州出願は 日本 米国と比較して係属期間が長い また 欧州出願では 登録まで出願維持年金を特許庁に支払う必要があり 係属期間が長くなると費用が高くなる そこで 早期権利化と 権利化にかかる費用の削減のために 欧州特許庁における審査期

Taro-052第6章1節(p ).jtd

1 アルゼンチン産業財産権庁 (INPI) への特許審査ハイウェイ試行プログラム (PPH) 申請に 係る要件及び手続 Ⅰ. 背景 上記組織の代表者は

平成 28 年度特許庁産業財産権制度各国比較調査研究等事業 五大特許庁及びその他主要知財庁における 特許出願から特許査定までの期間の現状と実態 に関する調査報告書 平成 29 年 3 月 一般社団法人日本国際知的財産保護協会 AIPPI JAPAN

旧法第 114 条 ⑴ 第 1 回目の年金の納付は 特許付与の日から起算して遅くとも1 年以内になされなければならない ⑵ その後の年金納付は 当該特許が存続する限り 遅くとも当該特許付与の日又はライセンスの記録の日と同日までになされなければならない ⑶ ⑴にいう年金は出願の最初の年から起算される

指定 ( 又は選択 ) 官庁 PCT 出願人の手引 国内段階 国内編 オーストリア特許庁 国内段階に入るための要件の概要 3 頁概要 国内段階に入るための期間 PCT 第 22 条 (1) に基づく期間 : 優先日から 30 箇月 PCT 第 39 条 (1)(a) に基づく期間 : 優先日から 3

第 32 回 1 級 ( 特許専門業務 ) 実技試験 一般財団法人知的財産研究教育財団知的財産教育協会 ( はじめに ) すべての問題文の条件設定において, 特に断りのない限り, 他に特殊な事情がないものとします また, 各問題の選択枝における条件設定は独立したものと考え, 同一問題内における他の選

間延長をしますので 拒絶査定謄本送達日から 4 月 が審判請求期間となります ( 審判便覧 の 2.(2) ア ) 職権による延長ですので 期間延長請求書等の提出は不要です 2. 補正について 明細書等の補正 ( 特許 ) Q2-1: 特許の拒絶査定不服審判請求時における明細書等の補正は

手続きガイドライン ( 日本語仮訳 ) ( ラオス関連特許出願に対する特許の付与円滑化に関する協力に基づく早期特許査定申請 ) 日本国特許庁 (JPO) により付与された特許を有する出願人は JPO での特許出願の審査結果を利用したラオス関連特許出願の 特許の付与円滑化に関する協力 ( 以下 CPG

指針に関する Q&A 1 指針の内容について 2 その他 1( 特許を受ける権利の帰属について ) 3 その他 2( 相当の利益を受ける権利について ) <1 指針の内容について> ( 主体 ) Q1 公的研究機関や病院については 指針のどの項目を参照すればよいですか A1 公的研究機関や病院に限ら

 

PCT 出願人の手引 - 国内段階 - 国内編 -AL AL 1 頁 工業所有権総局 (GDIP) ( アルバニア ) ( 指定官庁又は選択官庁 ) 目 次 国内段階 - 概要 国内段階の手続 附属書手数料 附属書 AL.Ⅰ 委任状 附属書 AL.Ⅱ 略語のリスト国内官庁 : 工業所有権総局 (GD

ことができる 1. 特許主務官庁に出頭して面接に応じる と規定している さらに 台湾専利法第 76 条は 特許主務官庁は 無効審判を審理する際 請求によりまたは職権で 期限を指定して次の各号の事項を行うよう特許権者に通知することができる 1. 特許主務官庁に出頭して面接に応じる と規定している なお

弁理士試験短答 逐条読込 演習講座 ( 読込編 ) 平成 29 年 6 月第 1 回 目次 平成 29 年度短答本試験問題 関連条文 論文対策 出題傾向分析 特実法 編集後記 受講生のみなさん こんにちは 弁理士の桐生です 6 月となりましたね 平成 29 年度の短答試験は先月終了しました 気持ちも

問 2 戦略的な知的財産管理を適切に行っていくためには, 組織体制と同様に知的財産関連予算の取扱も重要である その負担部署としては知的財産部門と事業部門に分けることができる この予算負担部署について述べた (1)~(3) について,( イ ) 内在する課題 ( 問題点 ) があるかないか,( ロ )

インド知的財産ニュースレター第 号 インド知的財産ニュースレター 第 号 2016 年 5 月 18 日 特許規則 2016 年改正 発行者株式会社サンガム IP 東京都千代田区永田町 アイオス永田町 415

目次 < 共通情報 > 1. 加盟している産業財産権関連の条約 2. 現地代理人の必要性有無 3. 現地の代理人団体の有無 4. 出願言語 5. その他関係団体 6. 特許情報へのアクセス方法 < 特許制度 > 1. 現行法令について 2. 特許出願時の必要書類 3. 料金表 4. 料金減免制度につ

微生物関連の特許出願に関し 特許法以外の関連規則として 特許出願手続に 関する政府規則 (1991 年第 34 号 ) および 特許出願施行規則に関するインド ネシア共和国法務大臣決定 (1991 年 No. M.06-HC.02.01) が挙げられる インドネシア特許法 (2016 年法律第 13

特許庁委託事業 ASEAN 各国における産業財産権情報への アクセス性に関する調査 2013 年 4 月日本貿易振興機構バンコク事務所知的財産部 協力 TMI Associates (Singapore) LLP

第15回 強制実施権 ☆インド特許法の基礎☆

Microsoft Word 資料1 プロダクト・バイ・プロセスクレームに関する審査基準の改訂についてv16

Microsoft Word - 01第17版Part1-表紙.doc

日本国特許庁の国内出願の審査結果を利用した特許審査ハイウェイ ベトナム国家知的財産庁 (IP Viet Nam) と日本国特許庁 (JPO) との間の特許審査ハイウェイ試行プログラムに関するベトナム国家知的財産庁への申請手続 ( 仮訳 ) 日本国特許庁の国内出願の審査結果を利用した特許審査ハイウェイ

第20回 特許要件(1)☆インド特許法の基礎☆

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文書管理番号

民法 ( 債権関係 ) の改正における経過措置に関して 現段階で検討中の基本的な方針 及び経過措置案の骨子は 概ね以下のとおりである ( 定型約款に関するものを除く ) 第 1 民法総則 ( 時効を除く ) の規定の改正に関する経過措置 民法総則 ( 時効を除く ) における改正後の規定 ( 部会資

標準規格に係る工業所有権の取扱に関する基本指針e

様式 2 特許庁長官殿 平成年月日 特定登録調査機関 印 特定登録調査機関代表者 印 先行技術調査業務規程届出書 工業所有権に関する手続等の特例に関する法律第 39 条の 7 に従い 先行技術調 査業務規程を届け出ます 添付書類 先行技術調査業務規程平成 年 月特定登録調査機関

2 センターは 前項の届出を受理したときは 当該利用者の設定を解除するものとする ( 設定票等の再発行 ) 第 7 条利用者は センターが交付した Web-EDI 機能利用情報の書類の再交付を申請するときは 様式 WE-04 号 Web-EDI 機能利用証等再交付申込書 に必要事項を記載して センタ

5 仙台市債権管理条例 ( 中間案 ) の内容 (1) 目的 市の債権管理に関する事務処理について必要な事項を定めることにより その管理の適正化を図ることを目的とします 債権が発生してから消滅するまでの一連の事務処理について整理し 債権管理に必要 な事項を定めることにより その適正化を図ることを目的

指定 ( 又は選択 ) 官庁 PCT 出願人の手引 - 国内段階 - 国内編 - ドイツ特許商標庁 国内段階に入るための要件の概要 3 頁概要 国内段階に入るための期間 PCT 第 22 条 (1) に基づく期間 : 優先日から 30 箇月 PCT 第 39 条 (1)(a) に基づく期間 : 優先

PASMO付身分証等オートチャージサービス会員規約

Webエムアイカード会員規約

☆ソフトウェア特許判例紹介☆ -第31号-

目次 < 共通情報 > 1. 加盟している産業財産権関連の条約 2. 現地代理人の必要性有無 3. 現地の代理人団体の有無 4. 出願言語 5. その他関係団体 ( 連絡先 ) 6. 特許情報へのアクセス < 特許制度 > 1. 現行法令について 2. 特許出願時の必要書類 3. 料金表 4. 料金

Ⅰ. はじめに 近年 企業のグローバル化や事業形態の多様化にともない 企業では事業戦略上 知的財産を群として取得し活用することが重要になってきています このような状況において 各企業の事業戦略を支援していくためには 1 事業に関連した広範な出願群を対象とした審査 2 事業展開に合わせたタイミングでの

しなければならない 2. 乙は プライバシーマーク付与の更新を受けようとするときは プライバシーマーク付与契約 ( 以下 付与契約 という ) 満了の8ヶ月前の日から付与契約満了の4 ヶ月前の日までに 申請書等を甲に提出しなければならない ただし 付与契約満了の4ヶ月前の日までにプライバシーマーク付

新請願・陳情全部

平成 30 年度新潟県自殺対策強化月間テレビ自殺予防 CM 放送業務委託契約書 ( 案 ) 新潟県 ( 以下 甲 という ) と ( 以下 乙 という ) とは 平成 30 年度新潟県自殺対 策強化月間テレビ自殺予防 CM 放送業務について 次の条項により委託契約を締結する ( 目的 ) 第 1 条

訂正情報書籍 170 頁 173 頁中の 特許電子図書館 が, 刊行後の 2015 年 3 月 20 日にサービスを終了し, 特許情報プラットフォーム ( BTmTopPage) へと模様替えされた よって,

(3) 先の使用者としての認定は それに対する手数料を納付し 先使用者証明書の形態で総局より与えられる (4) 先使用者証明書は 当該同一の発明に対する特許の満了時と同時に無効となる (5) 先使用者証明書取得のための手続は政令に規定される (3) The recognition as the pr

( 審査の申請 ) 第 5 条甲は プライバシーマーク付与適格性審査の実施基準 に基づき 付与適格性審査を申請した者 ( 以下 乙 という ) の審査を行う 乙は 甲が定めるところにより 付与適格性審査にかかわる申請書及び申請書類 ( 以下 申請書等 という ) を甲に提出しなければならない 2 乙

市町村合併の推進状況について

実体審査における審査官面接に関して GPE には面接における協議の方法 時期および内容など 詳細な要件が定められている 例えば GPE には 最初のオフィスアクションの応答書が出願人により提出された後 審査官は当該出願の審査を継続しなければならない と規定されている (GPE 第 II 部第 2 章

議題提案票(韓国2017)最終版_名前無

パラグアイ共和国 (PY) REPUBLIC OF PARAGUAY パラグアイの概要パラグアイ共和国は 南米大陸の内部に位置しブラジルやアルゼンチン又ボリビアと国境を接しております 総面積は約 41 万 k m2で 日本の約 1.1 倍の面積があります 総人口は約 607 万人で首都はアスンシオン

Microsoft Word - 01.表紙、要約、目次

きる ( 改正前民法 436 条 ) 1 改正法と同じ 2 前項の債権を有する連帯債務者が相殺を援用しない間は その連帯債務者の負担部分についてのみ他の連帯債務者が相殺を援用することができる 本条は 負担部分の限度で 他の連帯債務者が債権者に対して債務の履行を拒むことができると規定したものであり 判

第23回 特許要件(4)☆インド特許法の基礎

ウルグアイ東方共和国 (UY) ORIENTAL REPUBLIC OF URUGUAY ウルグアイの概要 : ウルグアイは 南米大陸の大西洋側に位置しブラジル及びアルゼンチンと国境を接しております ウルグアイの総面積は 約 17.6 万 k m2で人口は約 343 万人 首都はモンデビデオにありま

業務委託基本契約書

イ特許専門業務特許戦略 法務 情報 調査 特許戦略に関し 次に掲げる事項について専門的な知識を有すること (1) 特許出願戦略 ( ポートフォリオ戦略等 ) (2) 研究開発戦略と特許戦略の関係 (3) 事業戦略と特許戦略の関係 (4) 標準化戦略 法務に関し 次に掲げる事項について専門的な知識を有

第29回 クレーム補正(2) ☆インド特許法の基礎☆

一九二〇 経過的セーフガード措置 とは 第六 三条(経過的セーフガード措置の実施)2に定める措置をいう 第六 二条世界向けのセーフガード1この協定のいかなる規定も 千九百九十四年のガット第十九条の規定及びセーフガード協定に基づく締約国の権利及び義務に影響を及ぼすものではない 23に規定する場合を除く

マネジメントシステム認証規則 目次 1 章総則 1.1 一般 2 章マネジメントシステムの登録 2.1 一般 2.2 登録簿 2.3 登録証書 2.4 登録マークの使用及び認証の引用 2.5 登録維持 2.6 登録継続 2.7 登録の拒否 消除 一時停止 一時停止後の復帰 並びに範囲の拡大及び縮小

個人情報保護規定

< F2D8EE888F882AB C8CC2906C>

1. 特許法条約及び商標法に関するシンガポール条約とは 特許法条約 (PLT) 及び商標法に関するシンガポール条約 (STLT) は 各国で異なる国内出願手続の統一化及び簡素化に関する条約である 近年 出願件数が多い欧米諸国の加入が進んでおり 両条約の締約国は PLT が 36 か国 STLT が

平成 25 年度特許庁産業財産権制度各国比較調査研究等事業 各国における特許の審査基準 審査マニュアル に関する調査研究報告書 平成 26 年 3 月 一般社団法人日本国際知的財産保護協会 AIPPI JAPAN

薬事法等の一部改正に伴う特許法施行令改正に係る事前評価書

目次 < 共通情報 > 1. 加盟している産業財産権関連の条約 2. 現地代理人の必要性有無 3. 現地の代理人団体の有無 4. 出願言語 5. その他関係団体 < 特許制度 > 1. 現行法令について 2. 特許出願時の必要書類 3. 料金表 4. 料金減免制度について 5. 実体審査の有無 6.

目次 < 共通情報 > 1. 加盟している産業財産権関連の条約 2. 現地代理人の必要性有無 3. 現地の代理人団体の有無 4. 出願言語 5. その他関係団体 6. 特許情報へのアクセス < 特許制度 > 1. 現行法令について 2. 特許出願時の必要書類 3. 料金表 4. 料金減免制度について

特許出願の審査過程で 審査官が出願人と連絡を取る必要があると考えた場合 審査官は出願人との非公式な通信を行うことができる 審査官が非公式な通信を行う時期は 見解書が発行される前または見解書に対する応答書が提出された後のいずれかである 審査官からの通信に対して出願人が応答する場合の応答期間は通常 1

4. ポイントは 対象取引が行われてから 当社が定める一定の期間を経た後に付与します この期間内に 当社が対象取引において取り消し 解除等があったことを確認した場合 当該対象取引に対するポイントは付与せず また対象料金の金額に変更があった場合は 変更後の金額に基づきポイントを付与します 5. 当社は

害者等のために情報を提供する事業を行う者 ( 非営利目的の法人に限る ) を一般的に定める 上記のほか 聴覚障害者等のために情報を提供する事業を行う法人 ( 法人格を有しない社団又は財団で代表者又は管理人の定めがあるものを含む ) のうち 聴覚障害者等のための複製又は自動公衆送信を的確かつ円滑に行う

個人情報の取扱いに関する規則 平成 12 年 9 月 29 日 奈良県規則第 2 2 号 改正 平成 13 年 3 月 30 日 規則第 68 号 改正 平成 17 年 3 月 29 日 規則第 30 号 改正 平成 18 年 3 月 31 日 規則第 38 号 改正 平成 27 年 9 月 25

鹿屋市公の施設に係る指定管理者の指定の申請等に関する規則 平成 19 年 3 月 31 日規則第 15 号 改正 平成 21 年 2 月 16 日規則第 2 号平成 21 年 8 月 25 日規則第 28 号平成 28 年 3 月 25 日規則第 17 号鹿屋市公の施設に係る指定管理者の指定の申請等

目次 < 共通情報 > 1. 加盟している産業財産権関連の条約 2. 現地代理人の必要性有無 3. 現地の代理人団体の有無 4. 出願言語 5. その他関係団体 6. 特許情報へのアクセス方法 < 特許制度 > 1. 現行法令について 2. 特許出願時の必要書類 3. 料金表 4. 料金減免制度につ

平成 29 年度 新興国等における知的財産 関連情報の調査 インドにおける医薬用途発明の 保護制度 DePenning & DePenning ( インド特許法律事務所 ) Shakira ( 弁理士 ) DePenning & DePenning は 1856 年に創立されたインド有数の歴史と規模

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〔問 1〕 抵当権に関する次の記述のうち,民法の規定によれば,誤っているものはどれか

経済産業省産業技術環境局産業技術政策課 パブリックコメント担当 御中

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yamauchiパテントNEWS

の権利 包摂的な貿易 持続可能な開発並びに伝統的な知識を促進することの重要性並びに公共の利益のために締約国が規制を行う権利を有することの重要性を再確認すること並びに他の国又は独立の関税地域のこの協定への加入を歓迎することを決意して 次のとおり協定した 第一条環太平洋パートナーシップ協定の組込み1締約

情報公開に係る事務処理規則 ( 平 18 規則第 16 号平成 18 年 8 月 1 日 ) 改正平 19 規則第 52 号平成 19 年 9 月 21 日平 26 規則第 2 号平成 26 年 5 月 13 日平 26 規則第 22 号平成 27 年 3 月 31 日 第 1 章総則 ( 目的 )

5. 当社は 会員に対する事前の通知を行うことなく 本規約を変更できるものとします この場合 本サービスの提供等については 変更後の規約が適用されるものとします 6. 前項の場合 当社は変更前に又は変更後遅滞なく 変更後の本規約を本サイト上にて告知するものとします 第 4 条 ( 本サービスの利用料

第22回 特許要件(3)☆インド特許法の基礎☆

北上市空家等対策規則 ( 趣旨 ) 第 1 条この規則は 北上市空家等対策条例 ( 平成 28 年北上市条例第 17 号 以下 条例 という ) の実施に関し必要な事項を定めるものとする ( 守秘義務 ) 第 2 条条例第 7 条に定める空家等対策審議会の委員は 職務上知り得た秘密を他に漏らしてはな

社会福祉法人○○会 個人情報保護規程

別記様式 2 地方整備局長 知事 支社支社長 印 公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律第 11 条 社会保険等未加入 業者 の通知について 公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律 ( 以下 法 という ) 第 11 条に基づき 弊社の発注工事において社会保険等未加入業者の存在が

<4D F736F F F696E74202D E82C582E08F6F978882E98AC F82C582CC93C18B968C9F8DF595FB B8CDD8AB B83685D>

個人情報の取り扱いに関する規程

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参加人は 異議申立人が挙げていない新たな異議申立理由を申し立てても良い (G1/94) 仮 にアピール段階で参加した参加人が 新たな異議申立理由を挙げた場合 その異議申立手続は第 一審に戻る可能性がある (G1/94) 異議申立手続中の補正 EPCにおける補正の制限は EPC 第 123 条 ⑵⑶に

Transcription:

インド特許法の基礎 ( 第 10 回 ) ~ 出願公開 ~ 河野特許事務所 弁理士安田恵 1. はじめに 2002 年特許法改正 1 により, 出願公開制度が審査請求制度と共に導入され, 特許庁に係属している特許出願は, 原則として出願日又は当該出願の優先日から18ヶ月 ( 規則 24 条 ) が経過すると公開されることになった ( 特許法第 11A 条 (1)) また20 05 年特許法改正 2 により, 早期公開請求制度が導入され, 出願公開後, 特許付与前の発明に対しても一定の保護が与えられるようになった ( 第 11A 条 (2),(7)) 2. 出願公開 (1) 特許出願は, 早期公開の請求が無い限り, 図 1 及び図 2に示すように出願日又は当該出願の優先日のいずれか先の日から18ヶ月の期間は公衆に対して公開されない ( 第 11A 条 (1), 第 143 条, 規則 24 条 ) 特許出願は,18ヶ月の期間満了後に公開される 長官が特許出願を公開すべき期間は, 通常 18ヶ月の期間満了の日から1ヶ月と規定されている ( 規則 24 条 ) 図 1: 出願公開時期 ( 出願日から 18 ヶ月 ) 1 The Patents (Amendment) Act 2002, 25 June 2002, Sec. 9 (http://ipindia.nic.in/ipr/patent/patents.htm) 2 The Patents (Amendment) Act 2005, Sec. 10 (http://ipindia.nic.in/ipr/patent/patents.htm) 1

図 2: 出願公開時期 ( 優先日から 18 ヶ月 ) ただし, 次のいずれかに該当する場合, 特許出願は公開されない ( 第 11A 条 (3)) (a) 特許出願に係る発明が国防目的に関する発明として秘密保持の指示 ( 第 35 条 ) が発せられている場合, 当該特許出願は公開されない ( 第 11A 条 (3)(a)) 長官は, 特許出願に係る発明が, 中央政府から国防目的に関連するものとして自己に通知された部類に属するものと認めるとき, 又は国防目的に関連するものと認めるときは, 当該発明に関する情報の公開等を禁止又は制限すべき旨を指示することができる ( 第 35 条 ) ただし, 秘密保持の指示が失効した場合, 長官は秘密保持の失効後に当該特許出願を公開する ( 第 11A 条 (4)) 秘密保持の失効日が上述の18ヶ月の満了前である場合は, 18ヶ月の期間満了を待って当該出願は公開される (b) 特許出願が第 9 条 (1) に基づいて放棄された場合, 当該特許出願は公開されない ( 第 11A 条 (3)(b)) つまり, 仮明細書を添付した特許出願の日から12ヶ月以内に完全明細書を提出しなかった場合, 当該特許出願は放棄されたものとみなされる ( 第 9 条 (1)) かかる規定により放棄されたものとみなされた特許出願は公開されない (c) 上記 18 ヶ月の期間満了日より 3 ヶ月前に取り下げられた特許出願は公開されな い ( 第 11A(3)(c)) (2) 出願公開の対象となる特許出願通常の特許出願はもちろん, 分割出願, 条約出願 ( 第 2 条 (1)(c),135 条 ),PCT 国内段階出願 ( 第 7 条 (1A)), 追加特許 ( 第 54 条 ) 等の出願も出願公開の対象である ( 第 11A 条 (1), 第 16 条 (3), 第 138 条 (4), 第 139 条 ) 日本の場合, 日本語でされた国際特 2

許出願については法上の出願公開は行われず 3 (184 条の9 第 4 項 ), 外国語でされた国際特許出願は国内公表される (184 条の 9) 公開された発明を保護する補償金請求権はこれらの公開に基づくものである インドの場合, 全ての特許出願は出願公開の対象であり, 特許付与前異議申立, 出願審査, 公開された発明保護の要件となる発明の公開は, 第 11A 条に基づく出願公開である (3) 特殊な特許出願の公開時期 PCT 国内段階出願 ( 第 7 条 (1A)), 分割出願 ( 第 16 条 ), 追加特許 ( 第 54 条 ) は, 当該出願の優先日から18ヶ月 ( 規則 24 条 ) の満了日, 又は各出願の現実の出願日のいずれか後の日以後に出願公開される 例えば, 優先日から18ヶ月経過後に PCT 国内段階出願を行った場合の出願公開時期は図 3の様になる 図 3:PCT 国内段階出願を行った場合の出願公開時期の一例 (4) 出願公開の方法および内容特許出願は毎週金曜日に発行される特許公報に掲載される 出願公開の内容には, 特許出願の出願日, 出願番号, 出願人の名称及び住所の明細と, 要約書が含まれる 特許公報は, インド特許庁のホームページ 4 で確認することができる 特許公報には特許請求の範囲, 明細書等の情報は開示されていないが, インド特許庁のデータベース IPAIRS 5 で, 願書, 特許請求の範囲, 明細書および図面の内容を確認することができる また, 出願公開の規定に基づくものでは無いが, 特許出願の審査手続きにおいて長官が発行した審査報告等の各種通知, 出願人が提出した意見書, 外国出願に関する情報等も随時公開されている 3 運用上, 再公表公報として公開されている 4 Publications メニュー中の Paten Office Journal (http://ipindia.nic.in/ipr/patent/patents.htm) 5 http://ipindiaservices.gov.in/patentsearch/search/index.aspx 3

3. 早期公開請求 (2005 年改正 ) 2005 年改正により, 出願人は早期公開請求を行うことによって,18 ヶ月 ( 規則 24 条 ) 満了前に出願の内容を公開することが可能になった 後述するように, 出願公開された発明に対しては, 当該発明の特許が公開日に付与されたものとしての権利を有するため ( 第 11A 条 (7)), 出願公開の時期を早めることによって, 発明の早期保護が可能になる また, 出願公開の時期を早めることによって実体審査の完了, 付与前異議申立期間の満了時期を早め, 早期権利化を促すことができる (1) 早期公開請求の要件 (a) 主体的要件特許出願の出願人が, 自身の出願を公開するように長官に請求することができる ( 第 11A 条 (2)) (b) 客体的要件 ( 請求対象 ) 早期公開の対象は, 完全明細書が添付された通常の特許出願 ( 第 7 条 ) である ( 第 11A 条 (2)) 請求対象には, 分割出願 ( 第 16 条 ), 条約出願 ( 第 2 条 (1)(c),135 条 ), PCT 国内段階出願 ( 第 7 条 (1A)), 追加特許 ( 第 54 条 ) 等の出願も含まれる (c) 時期的要件早期公開の請求は,18 ヶ月 ( 規則 24 条 ) の満了前に行わなければならない ( 第 11A 条 (2)) 18ヶ月の満了後は, 早期公開の請求が行われずとも当然に公開されるべきだからである なお, 実際には18ヶ月 ( 規則 24 条 ) の期間満了後, 相当の期間が経過しても出願公開されないケースもある この場合, 第 11A 条に規定する早期公開の請求は行うことができないが, 出願公開が遅延している旨を長官に上申することにより, 出願公開の遅延を解消することができる (d) 手続的要件早期公開の請求は様式 9により行わなければならない ( 規則 24A 条 ) また出願人は, 所定の手数料 ( 第 142 条, 規則 7 条 ) を納付しなければならない なお,2014 年特許規則 6 が2014 年 2 月 28 日に公布され, 即日施行された 改正 2014 年特許規則により, 早期公開の手数料が変更された 2014 年特許規則によれば, 出願人が個人, スモールエンティティ, スモールエンティティ以外の法人のいずれに該当するか, 電子手続きか, 紙媒体による手続きか等により, 手数料が異なる 通常の法人が電子手続きを行う場合の早期公開の手数料は12500ルピーである 6 http://www.ipindia.nic.in/iponew/patent_amendment_rules_2014.pdf 4

(2) 早期公開請求の効果適法に早期公開の請求がされた場合, 長官はできる限り速やかに特許出願を公開しなければならない ( 第 11A 条 (2)) ただし, 特許出願が第 11A 条 (3)(a)~(c) に該当する場合は早期公開を請求しても出願公開されない 早期公開の請求があった場合に長官が出願公開を行うべき時期は, 図 4に示すように請求があってから1ヶ月である ( 規則 24 条 ) インドでは規則通りに手続きが進まないことがあるが, 手続きの電子化が進んでおり, 出願公開は比較的速やかに行われている 例えば,2014 年 2 月 28 日に出願され, 早期公開請求された特許出願 (1028/CHE/2014) は2014 年 3 月 7 日に出願公開されている 図 4: 早期審査請求を行った場合の出願公開時期 4. 出願公開の効果出願公開された場合, 公開された特許出願に関して次の効果を奏する (1) 閲覧長官は, 所定の手数料の納付により, 出願公開された特許出願の明細書及び図面を公衆が入手できるようにすることができる ( 第 11A 条 (6)(b), 規則 27 条 ) また寄託機関 ( ブダペスト条約に基づく国際寄託当局 ) は, 明細書に記載された生物学的素材を公衆が入手することができるようにしなければならない ( 第 11A 条 (6)(a)) (2) 特許付与出願公開から6ヶ月が経過した場合, 特許付与が可能になる ( 規則 55 条 (1A)) 日本であれば出願公開前に特許が付与されることがあるが, インドでは出願公開が特許付与の要件である 特許付与前異議申立の機会を利害関係人に与える必要があるためである 5

また, 特許付与前異議申立を検討する期間として, 少なくとも 6 ヶ月の期間を確保する ため, 出願公開後 6 ヶ月間, 特許は付与されない (3) 実体審査審査請求により特許出願の実体審査が開始されるようになる 特許庁の特許実務及び手続の手引 ( インド )01.11 版 2011 年 3 月 22 日修正 7 によれば, 4. 当該出願が公開され, 審査請求が行われない限り, 特許庁は当該出願の審査を行わないものとする ( 第 8 章審査及び特許権の付与,08.01 審査請求 ), 1. 審査請求が受理され, 法第 11A 条に基づき当該出願が公開された場合, 審査請求の順に従って, 出願は審査される (08.02 審査の付託 ) とされている このように, 特許出願の審査は, 出願が公開され, 審査請求 ( 第 11B 条 ) が行わなければ開始されないため, 特許の早期権利化を実現するための方法の一つとして, 早期公開請求を行うことが考えられる また, 何らかの原因で18ヶ月 ( 規則 24 条 ) の期間満了後, 出願公開が行われない状態になっている場合, この状態を放置していると審査の遅延を招くおそれがあるため, 長官に対して出願公開を上申することが望ましいと考えられる (4) 特許付与前異議申立 出願公開された場合, 利害関係人は公開された特許出願に対して特許付与前異議申立 を行うことが可能になる ( 第 25 条 (1)) (5) 公開発明の保護 (2005 年改正 ) (a) 特許権は, 発明の内容を公開する代償として出願人に付与されるものである しかし, 特許付与前に特許出願が公開され, 発明が模倣される危険にさらされるにも拘わらず, 出願人が対抗手段を有しないとした場合, 出願人は不利益を被るおそれがあり, 出願人と, 公衆の利益バランスが崩れてしまう このため出願公開された発明に対して, 一定の保護が与えられている 具体的には, 図 5に示すように特許出願の公開日以降, 当該特許の特許付与日まで, 出願人は当該発明の特許が出願の公開日に付与されたものとしての権利 ( the like privileges and rights as if a patent for the invention had been granted on the date of publication of the application ) を有する ( 第 11A 条 (7)) ただし, 出願人は, 特許が付与されるまでは侵害手続き ( proceedings for infringement ) を提起することができない ( 第 11A 条 (7)) 7 https://www.jetro.go.jp/world/asia/in/ip/pdf/201103_tokkyo_01.pdf 6

図 5: 出願公開された発明の保護 (b) 日本の補償金請求権に相当する権利であるが, インド特許法においては特許権に準ずる権利が出願人に付与される 侵害者に対して請求可能な金銭は実施料相当額に限定されておらず, より高額の金銭請求が認められる可能性がある 特許権に準ずる権利が認められるため, 特許権者は, 公開日まで遡って特許権の侵害に準ずる損害賠償請求, 不当利得返還請求などを行うことができる なお, 第 11A 条 (7) における権利は抽象的に規定されており, その性質は必ずしも明らかでは無いが, 出願公開が行われても特許が付与されるまで特許権自体は発生していないため, 少なくとも第 11A 条 (7) で扱われている侵害は特許権そのものの侵害では無いと考えられる 発明の公開によって生じた損害を補填するための金銭を請求する債権的な権利と考えることもできるが, 第 11A 条 (7) には 出願人は当該発明の特許が出願の公開日に付与されたものとしての権利 を有すると規定され, ただし, 出願人は特許が付与されるまでは侵害手続を提起する権利を有さない というように 侵害 という用語が使用されていることからすると, 第三者の不法行為を形成するような特別な権利が出願公開によって発生し, 出願人に付与されると思われる (c) インド特許法においては, 日本の補償金請求権のような警告は要件になっていないが, 特許付与後の特許権侵害訴訟においても侵害者が, 侵害行為があった当時, 当該特許の存在を知らず, かつ, 知らないことに適切な理由があったことを立証した場合, 当該侵害者に対しては損害賠償請求又は不当利得返還請求が認められないため ( 第 111 条 (1)), 第 11A 条 (7) に基づく権利を行使する場合においても特許出願の存在を被告に知らしめる何らかの通知は必要と考える (d) 第 111 条 (3) には 権利の部分放棄, 訂正, 又は釈明の形式による明細書の補正が明 細書の公開後に本法に基づいて許可されたときは, 当該補正許可の決定の日前にされた 7

当該発明の使用に係る訴訟においては, 如何なる損害賠償又は不当利得返還も許与されない ただし, 当初公開された明細書が善意で, かつ, 適切な熟練及び知識をもって作成されたことを裁判所が納得する場合は, この限りでない と規定されている 出願公開された特許出願が不明瞭な記載で広範な権利範囲を請求しているような場合, たとえ出願公開されたとしても, 出願公開後の発明に対する保護は与えられない可能性がある 出願段階から, 明瞭で適切な権利範囲を請求すべきである (e) メールボックス出願に係る発明の保護 (i)2005 年 1 月 1 日以前に第 5 条 (2)(2005 年改正特許法により削除された ) に基づいてされた特許出願, いわゆるメールボックス出願 (Trips 協定 70 条 (8)) については, 図 6に示すように出願公開されても, 特許権の効力は出願公開日に遡らず, 特許付与日から生ずる ( 第 11A 条 (7)) インドは,WTOに加盟した1995 年当時, 医薬品等の物質特許を認めていなかった しかし,Trips 協定の 27 条は医薬品等の物質特許を付与すべきことを規定している 保護対象を物質特許に拡大する義務を履行する期限として10 年の経過期間 (Trips 協定 65 条 4 項 ) が与えられたインドは,Trips 協定を遵守するために1 999 年改正に始まり数度にわたって特許法改正を行った 1999 年改正によって, 特許庁は物質特許に係る特許出願の受理を開始し,2005 年 1 月 1 日に発効 8 した2 005 年改正によって, 物質特許の出願審査が開始された 第 5 条 (2) に基づいてされた特許出願は, このように2005 年 1 月 1 日以前に出願され,2005 年 1 月 1 日以降の審査によって特許が付与された物質特許等の出願である 図 6: 第 5 条 (2) に基づく出願の発明保護 ( 原則 ) (ⅱ) また,2005 年 1 月 1 日以前に第 5 条 (2) に基づいてされた特許出願の特許権 8 2005 年 4 月 4 日に公布され,Trips 協定の義務履行期限である 2005 年 1 月 1 日に 遡及して施行された 8

の効力は一定範囲に制限されている つまり, 次の 1~3 の要件を満たす企業に対して, 特許権者は, 図 7 に示すように適正なロイヤルティを受領する権利を有するのみであり, 当該企業に対しては侵害訴訟を一切提起することができない ( 第 11A 条 (7)) 1 2005 年 1 月 1 日前に大規模な投資を行ったこと企業であること 2 2005 年 1 月 1 日前に特許発明に係る関係製品を製造販売していた企業であること 3 特許付与日に当該特許により保護された製品を引き続き製造する企業であること 図 7: 第 5 条 (2) に基づく出願の発明保護の制限 以上 9