第1章 経済動態

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2018年4-6月期2次速報値 時系列表1

時系列表1

第 2 部統計表 第 1 章 市町村内総生産 実 数 ( 平成 18 年度 ~ 平成 27 年度 ) 対前年度増加率 構 成 比 寄 与 度 対県構成比 206 第 2 章 市町村民所得 実 数 ( 平成 18 年度 ~ 平成

シラバス-マクロ経済学-

結果の概要1

平成28年度国民経済計算 年次推計 (支出側系列等)

平成 28 年 3 月 25 日公表平成 25 年度 農業 食料関連産業の経済計算 - 農業 食料関連産業の国内生産額は 97.6 兆円で全経済活動の約 1 割 - 統計結果の概要 1 農業 食料関連産業の国内生産額平成 25 年度における農業 食料関連産業の国内生産額は 97 兆 5,777 億円

第1章 国民所得統計

結果の概要


結果の概要

平成 23 年北海道産業連関表について 北海道開発局 1 北海道産業連関表作成の趣旨 北海道開発局では 北海道の経済 社会動向を的確に把握し 北海道総合開発計画を立案 推進するための基礎資料として 昭和 30 年表からおおむね 5 年ごとに 北海道産業連関表 を作成しています なお 北海道産業連関表

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平成 30 年 4 月 10 日公表平成 28 年 農業 食料関連産業の経済計算 ( 概算 ) - 農業 食料関連産業の国内生産額は 兆円で全経済活動の約 1 割 - 統計結果 1 農業 食料関連産業の国内生産額平成 28 年における農業 食料関連産業の国内生産額は 115 兆 9,63

なお 民間企業においても 地域の購買力調査の資料として また 事業所の立地計画 など経営施策の資料としても有効に活用されています (3) 市町村民所得推計上の問題点市町村民所得は 市町村ごとの経済活動を明らかにすることを目的としています 所得統計は 数多くの一次統計資料を利用し 所得概念に従ってその

ミクロ マクロ経済学演習 冬休みの宿題 担当 : 河田 学籍番号 氏名 2014 年 1 月 6 日 ( 月 )17 時までに 河田研究室 (514) まで提出すること 途中の式や思考過程はそのままにしておくこと

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ミクロ マクロ経済学演習 冬休みの宿題 担当 : 河田 学籍番号 氏名 模範解答 2014 年 1 月 6 日 ( 月 )17 時までに 河田研究室 (514) まで提出すること 途中の式や思考過程はそのままにしておくこと

第 3 節食料消費の動向と食育の推進 表 食料消費支出の対前年実質増減率の推移 平成 17 (2005) 年 18 (2006) 19 (2007) 20 (2008) 21 (2009) 22 (2010) 23 (2011) 24 (2012) 食料

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2008 年度マクロ経済学の基礎 期末テスト 問題 1 (7 点 10) (1) 次の記述のうち誤っているものを選べ 1モディリアーニは 人々は人生の段階に応じて消費行動を変えると考えた 2ケインズは 長期時系列を分析し 消費性向は一定だと主張した 3どんな賃金でもよいから働きたいと思っているのに働

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イクル成分 のみから 需要側の動きの 仮置き値 の作成を行う これにより 次 QE から 2 次 QE への改定幅を縮小させることが期待される 本改善策は 22 年 4-6 月期 次 QE から導入する 本改善策の効果について 一定の仮定をおいて試算を行ったところ 民間企業設備の 2 年 7-9 月

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が 93SNAではFISIM( 間接的に計測される金融仲介サービス ) として通常の財貨 サービスの一つに位置づけられました 金融機関の中には 借り手と貸し手に対して異なる利子率を課したり 支払ったりすることにより 明示的には料金を課さずにサービスを提供することができるものがあります このサービスの

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我が国中小企業の課題と対応策

産連  産業連関表の利用_

産業連関表から見た県経済.xps

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< 三面等価の原則 > GDPはいろんな見方をしても等しくなる 生産 = 所得 = 支出 生産 ものを作ること 所得 作ったもので 給料や会社が利益を上げること 支出 もらったお金を使うこと どの段階で経済をとらえても等しくなる 国内総生産 ( 生産 )GDP= 国内総支出 ( 支出 )GDE 国民

平成27年度国民経済計算年次推計(平成23年基準改定値)(フロー編)ポイント

平成 22 年基準 秋田県鉱工業生産指数月報 平成 30 年 12 月分 鉱工業生産指数の推移 季節調整済指数全国 東北 : 平成 27 年 =100 秋田 : 平成 22 年 =

事業所規模 5 人以上 (1 表 ) 月間現金給与額 産 業 ( 単位 : 円 %) 現金給与総額 きまって支給する給与 所定内給与 特別に支払われた給与 対前月増減差 対前年同月増減差 全国 ( 調査産業計 確報値 ) 278, , ,036

県民経済計算に係る主な用語の解説 あ 営業余剰 混合所得生産活動により産み出された付加価値のうち 市場生産者 ( 企業等 ) の生産活動の貢献分であり 市場生産者の所得となります このうち 営業余剰は企業会計上の営業利益に近い概念です 混合所得は家計のうちの個人企業の取り分であり 事業主や家族労働者

主な用語の解説 (50 音順 ) い一般政府県民経済計算では 政府を財貨 サービスの非市場生産者としてとらえている 具体的には 国出先機関 県 市町村 社会保障基金で構成される ( 公的企業として他部門に含まれるものを除く ) なお 一般政府は 通常の経済活動では供給されないような無償あるいはコスト

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長と一億総活躍社会の着実な実現につなげていく 一億総活躍社会の実現に向け アベノミクス 新 三本の矢 に沿った施策を実施する 戦後最大の名目 GDP600 兆円 に向けては 地方創生 国土強靱化 女性の活躍も含め あらゆる政策を総動員することにより デフレ脱却を確実なものとしつつ 経済の好循環をより

日本経済の現状と見通し ( インフレーションを中心に ) 2017 年 2 月 17 日 関根敏隆日本銀行調査統計局

第 2 章 産業社会の変化と勤労者生活

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事業所規模 5 人以上 (1 表 ) 月間現金給与額 産 業 ( 単位 : 円 %) 現金給与総額 きまって支給する給与 所定内給与 特別に支払われた給与 対前月増減差 対前年同月増減差 全国 ( 調査産業計 確報値 ) 262, , ,075

結果の概要

関西大学 2/2 企業は原材料などの中間生産物 ( または中間投入 ) を用いて財 サービスを生産する 各企業の産出額 ( または生産額 ) を合計して得られる総生産額で一国の経済規模を表現するなら, 1 それは経済規模を表す 指標として適切ではない そこで, 財 サービスの生産額から

統計学入門

別紙2

Ⅱ モデル分析

企業向けサービス価格指数(2010年基準)の概要

地域経済循環構造とは 1. これまでの構造では改善しない地方経済 従来地方経済を支えてきた公共事業の大幅削減や製造業の海外移転等により 従来の経済循環構造を前提とした経済システムでは成長が困難になっている また モータリゼーションの進展により 地域構造が拡散化し 大型ショッピングセンターやロードサイ

経済指標カレンダー 8 月 5, 月 10,2018 AUD 1.50% NZD 1.75% EUR 0.00% CAD 1.50% GBP 0.75% USD 2.00% CHF -0.75% JPY -0.10

平成24年度の経済見通しと経済財政運営の基本的態度(閣議了解)

各資産のリスク 相関の検証 分析に使用した期間 現行のポートフォリオ策定時 :1973 年 ~2003 年 (31 年間 ) 今回 :1973 年 ~2006 年 (34 年間 ) 使用データ 短期資産 : コールレート ( 有担保翌日 ) 年次リターン 国内債券 : NOMURA-BPI 総合指数

平成 21 年経済センサス 基礎調査確報集計結果 (2) 産業分類別 - 従業者数 ( 単位 : 人 %) 北海道 全国 従業者数従業者数 (*2 (*2 A~S 全産業 A~R 全産業 (S 公務を除く )

図 4-1 総額 と 純計 の違い ( 平成 30 年度当初予算 ) 総額ベース で見た場合 純計ベース で見た場合 国の財政 兆円兆 国の財政 兆円兆 A 特会 A 特会 一般会計 B 特会 X 勘定 Y 勘定 一般会計 B 特会 X 勘定 Y 勘定

シラバス-マクロ経済学-

第6章 海外勘定の推計

一般会計 特別会計を含めた国全体の財政規模 (1) 国全体の財政規模の様々な見方国の会計には 一般会計と特別会計がありますが これらの会計は相互に完全に独立しているわけではなく 一般会計から特別会計へ財源が繰り入れられているなど その歳出と歳入の多くが重複して計上されています また 各特別会計それぞ

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第2章_プラントコストインデックス

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27市町村民経済計算

経済センサス活動調査速報

Ⅰ 結果の概要 ( 事業所規模 5 人以上 ) 1 賃金の動き平成 27 年における調査産業計の常用労働者 1 人当たりの平均月間現金給与総額は 241,212 円で 前年比 2.5% 増であった 現金給与総額をきまって支給する給与と特別に支払われた給与に分けると きまって支給する給与は 210,9

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2010年9月21/22日用 為替の決定理論

経済センサス活動調査速報


経済学b 第1回

歳入総額 区分 平成 年度の財政フレーム ( 単位 : 百万円 ) 30 年度 31 年度 合計 構成比 構成比 構成比 263, % 265, % 529, % 一般財源特別区税特別区交付金その他特定財源国 都支出金繰入金特別区債 167

パート2:マクロ経済学の基本モデルの考え方:短期から長期へ

建設経済モデルによる建設投資の見通し

利用上の注意

2019年度はマクロ経済スライド実施見込み

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EPA に関する各種試算 試算 1 EPA のマクロ経済効果分析 (3 ページ ) 内閣官房を中心に関係省庁と調整したシナリオに基づき 川崎研一氏 ( 内閣府経済社会総合研究所客員主任研究官 ) が分析 WTO はじめ広く関係機関が活用している一般均衡モデル (GTAP モデル ) を使用 EPA

平成 31 年 3 月 25 日公表 資料第 号 広島県 Hiroshima Pref. 広島県の賃金, 労働時間及び雇用の動き ( 基幹統計毎月勤労統計調査地方調査結果 ) 平成 31 年 1 月分 ( 速報 ) 調査対象事業所の入替について平成 30 年 1 月分から第一種


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第10章 台湾

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GDP( 国内総生産 ( 支出側 )) については FISIMを除いた計数を参考表章する また FISIMの導入に伴い 国民経済計算における財産所得 ( 利子の受取 支払 ) の概念が変更となる 従前の受取 支払の利子総額には金融仲介サービスの対価が反映されていることから それぞれについてFISIM

第 1 四半期の売上収益は 1,677 億円となり 前年からプラス 6.5% 102 億円の増収となりました 売上収益における為替の影響は 前年 で約マイナス 9 億円でしたので ほぼ影響はありませんでした 事業セグメント利益は 175 億円となり 前年から 26 億円の減益となりました 在庫未実現

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Taro-acc5

公表内容 2 本機関は業務規程第 22 条に基づき 需要想定の前提となる経済指標として 以下の項目の見通しを策定し 公表します ( 全国の経済見通しの策定 ) 第 22 条本機関は 需要想定の前提となる人口 国内総生産 (GDP) 鉱工業生産指数 (IIP) その他の経済指標について 当年度を含む

Ⅱ 国際収支とグローバルインバランス

はじめに 我が国の建設投資は 社会経済活動 市場動向等に与える影響は極めて大きい このため 国土交通省では 国内建設市場の規模とその構造を明らかにすることを目的とし 昭和 35 年度から毎年度 建設投資推計及び建設投資見通しを作成し 建設投資見通し として公表している 作成の方法と留意点 建設投資推

2. 利益剰余金 ( 内部留保 ) 中部の 1 企業当たりの利益剰余金を見ると 製造業 非製造業ともに平成 24 年度以降増加傾向となっており 平成 27 年度は 過去 10 年間で最高額となっている 全国と比較すると 全産業及び製造業は 過去 10 年間全国を上回った状況が続いているものの 非製造

平成22年7月30日

H30情報表紙 (H30年度)

目次はじめに 1. 賃金上昇動向とその要因 賃金上昇の影響 最後に はじめに CLMV RIM 213 Vol.13 No.48 51

経済統計と日本経済 第1回:イントロダクション

建設経済モデルによる建設投資の見通し

Transcription:

第 2 章主要統計指標 -1 GDP 国内総生産 < いみ > GDP 国内総生産 とは 一定期間 通常 1 年間 に 一国内の生産活動によって新たに生み出された財 サービスの付加価値額の合計をいう < たとえば > 項目産出額中間投入付加価値額 1 農林水産業 1,71 7,2 6,199 2 鉱 業 772 482 2912 製造業 1,877 197,66,72 4 電気 ガス 水道 廃棄物処理業 1,9621 17,48 14,4141 建設業 64,6462 4,9216 29,7246 6 卸売 小売業,26 9,44 7,9982 7 運輸 郵便業 44,1428 17,1798 26,96 8 宿泊 飲食サービス業 2,296 19,1646 12,86 9 情報通信業 1,6874 24,878 26,8297 1 金融 保険業 4,929 12,467 22,4617 不動産業 76,182 1,11 61,168 12 専門 科学技術 業務支援サービス業 9,8 2,4 9,28 1 公務 9,222 12,2 26,6786 14 教育 2,4498 4,196 19,42 1 保健衛生 社会事業 6,66 2,76 7,746 16 その他のサービス 9,9767 17,9 22,974 小計 999,68 46,68 4,2922 1 輸入品に課せられる税 関税 7,6761-7,6761 2 控除 総資本形成に係る消費税,7761,7761 17 合計 1~16の小計 +1-2 1,1,8 46,69 6,1921 18 統計上の不突合 2,27 国内総生産 17+18 8,448 表 -2 分配面からみた GDP 単位 :1 億円 項目金額 1 雇用者報酬 268,9746 家計 へ 一部は租税 社会保険料として政府へ再分配 2 営業余剰 混合所得 1,19 企業 へ 一部は利子 配当として家計 政府へ再分配一部は法人税として政府へ再分配 固定資本減耗 9,928 企業 政府 へ 4 生産 輸入品に課される税 4,21 控除 補助金,227 政府 へ 6 統計上の不突合 2,27 GDPのすべては 家計 企業 政府のいずれかに 国内総生産 1+2++4-+6 8,448 分配されて所得となり 消費または貯蓄される 表 - 支出面からみた GDP 単位 :1 億円 項 目 金額 1 民間最終消費支出 299,887 注 : 四捨五入の関係上 内訳項目を合計したものは 2 政府最終消費支出 16,479 総額と一致しない場合がある 国内総固定資本形成 126,7889 表 -1,2, 内閣府 216 年度国民経済計算確報 により作成 4 在庫変動 92 財貨 サービスの輸出 86,7929 6 控除 財貨 サービスの輸入 81,67 国内総生産 1+2++4+-6 8,448

図 1 日本の経済成長率と景気循環 % 2 神武景気 なべ底不況 岩戸景気 オリンピック景気 昭和 4 年不況 いざなぎ景気 列島改造景気 ハイテク景気 2 < 基準日付 山 > 12 月 7 月 1 月 平均成長率 基 1 準 6 月 日 1 付 1 月 2 月 月 6 月 2 月 谷 6 月 1 月 12 1 2 月月 1 月月月 1 1 月月月 月 月月月 2 月 月月月 1 月数 1ヵ月 12 42 1 24 12 7 17 2 16 22 9 28 6 28 17 1 2 4 2 22 14 7 1 6 4 7 6 8 6 62 64 66 68 7 72 74 76 78 8 82 84 86 88 9 92 94 96 98 2 4 6 8 1 12 14 16 平均成長率 実質 約 68% 1% 86% 9% 42% 48% 49% 4% 7% 8% 1% 1% 2% 円高不況 平成景気 平成不況 第 1 次 平成不況 第 2 次 IT 景気 世界同時不況 リーマン不況 年 注 : 山の高さは平均成長率を 2 倍したものであり 成長率そのものではない 平均成長率は谷から谷を採用し 一部は見込みで計算した 内閣府 四半期別 GDP 速報 により作成 図 2 生産 三面等価とその循環 図 国民所得の諸概念 216 年 名目 分配 賃金 支出 財 サービス 付加価値 消費 等 付加価値額を生産に参加した労働者 家計 や企業等に分配 営業 余剰 固定資本減耗その他 所得をもとに商品の購入や設備投資などを行う 投資在庫品増加を含む その他 価 支出 需要 に見合った生産が行なわれる 総産出額 1 1 6 国内総生産 G D P 8 4 中間投入額 464 付加価値 62 統計上の不突合 2 うち 海外からの 要素所得 純 172 要素費用表示の国民所得 NI 91 生産 輸入品に課される税 - 補助金 42 固定資本減耗 99 統計上の不突合 2 注 : 四捨五入の関係から数字が一致しない場合がある 内閣府 216 年度国民経済計算確報 により作成 市場価格表示の国民所得 N I 4 国民総所得 G N I 7 <かんどころ> 1GDP 国内総生産 と経済成長率 1 GDPとは 表 企業等の生産者は 労働者や機械を使い 他の企業から原材料 電気 ガス 輸送サービスなどを購入して 財貨やサービスを生産する この生産された財貨やサービスの額 産出額 から原材料 電気 ガス 輸送サービスなど他の生産者から購入した分 中間投入額 を差し引いた額がその生産者の新たに生み出した付加価値であり その一国の合計額がGDPGross Domestic Product である

GDP は 国連の基準 SNA:System of National Accounts に基づいて体系化 された国民経済計算によって推計される 現在は 9 年に国連で採択された基準 28SNA に基づいて推計されている 2 経済成長率 図 1 景気の善し悪しを判断するとき その基本的な判断材料となるのが経済成長率である 経済成長率は GDP の伸び率を意味し 通常 対前年 度 比 あるいは対前期 四半期 比で示される 一般的に 経済成長率は 物価の変動による影響分を除去した実質値を用いて算出される 2 三面等価 GDP は 定義上 付加価値の合計である 生産面 供給面 からみても 各経済主体に分配された後の 分配面 からみても 最終生産物への支出の合計である 支出面 需要面 からみても 等しくなる 表 図 2 1 分配面からみたGDP 表 -2 生産者が生み出した付加価値 GDP は そのすべてが家計 企業 政府のいずれかに分配されて所得となり 消費されるか 貯畜される 具体的には 雇用者報酬 賃金 俸給 が家計へ 営業余剰 混合所得 企業の営業余剰 個人企業の所得 が企業へ 固定資本減耗 が企業及び政府へ そして 生産 輸入品に課される税から補助金を控除したもの が政府へと分配される さらに 雇用者報酬の一部は所得税や社会保険料として政府に支払われ 営業余剰 混合所得の一部は利子 配当として家計及び政府へ あるいは法人税として政府に支払われる 再分配される なお 固定資本減耗は会計上の減価償却費にあたるが 現実には生産者の手許に残るため 貯蓄とみなすことができる 2 支出面からみたGDP 表 - 付加価値の合計額 GDP は 一定期間に国内で生産された最終生産物の合計額に等しいともいえる 最終生産物とは総生産物から中間消費 企業が生産するために必要な財 サービスで 原料 燃料 輸送サービス 用紙類など を差し引いたものであり 家計及び政府によって購入される消費財 サービスや企業等によって購入される資本財などがある 三面等価と在庫 GDP は生産 分配 支出の三面が等しくなるものとして定義されているが 現

実の経済において 生産主体と需要主体が異なるため 生産された財 サービスが常に生産者の計画どおりに販売されるわけではない 実際の供給と需要の不一致を埋めるものは在庫である 例えば 売れ残りがあれば在庫増として 生産よりも販売が多ければ在庫減として計上される 在庫の増減が需要サイド 支出面 に計上 *1 されることによって 三面等価が成立することになる GDPの諸概念 1 名目 GDPと実質 GDP GDP は市場価格をベースに推計されるため 物価変動の影響を受ける この物価変動の影響を取り除いたものが実質 GDP 取り除かないものが名目 GDPである また 名目値から実質値を算出するために用いられる価格指数をデフレーターといい 実質値 = 名目値 デフレーターとなる なお デフレーターと実質 GDPの計算方法は 従来 ある特定の年を基準年としていた方式 固定基準年方式 がとられていた しかし この方式は 基準年から離れるほど価格や数量のウエイト構造が不適切になり 特に技術革新 品質向上 のスピードが早く 価格低下が大きい IT 関連財の急速な普及に伴い バイアスが拡大している可能性が指摘されるようになった このため 4 年 月に 基準年を前年とし それらを毎年積み重ね接続していく方式 連鎖方式 に変更された 2 速報と確報 GDP の公表は 大別して四半期別速報 QE:Quarterly Estimates と年 度 確報の 2 つがあり それぞれ内閣府から公表される QE は直近の経済情勢を分析するのに欠かせないものであり 1 次速報値が当該四半期の1か月と2 週間程度後に公表されており 原系列と季節調整系列につい *2 て 実数 名目 実質 や 前期比 前年同期比 年率表示の成長率などが公表されている なお 推計資料上の理由から国内総生産 支出側 が GDP として公表されている また 年 度 確報は 当該年度の翌年の 12 月に 生産 分配 支出それぞれの系列の各種計数が公表されている 4 国民所得の諸概念 図 2 GDP は生産者の国籍を問わず 国内で生産された付加価値の総計である 一方 * 国民総所得 GNI:Gross National Income は生産の場所が国内であれ 国外であれ 日本人が受け取った所得の総額を表す GNI=GDP+ 海外からの要素所得 純 *4 純は出入の差引き また GNI から固定資本減耗を引いたものを市場価格表示の国民所得 NI:

National Income といい 市場価格表示の国民所得から生産 輸入品に課される税 を差し引いて補助金を加えたものを要素費用表示の国民所得 NI という NI 市場価格表示 =GNI- 固定資本減耗 NI 要素費用表示 =NI 市場価格表示 - 生産 輸入品に課される税 + 補助金 一般に国民所得というと 要素費用表示の国民所得を指すことが多いが GDP や GNI 等の国民経済計算上の付加価値総額をいう場合にも用いられることもある *1 三面等価が成立 : 実際には 三面で推計資料や推計方法が異なるため 統計上の不突合 で調整している *2 年率表示 : 前年 期 月 比は それが仮に 1 年間同じ率で推移すると仮定して 年率換算で表示することがある 年率表示の実質国内総支出の伸び 経済成長率 G は 瞬間風速と呼ばれ 次の計算式で求められる G={ 当期の実数 前期の実数 4-1} 1 実数は四半期データである * 国民総所得 GNI: 9SNA により国民総生産 GNP:Gross National Product から用語変更された 先進国では GDP が主流であるのに対し 我が国では長らく GNP が重視されていたが 近年は 国内の景気動向を把握するには経済主体の国籍にかかわらず 国内のすべての経済活動を対象としたほうがよいとの観点から GDP が重視されている *4 海外からの要素所得 : 海外で労働することで得られた給与 報酬と海外への投資や貸付によって得られる配当や利子 景気基準日付 第 1 循環 第 2 循環 第 循環 第 4 循環 第 循環 第 6 循環 第 7 循環 第 8 循環 第 9 循環 第 1 循環 第 循環 第 12 循環 第 1 循環 第 14 循環 第 1 循環 内閣府資料による は 西暦 谷山谷 1 年 1 月昭和 29 年 4 年 月昭和 年 8 年 6 月昭和 7 年 62 年 1 月昭和 4 年 6 年 1 月昭和 46 年 71 年 12 月昭和 年 7 年 月昭和 2 年 1 月昭和 8 年 8 年 2 月昭和 61 年 86 年 月平成 年 9 年 1 月平成 年 99 年 1 月平成 14 年 22 年 1 月平成 21 年 29 年 月 191 年 6 月昭和 29 年 4 年 1 月昭和 2 年 7 年 6 月昭和 6 年 61 年 12 月昭和 9 年 64 年 1 月昭和 4 年 7 年 7 月昭和 48 年 7 年 月昭和 2 年 1 月昭和 年 8 年 2 月昭和 6 年 8 年 6 月平成 年 91 年 2 月平成 9 年 97 年 月平成 12 年 2 年 月平成 2 年 28 年 2 月平成 24 年 月 191 年 1 月昭和 29 年 4 年 月昭和 年 8 年 6 月昭和 7 年 62 年 1 月昭和 4 年 6 年 1 月昭和 46 年 71 年 12 月昭和 年 7 年 月昭和 2 年 1 月昭和 8 年 8 年 2 月昭和 61 年 86 年 月平成 年 9 年 1 月平成 年 99 年 1 月平成 14 年 22 年 1 月平成 21 年 29 年 月平成 24 年 月 期間 参考 四半期基準日付 拡張 後退 全循環 山 谷 4ヵ月 191 年 191 年 4~6 月 1~12 月 27 ヵ月 1 ヵ月 7 ヵ月 1 ヵ月 12 ヵ月 4 ヵ月 42 ヵ月 1 ヵ月 2 ヵ月 24 ヵ月 12 ヵ月 6 ヵ月 7 ヵ月 17 ヵ月 74 ヵ月 2 ヵ月 16 ヵ月 9 ヵ月 22 ヵ月 9 ヵ月 1 ヵ月 28 ヵ月 6 ヵ月 64 ヵ月 28 ヵ月 17 ヵ月 4 ヵ月 1 ヵ月 2 ヵ月 8 ヵ月 4 ヵ月 2 ヵ月 6 ヵ月 22 ヵ月 14 ヵ月 6 ヵ月 7 ヵ月 1 ヵ月 86 ヵ月 6 ヵ月 8 ヵ月 44 ヵ月 昭和 29 年 4 年 1~ 月昭和 2 年 7 年 4~6 月昭和 6 年 61 年 1~12 月昭和 9 年 64 年 1~12 月昭和 4 年 7 年 7~9 月昭和 48 年 7 年 1~12 月昭和 2 年 1~ 月昭和 年 8 年 1~ 月昭和 6 年 8 年 4~6 月平成 年 91 年 1~ 月平成 9 年 97 年 4~6 月平成 12 年 2 年 1~12 月平成 2 年 28 年 1~ 月平成 24 年 1~ 月 昭和 29 年 4 年 1~12 月昭和 年 8 年 4~6 月昭和 7 年 62 年 1~12 月昭和 4 年 6 年 1~12 月昭和 46 年 71 年 1~12 月昭和 年 7 年 1~ 月昭和 2 年 1~12 月昭和 8 年 8 年 1~ 月昭和 61 年 86 年 1~12 月平成 年 9 年 1~12 月平成 年 99 年 1~ 月平成 14 年 22 年 1~ 月平成 21 年 29 年 1~ 月平成 24 年 1~12 月