12月の当国政情(内政・外交)

Similar documents
12月の当国政情(内政・外交)

12月の当国政情(内政・外交)

安全保障会議 ( 現行 ) の概要 ( 構成 ) 委員長 : 内閣官房長官 委 安全保障会議 ( 構成 ) 議長 : 内閣総理大臣 事態対処専門委員会 内閣総理大臣の諮問に基づき 以下の事項を審議 国防の基本方針 防衛計画の大綱 対処基本方針 武力攻撃事態 / 周辺事態等への対処 / 自衛隊法第 3

12月の当国政情(内政・外交)

12月の当国政情(内政・外交)

日本のアルゼンチンにおける産業協力

貿易拡大による成長を模索する中南米

改正された事項 ( 平成 23 年 12 月 2 日公布 施行 ) 増税 減税 1. 復興増税 企業関係 法人税額の 10% を 3 年間上乗せ 法人税の臨時増税 復興特別法人税の創設 1 復興特別法人税の内容 a. 納税義務者は? 法人 ( 収益事業を行うなどの人格のない社団等及び法人課税信託の引

ANNUAL REPORT

別紙 1 1. 日 セネガル官民インフラ会議 (1 月 9 日 ) (1) 日時 : 平成 30 年 1 月 9 日 ( 火 ) (2) 場所 : セネガル共和国ダカール市内国際会議場 CICAD(Centre international de conférences Abdou Diouf) (3

年間授業計画09.xls

Microsoft Word - BH月報(平成30年10月)

仮訳 日本と ASEAN 各国との二国間金融協力について 2013 年 5 月 3 日 ( 於 : インド デリー ) 日本は ASEAN+3 財務大臣 中央銀行総裁プロセスの下 チェンマイ イニシアティブやアジア債券市場育成イニシアティブ等の地域金融協力を推進してきました また 日本は中国や韓国を

<4D F736F F D208E9197BF E88E68EE58CA C490BA96BE95B62E444F43>

朝日 TV 2015/4/18-19 原発政策安倍内閣は 今後の電力供給のあり方について検討しているなかで 2030 年時点で 電力の 2 割程度を 原子力発電で賄う方針を示しています あなたは これを支持しますか 支持しませんか? 支持する 29% 支持しない 53% わからない 答えない 18%

ICSID ファクトシート

SGEC 附属文書 理事会 統合 CoC 管理事業体の要件 目次序文 1 適用範囲 2 定義 3 統合 CoC 管理事業体組織の適格基準 4 統合 CoC 管理事業体で実施される SGEC 文書 4 CoC 認証ガイドライン の要求事項に関わる責任の適用範囲 序文

検査の背景 (1) 事業者免税点制度消費一般に幅広く負担を求めるという消費税の課税の趣旨等の観点からは 消費税の納税義務を免除される事業者 ( 以下 免税事業者 という ) は極力設けないことが望ましいとされている 一方 小規模事業者の事務処理能力等を勘案し 課税期間に係る基準期間 ( 個人事業者で

NEWS 2020 速報 の一部を改正する法律案 REPORT 総会の様子 2025 GDP 3 02 vol

条第一項に規定する国際平和協力業務の実施等に関する重要事項九自衛隊法 ( 昭和二十九年法律第百六十五号 ) 第六章に規定する自衛隊の行動に関する重要事項 ( 第四号から前号までに掲げるものを除く ) 十国防に関する重要事項 ( 前各号に掲げるものを除く ) 十一国家安全保障に関する外交政策及び防衛政

公職選挙法・政治資金規正法・

Transcription:

チリ政治情勢報告 (8 月 ) 平成 30 年 9 月 1 概要 (1) 内政では, 政権発足後初の閣僚交代が行われたほか, ピニェラ大統領が税制改革法案に署名したことが発表された また,7 月のAdimark GfK 社の世論調査が発表され, 大統領支持率は前月と同じ52% を維持 (2) 外交では, ピニェラ大統領がコロンビアを訪問し, 大統領就任式に出席した アンプエロ外相は, パラグアイを訪問, 大統領就任式に出席したほか, エクアドルを訪問し, バレンシア エクアドル外相と会談を行った サンチェス西首相, マティス米国防長官などが訪智し, ピ 大統領と会談した 2 内政 (1)Adimark GfK 社の世論調査 (7 月 ) 3 日, 当地主要調査機関 Adimark GfK 社は7 月の世論調査結果を発表した 大統領 ( 政権 ) 支持率支持 :52%( 前回から変化なし ), 不支持 :41%( 前回比 +1ポイント ) (2) 閣僚 3 名 ( 教育大臣, 環境大臣, 文化 芸術 遺産大臣 ) の交代 9 日, ピニェラ大統領は, 一部閣僚のコミュニケーション上のミスなどを受けて, 政権発足後初めてとなる閣僚 3 名の交代を行った ア教育大臣 :( 旧 ) ヘラルド バレラ ( 新 ) マルセラ クビージョス ( ク 大臣は, 環境大臣から教育大臣に横滑りとなった 2002-10 年まで下院議員を務め, 下院教育委員会のメンバーであった ) イ環境大臣 :( 旧 ) マルセラ クビージョス ( 新 ) カロリナ シュミット ( シュ 大臣は, 第一次ピニェラ政権時に国家女性事業局大臣 ( 現在の女性 ジェンダー 平等大臣 ) 及び教育大臣を務めた ) ウ文化 芸術 遺産大臣 :( 旧 ) アレハンドラ ペレス ( 新 ) マウリシオ ロハス ( マ 大臣は, 大統領のスピーチライターを務め, これまで閣僚経験はない ) ( 注 : マ 大臣は13 日に辞任 以下 (3) 参照 ) (3) 文化 芸術 遺産大臣の交代 13 日, マウリシオ ロハス文化 芸術 遺産大臣 ( 同月 9 日に就任 ) が辞任し, ピニェラ大統領は新たに, コンスエロ バルデス チャドウィック氏を文化 芸術 遺産大臣に任命した ロ 前文化 芸術 遺産大臣は,2015 年に発表された書籍において, 記憶と人権ミュージアム は, 左派系によるチリの歴史の でっち上げ である, と批判をしていたことが取り上げ 1

られ, 激しい批判にさらされ, 就任 4 日後の 13 日に辞職を申し出ることとなった (4) バチェレ前大統領の次期国連人権高等弁務官指名 8 日及び9 日当地 ラ テルセラ 紙は, バチェレ前大統領の次期国連人権高等弁務官指名について報じた ( 注 :10 日に行われた国連総会にて, バ 前大統領の国連人権高等弁務官就任が承認された ) ア 8 日付 ラ テルセラ 紙本水曜 (8 日 ) のロイター通信社の報道によると, 国連は バ 氏を次期国連人権高等弁務官として選出することを決めた イ 9 日付 ラ テルセラ 紙 10 日 ( 金 ) に予定されている国連総会本会議において, バ 前大統領の国連人権高等弁務官への就任が承認される予定となっている バ 前大統領はグテーレス国連事務総長が支持する候補であり, 国連加盟国からも支持されるであろうことから, 通例であれば, 投票なしで承認がなされることとなるだろう (5) カロリナ バルディビア外務次官の任命 10 日, ピニェラ大統領は, 米国大使として転出のシルバ外務次官の後任として, カロリナ バ ルディビア氏 ( 外務省法務局長 ) を任命する旨発表した (6) テレワーク法案の発表 9 日, ピニェラ大統領は, モレル大統領夫人, モンケベルグ労働大臣, アラブ労働次官とともに, 労働法制の近代化を目指すテレワーク法案を発表した 本法案は, 雇用者 被雇用者双方に雇用形態を選択する自主性を与え, テレワーク雇用形態の際は原則として, 労働時間の制限から除外されるが, 例外として労働時間制限を設けることも双方の同意により認められる (7)2019 年以降の冬時間適用期間の延長 13 日, エネルギー省は,2019 年から冬時間の適用を,4 月の第 1 土曜日から9 月の第 1 土曜日までの5カ月間に延長する旨発表した なお, 冬時間実施中の日本との時差は-13 時間 なお, マガジャネス イ デ ラ アンタルティカ チレーナ ( 第 12) 州では住民の決定に基づき, 上記冬時間の適用はなく通年夏時間が適用されることとなっている 今回の冬時間の延長は, 現政権下 (2022 年 3 月まで ) において維持される予定 (8) ピニェラ大統領の税制改革法案に関する声明 22 日, チリ大統領府は, 昨 21 日に行われたピニェラ大統領の税制改革法案に関する国民に対する声明文を発出し, 税制を近代化する法案に署名したことを発表した 法案は, 中小企業優遇税制を除いて, より簡素で公平で統合された税制を創設し, 企業による源 2

泉徴収と15 万社以上の中小企業, 大企業, 個人の生活を改善することを目的とし, 以下の取組を盛り込む アアラウカニア州を対象とした即時償却を含む減価償却インセンティブの導入イ中小企業税制の改善ウ租税回避を防ぐ規則強化エ辺境地への投資誘致のための免税措置の2035 年までの延長オ住宅取得奨励措置の限度額の2000UFから4000UFまでの拡大カ当局の恣意的措置や不法行為に対する納税者抗告制度の創設キ企業による生活必需品等の寄付控除クインボイスの電子化の適用による付加価値税 (VAT) の仕入税額控除の創設ケ国際税務ルールによる税制の簡素化と現代化コ電子商取引と従来取引との課税の均衡サ環境汚染に対するグリーン税制の改善シ社会開発, インフラ整備のための徴税能力の強化 (9) カトリック教会内の性的虐待及び事実隠ぺい事件について昨今, チリ国内において, チリ カトリック教会の教会内における性的虐待及びサンティアゴ大司教であるエサッティ枢機卿による同事実隠ぺい等が再び問題となっている 本年 5 月, オスカル ムニョス サンティアゴ大司教区司祭の児童への性的虐待 ( 本年 1 月自首により発覚 ) 及びカトリック教会内の虐待被害告発に関連する文書毀損の疑いで, オヒギンス州ランカグア市検察が調査を開始した 本年 7 月 27 日, ピニェラ大統領は, 検察による捜査が行われている現状を受け, 独立記念日の 9 月 18 日に行われる テ デウム に出席しない可能性を示唆した 上記を受けて8 月 4 日, エ 枢機卿は, 書簡にて, テ デウム を自身( エ 枢機卿) が主催しないことを発表し, これに対し, ピ 大統領は, エ 枢機卿の同発表を尊重するとした (10) 最高裁刑事法廷の判事 3 名に対する弾劾決議案の提出 7 月 31 日及び8 月 1 日に最高裁刑事法廷 (3 名の判事と2 名の弁護士からなる ) は, 全会一致で, 拷問, 誘拐, 殺人など様々な人権侵害で服役中の7 名の受刑者の仮釈放を認めた 仮釈放は, 国内の法的要件 ( 良好な受刑態度, 刑期の半分が経過したこと等 ) を満たしていることから認められた 上記を受け,8 月 23 日,10 名の野党 ( 左派 ) の下院議員は, 最高裁刑事法廷判事 3 名 (2 名の弁護士は弾劾対象ではない ) に対する弾劾決議案を提出した 同決議案は, 以下の2 点について, 今回仮釈放を承認した判事 3 名の憲法上の責任を問うものである ア仮釈放の承認プロセスにおける甚だしい職務怠慢 イ仮釈放を承認したことは, 人道に対する罪の無処罰化に繋がる 3

3 外交 (1) チリ政府要人の外国訪問アピニェラ大統領のコロンビア訪問 7 日, ピニェラ大統領は, 同日午後に行われる大統領就任式に出席するためボゴタを訪れ, 同地にてドゥケ次期コロンビア大統領と会談し, 地域発展, 二国間関係及び南米大陸における民主主義及び制度の安定性強化について意見交換をした イアンプエロ外相のパラグアイ訪問 14~15 日, アンプエロ外相はパラグアイを訪問し, ベニテス パラグアイ大統領就任式に出席したほか, 南米諸国の外相とバイ会談を行った また, ア 外相は, 初の海外事務所をアスンシオンに開設した ZOFRI 社の開所式に出席した ア 外相は, 南米諸国 ( アルゼンチン, ウルグアイ, コロンビア, ペルー, ブラジル ) の外相との会談の中で南米諸国連合 (UNASUR) について話し合い, 今後, 現在一時凍結状態にある同組織から, チリが離脱する可能性があると述べた ウアンプエロ大臣のエクアドル訪問 8 月 30~31 日, アンプエロ外相はエクアドルを訪問し, バレンシア エクアドル外相と会談し, 二国間協力及び統合のほか, 地域情勢について意見交換した 会談の後, 両外相は両国間の閣僚級協議会の創設, 両国の外交官学校間の協力及びチリの 健康に生きることを選ぼう (Elige Vivir Sano) とエクアドルの 国民福祉計画(Plan Toda una Vida) 間における経験の交換に関する共同宣言に署名した (2) 外国要人の訪智アマティス米国防長官の訪智 16 日, マティス米国防長官は, ピニェラ大統領及びエスピナ国防大臣と会談し, 両国間のサイバーセキュリティ及び科学技術分野における協力のほか,RIMPAC 等の国際協力, 災害 人道支援等について意見交換した マ 国防長官は, チリの自然災害での協力や人道支援に対する尽力, 中米及びカリブ海地域における技術協力及びインド太平洋での多国間演習といった国際協力に加え, アメリカ全体の民主主義の安定に向けて同半球全体を支援してきた地域内でのリーダーシップを評価した 会談後両国は, サイバーセキュリティ及びサイバー防衛に関する協力の意向を表明する共同宣言に署名した イサンチェス西首相の訪智 27 日, サンチェス西首相はチリを訪問し, ピニェラ大統領との会談を行い, 良好な二国間関係を強調した 両者は, ベネズエラ情勢やサイバーセキュリティといった多国間 地域間の関係に関するテーマについて取り組んだ また, 現在交渉中のチリ EU 間のEPAのアップデートについても議論し, ジェンダー平等, イノベーション, 持続可能な開発の要素を取り込むことを目指すとした ウチリ伯間 2+2 会合開催及び防衛関係文書への署名 9 日, チリ外務省は, ブラジルとの間での外務防衛閣僚会合 (2+2) を実施し, アンプエロ外 4

相のほか, エスピナ チリ国防相, ヌネス伯外務大臣及びシルヴァ イ ルーナ伯国防大臣が参加した 会合では, 国際政治, 国際経済, ベネズエラやニカラグアにおける危機に関する地域的な課題, 南極での活動や科学技術における協力, ジェンダーといった主要テーマに加え, 二国間貿易協定交渉の更なる進展等を通じて太平洋同盟とメルコスール間の融合を進めるための両国の強調について話し合われた 会合後, 両国は以下の3つの文書に署名した ( ア ) 防衛協力に関するチリ伯間協定の補足議定書 ( イ ) データ交換及び防衛カタログ業務に関する補足議定書 ( ウ ) サイバー防衛協力に関する声明エ第 9 回チリ アルゼンチン閣僚級会合の実施 21~22 日, 第 9 回チリ アルゼンチン閣僚級会合がチリで行われ, 両国の閣僚及び知事が出席した ( 閣僚は智 23 名, 亜 19 名 知事は智 14 名, 亜 15 名 ) 同会合では, 以下の6つの軸に焦点を当て協議され, 中華人民共和国国民に対して発行される両国の観光ビザの相互承認に関する合意を含む合計 14の多きにわたる分野に関する合意文書に署名された ( ア ) 統合に向けたインフラ整備, スムーズな国境移動及び連結性 ( イ ) 発展のための経済統合 ( ウ ) 環境及び天然資源の持続的活用 ( エ ) 統合に向けての安全保障及び防衛 ( オ ) 文化及び人間の統合 ( カ ) 人間開発に関する協力さらに, 同閣僚級会合のマージンで ア 外相は, フォ 外務 宗教相とバイ会談を行い, 二国間の良好な関係を強調したほか, 両国の外務及び国防両大臣に加え, 両国の専門家も参加した, アルゼンチンとの外務防衛閣僚会合 (2+2) に出席した 5