国際成人力調査(PIAAC) 調査結果の概要

Similar documents
<4D F736F F D20819A F F15F907D955C93FC82E F193B989F08BD682C882B5816A2E646F6378>

OECD生徒の学習到達度調査(PISA2012)のポイント|国立教育政策研究所 National Institute for Educational Policy Research

OECD-PISA国際報告書

国民 1 人当たり GDP (OECD 加盟国 ) ( 付表 2)OECD 加盟国の国民 1 人当たりGDP(2002~2009 年 ) 2002 年 2003 年 2004 年 2005 年 1 ルクセンブルク 58,709 ルクセンブルク 59,951 ルクセンブルク 64,016 ルクセンブル

コンピュータ使用型調査について 情報通信技術 (ICT) を切り離すことができない現代社会にあって生徒の知識や技能を活用する能力を測るため また よりインタラクティブで多様な文脈の問題を提示するため コンピュータ使用型調査に移行された 科学的リテラシーのみ シミュレーションが含まれた新規問題を出題し

資料5 TIMSS2007関連資料

2017 年訪日外客数 ( 総数 ) 出典 : 日本政府観光局 (JNTO) 総数 2,295, ,035, ,205, ,578, ,294, ,346, ,681, ,477

国際数学・理科教育動向調査(TIMSS)結果の推移

Microsoft PowerPoint EU経済格差

<81798DC58F4994C5817A AEE91628E9197BF8F B95D2816A5F >

1999

図 1 生徒の科学に対する態度 (2006 年 2015 年 ) ( 項目例 ) 科学の話題について学んでいるときは たいてい楽しい 科学についての本を読むのが好きだ 図 1 生徒の科学に対する態度 2 科学の楽しさ 指標 の変化 ( 項目例

1. 世界における日 経済 人口 (216 年 ) GDP(216 年 ) 貿易 ( 輸出 + 輸入 )(216 年 ) +=8.6% +=28.4% +=36.8% 1.7% 6.9% 6.6% 4.% 68.6% 中国 18.5% 米国 4.3% 32.1% 中国 14.9% 米国 24.7%

社会保障給付の規模 伸びと経済との関係 (2) 年金 平成 16 年年金制度改革において 少子化 高齢化の進展や平均寿命の伸び等に応じて給付水準を調整する マクロ経済スライド の導入により年金給付額の伸びはの伸びとほぼ同程度に収まる ( ) マクロ経済スライド の導入により年金給付額の伸びは 1.6


<4D F736F F F696E74202D2090E096BE8E9197BF288A F984A93AD90B68E5990AB82CC8D918DDB94E48A E B8CDD8AB B83685D>

<4D F736F F D DC58F4994C5817A C A838A815B83585F984A93AD90B68E5990AB82CC8D918DDB94E48A E646F6378>

JNTO

国際数学・理科教育動向調査(TIMSS2015)のポイント

OECD 大人の学力 について 上村文隆 1 大人の学力は世界一? 学校教育や職業訓練など人材育成の参考にしようと OECDが始めておこなった検査の結果がマスコミなどで取り上げられている 今まで 子どもの学力が下がったと批判されてきたが 大人の学力 はどうなのかというとつい興味が出てくる 文科省の分

( 0-6) (() 第 4 段階第 3 段階第 2 段階第 1 段階点数 0-6 点数 0-6 点数 0-6 点数 0-6 雇用保護法制全体指標 Version2 Version1 常用雇用 ( 正規雇

DOCSIS 3.0( 単独 ) LTE WiMAX 衛星ブロードバンド 各技術を統合した算出基準 : ブロードバンド総合カバレッジ - 衛星ブロードバンドを除いた上記の接続技術を対象 固定ブロードバンド総合カバレッジ - 衛星 HSPA LTE を除いた上記の接続技術を対象 NGA カバレッジ -

子どもの貧困第2稿.indd

40号表1

ITI-stat91

省CO2型都市づくりのための自転車利用促進策にかかる調査報告書

日本及び多くの OECD 加盟国において 教育がもたらす経済的効果は大きい 個人所得は 受けた教育段階が進むごとに上昇し とりわけ高等教育の修了によって大きく上昇する 日本において 高等学校を修了していない労働者の所得は 高等学校修了者の 80% しかない 逆に 大学修了者は 高等学校しか修了してい

OECD生徒の学習到達度調査

i?e¨CXiN10ae24i?

ご参考資料 オーナー経営者経営者の意識調査 - 概要 - 調査期間 2003 年 9 月 1 日 ~10 月 31 日 調査機関日本では ASG グループが本調査の主体になり 日経リサーチ社に調査を委託した 調査の一貫性を保つために 各国のデータの取りまとめは 国際的な調査機関である Wirthli

1

2017 電波産業調査統計

日 本 の 成 人 の 読 解 力 と 数 的 思 考 力 は 参 加 中 1 位 となった 日 本 の 成 人 の IT を 活 用 した 問 題 解 決 能 力 は 平 均 並 みだった 日 本 は 成 人 力 調 査 の 読 解 力 が 上 位 3 レベルとなった 生 産 年 齢 (16~65

Microsoft PowerPoint - arai [互換モード]

教育 学びのイノベーション事業 ( 平成 23~25 年度 ) 総務省と連携し 一人一台の情報端末や電子黒板 無線 LAN 等が整備された環境の下で 教科指導や特別支援教育において ICT を効果的に活用して 子供たちが主体的に学習する 新たな学び を創造する実証研究を実施 小学校 (10 校 )

平成○年○月○日

男女間の賃金格差問題に関する研究会報告

<4D F736F F D E9197BF342D32817A B7982D BF CC8EA993AE8ED482C98AD682B782E990A28A458B5A8F708B4B91A582CC93B193FC8B7982D18D B4B91A D A89BB82C982C282A282C42E646F6378>

2006年度センター科研合宿@長浜

1. 職業的スキルの位置と分析の意義 PIAAC 調査は が 1997 年にスタートさせた コンピテンシーの定義と選択 (DeSeCo) プロジェクトでの成果を踏まえて実施されたものである DeSeCo プロジェクトにおいては 人間の社会的行動に関わる基本的なスキルの可視化を図りつつそれらを測定し

OECD よりよい暮らしイニシアチブ (OECD Better Life Initiative) は 人々の生活の質を形成する重要な生活の諸側面に焦点を当てたもので 2011 年に始まりました このイニシアチブは定期的に更新される幸福指標とその分析からなっており How's Life? と題する報告

Microsoft Word - 10 統計 参考.doc

Data Explorerの使い方|国立教育政策研究所 National Institute for Educational Policy Research

中国の高等教育の発展状況 1. 中国では 1990 年代末から大学を大幅に拡充した 大学入学者の人数は 12 年間で 6 倍に増え 2010 年は 650 万人が入学した ( 日本の約 11 倍 ) 2. 大学院も同様に大幅拡充され 大学院に在学する学生の数は 2000 年以降 10 年間で6 倍

1.ASEAN 概要 (1) 現在の ASEAN(216 年 ) 加盟国 (1カ国: ブルネイ カンボジア インドネシア ラオス マレーシア ミャンマー フィリピン シンガポール タイ ベトナム ) 面積 449 万 km2 日本 (37.8 万 km2 ) の11.9 倍 世界 (1 億 3,43

金融調査研究会報告書 少子高齢化社会の進展と今後の経済成長を支える金融ビジネスのあり方

国際会議等への参加のために行った受入れ状況

Microsoft Word - 校了 11 統計 ①増田、田辺.doc

参考:労働統計機関一覧|データブック国際労働比較2018|JILPT

①H28公表資料p.1~2

Microsoft Word IHO S-66 日本語版(表紙・目次).docx

はじめに 本報告書は,2015 年に実施された OECD( 経済協力開発機構 ) 生徒の学習到達度調査 (PISA:Programme for International Student Assessment) のうち, 革新分野として実施された協同問題解決能力調査の国際調査結果を基に, 日本にとっ

H

地域別世界のエアコン需要の推定について 2018 年 4 月一般社団法人日本冷凍空調工業会日本冷凍空調工業会ではこのほど 2017 年までの世界各国のエアコン需要の推定結果をまとめましたのでご紹介します この推定は 工業会の空調グローバル委員会が毎年行なっているもので 今回は 2012 年から 20

地域別世界のエアコン需要の推定について 年 月 一般社団法人 日本冷凍空調工業会 日本冷凍空調工業会ではこのほど 年までの世界各国のエアコン需要の推定結果を まとめましたのでご紹介します この推定は 工業会の空調グローバル委員会が毎年行 なっているもので 今回は 年から 年までの過去 ヵ年について主

早稲田大学外国人学生数集計 2018 年 05 月 01 日現在 ( 概況 1) 区分 合計 国際教養 1 年 プログラム 私費 国費 交換 総計

JP_ACL_LATITUDE_Communicator_Switches_ docx

早稲田大学外国人学生数集計 2017 年 11 月 01 日現在 ( 概況 1) 区分 合計 国際教養 1 年 プログラム 私費 国費 交換 総計

42


1.ASEAN 概要 (1) 現在の ASEAN(217 年 ) 加盟国 (1カ国: ブルネイ カンボジア インドネシア ラオス マレーシア ミャンマー フィリピン シンガポール タイ ベトナム ) 面積 449 万 km2 日本 (37.8 万 km2 ) の11.9 倍 世界 (1 億 3,43

資料2  SJAC提出資料

(2) 国語科 国語 A 国語 A においては 平均正答率が平均を上回っている 国語 A の正答数の分布では 平均に比べ 中位層が薄く 上位層 下位層が厚い傾向が見られる 漢字を読む 漢字を書く 設問において 平均正答率が平均を下回っている 国語 B 国語 B においては 平均正答率が平均を上回って

2009年度調査国際結果の要約

Microsoft Word - 世界のエアコン2014 (Word)

サポートされている国番号

_3.indd

リサーチ Press Release 報道関係者各位 2015 年 7 月 29 日 アウンコンサルティング株式会社 世界 40 カ国 主要 OS 機種シェア状況 2015 年 6 月 ~ iphone 大国 日本 高い Apple シェア率 ~ アジア 8 拠点で SEM( 検索エンジンマーケティ

電通、「ジャパンブランド調査2019」を実施

p.1~2◇◇Ⅰ調査の概要、Ⅱ公表について、Ⅲ_1教科に対する調査の結果_0821_2改訂

資料 2 国際宇宙ステーション (ISS) 計画概要 平成 26 年 4 月 23 日 ( 水 ) 文部科学省研究開発局 1

ヨーロッパ各国における乗用車の安全要件

スライド 1

早稲田大学外国人学生数集計 2017 年 05 月 01 日現在 ( 概況 1) 区分 合計 国際教養 1 年 プログラム 私費 国費 交換 総計

摂南経済研究第 4 巻第 1 2 号 (2014) 較検討するのも興味深いことであるが ここではあくまでも 2011 年のデータの提示のみに終始し 分析 検討は改めて順次おこなってみたい 後者の目的にかかわる国際観光輸出 輸入 収支については 前掲の 国際観光論 において 2000 年から 2008

平成28年版高齢社会白書(概要版)

NGGWIN_特集1_ワーホリ_校了.indd

GGCレポート201601

平成14年度社会保障給付費(概要)

NTTドコモの挑戦

欧州特許機構 38 か国のヨーロッパ加盟国ベルギー ドイツ フランス ルクセンブルグ オランダ スイス イギリス スウェーデン イタリア オーストリア リヒテンシュタイン ギリシャ スペイン デンマーク モナコ ポルトガル アイルランド フィンランド キプロス トルコ ブルガリア チェコ エストニア

平成27年度高等学校等における国際交流等の状況について

社会通信教育に関する実態調査 報告書

野村資本市場研究所|EUにおける「IFRS強制適用」はどの程度強制的だったのか(PDF)

平成 28 年度全国学力 学習状況調査の結果伊達市教育委員会〇平成 28 年 4 月 19 日 ( 火 ) に実施した平成 28 年度全国学力 学習状況調査の北海道における参加状況は 下記のとおりである 北海道 伊達市 ( 星の丘小 中学校を除く ) 学校数 児童生徒数 学校数 児童生徒数 小学校

H30全国HP

Microsoft Word - 04_data_product_4

アジア/世界エネルギーアウトルック 2013

お知らせ 平成 27 年 2 月 2 日 公益財団法人京都文化交流コンベンションビューロー 平成 26 年 12 月外国人客宿泊状況調査 の発表について ( 公財 ) 京都文化交流コンベンションビューローでは 京都市内 25 ホテルの協力 を得て月別 国籍別宿泊外国人の状況調査を行っております 平成

リサーチ Press Release 報道関係者各位 2015 年 6 月 3 日 アウンコンサルティング株式会社 世界 40 カ国 主要検索エンジンシェア検索エンジンシェア PC モバイル ~Google はトップシェアを維持 ~ アジア 7 拠点で SEM( 検索エンジンマーケティング ) サー

PowerPoint プレゼンテーション


PowerPoint プレゼンテーション

訪日数 JNTO 日本政府観光局統計より〇 2 月の訪日外客数 138 万 7,000 人 ( 前年同月 157.6%) 〇中国が月間過去最高 史上初単月で 35 万 9 千人 (359,100 人前年同月 259.8%) 〇東アジア ( 中国 台湾 韓国 香港 ) だけで構成比が約 8 割 ( 前

銅地金輸入 ( その2) HS モンゴル 0 0 ラオス 0 0 イラン 0 0 オマーン 0 0 ウズベキスタン 0 0 ノルウェー 0 0 ポーランド 0 0 コンゴ共和国 0 0 コンゴ民主共和国 0 0 タンザニア 0 0 モザンビーク 0 0 ジンバブエ 0 0 ニ


銅地金輸入 ( その2) HS モンゴル 0 0 ラオス 0 0 イラン 0 0 オマーン 0 0 ウズベキスタン 0 0 ノルウェー 0 0 ポーランド 0 0 コンゴ共和国 0 0 コンゴ民主共和国 0 0 タンザニア 0 0 モザンビーク 0 0 ジンバブエ 0 0 ニ

ASEANにおける教育の充実と経済成長

銅地金輸入 ( その2) HS モンゴル 0 0 ラオス 0 0 イラン 0 0 オマーン 0 0 ウズベキスタン 0 0 ノルウェー 0 0 ポーランド 0 0 コンゴ共和国 0 0 コンゴ民主共和国 0 0 タンザニア 0 0 モザンビーク 0 0 ジンバブエ 0 0 ニ

企業会計審議会による海外調査を実施していない国における IFRS 適用状況についても調査するため 金融庁において IFRS 適用状況に関する調査を実施した 具体的には 一般的に 1 IFRS 適用国とされている国を参考に 122 カ国に対し 2011 年 12 月 21 日 現地の日本大使館を経由し

Transcription:

OECD 国際成人力調査 PIAAC : Programme for the International Assessment of Adult Competencies 調査結果の概要 本件連絡先 文部科学省生涯学習政策局政策課 主任社会教育官 亀岡 雄 ( 内線 2637) 調査統計企画室長 柳澤 好治 ( 内線 3476) 専門官 石丸 成人 ( 内線 3473) 分析調査官 丹生久美子 ( 内線 2981) 国立教育政策研究所国際研究 協力部長 小桐間徳 ( 内線 6950) 総括研究官 向後明希子 ( 内線 6548)

我が国は OECD( 経済協力開発機構 ) の 国際成人力調査 (Programme for the International Assessment of Adult Competencies : PIAAC) に参加し 平成 23 年 8 月から翌年 2 月にかけて調査を実施したところ 平成 25 年 10 月 8 日に OECD からその調査結果が公表されることになっている 本資料は 我が国の調査結果の概要を取りまとめたものである なお 調査に関する詳細については 別途 国立教育政策研究所により版報告書として取りまとめられている PIAAC の概要 16 歳から 6 5 歳の成人を対象として 社会生活において成人に求められる能力のうち 読解力 数的思考力 IT を活用した問題解決能力の 3 分野のスキルの習熟度を測定するとともに スキルと年齢 学歴 所得等との関連を調査 OECD が実施する国際調査であり 今回が初めての実施となる 24 か国 地域において 約 15 万 7 千人を対象に実施 目的 PIAAC は 各国の成人のスキルの状況を把握し 成人のスキルの社会経済への影響や スキルの向上に対する教育訓練制度の効果などを検証し 各国における学校教育や職業訓練など今後の人材育成政策の参考となる知見を得ることを目的としている 背景 経済のグローバル化や知識基盤社会への移行に伴い OECD に加盟する先進国では 雇用を確保し経済成長を促すため 国民のスキルを高める必要があるとの認識が広まっている このような中 OECD では 各国の成人のスキルの状況を把握し 各国の政策に資する知見を得ることを目的として 本調査を実施した 実施体制 国際的には OECD に置かれた参加国の政府代表で構成される PIAAC 参加国会議が決定した枠組みの下 米国の ETS やドイツ国際教育研究所など複数の専門機関で構成される国際コンソーシアムが調査を実施した 我が国では 国立教育政策研究所が実施機関となり 国際的な取り決めにしたがって 国内調査を実施した 参加国 アイルランド アメリカ イギリス イタリア エストニア オーストラリア オーストリア オランダ カナダ 韓国 キプロス * スウェーデン スペイン スロバギア チェコ デンマーク ドイツ ノルウェー フィンランド フランス ベルギー ポーランド ロシア * 24 か国 地域 ( 注 ) * 印のキプロスとロシアは OECD 非加盟国 イギリス ( イングランド 北アイルランド ) とベルギー ( フランドル ) は国内の一部地域が参加 なお 今回公表のロシアのデータには モスクワ市のデータが含まれていない 1

調査期間 平成 23 年 8 月 ~ 平成 24 年 2 月 調査対象 平成 23 年 12 月 1 日を基準日として 16 歳以上 65 歳以下の男女 11,000 人を住民基本台帳から層化二段抽出法によって無作為に選定し 5,173 人より回答を得た 未成年者については 保護者の同意を得た上で調査を行った 外国人については 平成 23 年時点で住民基本台帳に外国人が掲載されていなかったことから 本調査の対象外となっている なお 平成 23 年 3 月 11 日の東大震災の発生を受け 震災の被災地域 ( 災害救助法の適用地域 ) は調査地点から除外することとした 調査内容 読解力 数的思考力 IT を活用した問題解決能力の 3 分野のスキルを調査 また 年齢や性別 学歴 職業などに関する背景調査を併せて実施 知識の有無を問うのではなく 日常生活の様々な状況の中で情報を活用するスキルを重視 数学の公式などの知識がないと解けない問題が出題されることはない ( 参考 ) PIAAC で調査する 3 つのスキル < 版報告書の抜粋 > 読解力 (Literacy) 社会に参加し 自らの目標を達成し 自らの知識と可能性を発展させるために 書かれたテキストを理解し 評価し 利用し これに取り組む能力 ホテルなどにある電話のかけ方の説明を読んで 指定された相手に電話をする 図書館の蔵書検索システムを使って 指定された条件に合う本を選ぶ 数的思考力 (Numeracy) 成人の生活において さまざまな状況の下での数学的な必要性に関わり 対処していくために数学的な情報や概念にアクセスし 利用し 解釈し 伝達する能力 食品の成分表示を見て その食品の一日の許容摂取量を答える 商品の生産量に関する表を見て グラフを作成する IT を活用した問題解決能力 (Problem solving in technology-rich environments) 情報を獲得 評価し 他者とコミュニケーションをし 実際的なタスクを遂行するために デジタル技術 コミュニケーションツール及びネットワークを活用する能力 指定された条件を満たす商品をインターネットで購入する 表計算ソフトで作成された名簿を用いて 条件を満たす人のリストを作成した上で そのリストをメールで送信する 2

調査方法 対象者の自宅等において 専用のパソコンを用いて対面方式で調査を実施 最初に 調査員が質問項目を読み上げ 回答を入力する方法で背景調査を行い その後 読解力 数的思考力 IT を活用した問題解決能力に関する調査を実施 対象者は 読解力 数的思考力 IT を活用した問題解決能力のうち 1~2 分野について 各 20 問程度の問題を回答 回答時間に制限はないが 所要時間は背景調査を含め概ね 1 時間半から 2 時間 調査は 原則として パソコンを用いたコンピュータ調査により行われるが 以下の場合には 紙での調査を行う なお 紙調査の場合 IT を活用した問題解決能力の調査は行わない 1 背景調査において コンピュータを使った経験がない と回答した場合 2 コンピュータ調査を拒否し 自ら紙調査を希望した場合 3 コンピュータの導入試験 (ICT コア ) で 不合格 となった場合 結果の分析尺度 調査結果は 0 点から 500 点の間のスケールで示されている PIAAC では 調査分野ごとに 各問題項目の難易度をもとに得点をスケール化し 習熟度レベル (Proficiency level) に分け 読解力と数的思考力は 6 段階 ( 高い順に レベル 5, レベル 4, レベル 3, レベル 2, レベル 1, レベル 1 未満 ) IT を活用した問題解決能力は 4 段階 ( 高い順に レベル 3, レベル 2, レベル 1, レベル 1 未満 ) で評価している 図 1.PIAAC の調査設計 ( 注 ) は 読解力の基礎的要素 の調査には参加していない 3

全体結果の概要 我が国は 読解力 数的思考力の 2 分野において平均得点で参加国中第 1 位という特筆すべき結果 IT を活用した問題解決能力については コンピュータ調査を受けなかった者を母数に含めたレベル 2 3 の者の割合で見ると 並みに位置する 一方 コンピュータ調査を受けた者の平均得点では参加国中第 1 位 表 1. PIAAC の分野別結果の各国比較 ( ) 内は順位 国名 読解力 数的思考力 ITを活用した問題解決能力 平均得点 平均得点 レベル2 3の成人の割合 平均得点 273 269 34% 283 オーストラリア ( 4) 268(13) 38%( 6) 289( 3) オーストリア 269(17) 275(10) 32%(13) 284( 7) カナダ 273(11) 265(14) 37%( 7) 282(12) チェコ 274( 9) 276( 9) 33%(12) 283( 9) デンマーク 271(14) 278( 7) 39%( 5) 283( 8) エストニア 276( 7) 273(11) 28%(16) 278(16) フィンランド 288( 2) 282( 2) 42%( 2) 289( 2) フランス 262(21) 254(20) m m ドイツ 270(15) 272(12) 36%( 8) 283(11) アイルランド 267(20) 256(19) 25%(18) 277(18) イタリア 250(23) 247(22) m m 296( 1) 288( 1) 35%(10) 294( 1) 韓国 273(12) 263(16) 30%(15) 283(10) オランダ 284( 3) ( 4) 42%( 3) 286( 6) ノルウェー 278( 6) 278( 6) 41%( 4) 286( 5) ポーランド 267(19) (18) 19%(19) 275(19) スロバキア 274(10) 276( 8) 26%(17) 281(13) スペイン 252(22) 246(23) m m スウェーデン 279( 5) 279( 5) 44%( 1) 288( 4) アメリカ 270(16) 253(21) 31%(14) 277(17) ベルギー 275( 8) ( 3) 35%(11) 281(14) イギリス 272(13) 262(17) 35%( 9) (15) キプロス 269(18) 265(15) m m ( 注 ) IT を活用した問題解決能力の平均得点は PIAAC のデータを元にコンピュータ調査解答者を母数として国立教育政策研究所が算出 キプロス フランス イタリア スペインは IT を活用した問題解決能力分野に参加していない (m= データが得られない ) 表中の数値が同じであっても順位が異なる場合があるのは 小数点以下の差異による なお 本表にはロシアのデータは記載されていない よりも統計的に有意に高い国 と統計的に有意差がない国 よりも統計的に有意に低い国 4

読解力に関する結果概要 読解力に関して 我が国の平均得点は 296 点であり 273 点を大きく上回り 参加国中第 1 位 ( 表 2 参照 ) 我が国は レベル 3 4 の者の割合が参加国中最も多く レベル 2 以下の者の割合は最も少ない レベル 5 の割合も 5 番目に多く 参加国中上位 ( 図 2 表 3 参照 ) レベル 1 以下 ( レベル 1 レベル 1 未満 ) の者の割合が 10% 未満であるのは 参加国中のみ ( 表 2 参照 ) 我が国は 上位 5% の者と下位 5% の者の得点差が 129 点であり 152 点を大きく下回り 得点差が参加国中最も小さい ( 図 3 参照 ) 表 2. 16~65 歳の成人の読解力の国別平均得点 順位 平均得点 国名 平均得点が統計的に有意差がない国 1 296 2 288 フィンランド 3 284 オランダ 4 オーストラリアノルウェー スウェーデン 5 279 スウェーデン オーストラリア ノルウェー 6 278 ノルウェー オーストラリア スウェーデン 7 276 エストニア チェコ ベルギー 8 275 ベルギー チェコ エストニア スロバキア 9 274 チェコカナダ エストニア 韓国 スロバキア ベルギー イギリス 10 274 スロバキア カナダ チェコ 韓国 ベルギー イギリス 11 273 カナダ チェコ 韓国 スロバキア イギリス 273 カナダ チェコ 韓国 スロバキア イギリス 12 273 韓国カナダ チェコ スロバキア イギリス 13 272 イギリスカナダ チェコ デンマーク ドイツ 韓国 スロバキア アメリカ 14 271 デンマーク オーストリア ドイツ アメリカ イギリス 15 270 ドイツ オーストリア デンマーク アメリカ イギリス キプロス 16 270 アメリカ オーストリア デンマーク ドイツ イギリス キプロス 17 269 オーストリア デンマーク ドイツ アメリカ キプロス 18 269 キプロス オーストリア ドイツ アイルランド アメリカ 19 267 ポーランド アイルランド 20 267 アイルランド ポーランド キプロス 21 262 フランス 22 252 スペイン イタリア 23 250 イタリア スペイン ( 注 ) 本表にロシアのデータは記載されていない よりも統計的に有意に高い国 と統計的に有意差がない国 よりも統計的に有意に低い国 5

図 2. 読解力の習熟度レベル別分布 (との比較 :16~65 歳 ) 60 % 50 48.6 40 33.3 38.2 30 20 10 0 3.3 0.6 4.3 12.2 22.8 21.4 11.1 1.2 0.7 図 3. 読解力における上位 5% と下位 5% の平均点及び得点差 (との比較 :16~65 歳 ) 400 350 355.3 129 点差 342.1 151.8 点差 下位 5% 250 226.3 上位 5% 200 190.3 1500 ~ 6

表 3. 読解力の習熟度レベル別の成人の分布 OECD 加盟国 習熟度レベル レベル 1 未満レベル 1 レベル 2 レベル 3 レベル 4 レベル 5 欠損 % S.E. % S.E. % S.E. % S.E. % S.E. % S.E. % S.E. オーストラリア 3.1 (0.3) 9.4 (0.5) 29.2 (0.7) 39.4 (0.9) 15.7 (0.7) 1.3 (0.2) 1.9 (0.2) オーストリア 2.5 (0.3) 12.8 (0.7) 37.2 (0.9) 37.3 (0.9) 8.2 (0.5) 0.3 (0.1) 1.8 (0.2) カナダ 3.8 (0.2) 12.6 (0.5) 31.7 (0.7) 37.3 (0.7) 12.8 (0.5) 0.9 (0.1) 0.9 (0.1) チェコ 1.5 (0.3) 10.3 (0.7) 37.5 (1.6) 41.4 (1.4) 8.3 (0.8) 0.4 (0.2) 0.6 (0.2) デンマーク 3.8 (0.3) 11.9 (0.6) 34.0 (0.9) 39.9 (0.8) 9.6 (0.5) 0.4 (0.1) 0.4 (0.1) エストニア 2.0 (0.2) 11.0 (0.5) 34.3 (0.7) 40.6 (0.8) 11.0 (0.5) 0.8 (0.2) 0.4 (0.1) フィンランド 2.7 (0.2) 8.0 (0.5) 26.5 (0.9) 40.7 (0.8) 20.0 (0.6) 2.2 (0.3) 0.0 (0.0) フランス 5.3 (0.3) 16.2 (0.5) 35.9 (0.8) 34.0 (0.7) 7.4 (0.4) 0.3 (0.1) 0.8 (0.1) ドイツ 3.3 (0.4) 14.2 (0.7) 33.9 (1.0) 36.4 (0.9) 10.2 (0.6) 0.5 (0.2) 1.5 (0.2) アイルランド 4.3 (0.4) 13.2 (0.8) 37.6 (0.9) 36.0 (0.9) 8.1 (0.5) 0.4 (0.1) 0.5 (0.1) イタリア 5.5 (0.6) 22.2 (1.0) 42.0 (1.0) 26.4 (1.0) 3.3 (0.4) 0.1 (0.0) 0.7 (0.2) 0.6 (0.2) 4.3 (0.4) 22.8 (0.8) 48.6 (1.0) 21.4 (0.7) 1.2 (0.2) 1.2 (0.1) 韓国 2.2 (0.2) 10.6 (0.5) 37.0 (0.9) 41.7 (0.9) 7.9 (0.5) 0.2 (0.1) 0.3 (0.1) オランダ 2.6 (0.3) 9.1 (0.5) 26.4 (0.7) 41.5 (0.8) 16.8 (0.6) 1.3 (0.2) 2.3 (0.2) ノルウェー 3.0 (0.3) 9.3 (0.6) 30.2 (0.8) 41.6 (0.8) 13.1 (0.6) 0.6 (0.1) 2.2 (0.2) ポーランド 3.9 (0.3) 14.8 (0.6) 36.5 (0.9) 35.0 (0.9) 9.0 (0.5) 0.7 (0.1) 0.0 (0.0) スロバキア 1.9 (0.2) 9.7 (0.5) 36.2 (1.0) 44.4 (0.9) 7.3 (0.5) 0.2 (0.1) 0.3 (0.1) スペイン 7.2 (0.5) 20.3 (0.8) 39.1 (0.7) 27.8 (0.7) 4.6 (0.4) 0.1 (0.1) 0.8 (0.1) スウェーデン 3.7 (0.3) 9.6 (0.6) 29.1 (1.0) 41.6 (0.9) 14.9 (0.6) 1.2 (0.2) 0.0 (0.0) アメリカ 3.9 (0.5) 13.6 (0.7) 32.6 (1.2) 34.2 (1.0) 10.9 (0.7) 0.6 (0.2) 4.2 (0.6) 加盟国の地域 フランドル ( ベルギー ) 2.7 (0.3) 11.3 (0.5) 29.6 (0.8) 38.8 (0.9) 11.9 (0.5) 0.4 (0.2) 5.2 (0.2) イングランド ( イギリス ) 3.3 (0.4) 13.1 (0.7) 33.1 (1.0) 36.0 (1.0) 12.4 (0.7) 0.8 (0.2) 1.4 (0.2) 北アイルランド ( イギリス ) 2.5 (0.5) 14.9 (0.9) 36.2 (1.5) 34.3 (1.6) 9.4 (0.6) 0.5 (0.2) 2.2 (0.3) イングランド / 北アイ ルランド ( イギリス ) 3.3 (0.4) 13.1 (0.7) 33.2 (1.0) 35.9 (1.0) 12.3 (0.7) 0.8 (0.2) 1.4 (0.2) 3.3 (0.1) 12.2 (0.1) 33.3 (0.2) 38.2 (0.2) 11.1 (0.1) 0.7 (0.0) 1.2 (0.0) 非加盟国 キプロス 1.6 (0.2) 10.3 (0.5) 33.0 (0.9) 32.1 (0.9) 5.2 (0.4) 0.2 (0.1) 17.7 (0.4) ロシア 1.6 (0.5) 11.5 (1.2) 34.9 (1.9) 41.2 (2.0) 10.4 (1.6) 0.4 (0.2) 0.0 (0.0) ( 注 ) 欠損 には 言語上の問題等により 調査に参加できなかった成人が含まれる S.E. は標準誤差 ロシアのデータには モスクワ市のデータが含まれていない ( 国 地域ともに アルファベット順 ) 7

数的思考力に関する結果概要 数的思考力に関して 我が国の平均点は 288 点であり 269 点を大きく上回り 参加国中第 1 位 ( 表 4 参照 ) 我が国は レベル 3 4 の者の割合が参加国中最も多い一方 レベル 2 の者の割合も 2 番目に少なく レベル 1 以下 ( レベル 1 レベル 1 未満 ) の者の割合は最も少ない レベル 5 の割合は 7 番目に多く 参加国中上位 ( 図 4 表 5 参照 ) レベル 1 以下の者の割合が 10% 未満であるのは 参加国中のみ ( 表 5 参照 ) 我が国は 上位 5% の者と下位 5% の者の得点差が 143 点であり 167 点を下回り 得点差が参加国中最も小さい ( 図 5 参照 ) 表 4. 16~65 歳の成人の数的思考力の国別平均得点 順位 平均点 国名 平均点が統計的に有意差がない国 1 288 2 282 フィンランド オランダ ベルギー 3 ベルギー デンマーク フィンランド オランダ ノルウェー スウェーデン 4 オランダ フィンランド ノルウェー スウェーデン ベルギー 5 279 スウェーデン デンマーク オランダ ノルウェー ベルギー 6 278 ノルウェー デンマーク オランダ スウェーデン ベルギー 7 278 デンマーク ノルウェー スウェーデン ベルギー 8 276 スロバキア オーストリア チェコ 9 276 チェコ オーストリア スロバキア 10 275 オーストリア チェコ エストニア スロバキア 11 273 エストニア オーストリア ドイツ 12 272 ドイツ エストニア 269 オーストラリア 13 268 オーストラリア カナダ 14 265 カナダ オーストラリア キプロス 15 265 キプロス カナダ 韓国 16 263 韓国 イギリス キプロス 17 262 イギリス 韓国 ポーランド 18 ポーランド イギリス 19 256 アイルランド フランス アメリカ 20 254 フランス アイルランド アメリカ 21 253 アメリカ アイルランド 22 247 イタリア スペイン 23 246 スペイン イタリア ( 注 ) 本表にロシアのデータは記載されていない よりも統計的に有意に高い国 と統計的に有意差がない国 よりも統計的に有意に低い国 8

図 4. 数的思考力の習熟度レベル別分布 (との比較 :16~65 歳 ) 50 40 30 % 28.1 43.7 33.0 34.4 20 10 0 5.0 1.2 7.0 14.0 17.3 11.4 1.5 1.1 図 5. 数的思考力における上位 5% と下位 5% の平均点及び得点差 (との比較 :16~65 歳 ) 400 350 355.4 142.8 点差 345.6 167.2 点差 下位 5% 250 上位 5% 212.6 200 ~ 178.4 1500 9

表 5. 数的思考力の習熟度レベル別の成人の分布 OECD 加盟国 習熟度レベル レベル 1 未満レベル 1 レベル 2 レベル 3 レベル 4 レベル 5 欠損 % S.E. % S.E. % S.E. % S.E. % S.E. % S.E. % S.E. オーストラリア 5.7 (0.4) 14.4 (0.7) 32.1 (0.9) 32.6 (0.9) 11.7 (0.6) 1.5 (0.2) 1.9 (0.2) オーストリア 3.4 (0.3) 10.9 (0.6) 33.1 (0.9) 37.2 (1.0) 12.5 (0.6) 1.1 (0.2) 1.8 (0.2) カナダ 5.9 (0.3) 16.4 (0.4) 31.9 (0.5) 32.4 (0.7) 11.3 (0.4) 1.3 (0.2) 0.9 (0.1) チェコ 1.7 (0.3) 11.1 (0.8) 34.7 (1.2) 40.4 (1.3) 10.6 (0.7) 0.9 (0.3) 0.6 (0.2) デンマーク 3.4 (0.3) 10.8 (0.5) 30.7 (0.8) 38.0 (0.7) 14.9 (0.5) 1.7 (0.2) 0.4 (0.1) エストニア 2.4 (0.2) 11.9 (0.5) 36.2 (0.6) 38.0 (0.6) 10.4 (0.4) 0.8 (0.2) 0.4 (0.1) フィンランド 3.1 (0.3) 9.7 (0.5) 29.3 (0.7) 38.4 (0.8) 17.2 (0.6) 2.2 (0.3) 0.0 (0.0) フランス 9.1 (0.3) 18.9 (0.6) 33.8 (0.7) 29.0 (0.6) 7.8 (0.3) 0.5 (0.1) 0.8 (0.1) ドイツ 4.5 (0.4) 13.9 (0.7) 31.0 (0.8) 34.9 (0.9) 13.0 (0.6) 1.2 (0.2) 1.5 (0.2) アイルランド 7.1 (0.5) 18.1 (0.8) 38.0 (0.9) 28.8 (0.9) 7.0 (0.6) 0.6 (0.1) 0.5 (0.1) イタリア 8.0 (0.6) 23.7 (1.0) 38.8 (1.1) 24.4 (1.0) 4.3 (0.4) 0.2 (0.1) 0.7 (0.2) 1.2 (0.2) 7.0 (0.5) 28.1 (0.8) 43.7 (0.8) 17.3 (0.7) 1.5 (0.2) 1.2 (0.1) 韓国 4.2 (0.3) 14.7 (0.6) 39.4 (1.0) 34.6 (0.9) 6.6 (0.5) 0.2 (0.1) 0.3 (0.1) オランダ 3.5 (0.3) 9.7 (0.6) 28.2 (0.8) 39.4 (0.9) 15.6 (0.6) 1.3 (0.2) 2.3 (0.2) ノルウェー 4.3 (0.3) 10.2 (0.5) 28.4 (0.8) 37.4 (0.8) 15.7 (0.7) 1.7 (0.3) 2.2 (0.2) ポーランド 5.9 (0.4) 17.6 (0.6) 37.7 (0.9) 30.5 (0.9) 7.7 (0.5) 0.7 (0.1) 0.0 (0.0) スロバキア 3.5 (0.3) 10.3 (0.6) 32.2 (0.9) 41.1 (1.0) 11.8 (0.7) 0.8 (0.2) 0.3 (0.1) スペイン 9.5 (0.5) 21.1 (0.7) 40.1 (0.9) 24.5 (0.7) 4.0 (0.3) 0.1 (0.1) 0.8 (0.1) スウェーデン 4.4 (0.4) 10.3 (0.7) 28.7 (1.1) 38.0 (1.1) 16.7 (0.6) 1.9 (0.3) 0.0 (0.0) アメリカ 9.1 (0.6) 19.6 (0.8) 32.6 (1.0) 25.9 (0.8) 7.8 (0.6) 0.7 (0.2) 4.2 (0.6) 加盟国の地域 フランドル ( ベル ギー ) 3.0 (0.3) 10.4 (0.5) 27.7 (0.7) 36.8 (0.9) 15.4 (0.7) 1.6 (0.2) 5.2 (0.2) イングランド ( イギリ ス ) 6.4 (0.5) 17.8 (0.9) 33.3 (1.0) 29.8 (1.1) 10.4 (0.8) 0.9 (0.2) 1.4 (0.2) 北アイルランド ( イギリス ) 5.6 (0.8) 18.7 (1.2) 35.9 (1.1) 29.0 (1.1) 7.8 (0.7) 0.7 (0.2) 2.2 (0.3) イングランド / 北アイルランド ( イギリス ) 6.3 (0.5) 17.8 (0.9) 33.4 (1.0) 29.8 (1.0) 10.3 (0.7) 0.9 (0.2) 1.4 (0.2) 5.0 (0.1) 14.0 (0.1) 33.0 (0.2) 34.4 (0.2) 11.4 (0.1) 1.1 (0.0) 1.2 (0.0) 非加盟国 キプロス 3.4 (0.3) 12.1 (0.7) 31.8 (0.9) 28.4 (0.8) 6.3 (0.4) 0.3 (0.1) 17.7 (0.4) ロシア 2.0 (0.7) 12.1 (1.2) 39.7 (1.8) 38.1 (1.7) 7.7 (1.4) 0.3 (0.2) 0.0 (0.0) ( 国 地域ともに アルファベット順 ) ( 注 ) 欠損 には 言語上の問題等により調査に参加できなかった成人が含まれる 表中 S.E. は標準誤差 ロシアのデータには モスクワ市のデータが含まれていない 10

IT を活用した問題解決能力に関する結果概要 IT を活用した問題解決能力については パソコンを使用したコンピュータ調査でのみ測定され 紙での調査を受けた者については測定されない このため PIAAC では コンピュータ調査を受けなかった者も母数に含めたレベル 2 3 の者の割合で 各国の IT を活用した問題解決能力の状況を分析している 我が国は コンピュータ調査ではなく紙での調査を受けた者の割合が 36.8% と の 24.4% を大きく上回っていることから コンピュータ調査を受けなかった者も母数に含めたレベル 2 3 の者の割合で見ると 並みに位置する ( 図 6 表 6 参照 ) 一方 コンピュータ調査を受けた者の平均点で分析すると 我が国の平均点は 294 点であり 283 点を大きく上回り 参加国中第 1 位 ( 図 7 参照 ) また レベル 3 の者の割合が参加国中最も多く レベル 1 未満の者の割合が参加国中最も少ない ( 図 8 表 6 参照 ) 図 6. IT を活用した問題解決能力においてレベル 2 3 の者の割合 (16~65 歳 ) * 紙での調査を受けた者も母数に含む 0 10 20 30 40 50 % スウェーデンフィンランドオランダノルウェーデンマークオーストラリアカナダドイツイギリスベルギー チェコオーストリアアメリカ韓国エストニアスロバキアアイルランドポーランド 19 44 42 42 41 39 38 37 36 35 35 35 34 33 32 31 30 28 26 25 ( 注 ) 本表にロシアのデータは記載されていない 11

図 7. IT を活用した問題解決能力の平均点の分布 (16~65 歳 ) 265 270 275 285 290 295 フィンランドオーストラリアスウェーデンノルウェーオランダオーストリア デンマークチェコ韓国ドイツカナダスロバキアベルギーイギリスエストニアアメリカアイルランドポーランド 289 289 288 286 286 284 283 283 283 283 283 282 281 281 278 277 277 275 294 ( 注 )IT を活用した問題解決能力の平均得点は PIAAC のデータを元にコンピュータ調査解答者を母数として国立教育政策研究所が算出 なお 本表にロシアのデータは記載されていない % 図 8. IT を活用した問題解決能力の習熟度レベル別分布 (との比較 :16~65 歳 ) 30 20 10 紙での調査を受けた者 10.2 9.3 10.7 4.9 15.9 10.2 7.6 12.3 19.7 29.4 28.2 26.3 8.3 5.8 0 12

表 6.16 歳 ~65 歳の成人の IT を活用した問題解決能力の習熟度レベル別の成人の分布 OECD レベル 1 未満 習熟度レベル レベル 1 レベル 2 レベル 3 コンピュータコンピュータ経験なし調査拒否 ICT コア不合格 % S.E. % S.E. % S.E. % S.E. % S.E. % S.E. % S.E. % S.E. 加盟国 オーストラリ ア 9.2 (0.6) 28.9 (0.8) 31.8 (1.0) 6.2 (0.5) 4.0 (0.3) 13.7 (0.6) 3.5 (0.3) 2.7 (0.3) オーストリア 9.9 (0.5) 30.9 (0.9) 28.1 (0.8) 4.3 (0.4) 9.6 (0.4) 11.3 (0.5) 4.0 (0.3) 1.8 (0.2) カナダ 14.8 (0.4) 30.0 (0.7) 29.4 (0.5) 7.1 (0.4) 4.5 (0.2) 6.3 (0.3) 5.9 (0.2) 1.9 (0.1) チェコ 12.9 (0.9) 28.8 (1.3) 26.5 (1.1) 6.6 (0.6) 10.3 (0.5) 12.1 (0.8) 2.2 (0.3) 0.6 (0.2) デンマーク 13.9 (0.6) 32.9 (0.8) 32.3 (0.7) 6.3 (0.4) 2.4 (0.2) 6.4 (0.3) 5.3 (0.2) 0.4 (0.1) エストニア 13.8 (0.5) 29.0 (0.7) 23.2 (0.6) 4.3 (0.4) 9.9 (0.3) 15.8 (0.4) 3.4 (0.2) 0.5 (0.1) フィンランド 11.0 (0.5) 28.9 (0.8) 33.2 (0.7) 8.4 (0.6) 3.5 (0.3) 9.7 (0.4) 5.2 (0.3) 0.1 (0.1) フランス m m m m m m m m 10.5 (0.3) 11.6 (0.4) 6.0 (0.3) m m ドイツ 14.4 (0.8) 30.5 (0.8) 29.2 (0.8) 6.8 (0.6) 7.9 (0.5) 6.1 (0.5) 3.7 (0.4) 1.5 (0.2) アイルランド 12.6 (0.7) 29.5 (0.9) 22.1 (0.8) 3.1 (0.3) 10.1 (0.4) 17.4 (0.7) 4.7 (0.4) 0.6 (0.1) イタリア m m m m m m m m 24.4 (0.8) 14.6 (0.9) 2.5 (0.3) m m 7.6 (0.6) 19.7 (0.8) 26.3 (0.8) 8.3 (0.5) 10.2 (0.5) 15.9 (0.9) 10.7 (0.7) 1.3 (0.1) 韓国 9.8 (0.5) 29.6 (0.9) 26.8 (0.8) 3.6 (0.3) 15.5 (0.4) 5.4 (0.3) 9.1 (0.4) 0.3 (0.1) オランダ 12.5 (0.6) 32.6 (0.7) 34.3 (0.8) 7.3 (0.4) 3.0 (0.2) 4.5 (0.3) 3.7 (0.3) 2.3 (0.2) ノルウェー 11.4 (0.6) 31.8 (0.8) 34.9 (0.9) 6.1 (0.4) 1.6 (0.2) 6.7 (0.4) 5.2 (0.3) 2.2 (0.2) ポーランド 12.0 (0.6) 19.0 (0.7) 15.4 (0.7) 3.8 (0.3) 19.5 (0.5) 23.8 (0.7) 6.5 (0.4) 0.0 (0.0) スロバキア 8.9 (0.5) 28.8 (0.9) 22.8 (0.7) 2.9 (0.3) 22.0 (0.7) 12.2 (0.4) 2.2 (0.2) 0.3 (0.1) スペイン m m m m m m m m 17.0 (0.5) 10.7 (0.5) 6.2 (0.3) m m スウェーデン 13.1 (0.5) 30.8 (0.8) 35.2 (0.9) 8.8 (0.6) 1.6 (0.2) 5.7 (0.3) 4.8 (0.3) 0.1 (0.0) アメリカ 15.8 (0.9) 33.1 (0.9) 26.0 (0.9) 5.1 (0.4) 5.2 (0.4) 6.3 (0.6) 4.1 (0.4) 4.3 (0.6) 加盟国の地域フランドル ( ベルギー ) 14.8 (0.6) 29.8 (0.8) 28.7 (0.8) 5.8 (0.4) 7.4 (0.3) 4.7 (0.3) 3.5 (0.3) 5.2 (0.2) イングランド ( イギリス ) 15.1 (0.8) 33.8 (1.1) 29.3 (0.9) 5.7 (0.5) 4.1 (0.3) 4.6 (0.4) 5.8 (0.4) 1.6 (0.2) 北アイルラン ド ( イギリス ) 16.4 (1.5) 34.5 (1.2) 25.0 (1.2) 3.7 (0.6) 10.0 (0.6) 2.3 (0.3) 5.8 (0.4) 2.2 (0.3) イングランド / 北アイルラン ド ( イギリス ) 15.1 (0.8) 33.9 (1.0) 29.1 (0.9) 5.6 (0.5) 4.3 (0.3) 4.5 (0.4) 5.8 (0.3) 1.6 (0.2) 12.3 (0.1) 29.4 (0.2) 28.2 (0.2) 5.8 (0.1) 9.3 (0.1) 10.2 (0.1) 4.9 (0.1) 1.5 (0.0) 欠損 非加盟国 キプロス m m m m m m m m 18.4 (0.4) 18.0 (0.5) 1.9 (0.2) m m ロシア 14.9 (2.2) 25.6 (1.3) 20.4 (1.4) 5.5 (1.1) 18.3 (1.7) 12.8 (1.6) 2.5 (0.6) 0.0 (0.0) ( 国 地域ともに アルファベット順 ) ( 注 ) 欠損 には 言語上の問題等により 調査に参加できなかった成人が含まれる 表中 S.E. は標準誤差 キプロス フランス イタリア スペインは IT を活用した問題解決能力分野に参加していない (m= データが得られない ) また ロシアのデータには モスクワ市のデータが含まれていない 13

スキルと年齢の関係 ( 背景調査とのクロス分析 ) 参加国全般において 読解力 数的思考力 IT を活用した問題解決能力のいずれも 学校教育終了後も向上し 30 歳前後でピークを迎えた後 徐々に低下していく傾向がある ( 図 9~11 参照 ) 我が国は いずれのスキルに関しても ほとんどの年齢で を上回り 他国に比べ 加齢にもかかわらず 高い水準を維持している ( 図 9~11 参照 ) 図 9. 読解力と年齢の関係 (との比較 :16~65 歳 ) 320 295.3 302.6 309.3 309.2 308.1 305.9 299.7 294.1 283.6 240 285.4 283.4 282.9 281.4 266.9 276.5 275.0 270.9 264.7 258.3 252.6 16-19 20-24 25-29 30-34 35-39 40-44 45-49 50-54 55-59 60-65 歳 図 10. 数的思考力と年齢の関係 (との比較 :16~65 歳 ) 320 240 298.8 296.0 298.0 295.1 289.3 292.0 290.9 282.0 275.3 275.8.0 267.8 278.7 277.3 273.6 265.7 268.1 262.8 256.1 249.7 16-19 20-24 25-29 30-34 35-39 40-44 45-49 50-54 55-59 60-65 歳 14

図 11. IT を活用した問題解決能力と年齢の関係 (との比較 :16~65 歳 ) 320 297.2 291.3 310.1 309.3 302.0 297.4 297.0 293.6 303.7 288.5 299.4 281.7 287.3 276.2 276.5 267.9 273.2 262.4 255.3 240 16-19 20-24 25-29 30-34 35-39 40-44 45-49 50-54 55-59 60-65 251.6 歳 ( 注 ) コンピュータ調査を受けた者の得点分布を示している スキルと学歴の関係 ( 背景調査とのクロス分析 ) 参加国全般において 読解力でも 数的思考力でも 学歴が高い者ほどスキルが高い傾向がある ( 図 12 13 参照 ) 我が国は 読解力 数的思考力ともに いずれの学歴グループでもスキルが最も高い国の一つであり OECD 報告書が特筆しているように の中卒 ( 後期中等教育未修了 ) の者の読解力は 米国やドイツの高卒 ( 後期中等教育修了 ) の者よりも高い ( 図 12~14 参照 ) 図 12. 本人の学歴別の読解力の習熟度の分布 (との比較 :16-65 歳 ) 320 313.4 289.0 297.0 269.5 271.6 240 220 0 200 ~ 245.8 後期中等教育未修了後期中等教育修了高等教育修了 15

図 13. 本人の学歴別の数的思考力の習熟度の分布 (との比較 :16-65 歳 ) 320 296.3 307.0 267.9 281.7 254.1 240 236.6 220 2000 ~ 後期中等教育未修了後期中等教育修了高等教育修了 図 14. 本人の学歴別の読解力の習熟度の分布 ( 米国 ドイツとの比較 :16-65 歳 ) 320 313 289 298 293 240 230 244 270 262 265 米国 ドイツ 220 200 0 ~ 後期中等教育未修了後期中等教育修了高等教育修了 16

スキルと職業の関係 ( 背景調査とのクロス分析 ) 参加国全般に 読解力でも 数的思考力でも 管理職などのスキルド ワーカー 事務職などのセミスキルド ホワイトカラー 技能工などのセミスキルド ブルーカラー 単純作業の従事者の順にスキルが高い傾向がある ( 図 15 16 参照 ) 我が国は いずれの職業でもスキルが世界トップクラスであり OECD 報告書で指摘されているように の単純作業の従事者は 多くの国のセミスキルド ホワイトカラーと同程度以上の読解力を有している ( 図 15~17 参照 ) 図 15. 読解力と職業との関係 (との比較 :20-65 歳 ) 320 240 220 200.4 250.0 285.6 258.6 296.7 272.7 310.6 293.6 図 16. 数的思考力と職業との関係 (との比較 :20-65 歳 ) 320 240 220 200 265.1 241.6 277.7 258.2 286.3 266.2 309.5 293.3 17

図 17. 職業別の読解力の習熟度の分布 ( 米国 ドイツとの比較 :20-65 歳 ) 320 240 220 0 ~ 200 239 245 286 252 255 266 268 297 311 292 294 米国 ドイツ スキルド ワーカー 管理職 専門職 技術者 準専門職 セミスキルド ホワイトカラー 事務職 サービス及び販売従事者 セミスキルド ブルーカラー 農業 林業及び漁業従事者 技能工及び組立工等 単純作業の従事者 スキルと賃金の関係 ( 背景調査とのクロス分析 ) 我が国でも 各国と同様 読解力のスキルが高い者ほど 賃金が高い傾向がある ( 図 18 参照 ) 米ドル 図 18. 読解力と賃金 ( ボーナスを含む1 時間当たり賃金 ) との関係 25 19.6 20 16.4 15.3 15 14.0 12.1 12.8 9.5 10.2 10 5 0 18

スキルとスキルの使用頻度の関係 ( 背景調査とのクロス分析 ) 参加国全般において 読解力でも 数的思考力でも 職場や家庭で読む 計算するなどのスキルを頻繁に使っている者の方が スキルが高く 特に数的思考力においてその傾向が顕著 ( 図 19~22 参照 ) *OECD では 職場におけるスキルの使用頻度については 30~65 歳を対象として 職場外における使用頻度については 16~65 歳を対象として分析を行っている 図 19. 職場における読解力の使用頻度と習熟度 (との比較 :30~65 歳 ) 290 270 281.3 288.1 288.0 270.6 276.5 291.6 291.9.4 279.5 250 257.6 図 20. 職場における数的思考力の使用頻度と習熟度 (との比較 :30~65 歳 ) 310 290 270 269.3 277.5 290.1 276.9 296.8 282.1 302.2 289.1 268.3 250 256.9 19

図 21. 職場外における読解力の使用頻度と習熟度 (との比較 :16~65 歳 ) 310 290 270 250 278.3 251.6 290.7 270.6 295.2 279.3 297.1 297.5 283.4 286.2 図 22. 職場外における数的思考力の使用頻度と習熟度 (との比較 :16~65 歳 ) 310 307.4 290 270 275.0.3 291.2 274.7 297.3 281.7 293.9 250 251.8 264.8 20