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表 3 の総人口を 100 としたときの指数でみた総人口 順位 全国 94.2 全国 沖縄県 沖縄県 東京都 東京都 神奈川県 99.6 滋賀県 愛知県 99.2 愛知県 滋賀県 神奈川

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資料9

平成 31 年 3 月 20 日更新 全国女性の参画マップ 平成 30 年 12 月作成 内閣府男女共同参画局

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1 1 A % % 税負 300 担額

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11 m2~15 m2 7m2~10 m2 6m2以下 1 級地別記 7 別記 8 別記 9 2 級地別記 7 別記 8 別記 9 3 級地別記 7 別記 8 別記 9 ただし 次に掲げる当該世帯の自立助長の観点から引き続き当該住居等に居住することが必要と認められる場合又は当該地域の住宅事情の状況に

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年齢 年齢 1. 柏 2. 名古屋 3. G 大阪 4. 仙台 5. 横浜 FM 6. 鹿島 -19 歳 0 0.0% 0 0.0% 2 2.7% 1 1.4% 3 4.0% 3 4.6% 歳 4 5.0% 5 6.7% 7 9.6% 2 2.7% 2 2.7% % 25-2

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率 九州 ( 工 -エネルギー科学) 新潟 ( 工 - 力学 ) 神戸 ( 海事科学 ) 60.0 ( 工 - 化学材料 ) 岡山 ( 工 - 機械システム系 ) 北海道 ( 総合理系 - 化学重点 ) 57.5 名古屋工業 ( 工 - 電気 機械工 ) 首都大学東京

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81 平均寿命 女 単位 : 年 全 国 長野県 島根県 沖縄県 熊本県 新潟県 三重県 岩手県 茨城県 和歌山県 栃木県

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平成 27 年 2 月から適用する公共工事設計労務単価 1 公共工事設計労務単価は 公共工事の工事費の積算に用いるためのものであり 下請契約等における労務単価や雇用契約における労働者への支払い賃金を拘束するものではない 2 本単価は 所定労働時間内 8 時間当たりの単価である 3 時間外 休日及び深

調査実施概況 小学校 ( 都道府県 ( 指定都市除く )) 教育委員会数 ( 1) 学校数児童数 ( 2) 全体 実施数 調査対象者在籍学校数 実施数国語 A 国語 B 主体的 対話的で深い学びに関する状況 ( 3) 算数 A 算数 B 質問紙 平均正答率 13~15 問 国語

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(3) 最大較差 平成 17 年国調口平成 22 年国調口 H24.9 選挙名簿 在外選挙名簿 H25.9 選挙名簿 在外選挙名簿 最大 : 千葉 4 569,835 東京 ,677 最大 : 千葉 4 497,350 北海道 1 487,678 最小 : 高知 3 258,681 鳥取

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関東 優良産廃処理業者認定制度で優良認定を受けている許可証 組合員都道府県 許可地域組合員名所在地 茨城県 黒沢産業 ( 株 ) 茨城県 関 茨城県 茨城県 ( 株 ) マツミ ジャパン 茨城県 茨城県 ( 株 ) 国分商会 埼玉県

本推計は 医療 介護情報の分析 検討ワーキンググループにおける検討内容について ( 第 4 回医療 介護情報の活用による改革の推進に関する専門調査会資料 2 松田委員提出資料 ) 地域医療構想策定ガイドライン等について ( 平成 27 年 3 月 31 日付け医政発 0331 第 53 号 ) 及び

○ 第1~8表、図1~4(平成25年度公立学校教員採用選考試験の実施状況について)

Transcription:

2016 年 1 月 2 8 日 E V F セミナー 国土のグランドデザイン 2050 を 踏まえた 国土形成計画 ( 全国計画 ) ~ 国土計画が描く未来像 ~ 国土交通省国土政策局 総合計画課長白石秀俊 Ministry of Land, Infrastructure, Transport and Tourism

目 次 1. 国土計画について 2. 課題認識 3. 計画が描く未来 1

目 次 1. 国土計画について 2. 課題認識 3. 計画が描く未来 2

国土計画について 国土計画とは 国土に関する 長期的な計画 ( 計画期間は概ね10 年 ) 総合的な計画 ( 関係府省の施策を総合 ) 空間的な計画 ( 配置計画 ) 3

これまでの国土計画 ( 国土計画の変遷 ) 全国総合開発計画 ( 一全総 ) 新全国総合開発計画 ( 新全総 ) 第三次全国総合開発計画 ( 三全総 ) 第四次全国総合開発計画 ( 四全総 ) 21 世紀の国土のグランドデザイン 国土形成計画 ( 全国計画 ) 第二次国土形成計画 ( 全国計画 ) 閣決 背 目年 基目 議定 景 標次 本標 開発方式等 昭和 37 年 10 月 5 日昭和 44 年 5 月 30 日昭和 52 年 11 月 4 日昭和 62 年 6 月 30 日平成 10 年 3 月 31 日 1 高度成長経済への移行 2 過大都市問題 所得格差の拡大 3 所得倍増計画 ( 太平洋ベルト地帯構想 ) 昭和 45 年 地域間の均衡ある発展 拠点開発方式 目標達成のため工業の分散を図ることが必要であり 東京等の既成大集積と関連させつつ開発拠点を配置し 交通通信施設によりこれを有機的に連絡させ相互に影響させると同時に 周辺地域の特性を生かしながら連鎖反応的に開発をすすめ 地域間の均衡ある発展を実現する 1 高度成長経済 2 人口 産業の大都市集中 3 情報化 国際化 技術革新の進展 昭和 60 年 豊かな環境の創造 大規模開発プロジェクト構想 新幹線 高速道路等のネットワークを整備し 大規模プロジェクトを推進することにより 国土利用の偏在を是正し 過密過疎 地域格差を解消する 1 安定成長経済 2 人口 産業の地方分散の兆し 3 国土資源 エネルギー等の有限性の顕在化 昭和 52 年から概ね 10 年間 人間居住の総合的環境の整備 定住構想 大都市への人口と産業の集中を抑制する一方 地方を振興し 過密過疎問題に対処しながら 全国土の利用の均衡を図りつつ人間居住の総合的環境の形成を図る 1 人口 諸機能の東京一極集中 2 産業構造の急速な変化等により 地方圏での雇用問題の深刻化 3 本格的国際化の進展 概ね平成 12 年 (2000 年 ) 多極分散型国土の構築 交流ネットワーク構想 多極分散型国土を構築するため 1 地域の特性を生かしつつ 創意と工夫により地域整備を推進 2 基幹的交通 情報 通信体系の整備を国自らあるいは国の先導的な指針に基づき全国にわたって推進 3 多様な交流の機会を国 地方 民間諸団体の連携により形成 1 地球時代 ( 地球環境問題 大競争 アジア諸国との交流 ) 2 人口減少 高齢化時代 3 高度情報化時代 平成 22 年から 27 年 (2010-2015 年 ) 多軸型国土構造形成の基礎づくり 参加と連携 - 多様な主体の参加と地域連携による国土づくり - (4 つの戦略 ) 1 多自然居住地域 ( 小都市 農山漁村 中山間地域等 ) の創造 2 大都市のリノベーション ( 大都市空間の修復 更新 有効活用 ) 3 地域連携軸 ( 軸状に連なる地域連携のまとまり ) の展開 4 広域国際交流圏 ( 世界的な交流機能を有する圏域の形成 ) 平成 20 年 7 月 4 日 1 経済社会情勢の大転換 ( 人口減少 高齢化 グローバル化 情報通信技術の発達 ) 2 国民の価値観の変化 多様化 3 国土をめぐる状況 ( 一極一軸型国土構造等 ) 平成 20 年から概ね 10 年間 多様な広域ブロックが自立的に発展する国土を構築 美しく 暮らしやすい国土の形成 (5つの戦略的目標) 1 東アジアとの交流 連携 2 持続可能な地域の形成 3 災害に強いしなやかな国土の形成 4 美しい国土の管理と継承 5 新たな公 を基軸とする地域づくり 平成 27 年 8 月 14 日 1 国土を取り巻く時代の潮流と課題 ( 急激な人口減少 少子化 異次元の高齢化 巨大災害の切迫 インフラの老朽化等 ) 2 国民の価値観の変化 ( 田園回帰 の意識の高まり等 ) 3 国土空間の変化 ( 低 未利用地 空き家の増加等 ) 平成 27 年から概ね 10 年間 対流促進型国土の形成 重層的かつ強靱な コンパクト + ネットワーク ( 具体的方向性 ) 1 ローカルに輝き グローバルに羽ばたく国土 ( 個性ある地方の創生等 ) 2 安全 安心と経済成長を支える国土の管理と国土基盤 3 国土づくりを支える参画と連携 ( 担い手の育成 共助社会づくり ) 4

目 次 1. 国土計画について 2. 課題認識 3. 計画が描く未来 5

課題認識ー 2 つの危機 人口減少 巨大災害の切迫 対応を誤れば 国家の存亡にもかかわるおそれ 6

地方消滅 日本創成会議によれば 地方からの人口流出がこのまま続くと 人口の 再生産力 を示す若年女性 (20~39 歳 ) が 2040 年までに 50% 以上減少する市町村が 896( 全体の 49.8%) に上ると推計 ( 消滅可能性都市 ) さらに このうち人口が 1 万人を切る市町村が 523( 全体の 29.1%) と推計 ( 出典 ) 日本創成会議 人口減少問題検討分科会 ストップ少子化 地方元気戦略 ( 平成 26 年 5 月 ) を基に作成 ( 注 ) 移動率収束 は 国立社会保障 人口問題研究所 ( 社人研 ) の推計で 移動率が将来的には一定程度に収束することを前提としている 一方 移動率収束せず は 地域間の人口移動が将来も収束しないと仮定して 日本創成会議 人口減少問題検討分科会 にて独自に推計 0.0 10.0 20.0 30.0 40.0 50.0 60.0 70.0 80.0 90.0 100.0 北海道青森県岩手県宮城県秋田県山形県福島県茨城県栃木県群馬県埼玉県千葉県東京都神奈川県新潟県富山県石川県福井県山梨県長野県岐阜県静岡県愛知県三重県滋賀県京都府大阪府兵庫県奈良県和歌山県鳥取県島根県岡山県広島県山口県徳島県香川県愛媛県高知県福岡県佐賀県長崎県熊本県大分県宮崎県鹿児島県沖縄県若年女性 (20~39 歳 ) が半分以下になる自治体比率 (2010 2040 年 ) 移動率収束移動率収束せず ( 自治体割合 ) 7 ( 資料 ) 一般社団法人北海道総合研究調査会 (HIT) 作成

将来推計人口の動向 ( 出生率回復の場合の試算 ) 社人研の中位推計 ( 出生率 1.35 程度で推移 ) では 総人口は 2050 年では 1 億人 2100 年には 5 千万人を割り込むまで減少 今後 20 年程度で人口置換水準 (2.07) まで出生率が回復した場合には 人口減少のペースは緩やかになり 総人口は 2110 年頃から 9 千 5 百万人程度で安定的に推移する ( 千人 ) 140,000 120,000 総人口 10,800 万人程度 10,900 万人程度 合計特殊出生率 7.0 6.0 2110 年頃 ケース 1 9,500 万人程度 ケース 2 9,000 万人程度でほぼ安定 100,000 80,000 60,000 40,000 合計特殊出生率 ( 右軸 ) 合計特殊出生率 (2013 年 ) 1.43 9,708 万人 社人研中位推計 合計特殊出生率 (2.07) 人口置換ケース1:1994~2006 年のフランスの出生率上昇 (1.66 2.00) のペースで回復し 2035 年に 5.0 2.07に到達 9,500 万人程度 9,100 万人程度 人口置換ケース4.0 2: 2005 年 ~2013 年の我が国の出生率上昇 (1.26 1.43) のペースで回復し 2043 年に2.07に到達 3.0 4,959 万人 2.0 合計特殊出生率 中位推計 (1.35) 20,000 若年人口 1.0 0 0.0 1950 1960 1970 1980 1990 2000 2010 2020 2030 2040 2050 2060 2070 2080 2090 2100 ( 年 ) ( 出典 )1950 年から 2013 年までの実績値は総務省 国勢調査報告 人口推計 厚生労働省 人口動態統計 推計値は国立社会保障 人口問題研究所 日本の将来推計人口 ( 平成 24 年 1 月推計 ) 厚生労働省 人口動態統計 をもとに国土交通省国土政策局作成 ( 注 1) 中位推計 は 国立社会保障 人口問題研究所 日本の将来推計人口 の中位推計 ( 出生中位 死亡中位 ) その他は同推計の年齢別出生率の仮定値と 2012 年の生命表による生残率を用いた簡易推計による ( 中位推計 と簡易推計の乖離率を乗じて調整 ) 各ケースの値はそれぞれの合計特殊出生率の想定にあうよう出生率仮定値を水準調整して試算 ( 注 2) 人口置換ケース 1( フランスの回復ペース ) :2013 年男女年齢 ( 各歳 ) 別人口 ( 総人口 ) を基準人口とし ( 合計特殊出生率 1.43) 1994~2006 年におけるフランスの出生率の変化 (1.66 から 2.00 に上昇 ) の平均年率 (0.03) ずつ出生率が年々上昇し 2035 年に人口置換水準 (2.07) に達し その後同じ水準が維持されると仮定した推計 人口置換ケース 2( 日本の回復ペース ) :2013 年男女年齢 ( 各歳 ) 別人口 ( 総人口 ) を基準人口とし ( 合計特殊出生率 1.43) 2005 年 ~2013 年における我が国の出生率の変化 (1.26 から 1.43 に上昇 ) の平均年率 (0.02) ずつ出生率が年々上昇し 2043 年に人口置換水準 (2.07) に達し その後同じ水準が維持されると仮定した推計 8

我が国の人口の長期的推移 日本の総人口は 今後 100 年間で 100 年前 ( 明治時代後半 ) の水準に戻っていく可能性 この変化は千年単位でみても類を見ない 極めて急激な減少 ( 万人 ) 13,000 12,000 (2010 年 ) 12,806 万人 2008 年にピーク 12,808 万人高齢化率 22.1% 11,000 10,000 9,000 8,000 7,000 6,000 5,000 4,000 3,000 2,000 1,000 鎌倉幕府成立 (1185 年 ) 750 万人 室町幕府成立 (1338 年 ) 850 万人 江戸幕府成立 (1603 年 ) 1,250 万人 享保改革 (1716~45 年 ) 3,128 万人 明治維新 (1868 年 ) 3,320 万人 終戦 (1945 年 ) 7,199 万人 2030 年 11,662 万人高齢化率 31.6% 2050 年 9,708 万人高齢化率 38.8% 2100 年 ( 高位推計 ) 6,485 万人 2100 年 ( 中位推計 ) 4,959 万人高齢化率 41.1% 2100 年 ( 低位推計 ) 3,795 万人 0 800 1000 1200 1400 1600 1650 1700 1750 1800 1850 1900 1950 2000 2050 2100 ( 年 ) ( 出典 )2010 年以前の人口 : 総務省 国勢調査報告 人口推計年報 平成 17 年及び 22 年国勢調査結果による補間推計人口 国土庁 日本列島における人口分布の長期時系列分析 (1974 年 ) をもとに国土交通省国土政策局作成それ以降の人口 : 国立社会保障 人口問題研究所 日本の将来推計人口 ( 平成 24 年 1 月推計 ) をもとに国土交通省国土政策局作成 9

国土全体での人口の低密度化と地域的偏在が同時に進行 (2010 年 2050 年 ) 全国を 1km 2 毎の地点 でみると 人口が半分以下になる地点が現在の居住地域の 6 割以上を占める ( 現在の居住地域は国土の約 5 割 ) 人口が増加する地点の割合は約 2% であり 主に大都市圏に分布している 市区町村の人口規模別 にみると 人口規模が小さくなるにつれて人口減少率が高くなる傾向が見られる 特に 現在人口 1 万人未満の市区町村ではおよそ半分に減少する 2010 年を 100 とした場合の 2050 年の人口増減状況 人口増減割合別の地点数 6 割以上 (63%) の地点で現在の半分以下に人口が減少 無居住化 50% 以上減少 0% 以上 50% 未満減少 19% 44% 35% 0% 20% 40% 60% 80% 100% 居住地域の 2 割が無居住化 市区町村の人口規模別の人口減少率 増加 2% 凡例 :2010 年比での割合 50% 以上減少 ( 無居住化含む ) 0% 以上 50% 未満減少増加 人口減少率 0% -10% 市区町村の人口規模 -20% -30% -15% -21% -25% -28% 全国平均の減少率約 24% -40% -37% -50% -48% 10 ( 出典 ) 総務省 国勢調査報告 国土交通省国土政策局推計値により作成

三大都市圏 地方圏の人口移動の推移 高度経済成長期には三大都市圏に人口が流入した 1980 年頃にかけて人口流入は沈静化したが その後 バブル期にかけて東京圏に人口が流入 バブル崩壊後は東京圏が一時的に転出超過となったが 2000 年代には再び流入が増加した 62 全総 69 新全総 77 三全総 87 四全総 98 21GD 08 国土形成計画 60 40 20 東京圏 大阪圏 転入超過数 ( 東京圏 ) のピークは 1962 年 (39 万人 ) 第一次石油ショック (1973 年 ) 第二次石油ショック (1979 年 ) バブル崩壊 (1991 年 ) 阪神淡路大震災 (1995 年 ) アジア通貨危機 (1997 年 ) リーマンショック (2008 年 ) 東日本大震災 (2011 年 ) 2014 年 +10.9 万人 ( 東京圏 ) 転入超過数 ( 万人 ) 0-20 -40 名古屋圏 首都圏工業等制限法 (1959~2002 年 ) 新産業都市法工業整備特別地域法 (1962~2001 年 ) 近畿圏工場等制限法 (1964~2002 年 ) テクノポリス法 (1983~98 年 ) 頭脳立地法 (1988~98 年 ) -0.08 万人 ( 名古屋圏 ) -1.2 万人 ( 大阪圏 ) -9.7 万人 ( 地方圏 ) -60 地方拠点法 (1992~) 地方圏 転出超過数 ( 地方圏 ) のボトムは 1961 年 (65 万人 ) -80 1955 1960 1965 1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010 ( 出典 ) 総務省 住民基本台帳人口移動報告 をもとに国土交通省国土政策局作成 ( 注 ) 上記の地域区分は以下のとおり 東京圏 : 埼玉県 千葉県 東京都 神奈川県名古屋圏 : 岐阜県 愛知県 三重県大阪圏 : 京都府 大阪府 兵庫県 奈良県三大都市圏 : 東京圏 名古屋圏 大阪圏地方圏 : 三大都市圏以外の地域 11

ライフステージでみた人口移動の状況 11 13 15 17 19 21 23 25 27 29 31 33 35 37 39 41 43 45 47 49 51 53 55 57 59 61 63 65 67 69 71 73 75 77 79 81 83 85 地方圏においては 進学期の人口流出が減少している一方で 就職期にもかつては流入超に転じていたが 最近は流出超となる傾向 一方で 退職期には 地方圏への人口流入が増加 東京圏に居住する者のうち東京圏生まれの比率が特に 30-40 歳代で上昇 転入超過数 ( 万人 ) 5 転入超過 0 地方圏における年齢別人口移動の状況 就職期 退職期 割合 (%) 東京圏居住者に占める東京圏出生者の割合 ( 年齢別 ) 100 90 ( 全体 ) 1991 年 67.3% 1996 年 68.4% 2001 年 68.1% 2006 年 73.2% 2011 年 68.1% -5 転出超過 1985 1990 1995 2000 2005 2010 1990 1995 2000 2005 80 70 30-40 歳代で東京圏出生者割合が上昇 -10 <ライフステージ毎の移動者数 > ( 単位 : 万人 ) 1985 年 1990 年 1995 年 2000 年 2005 年 1990 年 1995 年 2000 年 2005 年 2010 年 60-15 大学進学期 18.5 15.7 14.1 12.1 11.2 就職期 +1.6 +3.0 +1.2 0.3 2.4 50 退職期 +0.2 +0.5 +0.9 +0.8 +1.2-20 5 79 大学進学期 40 1991 年 1996 年 2001 年 2006 年 2011 年 ( 年齢 ) ( 出所 ) 総務省 国勢調査 厚生労働省 人口動態 を基に国土交通省国土政策局作成 ( 注 )1. 各年齢の人口移動は 5 年前からの移動を示す 2. ライフステージ毎の移動の表の数値は 大学進学時は19~21 歳 就職期は24~26 歳 退職時は58~ 62 歳の平均 3. 地方圏は 三大都市圏を除く都道府県の合計 ( 出典 ) 国立社会保障 人口問題研究所 人口移動調査 を基に作成 ( 注 )1. 東京圏とは 埼玉県 千葉県 東京都 神奈川県 2. 出生県不詳を除く ( 年齢 ) 12

地方における人口移動の推移 最近では 人口移動の規模が全体的に縮小傾向 また 地方から都市への人の流れが 逆方向の人の流れを上回っていることから 転入 転出のバランスがとれなくなってきている その他地方圏からの人口流出の約 3 割が地方中枢都市に留まる傾向は継続 ( 人口ダム 係数 ) 1993 年 三大都市圏 (6,136 万人 ) 2003 年 三大都市圏 (6,379 万人 ) 2013 年 三大都市圏 (6,553 万人 ) 7.9 万人 8.0 万人 6.7 万人 8.1 万人 6.3 万人 7.3 万人 60.9 万人 地方中枢都市 (607 万人 ) 58.8 万人 45.6 万人 地方中枢都市 53.0 万人 37.3 万人 地方中枢都市 (641 万人 ) (666 万人 ) 45.2 万人 19.9 万人 21.2 万人 16.8 万人 19.4 万人 13.3 万人 16.6 万人 その他地方圏 (5,750 万人 ) その他地方圏 (5,749 万人 ) その他地方圏 (5,519 万人 ) 人口ダム 係数 (1993 年 ) 26.5% (2003 年 )26.8% (2013 年 )26.8% ( 万人 ) 80 60 40 20 0-20 -40-60 -80-100 三大都市圏 地方中枢都市 7.9 60.9 2.0 6.7 6.3 45.6 37.3-8.8-9.0-58.8-53.0-45.2-8.0 地方から三大都市圏への転入 転出状況 三大都市圏 地方圏 地方圏 三大都市圏地方中枢都市 三大都市圏 -8.1 合計 ( 転入超過 ) -7.3 80 60 40 20 0-20 -40-60 -80-100 三大都市圏 地方中枢都市 地方中枢都市の転入 転出状況 地方圏 地方中枢都市 7.9 6.7 6.3 21.2 19.4 1.2 1.3 16.6 2.3-19.9-16.8-13.3-8.0-8.1-7.3 地方中枢都市 地方圏 地方中枢都市 三大都市圏 合計 ( 転入超過 ) ( 出所 ) 総務省 住民基本台帳人口移動報告 より国土交通省作成 ( 注 )1. 地方中枢都市は 札幌市 仙台市 広島市 北九州市 福岡市 2. その他地方圏は 三大都市圏及び地方中枢都市を除く合計 2. 人口ダム係数は ( その他地方圏から地方中枢都市圏への転出 )/ {( その他地方圏から地方中枢都市圏への転出 )+( その他地方圏から三大都市圏への流出 )} により算出 ( 年 ) ( 年 ) 13

高齢化の急速な進展 高齢人口の指数 (2010 年 =100) をみると 2050 年にかけて東京圏における増加が顕著 特に 80 歳以上人口は大幅に増加 高齢化率は 全ての圏域において上昇し続け 地方圏が三大都市圏を一貫して上回って推移 180 160 140 65 歳以上人口の推移 (2010 年 =100) 全国東京圏名古屋圏大阪圏地方圏 157 136 129 (%) 45 40 35 30 65 歳以上人口割合の推移 大阪圏 (22.9% 39.1%) 地方圏 (24.7% 39.5%) 全国 (23.0% 38.8%) 120 128 25 東京圏 (20.5% 38.5%) 112 100 2010 2015 2020 2025 2030 2035 2040 2045 2050 ( 年 ) 280 260 240 220 200 180 160 140 120 80 歳以上人口の推移 (2010 年 =100) 全国東京圏名古屋圏大阪圏地方圏 268 220 215 195 160 名古屋圏 (21.7% 36.0%) 20 2010 2015 2020 2025 2030 2035 2040 2045 2050 ( 年 ) 100 0 2010 2015 2020 2025 2030 2035 2040 2045 2050 ( 年 ) 2010 2015 2020 2025 2030 2035 2040 2045 2050 ( 年 ) ( 出典 )2040 年までは国立社会保障 人口問題研究所 日本の地域別将来推計人口 ( 平成 25 年 3 月推計 ) の中位推計 2045 年及び2050 年は国土交通省国土政策局による試算値 ( 注 ) 割合の推移のグラフ中の括弧内は 2010 年及び2050 年のデータ 20 15 10 (%) 5 地方圏 (7.6% 17.3%) 名古屋圏 (5.6% 14.8%) 80 歳以上人口割合の推移 大阪圏 (5.7% 16.7%) 東京圏 (4.9% 15.6%) 全国 (6.4% 16.5%) 14

東京圏における高齢者数の急増 都心部を中心に高齢人口 特に 80 歳以上の高齢者数の増加が今後予想され 特に団塊の世代が 80 歳以上となる 2030 年には 特に東京都区部及びその近郊で急増し 医療 介護需要などが急速に高まる恐れ 1990 年 2010 年 東京圏の 80 歳以上人口 (80 歳以上人口比率 ) 1990 年 2010 年 2025 年 2030 年 現状 2025 年 1,500~ 1,000~1,500 500~1,000 0~500 ( 人 ) 2030 年 2,000~ 1,500~2,000 1,000~1,500 500~1,000 0~500 ( 人 ) 東京圏 東京都 埼玉県 全国 うち特別区 神奈川県 千葉県 56.0 万人 174.1 万人 349.8 万人 415.6 万人 (1.8%) (4.9%) (9.9%) (12.1%) 24.2 万人 68.2 万人 122.4 万人 142.0 万人 (2.1%) (5.2%) (9.3%) (11.0%) 17.7 万人 46.7 万人 80.3 万人 92.6 万人 (2.2%) (5.2%) (8.9%) (10.5%) 12.8 万人 43.6 万人 92.2 万人 109.7 万人 (1.6%) (4.8%) (10.2%) (12.4%) 9.6 万人 30.7 万人 65.2 万人 78.9 万人 (1.7%) (4.9%) (10.9%) (13.6%) 9.4 万人 31.6 万人 69.9 万人 85.0 万人 (1.5%) (4.4%) (10.0%) (12.5%) 295.5 万人 820.1 万人 1338.9 万人 1571.1 万人 (2.4%) (6.4%) (11.1%) (13.5%) ( 備考 ) カッコ内は 80 歳以上人口比率 将来 ( 出典 ) 総務省 国勢調査 国土交通省推計値により作成 ( 注 ) 左図は約 1km 2 当たりの 80 歳以上の高齢者数 2,000~ 1,500~2,000 1,000~1,500 500~1,000 0~500 ( 人 ) 2,000~ 1,500~2,000 1,000~1,500 500~1,000 0~500 ( 人 ) 15

郊外部における 街の高齢化 高度成長期にニュータウンなどの大規模開発及び住民の入居が同時期に進んだ郊外部では 今後も一挙に特に 80 歳以上の高齢者比率が急速に高まり 街の高齢化 が進行することが予想される 2000 年 2010 年 2025 年 2030 年 高齢者比率 ( 出典 ) 総務省 国勢調査 国土交通省推計値により作成 ( 注 ) 高齢者比率は 80 歳以上の高齢者人口が総人口に占める割合 20% 以上 15%~20% 10%~15% 5%~10% 0%~5% 16

災害リスク地域とリスク地域に居住する人口 災害リスク地域は全国に広がっており 国土の約 35% が何らかの災害リスク地域となっている しかし 災害リスクに曝される人口 (2010 年 ) は全体の 70% 以上であり 災害リスク地域に人口が偏っていることを示している 対象災害 リスクエリア面積 ( 国土面積に対する割合 ) リスクエリア内人口 (2010) ( 全人口に対する割合 ) 洪水約 20,000 km 2 (5.3%) 3,671 万人 (28.6%) 土砂災害約 59,200 km 2 (15.7 %) 613 万人 (4.9%) 地震災害 ( 震度被害 ) 約 44,300 km 2 (11.7 %) 5,888 万人 (46.3%) 地震災害 ( 液状化被害 ) 約 48,700 km 2 (12.9 %) 5,743 万人 (44.8%) 津波災害約 19,000 km 2 (5.0 %) 2,610 万人 (20.4%) 5 災害いずれか約 131,400 km 2 (34.8 %) 9,442 万人 (73.7%) 5 災害リスクエリアの重ね合わせ図 注 )1. 各災害のリスクエリア定義 洪水 : 国土数値情報の 浸水想定区域データ より 浸水深が >0 となるエリア 土砂災害 : 国土数値情報の 土砂災害危険箇所データ のうち 土石流 地すべり 急傾斜地崩壊に関する危険区域等のエリア 一部 点データや線データが含まれることから 各箇所の全国的な平均面積を踏まえて面データに変換した 地震災害 ( 震度被害 ) : 地震調査研究推進本部が公表している 確率論的地震動予測地図 における 30 年間で震度 6 弱以上となる確率が 25% 以上となるエリア 地震災害 ( 液状化被害 ) : 日本の地形 地盤デジタルマップの微地形区分メッシュとメッシュ傾斜から 学術的に液状化の危険性が高いとされているメッシュを抽出したエリア 津波災害 : 簡易な数値計算で算出した津波浸水エリア 津波防災地域づくり法に基づく 津波浸水想定 が未だ全国で設定されていないため 簡易な想定で代用している 2. リスクエリア内人口は 2010 年国勢調査地域メッシュ統計 ( 総務省提供 ) の人口分布からリスクエリアに重なるメッシュ (1km) の人口を抽出した メッシュ内にリスクエリアの境界がある場合は 面積按分を用いた 17

首都直下地震 南海トラフ巨大地震の切迫 首都直下地震 (M7 クラス ) の発生確率は 30 年以内に 70% 程度 南海トラフ地震 (M8~9 クラス ) の発生確率は 30 年以内に 70% 程度 首都直下地震 南関東では 1885 年以降 M7 程度の地震が 5 回発生 ( ) 平均発生頻度は 23.8 年と推定され 今後 30 年以内に地震が発生する確率は 70% 程度と予想される 次の地震の規模は M6.7~M7.2 程度と推定される 1894 年明治東京地震 (M7.0) 1895 年茨城県南部の地震 (M7.2) 1921 年茨城県南部の地震 (M7.0) 1922 年浦賀水道付近の地震 (M6.8) 1987 年千葉県東方沖 (M6.7) 将来の地震発生の可能性地震の規模 :M6.7~7.2 程度地震発生確率 :30 年以内に 70% 程度平均発生間隔 :23.8 年 被害想定 ( 主なもの ) 1. 地震の揺れによる被害 全壊家屋: 約 17 万 5 千棟 建物倒壊による死者: 最大約 1 万 1 千人 揺れによる建物被害に伴う要救援者: 最大約 7 万 2 千人 2. 市街地火災の多発と延焼 焼失: 最大約 41 万 2 千棟 3. 死者数 : 最大約 2.3 万人 4. インフラ ライフライン等の被害 電力: 被災直後は都区部の約 5 割が停電 道路: 都区部の一般道の復旧には1か月以上を要する見込み 鉄道: 地下鉄は1 週間 私鉄 在来線は1か月程度 運行停止する可能性等 5. 経済的被害 建物等の直接被害: 約 47 兆円 生産 サービス低下 : 約 48 兆円 南海トラフ地震 南海トラフでは約 100~200 年の間隔で大地震が発生 前回の昭和東南海地震 (1944 年 ) 昭和南海地震 (1946 年 ) の発生から 70 年近くが経過し 次の大地震発生の可能性が高まっている 過去の南海トラフで発生した大地震は多様性があり 次の地震の震源域の広がりを正確に予測することは困難なため 南海トラフ全体を 1 つの領域として考え 評価した 将来の地震発生の可能性地震の規模 :M8~9クラス地震発生確率 :30 年以内に 70% 程度平均発生間隔 :88.2 年 被害想定 ( 主なもの ) 1. 地震の揺れによる被害 揺れによる全壊家屋数: 約 62 万 7 千棟 ( 基本ケース ) 液状化による全壊家屋数: 約 11 万 5 千棟 ( 基本ケース ) 2. 地震火災による焼失 焼失数: 約 31 万棟 ( 冬 夕 風速 8m/sのケース ) 3. 死者数 : 最大約 32.3 万人 4. インフラ ライフライン等の被害 電力: 被災直後で最大約 2710 万軒が停電 道路: 道路施設被害 ( 路面損傷 沈下 法面崩壊 橋梁損傷等 ) は約 3 万 ~3 万 1 千箇所で発生 ( 基本ケース ) 鉄道: 鉄道施設被害 ( 線路変状 路盤陥没等 ) は約 1 万 3 千箇所で発生 ( 基本ケース ) 等 5. 経済的被害 資産等への被害 被災地 :97.6 兆円 ( 基本ケース ) 経済活動への影響 全国 :35.1 兆円 ( 基本ケース ) 18 資料 : 地震発生確率は地震調査研究推進本部ウェブサイト ( 地震調査研究推進本部地震調査委員会が公表した評価 ) による 被害想定は 首都直下地震対策検討 WG 最終報告 ( 平成 25 年 12 月 ) 南海トラフ巨大地震対策検討 WG 最終報告 ( 平成 25 年 5 月 ) による

目 次 1. 国土計画について 2. 課題認識 3. 計画が描く未来 19

新たな国土形成計画 ( 全国計画 ) 人口減少社会において 安全で豊かな生活を支える国土 持続的な経済成長を支える国土を実現 新たな国土形成計画 ( 全国計画 ) の全体構成 第 1 部計画の基本的考え方第 1 章国土に係る状況の変化と国土づくりの目標第 2 章国土の基本構想第 3 章国土の基本構想実現のための具体的方向性 第 2 部分野別施策の基本的方向第 1 章地域の整備に関する基本的な施策第 2 章産業に関する基本的な施策第 3 章文化及び観光に関する基本的な施策第 4 章国土基盤に関する基本的な施策第 5 章防災 減災に関する基本的な施策第 6 章国土資源及び海域の利用と保全に関する基本的な施策第 7 章環境保全及び景観形成に関する基本的な施策第 8 章多様な主体による共助社会づくりの実現に向けた基本的な施策 第 3 部計画の効果的推進及び広域地方計画の策定 推進 20

国土の基本構想 キーワードは 対流 対流促進型国土 の形成 21

重層的かつ強靭な コンパクト + ネットワーク 対流促進型国土の形成を図るための 国土構造 地域構造 コンパクト + ネットワーク 22

集落地域 例 : 小さな拠点づくりに併せてコミュニティバス デマンドタクシーなどにより交通手段を確保 集落 集落 ふるさと集落生活圏 集落 例 : 道の駅に特産品直売所 コミュニティスペース 役場機能 診療所などを併設 小さな拠点 道の駅 集落 例 : 事業者と NPO 等の協働による新たな輸送システムの構築 郵便 ATM 診療所 旧小学校 例 : 廃校舎を公民館 図書館などに活用 例 : 周辺集落や市街地とつながる生活交通の拠点づくり 旧役場庁舎 例 : 旧役場庁舎を保育所 デイサービスセンター 体験宿泊施設などに活用 ガソリンスタンド スーパー跡地 例 : スーパー撤退後の施設を集落コンビニ 農産物出荷拠点などに活用 23

誘導施設への税制支援等のための計画と中活法に基づく税制支援等のための計画のワンストップ申請 下線は法律に規定するもの コンパクトシティ 背景 地方都市では 高齢化が進む中で 市街地が拡散して低密度な市街地を形成 大都市では 高齢者が急増 法律の概要 立地適正化計画 ( 市町村 ) 都市全体の観点から 居住機能や福祉 医療 商業等の都市機能の立地 公共交通の充実に関する包括的なマスタープランを作成 民間の都市機能への投資や居住を効果的に誘導するための土俵づくり( 多極ネットワーク型コンパクトシティ ) 都市機能誘導区域生活サービスを誘導するエリアと当該エリアに誘導する施設を設定 都市機能 ( 福祉 医療 商業等 ) の立地促進 誘導施設への税財政 金融上の支援 外から内( まちなか ) への移転に係る買換特例 民都機構による出資等の対象化予算 交付金の対象に通所型福祉施設等を追加予算 福祉 医療施設等の建替等のための容積率等の緩和 市町村が誘導用途について容積率等を緩和することが可能 公的不動産 低未利用地の有効活用 市町村が公的不動産を誘導施設整備に提供する場合 国が直接支援予算 歩いて暮らせるまちづくり 附置義務駐車場の集約化も可能 歩行者の利便 安全確保のため 一定の駐車場の設置について 届出 市町村による働きかけ 歩行空間の整備支援 予算 区域外の都市機能立地の緩やかなコントロール 誘導したい機能の区域外での立地について 届出 市町村による働きかけ 税制 公共交通 維持 充実を図る公共交通網を設定 公共交通を軸とするまちづくり 居住誘導区域居住を誘導し人口密度を維持するエリアを設定 区域内における居住環境の向上 区域外の公営住宅を除却し 区域内で建て替える際の除却費の補助予算 住宅事業者による都市計画 景観計画の提案制度 ( 例 : 低層住居専用地域への用途変更 ) 区域外の居住の緩やかなコントロール 一定規模以上の区域外での住宅開発について 届出 市町村による働きかけ 市町村の判断で開発許可対象とすることも可能 区域外の住宅等跡地の管理 活用 不適切な管理がなされている跡地に対する市町村による働きかけ 都市再生推進法人等(NPO 等 ) が跡地管理を行うための協定制度 跡地における市民農園や農産物直売所等の整備を支援予算 地域公共交通網形成計画の立地適正化計画への調和 計画策定支援 ( 地域公共交通活性化再生法 ) 都市機能誘導区域へのアクセスを容易にするバス専用レーン バス待合所や駅前広場等の公共交通施設の整備支援 予算 24

サービス提供機能と雇用の消失 一定の規模を維持できない都市圏ではサービス提供機能と雇用 が消失するおそれ 三大都市圏を除いた地方の雇用に占める第 3 次産業の比率は 65% サービス施設の立地する確率が 50% 及び 80% となる自治体の人口規模 ( 三大都市圏を除く ) 0 人 ~ 5 千人 ~ 1 万人 ~ 2 万人 ~ 5 万人 ~ 10 万人 ~ 20 万人 ~ 50 万人 ~ 小売 宿泊 飲食サービス 500 人 2,500 人 7,500 人 大型ショッピングセンター 77,500 人 92,500 人 275,000 人 175,000 人 275,000 人 百貨店 生活関連サービス 飲食店 喫茶店 87,500 人 映画館 スターバックス コーヒー 175,000 人 30 万人以上の都市圏 2010 年 61 2050 年 43 へ激減 三大都市圏を除く 博物館 美術館 学術研究 教育 学習支援 一般診療所 一般病院 57,500 人 87,500 人 大学 125,000 人 175,000 人 500 人 5,500 人 27,500 人 175,000 人 275,000 人 医療 福祉 訪問介護事業 8,500 人 27,500 人 42,500 人 救命救急センター 125,000 人 人口 10 万人以上の都市 ( 概ね 30 万人以上の都市圏に相当 ) には高度なサービス施設が立地 金融 500 人 6,500 人 9,500 人 有料老人ホーム 対企業サービス 郵便局 銀行 57,500 人 法律事務所 77,500 人 25 ( 出典 ) 各種資料をもとに国土交通省国土政策局作成

都市圏の変化 30 万人以上の都市圏 は 61(2010 年 ) から 43(2050 年 ) へと激減 ) 三大都市圏を除く 2010 年に人口 30 万人以上の都市圏 ( 三大都市圏を除く ) の人口の変化 2010 年 ( 1)2010 年の人口 10 万人以上の市を中心市とし 自動車で 60 分以内の 1km メッシュを都市圏として設定 ネットワークは 財 日本デジタル道路地図協会 デジタル道路地図データベース 2011 年版 による ( 2)2010 年の人口は総務省 国勢調査 による ( 3)2050 年の推計人口は国土交通省国土政策局のメッシュ推計人口による 2050 年 2050 年に人口 30 万人を維持できる都市圏 ( 中心市 ) 2050 年に人口 30 万人を維持できない都市圏 ( 中心市 ) 43 都市圏 18 都市圏 札幌 小樽 江別函館八戸旭川盛岡帯広仙台 大崎苫小牧秋田青森山形弘前福島鶴岡 酒田郡山いわき水戸 ひたちなか日立土浦 つくば那須塩原宇都宮 鹿沼鳥取栃木 小山 筑西米子足利 佐野 桐生 太田周南前橋 高崎 伊勢崎山口 防府新潟 三条 新発田丸亀長岡新居浜 西条富山 高岡佐世保金沢 小松 白山都城福井甲府長野松本沼津 三島静岡 富士 富士宮 焼津 藤枝 島田浜松 掛川 磐田 豊橋 豊川長浜 彦根 東近江和歌山岡山 倉敷福山 尾道 三原広島 呉 廿日市 東広島 岩国徳島高松松山高知北九州 下関福岡 飯塚 筑紫野 春日 久留米 唐津佐賀長崎 諫早熊本 大牟田 八代 大分 別府宮崎鹿児島那覇 浦添 沖縄 うるま 26

地域 都市間の連携による都市圏の形成 京都府北部地域の都市圏像 自治体間連携 医療 教育など住民サービスのシェア 補完等 但馬空港 KTR 宮津線 集約 KTR を核にした公共交通ネットワーク 京丹後市 与謝野町 伊根町 宮津市 集約 医療 ( 府立医大 ) 京都舞鶴港 集約 舞鶴市 医療 ( 国立病院等 ) ICT を活用した効率的な公共交通 IC カードによる住民の移動情報の把握等 個性的な商店街の相互利用 公共交通を活用した商店街の相互利用等 良好な域外アクセス 但馬空港 JR 等による域外アクセス向上 2010 年人口 教育 ( 中高一貫進学校等 ) 福知山市 駅 商店街を核にまち機能を集約 活性化 集約 KTR 宮福線 雇用 ( 工業団地 ) 集約 雇用 ( 工業団地 ) 綾部市 JR 福知山市舞鶴市綾部市宮津市京丹後市伊根町 8.0 万人 8.9 万人 3.6 万人 2.0 万人 5.9 万人 0.2 万人 与謝野町合計 2.3 万人 30.9 万人 27

スーパーメガリージョン メガリージョン全体で 4 つの国際空港 ( 羽田 成田 中部 関西 ) 2 つの国際コンテナ戦略港湾 ( 京浜 阪神 ) 関西 中国地方等への移動が鉄道にシフト 高速道路とのアクセス性向上 三大都市圏間の移動の利便性向上 北東日本の国際ゲートウェイ機能の強化 南西日本の国際ゲートウェイ機能の強化 東海道新幹線のひかり号の増便 東京 ~ 大阪間の高速鉄道のダブルトラック化 ( リダンダンシーの向上 ) 西日本の窓口としての大阪の拠点性が向上 連携の強化 新大阪 関西圏の空港の利便性向上 名古屋 中部国際空港の利便性向上 連携の強化 品川 4 国際空港の役割分担 補完関係 首都圏の空港の利便性向上 品川エリアの開発 国際コンテナ戦略港湾の活用 北関東 東北と大阪 名古屋とのアクセス性向上 都市人口ランキング (2014 年 )( 単位 : 万人 ) 東京 大阪 名古屋 6,015 1 東京 3,490 2 広州 3,230 3 上海 2,940 14 ロサンゼルス 1,730 15 大阪 1,680 16 ダッカ 1,660 40 ハイデラバード 860 41 名古屋 845 42 ワシントン 860 出典 :Thomas Brinkhoff : Major Agglomerations of the World, http;//www.citypopulation.de 28

地域の個性 1 対流 の原動力は 地域の多様な個性 対流 コンパクト 個性 205 回 71 回 86 回 地域の個性を守り 育てる ことが重要 地域の主体的な取組が不可欠 ( 主役は地域を支える担い手 ) 29

地域の個性 2 グローバル化 情報化 人口減少 価値観の大転換 = 豊かさ とは何か 守る だけではなく 新しい文化 ( 暮らし ) の創造が不可欠 地域との関わり方 働き方 老後の暮らし 30

環境保全と景観形成 人口減少 高齢化 財政制約等の下で良好な国土を維持していくため 1 防災 減災 自然共生 国土管理など多様な機能を有する 国土の多面的な利用 を推進 2 自然的土地利用への転換や より簡素な国土管理を含む 国土の選択的な利用 を推進 1 より安全な地域に居住を誘導 (c) 低コストで適切に管理する国土 ( 簡素な国土利用 ) 本来の用途に戻せることを前提とした国土 ( 備える国土利用 ) も選択肢 簡素な国土利用例 津波リスクエリア 土砂災害リスクエリア 人口減少等により 居住地選定の自由度が高まる機会を利用して 津波や土砂災害等のリスクが高い地域から より安全な地域に居住を誘導 災害リスクエリアから安全な地域への居住誘導 ( イメージ ) 現状の管理が困難な土地については 草地 森林等への転換等による低コストで適切な管理 (a) 危険な地域の土地利用を制限 国土管理の視点 防災 減災の視点 自然共生の視点 2 防災機能等の自然が有する多機能性を活用した社会資本整備や土地利用を推進 防災 減災機能をはじめとした自然が有する多様な機能を活用した社会資本整備 ( 緑の防潮堤など ) や土地利用 ( 遊水地整備により湿地環境が再生 ) などを行うグリーンインフラ等の取組みを推進 河川における治水と環境再生の両立 ( 福岡県 上西郷川 ) 遊水地として治水機能を確保すると共に 水質改善や生態系保全にも寄与 ( 渡良瀬遊水地 ) 整備後 ( 河道拡幅 ) 整備前 人の手が入った土地は放棄しても自然に戻ることはなく荒廃する さらに災害リスクが増大する可能性 自然的土地利用への転換に際しては 土地の履歴や特性に即した初期投資が必要 歴史的な人間活動 放棄 写真提供 協力 島谷幸宏氏 林博徳氏 ( 九州大学 ) (b) 過去に損なわれた湿地 森林等の自然環境の保全 再生 備える国土利用例 多面的な国土利用 耕作放棄地を利用して 景観作物の菜の花等を栽培して農地の保全に努めるとともに 植物油等を生成し 販売 一度改変されると復元が困難な土地利用については 本来の用途に戻せることを前提とした管理 牛を放牧して 除草作業の軽減や獣害被害対策 コスト削減 労働時間短縮化等を目的とした管理を行なう 選択的な国土利用 手つかずの自然 荒廃地 里地里山 写真提供 協力 深澤圭太氏 ( 国立環境研究所 ) 3 森林や水資源等の適切な管理による資源やエネルギーを持続可能な形で利活用 森林や水資源等の適切な管理により国土保全機能を高めると共に 地域が資源やエネルギーを持続可能な形で利活用 <トキと共生する佐渡の里山 > 地域資源である豊かな生き物環境や景観 文化をブランド化し 伝統的な農業による農産物の高付加価値化や都市住民との棚田オーナー制度を通じた交流などを行いつつ 地域の暮らしと国土管理を両立 地域自らが土地利用を選択することによるきめ細やかな土地利用 地域住民に加え 都市住民 企業 NPO など多様な主体で管理 31