幼児教育の効果に関する代表的な研究成果 ~ ペリー就学前計画 ~ ペリー就学前計画は 1960 年代のアメリカ ミシガン州において 質の高い幼児教育プログラムに参加したグループ と 参加しなかったグループ を対象に その後長期にわたり追跡調査を実施しているもの 質の高い幼児教育プログラムへの参加は

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3歳未満児3歳以上児教育標準時間 2 保育の必要量の認定 の導入 新制度では パートタイマーなど短時間就労の保護者のお子さんも 公的保育が利用できるように 保育の必要量の認定 が導入されます 保護者の就労状況等に応じて 保育標準時間 保育短時間 の認定がされます 保育短時間 保育標準時間 3 号認定

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物価指数研究会(第2回) 2015年基準 モデル式の検討「授業料」・「保育料」

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子ども・子育て支援新制度の解説資料 2.利用者負担 その1

 

流山市子ども・子育て会議

3 保育の必要性の認定の対象とはならない場合 ( 例 : 専業主婦家庭等 ) どのような施設の利用が無償化の対象になりますか 3 歳から5 歳までの子供について 幼稚園 認定こども園 (4 時間相当分 ) は無償化の対象となります なお この場合 預かり保育は無償化の対象となりません このほか 就学

資料 1 子ども 子育て支援新制度における利用者負担について 1 設定が必要な利用者負担額 1 号認定 認定区分対象該当施設 事業 3 歳以上保育が必要ない 2 号認定 ( 標準時間 ) 3 歳以上 2 号認定 ( 短時間 ) 保育が必要 3 号認定 ( 標準時間 ) 0~2 歳 3 号認定 ( 短

平成29年度「幼稚園・保育所・認定こども園等の経営実態調査」報告書

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( 補助金の交付申請 ) 第 4 条補助金の交付を受けようとする保護者 ( 以下 申請者 という ) は 大阪狭山市私立幼稚園就園奨励費補助金交付申請書 ( 様式第 1 号 ) を市長に提出しなければならない ( 補助金の交付決定 ) 第 5 条市長は 前条の申請があった場合は 内容を審査し適当と認

保育料に関する 基本的な考え方と課題について

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幼児期の教育 保育の需給計画 ( 平成 28 年度実績 ) の点検 評価結果について 資料 2 1 需給計画の策定 かながわ子どもみらいプラン においては 待機児童の解消を図り 子育て家庭のニーズにあった就学前児童の教育 保育の提供体制の充実を計画的に進めるため 各年度 ( 平成 27 年度 ~ 平

新制度における私立幼稚園の選択肢

【資料2-2】公定価格単価表(案)


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06-4 平成26年度概算要求説明資料4

( 趣旨 ) 第 1 条この規則は, 私立幼稚園 ( 学校教育法 ( 昭和 22 年法律第 26 号 ) に基づいて設置された幼稚園で私立の幼稚園をいう 以下同じ ) の設置者が保護者から徴収する保育料及び入園料 ( 以下 保育料等 という ) を減額又は免除 ( 以下 減免 という ) する場合に

草津市 ( 幼保一体化 ) 集計表 資料 4 幼児教育と保育の一体的提供のための現況調査 ( 施設アンケート ) 速報 平成 25 年 7 月草津市 1

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栃木市幼稚園等第三子以降就園する園 第三子以降就園する園 第 3 項に規定 私立幼稚園 私立幼保 第三子以降支援児の保育料軽減による 児の保育料に要する経 する就園する 連携型認定こども園又 保護者負担の緩和 費 園児と生計を は私立幼稚園型認定こ 一にする者の ども園の設置者 市町村民税の 課税状

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1 認可保育所への入所と費用の流れ ( 日本保育協会 HP より抜粋 ) 保育所への入所と費用の流れの全体像 6 徴収 7 負担金 補助金 保護者 1 入所申し込み 市区町村 国 2 入所決定 保育に欠ける児童 4 保育 2 保育委託 5 保育費用の支払い 7 負担金 補助金 3 入所 保育所 都道

趣旨 : すべての子どもに良質な成育環境を保障する等のため 子ども及び子育ての支援のための給付の創設並びにこれに必要な財源に関する包括的かつ一元的な制度の構築等の所要の措置を講ずる (1) 総則 子ども 子育て支援法の目的 基本理念 責務規定 ( 市町村 都道府県 国 事業主 国民の責務 ) 定義規

1 国の動向 平成 17 年 1 月に中央教育審議会答申 子どもを取り巻く環境の変化を踏まえた今後の幼児教育の在り方について が出されました この答申では 幼稚園 保育所 ( 園 ) の別なく 子どもの健やかな成長のための今後の幼児教育の在り方についての考え方がまとめられています この答申を踏まえ

Ⅰ. 子ども 子育て支援新制度について 1 子ども 子育て支援新制度の概要 子ども 子育てを取り巻く課題 急速な少子化の進行 結婚 出産 子育ての希望がかなわない現状 ( 独身男女の約 9 割が 結婚し 子ども 2 人以上 を希望 ) 親の働く状況の違いによる幼児期の教育や保育の提供体制の違い 子育

2 就学前の教育 保育施設の認可について旧制度では 保育所 幼稚園等の設置について 各根拠法令に基づき 県知事による認可等の手続きがありましたが 新制度においては 地域型保育事業 ( 小規模保育事業 家庭的保育事業等 ) について 新たに認可制度が設けられ 市が定める設備および運営の基準 ( 彦根市

平成26年11月4日

改正要点マニュアル

子育てや教育にお金がかかりすぎるから自分の仕事(勤めや家業)に差し支えるから家が狭いから高年齢で生むのはいやだから欲しいけれどもできないから健康上の理由からこれ以上 育児の心理的 肉体的負担に耐えられないから夫の家事 育児への協力が得られない

幼児教育 保育の無償化の実施について 1 子ども 子育て支援新制度の趣旨に沿った無償化の実施を! 子ども 子育て支援新制度 では 一人ひとりの子どもが健やかに成長することができる社会 子どもの最善の利益が実現される社会を目指しています まずこの目指すべき姿に沿った幼児教育 保育の無償化を図るべきです

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目 次 1 実施方針策定の趣旨 P. 1 2 振興計画に基づく取組みと求められる対応 P. 1 (1)Ⅰ 期期間中の取組み (2) 新制度のもと求められる対応 3 当面の実施方針 P. 2 (1) 基本となる考え方 (2) 当面の実施方針 4 新制度のもとでの市立幼稚園 P. 3 (1) 市立幼稚園

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多様な関係機関を巻き込んだ 包括的な質向上システムの構築が必要 長野県幼児教育振興基本方針 ( 仮称 ) の策定 幼児教育の質向上推進の中心的機能を担うセンターの立ち上げを視野に入れる センターの機能 ( 想定 ) 〇幼児教育関係課 団体 大学等をつなぐ 既存の枠組みを超え 幼児教育に関わる教育 行

平成21年度

国のこども園制度に準拠し 保育料を徴収する しかし 平成 26 年 4 月時点で国のこども園制度が施行されていない場合 町は従来どおり 保育を必要とする児童枠 ( 従来の保育園に該当する部分 ) の児童には町保育料の徴収に関する規則に定められた保育料 ( 従来の保育園にあたる保育料 ) を 保育を必

教育 保育提供体制 平成 27 年度 見込量 確 ( 提保供方量策 ) 子ども 子育て支援事業の確保方策について 市全域 認定こども園 保育所 地域型保育 1 号認定 2 号認定 3 号認定 3 歳以上教育希望 3 歳以上教育希望 3 歳以上保育必要 1~2 歳保育必要 0 歳保育必要

幼児教育無償化による家計への影響試算

教育 保育の量の見込み及びその提供体制 1 号認定及び 2 号認定 (3~5 歳児 ) について 利用児童数は 1 号及び 2 号認定の利用児童数と私学助成を受ける私立幼稚園の園児数より算出 1 号認定の利用児童数は 施設型給付費等の基礎資料に関する調査 による ( 時点は各年 4 月 1 日 )

2 職員資格 (1) 満 3 歳未満の子どもの保育に従事する職員は 保育士であることが必要です (2) 満 3 歳以上の子どもの保育に従事する職員は 幼稚園の教員の免許状を有する者を又は保育士であることが必要です (3) 満 3 歳以上の子どもの共通利用時間の保育に従事する職員は 原則 幼稚園の教員

(2) 設備について 認可基準 ( 下線 : 必須 ) 幼保連携型 建物及び附属施設の設置場所 同一敷地内又は隣接する敷地内 ( 公道を挟む程度 ) 既存幼稚園 保育所からの移行の場合の特例 1~3 をすべて満たせば 同一敷地内にない場合も設置可 1 教育 保育の適切な提供が可能 2 子どもの移動時

改正法律一覧 (15 法律 ) 2 法律重複 A 地方公共団体への事務 権限の移譲 (3 法律 ) 毒物及び劇物取締法 1 毒物又は劇物の原体の事業者の登録等に係る事務 権限を国から都道府県へ移譲 就学前の子どもに関する教育 保育等の総合的な提供の推進に関する法律 子ども 子育て支援法 2 幼保連携

保護者のみなさまへ

目次 1 幼稚園とは つに分類される 幼稚園 支給認定 支給認定期間 幼稚園等入園申込期間 保育所等併願申込み 申込みから入所までの流れ 利用者負担金 市内幼稚園等一覧... 5

1. 平成 7 年度保育料の概要 1 保育所保育料について 国の保育所保育料の徴収基準額に対して 平成 7 年度は % 程度の水準とし 県内で中位の水準とすることを目標とする 目標を設定している多くの市町が 70% としており 高い市では 7% としている 階層の区分の仕方が 30 年前の国の徴収基

(1) 家庭的保育事業 項目 国基準 区分 保育業者 家庭的保育者 市町村長が行う研修を修了した保育士 保育士と同等以上の知識及び経験を有すると市町村長が認める者 家庭的保育補助者 市町村長が行う研修を修了した者 数 0~2 歳児 3:1( 家庭的保育補助者を置く場合 5:2) 保育を行う専用居室

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子育て支援事業要件事業例就学前の子どもに関する教育 保育等の総合的な提供の推進に関する法律施行規則(内閣府 文部科学省 厚生労働省令)第2条第1号に掲げる事業第2号に掲げる事業第3号に掲げる事業第4号に掲げる事業第5号に掲げる事業取扱基準別表 ( 第 7 条関係 ) 地域の子ども及びその保護者が相互

2 市町村別 保育所等利用待機児童数の推移 市町村名 22 年度 23 年度 24 年度 25 年度 26 年度 27 年度 28 年度 29 年度 (A) 30 年度 (B) ( 各年 4 月 1 日現在 単位 : 人 ) 対前年比 (B-A) 保留児童数 横浜市 1,

事業者向けFAQ(よくある質問)【第6版】 3

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事業者向けFAQ(よくある質問)

幼保無償化PJ参考資料

別表 独自基準の概要 項目国基準県条例本市条例 ( 案 ) 職員配置 ( 調理員 嘱託医 ) 規定なし 規定なし 調理員 嘱託医を必置とする ( ただし調理業務を委託又は外部搬入する場合は調理員不要 ) 嘱託医について 既存幼稚園が幼稚園型認定こども園の認定を受ける場合は 学校保健安全法で規定されて

地域の自主性及び自立性を高めるための改革の推進を図るための関係法律の整備に関する法律(第7次地方分権一括法)の概要

意見聴取の目的 教育 保育施設 地域型保育事業 の運営開始の申請がなされた場合 佐賀市は 佐賀市子ども 子育て会議 で意見を聴取し を設定しなければなりません 新規設定のみ意見聴取 定員の変更については 会議の意見聴取は不要 事業開始までの流れ 1 都道府県 市町村による施設の認可 2 市町村による

平成27年度税制改正要望結果について

市町村子ども・子育て支援事業計画における「量の見込み」(平成26年4月時点)に関する調査結果について

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3 前項の規定にかかわらず 満 3 歳以上の子どもの教育及び保育時間相当利用児の保育に従事する職員は 保育士の資格を有する者でなければならない ただし 幼稚園型認定こども園又は地方裁量型認定こども園にあっては 保育士の資格を有する者を当該職員とすることが困難であると認められるときは 幼稚園の教員の免

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目次 第 1 章再編計画策定の趣旨 2 第 2 章就学前の子育てを取り巻く状況の変化 3 第 3 章再編計画の基本的な考え方 7 第 4 章公立幼稚園再編 ( 認定こども園整備 ) 計画 9 2

市県民税所得課税証明書から年間所得金額を見る場合 平成 年度 ( 平成 年分 ) 市県民税所得課税証明書 住所 羽生市 134 番地 1 氏名 羽生田羽生子 所得の区分 所得金額 所得の区分 所得金額 総所得金額 330,000 所得控除金額 1,500,000 合計所得金額 330,000 課税標

4月20日(水)衆・厚労委 古屋範子議員の議事録(抜粋)

2019年度 文部科学省税制改正の概要

Taro-平成27年度の取り組み(資料:1)

広域利用の実態が異なる場合の考え方 保育整備計画との関係項目内容 6) 広域利用の実態が異なる場地域型保育事業の認可の際に行われる需給調整の判合の考え方断基準となること等から 学校就学前子どもの区分 ( 認定区分 ) ごと 地域子ども 子育て支援事業の事業ごとに教育 保育施設等及び地域子ども 子育て

ほか 両親を亡くした子供を祖父母やおじ おばが保護者として監護しており 成年に達した場 合も該当します < 子どもの数え方 > 第 3 階層区分まで ( 兄 姉の年齢制限なし ) 補助対象となる園児の世帯内の兄 姉がいる場合 兄 姉を第 1 子とし 園児は第 2 子と数えます また 兄 姉が 2 人

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防府市一時預かり事業実施要綱

変更交付をすべきと認めたときは 交付決定の変更を行い 設置者に対し長与町私立幼稚園就園奨励費補助金交付決定変更通知書 ( 様式第 7 号 ) により通知を行うものとする ( 減免措置方法報告書 ) 第 7 条交付の決定を受けた設置者は 町長が指定する日までに減免措置方法報告書 ( 様式第 8 号 )

緊急に措置すべき事項

 

平成17年3月10日

1 発達とそのメカニズム 7/21 幼児教育 保育に関する理解を深め 適切 (1) 幼児教育 保育の意義 2 幼児教育 保育の役割と機能及び現状と課題 8/21 12/15 2/13 3 幼児教育 保育と児童福祉の関係性 12/19 な環境を構成し 個々 1 幼児期にふさわしい生活 7/21 12/

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子ども 子育て支援新制度市民説明会質問票でのご質問 (10/1 3 6)< 回答集 > 分類 質問 回答 全体で7000 億から1 兆円の予算が新制度のために確保で 新制度における質的向上 量的拡充のために 消費税増税 きる見込みとのことだが 大阪市のために割り当てられる予による増収分の一部が充てら

関係通知等交付年月日 正式名称 省略表記 平成 26 年 9 月 10 日 府政共生第 859 号 26 文科初第 651 号 雇児発 0910 第 2 号 子ども 子育て支援法に基づく支給認定等並びに特定教育 保育施設及び特定地域型保育事業者の確認に係る留意事項等について 平成 27 年 2 月

(頭紙)公布通知

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参考資料 資料 3-2

幼児教育の効果に関する代表的な研究成果 ~ ペリー就学前計画 ~ ペリー就学前計画は 1960 年代のアメリカ ミシガン州において 質の高い幼児教育プログラムに参加したグループ と 参加しなかったグループ を対象に その後長期にわたり追跡調査を実施しているもの 質の高い幼児教育プログラムへの参加は その後の 学校のよい成績 より高い収入 などにつながっているとの結果が出ている OECDでも こうした研究成果を背景に 幼児教育の重要性に関する提言がなされている 計画の概要 実施場所 : 米国ミシガン州イプシランティ市学校区ペリー小学校付属幼稚園対象者層 : 低所得層アフリカ系アメリカ人 3 歳児で 学校教育上の リスクが高い と判定された子ども (IQ70~85) 対象者数 :123 名 ( 被験者 58 名 vs 非被験者 65 名 ) ( うち 調査時点で行方不明は6% 統計的有意性は確認済み ) 実施期間 :1962~67 年教育内容 :3~4 歳児に対して 2 年間 (10 月 ~5 月 ) にわたり 環境を通した子どもの主体的な活動から学習させる ハイスコープ カリキュラムに基づき 下記の教育を施す 1 学校教育 ( 平日午前 2.5 時間 教師 1 人に対して幼児 5.7 人 ) 2 教師による家庭訪問 ( 週 1 回 1.5 時間 ) 3 親を対象とする少人数グループミーティング ( 毎月 ) 実施主体 : 心理学者ワイカートらの研究グループ ( その後 ハイスコープ教育調査財団が追跡調査 ) 追跡調査 :3~11 歳 ( 毎年 ), 14, 15, 19, 27, 40 歳時点 ( 以降継続中 ) 14 歳での基本的な到達 高校卒業 40 歳で年収 2 万ドル以上 40 歳までに逮捕歴 5 回以上 40 歳での主な効果 15% 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 1 36% 40% 45% 49% 55% 60% 質の高い幼児教育の介入実験を実施したグループ未実施のグループ 65%

国名イギリスフランスアメリカドイツ韓国 諸外国における幼児教育の無償化に係る動き 制度の概要 2004 年までに全ての 3~4 歳児に対する幼児教育の無償化を実現 ( 現在 保育施設も含め 週 15 時間 年 38 週分 が無償 社会 経済的困難家庭の 2 歳児にも無償化の対象を拡大 ) 5 歳から初等学校に入学し 義務教育となる 主に 3~5 歳児を対象とした幼稚園は 99% が公立であり 無償 (3 歳以上のほぼ全員が幼稚園を利用 ) 6 歳から小学校に入学し 義務教育となる 連邦制のため 制度の在り方は州により異なる 主に5 歳児を対象とする公立小学校付設の幼稚園は 無償 通常は 6 歳から小学校に入学し 義務教育となる 連邦制のため 制度の在り方は州により異なる 3~5 歳児を対象とした幼稚園は 原則として有償であるが 最終年については 州により有償の場合も無償の場合もある 6 歳から基礎学校に入学し 義務教育となる 2012 年 小学校入学前 3 年間 (3~5 歳児 保育園も含む ) の無償化が法定 公立施設の利用児については 2012 年に無償化を達成 私立施設の利用児については 支援規模を段階的に拡大し 2016 年に実質無償化を達成予定 義務教育直前の就園率 98% *4 歳児 * 保育施設を含む 100% *5 歳児 未定稿 63.5% *3~5 歳児 * 保育施設を含む 92.4% * 保育施設を含む *3~5 歳児 88.1% * 幼稚園 54.7% 保育園 33.4% *5 歳児 ( 出典 ) 英仏米独の 義務教育直前の就園率 については 諸外国における幼児教育 保育の現状や動向に関する調査 ( 平成 24 年 3 月日本総研 ) その他は文科省調べ 2

幼稚園と保育所の比較区分幼稚園保育所 根拠 施設の性格根拠法令 学校学校教育法 児童福祉施設児童福祉法 教育内容等 対象児開設日数保育時間保育 教育内容 満 3 歳 ~ 就学前の幼児 39 週以上 ( 春夏冬休みあり ) 4 時間を標準 預かり保育を実施幼稚園教育要領 ( 保育所保育指針との整合性が図られている ) 0 歳 ~ 就学前の保育に欠ける児童約 300 日 8 時間を原則 延長保育 一時保育を実施保育所保育指針 ( 幼稚園教育要領との整合性が図られている ) 設置主体 国 ( 国立大学法人を含む ) 地方公共団体 学校法人 ただし 私立の幼稚園については 当分の間 学校法人によって設置することを要しない 制限なし 人員 保育士の配置基準 1 学級 35 人以下 0 歳 3:1 1 2 歳 6:1 3 歳 20:1 4 5 歳 30:1 資格職員数 幼稚園教諭専修 ( 院卒 )1 種 ( 大卒 )2 種 ( 短大卒 ) 11 万 1 千人 (H24.5 月現在 ) 保育士 ( 国家資格 ) 30 万 2 千人 (H23.10 月現在 ) 財源と利用料 運営に関する経費 保育料 私立 ( 私学助成 ) H25 予算案 333 億円 (3~5 歳児 ) (H24 予算 323 億円 ) 公立 ( 交付税措置 ) 幼稚園ごとに保育料を設定 ( 所得に応じて就園奨励費を助成 ) 私立 ( 国庫負担金 ) H25 予算案 4,256 億円 (0~5 歳児 ) (H24 予算 3,962 億円 ) ( 国 1/2 都道府県 1/4 市町村 1/4) 公立 ( 交付税措置 ) 市町村ごとに保育料を設定所得に応じた負担 施設 施設基準幼稚園設置基準 ( 文科省令 ) 児童福祉施設の設備及び運営に関する基準 ( 厚労省令 ) その他 入所施設数園児数 保護者と幼稚園設置者との契約 1 万 3 千カ所 ( 国公立 5 千 私立 8 千 ) (H24.5) 160 万 6 千人 ( 国公立 28 万 3 千人 私立 131 万 5 千人 ) 市町村と保護者の契約 ( 保護者の希望に基づく ) 2 万 3 千カ所 ( 公立 1 万 私立 1 万 3 千 ) (H24.4) 216 万 1 千人 ( 公立 85 万 7 千人 私立 130 万 4 千人 ) 3

私立幼稚園 私立保育所の経常費 平成 25 年度予算案 文部科学省 厚生労働省 国 私学助成 (333 億円 ) 就園奨励費補助金 (235 億円 ) 国 保育所運営費負担金 (4,256 億円 ) 負担割合 1/2 定額補助 (1/2 以内 ) 都道府県 補助率 1/3 以内 都道府県 負担割合 1/4 市町村教育委員会 市町村 負担割合 1/4 経常費助成費の交付 就園奨励費の支給 保育料の納付 保護者 保育料の納付 運営費の交付 保護者 私立幼稚園 私立保育所 公立の幼稚園 保育所については 市町村の一般財源と保護者負担によって経常費が賄われている 4

幼稚園と保育所の費用負担の比較 ( 平成 24 年度政府予算ベース ) 公立幼稚園私立幼稚園公立保育所 (3~5 歳 ) 私立保育所 (3~5 歳 ) 園児数 29 万人園児数 132 万人園児数 57 万人園児数 75 万人 総経費 1,200 億円総経費 6,000 億円総経費 3,000 億円総経費 4,100 億円 県 (1,600 億円 ) [ 私学助成 ] 2,600 億円 ( 約 4 割 ) 市町村等 ( 約 8 割 ) 国 市町村 (1,000 億円 ) (500 億円 ) (400 億円 ) [ 私学助成 300] [ 就園奨励 ] [ 交付税 ] [ 就園奨励 200] 市町村 ( 約 4 割 ) (1,100 億円 ) [ 交付税 ] 県 (400 億円 ) 国 市町村 (400 億円 ) 1,700 億円 ( 約 4 割 ) (800 億円 ) [ 保育所国庫負担金 ] 保護者 ( 約 6 割 ) (3,400 億円 ) 保護者 ( 約 6 割 ) 保護者 ( 約 6 割 ) (1,900 億円 ) (2,400 億円 ) 保護者 ( 約 2 割 ) (200 億円 ) 幼稚園全体公費 :3,600 億円 ( 約 5 割 ) 保護者 :3,600 億円 ( 約 5 割 ) 保育所 (3~5 歳 ) 全体公費 :2,800 億円 ( 約 4 割 ) 保護者 :4,300 億円 ( 約 6 割 ) ( 注 1) 平成 24 年度幼稚園就園奨励費 私学助成 保育所運営費負担金予算ベースで地方交付税措置額等から推計したもの 施設整備費を除く ( 注 2) 公立幼稚園の市町村負担額には就園奨励費の地方交付税措置分が含まれている また 現在公立で支給されている就園奨励費 3 億円は本図では省略 ( 注 3) 四捨五入により合計が一致しない場合がある 5

幼稚園と保育所の保育料の比較 (3 歳以上児 : 月額 ) 幼稚園の保育料は 平均保育料等 ( 公立施設月額 6,600 円 私立施設月額 2 万 5,700 円 ) から 所得階層ごとの幼稚園就園奨励費補助金額 ( 国の基準額 ) を引いた額が利用者負担額となる 保育所の保育料は 各市町村において 国の基準を参考に 所得に応じた利用者負担額を設定している いずれも 所得区分の細分化や補助単価の引き上げ ( 額の引下げ ) 等を行っている市町村もある 公立幼稚園私立幼稚園保育所 階層区分 ( 推定年収 ) ( 単位 : 円 ) 階層区分階層区分保育料保育料保育料 ( 推定年収 ) ( 推定年収 ) 生活保護世帯 Ⅰ 生活保護世帯 6,600 Ⅰ 生活保護世帯 0 Ⅰ 市町村民税非課税世帯 4,900 ( 市町村民税所得割 非課税世帯含む ) Ⅱ Ⅲ 市町村民税非課税世帯 ( 市町村民税所得割非課税世帯含む ) 9,100 270 万円 ~ 16,100 Ⅱ Ⅲ 市町村民税非課税世帯 260 万円 ~ 6,000 16,500 就園奨励費支給対象外 270 万円 ~ 6,600 Ⅳ 就支園給奨対励象費外 360 万円 ~ 20,500 680 万円 ~ 25,700 330 万円 ~ Ⅴ 470 万円 ~ 41,500 Ⅶ 930 万円 ~ 77,000 Ⅷ 1,130 万円 ~ 101,000 ( 平成 25 年度予算案ベース ) 保育所の保育料については 上記の保育料より各地域区分ごとの保育単価が下回る場合はその保育単価を限度とする Ⅳ 27,000 Ⅵ 640 万円 ~ 58,000 6

子ども 子育て支援法 ~ 認定こども園 幼稚園 保育所 小規模保育など共通の財政支援のための仕組み ~ 施設型給付 認定こども園 0~5 歳 幼保連携型 幼保連携型については 認可 指導監督の一本化 学校及び児童福祉施設としての法的位置づけを与える等 制度改善を実施 幼稚園型保育所型地方裁量型 幼稚園 3~5 歳 保育所 0~5 歳 私立保育所については 児童福祉法第 24 条により市町村が保育の実施義務を担うことに基づく措置として 委託費を支弁 地域型保育給付 小規模保育 家庭的保育 居宅訪問型保育 事業所内保育 7

保育所財政措置負担施設型給付の創設 施設型給付については 次のような給付構成を基本とする a. 満 3 歳以上児に対する標準的な教育時間及び保護者の就労時間等に応じた保育に対応する給付 b. 満 3 歳未満児の保護者の就労時間等に応じた保育に対応する給付 < 現行制度 > < 新たな制度 > 保育の必要量 ( 欠ける 程度 ) 政措置利用者施設によって異なる財負担幼稚園 8H 4H 私学助成 ( 預かり保育補助 ) 私学助成 就園奨励費 保育の必要量 長時間 標準的な教育時間 満 3 歳以上 施設型給付 保育の必要量 長時間 主として保護者の就労に応じた時間 満 3 歳未満 施設型給付 私立の場合 保育の必要量 ( 欠ける 程度) 8H 法律に基づき利用者が一部負担 法律に基づき利用者が一部負担 私立保育所については 児童福祉法第 24 条に則り 市町村から委託費として支払う 4H 保育所運営費 上記の他 特色ある取組 ( 例 : 特別支援教育等 ) に対する奨励的な補助として私学助成を措置 施設型給付の対象として確認を受けない幼稚園の場合は 私学助成等を継続 利用者 休日保育 早朝 夜間保育についても対応する 所得に応じた費用徴収 8