Ⅰ. 厚生年金基金の取扱について 1. 残余財産の分配について (1) 分配の有無 Q1: 代行部分返納後に残余財産があれば 基金の上乗せ部分に係る 分配金 として 加入者 受給待期者 受給者に分配することになりますが 現時点および最終時点で残余財産はいくらになりますか? A1: 仮に平成 27 年

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上乗部分Q1. 基金制度のどの給付区分が分配金の対象となるのか A1 基金の給付区分は 国の厚生年金の一部を代行している 代行部分 と 基金独自の 上乗部分 から構成されています 代行部分は 解散により国に返還され 解散後は国から年金が支給されますので 分配金の対象となるのは基金独自の上乗部分となり

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厚生年金基金から残余財産の交付を受けた DB の加入員期間の期間算入 解散した厚生年金基金の残余財産の交付を受けて DB を新設する際に 以下のように 解散日から DB の設立までの期間が数日空くケースが考えられる 法令上 このような取扱いはできない < 例 > 平成 27 年 9 月 28 日厚生

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厚生年金基金制度のしくみ 厚生年金基金は 国の厚生年金の一部 ( 老齢厚生年金の報酬比例部分 ) を代行して基金独自の給付 ( 上乗せ部分 ) を行う企業 年金制度です プラスアルファ ( 上乗せ ) 部分の掛金は全額事業主様負担であるため 従業員にとっては手厚い年金を受取ることが出来ます 基金へ掛

さくらグループ厚生年金基金制度の今後について 安定した年金給付を継続していくため 厚生年金基金制度の見直しを進めています はじめに はじめに さくらグループ厚生年金基金は 平成 9 年 4 月に設立され これまで退職された多くの加入員の皆様に一時金給付や年金給付を行ってきました また 基金制度は当社

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年金制度のしくみ 3 階私的年金みらい企業年金基金 2 階 1 階 公的年金 厚生年金 国民年金 共済年金 自営業者など会社員の配偶者会社員公務員など 国民年金の加入者区分 第 1 号被保険者 第 33 号被保険者 第 2 号被保険者 3 階建ての年金制度 日本の公的年金制度は 国民年金 から全ての

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確定給付企業年金制度のご案内 ━ 大阪府電設工業企業年金基金のご案内 ━

1. 改正法の内容 改正法の概要 厚生年金基金制度見直し法により 基金存続が困難に 1 平成 26 年 4 月 1 日 ( 施行日 ) 以降は厚生年金基金の新設は認められません 2 代行割れ ( 注 1) している基金は 施行日から 5 年以内に解散することになっています 3 施行日から 5 年時点

確定給付企業年金 DBパッケージプランのご提案

年 12 月 厚生年金基金制度を解散して後継制度に資産を持込む場合の手続き 本資料は 平成 26 年 12 月 11 日に発出された事務連絡 解散存続厚生年金基金の残余財産を他の制度へ交付又は移換する際の取扱いについて 及び関連する法令等に基づきその要点を纏めたものです 作成時点にお

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制度変更の背景 厚生年金保険法の改正法は 国の厚生年金保険の一部を代行している部分について 厚生年金基金の資産が代行部分に不足することがないような仕組みづくりを趣旨としています 国の代行資産に企業年金の上乗せ部分の資産を加えた厚生年金基金は 大きな資産を保有し 運用環境の悪化時には一時的に大きな積立

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日本再興戦略 改訂 2015 平成 27 年 6 月 30 日に閣議決定された 日本再興戦略 改訂 2015 においては 企業が確定給付企業年金を実施しやすい環境を整備するため 確定給付企業年金の制度改善について検討することとされている - 日本再興戦略 改訂 2015( 平成 27 年 6 月 3

年金制度のポイント

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企業年金のポータビリティ制度 ホ ータヒ リティ制度を活用しない場合 定年後 : 企業年金なし A 社 :9 年 B 社 :9 年 C 社 :9 年 定年 ホ ータヒ リティ制度を活用する場合 ホ ータヒ リティ制度活用 ホ ータヒ リティ制度活用 定年後 :27 年分を通算した企業年金を受給 A

年 発 第     号

中小企業の退職金制度への ご提案について

* * * 事業主 加入員のみなさまへ * * * 理事長有光幸紀 日本産業機械工業厚生年金基金は 昭和 46 年 10 月に産業機械工業界全体での優秀な人材確保と働くみなさまの老後の生活保障を目的として設立されました 本年 10 月には 設立して 43 年を迎えることとなり 皆様のご理解とご支援の

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将来返上認可 過去返上認可 6 基金 解散認可 1 基金 一括納付による解散である 3 指定基金制度ア概要年金給付等に要する積立金の積立水準が著しく低い基金を 厚生労働大臣が指定します この指定された基金に対して 5 年間の財政健全化計画を作成させ これに基づき事業運営を行うよう重点的に指導すること

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はじめにお伝えしたいこと 1 厚生年金基金制度を一旦解散した後で 参加を希望される事業所を対象に 社員に限定した新しい制度を設立します 2 3 後継制度は 掛金変動リスクを抑制し長期安定運営できるよう 運用目標の引き下げ (4.5% 2.5%) や終身年金を廃止した確定給付年金 (DB) と 掛金額

当基金の今後の方向性について 当基金では 昨年 6 月に厚生年金基金制度の見直し法が成立したことから 今後の当厚生年金基金のあり方について検討を重ねてまいりました 改正法は 厚生年金基金に対しこれまでより高い積立水準を課し 達成できなければ短期間での不足の解消または解散を促すという大変に厳しいもので

2/5 ヘ ーシ Q1. 年金通算とは何ですか? A. これまで各企業や基金では 加入者の老後の安定の一助となるよう さまざまな年金制度をつくり運営してきました しかし 従来の終身雇用を前提とした制度では 現代のライフスタイルに対応することが難しくなってきています 転職など雇用の流動化に対応し これ

公開草案なお 重要性が乏しい場合には当該注記を省略できる 現行 適用時期等 平成 XX 年改正の本適用指針 ( 以下 平成 XX 年改正適用指針 という ) は 公表日以後適用する 適用時期等 結論の背景経緯 平成 24 年 1 月 31 日付で 厚生労働省通知 厚生年金基金

目次 問 1 労使合意による適用拡大とはどのようなものか 問 2 労使合意に必要となる働いている方々の 2 分の 1 以上の同意とは具体的にどのようなものか 問 3 事業主の合意は必要か 問 4 短時間労働者が 1 名でも社会保険の加入を希望した場合 合意に向けての労使の協議は必ず行う必要があるのか

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確定拠出年金制度に関する改善要望について

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今さら人には聞けない 退職給付会計超入門.pdf

1 特例解散を申請することになりました 当基金は 解散時に事業主の皆様の追加負担を極力軽減する ( 避ける ) ために 特例解散 を目指すことといたしました 既にお知らせしておりますが 昨年 6 月に成立 公布された厚生年金基金制度の見直しに関する法律 ( 公的年金制度の健全性及び信頼性の確保のため

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1. 指定運用方法の規定整備 今般の改正により 商品選択の失念等により運用商品を選択しない者への対応として あらかじめ定められた指定運用方法 に係る規定が整備されます 指定運用方法とは 施行日(2018 年 5 月 1 日 ) 以降 新たに確定拠出年金制度に加入された方が 最初の掛金納付日から確定拠

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リスク分担型企業年金の導入事例

給付の支給時期 脱退一時金 加入者資格を喪失したとき ( 退職 65 歳到達等 ) 65 歳未満の年齢到達で資格喪失させることも可能 遺族一時金 1 加入中に死亡したとき 2 給付の繰下期間中に死亡したとき 3 年金受給中に死亡したとき 年金 < 退職による資格喪失の場合 > 1 50 歳未満で資格

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基金解散時の最低積立基準額の算定 最低保全給付 ( 控除前 ) 規約に定める最低保全給付の区分ごとに基準日における加入員 受給者等の区分に応じ計算する 各給付区分において 受給者又は受給待期脱退者でかつ加入員である者については 規約に定める残余財産の分配方法に準じて最低保全給付を計上する 将来期間に

図 -33 退職金制度の有無 第 33 表退職金制度の有無とその根拠 ( 事業所数の割合 ) (%) 退職金退職金制度の根拠退職金区分合計制度有労働協約就業規則社内規定その他無回答制度無調査計 (100.0) (3.0) (

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これまでの経緯について すでにご案内のとおり 当基金では 平成 26 年 4 月に施行された厚生年金保険法等の一部を改正する法律に対応するため 検討委員会を立ち上げ検討を重ねてまいりました 検討委員会での議論をもとに 平成 27 年 2 月の第 98 回代議員会において平成 30 年 3 月末を目途

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移換手続きの手引き (60 歳前に企業型 DC のある企業をご退職されたお客さまへ ) この資料では 確定拠出年金を DC (Defined Contribution) と記載しています 北陸銀行 平成 30 年 4 月現在

II. テーマアップの要件への該当 1. テーマアップの要件を基にした テーマアップの要否に関する分析は次のとおりである (1) 広範な影響があるか 本件は企業が複数事業主の厚生年金基金制度に加入し 例外処理を採用していた場合に当該基金が解散するとき論点となる会計処理である 第 11 項に記載のとお

自動的に反映させないのは133 社 ( 支払原資を社内で準備している189 社の70.4%) で そのうち算定基礎は賃金改定とは連動しないのが123 社 (133 社の92.5%) となっている 製造業では 改定結果を算定基礎に自動的に反映させるのは26 社 ( 支払原資を社内で準備している103

(2) 再就職後 年金受給権が発生した場合正規職員無職一般企業無職 共済組合員 A 厚生年金 B ( 一般厚生年金 ) 退職 再就職 老齢厚生年金支給開始年齢 1 年金待機者登録 2 公的年金加入 ( 一部又は全額支給停止 ) 3 年金決定請求 1 退職した際は 年金の受給権発生まで期間がありますの

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( 別紙 ) 本日の委員会の概要内容は必要と思われる箇所を抜粋し 弊社として解釈のうえ記載したものであることを予めご理解願います (1) 企国課長からの説明 ( 配布資料 1~3) ( 説明の概要 ) 1 これまでの主な意見の整理 ( 資料 1) 厚生年金本体の将来の財政への影響は可能な限り回避すべ

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記録問題における減額ケース等の取扱い

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ご自身の加入限度額は? 加入条件 お さまの 性 自 者 年金 者種 1 者 に確定 年金や 確定拠出年金 ( 型 ) がない 確定拠出年金 ( 型 ) に加入している 2 者 加入できる 確定 年金がある 者 基本的には 60 歳未満のすべての方 にご加入いただけます 国民年金を免除されている方等

第 50 号 2016 年 10 月 4 日 企業年金業務室 短時間労働者に対する厚生年金の適用拡大及び厚生年金の標準報酬月額の下限拡大に伴う厚生年金基金への影響について 平成 28 年 9 月 30 日付で厚生労働省年金局から発出された通知 公的年金制度の財政基盤及び最低保障機能

(3) 三井住友信託 DCサポーターの 加入者情報 画面の入力方法について 1 加入者情報画面を開くと 下記の画面が表示されますので右側の 所属企業変更 をクリックします 企業コード 従業員番号 氏名カナについては異動前の事業主 ( 旧所属企業 ) に確認してください 1 クリック Ⅳ-2-8-2

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(組合)事務連絡案(国内在住者扶養認定QA)

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(協会)300829事務連絡(国内在住者扶養認定QA)

年金制度の体系 現状 ( 平成 26 年 3 月末現在 ) 加入員数 48 万人 加入者数 18 万人 加入者数 464 万人 加入者数 788 万人 加入員数 408 万人 国民年金基金 確定拠出年金 ( 個人型 D C ) 確定拠出年金 ( 企業型 DC) 厚生年金保険 被保険者数 3,527

問題 2A 1 一〇五 % 2 いずれにも該当しない 3 〇 九 4 一五〇 % 5 一〇五 % 6 解散計画等 以下の同意が必要である 交付の申出に係る残余財産を分配すべき解散基金加入員等が使用される設立事業所の 事業主の全部 当該設立事業所に使用される厚生年金基金の加入員の二分の一以上の者 (

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国民年金基金にご加入いただいたみなさまへ

厚生年金基金の解散に向けて

図 1 60 歳 61 歳 62 歳 63 歳 64 歳 65 歳 生年月日 60 歳到達年度 特別支給の 男性 S24.4.2~S 平成 21~24 年度 女性 S29.4.2~S 平成 26~29 年度 男性 S28.4.2~S 女性 S33.4.2~S35.

基金解散後の給付 1 代行部分の金は国 日本金機構 へ引継がれます 基金から受ける給付は 基本部分の基本金 代行部分 基本プラスアルファ部分 と加算部分 加算金 一時金 がありますが 基金解散により 基本金のうち代行部分の金は国 日本金機構 へ引継がれ 国 の老齢厚生金の支給ルールに基づき給付されま

b. 通算加入者等期間に算入する期間及び移換申出の手続きア. 移換元制度の算定基礎期間を ( 重複しない範囲で ) 全部合算することイ. 移換申出の手続きは 本人が移換元事業主に対して行うこと c. 手数料移換に関する手数料はかからないこと d. 課税関係確定給付企業年金の本人拠出相当額は拠出時にも

Q3 なぜ 必要な添付書類が変わるのですか? A3 厚生労働省より 日本国内にお住いのご家族の方を被扶養者に認定する際の身分関係及び生計維持関係の確認について 申立のみによる認定は行わず 証明書類に基づく認定を行うよう 事務の取扱いが示されたことから 届出に際して 確認書類の添付をお願いすることとな

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一元化後における退職共済年金および老齢厚生年金の在職支給停止 65 歳未満の場合の年金の支給停止計算方法 ( 低在老 ) 試算表 1 年金と賃金の合算額が 28 万を超えた場合に 年金額の支給停止 ( これを 低在老 といいます ) が行われます 年金と賃金の合算額 (c) が 28 万以下の場合は

確定拠出年金向け説明資料 スミセイのスーパー積立年金 (10 年 ) 確定拠出年金保険 ( 単位保険別利率設定型 /10 年 ) 商品提供会社 : 住友生命保険相互会社 運営管理機関 : 労働金庫連合会 本商品は元本確保型の商品です 1. 基本的性格 払込保険料は 毎月 1 日に新たに設定される保険

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年金支給開始年齢図 特別支給の ( 給料比例部分 ) 昭和 29 年 10 月 1 日生まれ以前 ~ 特別支給の退職共済年金 昭和 25 年 10 月 1 日生まれ以前 ~ 退職共済年金 経過的職域加算額 ( 旧職域部分 ) 退職等年金給付 ( 年金払い退職給付 ) 平成 27 年 9 月までの組合

はじめに 1 掛金は毎月 1 日に引き落としいたします 国民年金基金にご加入いただきありがとうござい ます 国民年金基金は 自営業者などの国民年金の第 1 号被保険者の方々の多様化するニーズに応え より豊かな老後を過ごすことができるよう 国民年金 ( 老齢基礎年金 ) に上乗せした年金を受け取るため

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Transcription:

基金解散および後継制度について Q&A 事業主様用 平成 28 年 1 月 8 日 関東六県電気工事業厚生年金基金 1

Ⅰ. 厚生年金基金の取扱について 1. 残余財産の分配について (1) 分配の有無 Q1: 代行部分返納後に残余財産があれば 基金の上乗せ部分に係る 分配金 として 加入者 受給待期者 受給者に分配することになりますが 現時点および最終時点で残余財産はいくらになりますか? A1: 仮に平成 27 年 3 月末時点の決算数値を前提とすれば 総資産 ( 年金資産 ) は約 342 億円 代行部分の債務は約 328 億円 約 14 億円が残余財産となり分配金の原資となります 最終的な実際の残余財産は 記録整理の仮完了後 解散認可の時点 ( 平成 29 年 4 月を想定 ) でほぼ確定しますので 現時点では正確な額を申し上げることができません 現在 残余財産の減少を抑制するため 資産の運用については国の運用に連動する手法を採用すべく 順次移行手続き中であり 引き続き 代行割れとなるリスクを回避すべく 対応してまいります (2) 分配方法 ( 加入者 受給待期者 受給者への分配 ) Q2: 基金の上乗せ部分に係る残余財産が生じた場合 分配金 はどのように分配されるでしょうか? A2: 残余財産は 加入者 受給待期者 受給者にそれぞれの債務 ( 解散時点での各々の上乗せ部分に係る受給権 ) に応じて按分した額が分配されます なお 事業主への返還はありません 補足 最低責任準備金( 代行部分の債務 ) に見合う資産 は国 ( 日本年金機構 ) に返還され 基金解散後も厚生年金と合算して年金が支払われることになります 2. 解散時の負担金について Q3: 解散時にも任意脱退と同様の負担金が発生するのでしょうか? A3: 解散は一旦基金制度を取りやめる扱いとなりますので 解散認可時に年金資産が 最低責任準備金 ( 代行部分の債務 ) を上回っていれば 事業主の負担金は発生しません ただし 解散認可時より前に 事業主の意思で任意脱退する場合には 従前同様に 最低責任準備金 ( 代行部分の債務 )+ 数理債務 ( 上乗せ部分の債務 ) の不足を埋めるための負担金が発生します 補足 事業主の負担金が発生するケース 解散: 年金資産 < 最低責任準備金 ( 代行部分の債務 ) 任意脱退 : 年金資産 < 最低責任準備金 ( 代行部分の債務 )+ 上乗せ部分の債務 3. 代行割れの可能性 ( 基金財政の現状と見込み ) Q4: 手続きに時間を要しているうちに代行割れになる可能性が高いのではないですか? A4: 現在 残余財産の減少を抑制するため 資産の運用については国の運用に連動する手法を採用すべく 順次移行手続き中です 引き続き 代行割れとなるリスクを回避すべく 対応してまいります 2

Ⅱ. 後継制度について 1. 後継制度への参加 不参加について (1) 参加判断の任意性 Q5: 後継制度への参加は任意と考えてよいのでしょうか? A5: 後継制度への参加は 事業所単位で任意となります 2. 後継制度の考え方について (1)DB( 確定給付年金 ) とDC( 確定拠出年金 ) の違いについて Q7: 後継制度のDB( 確定給付年金 ) とDC( 確定拠出年金 ) の違いはなんですか? A7: 年金制度については 給付 = 掛金 + 運用収益 という構造で運営されますが DB( 確定給付企業年金 ) は 給付 を固定するため 運用収益 次第で事業主がご負担される 掛金 が増減するのに対し DC( 確定拠出年金 ) は事業主がご負担される 掛金 が固定される ( 運用収益 は 給付 に反映) のが 最も大きな違いとなります 詳細につきましては 以下の図をご参照ください DC( 確定拠出年金 ) DC=Defined Contribution 掛金 ( 固定 ) 給付 ( 変動 ) 加入 60 歳 事業主の掛金 固定 負債計上 不要 税務上の取扱 掛金 = 損金 受給権保護 拠出時点で確定 給付の受取り 一時金 年金とも原則 60 歳 事業所毎の掛金任意設定が可能 (2)DB DC 両制度を選択した理由 (DB+DCプランミックスの特徴) Q8: 解散後の後継制度をDB( 確定給付年金 ) とDC( 確定拠出年金 ) としているが これらを選択した理由について説明してください A8: 後継制度を持続安定性の高い制度とすることを目指し 掛金の変動を抑制するためです DBについては 予定利率 ( 運用で上げる収益の目標値 ) を2.5% に引き下げますが それでもマーケット環境が大幅に変動した場合には 掛金も同様に増減する可能性があります そのため 後継制度の全てをDBとせず 掛金が固定されるDCと組み合わせる ( プランミックス ) ことにより 掛金引上げのリスクを抑制しました (3)DB DCへの参加要件 Q10: 自社 DBがあるが 後継制度に参加できるのですか? A10: 既に自社でDBを実施していても 後継制度のDBにご参加いただけます 3

Q11: 自社 DCがあるが 後継制度に加入できますか? また 60 歳以上の加入者もDCに加入できるのですか? A11: 既に自社でDCを実施している場合は 法令上 1 事業所が2つのDCに加入することができませんので 後継制度のDCにはご参加いただけません 自社のDCを 後継制度のDCへ移行する扱いも可能ですが 加入者への影響など慎重にご検討頂く必要があります なお 60 歳以上の加入者の方につきましても 法令上 新たにDCに加入することはできません ( 自社のDCを後継制度に移行される場合は 60 歳以降も継続して加入者になることが可能です ) Q12: 後継制度のDB DCのどちらかだけに参加することは可能ですか? A12:2つの制度を組み合わせることによって 制度全体を安定化させることを目的としていますので DB DCの両方のご参加が原則となります ただし 既に自社でDCを実施されている事業所につきましては DBのみでのご参加となります これ以外の対応をご希望の場合は 個別に事務局にご相談ください Q13: 後継制度への移行時に 現行制度の加入者は 全員が後継制度に加入できますか? A13: 後継制度への移行時に65 歳以上の加入者は DB DCいずれにも加入できず 厚生年金基金の清算手続き完了後の分配金のお受け取りのみとなります 60 歳以上 65 歳未満の加入者は 後継制度のDBには加入できますが DCには加入できません ( 法令上の制限によるものです ただし 自社のDCを後継制度のDC に移行される場合は例外となります ) Q14: 現在 60 歳以上で就労中のため 支給停止中の場合はどうなりますか? A14: 後継制度への加入要件については 上記 A13 と同様のお取扱いとなります なお 後継制度の発足より前にご退職される場合は 解散認可時 ( 平成 29 年 3 月を予定 ) まで年金をお受け取り頂くことができます ( 平成 26 年 7 月より選択一時金は休止しております ) この場合 解散認可後は 厚生年金基金から給付される年金のうち 代行部分は国からの給付に変更となります 上乗せ部分については消滅となり 厚生年金基金の清算手続き完了 ( 平成 31 年 6 月を予定 ) 後に分配金をお受け取り頂くこととなります (4) 後継制度の掛金 給付について Q15:DCの 経過掛金 について 後継制度での取扱を教えてください A15: 経過掛金 の設定の有無については 事業所の任意となります 但し 後継制度発足後の加入の場合には 経過掛金 は設定できませんので 設定をご希望される事業所様は 今回の加入期限までのお申し込みが必要となります 4

(5) 後継制度で任意脱退した場合について Q16: 後継制度でも厚生年金基金のような任意脱退の負担金は生じるのでしょうか? A16:DBについては 参加した後に任意脱退する場合には 給付債務に対し年金資産が不足する場合は負担金が発生します ただし 代行部分を国に返還し 制度の半分を DCとしたことで DBの給付債務が小さくなっていますので 負担金は減少することが見込まれます DCについては 不足金そのものが発生しませんので 追加のご負担はありません (6) 後継制度に参加せず 自社単独で企業年金制度を実施する場合との比較 Q17: 自社単独で企業年金制度を実施する場合と基金の後継制度として総合型の企業年金に参加する場合とを比較した場合 そのメリットは何ですか? A17: 事業主の立場からは 基金事務局が運営の取り纏めを行うことにより 自社単独で企業年金制度を実施される場合に比べ 制度運営上の負荷が抑制されること等が メリットとして考えられます また 後継制度は総合型の企業年金制度のため 現在の厚生年金基金と同様 掛金 = 費用 = 損金の取扱いが可能で 当該年金給付に係る負債認識は不要ですが 自社単独で企業年金制度を実施される場合は退職給付引当金 ( 有税 ) を積む必要があり 特別損失の発生がデメリットとなります (7) 後継制度に参加せず 自社退職金を増額する場合との比較 Q18: 後継制度には参加せず 上乗せ部分の給付相当額を 退職金に上乗せした場合との比較はどうなりますか? A18: 退職金に上乗せする場合 加入者の立場からは 年金として受給できないデメリットはあるものの 課税関係では概ね変わりません しかし 事業主の立場からは 退職金増額分について退職給付引当金 ( 有税 ) を積む必要があり 上記 A17 と同様に 特別損失の発生がデメリットとなります (8) 後継制度に参加せず 自社給与を増額する場合との比較 Q19: 後継制度には参加せず 上乗せ部分の掛金相当額を 給与に上乗せした場合との比較はどうなりますか? A19: これまでの上乗せ部分に要する掛金相当額を給与に上乗せした場合 事業主の立場からは 損金算入されることには変わりありません しかし 加入者の立場からは 年金 ( もしくは退職一時金 ) であれば公的年金等控除 ( もしくは退職所得控除 ) の対象となっていた分が 給与に上乗せされると 所得税の対象になることや 社会保険料が増加することがデメリットとなります 5

Ⅲ. 解散 後継制度設立までのスケジュール 加入事業所としてご対応いただく事項について 1. スケジュール ( 掛金 給付の変更の時期 ) について Q20: 解散認可までの間 加算掛金を支払うことを止められないでしょうか? A20: 解散認可までの間は 厚生年金基金として継続しており 上乗せ部分に係る給付は支払われていますので 加算掛金は 解散までの間はご負担いただく必要があります Q21: 解散認可までの間 今後の新入社員を加算適用加入者にしない扱いはできないでしょうか? A21: 解散認可までの間は 厚生年金基金として継続しており 今後の新入社員につきましても 規約に従って加入者としていただく必要があります Q22: 受給者への上乗せ給付はいつ無くなるのでしょうか? A22: 解散の認可を受けることにより 厚生年金基金の上乗せ部分に係る給付がなくなります 解散認可を受ける時期は 平成 29 年 3 月を想定しています ただし 基金と国の間の管理データの記録整理を概ね完了しておくことが前提となりますので 記録整理に要する期間 ( 一般的には2 年程度と言われています ) によっては 後ずれする可能性があることをお含みおきください 6

2. 加入事業所としてご対応いただく事項について (1) 加入者への説明 同意取得への対応 Q23: 加入者の同意書の取得手続きは基金で対応してもらえるのでしょうか? A23: 今回の制度変更については労使合意が必要なため 加入者の同意書の取得につきましては 原則として事業主にてご対応いただくようお願いいたします なお 事業主説明会でご案内しました簡易版の資料を加工したい等のご希望がありましたら 加工可能なファイルの送信等 可能な限り対応させていただきますので 適宜ご相談ください Q25: 後継制度に参加しない場合 加入者の同意を得る必要はありますか? 必要がある場合 何分のいくつ以上の同意が必要でしょうか A25: 後継制度に参加しない場合でも 基金の解散に係る同意 が必要となります 後継制度に参加する場合には 基金の解散に係る同意 と 後継制度参加に係る同意 が必要となります 基金の解散に係る同意 加入者の2/3 以上の同意 ( 加入者の 1/3 以上で組織する労働組合が複数あれば その3/4 以上の同意も必要 ) 後継制度参加に係る同意 加入者の1/2 以上の同意と 被保険者の過半数で組織する労働組合の同意 ( 当該労働組合がない場合は被保険者の過半数を代表する者の同意 ) (2) 受給者 受給待期者への説明への対応 Q26: 受給者 受給待期者への説明は 基金で対応してもらえるのでしょうか? A26: 基金事務局にて対応いたします 別途 説明資料をご送付する予定です 7