している 現在は 3 地域社会サポート と 4 起業サポート の活動がメインとなっている 5 つのサポート事業の全体像 (2011~2012 年時点 ) 3 活動の特徴 (1) 活動の中で見られた工夫や活動が上手く進んだポイント コミュニティの再生と産業 雇用の創出の拠点となる複合施設を整備東日本大

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発行 第 4 号まで各 2,000 部発行 NPO 団体 コミュニティとの交流 連携 スタッフ研修 中間支援団体の設立支援などを実施している 25 年度からは とめ市民活動プラザ を市に移管し とめ市民活動フォーラム を NPO 法人化した上で 市が NPO 法人とめ市民活動フォーラム に運営管理を

応 募 要 項

1. 手助けを必要とする人へ 困ったときはお互いさま の精神でたすけあい活動に取り組みます ( 対人援助活動 ) 2. 支え合い助け合いのある地域社会づくり活動に取り組みます ( 社会活動 ) その後すぐに 30 名ほどの会員が集まり チームをつくって被災地への支援活動を始めた 毎月車で現地へ向かい

行っている方からは 自宅に閉じこもりがちであったが 外出するきっかけができた との声をい ただいている 3 活動の特徴 1 活動の中で見られた工夫や活動が上手く進んだポイント 大規模仮設住宅以外の被災者を対象に支援を展開前述したように支援物資の配布を通じた訪問活動を行う中で 大規模仮設住宅以外で生活

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市町村における住民自治や住民参加、協働に関する取組状況調査

1 参加した事がない 2 年に 1-2 回参加 Q.5 3 年に 3 回以上参加 4 ほぼ毎回参加 Est 団体設立 年 度数 年数 71.4% 28.6%.0%.0% 100.0% 年 度数 % 35.

活動状況調査

学生確保の見通し及び申請者としての取組状況

CAMPUS TOPICS キャンパス内における完全分煙化の実施について 喫煙は本人の健康を害するだけでなく 周囲の者の迷惑にもなる 大学は未成年の学生を含め 多くの人が集まる公共性の高い場である 本学はキャンパス内に併設幼稚園 小 中 高等学校があり 周囲への配慮が一層求められる 関西大学は 大学

資料 目 次 事業方針 実施計画 みんなで福祉の風土を広げよう 住民 関係機関 団体のネットワークで身近な福祉活動を進めよう 一人ひとりの安全で安心な暮らしを守ろう Ⅳ 推進基盤の強化 主な年間行事等

5 地域再生を図るために行う事業 5-1 全体の概要 棋士のまち加古川 をより幅広く発信するため 市内外の多くの人が 将棋文化にふれる機会や将棋を通じた交流を図ることができる拠点施設を整備するとともに 日本将棋連盟の公式棋戦 加古川青流戦 の開催や将棋を活かした本市独自のソフト事業を展開する 5-2

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第3節 重点的な取り組み

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Fw: 東北活動紹介 Fw: 東北 の活動は Facebook ページで発信しています Facebook 内で Fw 東北 フォワード東北 を検索

事業内容

長野県みらい基金からのお知らせ 2

数値目標 事業開始前 ( 現時点 ) 平成 28 年度 (1 年目 ) 平成 29 年度 (2 年目 ) 平成 30 年度 (3 年目 ) 港湾取扱貨物量 556 万トン 4 万トン 0 万トン 20 万トン 観光入込客数 2,899.4 万人回 -9.5 万人回 1.9 万人回 1.9 万人回 7


Ⅰ Ⅱ 平成 27 年 岩手県の東日本大震災津波からの復興に関する意識調査 結果 ( 速報 ) 目的 復興計画に基づいて県が行う施策 事業の実施状況や進捗に関し 県民がどの程度重要だと感じ どの程度復旧 復興を実感しているか等を毎年継続的に把握することにより 計画の実効性を高め 長期にわたる復興に向

本町は 過疎地域における人口減少や少子高齢化 核家族化の進展という構造的な課題を抱え 若年層の人口流出や世代間交流の機会が少ない現代社会現象が問題となっている また 本町は 県を代表する観光地であるが 観光入込客数は 瀬戸大橋が開通した昭和 63 年をピークに減少しており 平成 27 年には約 23

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< 基本方針 > 一般社団法人移住 交流推進機構 ( 以下 JOIN という ) は 地方に新しい生活や人生の可能性を求めて移住 交流を希望する方々への情報発信や そのニーズに応じた地域サービスを提供するシステムを普及することにより 都市から地方への移住 交流を推進し 人口減少社会における地方の振興

すずらんの活動報告 ~震災から10ヶ月と今後の課題~

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基本方針 2-1 観光資源の有効活用〇歴史 スポーツ 自然など 恵まれた観光資源を活用し 世界に向けた積極的な情報発信や意見交換の場の整備を行います 〇文化 芸術資源のデジタルアーカイブ 33 化により 資源の保護を進め インターネット上での有効活用も行います 2-2 活力ある産業〇ホームページ等の

4-(1)-ウ①

評価項目 評価ポイント 所管部局コメント 評価 国際交流に関する情報の収集及び提供事業国際交流活動への住民の参加促進事業国際理解推進事業在住外国人に対する相談事業在住外国人に対する支援事業 安定 確実な施設運営管理 公正公平な施設使用許可や地域に出向いた活動に取り組むなど新たな利用者の増加に努め 利

地域再生計画 1 地域再生計画の名称 DMO による広域観光連携 2 地域再生計画の作成主体の名称 石巻市 東松島市 3 地域再生計画の区域 石巻市及び東松島市の全域 4 地域再生計画の目標 4-1 圏域の現状 2011 年 3 月 11 日に発生した東日本大震災から5 年が経過した これまで 復興

宮城の将来ビジョン 富県宮城の実現 ~ 県内総生産 10 兆円への挑戦 ~ 富県宮城の実現 ~ 県内総生産 10 兆円への挑戦 ~ 認知度集計表 ( 回答者属性別 ) 内容について知っている 言葉は聞いたことがある 効知らない ( はじめて聞く言葉である ) 県全体 度数 ,172

事例 No. 具体的な工夫 ポイントた情報発信に加え ホームページの立ち上げや SNS の活用を検討している また マスコミからの取材申し入れは全て対応している フリーペーパーの発行や Facebook などの SNS といった多様な手段により広報を実 7 施 Web デザイナーが専門家として参加す

いわて三陸 復興のかけ橋プロジェクト 活動 報告書 第1四半期 (4月~6月)

3 活動の特徴 (1) 活動の中で見られた工夫や活動が上手く進んだポイント 昔話や昔遊びによる回想法を取り入れた講座開催の工夫被災後一年目は 津波被害の精神的な衝撃が残る中 仮設住宅を訪問して講座を開催しても 講座の後のお茶会では 被災者の生活環境への不満や将来の不安を聴くことが多い状況にあった 次

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01 【北海道】

により 都市の魅力や付加価値の向上を図り もって持続可能なグローバル都 市形成に寄与することを目的とする活動を 総合的 戦略的に展開すること とする (2) シティマネジメントの目標とする姿中野駅周辺や西武新宿線沿線のまちづくりという将来に向けた大規模プロジェクトの推進 並びに産業振興 都市観光 地

51 進化するローソン店舗バリエーション 105 OTC OTC 100

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渚泊推進対策 平成 29 年 3 月に閣議決定された 観光立国推進基本計画 において 農山漁村滞在型旅行をビジネスとして実施できる体制を持った地域を平成 32 年度までに 500 地域創出することにより 農泊 の推進による農山漁村の所得向上を実現する と位置づけられたところ 農泊 を持続的なビジネス

第 1 部 施策編 4

東日本大震災発生後 1 年間における仙台市産業振興事業団の企業支援活動 平成 28 年 4 月 18 日 平成 23 年 3 月 11 日に発生した東日本大震災直後から 1 年間にわたり行ってきた弊財団の活動概要です 詳細は別添の復興支援活動記録をご覧くださいませ ご不明な点がありましたら また平成

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はじめに

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( ) () ( ) 12/6

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数値目標 平成 29 年 オープンカフェ新規参加店舗数 58 店 6 店 6 店 オリオン市民広場集客数 1,500 人 3,000 人 3,000 人 センターコア歩行者 自転車通行量 ( 平日 ) 1,700 人 1,700 人 1,700 人 5 地域再生を図るために行う事業 5-1 全体の概

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平成17年7月11日(月)

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( ウ ) 年齢別 年齢が高くなるほど 十分に反映されている まあまあ反映されている の割合が高くなる傾向があり 2 0 歳代 では 十分に反映されている まあまあ反映されている の合計が17.3% ですが 70 歳以上 では40.6% となっています

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人材育成 に関するご意見 1) 独立行政法人情報通信研究機構富永構成員 1 ページ 2) KDDI 株式会社嶋谷構成員 8 ページ 資料 7-2-1

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社会的責任に関する円卓会議の役割と協働プロジェクト 1. 役割 本円卓会議の役割は 安全 安心で持続可能な経済社会を実現するために 多様な担い手が様々な課題を 協働の力 で解決するための協働戦略を策定し その実現に向けて行動することにあります この役割を果たすために 現在 以下の担い手の代表等が参加

(2) 熟練技能者等の派遣による若年技能者等に対する実技指導ものづくりマイスター対象職種以外の職種で企業等から実技指導の要請を受けた場合 熟練技能者等を派遣し実施します (3) 学校単位の製作実演のイベント熟練技能者等を小中学校 訓練施設等へ派遣し 製作実演 ものづくり体験等を行う ものづくり体験教

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月報私学2013年10月号

受付番号 Panasonic NPO/NGO サポートファンド for SDGs [ 国内助成 ] 2019 年募集 新規助成応募企画書 ( 様式 1) パナソニック株式会社御中 応募要項に記載の 個人情報の取り扱い に同意の上 応募します 応募日 :2019 年月日 (1) 応募団体

CSRコミュニケーションブック

JICA 事業評価ガイドライン ( 第 2 版 ) 独立行政法人国際協力機構 評価部 2014 年 5 月 1


み状 (3) お取引先への専門家派遣必要に応じて お取引先へ税理士や中小企業診断士などの専門家を直接派遣する 外部専門家派遣制度 を活用し 経営支援機能の強化を図っています 19 況中小企業の経営の改善及び活性化のための取組み状況 中小企業の経営の改善及び活性化のための取組 3. 中小企業の経営支援

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多賀町地域福祉活動計画案(概要版)


周南市版地域ケア会議 運用マニュアル 1 地域ケア会議の定義 地域ケア会議は 地域包括支援センターまたは市町村が主催し 設置 運営する 行政職員をはじめ 地域の関係者から構成される会議体 と定義されています 地域ケア会議の構成員は 会議の目的に応じ 行政職員 センター職員 介護支援専門員 介護サービ

表紙No.68

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Transcription:

No.5 特定非営利活動法人遠野まごころネット ( 岩手県遠野市 ) No.1 被災地での 緊急支援 と 中長期の復興支援 を併せて実施 総合的な被災地支援の サポートセンターとしての役割を果たす 基本的復旧サポート 個人 地域社会 企業サポート 東日本大震災の検証に関して サポート体制を構築 1 団体の概要 東日本大震災で被災した山田町 大槌町 釜石市 大船渡市 陸前高田市といった岩手県沿岸部 の被災者の方々を支援するべく 遠野市社会福祉協議会 NPO 法人遠野山 里 暮らしネットワー ク 柏木平レイクリゾート ( 株 ) 社団法人遠野青年会議所 遠野の風土と観光を考える協議会 NPO 法人遠野エコネットで結成された被災地支援団体 東日本大震災以降 緊急支援 と 中長期の復興支援 を併せて実施しており 総合的な被災 地支援のサポートセンターとしての役割を果たしている 平成 23 年 7 月に NPO 法人化し 岩手県 から認証を受けている 活動開始年度 平成 23 年度 NPO 法人設立年度 平成 23 年度 主な活動分野 保健 医療 福祉 / 環境の保全 / 人権 平和 / 子どもの健全育成 / 経済活 動の活性化 / 連絡 助言 援助 / 社会教育 / 災害救援 / 国際協力 / 情報化 社会 / 職業能力 雇用機会 / まちづくり / 学術 文化 芸術 スポーツ / 地域安全 / 男女共同参画社会 / 科学技術の振興 / 消費者の保護 所在地 岩手県遠野市遠野町 28 地割 5 電話 0198-62-1001 FAX 0198-62-1002 E-mail tonomagokoro@gmail.com URL http://tonomagokoro.net 代表者 多田一彦 会員数 96 名 ( 正会員 ) 133 名 ( 賛助会員 ) スタッフ数 常勤 ( 有給 )10 名 非常勤 ( 無給 )20 名 事業規模 約 24,000 万円 ( 平成 25 年度 ) 2 活動内容遠野まごころネットでは 復興支援活動の内容が 家屋整理や食品の配送等の緊急を要するものであった段階で 長期的な活動を見据えた上での活動指針とビジョンを策定 ( 平成 23 年 5 月 次ページ参照 ) し 各種支援に取り組んでいる 具体的なプロジェクトとしては 緊急支援 と 中長期の復興支援 を合わせ 5つのサポート体制を構築している ( 次ページ参照 ) 1 基本的復旧サポート では 瓦礫撤去 支援物資の配布 を 2 個人サポート では 個別ニーズ調査 ニーズ対応 自殺防止 よろず相談 電話相談 等を実施してきた 3 地域社会サポート では 人が集まることで避難所からの外出のきっかけをつくる まごころ広場 や地域住民に農園を提供する まごころの郷 の運営のほか 休耕 被災農地の復耕を図る 復耕支援プロジェクト 等を実施してきた 4 起業サポート では 起業の支援 や 直接的なりわいづくり を実施している 5 検証サポート では 東日本大震災の検証と政策提言 等を実施 38

している 現在は 3 地域社会サポート と 4 起業サポート の活動がメインとなっている 5 つのサポート事業の全体像 (2011~2012 年時点 ) 3 活動の特徴 (1) 活動の中で見られた工夫や活動が上手く進んだポイント コミュニティの再生と産業 雇用の創出の拠点となる複合施設を整備東日本大震災の発生から3 年以上が経過し 緊急支援の段階が過ぎた現在 被災地ではコミュニティの再生と産業 雇用の創出が重要な課題となっている 当団体が運営する 大槌たすけあいセンター は 被災者が気軽に集え 働ける場所を提供す 39

るため スイスに本部を設置し世界各地で起こる災害による被災者を支援する JTI Foundation からの支援を受け 平成 26 年 5 月に 8,500 万円をかけて 当団体が整備を行った施設である 同施設において当団体は カフェや手芸教室 英語や IT 講座などのコミュニティプログラムを提供するとともに レストランや食品加工 工房などの施設を活用して なりわい プログラムを提供する活動を行っている また 雇用創出のためのレストラン営業 海鮮餃子やハーブスティックを生産する六次産業化事業 内職の場の提供 コミュニティづくりのためのカフェやイベントの開催 中間就労支援 総合相談支援等 多様な事業を行っていく予定としており 今後 約 20 ~30 名の雇用が創出される見込みとなっている なお 六次産業化事業については 平成 25 年 5 月に農林水産省の六次産業化 地産地消法に基づく事業計画に認定されている 大槌たすけあいセンター JT グループの海外たばこ事業の中核を担う JT インターナショナル (JTI) が設立した財団 ブランド品づくりと地域の産業 雇用の創出当団体が農園として運営している大槌町のまごころの郷第三 はーぶの郷 は 大槌町とその周辺の住民のために開拓したコミュニティ ハーブガーデンとなっている ここでは 平成 24 年から継続して様々なハーブを栽培し 平成 26 年には特にラベンダーとバジルの栽培をこれまでにない規模で進めている ハーブの生産 + 加工 + 販売 = 六次産業を育て 地元に新たな産業と雇用を生み 地域を振興させ 復興に繋げていくことを目標にしている バジルソルト 被災地での就労と自立を支援平成 25 年 8 月には 障害を持った方が復興から取り残されないよう 一人ひとりにあった楽しめる作業を紹介し 就労と自立を支援するために まごころ就労支援センター を開設し 約 20 名の雇用を創出している 同センターでは ボランティアとともにラベンダーを栽培し サシェ を作成したり ネクタイを再利用し くるみボタンアクセサリー等を作成している 大槌町 釜石市 遠野市の被災されたお母さん達は 内職で手芸品 まごころねこぴんち ( 430 円 / 個 ) を作成しており 都内の百貨店で販売を行っているが 人気の商品となり 作成が追い付かない状況となっている くるみボタンアクセサリー サシェ 人気の手芸品 まごころねこぴんち 40

ボランティアに参加した企業のネットワークを活かし物産の販路を開拓手芸品とともに 岩手県野田村が誇る のだ塩 とブレンドして作成した バジルソルト や大槌町の被災地でひっそりと育っていた3 株の稲から育てた 大槌復興米 など 被災地の物産について 当団体の東京事務所において販路を開拓し さらなる被災地での雇用創出に繋げる活動を実施している 具体的には これまでボランティアに参加してもらった企業のネットワークを活かして 直接 企業において物産販売会などを実施しており 1 回 15 万円程度 年物産販売会の様子間数百万円の売り上げに繋がっている Facebook を用いた情報発信活動状況やイベントの内容については Facebook を用いて 毎日情報更新しながら発信している また 取材については積極的に対応し 団体及び活動内容を広く PR している (2) 成長プロセスにおける特徴 平成 23 年 3 月 ~ 平成 24 年 9~10 月 事業実施中平成 25 年度 平成 26 年度 遠野まごころネット設立 支援物資の配布や瓦礫撤去を実施 釜石市鵜住居地区での活動をもって瓦礫撤去作業終了 かたづける ことが中心の活動から 創りあげる ことを中心とした活動へ本格的にシフト コミュニティスペースとして まごころ広場うすざわ (5 月 ) の開設と弁当販売 (12 月 ) 大槌町のまごころの郷第三 はーぶの郷 でハーブの栽培を開始 地域づくりサポート事業開始 手芸品 まごころねこぴんち を東京で販売 障害を持った方の就労と自立を支援する まごころ就労支援センター が開設 (8 月 ) 継続して販売中 コミュニティの再生と産業 雇用の創出の拠点となる 大槌たすけあいセンター がオープン (5 月 ) 41

(3) 事業実施の各段階における関係主体との関連 被災者 関係主体との関連 被災者ニーズの把握 各種支援の実施 実施中 ( 平成 23 年度 ~ ) 特定非営利活動法人遠野まごころネット 遠野市社会福祉協議会 柏木平レイクリゾート ( 株 ) 遠野の風土と観光を考える協議会 NPO 法人遠野山 里 暮らしネットワーク 社団法人遠野青年会議所 NPO 法人遠野エコネット ボランティアとして参加 協力 その他参加 53 団体 県外住民 地元住民 外国人 4 活動の成果 地域社会サポート により被災者の交流の場を創出 地域社会サポート により まごころ広場 という被災者が誰でも自由に立ち寄り 軽食も食べられる場を開設したことで多くの被災者の交流の場となった コミュニティの再生と産業の拠点となる施設整備により新たな雇用を創出被災地ではコミュニティの再生と産業 雇用の創出が重要な課題となっている中 大槌たすけあいセンター や まごころ就労支援センター の整備により 地域に新たな産業や雇用が創出されつつある また まごころ広場 で常連となった女性メンバーが5~6 名集まり 料理の腕を活かしたお弁当屋を開店した 雇用の創出の場となるとともに 復興に係る工事関係者からの評判も良く 250~300 万円 / 月の売上となった ボランティアに参加した企業等とのネットワークを構築東日本大震災以降 CSR や新人研修の一環として 被災地のボランティアに参加した企業との間でネットワークが構築され 百貨店での被災地の物産の販売及び企業内での物産販売会の開催等について支援を受けることができる関係性を構築できたことにより 当団体にとっては 新たな雇用の創出に結びつきつつある また 当団体の活動に対して 企業から寄附等の支援を受けることができる関係にも発展している 42

< 活動を通じて得た定量的な成果 > 事業を通じた成果平成 23 年度平成 24 年度平成 25 年度平成 26 年度累計 手芸品他 物産の販売額 雇用者数 9,672,773 円 12,964,748 円 11,764,292 円 4,464,328 円 38,866,141 円 0 人 227 人 50 人 38 人 315 人 ボランティア人数 56,895 人 25,811 人 12,188 人 4,545 人 99,439 人 5 活動の継続に向けた課題と今後の展望 (1) 活動の継続に向けた課題 自主事業の強化被災地では引き続き 産業 雇用の創出が重要な課題となっており 各種助成事業や補助金を活用しながら自主事業を実施していく 活動体制の強化と人材の育成 活動に携わるスタッフが減少傾向にあり 新たな人材を入れながら活動体制を整えていくとと もに 団体内部の人材育成を実施していく必要がある (2) 今後の展望 策定した活動指針とビジョンの継承平成 23 年 10 月に策定した活動指針とビジョンを継承し 5つのサポート事業を引き続き実施していく 東日本大震災を踏まえ ボランティアの受入に関するマニュアルを整備当団体では 熊本県や京都府の水害 栃木県や茨城県の突風による災害に際して支援を実施してきたが 改めて 東日本大震災を踏まえたボランティアの受入に関するマニュアルを整備し 緊急的な支援が実施できるようにしていく また 他の団体でも活用可能なようにマニュアルを整備していくこととしている 43