ものであった また, 本件規則には, 貸付けの要件として, 当該資金の借入れにつき漁業協同組合の理事会において議決されていることが定められていた (3) 東洋町公告式条例 ( 昭和 34 年東洋町条例第 1 号 )3 条,2 条 2 項には, 規則の公布は, 同条例の定める7か所の掲示場に掲示して行

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平成  年(オ)第  号

政令で定める障害の程度に該当するものであるときは, その者の請求に基づき, 公害健康被害認定審査会の意見を聴いて, その障害の程度に応じた支給をする旨を定めている (2) 公健法 13 条 1 項は, 補償給付を受けることができる者に対し, 同一の事由について, 損害の塡補がされた場合 ( 同法 1

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特例適用住宅 という ) が新築された場合 ( 当該取得をした者が当該土地を当該特例適用住宅の新築の時まで引き続き所有している場合又は当該特例適用住宅の新築が当該取得をした者から当該土地を取得した者により行われる場合に限る ) においては, 当該土地の取得に対して課する不動産取得税は, 当該税額から

(2) B 社に係る破産事件等東京地方裁判所は, 平成 21 年 2 月 24 日,B 社を再生債務者として, 再生手続開始の決定をした しかし, 東京地方裁判所は, 同年 3 月 24 日,B 社の事業継続を不可能とする事実が明らかになったとして, 再生手続廃止の決定をするとともに, 再生手続廃止

れぞれ求める住民訴訟である 2 原審の確定した事実関係等の概要は, 次のとおりである (1) 市は, 鳴門市公営企業の設置等に関する条例 ( 平成 16 年鳴門市条例第 3 8 号 ) により, モーターボート競走法に基づくモーターボート競走の開催及びこれに附帯する業務を行うため, 競艇事業を設置し

従業員 Aは, 平成 21 年から平成 22 年にかけて, 発注会社の課長の職にあり, 上記事業場内にある発注会社の事務所等で就労していた (2) 上告人は, 自社とその子会社である発注会社及び勤務先会社等とでグループ会社 ( 以下 本件グループ会社 という ) を構成する株式会社であり, 法令等の

平成  年(行ツ)第  号

併等の前後を通じて 上告人ら という 同様に, 上告人 X1 銀行についても, 合併等の前後を通じて 上告人 X1 銀行 という ) との間で, 上告人らを債券の管理会社として, また, 本件第 5 回債券から本件第 7 回債券までにつき上告人 X1 銀行との間で, 同上告人を債券の管理会社として,

本件合併時にA 信用組合に在職する職員に係る労働契約上の地位は, 被上告人が承継すること,3 上記の職員に係る退職金は, 本件合併の際には支給せず, 合併後に退職する際に, 合併の前後の勤続年数を通算して被上告人の退職給与規程により支給することなどが合意された また, 本件合併の準備を進めるため,

平成 30 年 ( 受 ) 第 269 号損害賠償請求事件 平成 31 年 3 月 12 日第三小法廷判決 主 文 原判決中, 上告人敗訴部分を破棄する 前項の部分につき, 被上告人らの控訴を棄却する 控訴費用及び上告費用は被上告人らの負担とする 理 由 上告代理人成田茂ほかの上告受理申立て理由第

する 理 由 第 1 事案の概要 1 本件は, 平成 21 年 ( 受 ) 第 602 号被上告人 同第 603 号上告人 ( 以下 1 審原告 X1 という ) 及び平成 21 年 ( 受 ) 第 603 号上告人 ( 以下 1 審原告 X 2 といい,1 審原告 X 1と1 審原告 X 2を併せ

裁判所は, 同年 9 月, 被上告人に対し, 米国に被拘束者を返還することを命ずる旨の終局決定 ( 以下 本件返還決定 という ) をし, 本件返還決定は, その後確定した (4) 上告人は, 本件返還決定に基づき, 東京家庭裁判所に子の返還の代替執行の申立て ( 実施法 137 条 ) をし, 子

平成  年(オ)第  号

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た本件諸手当との差額の支払を求め ( 以下, この請求を 本件差額賃金請求 という ),2 予備的に, 不法行為に基づき, 上記差額に相当する額の損害賠償を求める ( 以下, この請求を 本件損害賠償請求 という ) などの請求をする事案である 2 原審の確定した事実関係等の概要は, 次のとおりであ

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し, これを評点 1 点当たりの価額に乗じて, 各筆の宅地の価額を求めるものとしている 市街地宅地評価法は,1 状況が相当に相違する地域ごとに, その主要な街路に沿接する宅地のうちから標準宅地を選定し,2 標準宅地について, 売買実例価額から評定する適正な時価を求め, これに基づいて上記主要な街路の

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平成  年(オ)第  号

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(1) 普天間飛行場は, 宜野湾市の中央部にあり, 昭和 20 年からアメリカ合衆国軍隊 ( 以下 米軍 という ) による使用が開始され, 現在, 米軍海兵隊の航空部隊の基地として用いられている 同飛行場周辺は, 学校や住宅, 医療施設等が密集している状況にある (2) キャンプ シュワブは, 名

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13 条,14 条 1 項に違反するものとはいえない このように解すべきことは, 当裁判所の判例 ( 最高裁昭和 28 年 ( オ ) 第 389 号同 30 年 7 月 20 日大法廷判決 民集 9 巻 9 号 1122 頁, 最高裁昭和 37 年 ( オ ) 第 1472 号同 39 年 5 月

かった その後, 市は, 同年 11 月 14 日, 本件土地につき, 予定価格を非公表とし, 再度一般競争入札に付したが, 申込みをした者はいなかった (3) ア大願寺地区には, 平成 25 年 4 月までに小中学校を移転することとされていたところ, 市議会においては, 防犯や児童生徒の安全のため

なお, 基本事件被告に対し, 訴状や上記移送決定の送達はされていない 2 関係法令の定め (1) 道路法ア道路管理者は, 他の工事又は他の行為により必要を生じた道路に関する工事又は道路の維持の費用については, その必要を生じた限度において, 他の工事又は他の行為につき費用を負担する者にその全部又は一

最高裁○○第000100号

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7 平成 28 年 10 月 3 日 処分庁は 法第 73 条の2 第 1 項及び条例第 43 条第 1 項の規定により 本件不動産の取得について審査請求人に対し 本件処分を行った 8 平成 28 年 11 月 25 日 審査請求人は 審査庁に対し 本件処分の取消しを求める審査請求を行った 第 4

11総法不審第120号

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上陸不許可処分取消し請求事件 平成21年7月24日 事件番号:平成21(行ウ)123 東京地方裁判所 民事第38部

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平成  年(オ)第  号

返還の必要性を十分説明しており 手続は適法である 第 3 審理員意見書の要旨 1 結論本件審査請求には理由がないので 棄却されるべきである 2 理由 (1) 本件の争点は 本件保険が法第 4 条第 1 項に規定する 利用し得る資産 に該当するかどうかであるが その判断に当たっては 処分庁が判断の要素

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平成  年 月 日判決言渡し 同日判決原本領収 裁判所書記官

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の補正書 において, 審査請求の趣旨を この開示請求は本人の給与のみずましにかかわる書面である為 としているが, 原処分を取り消し, 本件対象保有個人情報の開示を求めている審査請求として, 以下, 原処分の妥当性について検討する 2 原処分の妥当性について (1) 給与所得の源泉徴収票について給与所

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平成 27 年度 特定行政書士法定研修 考査問題 解答と解説 本解答と解説は 正式に公表されたものではなく 作成者が独自に作成したものであり 内容の信頼性については保証しない 以下の事項に全て該当 遵守する場合にのみ 利用を許可する 東京都行政書士会葛飾支部会員であること 営利目的でないこと 内容を

定していました 平成 25 年 4 月 1 日施行の 高年齢者等の雇用の安定等に関する法律の一部を改正する法律 では, 継続雇用制度の対象者を限定できる仕組みの廃止について規定されていますが, 平成 25 年 4 月 1 日の改正法施行の際, 既にこの基準に基づく制度を設けている会社の選定基準につい

が成立するが 本件処分日は平成 29 年 3 月 3 日であるから 平成 24 年 3 月 3 日以降 審査請求人に支給した保護費について返還を求めることは可能であ る 第 3 審理員意見書の要旨 1 結論本件審査請求には理由がないので 棄却されるべきである 2 理由 (1) 本件処分に係る生活保護

第 1 民法第 536 条第 1 項の削除の是非民法第 536 条第 1 項については 同項を削除するという案が示されているが ( 中間試案第 12 1) 同項を維持すべきであるという考え方もある ( 中間試案第 12 1 の ( 注 ) 参照 ) 同項の削除の是非について どのように考えるか 中間

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次のように補正するほかは, 原判決の事実及び理由中の第 2に記載のとおりであるから, これを引用する 1 原判決 3 頁 20 行目の次に行を改めて次のように加える 原審は, 控訴人の請求をいずれも理由がないとして棄却した これに対し, 控訴人が控訴をした 2 原判決 11 頁 5 行目から6 行目

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メ 札幌市オンブズマン条例 平成 12 年 12 月 12 日条例第 53 号 改正 札幌市オンブズマン条例 平成 15 年 10 月 7 日条例第 33 号 平成 20 年 11 月 7 日条例第 36 号 目次第 1 章総則 ( 第 1 条 第 4 条 ) 第 2 章責務 ( 第 5 条 第 7

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1 項で, 道府県知事は, 固定資産課税台帳に固定資産の価格が登録されている不動産については, 当該価格により当該不動産に係る不動産取得税の課税標準となるべき価格を決定するものとする旨を定め, 同条 2 項で, 道府県知事は, 固定資産課税台帳に固定資産の価格が登録されていない不動産又は当該固定資産

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平成 27 年 ( 行ヒ ) 第 156 号損害賠償請求事件 平成 28 年 1 月 22 日第二小法廷判決 主 文 原判決中上告人敗訴部分を破棄する 前項の部分につき本件を高松高等裁判所に差し戻す 理 由 上告代理人小泉武嗣の上告受理申立て理由 ( ただし, 排除されたものを除く ) について 1 本件は, 東洋町がA 漁協 ( 以下 A 漁協 という ) に対し漁業災害対策資金として1000 万円を貸し付けたこと ( 以下 本件貸付け という ) につき, 同町の住民である被上告人が, 本件貸付けに係る支出負担行為及び支出命令が違法であるなどとして, 地方自治法 242 条の2 第 1 項 4 号に基づき, 同町の執行機関である上告人を相手に, 当時の町長らに対し1000 万円の損害賠償請求をすることを求める住民訴訟である 2 原審の確定した事実関係等の概要は, 次のとおりである (1) A 漁協は, 水産業協同組合法に基づき, 東洋町 a 地区の水産資源の管理等の事業を行うことを目的として設立された漁業協同組合である (2) 東洋町は, 平成 23 年 10 月 25 日, 東洋町漁業災害対策資金貸付規則 ( 平成 23 年東洋町規則第 23 号 以下 本件規則 という ) を制定した その内容は, 同年 7 月の台風 6 号の被害を受けた漁業者 ( 以下 被害漁業者 という ) の属する漁業協同組合に対し, 被害漁業者の早期の施設復旧と再生産及び経営の安定を図ることを目的として,1000 万円の限度で資金を貸し付けるという - 1 -

ものであった また, 本件規則には, 貸付けの要件として, 当該資金の借入れにつき漁業協同組合の理事会において議決されていることが定められていた (3) 東洋町公告式条例 ( 昭和 34 年東洋町条例第 1 号 )3 条,2 条 2 項には, 規則の公布は, 同条例の定める7か所の掲示場に掲示して行う旨定められているが, 本件規則は, 平成 24 年 3 月中旬頃, そのうちの1か所の掲示場に掲示されたにとどまり, 他の6か所の掲示場には掲示されなかった (4) A 漁協は, 平成 23 年 11 月 8 日, 東洋町に対し, 本件規則に基づき,1 000 万円の貸付けを受ける旨の申請 ( 以下 本件申請 という ) をした その際,A 漁協は, 被害漁業者がBを経営者とする b 組合 である旨を申告する書面等を添付書類として提出した (5) A 漁協は, 本件申請に先立つ平成 23 年 11 月 3 日, 理事 8 名のうち6 名が出席した理事会において, 全会一致で, 東洋町に対し本件申請をする旨の議決 ( 以下 本件議決 という ) をした 上記 6 名には,B 及び同人の子であるCが含まれていた (6) 東洋町長であるDは, 平成 23 年 11 月 17 日, 本件申請に基づき,A 漁協に対し1000 万円を貸し付けることを決定する旨の支出負担行為及びその貸付金として1000 万円の公金を支出する旨の支出命令 ( 以下, これらを併せて 本件支出負担行為等 という ) をし, 同月 21 日,A 漁協に対する本件貸付けが行われた (7) A 漁協は, 平成 23 年 11 月 22 日, 本件貸付けに係る金員を原資として,Cに対し,1000 万円を融資した (8) 水産業協同組合法 37 条 2 項は, 漁業協同組合の理事会の議決について特 - 2 -

別の利害関係を有する理事は, 議決に加わることはできない旨を定め,A 漁協定款 49 条の3 第 2 項は, これと同旨を定めている また, 同法 37 条 1 項は, 漁業協同組合の理事会の議決は, 議決に加わることができる理事の過半数が出席し, その過半数をもって行う旨を定め, 定足数及び議決要件については定款によって加重することができることを定めるところ,A 漁協定款は,49 条の3 第 1 項において理事会の定足数及び議決要件について同法 37 条 1 項と同旨を定める一方, 上記の各要件を加重する旨の定めを設けていない 3 原審は, 上記事実関係等の下において, 要旨次のとおり判断し, 本件支出負担行為等は地方公共団体の長の裁量権の範囲を著しく逸脱してされたものとして違法であって, そのことにつきDには過失があるというべきであり, かつ, 本件貸付けがされたことにより東洋町には1000 万円の損害が発生しているとして,Dに対する損害賠償請求を求める被上告人の請求を認容すべきものとした (1) 本件規則は, 東洋町公告式条例の定める公布手続を欠いたものであり, 効力を生じていないものというべきである したがって, 本件貸付けは, 本件規則に基づいて行われたものとはいえず,Dの東洋町長としての裁量により実行されたことになるから, 本件貸付けが違法であるかどうかは, 本件貸付けがDの東洋町長としての裁量権の範囲を逸脱してされたものといえるかどうかによるというべきである (2) 本件議決は, 本件貸付けにより利益を受ける者が加わってされたものであり, 水産業協同組合法 37 条 2 項及びA 漁協定款 49 条の3 第 2 項に反し, 手続上の瑕疵があるというべきである そして,Dは, このことを知り又は過失によりこれを知らなかったものと認められるから, 本件議決に基づく本件貸付けについての - 3 -

A 漁協の代表理事の代表行為は, 無効である (3) Dは, 本件規則において漁業協同組合の理事会における議決が貸付けの要件として定められているにもかかわらず, 本件議決に手続上の瑕疵があることを看過して本件支出負担行為等をしたものであるから, 本件支出負担行為等は地方公共団体の長の裁量権の範囲を著しく逸脱してされたものとして違法である 4 しかしながら, 原審の上記 3(2) 及び (3) の判断は是認することができない その理由は, 次のとおりである (1) 水産業協同組合法 37 条 2 項が, 漁業協同組合の理事会の議決について特別の利害関係を有する理事が議決に加わることはできない旨を定めているのは, 理事会の議決の公正を図り, 漁業協同組合の利益を保護するためであると解されるから, 漁業協同組合の理事会において, 議決について特別の利害関係を有する理事が議決権を行使した場合であっても, その議決権の行使により議決の結果に変動が生ずることがないときは, そのことをもって, 議決の効力が失われるものではないというべきである そうすると, 漁業協同組合の理事会の議決が, 当該議決について特別の利害関係を有する理事が加わってされたものであっても, 当該理事を除外してもなお議決の成立に必要な多数が存するときは, その効力は否定されるものではないと解するのが相当である ( 最高裁昭和 50 年 ( オ ) 第 326 号同 54 年 2 月 23 日第二小法廷判決 民集 33 巻 1 号 125 頁参照 ) 水産業協同組合法 37 条 2 項と同旨の定めであるA 漁協定款 49 条の3 第 2 項についても, 同様に解するのが相当である (2) これを本件についてみると, 本件議決に加わった理事のうち,Bは本件貸付けに係る被害漁業者の経営者であり, 同人の子であるCは本件貸付けに係る貸付 - 4 -

金を原資としてA 漁協から融資を受けた者であるから, いずれも本件議決につき特別の利害関係を有するものというべきである しかし, 本件議決については,A 漁協の理事 8 名からこれらの者を除外した6 名の過半数に当たる4 名が出席し, その全員が賛成したのであるから, 特別の利害関係を有する理事を除いてもなお議決要件を満たすということができる なお, 水産業協同組合法 37 条 1 項によれば, 本件議決につき定足数が満たされていることは明らかである そうすると, 本件議決を無効とすべき瑕疵があるとはいえない (3) そして, 本件規則が効力を生じていないものであっても, 本件規則に基づく貸付けと同様の目的を有する貸付けをするに当たり漁業協同組合の理事会の議決を要するものとすることは合理的なものであるところ, 上記のとおり, 本件議決を無効とすべき瑕疵があるとはいえないことからすれば, 結局,Dは, 本件貸付けを合理的なものと認められる手続によって行ったものということができ, この点に関し, 本件支出負担行為等が町長の裁量権の範囲を逸脱してされたものということはできない 5 以上と異なる見解に立って, 本件支出負担行為等が町長の裁量権の範囲を逸脱してされたものであって違法であり,Dは損害賠償責任を負うとした原審の判断には, 判決に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反がある 論旨は理由があり, 原判決のうち上告人敗訴部分は破棄を免れない そして, 被上告人が他に主張する本件支出負担行為等の違法事由の有無やこれに関連して損害が東洋町に発生しているといえるか否か等について, 更に審理を尽くさせるため, 上記部分につき本件を原審に差し戻すこととする よって, 裁判官全員一致の意見で, 主文のとおり判決する - 5 -

( 裁判長裁判官千葉勝美裁判官小貫芳信裁判官鬼丸かおる裁判官 山本庸幸 ) - 6 -