無年金・低年金の状況等について

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第14章 国民年金 

第 9 回社会保障審議会年金部会平成 2 0 年 6 月 1 9 日 資料 1-4 現行制度の仕組み 趣旨 国民年金保険料の免除制度について 現行制度においては 保険料を納付することが経済的に困難な被保険者のために 被保険者からの申請に基づいて 社会保険庁長官が承認したときに保険料の納付義務を免除す

平成16年度社会保険事業の概況

平成16年度社会保険事業の概況

2909_0 概要

平成 30 年 1 月末の国民年金 厚生年金保険 ( 第 1 号 ) 及び福祉年金の受給者の 年金総額は 49 兆円であり 前年同月に比べて 6 千億円 (1.3%) 増加している 注. 厚生年金保険 ( 第 1 号 ) 受給 ( 権 ) 者の年金総額は 老齢給付及び遺族年金 ( 長期要件 ) につ

平成 30 年 2 月末の国民年金 厚生年金保険 ( 第 1 号 ) 及び福祉年金の受給者の 年金総額は 49 兆円であり 前年同月に比べて 7 千億円 (1.4%) 増加している 注. 厚生年金保険 ( 第 1 号 ) 受給 ( 権 ) 者の年金総額は 老齢給付及び遺族年金 ( 長期要件 ) につ

平成25年度厚生年金保険・国民年金事業の概況

2906_0 概要

【作成中】2903_0 概要

国民年金

平成16年度社会保険事業の概況

Microsoft Word - T2-06-1_紙上Live_老齢(1)_①支給要件(9分)_

平成16年度社会保険事業の概況

年金額の改定について 公的年金制度は平成 16 年の法改正により永久に年金財政を均衡させる従来の仕組みから おおむね ( 100 ) 年間で年金財政を均衡させる仕組みへと変わった この年金財政を均衡させる期間を 財政均衡期間 という これにより 政府は少なくとも ( 5 ) 年ごとに財政の検証をおこ

(2) 国民年金の保険料 国民年金の第 1 号被保険者および任意加入者は, 保険料を納めなければなりません また, より高い老齢給付を望む第 1 号被保険者 任意加入者は, 希望により付加保険料を納めることができます 定額保険料月額 16,490 円 ( 平成 29 年度 ) 付加保険料月額 400

強制加入被保険者(法7) ケース1

現在公的年金を受けている方は その年金証書 ( 請求者及び配偶者 請求者名義の預金通帳 戸籍謄本 ( 受給権発生年月日以降のもの ) 請求者の住民票コードが記載されているもの ( お持ちの場合のみ ) 障害基礎年金 受給要件 障害基礎年金は 次の要件を満たしている方の障害 ( 初診日から1 年 6か

(2) 国民年金の保険料 国民年金の第 1 号被保険者および任意加入者は, 保険料を納めなければなりません また, より高い老齢給付を望む第 1 号被保険者 任意加入者は, 希望により付加保険料を納めることができます 定額保険料月額 15,250 円 ( 平成 26 年度 ) 付加保険料月額 400

高齢者福祉

例 言 厚生年金保険被保険者厚生年金保険被保険者については 平成 27 年 10 月 1 日から被用者年金制度の一元化等を図るための厚生年金保険法等の一部を改正する法律が施行されたことに伴い 厚生年金保険法第 2 条の5の規定に基づき 以下のように分類している 1 第 1 号厚生年金被保険者第 2

平成28年度厚生年金保険・国民年金事業の概況

Taro-1-国民年金編2015  作成 

-1-

強制加入被保険者(法7) ケース1

新規裁定当該期間 ( 月又は年度 ) 中に新たに裁定され 年金受給権を得た者が対象であり 年金額については裁定された時点で決定された年金額 ( 年額 ) となっている なお 特別支給の老齢厚生年金の受給権者が65 歳に到達した以降 老齢基礎年金及び老齢厚生年金 ( 本来支給もしくは繰下げ支給 ) を

< F31322D335F81798ED0984A8E6D817A944E8BE08D8E959E814593BE>

2 厚年と国年の加入期間がある人 昭和 36 年 3 月以前 20 歳未満および 60 歳以後の厚年の被保険者期間 昭和 36 年 3 月以前の厚年期間のみの人 坑内員 船員 ( 第 3 種被保険者 ) の場合 昭和 61 年 3 月までの旧船員保険の

平成28年度厚生年金保険・国民年金事業の概況

平成27年度厚生年金保険・国民年金事業の概況

平成 28 年 9 月度実施実技試験 損保顧客資産相談業務 139

第 1 号被保険者 資格取得の届出の受理 種別変更の届出の受理 資格喪失の承認申請 ( 任意脱退 ) の受理 資格喪失届出の受理 資格喪失の申出 第 1 号被保険者 任意加入被保険者 付加保険料の納付の申出の受理 付加保険料の納付しないことの申出の受理 に申請 届出または申出をした場合 被保険者 世

ただし 対象期間の翌年度から起算して3 年度目以降に追納する場合は 保険料に加算額が上乗せされます 保険料の免除や猶予を受けず保険料の未納の期間があると 1 年金額が減額される 2 年期を受給できない3 障害基礎年金や遺族基礎年金を請求できない 場合がありますのでご注意ください 全額または一部免除

第9章 国民年金制度について

第 8 表 ( 続 ) 適用状況 資格取得者数 総 数 第 1 号 被 保 険 者 ( 再掲 ) ( 再掲 ) 任 意 加 入 被 保 険 者 第 3 号 被 保 険 者 学生の 20 歳到達に 合 計 男 子 女 子 合 計 男 子 女 子 新規加入 よる新規加入 合 計 男 子 女 子 合 計

1

老齢基礎年金 老齢基礎年金を受けられる方 老齢基礎年金は 原則として受給資格期間が 25 年 (300 ヵ月 ) 以上ある方が 65 歳になったときから受けられます 受給資格を満たしているときは 本人の希望により 60 歳から 70 歳までの間で年金を受け始める年齢を変更することができます (17

2506 概要

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被用者年金一元化法

( 第 1 段階 ) 報酬比例部分はそのまま定額部分を段階的に廃止 2 年ごとに 1 歳ずつ定額部分が消える ( 女性はすべてプラス 5 年 ) 報酬比例部分 定額部分 S16 S16 S18 S20 S22 4/1 前 4/2 ~4/2 4/2 4/2 4/2 ~~~

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ブック 1.indb

01 公的年金の受給状況

Microsoft Word - T2-06-2_紙上Live_老齢(2)_①年金額・マクロ(12分)_

第 2 節強制被保険者 1 第 1 号被保険者頻出 択 ( 法 7 条 1 項 1 号 ) 資格要件 日本国内に住所を有する20 歳以上 60 歳未満の者 ( 第 2 号 第 3 号被保険者に該当する者を除く ) 例 ) 自営業者 農漁業従事者 無業者など 適用除外 被用者年金各法に基づく老齢又は退

介護保険・高齢者福祉ガイドブック

他の所得による制限と雇用保険受給による年金の停止 公務員として再就職し厚生年金に加入された場合は 経過的職域加算額は全額停止となり 特別 ( 本来 ) 支給の老齢厚生年金の一部または全部に制限がかかることがあります なお 民間に再就職し厚生年金に加入された場合は 経過的職域加算額は全額支給されますが

介護保険・高齢者福祉ガイドブック

厚生年金 健康保険の強制適用となる者の推計 粗い推計 民間給与実態統計調査 ( 平成 22 年 ) 国税庁 5,479 万人 ( 年間平均 ) 厚生年金 健康保険の強制被保険者の可能性が高い者の総数は 5,479 万人 - 約 681 万人 - 約 120 万人 = 約 4,678 万人 従業員五人

2. 繰上げ受給と繰下げ受給 65 歳から支給される老齢厚生年金と老齢基礎年金は 本人の選択により6~64 歳に受給を開始する 繰上げ受給 と 66 歳以降に受給を開始する 繰下げ受給 が可能である 繰上げ受給 を選択した場合には 繰上げ1カ月につき年金額が.5% 減額される 例えば 支給 開始年齢

再任用と年金加入の関係をまとめると次のようになる ( 都道府県によって勤務形態は異なる ) 再任用の勤務形態フルタイム勤務 3/4 1/2 週の勤務時間 38 時間 45 分 29 時間 19 時間 15 分 共済年金 厚生年金 (2016 年 9 月 30 日まで ) 加入する年金 (2015 年

強制加入被保険者(法7) ケース1

年金・社会保険セミナー

スライド 1

年金制度のポイント

はじめに 定年 は人生における大きな節目です 仕事をする 働く という観点からすれば ひとつの大きな目標 ( ゴール ) であり 定年前と定年後では そのライフスタイルも大きく変わってくることでしょう また 昨今の労働力人口の減少からも 国による 働き方改革 の実現に向けては 高齢者の就業促進も大き

Web 版 Vol.70( 通巻 715 号 ) 国民年金 基礎年金制度の2017 年度財政状況 2017 年度の収支は 収入総額 244,768 億円 支出総額 235,998 億円で 収支残 8,770 億円の黒字収支となった 2016 年度と比較すると 収入総額はプ

2906_0 概要

また 保険料の納付対象月数に占める納付月数の割合 ( 納付率 ) は 低下傾向が続いており 2012 年度時点で59.0% となっている ( 図表 1) 保険料は過去 2 年分の納付が可能であるため 最終的な納付率は多少上昇するが 過去の傾向からみても2012 年度の最終納付率は60% 台半ば程度に

<4D F736F F D2095E982E782B582C996F097A782C28FEE95F181458CE3945B90A FA967B944E8BE08B408D5C A2E646F6378>

12 ページ, 図表 ,930 円 保険料納付済月数 + 全額免除月数 1/2+4 分の 3 免除月数 5/8+ 半額免除月数 3/4+4 分の 1 免除月数 7/8 ( 出所 ) 厚生労働省 老齢年金ガイド平成 2730 年度版 より筆者作成 40 年 ( 加入可能年数

1 2

表 2 イ特別支給の老齢厚生年金老齢厚生年金は本来 65 歳から支給されるものです しかし 一定の要件を満たせば 65 歳未満でも 特別支給の老齢厚生年金 を受けることができます 支給要件 a 組合員期間が1 年以上あること b 組合員期間等が25 年以上あること (P.23の表 1 参照 ) c

(2) 男女別の公的年金加入状況平成 22 年 11 月末における 20~59 歳の男子の公的年金加入状況をみると 第 1 号被保険者が 979 万 6 千人 ( 男子人口に対し 29.5%) が 2,262 万 1 千人 ( 同 68.2%) が 11 万 3 千人 ( 同 0.3%) であり (

階層 国民年金階層 異動 国民年金異動届 (10) 国民健康保険 国民健康保険情報 (10) 国民健康保険 取得届書種別変更 ( 第 1 号被保険者該当 ) 届書 国民健康保険情報 国民年金処理結果一覧表 居所未登録者整理結果通知書 (11.1.1) 取得 (11.1.7

年金・社会保険セミナー

平成16年年金制度改正における年金財政のフレームワーク


スライド 1

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一元化後における退職共済年金および老齢厚生年金の在職支給停止 65 歳未満の場合の年金の支給停止計算方法 ( 低在老 ) 試算表 1 年金と賃金の合算額が 28 万を超えた場合に 年金額の支給停止 ( これを 低在老 といいます ) が行われます 年金と賃金の合算額 (c) が 28 万以下の場合は

退職後の医療保険制度共済組合の年金制度退職後の健診/宿泊施設の利用済組合貸付金/私的年金退職手当/財形貯蓄/児童手当個人型確定拠出年金22 共イ特別支給の老齢厚生年金老齢厚生年金は本来 65 歳から支給されるものです しかし 一定の要件を満たせば 65 歳未満でも 特別支給の老齢厚生年金 を受けるこ

はじめに 1 掛金は毎月 1 日に引き落としいたします 国民年金基金にご加入いただきありがとうござい ます 国民年金基金は 自営業者などの国民年金の第 1 号被保険者の方々の多様化するニーズに応え より豊かな老後を過ごすことができるよう 国民年金 ( 老齢基礎年金 ) に上乗せした年金を受け取るため

平成16年年金制度改正 ~年金の昔・今・未来を考える~

平成25年4月から9月までの年金額は

強制加入被保険者(法7) ケース1

Microsoft Word - (差替)170620_【総務部_厚生課_櫻井望恵】論文原稿

老齢基礎年金 老齢基礎年金は 国民年金の加入者であった方の老後の保障として給付され 65 歳になったときに支給されます 老齢基礎年金は 保険料納付済期間 ( 厚生年金保険や共済組合の加入期間を含む ) と保険料免除期間などを合算した資格期間が 10 年以上ある場合に 終身にわたって受け取ることができ

資料2(事業管理課部分)

Microsoft Word - T2-04-1_紙上Live_被保険者期間と届出_(13分)_

現役時代に国民年金 厚生年金に加入していた者は 一部を除き6 歳以上で老齢基礎年金 老齢厚生年金を受給することができる 4 老齢基礎年金の額は 年度は満額で年額 78, 円 ( 月額 6,8 円 ) であるが 保険料を納付していない期間があればその期間に応じて減額される 一方 老齢厚生年金の額は現役

スライド 1

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国民年金基金にご加入いただいたみなさまへ

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介護保険制度 介護保険料に関する Q&A 御前崎市高齢者支援課 平成 30 年 12 月 vol.1

日付なしT2-01-2_紙上Live_ダイジェスト版(2)_①_(10分)_

年金・社会保険セミナー

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稲垣氏講演資料

Microsoft PowerPoint - 老後の年金格差(前半)HP用

Microsoft PowerPoint - 老後の年金格差(前半)HP用

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みずほインサイト 政策 2018 年 10 月 18 日 ideco 加入者数が 100 万人超え加入率引き上げへさらなる制度見直しを 政策調査部上席主任研究員堀江奈保子 naoko. ideco( 個人型確定拠出年金 ) の加入

しくみ2 厚生年金は基礎年金に上乗せ 厚生年金保険が適用されている事業所に勤めるサラリーマン等は 国民年金と厚生年金保険の2つの年金制度に加入することになります 厚生年金保険から支給される年金は 加入期間とその間の平均収入に応じて計算される報酬比例の年金となっていて 次のように基礎年金に上乗せするか

老齢年金の繰下げ支給に係る支給開始時期の見直し 70 歳に達した後に繰下げ支給の申出を行った場合に 年金額は 70 歳の時点で申出を行った場合と変わらないにもかかわらず 申し出のあった月の翌月以降の年金しか支払われない扱いとしていることについて 繰下げの申出を行うまでの期間の給付も行うこととする (

Web 版 Vol.69( 通巻 714 号 ) 図表 1 年金生活者支援給付金の概要 高齢者への給付金 ( 老齢年金生活者支援給付金 ) 何回かご覧になっている資料だと思いますので 支給要件 や 保険料納付済期間に基づく給付額 など制度の概要 ( 基本的事項 ) につ

資料1 短時間労働者への私学共済の適用拡大について

2 給付と負担における世代間の大きな格差給付と負担を比較すると 後の世代ほど負担がより重くなっており 世代間の不公平感が高まっている 3 職業や世帯形態による制度の違い負担面での一元化が行われておらず ( 注 3) また 被用者の扶養配偶者 (3 号被保険者 ) の取扱いは 女性の就業意欲を妨げる要

Transcription:

資料 3-3 資料 2-2 6/4 第 5 回所得確保 保障 ( 雇用 年金 ) 分科会 低年金 無年金対策について

老齢基礎年金の年金月額の分布 老齢基礎年金等 ( 老齢基礎年金 + 旧国民年金老齢年金 ) の受給権者 (18 年度末で約 2,200 万人 ) の年金額分布をみると 満額に近い水準 ( 月額 6 万円台 ) が全体の約 4 割を占めており 次いで 月額 5 万円台及び 3 万円台がそれぞれ 2 割弱を占めている 総数 基礎のみ 旧国年 ( 再掲 ) 合計 ( 割合 ) 男子 女子 合計 ( 割合 ) 男子 女子 合計 22,007,125 100.0% 9,410,123 12,597,002 9,017,684 100.0% 2,256,458 6,761,226 万円以上万円未満 ~ 1 131,097 0.6% 33,936 97,161 58,121 0.6% 1,657 56,464 1 ~ 2 357,682 1.6% 120,345 237,337 163,109 1.8% 14,565 148,544 2 ~ 3 1,197,906 5.4% 224,884 973,022 807,681 9.0% 104,498 703,183 3 ~ 4 3,635,285 16.5% 760,663 2,874,622 2,571,158 28.5% 507,373 2,063,785 4 ~ 5 3,039,657 13.8% 812,579 2,227,078 1,527,467 16.9% 359,695 1,167,772 5 ~ 6 3,673,089 16.7% 1,330,144 2,342,945 1,377,402 15.3% 325,379 1,052,023 6 ~ 7 8,887,160 40.4% 5,797,531 3,089,629 2,007,366 22.3% 801,937 1,205,429 7 ~ 1,085,249 4.9% 330,041 755,208 505,380 5.6% 141,354 364,026 平均月額 ( 円 ) 53,202 58,490 49,252 47,641 52,532 46,008 注基礎のみ 旧国年 ( 再掲 ) とは 新法厚生年金保険 ( 旧共済組合を除く ) の受給権を有しない基礎年金受給権者及び旧法国民年金 (5 年年金を除く ) の受給権者をいう 9,000,000 年金月額階級別基礎年金等受給権者数 資料出所 平成 18 年度社会保険事業の概況に基づき作成 8,000,000 7,000,000 6,000,000 受給権者数 5,000,000 4,000,000 3,000,000 2,000,000 1,000,000 0 1 万円未満 1~2 万円 2~3 万円 3~4 万円 4~5 万円 5~6 万円 6~7 万円 7 万円以上年金月額階級 資料出所 平成 18 年度社会保険事業の概況 ( 社会保険庁 ) 1

低年金者 無年金者が生じる要因として考えられること 満額の年金を受給するために必要な 保険料納付済期間 が不足している者がいること 未納 未加入期間を有する者 未納 未加入の状態であった期間は 年金額の計算においても 受給資格期間の計算においても算定されない 免除を受けた期間を有する者 免除を受けた期間は 年金額の計算において 保険料を納付した期間より減額されて (4 分の 1 免除は 6 分の 5 半額免除は 3 分の 2 4 分の 3 免除は 2 分の 1 全額免除は 3 分の 1 として ) 算定される * 免除を受けた期間は 受給資格期間の計算においては算定される 制度上 国民年金に 任意加入 とされていた者で 任意加入していなかった期間を有する者 国民年金の任意加入制度の対象者 ( 例 : 昭和 61 年 3 月以前の被用者の配偶者 ) が任意加入しなかった場合 当該期間は 年金額の計算において算定されない * 当該期間は 受給資格期間 ( 原則 25 年 ) の計算においては算定される 65 歳前から老齢基礎年金等の繰上げ受給を行っているために 減額された老齢基礎年金等を受給していること 60 歳から受給した場合の繰上げ減額率は 昭和 16 年 4 月 1 日以前生まれの者は 42% 同月 2 日以後生まれの者は 30% となっている 老齢基礎年金等の国民年金の繰上げ受給の選択率は 平成 18 年度においては 全体で約 50% 新規裁定で約 20% なお かつては新規裁定で 8 割近く繰上げ受給が選択されていたこともあった 2

1. 趣旨及び経緯 免除制度について 諸外国の社会保険方式の年金制度においては 無業者 低所得者については 制度の適用除外としていることが一般的 これに対し わが国は 国民皆年金 の考え方に立ち 無業者 低所得者など 現時点で保険料の納付が難しい者であっても 将来 負担能力が生じることもあるので これらの者も適用除外とすることなく 負担能力に応じた保険料免除を制度的に導入するとともに 保険料免除を受けた者 ( 期間 ) に対しては 一定の範囲で税財源による年金給付を行う仕組みを設け できる限り将来の年金受給に結びつけるよう配慮 制度発足時 ( 昭和 36 年 4 月 ) に全額免除の仕組みを設け その後 平成 12 年改正で半額免除 平成 16 年改正で 1/4 免除と 3/4 免除を設けて 4 段階の制度とし 利用しやすい制度となるようにしてきている 2. 具体的な仕組み 本人等の前年所得が一定以下の場合に 申請によって 保険料の全額又は一部 (4 分の 3 半額 4 分の 1) の納付が免除される * 障害基礎年金の受給権者 生活保護の対象者等は自動的に保険料の全額が免除される ( 法定免除 ) * 10 年以内であれば追納可能 免除を受けた期間は 老齢基礎年金等の受給資格に必要な期間としてカウントされる 老齢基礎年金の年金額は 国庫負担相当分が給付される この結果 免除を受けた期間について は 免除の種類に応じて以下の給付水準となる 全額免除 3 分の1 (2 分の1) 半額免除 3 分の2 (4 分の3) 4 分の3 免除 2 分の1 (8 分の5) 4 分の1 免除 6 分の5 (8 分の7) * ( ) 内は 国庫負担割合が 2 分の 1 に引き上げられた後の期間 3

国民年金 繰上げ受給率の推移 資料出所 社会保険事業の概況 ( 社会保険庁 ) 4

繰上げ受給等を行っている場合とそうでない場合との平均年金額の比較 老齢基礎年金等の受給者の平均年金額は約 5 万 3 千円 繰上げ受給等を行っていない者のみでは約 5 万 8 千円となっており 約 5 千円の差が生じている (1) 基礎年金のみの受給者をみると 平均年金額は約 4 万 7 千円 繰上げ受給等を行っていない者のみでは約 5 万 6 千円となっており 約 9 千円の差が生じている (2) 1 老齢基礎年金等 *1 の受給者 2 基礎年金のみ *2 の受給者 年金額 ( 月額 ) 60,000 受給者の平均年金月額の推移 ( 総計 ) 総計内繰上 繰下なし 年金額 ( 月額 ) 60,000 受給者の平均年金月額の推移 ( 基礎のみ ) 基礎のみ受給者内繰上 繰下なし 55,000 5 千円 55,000 9 千円 50,000 50,000 45,000 45,000 40,000 40,000 35,000 35,000 30,000 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 年度 30,000 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 年度 *1 老齢基礎年金 + 旧国民年金老齢年金 (5 年年金を除く ) *2 厚生年金保険の受給権を有しない者の基礎年金及び旧国民年金老齢年金 (5 年年金を除く ) 資料出所 5 社会保険庁事業年報

繰上げ受給等を行っている場合とそうでない場合との年金額の分布 基礎年金のみの受給権者の年金額分布をみると 繰上げ受給等を行っている者が最も多いのは 3~4 万円 (1) であり 繰上げ受給等を行っていない者では 6~7 万円 (2) となっている 繰上げ受給者の請求時の年齢は 60 歳が最も割合が高く 繰上げ受給者全体の約 6 割 ( 千人 ) 3,000 2,500 2,000 1,500 1 2 1,000 500 0 1 万円未満 1 万円 ~2 万円 2 万円 ~3 万円 3 万円 ~4 万円 4 万円 ~5 万円 5 万円 ~6 万円 6 万円 ~7 万円 7 万円以上 基礎のみのうち繰上 繰下している者基礎のみのうち繰上 繰下していない者基礎のみ受給権者 ( 総数 ) 繰上げ受給者の請求時年齢の構成 ( 平成 17 年度末現在 ) ( 受給月額 ) ( 注 ) 月額 7 万円以上の者としては 1 繰下増額年金の受給者 2 昭和 61 年 3 月以前に国民年金に任意加入していた被用者の配偶者 3 国民年金の付加年金受給者が考えられる 資料出所 社会保険庁事業年報 ( 平成 17 年度 ) に基づき作成 総 数 60 歳 61 歳 62 歳 63 歳 64 歳 4,409,316 2,515,096 57.0 % 687,560 15.6 % 422,495 9.6 % 579,086 13.1 % 205,079 4.7 % 6

公的年金制度の適用状況の推移 8,000 公的年金に加入すべき者の数 7,000 ( 非加入者に相当する部分 ) 6,000 5,000 被用者年金制度被保険者 4,000 3,000 国民年金 ( 第 1 号 ) 任意加入者 第 3 号被保険者 2,000 1,000 国民年金 ( 第 1 号 ) 強制加入者 0 昭和 61 平成 2 7 12 17 18 ( 注 ) 公的年金に加入すべき者の数 とは 20~59 歳人口に 国民年金 ( 第 1 号 ) の任意加入者と 20 歳未満及び 60 歳以上の被用者年金被保険者を加えたものである 社会保険庁 事業年報 総務省 人口推計年報 より作成 7

国民年金の未加入対策と未加入者の減少 以下のようなこれまでの対策により 平成 9 年度において 119 万人であった未加入者は 平成 18 年度においては 18 万人まで減少している 1. 制度未加入者への対策 (1) 20 歳になった者全員に国民年金加入の通知をした上で 届出がない場合には職権で国民年金を適用 ( 平成 7 年度 ~) (2) 住基ネットを活用した未加入者の把握 住基ネットを活用し 34 歳到達時点等における未加入者の把握を行い 加入の届出勧奨を実施 ( 今後実施予定 ) 2. 転業転職による年金制度間での移行の際の対策 (1) 企業を退職後 国民年金の届出がない者に 届出用紙を同封した通知を送付 ( 平成 10 年度 ~) 届出がない者には職権で国民年金を適用 ( 平成 17 年 8 月 ~) (2) 国民年金の資格喪失後 厚生年金への加入の届出がない者に対する通知 ( 平成 18 年度 ~) (3) 職業安定所との連携により 失業者に対する種別変更手続きの周知を徹底 ( 平成 16 年 10 月 ~) 8

( 参考 ) 資料出所 平成 18 年度国民年金保険料の納付状況と今後の取組等について ( 社会保険庁 ) 9

公的年金制度の未納 非加入期間割合 免除 猶予期間割合の推移 公的年金制度全体として本来加入すべき期間のうち 未納 非加入となっている期間の割合の推移を見ると 国民年金制度発足以来概ね 1 割前後となっており 近年特に高くなっているというわけではない * 国民年金の任意加入制度の対象者 ( 昭和 61 年 3 月以前の被用者の配偶者 平成 3 年 3 月以前の学生など ) の未加入期間も含んだ数字であることに留意が必要 100.0 90.0 80.0 70.0 納付期間割合 60.0 50.0 40.0 30.0 免除 猶予期間割合 20.0 10.0 未納 非加入期間割合 0.0 昭和 36 40 45 50 55 60 平成 2 7 12 17 18 ( 注 1) 各指標の定義は以下の通り 未納 非加入期間割合 ( 公的年金制度全体として本来加入すべき期間のうち 未納 非加入となっている期間の割合 ) = 1 - (( 第 1 号保険料納付対象者 納付率 + 保険料免除 猶予者数 + 第 3 号被保険者数 + 被用者年金被保険者数 ) 国民年金に加入すべき者の数 ) 免除 猶予期間割合 ( 公的年金制度全体として本来加入すべき期間のうち 免除 猶予の対象となっている期間の割合 ) = 保険料免除 猶予者数 国民年金に加入すべき者の数 ( 注 2) 納付率は当年度納付率を用いており 最終納付率とは異なることに注意が必要 出典 * : 社会保険庁 事業年報 総務省 人口推計年報 より作成 7.4% 9.3% 10

85.0 第 1 号被保険者における年齢階級別納付率 年齢階級別の納付率を見ると 保険料収納が現在の仕組みとなった平成 14 年度と直近の 18 年度のいずれも 年齢階級が上がるほど納付率も上がっている また 平成 14 年度の各年齢階級の納付率と比べ 18 年度の 5 歳上の各年齢階級の納付率はすべて上がっており 同じ世代においても年齢が上がるにつれて納付率が高まっている 80.0 79.4 79.3 75.0 72.5 70.0 65.0 65.1 69.2 68.4 72.2 平成 18 年度納付率 (66.3%) 60.0 55.0 56.2 平成 18 年度 57.6 60.1 56.9 63.6 平成 14 年度納付率 (62.8%) 50.0 54.2 52.9 平成 14 年度 45.0 47.4 49.4 40.0 20~24 25~29 30~34 35~39 40~44 45~49 50~54 55~59 ( 注 ) 平成 17 年度より 20~29 歳の低所得の者に対して保険料納付を猶予する 若年者納付猶予制度が新たに施行されている 出典 : 社会保険庁 事業年報 11

65 歳以上の無年金者数の推移 近年 65 歳以上人口の増加に伴い無年金者数も増加しているが 同人口に占める割合は 1.8% 前後で変わっていない 各調査時点で 65 歳の者の制度加入期間を見ると 未納 非加入期間割合 の平均は 10% 強となっている 万人 ) 100.0 90.0 1.80% (65 歳以上人口に対する割合 ) 1.77% 1.78% ピーク時 ( 平成 54 年 ) 80.0 65 歳以上人口 2051 万人 2287 万人 2488 万人 3863 万人 70.0 60.0 50.0 40.0 30.0 20.0 本人は年金を受給していないが 夫婦としては年金を受け取っている者 本人 配偶者とも年金を受給していない者 18.1 37.0 65 歳の者の保険料納付期間 昭和 36 年度 30 歳 ~ 平成 4 年度 59 歳 19.8 40.4 65 歳の者の保険料納付期間 昭和 36 年度 27 歳 ~ 平成 7 年度 59 歳 18.2 44.4 65 歳の者の保険料納付期間 昭和 36 年度 24 歳 ~ 平成 10 年度 59 歳 10.0 平均未納 非加入期間割合 13.1% 平均未納 非加入期間割合 12.5% 平均未納 非加入期間割合 12.1% 0.0 平成 10 年平成 13 年平成 16 年 ( 注 ) 平成 10 年については 年金を受給していない者のうち 夫婦としては年金を受け取っている者の割合が 平成 13 年と同程度であるとして推計を行っている 出典 : 社会保険庁 公的年金加入状況等調査 12