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平成 3 年 11 月度割賦販売情報統計 登録状況 ( 平成 3 年 11 月 2 日時点 ) 件数 人数 当月 前年比 当月 前年比 包括クレジット総登録情報 3,48 万件 11.7% 8,864 万人 1.5% 割賦残債額有情報 2,79 万件 87.9% 1,912 万人 85.9% 異動情

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性別 女性 48% 男性 52% 男性 女性 年齢 29 歳 5% 30 歳以上 16% 20 歳未満 21 歳 1% 1% 22 歳 7% 23 歳 10% 20 歳未満 21 歳 22 歳 23 歳 24 歳 28 歳 8% 24 歳 14% 25 歳 26 歳 27 歳 27 歳 12% 26

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1. ネット取引の拡大とクレジットカード利用の増加 1 ネット取引の急拡大に伴い 近年 クレジットカード取引高は一貫して増加 直近では 46 兆円 ( 消費全体の約 16%) を占める ( 参考 ) 主要各国のカード利用率韓国 :73% 中国 :56% 米国 :34% ( 出所 ) 日本クレジットカード協会による推計 ( 兆円 ) 50 45 40 35 30 25 20 15 10 5 0 消費に占めるクレジットカード取引とネット取引 9.0 9.7 クレシ ットカート ショッヒ ンク 民間最終消費支出 10.5 11.5 11.8 12.6 13.3 15.7 14.1 14.2 約 46 兆円 16.0 14.0 12.0 10.0 8.0 6.0 4.0 約 13 兆円 2.0 0.0 (%) 8.5% 電子商取引における支払手段の割合 平成 24 年度 5.8% 20.7% 3.4% 5.9% 55.7% クレジットカード 代引き コンビニ決済 キャリア決済 プリペイド決済 その他 クレシ ットカート 取引 ( 出典 ) 内閣府 国民経済計算年報 民間最終消費支出 : 名目 ( 平成 26 年は速報値 ) ( 一社 ) 日本クレジット協会調査 ( 注 ) 平成 24 年までは加盟クレジット会社へのアンケート調査結果を基にした推計値 平成 25 年以降は指定信用情報機関に登録されている実数値を使用 E コマース市場規模 (BtoC) は経済産業省 電子商取引に関する市場調査 を使用 ネット取引 (B to C) ( 出典 ) 矢野経済研究所電子決済 /EC 決済サービスの実態と将来予測 2013-2014

2. インバウンド需要の取り込みのために 2 増加する訪日外国人は 主な決済手段として クレジットカードを利用 インバウンド需要を更に取り込むためには カード利用に関し 訪日外国人の安心を確保することが必要 訪日外国人の 50% は クレジットカードを利用 ( 出所 ) 観光庁訪日外国人の消費動向 ( 平成 26 年報告書 ) 訪日外国人は 日本のカード利用環境に不安 不満を抱いている 3,000 2,000 ( 万人 ) 訪日外国人数と旅行消費額 ( 億円 ) 訪日外国人数 ( 左軸 ) 旅行消費額 ( 右軸 ) 40,000 34,771 35,000 30,000 1,974 25,000 < 訪日外国人から見た改善すべき点 > セキュリティの高い IC カード対応の決済環境を整備すべき :49% ( 出所 ) 日本クレジットカード協会によるアンケート調査 1,000 861 1,341 20,278 20,000 15,000 673 10,000 加盟店におけるセキュリティ向上 ( 決済端末の IC 化 ) が求められている 0 2005 年 2010 年 2011 年 2012 年 2013 年 2014 年 2015 年 5,000 ( 出所 ) < 観光客数 > 独立行政法人国際観光振興機構 (JNTO) の統計資料 < 旅行消費額 > 観光庁訪日外国人の消費動向調査 (2015 年は速報値であり 今後改訂される可能性あり ) -

3. クレジット取引の不正使用被害の増加 昨今 セキュリティ対策が不十分な加盟店を狙った不正アクセスにより カード情報の漏えいが拡大 これに伴い 窃取したカード情報を使って 偽造カードや本人になりすました不正使用による被害は増加 (2015 年 120 億円 3 年間で約 1.8 倍 ) 不正使用は国境を越えて行われ 換金性の高い商品の購入を通じて 犯罪組織に多額の資金が流出しているとの指摘あり 3 ( 億円 ) 130 120 110 100 90 80 70 60 50 クレジット取引の不正使用額の推移 2015 年 :120 億円 (3 年間で約 1.8 倍 ) 78.1 68.1 78.6 113.9 120 2011 年 2012 年 2013 年 2014 年 2015 年 ( 注 ) 不正使用被害額は 国内発行クレジットカードでの不正使用分で カード会社が把握している分を集計 ( 海外発行カード分は含まれない ) 出所 : 一般社団法人日本クレジット協会 クレジットカード不正使用被害の集計結果について クレジット取引での被害イメージ ハッカー 被害 1 不正アクセス セキュリティ対策が不十分 カード情報の漏えい被害 リアル加盟店 EC 加盟店 被害 2 磁気ストライプでの決済 偽造カード不正使用被害 被害 3 不正使用者 本人確認なし なりすまし使用被害

4. クレジット取引セキュリティ対策協議会 4 2020 年に向け 国際水準のセキュリティ環境 を整備することを目指し クレジット取引に関わる幅広い事業者及び行政が参画して設立 (2015 年 3 月 ) 目標 各主体の役割 当面の重点取組をとりまとめた 実行計画 を策定 (2016 年 2 月 ) 日本クレジット協会を中心に 実行計画 の推進体制を構築 今後 目標達成に向け 進捗状況を管理 評価し 必要な見直しを行っていく (2016 年 4 月 ~) 推進体制 (41 事業者等で構成 ) カード会社 加盟店 関係業界団体 PSP (FinTech) 決済端末機器メーカー セキュリティ事業者 クレジット取引セキュリティ対策協議会 ( 事務局 : 日本クレジット協会 ) 全体的なサポート 行政 情報処理センター 国際ブランド

5. 実行計画 における対策の 3 本柱 5 (1) カード情報の漏えい対策 カード情報を盗らせない 加盟店におけるカード情報の 非保持化 カード情報を保持する事業者の PCIDSS 準拠 (2) 偽造カードによる不正使用対策 偽造カードを使わせない クレジットカードの 100%IC 化 の実現 決済端末の 100%IC 対応 の実現 (3) EC における不正使用対策 ネットでなりすましをさせない 多面的 重層的な不正使用対策の導入

(1) クレジットカード情報の漏えい防止 ( カード情報非保持 /PCIDSS 準拠 ) 6 現状 課題 近年 サイバー攻撃による EC 加盟店等からのカード情報の漏えい事故が頻発 H27 年 30 件 ( 前年比 2.3 倍 ) カード情報を狙うハッカーの攻撃手口のグローバル化 巧妙化 加盟店等において カード情報を取り扱っている当事者意識が希薄で対策が不十分 目標 加盟店は 原則 カード情報の非保持化 カード情報を取り扱う事業者は セキュリティに関する国際規格 (PCIDSS) 準拠 各主体の役割 カード会社 PSP( 決済代行業 ) PCIDSS 準拠を完了 (2018 年 3 月まで ) カード会社は PCIDSS に準拠していない PSP との取引を見直し (2018 年 4 月目途 ) 加盟店に対して非保持化又は PCIDSS 準拠に向けた要請 支援 加盟店 カード情報の非保持化又は PCIDSS 準拠を完了 (EC 加盟店は 2018 年 3 月まで ) ( 対面加盟店は 2020 年 3 月まで ) 最新の攻撃手口に対応したセキュリティ対策の改善 強化を不断に実施 行政 PSP や加盟店等にもカード情報の適切な管理を義務づけ ( 割賦販売法の改正 ) カード情報の適切な保護について 事業者や消費者に情報発信 NISC JPCERT 等のセキュリティ関係機関との連携 情報共有

(2) 偽造カードによる不正使用防止 ( カードと決済端末の IC 対応 ) 7 現状 課題 偽造カードによる不正使用に対し 取引の IC 化は 現状では唯一無二の対策 海外での IC 対応が進む中 国内加盟店の POS システム は IC 対応が進んでおらず セキュリティホール化 するリスクが高まっている 市場の約 8 割を占め 全体での IC 対応端末は約 17% カードの IC 率は約 7 割 銀行 ATM の IC 対応は約 93% 目標 2020 年までにカード及び加盟店の決済端末の IC 対応 100% 実現 各主体の役割 カード会社 クレジットカードの IC 化 100% を実現 (2020 年 3 月まで ) IC 取引時のオペレーションルール (PIN レス等 ) の策定 国際ブランド 加盟店が IC 対応する際の認証プロセスの効率化 加盟店 POS 等の決済システムの IC 対応を完了 (2020 年 3 月まで ) 低コスト化支援 POS 機器メーカー POS の接続部分のソフトウェアを共通化 POS システムの IC 対応を標準化 行政 先行的に取り組む加盟店の見える化 未対応による不正使用の損害賠償ルールの明確化 ) 実効性確保の観点から 割賦販売法における更なる措置を検討 中小加盟店等への支援

(3) ネットでのなりすまし等による不正使用防止 ( 本人認証等 ) 8 現状 課題 近年 ネット取引 (EC) におけるなりすまし等による不正使用被害が急増 不正使用被害額 (2015 年 120 億円 ) の 6 割は EC における不正使用に起因 なりすましにより不正使用されやすい カード番号 + 有効期限 のみで決済可能な EC 加盟店が多数存在 目標 2020 年に向け EC における不正使用被害の最小化 2018 年 3 月までに EC 加盟店において 多面的 重層的な不正使用対策を導入 多面的 重層的な不正使用対策 本人認証 (3D セキュア ) 消費者に特定のパスワードを入力させることで本人を確認 セキュリティコード券面の数字 (3~4 桁 ) を入力し カードが真正であることを確認 いずれも一つで十分というものでないが 一定の有効性のある代表的な方策として提示 属性 行動分析過去の取引情報等に基づくリスク評価によって不正取引を判定 配送先情報不正配送先情報の蓄積によって商品等の配送を事前に停止 各主体の役割 加盟店 各社の被害状況やリスクに応じ 多面的 重層的な不正使用対策を導入 (2018 年 3 月まで ) 特に 何も不正使用対策を講じていない加盟店はカード会社 PSP の協力を得て 早急に導入 カード会社 PSP 本人認証 (3D セキュア ) のためのパスワード登録の促進 EC 加盟店における不正使用対策の導入に向けた要請 支援 行政 不正使用対策の必要性や有効性について 事業者等に対し周知 啓発 被害の実態や最新手口等について外部専門機関と連携 情報発信 消費者に対し 不正使用の実態やパスワード等の使い回し等を注意喚起

6. 本協議会の今後の活動方針と体制等について 9 協議会の参加各社等は本実行計画に基づき 2020 年に向けたセキュリティ対策の強化に向けた具体的な取組を進める 各事業者等が連携を図って戦略的に実行していくことが実効性の観点から必要であることから 今後も本会議又は WG において 継続検討事項の検討を進めるとともに さらなるセキュリティ対策の強化に向けた議論を継続する 日本クレジット協会にセキュリティ対策に係る専門部署を設置し 進捗管理等の業務を行う 協議会参加各社は支援 協力を行う 本協議会の今後の活動方針 協議会参加各社等 セキュリティ対策協議会 実行計画の策定 2016/4 本実行計画に基づく具体的な取組を推進 セキュリティ対策の強化に向けた議論を継続 ( 漏洩事案 被害実態 技術的進展を踏まえた対策の改善 ) 2020/3 安心 安全なカード利用環境の実現 本実行計画の進捗管理に係る体制と役割 1 本実行計画の取組についての各主体へのヒアリング等を通じた進捗管理及び実行計画の内容の改善 見直し等 協議会参加各社等 支援 協力 日本クレジット協会 ( クレジット取引セキュリティ対策協議会事務局 ) 2 本実行計画に基づく具体的な取組に関する各事業者等との連携 3 不正使用被害の実態 諸外国のセキュリティ環境 最新の攻撃手口及びセキュリティ技術等の情報収集 発信 4 消費者に向けた広報活動 5 その他セキュリティ対策の強化に資する関係機関との意見交換等