眼科です 今年はでるポイントを教えてくれないらしいので国試でも使えそうなところをキュービーから抜粋しました のところは画像をよくみておくことだと思います 新しい情報が入り次第ご連絡いたします 皆様のご理解 ご協力を何卒よろしくお願いいたします 総論 1 房水の流れ毛様体 後房 前房 隅角 85% 線維柱帯 SCHLEMN 管 房水静脈 15% ぶどう膜強膜流水路 2 急激な視力障害をきたしやすい疾患 1. 視神経障害 i. 視神経炎 ( 中心暗点 ラケット状暗点 ) 多発性硬化症 エタンブトール等薬剤による中毒性視神経障害 ii. 虚血性視神経症 ( 弓状視野欠損 ) 糖尿病や動脈硬化症に併発する 2. 網膜血管障害網脈動脈閉塞 網脈静脈閉塞 硝子体出血 ( 少量では飛蚊症 ) 糖尿病性網膜症 網脈剥離 陳旧性網脈静脈閉塞症 腎性網膜症 3. ぶどう膜炎強直性脊椎炎 ベーチェット病 慢性関節リウマチ 梅毒 結核 ウイルス疾患 サルコイドーシス トキソプラズマ Vogt- 小柳 原田病 3 視路障害での視野の変化 4 視野障害 1. Mariotte 盲点 眼底の視神経乳頭に一致する 網膜が存在しないため盲点が生じるが両眼視により自覚することはほとんどない 2. Bjerruum 盲点 緑内障の初期の視野異常 眼底耳側の神経線維は中心窩をとりまいて弧状に走行し この神経線維の欠損に一致して暗点を生じる 3. ラケット状暗点 慢性視神経炎において Mariotte 盲点と中心暗点が融合したもの 4. 中心暗点 視神経炎 黄斑変性症 黄斑部出血で認められる注視点の暗点 5 うっ血乳頭と視神経炎の鑑別うっ血乳頭視神経炎虚血性視神経症視力 視野 Mariotte の盲点の拡大中心暗点 ラケット状暗点水平半盲乳頭腫脹 +++ + 蒼白腫脹色覚正常障害障害眼球運動痛 - + - 6 眼球運動と外眼筋 7 急激な眼球運動障害 ( 複視 ) 1. Tolosa-Hunt 症候群 2. 眼窩蜂巣炎 3. 眼窩先端部症候群 眼痛や眼球突出を伴う 8 飛蚊症をきたす疾患硝子体出血 網膜裂孔 ぶどう膜炎 網膜はく離 硝子体混濁 生理的飛蚊症
8 夜盲をきたす疾患 1. 先天性進行性 : 網膜色素変性症 (Laurence-Moon-Biedl 症候群 Usher 症候群 Refsum 症候群 ) 脳回転状脈絡膜 ( 常劣 ) Choroidermia( 性劣 ) 白点状網膜炎停止性 : 小口病 眼底白点症 2. 後天性ビタミン A 欠乏症 眼球鉄錆症 9 羞明 1. 眼内に大量の光がはいる場合 ( 虹彩異常 散瞳 ) 白内障 散瞳剤使用後 動眼神経麻痺 2. 眼球の光に対する過敏性亢進角膜疾患 虹彩毛様体炎 3. 先天性先天緑内障 ( 牛眼 ) 白子 全色盲 10 眼底の乳頭浮腫がみられる病態 1. 乳頭付近の視神経を含めた炎症 原田病 2. 脳圧亢進状態 脳腫瘍 悪性高血圧 高炭酸ガス血症 治療 11 蛍光眼底造影 1. うっ血乳頭 : 視神経乳頭からの過蛍光 2. 中心性漿液性網脈絡膜症 : 黄斑部の漿液性網膜剥離の原因となる漏出血管の描出 3. 糖尿病網膜症 : 微小循環不全 無血管野 動静脈吻合 IRMA 血管新生 4. 急性びまん性ぶどう膜炎 ( 原田病 ): びまん性の漿液性網膜剥離 1 レーザー治療適応疾患角膜屈折矯正 角膜混濁の除去 ( エキシマレーザー ) 網膜糖尿病網膜症 中心性網脈絡膜症 網膜中心静脈閉塞症 網脈静脈分枝閉塞症 網膜裂孔 網膜剥離 加齢性黄斑変性症 未熟児網膜症などの光凝固 ( アルゴンレーザー クリプトンレーザー ダイレーザー 半導体レーザー ) 緑内障狭隅角緑内障 広隅角緑内障 血管新生緑内障に対する虹彩または隅角 毛様体への光凝固 ( アリゴンレーザー YAG レーザー 半導体レーザー ) 後発白内障後嚢混濁除去 (YAG レーザー ) 2 手術
麻酔点眼麻酔 Tenon 嚢下麻酔 瞬目増井 球後麻酔 全身麻酔 球後麻酔 : 眼球後方の筋円錐に麻酔薬を注入する 眼窩内のすべての神経ブロックが可能となり顕微鏡下での手術が可能となる 合併症球後出血 ( 眼球突出 ) 眼球穿孔 視神経損傷 外眼筋損傷 各論 1. 斜視 弱視 調節性内斜視: 両眼視機能を獲得した幼児の場合 遠視があり 輻輳が緊張状態であると内斜視となる 治療は 最初に完全矯正の眼鏡を装用して眼位の矯正を図る 2. 眼瞼 涙器疾患 麦粒腫: ものもらい 眼瞼の急性化膿性炎症で主な起因菌は黄色ブドウ球菌である 3. 結膜 角膜 強膜疾患 結膜疾患 I. 結膜結石 II. クラミジア結膜炎 :Chlamydia trachomatis による 新生児の生後 1 週間を経ておこるものを新生児膿漏眼という 治療はテトラセイクリン III. 春季カタル :Ⅰ 型アレルギーで眼瞼結膜の石垣上乳頭増殖を認める IV. 翼状片 V. 皮様のう腫 VI. 皮膚粘膜症候群 角膜障害角膜上皮障害外傷 乾燥 眼瞼内反 流行性角結膜炎 真菌角膜実質障害梅毒 結核 感染症 持続する高眼圧角膜内皮障害水泡性角膜症 緑内障 ぶどう膜炎 シェーグレン症候群 : 中年女性に好発する涙腺 唾液腺 汗腺に変性萎縮をきたす自己免疫疾患 RA との合併が多い 涙液分泌が減少するため乾性角結膜炎をきたす 涙液検査 :Schirmer 法 =ろ紙を下まぶたの外側にかけ5 分間放置し 涙液浸潤による濡れの長さを測定する 分泌が低下していると長さが短縮する 4. ぶどう膜疾患 ( 虹彩 毛様体 脈絡膜 ) 肉芽腫性: サルコイドーシス 原田病 交感性眼炎 結核 梅毒 感染症 非肉芽腫性: ベーチェット病 強直性脊椎炎 関節リウマチ Reiter 症候群 Vogt- 小柳 原田病 :20~40 代の女性に多くみられ 両眼のぶどう膜炎による視力低下を主症状とし 色素細胞の焼失による皮膚の白斑や毛髪の白変などを呈する 前駆期感冒様症状眼病期 1. 急性びまん性ぶどう膜炎 2. 限局性漿液性網膜剥離 3. 漿液性髄膜炎 副症状として内耳機能障害を 80% に認める
回復期内耳障害 ( 感音性難聴 ) 夕焼け眼底( 脈絡膜の色素脱失 ) ( 発病後約 2か月 ) 皮膚の白斑 毛髪の白変治療はステロイド全身投与 5. 網膜 硝子体疾患 網膜中心動脈閉塞症 : 粥状動脈硬化病変による塞栓によって網膜中心動脈が閉塞し急激な 視野障害を生じる 眼底検査で Cherry red spot 治療 :2 時間以内の治療が理想 血管拡張薬 ( 亜硝酸アミル ) 眼球マッサージ 網膜静脈閉塞症 : 高血圧や動脈硬化により血栓が形成されて網脈静脈の閉塞をきたし 静 脈の怒張 綿状出血 綿花様白斑を生じ網膜浮腫によって視力障害をきたす 25% 網膜中心静脈閉塞症 : 放射状火炎状出血 綿花様白斑 75% 網膜静脈分枝閉塞症 : 扇子状に広がる出血巣 治療 : 抗凝固薬 循環不全が残ると新生血管緑内障をきたし予後不良 糖尿病網膜症 国際分類 福田の分類 単純網膜症 AⅠ Ⅱ 毛細血管瘤網膜出血硬性白斑網膜浮腫 増殖前網膜症 BⅠ 上記以外に火焔状網膜出血軟性白斑静脈異常網膜内最少血管以上 (IRMA: アーマ ) 増殖網膜症 BⅡ 以上 上記以外に新生血管網膜前出血硝子体出血線維血管性増殖膜牽引性網膜剥離 検査 : 網膜電図 眼底 蛍光眼底造影 後天性失明の第一位は糖尿病網膜症である 治療 : いったん発症した網膜症は血糖コントロールと無関係に進行することが多い 増殖 性網膜症は予後不良 血糖コントロール 単純性網膜症の場合は First choice レーザー光凝固 網膜芽細胞腫 Retinoblastoma 乳幼児に発症する眼内悪性腫瘍 30-40% が常優遺伝 白色瞳孔 ( 黒内障性猫眼 ) で発見されることが多く 放置すると 2-3 年で死亡する 治療 : 早期に発見され腫瘍が小さい場合にはまずは保存的治療
中心性漿液性網脈絡膜症中年男性に突然の片側性の視力低下 中心暗点 変視症 ( ものがゆがんでみえる ) 小視症 ( ものが小さくみえる ) を呈する 眼底検査で黄斑部に円形の漿液性網膜剥離がみられ 蛍光眼底造影で色素の漏出点 が確認される 治療 : 自然治癒するが色素の漏出点 にレーザー光凝固を行うことで早期回復が図れる ただし 黄斑部に対しては視力低下を招くため光凝固は行わない 加齢黄斑変性 AMD 高齢者に発生する原因不明の黄斑変性で両眼性も多く 高度の視力障害 中心暗点をきたす 脈絡膜からの新生血管が Bruch 膜を越えて網膜側へ侵入し 出血を起こす 治療 : 光凝固 しかし視力予後は不良 網膜剥離 10 層からなる網膜のうち内境界膜から視細胞層までの神経膜 9 層が最外層の色素上皮層からはがれ 硝子体の中に浮き上がってしまう状態 裂孔原性 ( 網膜裂孔から液化した硝子体が入って生じる ) 過度の近視 加齢 非裂孔原性 滲出性 原田病 中心性漿液性網脈絡膜症 牽引性 糖尿病網膜症治療 : 裂孔のみで剥離ない 光凝固剥離あり 外科的治療 高血圧性眼底 (Scheie 分類 ) 高血圧性変化 H 動脈硬化性変化 S Ⅰ 動脈血管狭細化 動脈壁反射亢進 Ⅱ 血管口径不同 動静脈交叉現象 Ⅲ 出血 白斑 銅線動脈 交叉現象著明 Ⅳ 乳頭浮腫 銀線動脈 治療 : 内科的に血圧コントロール 網膜血管出血に対して光凝固 網膜色素変性症 難病指定疾患 両眼性の疾患で夜盲をきたす 遺伝性( 形式はいろいろ ) [ 症状 ] 夜盲輪状暗点 求心性視野狭窄 失明 [ 眼底 ] 骨小体様色素沈着 動脈の狭細化 視神経乳頭の萎縮 [ 検査 ]ERGの平たん化( 波形が減弱消失 ) [ 合併症 ] 併発白内障治療 : なし対症的に薬物療法 生活指導
6. 水晶体疾患 白内障 ( 老人性白内障 ) 加齢が原因で水晶体が混濁し 視力低下をきたした病態 薬物療法によって寛解することがなく水晶体再建術を行う 超音波乳化吸引術 (PEA) 嚢内摘出術 (ICCE) 嚢外摘出術(ECCE) を行い眼内レンズを挿入する 水晶体に異常をきたすもの 1. 先天性風疹症候群 白内障 + 難聴 + 先天性心疾患 2. ホモシスチン尿症 白内障 水晶体下方脱臼 +アミノ酸代謝異常 3. Marfan 症候群 水晶体上方脱臼 + 心血管異常 + 骨格異常 7. 眼圧異常 緑内障検査所見 ⅰ. 眼圧 : 日内変動が 10mmhg 以上 ( 正常では 5mmHg 以内 ) ⅱ. トノグラフィー : 房水流出率の低下 ⅲ. 眼底 : 視神経乳頭の陥凹が拡大 視神経の蒼白化 ⅳ. 視野検査 :Seidel 暗点 Bjerrum 暗点 Roenne 鼻側階段 求心性視野狭窄 原発性開放隅角緑内障 Schlemn 管での房水流出抵抗が上がるため 眼圧が上昇する 隅角は開放されており正常 治療 : 縮瞳薬 ( ピロカルピン )β-ブロッカーの点眼線維柱帯切除術 ( トラベクレクトミー ) 線維柱帯切開術 ( トラベクロトミー ) 原発性閉塞隅角緑内障隅角が狭窄 閉塞し 高眼圧の持続により視力低下 視野狭窄 視神経萎縮をきたす病態 眼科の EMERGENCY. 治療 :1 眼圧コントロール コりん作用薬 ( ピロカルピン ) 高張浸透圧薬( マンニトール ) 炭酸脱水素酵素阻害薬 2 外科的治療 レーザー虹彩切開術 周辺部虹彩切除術 急性緑内障発作は閉塞隅角が原因で散瞳により隅角が閉塞し 突然眼圧が上昇する 強い眼痛 頭痛 悪心 嘔吐を生じる 所見としては毛様出血 散瞳 角膜浮腫を認める 視力も低下する 治療はサンドウ禁忌 放置すれば失明する 原発性先天緑内障の特徴 男児に多く 1-2 歳で発症することが多い 両眼性が多い 眼圧上昇に伴い強膜 角膜が進展し眼球径が大きくなる 角膜径が大きくなるため牛眼という 強膜はうすく青色を帯びる
前房は非常に深く 眼底には視神経萎縮を認める 角膜は次第に白濁し 法治すれば失明する 水晶体脱臼 網膜剥離を起こすこともある 鈍的外傷により眼球破裂を起こすこともある 8. 神経疾患 9. 損傷 化学性眼球損傷 大量の水 生理食塩水による洗眼 中和剤による洗眼は禁忌 穿孔性眼外傷 脱出物の切除 創の縫合 ( 緊急手術が必要 画像診断が必須 ) 感染防止 ( 眼内炎 眼球炎予防のため局所および全身に抗菌薬投与 交感性眼炎片側の穿孔性眼外傷を受けたあと 3 週 ~3カ月後に発症する両眼性ぶどう膜炎である 外傷を受けた眼球でぶどう膜 メラニン色素に対して自己免疫が形成されて生じる 治療 : ステロイド全身投与 視神経管骨折 ( 外傷性視神経損傷 ) 眉毛部外側の打撲直後に急激な視力障害が発生する患側の直接対光反射 間接対光反射正常(Marcus Gunn マーカスガン瞳孔 ) 原因は交通事故が最多 治療 : 視神経管開放術で減圧を行う 保存的にはステロイド 高張浸透圧薬の点滴 10. 感染症 ウイルス性急性濾胞性結膜炎 ウイルス 潜伏期 症状 流行性角結膜炎 (EKC) アデノウイルス 8 型 ( ときに 4,19,37) 5~14 日 眼脂 流涙 羞明耳前リンパ節腫脹 小児 はやり目 咽頭結膜熱 アデノウイルス 3,7 4~6 日 咽頭炎 結膜炎 耳前リンパ節腫脹 小児 プール熱 急性出血性結膜炎コクサッキーウイルス 1~2 日 両眼の眼痛 充血 成人 A24 結膜下出血 エンテロウイルス 70 治療 : 他人への感染予防にまず注意する さらに抗生物質点眼で混合感染を予防する
角膜疾患をきたす感染症 1 クラミジア 2 流行性角結膜炎 3 単純ヘルペス 4 帯状ヘルペス 5 結核 6 梅毒 7 匐行性角膜潰瘍 ( 緑膿菌 黄色ブドウ球菌 ) 8 角膜真菌症 9 アカントアメーバ 10 外傷 手術による感染