Microsoft Word 眼科プリ

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Microsoft Word - 眼部腫瘍.doc

日本の糖尿病患者数約 890 万人糖尿病の可能性が否定できない人約 1320 万人合わせて約 2210 万人 (2007 年厚生労働省による糖尿病実態調査 ) 糖尿病の患者様の約 40% に網膜症発生 毎年 3000 人以上が糖尿病網膜症で失明 2

動脈硬化の診断 2 糖尿病による血管の病変の診断 頭蓋内の病気の診断など 3. 眼底検査の流れ 眼底は瞳孔の奥にあるため 瞳孔を開く目薬 ( 散瞳薬 ) をさします その後 10 分 ~15 分で瞳孔が開いた段階で いた段階で 眼底カメラなどを使って眼の奥を観察します 検査はわずかの時間で終わります

スライド 1

糖尿病網膜症診療の現状

財団法人 県総合 健協会 予支 長 眼底検査は 目の底の血管を直接見ることができる検査です 眼底検査をすることによって 高血圧 糖尿病 動脈硬化等 ( 脳疾患 心臓疾患 ) の進行状態を把握することができます また緑内障 黄斑変性症などの眼科疾患もわかります 眼底の構造 眼底写真 これは正常の眼底像

硝子体手術を受けられる方へ

9.50 歳男性 仕事中にセメントが飛入し 両眼の眼痛と流涙を訴えて受診した 両眼ともに自己開瞼不能であるため 点眼麻酔を使用して前眼部検査を行なったところ 結膜充血と角膜混濁を認めた まず行なうべき処置はどれか a セメントの除去 b 大量のアンモニア水による洗眼 d 抗菌剤の点眼 c 大量の生理

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Microsoft Word - 緑内障とは

アレルギー性結膜疾患診療ガイドライン(第2版)

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医局勉強会ぶどう膜炎の診断掲載用.pptx

200(平成年)月日実施

頭頚部がん1部[ ].indd

適応病名とレセプト病名とのリンクDB

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一身体障害認定基準 1 総括的解説 (1) 視力の屈折異常がある者については 眼科的に最も適当な矯正眼鏡を選び 矯正後の視力によって判定する () 視力表は万国式を基準とした視力表を用いるものとする () 視野はゴールドマン視野計及び自動視野計又はこれらに準ずるものを用いて測定する ゴールドマン視野

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亢進の存在 ) では脳卒中などの循環器疾患の発症の危険が約 2 倍まで 3 度相当の所見 ( 高血圧性網膜症 ) では脳卒中などの循環器疾患の発症の危険が 2 倍以上に さらに視神経乳頭浮腫があれば循環器死亡の危険が高いことが再確認された このような最新の根拠に基づいて Wong-Mitchell

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10038 W36-1 ワークショップ 36 関節リウマチの病因 病態 2 4 月 27 日 ( 金 ) 15:10-16:10 1 第 5 会場ホール棟 5 階 ホール B5(2) P2-203 ポスタービューイング 2 多発性筋炎 皮膚筋炎 2 4 月 27 日 ( 金 ) 12:4

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医療が変わるto2020

シリーズ刊行にあたって 21 quality of life 80

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視覚障害

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解剖学 1

第51回日本小児感染症学会総会・学術集会 採択結果演題一覧

疾患カード

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094.原発性硬化性胆管炎[診断基準]

Microsoft Word - ①【修正】B型肝炎 ワクチンにおける副反応の報告基準について

はじめに とうにょうびょうもうまくしょう糖尿病網膜症 ( 以下 網膜症 ) は 50 ~ 60 歳代における最も多い視覚障害の原因となっています とうにょうびょうおうはんふしゅ糖尿病黄斑浮腫は 網膜症を基礎疾患として 血液またはその成分 ( 赤血球などの血球成分 それらを除く液状の成分 それに含まれ

9 医療に関連する法知識などの習得 医師法, 医療法, 医師以外の医療従事者に関する法規 薬事法規, 保険衛生に関する法規, 医療保険に関する法規, 社会福祉に関す法規 臓器移植に関する法律, 個人情報の保護に関する法律 医療費補助制度 指導医と専門領域専門研修基幹施設 : 医療法人明徳会総合新川橋

緑内障診療ガイドライン(第3版)

日本標準商品分類番号 カリジノゲナーゼの血管新生抑制作用 カリジノゲナーゼは強力な血管拡張物質であるキニンを遊離することにより 高血圧や末梢循環障害の治療に広く用いられてきた 最近では 糖尿病モデルラットにおいて増加する眼内液中 VEGF 濃度を低下させることにより 血管透過性を抑制す

四消化器系 ( 口腔及び歯牙 を除く ) 五血液及び造血器系六腎臓 泌尿器系及び生殖器系 ( 二 ) 心筋障害又はその徴候がないこと ( 三 ) 冠動脈疾患又はその徴候がないこと ( 四 ) 航空業務に支障を来すおそれのある先天性心疾患がないこと ( 五 ) 航空業務に支障を来すおそれのある後天性弁

原発性の隅角閉塞があり 眼圧上昇または PAS を生じているが 緑内障性視神経症は生じていない原発閉塞隅角緑内障 (PACG) 原発性の隅角閉塞があり 緑内障性視神経症を生じた混合型緑内障続発緑内障発達緑内障 早発型発達緑内障遅発型発達緑内障他の先天異常を伴う発達緑内障 < 緑内障診断技術および検査

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ぶどう膜炎診療ガイドライン 2015 年序文 ぶどう膜炎は犬や猫の獣医診療によく遭遇する疾患であり 眼痛や視覚喪失といった問題を起こすだけでなく 腫瘍や全身疾患の所見の 1 つとして見られることも少なくありません このため ぶどう膜炎だけの治療だけでなく 全身的な状態の評価と診断 治療を行う必要があ

診断群分類医療資源を最も投入した傷病名年齢 出生時体重手術手術 処置等 1 MDC コード分類名 ICD 名称 ラ手術分岐ラ点数表名称ラコード時体重コー等コードグググト ト 対応 等等ググト 網膜芽細胞腫 網膜の悪性新生物 C692 手術なし 手術なし 1 1 リンパ節摘

今週前週今週前週 2/18~2/24 インフルエンザ ヘルパンギーナ 4 4 RS ウイルス感染症 流行性耳下腺炎 ( おたふくかぜ ) 7 4 咽頭結膜熱 急性出血性結膜炎 0 0 A 群溶血性レンサ球菌咽頭炎 流行性角結膜炎 ( はやり目

顎下腺 舌下腺 ) の腫脹と疼痛で発症し そのほか倦怠感や食欲低下などを訴えます 潜伏期間は一般的に 16~18 日で 唾液腺腫脹の 7 日前から腫脹後 8 日後まで唾液にウイルスが排泄され 分離できます これらの症状を認めない不顕性感染も約 30% に認めます 合併症は 表 1 に示すように 無菌

る 眼発作が頻発する症例では 通常はコルヒチンの内服から開始し 効果不十分であればシクロスポリンの内服への変更又はインフリキシマブの点滴静注による治療を行う 副作用などのためシクロスポリンの導入が難しい症例や 視機能障害が懸念される重症例には インフリキシマブの早期導入を行う 2 皮膚粘膜症状 :

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056 ベーチェット病

はじめに か加 れいおうはんへんせい齢黄斑変性は治療せずに放っておくと 視力が著しく低下し 視野の中心が見えなく なります 文字を読んだり ものや人の顔を見分ける日常の行動がしづらくなり Q キュウオーエル OL ( 生活の質 ) が低下します しかし V ブイイージーエフ EGF 阻害薬の登場によ

ヒト慢性根尖性歯周炎のbasic fibroblast growth factor とそのreceptor

一 身体障害者障害程度等級表 ( 抜すい ) 級別視覚障害 1 級両眼の視力 ( 万国式試視力表によって測ったものをいい 屈折異常のある者については きょう正視力について測ったものをいう 以下同じ ) の和が0.01 以下のもの 2 級 1. 両眼の視力の和が0.02 以上 0.04 以下のもの 2

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5. 死亡 (1) 死因順位の推移 ( 人口 10 万対 ) 順位年次 佐世保市長崎県全国 死因率死因率死因率 24 悪性新生物 悪性新生物 悪性新生物 悪性新生物 悪性新生物 悪性新生物 位 26 悪性新生物 350

公募情報 平成 28 年度日本医療研究開発機構 (AMED) 成育疾患克服等総合研究事業 ( 平成 28 年度 ) 公募について 平成 27 年 12 月 1 日 信濃町地区研究者各位 信濃町キャンパス学術研究支援課 公募情報 平成 28 年度日本医療研究開発機構 (AMED) 成育疾患克服等総合研


したがって 発見次第ただちに治療を開始する必要がありますが 腫瘍の大きさや片眼だけか両眼にあるかによっても 方針がかなり異なりますので 十分に病気の状態を知らなくてはなりません 1. 原因 13 番常染色体の長腕にあるがん抑制遺伝子の異常によって起こります われわれの 13 番染色体は 1 対 2

平成 25 年度 PBLユニット8 運動 感覚器 MEQ 試験問題 ( 症例 ) 本試眼科症例 65 歳男性 右眼視力障害を主訴に外来を受診した 今朝から急に右眼が見えなくなった 左眼はこれまで通り良く見える と述べた 問 1. この患者の右眼の眼底検査で黄斑部に出血がみられた場合にはどの様な疾患が

耐性菌届出基準

医療機器に関わる保険適用決定区分案

緑内障診療ガイドライン(第3版)

眼球から脳への情報伝達を行う視神経の機能不全は視力低下を引き起こします 幸運にも この視神経の機能不全は甲状腺眼症の約 5% にしか起こらず 圧迫が解除されれば可逆的に 戻ることもあります 病態 : 免疫系が外眼筋をどのように そしてなぜ攻撃するのか よくわかっていません 免疫による刺激の結果 外眼

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症状とその鑑別 必要となる 全身投与は 結膜炎の 期待できる を早める効果も には局所ならびに全身投与が必要となる 近年の 年代に入って海外ではアジスロマイシ ンジスロマック の 淋菌の抗菌薬耐性化は顕著であり 多剤耐性化が進んで 回投与によりクラミジア結膜炎 のが可能という報告もあり いる 全身投

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要望

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IgG4 関連疾患 IgG4 関連疾患診断基準 IgG4 関連疾患 厚生労働省 IgG4 関連疾患に関する調査研究 班 ポケットブック版にてご覧いただけます. お問い合わせフォーム IgG4 関連疾患の診断は基本的には,

目のアレルギー <Ⅰ> アレルギーで起きる目の病気私たちの体には 外界の抗原 ( アレルゲン ) に対して防御するメカニズム ( 免疫反応 ) が備わっています この免疫反応が過剰に起こり かゆみや腫れなど固体に悪影響を与える状態をアレルギーといいます アレルギー性眼疾患はアレルギー性炎症によって発

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10,000 L 30,000 50,000 L 30,000 50,000 L 図 1 白血球増加の主な初期対応 表 1 好中球増加 ( 好中球 >8,000/μL) の疾患 1 CML 2 / G CSF 太字は頻度の高い疾患 32

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Case  A 50 Year Old Man with Back Pain,Fatigue,Weight Loss,and Knee Sweling

健康な生活を送るために(高校生用)第2章 喫煙、飲酒と健康 その2

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表 1 レーザー照射時の眼内レンズ損傷回避のコツ 注意点 混濁が弱く, 焦点を合わせやすい部分から始める 後囊よりも少し後方に焦点を合わせる 照射エネルギーを抑制して, 必要最低限の切開をする 視軸の中心部の照射を避ける 図 2 線維性混濁この写真では混濁のより薄い上方部分では, 比較的エイミングビ

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社会保障 介護認定 1. 要介護 2. 要支援 3. なし要介護度 生活状況 移動の程度 身の回りの管理 ふだんの活動 1. 歩き回るのに問題はない 3. 寝たきりである 1. 洗面や着替えに問題はない 3. 自分でできない 1. 問題はない 3. 行うことができない 2. いく

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採択演題一覧

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がん登録実務について

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活動の機会を得やすいよう配慮しています 専門研修連携施設 釜石のぞみ病院 ( 年間内眼手術 450 件 外眼手術 20 件 レーザー手術 20 件 ) 指導管理責任者専門医 : 葛西款 真生会富山病院 ( 年間内眼手術 2,292 件 外眼手術 358 件 レーザー手術 813 件 ) 指導責管理任

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眼内レンズの添付文書の見直しについて 資料 No.1-6

ステロイド療法薬物療法としてはステロイド薬の全身療法が基本になります 発症早期すなわち発症後 7 日前後までに開始することが治療効果 副作用抑制の観点から望ましいと考えられす 表皮剥離が全身に及んだ段階でのステロイド薬開始は敗血症等感染症を引き起こす可能性が高まります プレドニゾロンまたはベタメタゾ

Transcription:

眼科です 今年はでるポイントを教えてくれないらしいので国試でも使えそうなところをキュービーから抜粋しました のところは画像をよくみておくことだと思います 新しい情報が入り次第ご連絡いたします 皆様のご理解 ご協力を何卒よろしくお願いいたします 総論 1 房水の流れ毛様体 後房 前房 隅角 85% 線維柱帯 SCHLEMN 管 房水静脈 15% ぶどう膜強膜流水路 2 急激な視力障害をきたしやすい疾患 1. 視神経障害 i. 視神経炎 ( 中心暗点 ラケット状暗点 ) 多発性硬化症 エタンブトール等薬剤による中毒性視神経障害 ii. 虚血性視神経症 ( 弓状視野欠損 ) 糖尿病や動脈硬化症に併発する 2. 網膜血管障害網脈動脈閉塞 網脈静脈閉塞 硝子体出血 ( 少量では飛蚊症 ) 糖尿病性網膜症 網脈剥離 陳旧性網脈静脈閉塞症 腎性網膜症 3. ぶどう膜炎強直性脊椎炎 ベーチェット病 慢性関節リウマチ 梅毒 結核 ウイルス疾患 サルコイドーシス トキソプラズマ Vogt- 小柳 原田病 3 視路障害での視野の変化 4 視野障害 1. Mariotte 盲点 眼底の視神経乳頭に一致する 網膜が存在しないため盲点が生じるが両眼視により自覚することはほとんどない 2. Bjerruum 盲点 緑内障の初期の視野異常 眼底耳側の神経線維は中心窩をとりまいて弧状に走行し この神経線維の欠損に一致して暗点を生じる 3. ラケット状暗点 慢性視神経炎において Mariotte 盲点と中心暗点が融合したもの 4. 中心暗点 視神経炎 黄斑変性症 黄斑部出血で認められる注視点の暗点 5 うっ血乳頭と視神経炎の鑑別うっ血乳頭視神経炎虚血性視神経症視力 視野 Mariotte の盲点の拡大中心暗点 ラケット状暗点水平半盲乳頭腫脹 +++ + 蒼白腫脹色覚正常障害障害眼球運動痛 - + - 6 眼球運動と外眼筋 7 急激な眼球運動障害 ( 複視 ) 1. Tolosa-Hunt 症候群 2. 眼窩蜂巣炎 3. 眼窩先端部症候群 眼痛や眼球突出を伴う 8 飛蚊症をきたす疾患硝子体出血 網膜裂孔 ぶどう膜炎 網膜はく離 硝子体混濁 生理的飛蚊症

8 夜盲をきたす疾患 1. 先天性進行性 : 網膜色素変性症 (Laurence-Moon-Biedl 症候群 Usher 症候群 Refsum 症候群 ) 脳回転状脈絡膜 ( 常劣 ) Choroidermia( 性劣 ) 白点状網膜炎停止性 : 小口病 眼底白点症 2. 後天性ビタミン A 欠乏症 眼球鉄錆症 9 羞明 1. 眼内に大量の光がはいる場合 ( 虹彩異常 散瞳 ) 白内障 散瞳剤使用後 動眼神経麻痺 2. 眼球の光に対する過敏性亢進角膜疾患 虹彩毛様体炎 3. 先天性先天緑内障 ( 牛眼 ) 白子 全色盲 10 眼底の乳頭浮腫がみられる病態 1. 乳頭付近の視神経を含めた炎症 原田病 2. 脳圧亢進状態 脳腫瘍 悪性高血圧 高炭酸ガス血症 治療 11 蛍光眼底造影 1. うっ血乳頭 : 視神経乳頭からの過蛍光 2. 中心性漿液性網脈絡膜症 : 黄斑部の漿液性網膜剥離の原因となる漏出血管の描出 3. 糖尿病網膜症 : 微小循環不全 無血管野 動静脈吻合 IRMA 血管新生 4. 急性びまん性ぶどう膜炎 ( 原田病 ): びまん性の漿液性網膜剥離 1 レーザー治療適応疾患角膜屈折矯正 角膜混濁の除去 ( エキシマレーザー ) 網膜糖尿病網膜症 中心性網脈絡膜症 網膜中心静脈閉塞症 網脈静脈分枝閉塞症 網膜裂孔 網膜剥離 加齢性黄斑変性症 未熟児網膜症などの光凝固 ( アルゴンレーザー クリプトンレーザー ダイレーザー 半導体レーザー ) 緑内障狭隅角緑内障 広隅角緑内障 血管新生緑内障に対する虹彩または隅角 毛様体への光凝固 ( アリゴンレーザー YAG レーザー 半導体レーザー ) 後発白内障後嚢混濁除去 (YAG レーザー ) 2 手術

麻酔点眼麻酔 Tenon 嚢下麻酔 瞬目増井 球後麻酔 全身麻酔 球後麻酔 : 眼球後方の筋円錐に麻酔薬を注入する 眼窩内のすべての神経ブロックが可能となり顕微鏡下での手術が可能となる 合併症球後出血 ( 眼球突出 ) 眼球穿孔 視神経損傷 外眼筋損傷 各論 1. 斜視 弱視 調節性内斜視: 両眼視機能を獲得した幼児の場合 遠視があり 輻輳が緊張状態であると内斜視となる 治療は 最初に完全矯正の眼鏡を装用して眼位の矯正を図る 2. 眼瞼 涙器疾患 麦粒腫: ものもらい 眼瞼の急性化膿性炎症で主な起因菌は黄色ブドウ球菌である 3. 結膜 角膜 強膜疾患 結膜疾患 I. 結膜結石 II. クラミジア結膜炎 :Chlamydia trachomatis による 新生児の生後 1 週間を経ておこるものを新生児膿漏眼という 治療はテトラセイクリン III. 春季カタル :Ⅰ 型アレルギーで眼瞼結膜の石垣上乳頭増殖を認める IV. 翼状片 V. 皮様のう腫 VI. 皮膚粘膜症候群 角膜障害角膜上皮障害外傷 乾燥 眼瞼内反 流行性角結膜炎 真菌角膜実質障害梅毒 結核 感染症 持続する高眼圧角膜内皮障害水泡性角膜症 緑内障 ぶどう膜炎 シェーグレン症候群 : 中年女性に好発する涙腺 唾液腺 汗腺に変性萎縮をきたす自己免疫疾患 RA との合併が多い 涙液分泌が減少するため乾性角結膜炎をきたす 涙液検査 :Schirmer 法 =ろ紙を下まぶたの外側にかけ5 分間放置し 涙液浸潤による濡れの長さを測定する 分泌が低下していると長さが短縮する 4. ぶどう膜疾患 ( 虹彩 毛様体 脈絡膜 ) 肉芽腫性: サルコイドーシス 原田病 交感性眼炎 結核 梅毒 感染症 非肉芽腫性: ベーチェット病 強直性脊椎炎 関節リウマチ Reiter 症候群 Vogt- 小柳 原田病 :20~40 代の女性に多くみられ 両眼のぶどう膜炎による視力低下を主症状とし 色素細胞の焼失による皮膚の白斑や毛髪の白変などを呈する 前駆期感冒様症状眼病期 1. 急性びまん性ぶどう膜炎 2. 限局性漿液性網膜剥離 3. 漿液性髄膜炎 副症状として内耳機能障害を 80% に認める

回復期内耳障害 ( 感音性難聴 ) 夕焼け眼底( 脈絡膜の色素脱失 ) ( 発病後約 2か月 ) 皮膚の白斑 毛髪の白変治療はステロイド全身投与 5. 網膜 硝子体疾患 網膜中心動脈閉塞症 : 粥状動脈硬化病変による塞栓によって網膜中心動脈が閉塞し急激な 視野障害を生じる 眼底検査で Cherry red spot 治療 :2 時間以内の治療が理想 血管拡張薬 ( 亜硝酸アミル ) 眼球マッサージ 網膜静脈閉塞症 : 高血圧や動脈硬化により血栓が形成されて網脈静脈の閉塞をきたし 静 脈の怒張 綿状出血 綿花様白斑を生じ網膜浮腫によって視力障害をきたす 25% 網膜中心静脈閉塞症 : 放射状火炎状出血 綿花様白斑 75% 網膜静脈分枝閉塞症 : 扇子状に広がる出血巣 治療 : 抗凝固薬 循環不全が残ると新生血管緑内障をきたし予後不良 糖尿病網膜症 国際分類 福田の分類 単純網膜症 AⅠ Ⅱ 毛細血管瘤網膜出血硬性白斑網膜浮腫 増殖前網膜症 BⅠ 上記以外に火焔状網膜出血軟性白斑静脈異常網膜内最少血管以上 (IRMA: アーマ ) 増殖網膜症 BⅡ 以上 上記以外に新生血管網膜前出血硝子体出血線維血管性増殖膜牽引性網膜剥離 検査 : 網膜電図 眼底 蛍光眼底造影 後天性失明の第一位は糖尿病網膜症である 治療 : いったん発症した網膜症は血糖コントロールと無関係に進行することが多い 増殖 性網膜症は予後不良 血糖コントロール 単純性網膜症の場合は First choice レーザー光凝固 網膜芽細胞腫 Retinoblastoma 乳幼児に発症する眼内悪性腫瘍 30-40% が常優遺伝 白色瞳孔 ( 黒内障性猫眼 ) で発見されることが多く 放置すると 2-3 年で死亡する 治療 : 早期に発見され腫瘍が小さい場合にはまずは保存的治療

中心性漿液性網脈絡膜症中年男性に突然の片側性の視力低下 中心暗点 変視症 ( ものがゆがんでみえる ) 小視症 ( ものが小さくみえる ) を呈する 眼底検査で黄斑部に円形の漿液性網膜剥離がみられ 蛍光眼底造影で色素の漏出点 が確認される 治療 : 自然治癒するが色素の漏出点 にレーザー光凝固を行うことで早期回復が図れる ただし 黄斑部に対しては視力低下を招くため光凝固は行わない 加齢黄斑変性 AMD 高齢者に発生する原因不明の黄斑変性で両眼性も多く 高度の視力障害 中心暗点をきたす 脈絡膜からの新生血管が Bruch 膜を越えて網膜側へ侵入し 出血を起こす 治療 : 光凝固 しかし視力予後は不良 網膜剥離 10 層からなる網膜のうち内境界膜から視細胞層までの神経膜 9 層が最外層の色素上皮層からはがれ 硝子体の中に浮き上がってしまう状態 裂孔原性 ( 網膜裂孔から液化した硝子体が入って生じる ) 過度の近視 加齢 非裂孔原性 滲出性 原田病 中心性漿液性網脈絡膜症 牽引性 糖尿病網膜症治療 : 裂孔のみで剥離ない 光凝固剥離あり 外科的治療 高血圧性眼底 (Scheie 分類 ) 高血圧性変化 H 動脈硬化性変化 S Ⅰ 動脈血管狭細化 動脈壁反射亢進 Ⅱ 血管口径不同 動静脈交叉現象 Ⅲ 出血 白斑 銅線動脈 交叉現象著明 Ⅳ 乳頭浮腫 銀線動脈 治療 : 内科的に血圧コントロール 網膜血管出血に対して光凝固 網膜色素変性症 難病指定疾患 両眼性の疾患で夜盲をきたす 遺伝性( 形式はいろいろ ) [ 症状 ] 夜盲輪状暗点 求心性視野狭窄 失明 [ 眼底 ] 骨小体様色素沈着 動脈の狭細化 視神経乳頭の萎縮 [ 検査 ]ERGの平たん化( 波形が減弱消失 ) [ 合併症 ] 併発白内障治療 : なし対症的に薬物療法 生活指導

6. 水晶体疾患 白内障 ( 老人性白内障 ) 加齢が原因で水晶体が混濁し 視力低下をきたした病態 薬物療法によって寛解することがなく水晶体再建術を行う 超音波乳化吸引術 (PEA) 嚢内摘出術 (ICCE) 嚢外摘出術(ECCE) を行い眼内レンズを挿入する 水晶体に異常をきたすもの 1. 先天性風疹症候群 白内障 + 難聴 + 先天性心疾患 2. ホモシスチン尿症 白内障 水晶体下方脱臼 +アミノ酸代謝異常 3. Marfan 症候群 水晶体上方脱臼 + 心血管異常 + 骨格異常 7. 眼圧異常 緑内障検査所見 ⅰ. 眼圧 : 日内変動が 10mmhg 以上 ( 正常では 5mmHg 以内 ) ⅱ. トノグラフィー : 房水流出率の低下 ⅲ. 眼底 : 視神経乳頭の陥凹が拡大 視神経の蒼白化 ⅳ. 視野検査 :Seidel 暗点 Bjerrum 暗点 Roenne 鼻側階段 求心性視野狭窄 原発性開放隅角緑内障 Schlemn 管での房水流出抵抗が上がるため 眼圧が上昇する 隅角は開放されており正常 治療 : 縮瞳薬 ( ピロカルピン )β-ブロッカーの点眼線維柱帯切除術 ( トラベクレクトミー ) 線維柱帯切開術 ( トラベクロトミー ) 原発性閉塞隅角緑内障隅角が狭窄 閉塞し 高眼圧の持続により視力低下 視野狭窄 視神経萎縮をきたす病態 眼科の EMERGENCY. 治療 :1 眼圧コントロール コりん作用薬 ( ピロカルピン ) 高張浸透圧薬( マンニトール ) 炭酸脱水素酵素阻害薬 2 外科的治療 レーザー虹彩切開術 周辺部虹彩切除術 急性緑内障発作は閉塞隅角が原因で散瞳により隅角が閉塞し 突然眼圧が上昇する 強い眼痛 頭痛 悪心 嘔吐を生じる 所見としては毛様出血 散瞳 角膜浮腫を認める 視力も低下する 治療はサンドウ禁忌 放置すれば失明する 原発性先天緑内障の特徴 男児に多く 1-2 歳で発症することが多い 両眼性が多い 眼圧上昇に伴い強膜 角膜が進展し眼球径が大きくなる 角膜径が大きくなるため牛眼という 強膜はうすく青色を帯びる

前房は非常に深く 眼底には視神経萎縮を認める 角膜は次第に白濁し 法治すれば失明する 水晶体脱臼 網膜剥離を起こすこともある 鈍的外傷により眼球破裂を起こすこともある 8. 神経疾患 9. 損傷 化学性眼球損傷 大量の水 生理食塩水による洗眼 中和剤による洗眼は禁忌 穿孔性眼外傷 脱出物の切除 創の縫合 ( 緊急手術が必要 画像診断が必須 ) 感染防止 ( 眼内炎 眼球炎予防のため局所および全身に抗菌薬投与 交感性眼炎片側の穿孔性眼外傷を受けたあと 3 週 ~3カ月後に発症する両眼性ぶどう膜炎である 外傷を受けた眼球でぶどう膜 メラニン色素に対して自己免疫が形成されて生じる 治療 : ステロイド全身投与 視神経管骨折 ( 外傷性視神経損傷 ) 眉毛部外側の打撲直後に急激な視力障害が発生する患側の直接対光反射 間接対光反射正常(Marcus Gunn マーカスガン瞳孔 ) 原因は交通事故が最多 治療 : 視神経管開放術で減圧を行う 保存的にはステロイド 高張浸透圧薬の点滴 10. 感染症 ウイルス性急性濾胞性結膜炎 ウイルス 潜伏期 症状 流行性角結膜炎 (EKC) アデノウイルス 8 型 ( ときに 4,19,37) 5~14 日 眼脂 流涙 羞明耳前リンパ節腫脹 小児 はやり目 咽頭結膜熱 アデノウイルス 3,7 4~6 日 咽頭炎 結膜炎 耳前リンパ節腫脹 小児 プール熱 急性出血性結膜炎コクサッキーウイルス 1~2 日 両眼の眼痛 充血 成人 A24 結膜下出血 エンテロウイルス 70 治療 : 他人への感染予防にまず注意する さらに抗生物質点眼で混合感染を予防する

角膜疾患をきたす感染症 1 クラミジア 2 流行性角結膜炎 3 単純ヘルペス 4 帯状ヘルペス 5 結核 6 梅毒 7 匐行性角膜潰瘍 ( 緑膿菌 黄色ブドウ球菌 ) 8 角膜真菌症 9 アカントアメーバ 10 外傷 手術による感染