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新旧対照表

2 ( 178 9)

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5 適用手続 ⑴ 相続時精算課税の適用を受けようとする受贈者は 贈与を受けた財産に係る贈与税の申告期間内に 相続時精算課税選択届出書 ( 贈与者ごとに作成が必要 ) を贈与税の申告書に添付して 納税地の所轄税務署長に提出する ( 相法 21の92) なお 提出された当該届出書は撤回することができない

-2 -



⑴ ⑵ ⑶

2

( 相続時精算課税適用者の死亡後に特定贈与者が死亡した場合 ) (6) 相続時精算課税適用者 ( 相続税法第 21 条の9 第 5 項に規定する 相続時精算課税適用者 をいう 以下 (6) において同じ ) の死亡後に当該相続時精算課税適用者に係る特定贈与者 ( 同条第 5 項に規定する 特定贈与者

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⑴ ⑵ ⑶ ⑷ 1

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- 3 - 村上喜堂 村上喜堂 法人契約の がん保険 ( 終身保障タイプ ) 医療保険 ( 終身保障 タイプ ) の保険料の取扱いについて ( 平成 13 年 8 月 8 日付企第 250 号照会に対する回答 ) 法人契約の がん保険 ( 終身保障タイプ ) 医療保険 ( 終身保障 タイプ ) の保

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改正 ( 事業年度の中途において中小企業者等に該当しなくなった場合等の適用 ) 42 の 6-1 法人が各事業年度の中途において措置法第 42 条の6 第 1 項に規定する中小企業者等 ( 以下 中小企業者等 という ) に該当しないこととなった場合においても その該当しないこととなった日前に取得又

⑵ ⑶ ⑷ ⑸ ⑴ ⑵



相続等に係る生命保険契約等に基づく年金に係る雑所得の計算について(情報)

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することが適当であることから 本通達では 特定施設の敷地の用に供される土地等には 土地又は土地の上に存する権利を取得した時において 現に特定施設の敷地の用に供されているもの及び特定施設の敷地の用に供されることが確実であると認められるものが該当することを明らかにしている なお 取得の時において特定施設


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02_(案の2①)概要資料(不均一)

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第 5 章 N

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(4) 今月下旬に所得税法施行令を改正するとともに 法令解釈通達を発遣し 上記のとおり 保険年金 に係る所得税の取扱いを変更いたします 取扱い変更後 所得税の還付の手続きが可能となります なお 納税者の方々には 次の点にご注意いただく必要があります 所得税が納めすぎとなっていた場合の還付手続きには

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( 以下 中間利息定期預金 といいます ) とし その利率は 中間利払日における当行所定の利率を適用します 満期払利息は満期日に元金に組入れ 中間利息定期預金の元利金とともに合計して自動継続自由金利型 2 年定期預金 (M 型 ) に継続します 3 預入日の3 年後 4 年後 5 年後および10 年

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枚方市税条例施行規則 ( 昭和 50 年 5 月 1 日規則第 19 号 ) より抜粋 ( 貧困による市民税の減免 ) 第 9 条の2 条例第 47 条第 1 項第 1 号に規定する減免理由による減免は 市民税の納税義務者が申請の日に生活保護法 ( 昭和 25 年法律第 144 号 ) の規定による


図 1 60 歳 61 歳 62 歳 63 歳 64 歳 65 歳 生年月日 60 歳到達年度 特別支給の 男性 S24.4.2~S 平成 21~24 年度 女性 S29.4.2~S 平成 26~29 年度 男性 S28.4.2~S 女性 S33.4.2~S35.

3.相続時精算課税の適用を受ける場合編

Transcription:

2 定期金に関する権利の評価 ( 定期金事由が発生しているもの ) 平成 22 年度の税制改正において 相続税法第 24 条が改正され 定期金事由が発生している場合の定期金に関する権利の評価方法が見直されたことに伴い その具体的な計算方法等を明らかにした ( 評基通 200= 改正 評基通 200-2 200-3= 新設 ) 1 税制改正の内容平成 22 年度の税制改正において 定期金契約でその契約に関する権利を取得した時において定期金事由が発生しているものに関する権利の価額は 次の⑴から⑷に掲げる定期金又は一時金の区分に応じ それぞれに掲げる金額によることとされた ( 相法 241 一 ~ 四 ) ⑴ 有期定期金次に掲げる金額のうちいずれか多い金額イ定期金契約に関する権利を取得した時においてその契約を解約するとしたならば支払われるべき解約返戻金の金額ロ定期金に代えて一時金のを受けることができる場合には 定期金契約に関する権利を取得した時においてその一時金のを受けるとしたならばされるべき一時金の金額ハ定期金契約に関する権利を取得した時におけるその契約に基づき定期金のを受けるべき残りの期間に応じ その契約に基づきを受けるべき金額の1 年当たりの平 ( 注均額に その契約に係る予定利率による複利年金現価率 1) を乗じて得た金額 ⑵ 無期定期金次に掲げる金額のうちいずれか多い金額イ定期金契約に関する権利を取得した時においてその契約を解約するとしたならば支払われるべき解約返戻金の金額ロ定期金に代えて一時金のを受けることができる場合には 定期金契約に関する権利を取得した時においてその一時金のを受けるとしたならばされるべき一時金の金額ハ定期金契約に関する権利を取得した時における その契約に基づきを受けるべき金額の1 年当たりの平均額を その契約に係る予定利率で除して得た金額 ⑶ 終身定期金次に掲げる金額のうちいずれか多い金額イ定期金契約に関する権利を取得した時においてその契約を解約するとしたならば支払われるべき解約返戻金の金額ロ定期金に代えて一時金のを受けることができる場合には 定期金契約に関する権利を取得した時においてその一時金のを受けるとしたならばされるべき一時金の金額ハ定期金契約に関する権利を取得した時におけるその目的とされた者に係る余命年 ( 注数 2) に応じ その契約に基づきを受けるべき金額の1 年当たりの平均額に その ( 注契約に係る予定利率による複利年金現価率 1) を乗じて得た金額 -3 -

⑷ 相続税法第 3 条第 1 項第 5 号に規定する一時金その金額 ( 注 1) 複利年金現価率は 次の算式による 1 1- (1+r) n r r =その定期金契約に係る予定利率 n = 期間の年数有期定期金の場合には 定期金契約に関する権利を取得した時におけるその契約に基づき定期金のを受けるべき残りの期間に係る年数 (1 年未満の端数切上げ ) 終身定期金の場合には 定期金契約に関する権利を取得した時におけるその目的とされた者に係る余命年数 (( 注 2) 参照 ) ( 注 2) 余命年数とは 厚生労働省の作成に係る完全生命表に掲げる年齢及び性別に応じた平均余命 (1 年未満の端数を切り捨てた年数 ) をいう 完全生命表については下記 2⑶ を参照 なお 完全生命表に当てはめる終身定期金に係る定期金契約の目的とされた者の年齢は 定期金に関する権利を取得した時点の満年齢である 2 通達の概要 ⑴ を受けるべき金額の1 年当たりの平均額 相続税法第 24 条に規定する 定期金契約に関する権利 とは 契約によりある期間定期的に金銭その他のを受けることを目的とする債権をいう ( 相基通 24-1) 平成 22 年度税制改正後の相続税法第 24 条では 定期金事由が発生している定期金に関する権利については 1 解約返戻金の金額 2 定期金に代えて一時金のを受けることができる場合には一時金の金額又は3 を受けるべき金額の1 年当たりの平均額を基に一定の方法で計算した金額 ( 以下 予定利率による金額 という ) のうちいずれか多い金額により評価することとされた 3の 予定利率による金額 の計算においては を受けるべき金額の1 年当たりの平均額 を求める必要があるが 契約によっては必ずしも年 1 回一定の金額がされるものとは限らないことから この を受けるべき金額の1 年当たりの平均額 の具体的な計算方法を次のとおり明らかにした イ原則その定期金契約に基づき1 年間にを受けるべき定期金の金額ロ例外 ( イ ) 有期定期金に係る定期金契約のうち 年金によりを受ける契約 ( 年 1 回一定の金額がされるものに限る ) 以外の契約の場合次の算式により計算した金額 その定期金契約に係る期間 ( 注 1) にを受けるべき金額の合計額 期間の年数 ( 注 2) ( 注 1) 期間とは 定期金契約に関する権利を取得した時におけるその契約に基づき定期金のを受けるべき残りの期間をいう ( 注 2)1 年未満の端数切上げ -4 -

[ 計算例 ] 1 定期金のは年 2 回で1 回 250 万円 (1 年間に 500 万円の ) 2 最終日は課税時期の2 年 4ヶ月後で それまでに5 回 ( 計 1,250 万円 ) される 3 予定利率は 1.5% 設例上 解約返戻金の金額及び一時金の金額については省略している 平成 23 年平成 24 年平成 25 年 6 月 7 月 8 月 9 月 1 0 月 11 月 12 月 1 月 2 月 3 月 4 月 5 月 6 月 7 月 8 月 9 月 10 月 11 月 12 月 1 月 2 月 3 月 4 月 5 月 6 月 7 月 8 月 9 月 10 月 11 月 12 月 済み 課税時期 1 2 3 4 5 最終 期間 (2 年 4ヶ月 ) 計算 1 期間の年数 :3 年 (2 年 4ヶ月の1 年未満の端数切上げ ) 2 を受けるべき金額の1 年当たりの平均額 1,250 万円 (250 万円 5 回 ) 3 年 =4,166,666 円 3 予定利率による金額予定利率 1.5% 期間の年数 3 年の複利年金現価率 :2.912 予定利率による金額 :4,166,666 円 2.912=12,133,331 円 ( ロ ) 終身定期金に係る定期金契約のうち 1 年間にを受けるべき定期金の金額が毎年異なる契約の場合次の算式で計算した金額 その定期金契約に関する権利を取得した時後その契約の目的とされた者に係る余命年数の間にを受けるべき金額の合計額 ( 注 ) 余命年数については 上記 1 の ( 注 2) を参照 余命年数 ( 注 ) [ 計算例 ] 1 定期金のは年 1 回で各年の額は次のとおり 1 年目 ~10 年目 100 万円 11 年目 ~15 年目 120 万円 16 年目以降 140 万円 2 定期金契約の目的とされた者 ( 男性 ) の権利取得時における年齢は満 70 歳 3 定期金契約の目的とされた者が 65 歳の時点から年金のが開始されており 権利取得時には 既に5 回のを受けている -5 -

4 予定利率は 2.0% 設例上 解約返戻金の金額及び一時金の金額については省略している 計算 1 期間の年数 ( 定期金契約の目的とされた者の余命年数 ):14 年 ( 第 20 回完全生命表における 70 歳男性の平均余命は 14.39 年 1 年未満の端数切捨て ) 2 を受けるべき金額の 1 年当たりの平均額 1,660 万円 (100 万円 5 回 +120 万円 5 回 +140 万円 4 回 ) 14 年 =1,185,714 円 3 予定利率による金額予定利率 2.0% 期間の年数 14 年 ( 余命年数 ) の複利年金現価率 :12.106 予定利率による金額 :1,185,714 円 12.106=14,354,253 円 ⑵ 定期金に関する権利を取得した日が定期金の日である場合の取扱い定期金に関する権利を取得した日 ( 課税時期 ) がちょうど定期金の日 ( 当該契約に基づき定期金のを受けた日又はを受けるべき日 ) に当たる場合がある この場合の定期金に関する権利を取得した日にを受けた 又は受けるべき定期金 ( 以下 一次金 という ) の額については 定期金に関する権利の価額に含めるべきか 別途現金 預貯金等の別の財産として相続財産等に計上すべきか疑義が生じる これについて 一次金の額は 1 解約返戻金の金額 2 定期金に代えて一時金のを受けることができる場合の一時金の金額及び3 予定利率による金額 ( 無期定期金の場合を除く ) に含めることを留意的に明らかにした なお 相続税法第 24 条第 1 項第 1 号ハ及び同項第 3 号ハの計算に当たっては 一次金の額を含めずに計算した上で 最後に一次金の額を加算することになる [ 計算例 ] 1 定期金のは年 2 回で1 回 250 万円 (1 年間に 500 万円の ) 2 権利取得日は平成 23 年 6 月 1 日 ( 同日は定期金の日でもある ) 3 最終日は平成 25 年 6 月 1 日 4 予定利率は 1.5% 設例上 解約返戻金の金額及び一時金の金額については省略している 平成 23 年平成 24 年平成 25 年 5 月 6 月 7 月 8 月 9 月 10 月 11 月 12 月 1 月 2 月 3 月 4 月 5 月 6 月 7 月 8 月 9 月 10 月 11 月 12 月 1 月 2 月 3 月 4 月 5 月 6 月 課 1 税給時付期 2 3 4 5 最終 期間 (2 年 ) -6 -

計算 1 期間の年数 :2 年 ( 平成 23 年 6 月 2 日 ~ 平成 25 年 6 月 1 日 ) 2 を受けるべき金額の1 年当たりの平均額 ( 注 1,000 万円 (250 万円 4 回 ) ) 2 年 =500 万円 ( 注 ) 2 から 5 最終 までの計 4 回 3 相続税法第 24 条第 1 項第 1 号ハに相当する金額 (1) 一次金を含めずに計算した金額予定利率 1.5% 期間の年数 2 年の複利年金現価率 :1.956 一次金を含めずに計算した金額 :500 万円 1.956=978 万円 (2) 一次金の額 :250 万円 (3) 相続税法第 24 条第 1 項第 1 号ハに相当する金額 ((1)+(2)) 250 万円 +978 万円 =1,228 万円 ( 注 ) 解約返戻金の金額及び一時金の金額についても一次金の額 (250 万円 ) が含まれることに留意する ⑶ 終身定期金に関する権利を評価する場合の 完全生命表 終身定期金に関する権利を評価する場合における 余命年数 は 完全生命表 に掲げる年齢及び性別に応じた平均余命 (1 年未満の端数を切り捨てた年数 ) となる ( 相令 5の7 相規 12 の3) この 完全生命表 は 厚生労働省が 男女別に作成し公表しているものであり 国勢調査等を基に5 年ごとに改訂されている 終身定期金に関する権利の評価に当たっては その定期金契約に関する権利を取得した時の属する年の1 月 1 日現在において公表されている最新の 完全生命表 によることを明らかにした -7 -