<4D F736F F D C18B968FAC88CF A81798E9197BF A90528C F990B382CC959495AA8A6D92E8815E92F990B382CC8B9694DB94BB926682CC8DDD82E895FB A A2E646F63>

Similar documents
 

間延長をしますので 拒絶査定謄本送達日から 4 月 が審判請求期間となります ( 審判便覧 の 2.(2) ア ) 職権による延長ですので 期間延長請求書等の提出は不要です 2. 補正について 明細書等の補正 ( 特許 ) Q2-1: 特許の拒絶査定不服審判請求時における明細書等の補正は

REPORT あいぎ特許事務所 名古屋市中村区名駅 第一はせ川ビル 6 階 TEL(052) FAX(052) 作成 : 平成 27 年 4 月 10 日作成者 : 弁理士北裕介弁理士松嶋俊紀 事件名 入金端末事件 事件種別 審決取消

Microsoft Word 資料1 プロダクト・バイ・プロセスクレームに関する審査基準の改訂についてv16

特許訂正制度における一群の請求項ごとの訂正に関する留意点と課題

2.2.2 外国語特許出願の場合 2.4(2) を参照 2.3 第 184 条の 5 第 1 項に規定された書面 (1) 日本語特許出願 外国語特許出願を問わず 国際特許出願の出願人は 国内書面提出期間 ( 注 ) 内に 出願人 発明者 国際出願番号等の事項を記載した書面 ( 以下この部において 国

弁理士試験短答 逐条読込 演習講座 ( 読込編 ) 平成 29 年 6 月第 1 回 目次 平成 29 年度短答本試験問題 関連条文 論文対策 出題傾向分析 特実法 編集後記 受講生のみなさん こんにちは 弁理士の桐生です 6 月となりましたね 平成 29 年度の短答試験は先月終了しました 気持ちも

経済産業省産業技術環境局産業技術政策課 パブリックコメント担当 御中

意匠法第十七条の三意匠登録出願人が前条第一項の規定による却下の決定の謄本の送達があつた日から三月以内にその補正後の意匠について新たな意匠登録出願をしたときは その意匠登録出願は その補正について手続補正書を提出した時にしたものとみなす 2 前項に規定する新たな意匠登録出願があつたときは もとの意匠登

Ⅰ. はじめに 近年 企業のグローバル化や事業形態の多様化にともない 企業では事業戦略上 知的財産を群として取得し活用することが重要になってきています このような状況において 各企業の事業戦略を支援していくためには 1 事業に関連した広範な出願群を対象とした審査 2 事業展開に合わせたタイミングでの

<4D F736F F D2089EF8ED096408CA48B8689EF8E9197BF E7189BB A2E646F63>

例 2: 組成 Aを有するピアノ線用 Fe 系合金 ピアノ線用 という記載がピアノ線に用いるのに特に適した 高張力を付与するための微細層状組織を有するという意味に解釈される場合がある このような場合は 審査官は 請求項に係る発明を このような組織を有する Fe 系合金 と認定する したがって 組成

審決取消判決の拘束力

第1回 基本的な手続きの流れと期限について ☆インド特許法の基礎☆

特定個人情報の取扱いの対応について

主文第 1 項と同旨第 2 事案の概要 1 特許庁における手続の経緯等 (1) 原告は, 平成 24 年 6 月 14 日, 発明の名称を 遊技機 とする特許出願をし ( 特願 号 請求項数 3 ), 平成 26 年 5 月 12 日付けで拒絶理由通知 ( 甲 8 以下 本件

1 アルゼンチン産業財産権庁 (INPI) への特許審査ハイウェイ試行プログラム (PPH) 申請に 係る要件及び手続 Ⅰ. 背景 上記組織の代表者は

ことができる 1. 特許主務官庁に出頭して面接に応じる と規定している さらに 台湾専利法第 76 条は 特許主務官庁は 無効審判を審理する際 請求によりまたは職権で 期限を指定して次の各号の事項を行うよう特許権者に通知することができる 1. 特許主務官庁に出頭して面接に応じる と規定している なお

出願人のための特許協力条約(PCT) -国際出願と優先権主張-

☆ソフトウェア特許判例紹介☆ -第31号-

<4D F736F F F696E74202D E82C582E08F6F978882E98AC FA967B93C18B9692A182C582CC93C18B9692B28DB895FB B8CDD8AB B83685D>

184FFEABBFDEF9C A0023C7C

<4D F736F F D F93FC82E D835382CC82DD816A2E646F63>

O-27567

財営第   号

Microsoft Word - 【6.5.4】特許スコア情報の活用

作成日 :2006 年 10 月 1 日 世界知的所有権機関 World Intellectual Property Organization (WIPO) 所在地 :34 chemin des Colombettes, 1211 GENEVE 20, Switzerland Tel : (41 2

Taro-052第6章1節(p ).jtd

参加人は 異議申立人が挙げていない新たな異議申立理由を申し立てても良い (G1/94) 仮 にアピール段階で参加した参加人が 新たな異議申立理由を挙げた場合 その異議申立手続は第 一審に戻る可能性がある (G1/94) 異議申立手続中の補正 EPCにおける補正の制限は EPC 第 123 条 ⑵⑶に

特定個人情報の取扱いの対応について

第41回 アクセプタンス期間と聴聞手続(2016年版) ☆インド特許法の基礎☆

特許制度 1. 現行法令について 2001 年 8 月 1 日施行 ( 法律 14/2001 号 ) の2001 年改正特許法が適用されています 2. 特許出願時の必要書類 (1) 願書 (Request) 出願人の名称 発明者の氏名 現地代理人の氏名 優先権主張の場合にはその情報等を記載します 現

Microsoft PowerPoint - 参考資料2

PCT 出願人の手引 - 国内段階 - 国内編 -MY MY 1 頁 マレーシア知的所有権公社 ( 指定官庁又は選択官庁 ) 目 次 国内段階 - 概要 国内段階の手続 附属書手数料 附属書 MY.Ⅰ 国内段階移行手数料 ( 特許様式 No.2A) 附属書 MY.Ⅱ 特許代理人の選任又は変更 ( 特

1. 特許法条約及び商標法に関するシンガポール条約とは 特許法条約 (PLT) 及び商標法に関するシンガポール条約 (STLT) は 各国で異なる国内出願手続の統一化及び簡素化に関する条約である 近年 出願件数が多い欧米諸国の加入が進んでおり 両条約の締約国は PLT が 36 か国 STLT が

PCT 出願人の手引 - 国内段階 - 国内編 -SA S A 1 頁 サウジ特許庁 (SPO) ( 指定官庁又は選択官庁 ) 目 次 国内段階 - 概要 国内段階の手続 附属書手数料 附属書 SA.Ⅰ 略語のリスト国内官庁 : サウジ特許庁 (SPO) Law: 特許, 集積回路配置デザイン, 植

< F2D E682518FCD825290DF D A97B98F4390B396B32E6A7464>

1 審査会の結論 平成 28 年度市民税 県民税の賦課決定処分 に係る審査請求は棄却する べきであるとの審査庁の判断は妥当である 2 事案概要南区長 ( 以下 処分庁 という ) は 地方税法 ( 昭和 25 年法律第 226 号 以下 法 という ) 第 24 条及び第 294 条並びに横浜市市税

第 32 回 1 級 ( 特許専門業務 ) 実技試験 一般財団法人知的財産研究教育財団知的財産教育協会 ( はじめに ) すべての問題文の条件設定において, 特に断りのない限り, 他に特殊な事情がないものとします また, 各問題の選択枝における条件設定は独立したものと考え, 同一問題内における他の選

1. 口座管理機関 ( 証券会社 ) の意見概要 A 案 ( 部会資料 23: 配当金参考案ベース ) と B 案 ( 部会資料 23: 共通番号参考案ベース ) のいずれが望ましいか 口座管理機 関 ( 証券会社 ) で構成される日証協の WG で意見照会したところ 次頁のとおり各観点において様々

第26回 知的財産権審判部☆インド特許法の基礎☆

☆ソフトウェア特許判例紹介☆ -第24号-

訂正情報書籍 170 頁 173 頁中の 特許電子図書館 が, 刊行後の 2015 年 3 月 20 日にサービスを終了し, 特許情報プラットフォーム ( BTmTopPage) へと模様替えされた よって,

templates

BE874F75BE48D E002B126

SDATA_0A AC7749DC474_ _1

H 刑事施設が受刑者の弁護士との信書について検査したことにつき勧告

日本国特許庁の国内出願の審査結果を利用した特許審査ハイウェイ ベトナム国家知的財産庁 (IP Viet Nam) と日本国特許庁 (JPO) との間の特許審査ハイウェイ試行プログラムに関するベトナム国家知的財産庁への申請手続 ( 仮訳 ) 日本国特許庁の国内出願の審査結果を利用した特許審査ハイウェイ

では理解できず 顕微鏡を使用しても目でみることが原理的に不可能な原子 分子又はそれらの配列 集合状態に関する概念 情報を使用しなければ理解することができないので 化学式やその化学物質固有の化学的特性を使用して 何とか当業者が理解できたつもりになれるように文章表現するしかありません しかし 発明者が世

第 10 回児童虐待対応における司法関与及び特別養子縁組制度の利用促進の在り方に関する検討会 平成 29 年 1 月 16 日 参考資料 2 児童虐待対応における司法関与の在り方について ( これまでの議論の整理 ) 1. はじめに 平成 28 年 3 月 10 日に取りまとめられた 新たな子ども家

処分済み

Microsoft Word - 01.表紙、要約、目次

問 2 戦略的な知的財産管理を適切に行っていくためには, 組織体制と同様に知的財産関連予算の取扱も重要である その負担部署としては知的財産部門と事業部門に分けることができる この予算負担部署について述べた (1)~(3) について,( イ ) 内在する課題 ( 問題点 ) があるかないか,( ロ )

4CAE B10001CD83

バイオマス比率をめぐる現状 課題と対応の方向性 1 FIT 認定を受けたバイオマス発電設備については 毎の総売電量のうち そのにおける各区分のバイオマス燃料の投入比率 ( バイオマス比率 ) を乗じた分が FIT による売電量となっている 現状 各区分のバイオマス比率については FIT 入札の落札案

厚生局受付番号 : 東北 ( 受 ) 第 号 厚生局事案番号 : 東北 ( 国 ) 第 号 第 1 結論昭和 52 年 4 月から同年 8 月までの請求期間及び昭和 52 年 9 月から昭和 56 年 12 月までの請求期間については 国民年金保険料を納付した期間に訂

B0B820DFD845F9DE49256B7D0002B34

< F2D8CA48B8689EF8E9197BF31352E6A7464>

2. 業務 システムの概要 ( 全項目評価書 2 と同様の内容 ) 2-1. 業務の概要 業務の名称 業務の趣旨 目的 業務の内容 2-2. システムの全体構成 機能 利用技術 2-3. システムの改修内容 ( 改修の場合 ) 2-4. その他記述すべき点 ( 自由記述欄 ) 2

民法 ( 債権関係 ) の改正における経過措置に関して 現段階で検討中の基本的な方針 及び経過措置案の骨子は 概ね以下のとおりである ( 定型約款に関するものを除く ) 第 1 民法総則 ( 時効を除く ) の規定の改正に関する経過措置 民法総則 ( 時効を除く ) における改正後の規定 ( 部会資

3. 無期労働契約への転換後の労働条件無期労働契約に転換した後の職務 勤務地 賃金 労働時間等の労働条件は 労働協約 就業規則または個々の労働契約等に別段の定めがない限り 直前の有期労働契約と同一になるとされており 無期転換に当たって職務の内容などが変更されないにもかかわらず 無期転換後の労働条件を

薬事法等の一部改正に伴う特許法施行令改正に係る事前評価書

件 復審 件数無効 請求件数復審審 復審 審件数無効 請求 審件数無効 請求審 年 2012 年 2013 年 2014 年 2015 年 2016 年 復審 件数

法第 20 条は, 有期契約労働者の労働条件が期間の定めがあることにより無期契約労働者の労働条件と相違する場合, その相違は, 職務の内容 ( 労働者の業務の内容及び当該業務に伴う責任の程度をいう 以下同じ ), 当該職務の内容及び配置の変更の範囲その他の事情を考慮して, 有期契約労働者にとって不合

Microsoft Word - 介護保健最新情報vol.583.doc

PMK520合併・分社等に伴うプライバシーマーク付与の地位の継続に関する手順

手続には 主たる債務者と対象債権者が相対で行う広義の私的整理は含まれないのでしょうか 手続には 保証人と対象債権者が相対で行う広義の私的整理は含まれないのでしょうか A. 利害関係のない中立かつ公正な第三者 とは 中小企業再生支援協議会 事業再生 ADRにおける手続実施者 特定調停における調停委員会

標準例6

平成 27 年度特許庁産業財産権制度問題調査研究報告書 商標制度におけるコンセント制度についての 調査研究報告書 平成 28 年 2 月 株式会社サンビジネス

説明会の進め方 0. 審判とは? 1. 特許庁及び審判部の組織 2. 審査 審判のフロー 3. 審判の役割と位置づけ 4. 審判制度の種類とその概要について 5. 各種審判事件について 5-1. 拒絶査定不服審判 5-2. 訂正審判 5-3. 無効審判 5-4. 特許異議の申立て 5-5. 商標登録

イ -3 ( 法令等へ抵触するおそれが高い分野の法令遵守 ) サービスの態様に応じて 抵触のおそれが高い法令 ( 業法 税法 著作権法等 ) を特に明示して遵守させること イ -4 ( 公序良俗違反行為の禁止 ) 公序良俗に反する行為を禁止すること イ利用規約等 利用規約 / 契約書 イ -5 (

が成立するが 本件処分日は平成 29 年 3 月 3 日であるから 平成 24 年 3 月 3 日以降 審査請求人に支給した保護費について返還を求めることは可能であ る 第 3 審理員意見書の要旨 1 結論本件審査請求には理由がないので 棄却されるべきである 2 理由 (1) 本件処分に係る生活保護

住宅借入金等特別控除の入力編

特許無効審判の審判請求書における補正の要旨変更についての一考察審判請求後の無効理由の主張及び証拠の追加等に関する裁判例の検討

住宅借入金等特別控除の入力編

(2) 国内優先権主張を伴う特許出願を行う場合 後の出願の願書に新規性喪失の例外証明書を援用する旨の表示をしなくても 先の出願について提出した新規性喪失の例外証明書が後の出願においても提出されたものとみなされますか ( 特 実 ).. 10 問 国との共同出願における手数料の納付国と国以

北里大学病院モニタリング 監査 調査の受け入れ標準業務手順 ( 製造販売後臨床試験 ) 第 1 条 ( 目的 ) 本手順書は 北里大学病院において製造販売後臨床試験 ( 以下 試験とする ) 依頼者 ( 試験依頼者が業務を委託した者を含む 以下同じ ) が実施する直接閲覧を伴うモニタリング ( 以下

指針に関する Q&A 1 指針の内容について 2 その他 1( 特許を受ける権利の帰属について ) 3 その他 2( 相当の利益を受ける権利について ) <1 指針の内容について> ( 主体 ) Q1 公的研究機関や病院については 指針のどの項目を参照すればよいですか A1 公的研究機関や病院に限ら

時効特例給付制度の概要 制度の概要 厚生年金保険の保険給付及び国民年金の給付に係る時効の特例等に関する法律 ( 平成 19 年 7 月 6 日施行 ) に基づき 年金記録の訂正がなされた上で年金が裁定された場合には 5 年で時効消滅する部分について 時効特例給付として給付を行うこととされた 法施行前

答申件数表(1月15日答申分)

欧州特許庁における審査期間短縮手段 背景欧州出願は 日本 米国と比較して係属期間が長い また 欧州出願では 登録まで出願維持年金を特許庁に支払う必要があり 係属期間が長くなると費用が高くなる そこで 早期権利化と 権利化にかかる費用の削減のために 欧州特許庁における審査期

PowerPoint Presentation

第 2 条ガイアは 関係法令等及びこれに基づく告示 命令によるほか業務要領に従い 公正 中立の立場で厳正かつ適正に 適合審査業務を行わなければならない 2 ガイアは 引受承諾書に定められた期日までに住宅性能証明書又は増改築等工事証明書 ( 以下 証明書等 という ) を交付し 又は証明書等を交付でき

<4D F736F F D204E45444F D E836782C982A882AF82E9926D8DE0837D836C AEE967B95FB906A91E63494C BD90AC E398C8E323593FA89FC92F9816A>

欧州特許出願における同一カテゴリーの複数の独立クレーム

事業者が行うべき措置については 匿名加工情報の作成に携わる者 ( 以下 作成従事者 という ) を限定するなどの社内規定の策定 作成従事者等の監督体制の整備 個人情報から削除した事項及び加工方法に関する情報へのアクセス制御 不正アクセス対策等を行うことが考えられるが 規定ぶりについて今後具体的に検討

社会福祉法人○○会 個人情報保護規程

火対象物の公表の要否を決定するものとする ( 公表の予告 ) 第 5 条署長は 前条第 4 項の規定により公表が必要であると決定した場合は 公表予告書 ( 第 2 号様式 ) により関係者に対し公表の予告をするものとする 2 前項に規定する公表の予告は 査察規程第 20 条第 1 項に規定する立入検

FIT/ 非 FIT 認定設備が併存する場合の逆潮流の扱いに関する検討状況 現在 一需要家内に FIT 認定設備と非 FIT 認定設備が併存する場合には FIT 制度に基づく買取量 ( 逆潮流量 ) を正確に計量するため 非 FIT 認定設備からの逆潮流は禁止されている (FIT 法施行規則第 5

2.1 提供方法 提供形態 登録されたサービス利用者に発行される ID パスワードによりアクセス できるダウンロードサイトから オンラインで提供される 提供周期 新規発生分 / 更新処理分のデータは 日次及び週次で提供される ただし 週次データにおいて期間内に更新又は削除が複

平成 25 年 3 月 25 日判決言渡 平成 24 年 ( 行ケ ) 第 号審決取消請求事件 口頭弁論終結日平成 25 年 2 月 25 日 判 決 原 告 株式会社ノバレーゼ 訴訟代理人弁理士 橘 和 之 被 告 常磐興産株式会社 訴訟代理人弁護士 工 藤 舜 達 同 前 川 紀 光

7 固定資産税に関する事務 基礎項目評価書

11総法不審第120号

( ウ ) 支出負担行為担当者は 工事監督員から理由書の送付があった場合は 特別の事情に該当するか否かを決定するものとする また 理由書が提出されなかった場合には 当該特別の事情を有しないものとみなして差し支えない イア以外の下請負人が社会保険等未加入建設業者である場合工事監督員は 当該社会保険等未

標準規格に係る工業所有権の取扱に関する基本指針e

第10回 出願公開 ☆インド特許法の基礎☆

Microsoft PowerPoint - 2の(別紙2)雇用形態に関わらない公正な待遇の確保【佐賀局版】

異議の決定 異議 東京都荒川区東日暮里 3 丁目 27 番 6 号商標権者株式会社エドウイン 東京都渋谷区広尾 商標異議申立人 EVISU JAPAN 株式会社 東京都港区西新橋 1 丁目 18 番 9 号西新橋ノアビル4 階朝比 増田特許事務所代理人弁理士朝比

厚生局受付番号 : 近畿 ( 受 ) 第 号 厚生局事案番号 : 近畿 ( 厚 ) 第 号 第 1 結論請求者のA 社における平成 26 年 8 月 25 日及び同年 12 月 25 日の標準賞与額を 150 万円に訂正することが必要である 平成 26 年 8 月 2

処分済み

Transcription:

資料 2 審決 訂正の部分確定 / 訂正の許否判断の在り方について 1. 第 29 回特許制度小委員会における審議の概要第 29 回特許制度小委員会での審議を通じて 国際的制度調和の観点からの問題を指摘する意見はあったものの 現行無効審判の基本構造を変更しない各案 (A 案 B -1 案 B-2 案 ) を推す意見が多数であった そして 明細書等 1 の一覧性が欠如する事態 2 を解消することへの配慮をしつつ 請求項ごとに訂正の許否判断及び審決の確定を扱うこととする方向で概ね意見の一致をみた また 制度の一貫性を図るとの観点から 訂正審判についても 無効審判の訂正請求における請求項ごとの扱いを拡張することに問題はないのではないかとの指摘もなされた A 案 ( 請求項単位案 ) B-1 案 ( 中間案 1) B-2 案 ( 中間案 2) 訂正の 表 1: 各案の概要 3 審決の確定 審理の基本単位 許否判断 無効審判 訂正審判 無効審判訂正審判 請求項ごと請求項ごと請求項請求項 原則 請求項ごと 引用関係にある請求項について訂正があり従属項の書き下し 4 をしない場合は一体不可分に扱うとともに 明細書の束の発生を防止する一体不可分 原則 請求項ごと 引用関係にある請求項について訂正があり従属項の書き下しをしない場合は一体不可分に扱うとともに 明細書の束の発生を防止する 訂正認容の場合は一体不可分 その他は請求項ごと 一体不可分 請求項 請求項 請求項 特許権 1 明細書 特許請求の範囲及び図面の総称 2 特許請求の範囲又は明細書の認定に当たり 確定時期の異なる別の特許請求の範囲又は明細書を参照する必要が生じている事態 3 第 29 回特許制度小委員会の資料 4の第 9 頁の表 4を再掲 (C 案を除外 ) 4 他の請求項 ( 被従属項 ) を引用する従属項を 被従属項を引用しない請求項に書き換えること -1 -

2. 今回の検討の進め方これまでの議論を踏まえ 明細書等の一覧性の観点にも配慮しつつ 訂正の許否判断及び審決の確定を請求項ごとに扱うことができるB-1 案を検討の出発点に据え 同案を採用した場合に発生する課題を明らかにし その解決手段について検討する B-1 案における特許請求の範囲及び明細書の取扱いは 表 2に示すとおりである 特許請求の範囲の取扱い 明細書の取扱い 表 2:B-1 案での取扱い 原則として請求項ごとで扱うが 他の請求項 ( 被従属項 ) を引用する従属項については 引用関係上必要な範囲内で引用元の請求項との間で訂正の許否判断及び審決の確定を一体不可分に扱う 5 明細書の訂正を禁止する また B-1 案のもとでは 上記取扱いにより被従属項と従属項との間で一体不可分な扱いを受けることがあるが 攻撃防御の均衡を図るために請求項ごとの扱いを望む特許権者は 以下の枠囲いに示すような従属項の書き下しを行うこととなる 書き下しの例 ( 下記実態調査の結果 訂正請求がなされた無効審判に係る特許権の平均請求項数は 約 6.2 であったので 請求項数が 6 である特許第 3975716 号の場合で示す ) 書き下し前 : 特許請求の範囲 酸価が 5~40 であるポリウレタン樹脂で 且つ乳化剤を含有しない水性ポリウレタン樹脂分散体 (A) 及び該分散体 (A) と反応する架橋剤 (B) を含有してなり 前記水性ポリウレタン樹脂分散体 (A) の粒子径が 200nm 以下であり かつ前記架橋剤 (B) が ポリイソシアネート化合物 (B-1) またはポリカルボジイミド化合物 (B-2) である繊維積層体表皮層形成用水性樹脂組成物 水性ポリウレタン樹脂分散体 (A) と架橋剤 (B) が反応してなる樹脂の流動開始温度が 140 以上である請求項 1 に記載の繊維積層体表皮層形成用水性樹脂組成物 請求項 3 会合型増粘剤 (C) を含有する請求項 1 または 2 に記載の繊維積層体表皮層形成用水性樹脂組成物 請求項 4 レベリング剤 (D) を含有する請求項 1~3 のいずれかに記載の繊維積層体表皮層形成用水性樹脂組成物 請求項 5 架橋剤 (B) が有機溶剤を含有せず 水性ポリウレタン樹脂分散体 (A) に分散性を有する化合物あるいはその水分散体からなる請求項 1~4 のいずれかに記載の繊維積層体表皮層形成用水性樹脂組成物 請求項 6 請求項 1~5 のいずれかに記載の繊維積層体表皮層形成用水性樹脂組成物を用いた人工皮革 一体不可分の扱いを望まない特許権者が行う書き下しの例 ( 請求項 6 のみ記載 ): 請求項 6 以下の (1)~(5) のいずれかに記載の繊維積層体表皮層形成用水性樹脂組成物を用いた人工皮革 (1) 酸価が 5~40 であるポリウレタン樹脂で 且つ乳化剤を含有しない水性ポリウレ 5 引用元の請求項について訂正が求められている場合は 従属項と一体不可分に許否判断をして 従属項の訂正認容は 引用元の請求項の訂正認容が確定しない限りは確定せず 引用元の請求項の訂正認容も 従属項の訂正認容が確定しない限りは確定しないものとする -2 -

タン樹脂分散体 (A) 及び該分散体 (A) と反応する架橋剤 (B) を含有してなり 前記水性ポリウレタン樹脂分散体 (A) の粒子径が 200nm 以下であり かつ前記架橋剤 (B) が ポリイソシアネート化合物 (B-1) またはポリカルボジイミド化合物 (B-2) である繊維積層体表皮層形成用水性樹脂組成物 (2) 水性ポリウレタン樹脂分散体 (A) と架橋剤 (B) が反応してなる樹脂の流動開始温度が 140 以上である (1) に記載の繊維積層体表皮層形成用水性樹脂組成物 (3) 会合型増粘剤 (C) を含有する (1) または (2) に記載の繊維積層体表皮層形成用水性樹脂組成物 (4) レベリング剤 (D) を含有する (1)~(3) のいずれかに記載の繊維積層体表皮層形成用水性樹脂組成物 (5) 架橋剤 (B) が有機溶剤を含有せず 水性ポリウレタン樹脂分散体 (A) に分散性を有する化合物あるいはその水分散体からなる (1)~(4) のいずれかに記載の繊維積層体表皮層形成用水性樹脂組成物 ( 紙面の都合上 書き下し後の請求項 6 についてのみ記載したが 請求項 1 の訂正を行った場合で 請求項 1~6 について請求項ごとに可分な扱いを受けることを望む特許権者は 請求項 2~5 についても 上記の請求項 6 と同様に書き下しを行うことが必要となる ) なお 本資料の作成に当たり 以下の枠囲いに示す実際の案件について訂正の実態調査を行い その結果も各論点ごとに記載している 実態調査対象案件 ( 平成 22 年 7 月調査 ) 平成 20 年に無効審判の請求があり訂正請求 ( 訂正請求書副本送達 ) があった案件で審決のあった案件 85 件のうち 調査時点で審決 ( 審決却下を除く ) が確定していた案件 55 件 平成 20 年に訂正審判の請求があった案件で審決のあった 84 件のうち 調査時点で審決 ( 審決却下を除く ) が確定していた案件を審判請求順に 45 件 3. 特許請求の範囲の取扱いの検討 (a) 課題 B-1 案は 表 2 上段記載の取扱いによって特許請求の範囲の一覧性が欠如する原因を概ね解消している しかしながら 独立項の訂正を行い 従属項の書き下しと同時にその訂正が別途行われ 訂正の対象となった独立項と従属項との間で訂正の許否判断が分かれた場合 ( 図 1 実態調査結果 1を参照 ) などには 訂正が認められなかった請求項について 審決確定後に再度新たに書き下しをするなどの対応 6 をしないと 特許請求の範囲の一覧性を確保することができない場合がある 上記のような場合は 訂正審判及び訂正請求の数 % 程度で発生するものと推定される ( 実態調査結果 1を参照 ) 6 図 1 の場合を例にすると 点線枠で囲んだ請求項 2 として 特許掲載公報に記載された請求項 2 を 例えば A 及び B からなる装置 という表現に書き下すこと -3 -

特許掲載公報 訂正明細書等 審決 編さんイメージ a からなる装置 訂正を認める a からなる装置 a 及び b からなる装置 訂正を認めない 請求項の書き直しが必要 書き下し + 訂正 図 1: 従属項の書き下しと同時に別途訂正を行った場合 実態調査結果 1 従属項の存在 (1) 従属項が存在する割合調査対象案件中 訂正請求の約 91% 訂正審判の約 84% が従属項を有していた (2) 特許請求の範囲の一覧性が失われる割合 ( 従属項の書き下しと同時に別途訂正を行い許否判断が分かれる割合 ) 調査対象案件中 訂正請求の 100% 訂正審判の 93% で特許請求の範囲の訂正が行われ 一部でも訂正が認められない割合は 訂正請求の 7% 訂正審判の 22% であったことから 特許請求の範囲の一覧性が失われる割合 ( 従属項の書き下しと同時にその訂正が別途行われ 訂正の許否判断が分かれる割合 ) は 従属項を有する半数の案件について書き下しが行われたと仮定して 最大で訂正請求の 3% 7 (3 件 / 年 ) 訂正審判の 9% 8 (8 件 / 年 ) 程度と推定される 9 (b) 解決手段の検討イ. 請求項の書き直しのための新たな手続の導入一覧性のある特許請求の範囲を作成するためには 現行制度下で審決が最終確定するタイミングで 以下のいずれかの手続により 請求項の書き直しを行うことが必要となる [ 手続 1] 特許庁からの命令を受けて 特許権者が請求項の書き直しをできるようにするための手続 [ 手続 2] 特許権者に代わって審判官が請求項の書き直しをするための手続 ( 手続 1について ) 特許権者が請求項の書き直しを行うことは 特許請求の範囲の訂正と扱われることになるので このような書き直しを可能とするための規定を新たに定めたうえで 書 7 算出式 :91% 100% 7% 50% 8 算出式 :84% 93% 22% 50% 9 推定値算出に使用した 一部でも訂正が認められない割合 には 全ての請求項について訂正が認められない場合も含まれており 特許請求の範囲の一覧性が失われる割合は より低くなる可能性がある また この割合が低くなる他の可能性としては 訂正の許否判断の分かれ方によっては 請求項の書き直しが不要な場合があり 高くなる可能性としては 訂正請求において訂正が認められた請求項の一部について出訴され審決が取り消された場合などがある さらに 書き下しが行われる割合の変化に合わせて 特許請求の範囲の一覧性が失われる割合も変化する -4 -

き直しが適正に行われているか否かについての審理を審決後に改めて行うこととなり 請求項ごとの扱いを行うことにより期待される審決の早期確定や早期の権利行使が阻害されることとなると考えられる また 手続 1は特許請求の範囲の一覧性の確保を重視して導入されるものであるところ 特許庁からの命令を受けてもこれに応じない場合には 命令に係る請求項の特許権が有効であったとしても これを存続させることは困難であると考えられる さらに 手続 1については 司法審査の対象となり得るものと考えられる ( 手続 2について ) 請求項の書き直しの態様が多様であるところ 審判官による請求項の書き直しに不服がある場合や 書き直しに誤りがある場合の救済手続をさらに設ける必要があると考えられる また この救済手続の存在のため 手続 1と同様 審決の早期確定等が阻害されることとなると考えられる さらに 手続 2における上記の救済手続についても 司法審査の対象となり得るものと考えられる ロ. 一覧性が欠如することによる負担を軽減する公示の工夫特許請求の範囲の一覧性を確保するために請求項の書き直しをしなくてはならない場合で 手続 1 及び2のような新たな手続を経ることができない場合には 公示の形態を工夫することよって 一覧性が欠如することによる複数の特許請求の範囲を読み分ける負担を軽減する案も考えられる 審決公報における特許請求の範囲の公示の工夫例としては 訂正の許否判断の確定結果に応じて特許請求の範囲の編さんを行うことを原則としつつ 編さんに当たり請求項の書き直しをしなければならない場合には 以下のような手当てを行うことが考えられる ( 図 2を参照 ) 1 各請求項に係る特許発明の把握に当たり参照すべき特許請求の範囲の一覧を記載する 2 読み分けなければならない請求項の記載を読みやすいように並べて記載する -5 -

審決公報 ( 案 1) < 審決 > < 一覧 > ( 特許掲載公報 ) 特許請求の範囲 参照すべき特許請求の範囲及び明細書一覧請求項 1: 平成 年 月 日付の訂正明細書請求項 2: 特許掲載公報 ( 平成 年 月 日付の訂正明細書 ) 特許請求の範囲 a からなる装置 a 及び b からなる装置 明細書 審決公報 ( 案 2) < 審決 > 特許請求の範囲 a からなる装置 ( 請求項 2 用 ) 明細書 図 2: 図 1の場合で特許請求の範囲の公示の工夫をした審決公報 ( 案 1 2) なお 請求項の削除訂正を行った場合で 訂正の対象となった請求項ごとに訂正の許否判断が分かれた場合 ( 実態調査結果 2を参照 ) にも 請求項の項番号にずれが生じるため請求項の書き直しをする必要が生じるが 項番号の繰り上げを行わず 削除された請求項については削除された旨を明示したうえで請求項自体の記載を特許請求の範囲に残すこととすれば 新たに書き直しすることなく 特許請求の範囲の一覧性を確保することも可能となる ( 図 3を参照 ) 実態調査結果 2 請求項の削除訂正調査対象案件中 訂正請求の約 29% 訂正審判の約 22% で請求項の削除訂正が行われていた 特許掲載公報 訂正明細書等 審決 審決公報 ( 案 ) ( 削除 ) 訂正を認める ( 送達と同時確定 ) ( 削除 ) ( 削除 ) 訂正を認める ( 送達と同時確定 ) ( 削除 ) 請求項 3 C からなる請求項 1 又は 2 請求項 3 請求項 3 訂正を認めない 請求項 3 C からなる請求項 1 又は 2 請求項 4 請求項 4 請求項 4 訂正を認める 請求項 4 図 3: 請求項の削除訂正を行った場合における審決公報 ( 案 )[ 項番ずれ禁止 ] -6 -

4. 明細書の取扱いの検討 (1) 明細書及び図面の訂正を禁止する場合 (a) 現行の訂正の状況現行制度のもとでは 明細書の訂正は 誤記の訂正及び明りょうでない記載の釈明を目的とするものが大部分で 調査対象案件中 訂正請求の85% 訂正審判の73% で明細書の訂正が行われているが 訂正の具体的内容を分析すると 訂正請求の7 5% 訂正審判の62% が明細書の記載を請求項の訂正に単に整合させるための訂正であった また 訂正審判では 明細書のみを訂正するものが4%(2 件 ) あった しかしながら 明りょうでない記載の釈明を目的としているが 請求項の訂正に単に整合させるものではないものが 訂正請求の24% 訂正審判の9% 存在するとともに 訂正請求では 明細書の訂正を行うことが無効理由解消等の観点から望ましいと思われる事例もみられる ( 実態調査結果 3を参照 ) なお 図面の訂正は 調査対象案件中 訂正請求の4%(2 件 ) 訂正審判の2% (1 件 ) で行われ 訂正請求の2%(1 件 ) が請求項の訂正に単に整合させる訂正であり 図面のみを訂正する案件はなかった 実態調査結果 3 明細書の訂正 (1) 明細書の訂正の有無 訂正請求 訂正審判 明細書の訂正有 85% 73% 請求項の訂正に単に整合させるもの 75% 62% 明細書のみ訂正 0% 4% (2) 明細書の訂正の目的 ( 目的は審決の認定に基づく 重複あり ) 訂正請求 訂正審判 特許請求の範囲の減縮 0% 0% 誤記の訂正請求項の訂正に単に整合させるもの 0% 9% 上記以外のもの 18% 26% 明りょうでない記載の釈明請求項の訂正に単に整合させるもの 74% 56% 上記以外のもの 24% 9% (3) 無効理由解消等の観点から必要と思われる明細書の訂正事例 (2 件 ) 1 特許請求の範囲及び明細書を通じて ある部材の形成箇所について 床面 壁面又は天井 と記載されていたが このうち壁面及び天井に形成する場合について 明細書の 発明が解決しようとする課題 欄に記載された課題が生じず 発明の効果 欄に記載された効果も奏さず 発明の詳細な説明に当該部材をどのように形成するのか全く記載がないことを理由に 特許法第 36 条第 4 項並びに第 6 項第 1 号及び第 2 号違反とする無効理由通知に応答して 形成箇所に関する記載を 明細書を含めて 床面 のみに訂正し これが認められたことにより無効理由を解消した事例 ( 無効 2008-800227 号 ) 2 請求項 1 に記載された 座標軸 X にしたがった面 との記載が 同軸に 平行な面 なのか 直交する面 なのか特定できないことを理由に 特許法第 36 条第 6 項第 2 号違反と主張する無効審判請求に応答して 請求項の記載を訂正せず 明細書の 座標軸 X にしたがった面 との記載を 座標軸 X にしたがった面 ( すなわち 座標軸 X に直交する面 ) と訂正し この訂正が技術常識であることなどを根拠として認められたうえで請求不成立となった事例 ( 無効 2008-800271 号 ) -7 -

(b) 解決手段の検討実態調査の結果明らかとなった訂正事例を考慮すると 無効理由を回避するためには特許請求の範囲の訂正のみではなく 明細書の訂正が必要な場合が存在すると考えられ 明細書の訂正を禁止することによって明細書の束の発生を防止することの是非については 慎重に考慮すべきではないか (2) 明細書の訂正を禁止しない場合 ( 公示の工夫 ) (a) 課題明細書の訂正を禁止しない場合には 請求項ごとに参照する明細書が異なるという 明細書の束 10 の事象の発生を完全に防止する有効な解決方法はない 請求項ごとの扱いを行った場合の明細書の束の発生状況を正確に予測することは その扱いのもとで請求項ごとに訂正の許否判断が分かれる割合や 訂正が認められた一部の請求項について訴えが提起される割合に関するデータなどが取得できないため困難であるが 特許権者の訂正に関する行動に変化がないとの仮定をすれば 概略以下のように推定できる ( 実態調査結果 4を参照 ) 実態調査結果 4 明細書の束の発生 (1) 明細書の束の発生の推定明細書の束の発生の原因となる複数の請求項に係る発明の認定に影響を与えると思われる明細書の訂正が行われている調査対象案件の割合は 訂正請求の約 16% 訂正審判の約 2% (1 件 ) であった 一方 一部でも訂正が認められなくなる割合は 訂正請求の約 7% 訂正審判の約 22% であった してみると 明細書の束が発生する割合は 最大で訂正請求及び訂正審判とも 1% 程度 11 ( 各 1 件 / 年 ) と推定できる 12 なお 実態調査案件の中には 全ての訂正が認められたうえで 一部の請求項について出訴されたり 一部の請求項について審決が取り消されたりするなどして審決が部分確定した結果 請求項ごとに訂正の許否判断が分かれることとなった事例はなかったため これを原因とする明細書の束の発生割合については 推定できなかった (2) 明細書の束が発生する場合の分量複数の請求項に係る発明の認定に影響を与えると思われる明細書の訂正が行われている場合 その分量の平均は段落数で約 3 であり 全段落数の約 6% を占めた また 請求項ごとに明細書を読み分けなければならなくなる分量の最大値は 訂正が行われた分量 13 であるが その平均は段落数で約 5 であり 全段落数の約 7% を占めた 14 10 明細書の一覧性が失われている類型のひとつで 複数の請求項に関連する明細書のある特定の記載 ( 例えば 段落 ) が 一つの表現ではなく 請求項ごとに異なった複数の表現で存在している状態 明細書の編さんを行ったとしても 複数の明細書を読み分けなければならないという事態を回避できない 11 算出式 :( 訂正請求 )16% 7% ( 訂正審判 )2% 22% 12 推定値算出に使用した 一部でも訂正が認められない割合 には 全ての請求項の訂正が認められない場合も含まれており 特許請求の範囲の一覧性が失われる割合は より低くなる可能性がある 13 例えば 全ての訂正が認められたうえで 一部の請求項について出訴されたり 一部の請求項について審決が取り消されたりするなどして審決が部分確定した結果 請求項ごとに訂正の許否判断が分かれることとなった事例では 訂正不認容の請求項の明細書は訂正前の明細書に戻ると考えられることから 請求項ごとに明細書を読み分けなければならなくなる分量は 訂正が行われた分量となる 14 段落が設定されていない案件については集計から除外した -8 -

(b) 解決手段の検討訂正の結果として明細書の束が発生する場合があるが その発生の可能性が最大でも1% 程度と低いことに鑑み 明細書の束の発生を例外的に認め 公示の形態を工夫することによって 請求項ごとに複数の明細書を読み分けるという負担を軽減すべきではないか 審決公報における明細書の公示の工夫例としては 訂正の許否判断の確定結果に応じて明細書の編さんを行うことを原則としつつ 明細書の束が生じた場合のように複数の明細書を公報に掲載する必要があるときについては 以下のような手当てを行うことが考えられる ( 図 4を参照 ) 1 各請求項に係る特許発明の把握に当たり参照すべき明細書の一覧を記載する 2 読み分けなければならない明細書の記載を読みやすいように並べて記載する (2の場合には 訂正前後の段落番号間の対応関係について 編さん時に判断する必要が生じることを避けるため 訂正前後で対応する明細書の段落番号がずれないようにすることが必要である ) 審決公報 ( 案 1) < 審決 > < 一覧 > 特許請求の範囲 ( 特許掲載公報 ) 明細書 0001 0011 0050 参照すべき特許請求の範囲及び明細書一覧請求項 1: 平成 年 月 日付の訂正明細書請求項 2: 特許掲載公報 ( 平成 年 月 日付の訂正明細書 ) 明細書 0001 0011 0050 審決公報 ( 案 2) < 審決 > 特許請求の範囲 明細書 0001 0011 ( 請求項 2 用 ) 0011 0012 0050 図 4: 明細書の公示の工夫をした審決公報 ( 案 1 2) 5. 訂正審判における訂正の許否判断等の単位を変更することによる影響 B-1 案は 訂正審判についても 訂正の許否判断及び審決の確定を請求項ごととして 無効審判における訂正請求と同じ扱いとする案である 無効審判の訂正請求では 無効審判請求がされている請求項について 訂正要件と -9 -

して独立特許要件が課せられない 一方 訂正審判では 訂正事項に含まれる全ての請求項について 訂正要件として独立特許要件が課せられている そして 独立特許要件は上位の請求項では充足しなくとも 権利範囲が減縮されている下位の請求項では充足することもあることから 訂正の許否判断を請求項ごとに行うようにした場合には 請求項ごとに訂正の許否判断が分かれる可能性が高くなると推測される 実態調査結果 5 訂正請求と訂正審判の対比 (1) 訂正の許否判断 訂正請求 訂正審判 全ての請求項について訂正が認められる割合 93% 78% 15 一部でも訂正が認められない割合 7% 22% (2) 独立特許要件違反を理由とする訂正不認容 訂正請求 訂正審判 独立特許要件違反 0% 13% (a) 特許請求の範囲の一覧性への影響特許請求の範囲の一覧性については 実態調査結果 1の (2) に示した類型 ( 書き下しと併せて別途訂正の場合 ) では 一覧性が失われる場合が訂正審判の方が訂正請求よりも約 3 倍程度多くなる可能性がある しかし 特許請求の範囲の一覧性については 3.(b) イ. に示した新たな手続の導入や3.(b) ロ. に示した特許請求の範囲の公示の工夫によっても対応が可能と考えられる (b) 明細書の一覧性への影響明細書の一覧性については 明細書の訂正を禁止する場合には その問題は生じないが これを禁止すると無効理由が回避できない場合が生じ得る 一方 明細書の訂正を禁止しない場合には 明細書の束が発生して明細書の一覧性が失われる場合が生じ得るものの その発生割合は 実態調査結果 4に示したように 訂正審判と訂正請求との間に有意な差が見られず1% 程度である しかし この場合でも 明細書の一覧性が失われるような場合には 4.(2)(b) に示した明細書の公示の工夫により対応は可能と考えられる 6. まとめ請求項ごとに扱うことを基本としつつ 明細書等の一覧性を確保するために必要最低限の手当てを行うというB-1 案の考え方を踏まえ 以下の手当てを採用してはどうか 15 一部でも訂正が認められない割合 には 全ての請求項について訂正が認められない場合も含まれている - 10 -

(1) 特許請求の範囲の訂正の扱い原則請求項ごとに扱うこととし 他の請求項を引用する従属項については 引用関係上必要な範囲内で引用元の請求項と一体不可分に扱うこととする また 3. (a) で挙げたような特許請求の範囲の一覧性の問題が生じることに鑑み このような例外的な場合については 以下のいずれかの手当てを行う (1)-ⅰ: 請求項の書き直しをすることにより一覧性のある特許請求の範囲を確保する新たな手続を導入する (1 特許庁からの命令を受けて 特許権者が請求項の書き直しをできるようにする 2 特許権者に代わって審判官が請求項の書き直しをする 等 ) (1)-ⅱ: 審決公報による特許請求の範囲の公示に工夫をする (1 各請求項に係る特許発明の把握に当たり参照すべき特許請求の範囲の一覧を記載する 2 読み分けなければならない請求項の記載を読みやすいように並べて記載する 等 ) ことによって一覧性の問題を軽減する ( 図 2を参照 ) (2) 明細書の訂正の扱い ( 特許請求の範囲の訂正は 上記のとおり原則請求項ごとに扱うことを前提に ) 明細書の訂正の扱いについては 以下のいずれかの手当てを行う (2)-ⅰ: 明細書の訂正を禁止する (2)-ⅱ: 明細書の訂正は現行どおり認め 訂正手続により例外的に明細書の束が発生する場合のように複数の明細書を公報に掲載する必要があるときについては 審決公報による明細書の公示に工夫をする (1 各請求項に係る特許発明の把握に当たり参照すべき明細書の一覧を記載する 2 読み分けなければならない明細書の記載を読みやすいように並べて記載する 等 ) ことによって一覧性の問題を軽減する ( 図 4を参照 ) (3) 訂正審判の扱い訂正審判についても 無効審判における訂正請求と同じ扱いとする -11 -