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安全方針 令和元年 6 月 1 日 株式会社ザイマックストラベルデザイン 当社は 輸送の安全確保が旅客自動車運送事業の社会的使命と深く認識し 全社員一丸となって輸送の安全を確保し 意識の徹底を図り 安全をすべてに優先 し お客様に 安全 安心 快適で楽しい旅 を提供します 1 法令 規定を遵守し 安

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事務ガイドライン ( 第三分冊 )13 指定信用情報機関関係新旧対照表 Ⅰ-2 業務の適切性 現行改正後 ( 案 ) Ⅰ-2 業務の適切性 Ⅰ-2-4 信用情報提供等業務の委託業務の効率化の観点から 内閣総理大臣 ( 金融庁長官 ) の承認を受けて信用情報提供等業務の一部を委託することが可能とされて

輸送安全方針 当社では 輸送の安全を確保する為に 以下の通り基本方針を定める 1 安全最優先 2 法令 社内規定 業務ルールの遵守 3 事故原因の徹底究明による再発事故防止活動 4 運輸安全マネジメント体制の継続的改善 PDCA の確実な実施 5 協力会社への有効性ある教育指導 本方針は 社内外に開

Challenge! シーキューブグループにおける 安全への挑戦 ~ 安心 安全 信頼をベースとした すごい会社 創りへのチャレンジ ~ シーキューブ株式会社安全品質推進部瀧口幸男 1. はじめに 事故 ( 人身 設備 ) の絶滅は通信建設会社にとって永遠の課題ですが 全国的には依然として多くの事故

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乗務員に対する指導監督 1. 国土交通大臣が告示で定めるとことにより ( 貨物自動車運送事業者が事 業用自動車の運転者に対して行う指導及び監督の方針 ( 平成 付け 国土交通省告示第 1366 号 ) 運転者に対し事業用自動車の運行の安全を確 保するために必要な運転の技術及び法令に基

4 輸送の安全のために講じた措置及び講じようとする措置 2017 年度に講じた措置当社は バス事業における経営の根幹は 安全 である との認識に立ち 安全性向上のための取り組みを継続して推進しています また 2017 年度は 向こう 3 年間の安全に関する具体的な実行計画をまとめた 第三次中期安全計

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チェック式自己評価組織マネジメント分析シート カテゴリー 1 リーダーシップと意思決定 サブカテゴリー 1 事業所が目指していることの実現に向けて一丸となっている 事業所が目指していること ( 理念 ビジョン 基本方針など ) を明示している 事業所が目指していること ( 理念 基本方針

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第 1 回自動車運送事業のホワイト経営の 見える化 検討会 検討の目的 日時 : 平成 30 年 6 月 11 日 ( 月 ) 10:00~12:00 場所 : 合同庁舎 3 号館 8 階自動車局第一 第二会議室 運転者としての就職を希望する求職者が就職先を選ぶ際や 荷主 旅行業者等が取引先を選ぶ際

有限会社汐見運輸 ( 法人番号 ) 代表者真坂典雄 北海道勇払郡むかわ町汐見 438 本社営業所 北海道勇払郡むかわ町汐見 438 平成 29 年 6 月 27 日及び平成 29 年 7 月 4 日 運行管理者特別講習未受講を端緒として監査を実施 18 の違反が認めら

( 内部規程 ) 第 5 条当社は 番号法 個人情報保護法 これらの法律に関する政省令及びこれらの法令に関して所管官庁が策定するガイドライン等を遵守し 特定個人情報等を適正に取り扱うため この規程を定める 2 当社は 特定個人情報等の取扱いにかかる事務フロー及び各種安全管理措置等を明確にするため 特

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目次 4. 組織 4.1 組織及びその状況の理解 利害関係者のニーズ 適用範囲 環境活動の仕組み 3 5. リーダーシップ 5.1 経営者の責務 環境方針 役割 責任及び権限 5 6. 計画 6.1 リスクへの取り組み 環境目標

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- 1 - 国土交通省告示第三百十六号高齢者 障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律施行規則(平成十八年国土交通省令第百十号)第六条の二 第六条の三 第六条の四及び第二十三条の規定に基づき 同規則第六条の二の規定に基づく国土交通大臣が定める要件並びに移動等円滑化取組計画書 移動等円滑化取組報告書

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中小企業者等に対する金融の円滑化を図るための臨時措置に関する法律

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(2) 事業者は 安全衛生方針に基づき 交通労働災害防止に関する事項を含む安全衛生目標を設定し 当該目標において一定期間に達成すべき到達点を明らかにするとともに 労働者に周知すること (3) 事業者は 安全衛生目標を達成するため 一定の期間を限り 次に掲げる交通労働災害防止に関する事項を含む安全衛生


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の氏名又は名称及びの所在地 平成 30 年 3 月 13 日 平成 30 年 3 月 16 日 有限会社東九州交通 ( 法人番号 ) 代表本社営業所者岸上昭二 宮崎県延岡市土々呂町 ひまわり交通株式会社 ( 法人番号 ) 代本社営業所

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一般社団法人送電線建設技術研究会関西支部社会保険等の加入促進計画 1. はじめに 平成 27 年 4 月 24 日制定 建設産業においては 健康保険 厚生年金保険及び雇用保険 ( 以下 社会保険等 という ) の 1 法定福利費を適正に負担しない企業が存在し 技能労働者の医療 年金など いざというと

1 輸送の安全に関する基本的な方針 お客様の安全安心のためにジェイアール四国バス では次の安全綱領を安全に関する 基本方針として社員全員が高い意識をもってそれぞれの業務にとりくんでいます 安全綱領 1 安全は輸送業務の最大の使命である 2 安全の確保は 規程の遵守及び執務の厳正から始まり不断の修練に

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14個人情報の取扱いに関する規程

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4 研修について考慮する事項 1. 研修の対象者 a. 職種横断的な研修か 限定した職種への研修か b. 部署 部門を横断する研修か 部署及び部門別か c. 職種別の研修か 2. 研修内容とプログラム a. 研修の企画においては 対象者や研修内容に応じて開催時刻を考慮する b. 全員への周知が必要な

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一部改正一部改正一部改正一部改正一部改正 国自総第 122 号国自貨第 31 号国自整第 39 号平成 16 年 6 月 30 日平成 17 年 12 月 8 日平成 18 年 5 月 26 日平成 18 年 9 月 15 日平成 19 年 5 月 1 日平成 20 年 3 月 31 日 各地方運輸


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荷主及び運送業の元請の事業者の皆さまへ 過労運転 過重労働の防止及び安全運行の確保等のために 宮城では 約 1,300 の貨物自動車運送事業場において 約 32,000 人の労働者 ( 出所 : 平成 18 年事業所 企業統計調査 ( 総務省 )) が働いており 貨物自動車運送事業者 ( 以下 運送

第 13 号様式 ( 外部研修の申込み ) 第 28 条第 2 項関係 別紙 1 研修受講申込書 ( 記載例 ) 平成年月日 独立行政法人自動車事故対策機構 理事長 殿 事業者名及び代表者名 事業者の住所申込責任者名連絡先 (TEL) ( ) (FAX) 印 1. 受講研修 1. 第一種講

特定個人情報の取扱いに関する管理規程 ( 趣旨 ) 第 1 条この規程は 特定個人情報の漏えい 滅失及び毀損の防止その他の適切な管理のための措置を講ずるに当たり遵守すべき行為及び判断等の基準その他必要な事項を定めるものとする ( 定義 ) 第 2 条 この規定における用語の意義は 江戸川区個人情報保

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15 変更管理

はじめてのマイナンバーガイドライン(事業者編)

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別添 事業者向け放課後等デイサービス自己評価表 及び 保護者等向け放課後等デイサービス評価表 について 放課後等デイサービスガイドライン ( 以下 ガイドライン ) は 放課後等デイサービス事業所における自己評価に活用されることを想定して作成されたものですが 各事業所で簡易に自己評価を行うことができ

データ連携配車システム

( 様式第 6) 病院の管理及び運営に関する諸記録の閲覧方法に関する書類 病院の管理及び運営に関する諸記録の閲覧方法 計画 現状の別 1. 計画 2. 現状 閲 覧 責 任 者 氏 名 閲 覧 担 当 者 氏 名 閲覧の求めに応じる場所 閲覧の手続の概要 ( 注 ) 既に医療法施行規則第 9 条の

ください 5 画像の保存 取扱い防犯カメラの画像が外部に漏れることのないよう 一定のルールに基づき慎重な管理を行ってください (1) 取扱担当者の指定防犯カメラの設置者は 必要と認める場合は 防犯カメラ モニター 録画装置等の操作を行う取扱担当者を指定してください この場合 管理責任者及び取扱担当者

乗務途中点呼 ( 中間点呼 ) 管理者は 乗務前及び乗務後に点呼のいずれも対面で行うことができない乗務を行う者に対し 当該点呼のほかに 当該乗務の途中において少なくとも 1 回電話その他の方法により点呼を行い 次の事項について報告を求め 車両の安全を確保するために必要な指示をしなければならないものと

「道路運送法に基づく運行管理者資格者証の返納命令発令基準等について」の一部改正について(新旧)

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3 治験実施計画書目的 当該治験について 治験実施計画書が手順書に従い適切に作成及び改訂されていることを確認する 次の事項を調べる (1) 治験実施計画書の記載項目 ( 再生医療等製品 GCP 省令第 7 条第 1 項に規定する項目 ) (2) 治験実施計画書の作成 改訂の手順と日付 (3) 治験計

Q&A 集 Q1 社会保険等とは何か A1 社会保険等とは 健康保険 ( 協会けんぽ 健康保険組合等 ) 厚生年金保険 及び雇用保険をいいます Q2 国民健康保険組合に加入しているが 社会保険等未加入建設業者となるのか A2 法人や常時 5 人以上の従業員を使用する国民健康保険組合に加入している建設

安全衛生規程

1 趣旨このガイドラインは 日本国内の公道 ( 道路交通法 ( 昭和 35 年法律第 105 号 ) 第 2 条第 1 項第 1 号に規定する 道路 をいう 以下同じ ) において 自動走行システム ( 加速 操舵 制動のうち複数の操作を一度に行い 又はその全てを行うシステムをいう 以下同じ ) を

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自治会では どのように 取り扱ったらいいの ですか? 自治会における情報の取り扱い 個人情報保護法では 持っている情報を適正に扱うことを規定しています 自治会が会員の氏名や住所 電話番号などの個人情報を持つことは 活動する上で不可欠です これからは 自治会においても大切な情報を守るため 正しい管理に

平成 24 年 11 月 13 日 新潟縣信用組合 中小企業者等に対する金融の円滑化を図るための臨時措置に関する法律第 7 条第 1 項に規定する説明書類 第 1 第 6 条第 1 項第 1 号に規定する法第 4 条及び第 5 条の規定に基づく措置の実施に関する方針の概要 当組合は 地域に根差し 地

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医療安全管理指針

(2) 総合的な窓口の設置 1 各行政機関は 当該行政機関における職員等からの通報を受け付ける窓口 ( 以下 通報窓口 という ) を 全部局の総合調整を行う部局又はコンプライアンスを所掌する部局等に設置する この場合 各行政機関は 当該行政機関内部の通報窓口に加えて 外部に弁護士等を配置した窓口を

マイナンバー制度 実務対応 チェックリスト

安全報告書 西鉄観光バスの写真をお願いします 平成 28 年度 西鉄観光バス株式会社

保総発第○○○号

公表すべき輸送の安全に係る事項(比較)

国自安第 6 1 号の 2 国自旅第 7 0 号の 2 平成 29 年 6 月 30 日 公益社団法人日本バス協会会長殿 国土交通省自動車局安全政策課長 自動車局旅客課長 旅客自動車運送事業運輸規則第 47 条の 7 第 1 項の規定に基づき旅客自動車運送事業者が公表すべき輸送の安全にかかわる事項等

働き方改革 魅力ある建設業の構築に向けて 特集 域によっても大きな差があり, 北陸地方や北海道 など一部の地方では平成 28 年 10 月調査の加入率が 80% を超えているのに対し, 大都市部のある関東 地方 (55%) や近畿地方 (60%) は低い加入率に 留まっている ( ) 建設マネジメン

公立学校共済組合九州中央病院医療安全管理指針 第 1 章医療安全管理に関する基本 1-1( 目的 ) 公立学校共済組合九州中央病院 ( 以下 病院 という ) では 病んでいる人の人権を尊重し 健やかで心豊かな社会をつくるための医療を提供します を基本理念としている この基本理念の実践にあたっては

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Transcription:

別添 2 安全マネジメントの実施に当たっての手引 ( 中小規模事業者用 ) ~ 中小規模事業者における安全管理の進め方 ~ 平成 21 年 10 月 国土交通省大臣官房運輸安全監理官室 国土交通省自動車局安全政策課

はじめに国土交通省では 運輸事業者自らが経営者から現場まで一丸となった安全管理の取組を行い 輸送の安全の向上をはかることをねらいとした 運輸安全マネジメント制度 を平成 18 年 10 月から導入しています この 運輸安全マネジメント制度 では 陸 海 空の全ての運輸事業者の皆様に対し 運輸事業における安全管理に取り組み 輸送の安全に努めることを求めています このたび 中小規模自動車運送事業者の皆様が より効果的に安全管理に取り組むことができるよう 本手引 安全マネジメントの実施に当たっての手引 ( 中小規模事業者用 )~ 中小規模事業者における安全管理の進め方 ~ を作成しましたので 今後 本手引を参考に 自社の運輸事業の安全管理に積極的に取り組んでいただくようお願いいたします なお この手引は 安全管理規程等の義務付け外の自動車運送事業者のうち 車両数が概ね100 両未満かつ営業所が1である中小規模自動車運送事業者において利用されることを想定しています 改訂履歴 第 2 版 初版 発行月 平成 25 年 9 月 平成 21 年 10 月

1. 代表者 ( 経営者 ) の役割輸送の安全は 運輸事業者の最も基本的なサービスである このため 代表者 ( 経営者 ) は 自らが輸送の安全の最高責任者として 以下のとおり 安全管理の体制を整え 安全管理の取組計画を作るとともに 社員を指揮 指導して その役割を果たす (1) 会社の輸送の安全に関する基本的な考え方 ( 安全第一 法令遵守等 ) を記載した安全方針を作り 社内に周知徹底する ( 取組のポイント ) 安全方針には 法令や社内規則を守ること や 輸送の安全が第一であること を明記しましょう 安全方針の社内周知の例 安全方針の各事務所等への掲示 安全方針等を記載した携帯カードの社員配付 社内報や社内イントラへの掲載 現場巡回 年始会 入社式等での社長訓示 点呼 各種会議での冒頭唱和の励行 安全方針の暗唱の取組 社内教育での周知 指導等 (2) 安全方針を実現するため 年に1 回 具体的な安全目標を決め その目標達成に向け安全運行に努める ( 取組のポイント ) 安全目標は その達成状況を把握することができるよう 可能な限り 人身事故ゼロ など数値的なものとしましょう 安全目標の達成のため ドライバーの安全教育など計画的に取り組むとよいでしょう ( 例えば ) 事故の多い繁忙期などには 事故防止キャンペーン活動を計画 安全教育 適性診断 小集団活動 添乗指導等を行う月日を予め決めておく

(3) 重大な事故等が発生した場合の対応方法をあらかじめ決める (4) 輸送の安全に必要な人員や設備等を確保 整備する (5) 安全管理の取組状況を年に1 回は点検し 問題があれば改善する (6) 会社の人員体制上 可能な場合には 安全を統括管理する責任者 ( 以下 安全統括責任者 という ) を1 名選任し 次の事項を行わせる 1 安全方針の社内周知を行うこと 2 安全目標を作成し 社員を指揮 指導し 安全目標の達成に向けた取組を積極的に行うこと 3 代表者 ( 経営者 ) との連絡を密にし 輸送の安全に関する情報を集め 代表者 ( 経営者 ) に適時 適切に報告すること 4 会社の人員規模に応じた安全管理の取組体制を決め 各自の役割を定め 社内に周知する 5 安全管理の取組状況を年に1 回は点検し その結果を代表者 ( 経営者 ) に適時 適切に報告すること 2. 安全管理の実施代表者 ( 経営者 ) 安全統括責任者 その他輸送の安全にかかわる社員は一丸となって 輸送の安全に向け 以下のとおり 安全管理の取組を実施する (1) 輸送の安全に関する情報の伝達代表者 ( 経営者 ) 又は安全統括責任者は 輸送の安全に関する情報が適時 適切に社内に伝わるようにするとともに 現場の声を適時 適切に把握する

( 取組のポイント ) 代表者 ( 経営者 ) 等から現場への情報伝達 ( 上から下への情報の流れ ) の取組例 輸送の安全に関する情報の各事務所等への掲示 輸送の安全に関する情報の社内報や社内イントラへの掲載 現場巡回 年始会 入社式等での社長等の訓示 安全に関する各種会議 打合せでの周知 点呼での周知 社内教育での周知 指導等 現場から代表者 ( 経営者 ) 等への情報伝達 ( 下から上への情報の流れ ) の取組例 現場巡回での現場社員からの意見聴取 社長等と現場社員との直接の意見交換会の活用 小集団活動の活用 業務改善提案制度の活用 社内イントラや各事務所への目安箱 意見箱の設置 ( 現場ドライバーに対して 何でもよいから その日の出来事を報告するよう促し 報告用紙に記載して報告 ) 等 (2) 法令等の遵守社員は 輸送の安全に必要な関係法令 通達及び社内規則を遵守するとともに 代表者 ( 経営者 ) 又は安全統括責任者は それらの状況を定期的に確認する ( 取組のポイント ) 関係法令等の遵守の状況を確認する取組例 点呼 現場巡回 添乗指導 路上パトロール等での確認 ドライブレコーダー映像の確認 デジタルタコグラフのデータの確認等 (3) 輸送の安全に必要な手順 規則安全統括責任者は 社員に指示する等して 輸送の安全に必要な手順 規則を作成し 社内に周知する (4) 下請事業者の利用トラック事業者が下請事業者を利用する場合にあっては 次のような

下請事業者の輸送の安全の確保を阻害する行為を行わないこととする 1 到着時間等について安全の確保が困難な無理な運行を依頼すること 2 積込み前に運送する貨物量を増やす急な依頼をすること 等 また 下請事業者と長期契約を結ぶ等の密接な関係にある場合は 下 請事業者における安全管理体制の構築 改善について要請 指導する (5) 教育 訓練代表者 ( 経営者 ) 又は安全統括責任者は 輸送の安全にかかわる者に対し教育 訓練を定期的に実施する 教育 訓練の実施に当たっては 外部が主催する運輸安全マネジメント制度に関するセミナー 講習会等を活用する等して 適切に実施し それら実施状況を記録し 保管する (6) 事故等の対応 1 社員は 事故が発生した場合は 代表者 ( 経営者 ) 及び安全統括責任者にその情報を適時 適切に報告する 2 代表者 ( 経営者 ) は 自ら 又は安全統括責任者に指示する等して 1で報告を受けた事故について 再発防止策を検討 実施する 3 代表者 ( 経営者 ) は 自ら 又は安全統括責任者に指示する等して 必要に応じて 現場からのヒヤリ ハット情報 ( 事故にはならなかったが ヒヤッと した ハッと したできごと ) を集め 事故防止のために適切な対応策を講じる 4 代表者 ( 経営者 ) は 自ら 又は安全統括責任者に指示する等して

他の事業者の事故事例等を積極的に集め 自社の事故防止に活用する 5 代表者 ( 経営者 ) は 重大な事故等が発生した場合の対応方法をあらかじめ決め 自ら 又は安全統括責任者に指示する等して 社内に周知する 6 代表者 ( 経営者 ) は 自ら 又は安全統括責任者に指示する等して 1から5までの実施状況を記録し 保管する 7 自動車事故報告規則 ( 昭和 26 年運輸省令第 104 号 ) に定める事故があった場合は 国土交通省へ必要な報告又は届出を行う また 災害等により事故等があった場合は 国土交通省その他関係機関に必要な情報提供を行う (7) 事業の管理の受委託を行う場合の安全管理 1 事業の管理の委託を行う事業者 ( 以下 委託事業者 という ) 及び同管理の受託をした事業者 ( 以下 受託事業者 という ) は 密接に協力することにより 一丸となって安全性の向上に努める 2 委託事業者の代表者 ( 経営者 ) は 自ら 又は安全統括責任者に指示する等して 自社の安全方針 安全目標を受託事業者に周知するとともに 自社の目標達成に向けた取組を推進するため 受託事業者に安全管理体制の構築 改善について要請 指導する なお 要請 指導する際は 委託した管理業務に適用される管理の方法とその取組内容を明らかにする 3 受託事業者の代表者 ( 経営者 ) は 安全管理体制を構築し 委託事業

者の安全方針 安全目標を踏まえた安全方針の作成 安全目標の設定を行うとともに 目標達成に向け安全運行に努める 4 委託事業者及び受託事業者は 相互に連絡体制を構築し 情報を共有する 5 委託事業者及び受託事業者は 受委託に係る管理業務等の実施状況を定期的に点検し 必要な改善を行う 3. 安全管理の取組状況の点検と改善輸送の安全に向け 定期的に安全管理の取組状況を点検し 把握した問題点を改善することが重要であり 代表者 ( 経営者 ) 及び安全統括責任者は 以下の取組を行う (1) 代表者 ( 経営者 ) は 自ら 又は安全統括責任者に指示する等して 少なくとも年に1 回 安全目標の達成状況や安全管理の取組状況を 別添の 安全管理の取組状況の自己チェックリスト の活用等により 点検する 安全統括責任者は その結果を代表者 ( 経営者 ) に報告する (2) 代表者 ( 経営者 ) は (1) の点検の結果 問題があることが分かった場合には 必要な改善を行う (3) 代表者 ( 経営者 ) は 自ら 又は安全統括責任者に指示する等して (1) 及び (2) の実施状況を記録し 保管する

別添 中小規模事業者用 安全管理の取組状況の自己チェックリスト の例 ( ) 以下のチェックリストを活用し 年に1 回は自社の運輸事業の安全の取組み状況を 定期的に確認しましょう また チェックリストは記録 保管し 次回のチェックの際 昨年との比較を行いましょう 点検日 年 月 日 自己点検チェックポイント 判定 特記事項 1 代表者 ( 経営者 ) は 法令を守ること 安全を最優先とすることなどの考え方を盛り込んだ安全方針を作っているか 2 代表者 ( 経営者 ) は 安全方針を社内周知しているか 3 代表者 ( 経営者 ) 又は安全統括責任者は 安全方針を実現するため 1 年ごとに安全目標を作っているか 4 安全運行に努め 安全目標を達成したか 5 代表者 ( 経営者 ) は 重大事故が発生した場合の対応方法を決めているか 6 代表者 ( 経営者 ) は 安全に必要な設備の更新 整備や人員の配置等を行っているか 7 安全統括責任者は 安全方針を社内周知しているか 8 安全統括責任者は その職務を把握し 社員を指揮 指導し 安全目標の達成に向けた取組みを積極的に行っているか 9 安全統括責任者は 代表者 ( 経営者 ) との連絡を密にし 輸送の安全に関する情報を集め 代表者 ( 経営者 ) に報告しているか 10 安全統括責任者は 安全管理の実施体制における各自の責任 役割を明確に定めているか 11 安全統括責任者は 安全管理の実施体制における各自の責任 役割は周知しているか 12 社内において 輸送の安全に関する定期的な話し合いを行っているか 13 代表者 ( 経営者 ) は 社員と直接話す機会を作り 安全に関する指示 指導をしたり 社員から意見 要望を聴いたりしているか 14 旅客又は荷主から輸送の安全に関する意見 要望を収集しているか

15 関係法令や社内規則を遵守して 安全運行しているか 16 安全管理 運行管理に関する社内規程が適切に管理されているか ( 必要な部署への配付 保管 改廃手続きの適切な実施と表示 ) 17 ( トラックの場合 ) 下請事業者の輸送の安全を阻害することをしないようにしているか 18 安全運行に必要な教育 訓練を定期的に実施しているか 19 代表者 ( 経営者 ) や安全統括責任者等は 外部が主催する運輸安全マネジメントに関する研修等に参加しているか ( 社内教育の受講も含む ) 20 18 及び 19 の教育 訓練等の実施状況を記録しているか 21 事故が発生した場合 代表者 ( 経営者 ) まで事故の情報が現場から報告されるようになっているか 22 発生した事故の再発防止策を考え 実行しているか 23 ヒヤリ ハット情報を集め 事故防止に活用しているか 24 他社の事故事例などを集め 自社の事故防止に活用しているか 25 緊急通報 連絡先を少なくとも 1 年ごとに見直し 電話番号等に変更がないかどうか確認をしているか 26 21 から 25 の実施状況を記録しているか 27 事故が発生した場合 必要な報告を国土交通省にしているか 28 代表者 ( 経営者 ) は 少なくとも年に 1 回は安全の確保に向けた取組状況 ( 安全目標 安全目標達成に向けた取組 安全管理の取組体制 情報の伝達体制 事故防止策 教育 訓練等 ) を点検し 問題があれば改善しているか 29 28 の実施状況を記録しているか 30 委託事業者の安全方針 安全目標が受託事業者に周知されているか 31 委託した管理業務に適用される管理の方法とその取組内容を受託事業者に明らかにしているか

32 受託事業者に安全管理体制の構築 改善を要請 指導しているか 33 受託事業者の安全方針 安全目標が委託事業者の安全方針 安全目標を踏まえたものとなっているか 34 委託 ( 受託 ) 事業者と相互の連絡体制の構築 情報の共有がされているか 35 委託 ( 受託 ) した管理業務の実施状況を定期的に点検し 必要な改善を行っているか 36 35 の実施状況を記録しているか 実施している場合は 判定 欄に 実施していない場合は を記入すること 特記事項 欄には 自社で行っている取組みの概要や取組みが困難な理由 問題 前回のチェック時から改善した点などを記入すること 安全の確保の状況の点検の結果判明した問題とその解決のため対応した状況 判明した問題実施日解決のため対応した状況 年月日署名 :( 代表者又は安全統括責任者 )