標準見積書に計上する 法定福利費 の算出は次の2つの方法とし 手順は以下の通り 1 施工見積の取付費総額から労務費を算出し それに法定福利費の保険料率を乗じる 2 これまでの施工実績をもとに施工従事者に支払った正味労務費から各商品の単位当りの法定福利費をあらかじめ算出した上で 法定福利費を簡便に算出

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工事費構成内訳書の提出について ~ 法定福利費の明示が必要になります ~ 平成 29 年 12 月 6 日 中日本高速道路株式会社

法定福利費の明示について 1 社会保険等未加入対策 建設業者の社会保険等未加入対策として 社会保険等への加入を一層推進していくためには 必要な法定福利費が契約段階でも確保されていることが重要です 建設工事における元請 下請間では 各専門工事業団体が法定福利費を内訳明示した 標準見積書 を作成しており

(2) 法定福利費の基本的な算出方法 法定福利費 = 労務費総額 法定保険料率 法定福利費は 通常 年間の賃金総額に各保険の保険料率を乗じて計算します しかし 各工事の見積りでは 労働者の年間賃金を把握することは不可能です そのため 見積額に計上した 労務費 を賃金とみなして それに各保険の保険料率

1 標準見積書とは 1-1 目的は 法定福利費 の原資確保 社会保険未加入の対策を進めるためには法定福利費の原資確保が重要である しかし従来は見積時から法定福利費が明確になっておらず その扱いが分かりにくい状況となっていた 今後は工事費総額ではなく その中に含まれる法定福利費を明示して必要な原資を確

1 標準見積書とは 1-1 目的は 法定福利費 の原資確保 社会保険未加入の対策を進めるためには法定福利費の原資確保が重要である しかし従来は見積時から法定福利費が明確になっておらず その扱いが分かりにくい状況となっていた 今後は工事費総額ではなく その中に含まれる法定福利費を明示して必要な原資を確

株式会社殿 住所 株式会社 見積金額 L ( 消費税込 ) ( 内訳 ) 項目数量歩掛単価金額 工事材料費 A 労務費 B 経費 ( を除く ) D=A+B +C 事業主負担額対象金額金額雇用保険料 B 1.050% p E B p 消費税等合計 御見積書 ( 例 ) 料率 健康保険料 ( 1 )

株式会社殿 住所 株式会社 見積金額 L ( 消費税込 ) ( 内訳 ) 項目数量歩掛単価金額 工事材料費 A 労務費 B 経費 ( を除く ) D=A+B +C 事業主負担額対象金額金額雇用保険料 B 1.050% p E B p 消費税等合計 御見積書 ( 例 ) 料率 健康保険料 ( 1 )

資料6 標準見積書の活用グラフ道塗連全体

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れている者 個人事業所で5 人以上の作業員が記載された作業員名簿において 健康保険欄に 国民健康保険 と記載され 又は ( 及び ) 年金保険欄に 国民年金 と記載されている作業員がある場合には 作業員名簿を作成した下請企業に対し 作業員を適切な保険に加入させるよう指導すること なお 法人や 5 人

法定福利費を別枠計上する 標準見積書 の作成手順について 目次 1. はじめに 1 2. 基本的な考え方 1 (1) 見積条件 1 (2) 積算構成項目 1 (3) 個人事業主及び一人親方の場合 1 (4) 保険適用について 2 3. 法定福利費の算出方法 2 (1) 見積書に明示する法定福利費事業

社会保険加入促進計画に盛込むべき内容

働き方改革 魅力ある建設業の構築に向けて 特集 域によっても大きな差があり, 北陸地方や北海道 など一部の地方では平成 28 年 10 月調査の加入率が 80% を超えているのに対し, 大都市部のある関東 地方 (55%) や近畿地方 (60%) は低い加入率に 留まっている ( ) 建設マネジメン

(2) 法定福利費の算出方法 1 法定福利費 = 労務費総額 社会保険料率法定福利費は 通常 年間の賃金総額に各保険の保険料率を乗じて計算します しかし 各工事の見積りでは 労働者の年間賃金を把握することは不可能です そのため 見積額に計上した 労務費 を賃金とみなして それに各保険の保険料を乗じて

社会保険等加入及び法定福利費を内訳明示した見積書に関する実態調査について 1. 調査の目的 これまでに実施してきた各施策に関する各建設企業における取組状況および施策の現場への浸透状況等を総合的に把握し 社会保険等未加入対策の目標達成を見据えた加入徹底方策を検討することを目的とする 2. 調査の概要

PowerPoint プレゼンテーション

2. 工事請負契約標準見積書の活用は 建設業における技能労働者の処遇改善に対する取り組みである 建設業 非建設業の区分でみるように 建設業種区分に含まれない場合は 売買契約での取引で行うことになる 2.1. 改正建設業法に基づく行動指針 (1) 家具を受注する場合家具製作費 + 施工工事費となる 2

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1 医療保険 年金保険についての確認書類 弊社が施工する建設現場に入場する協力業者および作業員の方には 作業所長の指示により 見積書提出時 新規入場時 安全書類提出時に 医療保険 年金保険の加入状況を確認する書 類 ( 下記 A~E いずれか一点 ) を提出または呈示していただきます A. 直近の保

貴社についてご記入下さい 貴社の概要について 会社名会社の形態 ( は一つ ) 1 法 2 個 本社所在地 [ ] 都道府県 建設業許可 ( は一つ ) 複数の許可をお持ちの場合 年間完成工事高が一番多いものを一つ回答して下さい 主な許可業種 ( はいくつでも ) 従業者数 ( は一つ ) 期間の定

一般社団法人送電線建設技術研究会関西支部社会保険等の加入促進計画 1. はじめに 平成 27 年 4 月 24 日制定 建設産業においては 健康保険 厚生年金保険及び雇用保険 ( 以下 社会保険等 という ) の 1 法定福利費を適正に負担しない企業が存在し 技能労働者の医療 年金など いざというと

動の徹底に関する決議 を行い 会員企業に適正価格での受注の徹底を要請したとこ ろである 今後の取り組み事項その 1 日建連は主な民間発注者団体に対し 法定福利費を適正に考慮した金額により見積及び契約締結を行うよう要請を行う予定であり 要請次第 会員企業に当該要請を踏まえた対応の周知を行う (2) 見

建設業における社会保険未加入対策の概要 参考 1 背景 ( 建設業における課題 ) 社会保険未加入企業が多く存在し いざというときの公的保障が確保されず 若年入職者減少の一因となっている 適正に保険に加入し 法定福利費を負担している事業者が競争上不利になる 中央建設業審議会提言 ( 平成 24 年

1 これまでの社会保険加入状況 2 社会保険の加入及び賃金の状況等に 関する調査結果 3 入札契約適正化法に基づく実施状況 調査結果 4 建設業許可業者の加入率 ( 推計値 ) 1

国土入企第 5 4 号 平成 31 年 2 月 22 日 建設業団体の長殿 国土交通省土地 建設産業局長 技能労働者への適切な賃金水準の確保について 技能労働者の確保 育成のためには 適切な賃金水準の確保等による処遇改善が極めて重要です 国土交通省においては これまでの 6 度にわたる公共工事設計労

中央建設業審議会による提言について ( 平成 24 年 3 月 14 日 ) 建設産業における社会保険の徹底について ( 提言 ) 建設産業においては 下請企業を中心に 雇用 医療 年金保険について 法定福利費を適正に負担しない企業 ( すなわち保険未企業 ) が存在し 技能労働者の医療 年金など

なお 事業所の形態によって企業単位及び労働者単位で加入すべき保険の種類が異なる このため 事業所形態に応じて社会保険料の事業主負担分の内訳明示額の対象が以下のようになるので 留意されたい 1 法人事業所 労災保険全ての警備員に係る労災保険料 雇用保険常用警備員の雇用保険料事業主負担額 健康保険料健康

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基本問題小委員会における提言 ( 平成 26 年 1 月 ) 社会保険等未加入対策関係 1. これまでの中央建設業審議会 社会資本整備審議会基本問題小委員会における提言 1 行政 元請企業による加入指導 法定福利費確保に向けた取組等の総合的な対策を推進すべき 2 平成 29 年度を目途に 事業者単位

p10 建設産業における社会保険加入の徹底について(提言)

1. 休日 適正工期の確保について 働き方改革関連法がいよいよ今年 4 月に施行します そんな中で建設業界でも 大手ゼネコンで組織する日本建設業連合会 ( 日建連 ) が 2019 年度末までに 4 週 6 閉所以上を実現することを中間目標とし 2021 年度末までにすべての事業所で週休二日 ( 土

懸念事項

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A4 経営事項審査の受審状況により確認方法が異なります なお 適用除外は 労働者の就業形態等によって適用除外とならない場合もあることから 元請負人は 年金事務所等に適用除外となる要件を確認した上で判断してください 経営事項審査を受審している場合 有効期間にある経営規模等評価結果通知書総合評定値通知書

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2 低入札対策の拡充

スライド 1

議第  号

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Q&A 集 Q1 社会保険等とは何か A1 社会保険等とは 健康保険 ( 協会けんぽ 健康保険組合等 ) 厚生年金保険 及び雇用保険をいいます Q2 国民健康保険組合に加入しているが 社会保険等未加入建設業者となるのか A2 法人や常時 5 人以上の従業員を使用する国民健康保険組合に加入している建設

様式 3 社会保険等一括管理届 ( 一括適用 継続事業一括 ) 11 ページ 本社や支社等ごとに適用されている適用事業所について 本社で人事 給与等が集中的に管理されており 事業主が同一である等 一定の基準を満たすときは 本社において支社等を含めた一つの適用事業所とされる場合があります ( 健康保険

Ⅱ 取組み強化のためのアンケート調査等の実施 (1) 建設技能労働者の賃金水準の実態調査国土交通省から依頼を受けて都道府県建設業協会 ( 被災 3 県及びその周辺の7 県を除く ) に対し調査を四半期ごとに実施 (2) 適切な賃金水準の確保等の取組み状況のアンケート調査国は 平成 25 年度公共工事

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Microsoft Word - 01社会保険等加入対策に係る事務処理要領

公共建築改善プロジェクト(仮)

2 出勤簿 賃金個人台帳 は各人の賃金月額から 健康保険 年金保険 雇用保険についての法定福利費や 国保 国民年金に対する事業主の任意による上乗せ負担分を算出し 事業主負担分と本人負担分を経理した上で 実際の支給額を算出できるようにしました また 出勤簿と一体とし 簡易に法定帳簿の備付ができるように

Microsoft Word - QandA-tyougai

34(30) 等級の 報酬月額 欄は 厚生年金保険の場合 605,000 円以上 と読み替えて下さい 4. 平成 27 年度における協会けんぽの任意継続被保険者の標準報酬月額の上限は 280,000 円です 5. 健康保険組合に加入する方の健康保険料額については 加入する健康保険組合へお問い合わせ下

ア事業担当課長 ( 岐阜市上下水道事業部契約規程 ( 昭和 41 年水道部管理規程第 3 号 ) 第 4 条に規定する部長 ) は 工事請負契約約款第 7 条の2 第 2 項の規定に基づき 受注者に対して 期限を定め 当該下請契約を締結した具体的な理由を載した書面を求めるものとする ( 様式 1)

別紙 1 健康保険料 介護保険料 厚生年金保険料 子ども 子育て拠出金 1. 複数資金間での負担配分について (1) 複数の外部資金間での負担配分当該外部資金管理者間の調整により任意に負担割合等を決定する (2) 外部資金と経常費間での負担配分 A. 外部資金による常勤の雇用者に経常費による手当支給

建設業における社会保険未加入対策 ( 今までの主な取組 ) 中央建設業審議会 建設産業における社会保険加入の徹底について ( 提言 ) ( 平成 24 年 3 月 ) 関係者を挙げて社会保険未加入問題への対策を進めることで 技能労働者の処遇の向上 建設産業の持続的な発展に必要な人材の確保 法定福利費

補助事業等の実施に要する人件費の算定等の適正化について 平成 22 年 9 月 27 日 22 経第 960 号大臣官房経理課長から大臣官房総務課長 大臣官房政策課長 大臣官房厚生課長 大臣官房地方課長 大臣官房環境バイオ マス政策課長 大臣官房国際部長 大臣官房統計部長 各局 ( 庁 ) 長 沖縄

Microsoft PowerPoint 記者発表資料別添(セット)

平成23年度第1回人材確保・育成部会

ただし 受注者が下請業者と直接契約を締結 ( 以下 一次下請契約 という ) した請負代金の総額が3,000 万円 ( 建築一式工事の場合は4,500 万円 ) 以上の場合は 次のとおり取り扱うものとする ア主管部長 ( 岐阜市契約規則 ( 昭和 39 年規則第 7 号 ) 第 4 条に規定する部長

別紙様式 3( 付表 1) 平成 年度介護職員処遇改善加算実績報告書積算資料 薄い黄色のセルに必要事項を入力してください 1. 加算受給額 ( 現行の加算 Ⅰと 現行の加算 Ⅱの比較額について ) 別紙様式 3の56を記載する場合のみ記載 別紙様式 3の34により報告した場合は記載不要です 単位 :


社会保険等未加入に対する取組 平成 29 年度を目途に 企業単位では加入義務のある建設業許可業者の加入率 100% となるよう社会保険等未加入企業に対する加入指導を強化します 実施項目経営事項審査の厳格化 平成 24 年 7 月より実施 建設業担当部局による立入検査 実施内容 経営事項審査において

3. 明細の金額計算に % 計算が可能 明細の金額計算時に 単位に % を使用したとき 金額 = 数量 単価 100 の % (1/100) で計算します 例 : 労務費の15.591% を 法定福利費 として計算し 明細に計上する 数量 単位 % 単価 1, 058, 000( 労務

(問)被用者保険の被扶養者に対する2年間の経過措置になる軽減額は、他の被保険者の保険料で補填すると考えてよいのか

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老高発 0713 第 1 号 平成 30 年 7 月 13 日 各都道府県介護保険主管部 ( 局 ) 長殿 厚生労働省老健局高齢者支援課長 ( 公印省略 ) 居宅介護住宅改修費及び介護予防住宅改修費の支給について の一部改正について 今般 居宅介護住宅改修費及び介護予防住宅改修費の支給について (

202000歩掛関係(151001) END.xls

Microsoft Word - 介護保健最新情報vol.583.doc

Microsoft Word - 修正2_建設業における社会保険未加入対策について

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建設業における社会保険未加入問題への行政の取り組み

資料3 国土交通省における取組み等<再修正>

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Ⅰ 概要について 一次下請契約者を社会保険等加入業者に限定します 平成 29 年 4 月 1 日以降に契約締結した工事において 受注者は 原則として社会保険等未加入業者を下請契約 ( 受注者が直接契約締結するものに限る 以下 一次下請契約 という ) の相手方としないこととします 追加 建設工事契約

☆表紙・目次 (国会議員説明会用:案なし)

平成20年度

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懸念事項

標準請負契約約款の概要 標準請負契約約款は 請負契約の片務性の是正と契約関係の明確化 適正化のため 当該請負契約における当事者間の具体的な権利義務関係の内容を律するものとして 中央建設業審議会が公正な立場から作成し 当事者にその実施を勧告するもの 建設業法第 34 条第 2 項 建設業法 ( 昭和

2. その他 (1) 現場事務所や工事現場の出入口等の 建退共対象労働者の見やすい場所に 建設業退職金共済制度適用事業主工事現場標識 を貼り付けてください (2) 元請業者においては 下請業者に建退共制度への加入指導に努めるとともに 下請業者の建退共制度の事務処理能力が十分でない場合には 下請業者に

建設工事従事者の安全及び健康の確保に 関する三重県計画 平成 31 年 4 月 三重県

二重床下地 という 参考図参照) として施工する方法がある 二重床下地は 支持脚の高さを一定程度容易に調整することができること また コンクリートスラブと床パネルとの間には給排水管等を配置できる空間があることから 施工が比較的容易なものとなっている 2 本院の検査結果 ( 検査の観点 着眼点 対象及

< 派遣 > 直接雇用者の健保等級適用者以外の算出方法を適用します ただし 年俸 月給 日給 時給の記載はそれぞれの単位の契約額と読み替えます 人件費単価一覧表 ( 専従者用 ) 人件費単価 YES NO チャート ( 専従月額単価用 ) (P.4) を参考にしてください < 直接雇用

公共事業労務費調査 ( 企業別 労働者別 )1 公共事業労務費調査 ( 平成 27 年 10 月調査 ) における社会保険加入状況調査結果をみると 企業別の加入率は 雇用保険では 98% [ 対前年度比 +1.4% ] 健康保険では 97% [ 対前年度比 +2.4% ] 厚生年金保険では 96%

平成 30 年 3 月 22 日 民間発注企業の長殿 国土交通省土地 建設産業局長 建設業の働き方改革の推進について 政府の 働き方改革実行計画 ( 平成 29 年 3 月 28 日働き方改革実現会議決定 ) においては 労働基準法の改正の方向性として 労使協定を結ぶ場合においても上回ることのできな

(2) 共通費 第 3 編共通費 2 第 1 章共通事項 1 共通費算定に関する数値の取り扱い (1) 率による算定共通費基準の率により算定した金額は 一円未満切捨てとする (2) 積み上げによる算定積み上げによる算定は第 4 編 1に準ずる (3) 一般管理費等イ. 算出された金額の範囲内で 原則

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山形県県土整備部資材単価及び歩掛等決定要領

○1_(公表用)労務単価

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2. 社会保険の加入に関する下請指導ガイドライン の改訂について 平成 27 年 4 月 建設業における社会保険の加入について 元請企業及び下請企業がそれぞれ負うべき役割と責任を明確にするため 平成 24 年 11 月に 社会保険の加入に関する下請指導ガイドライン を施行 本ガイドラインは 平成 2

プレゼンテーションタイトル

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下請契約からの社会保険等未加入建設業者の排除等に係る Q&A Q1 社会保険等とはなんですか A1: 雇用保険 健康保険 厚生年金保険の 3 保険のことをいいます Q2 社会保険等に未加入 というのはどういう場合か A2: 社会保険等に未加入 とは 社会保険等の適用を受ける事業所でありながら 各保険

9. システムの利用規約 Q&A Ministry of Land, Infrastructure, Transport and Tourism 44

なお 受注者から指定した期日までに保険加入を確認できる書類が提出されない場合は 埼玉県流域下水道事業建設工事標準請負契約約款第 7 条の3 第 1 項の規定に違反することとなる旨を併せて通知します 3 発注者が 理由書 ( 一次 ) によっても当該特別の事情を有すると認めないと判断した場合は 受注者

スライド 1

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岐阜県県土整備部発注の建設現場環境改善モデル工事実施要領 ( 趣旨 ) 第 1 条この要領は 岐阜県県土整備部の各機関が発注する建設工事のうち 担い手確保のため建設現場環境改善モデル工事 ( 以下 モデル工事 という ) を実施するための事項を定めるものとする ( モデル工事 ) 第 2 条モデル工

仮設建物費 ( 建築分野のみに適用 ) 工事等協力の対象となる地域によって 安全上の配慮から日本人常駐管理者の宿泊施設が JICA もしくは在外公館によって指定される場合には 指定された宿泊施設の中から見積を取り その金額 (JICA 等との間に料金に係る取極めがある場合にはその金額 ) に基づいて

2. 提出資料一覧表 落札予定者に求める提出資料は 要請書に示す調査区分 ( 基本調査または重点調査 ) に応じて下表に を付している内容とする なお 調査区分が 基本調査 の場合は 3 頁 ~4 頁に基づき作成すること 調査区分が 重点調査 の場合は 5 頁 ~7 頁に基づき作成すること 様式番号

Transcription:

2013.09.12 修正 法定福利費を別枠計上する 標準見積書 の作成手順 社会保険未加入対策を進めていくためには 法定福利費の確保が重要です 見積時から労務費や法定福利費が明確になっていないため 法定福利費がどのように扱われているのかが分かりにくい状況となっています このため 従来の総額単価による見積だけでなく その中に含まれる法定福利費を内訳として明示することで 必要な金額を確保していくこととします 国土交通省より 各専門工事業団体ごとに 見積時に法定福利費の内訳を明示するための標準見積書を作成するとともに 業界における取引実態も踏まえつつ 各社の実情に応じた法定福利費額を簡便に算定することができるよう 一定の統計データに基づく算定のための作成手順書を策定し 法定福利費の算定の参考とするよう要請がありました 本手順書はこの要請に対応するため当協会として作成したものです 通知文 : 標準見積書の活用等による法定福利費の確保の推進について (H25.5.10 国交省通知 ) 1. 標準見積書の活用等による法定福利費の内訳明示 に上記記載があります ( 一社 ) 日本シヤッター ドア協会

標準見積書に計上する 法定福利費 の算出は次の2つの方法とし 手順は以下の通り 1 施工見積の取付費総額から労務費を算出し それに法定福利費の保険料率を乗じる 2 これまでの施工実績をもとに施工従事者に支払った正味労務費から各商品の単位当りの法定福利費をあらかじめ算出した上で 法定福利費を簡便に算出する 1 2 共通事項 1) この法定福利費計上は 施工従事者が 法人の社員 や 5 人以上の個人事業の社員 が施工に携わる場合に別枠計上し 施工従事者が 個人事業主 や 一人親方 の場合は 計上しない ただし 公共工事では 全施工従事者への支払いが前提のため 計上する 2) 見積段階では 施工従事者が 保険が適用するか否か不明の場合は 計上しておく 3) 保険の適用には次の4つのパターンがあるが 細かくなるため 見積上は Aパターン または Bパターン の2 本立てとする 保険適用のパターン A パターン 法人社員 個人事業 5 人以上の社員が対象となる 1 雇用保険 2 健康保険 3 厚生年金の 3 保険が適用となる 法定福利費 = 取付費 労務費率 社会保険料率計 (15.15%) B パターン 個人事業主 一人親方が対象となる 保険加入の適用外 法定福利費 = 取付費 労務費率 社会保険料率 (0%) = 0 C パターン 個人事業 5 人未満の社員が対象となる 1 雇用保険のみが適用となる 法定福利費 = 取付費 労務費率 社会保険料率 (1.05%) 1

D パターン 法人会社の社長 役員が対象となる 2 健康保険 3 厚生年金の 2 保険が適用となる 法定福利費 = 取付費 労務費率 社会保険料率計 (14.10%) 契約時は 内訳明示された見積書を踏まえ 施工従事者の保険加入の実態や未保険加 入者の今後の加入予定等を勘案し見積先と協議を行い 下請契約を締結することとする ( 上記 A パターン ~D パターンの 4 パターンを参考 ) 1 取付費から法定福利費を算出する手順 1 2 法定福利費 = 取付費 労務費率 社会保険料率 上記計算に用いる労務費率 (1) は次の計算式により 会員各社で算出する 労務費率 = 労務費 a / 取付費 ( 労務費 a+ その他人件費 b) 労働者の雇用に伴い必要な経費の内訳 取付費労務費 ( 賃金 ) a% ( 労働者が負担する保険料を含む ) その他人件費 福利厚生費等 c% ( 必要経費 ) 法定福利費 労務管理費等 b=(c+d)% 現場作業における経費 d% 安全管理費 宿泊費 送迎費等 社会保険等の対象となる労務費に含める賃金の範囲 なお この比率は見積提出先から説明を求められた際は 合理的に説明することが求められる 上記計算に用いる社会保険料率 (2) は施工に携わる施工従事者の事業所 ( 及び就労 ) 形態により 上記 4パターンに示すように変わる 標準見積への法定福利費計上上記で算出した法定福利費を標準見積書に別枠計上する その際 施工従事者が社会保険の適用 適用外により 標準見積書に計上する場合と 計上しない場合が発生する 2

2 単位 ( または箇所 ) 当りの法定福利費を求めておいて算出する方法 法定福利費 = 単位当り法定福利費額 数量 ( 等 ) 単位当り法定福利費額の算出手順 ( シャッターを例に説明していますが ドア等も同様です ) < 法定福利費計算シート > ( 全体 ) 所要日数 22 日比率工事単価 A/E 22 日換算法定福利費 I( ) 料率 雇用保険健康保険厚生年金 単位あたり法定福利費 1.05% 5.39% 8.710% 15.150% A B C D E F G H I J K L M N O D/22 C/A A/E B/E C/E I 1.05/100 I 5.39/100 I 8.71/100 I 15.15/100 M/G M/H サンプル1 a b c d e f g h i J K l m n o サンプル2 a' b' c' d' e' f' g' h' I' J' k' l' m' n' o' サンプル3 a'' b'' c'' d'' e'' f'' g'' h'' i'' J'' k'' l'' m'' n'' o'' ( 平均 ) AV(a) AV(b) AV( C) AV(d) AV( e) AV(f) AV(g) AV(h) AV(i) AV(j) AV(k) AV(l) AV(m) AV(n) AV(o) B/E C/E 合計 換算 M/G 換算 M/H 重量シャッター ( 防火 ) 手順 1 サンプル1 a''' b''' c''' d''' e''' f''' g''' h''' i''' j''' k''' l''' m''' n''' o''' サンプル2 a'''' b'''' c'''' d'''' e'''' f'''' g'''' h'''' i'''' j'''' k'''' l'''' m'''' n'''' o'''' サンプル3 a''''' b''''' c''''' d''''' e''''' f''''' g''''' h''''' i''''' j''''' k''''' l''''' m''''' n''''' o''''' ( 平均 ) AV(a) AV(b) AV( C) AV(d) AV( e) AV(f) AV(g) AV(h) AV(i) AV(j) AV(k) AV(l) AV(m) AV(n) AV(o) 手順 2 手順 3 手順 4 手順 1 商品 ( 軽 / 重量シャッター ドア等 ) ごとに上記表の A~D に施工実績のサンフ ルを数種記載する 支払所要日数 工事費 A B C D 入力項目 A: 取付けた商品の数 ( ト アは未入力 ) B: 取付けた商品の連 ( 枚 セット ) 数 C: ( 工事員に支払費用 ) D: 取付に掛かった日数 は工事員に実際支払う金額 ( 労務費 ) で 労務費以外の費用 ( 交通費 駐車場代 高速料金 副資材等 ) を除いた正味労務費 1 日 8 時間労働として算出する 手順 2 手順 1 で入力した工事を 1 か月間 (22 日 ) 同条件でやり続けたと想定し 22 日換算の G~I を算出する サンプル1 a b c d サンプル2 a' b' c' d' サンプル3 a'' b'' c'' d'' ( 平均 ) AV(a) AV(b) AV( C) AV(d) E は所要日数を 22( 日 ) で割った比率 F の工事単価 ( 当り ) は参考値 支払 所要日数 22 日比率工事単価 22 日換算 工事費 A/E B/E 工事費 A B C D E F G H I D/22 C/A A/E B/E C/E サンプル1 a b c d e f g h i サンプル2 a' b' c' d' e' f' g' h' I' サンプル3 a'' b'' c'' d'' e'' f'' g'' h'' i'' ( 平均 ) AV(a) AV(b) AV( C) AV(d) AV( e) AV(f) AV(g) AV(h) AV(i) 支払 3

手順 3 22 日換算した (I) をもとに 法定福利費を算出する 雇用保険 : H25 度は 保険料率 1.05% なので 雇用保険の事業所負担額 J=I 1.05/100で算出する 健康保険 : H25 度 東京の保険料率 5.39%( 介護保険料率 0.405% 含む ) なので 健康保険の事業所負担額 K=I 5.39/100で算出する { 介護保険料率 :0.405は 介護保険の対象者(40~64 才 ) 割合 52.3% に介護保険料率 1.55/2を乗じて算出 1.55/2 52.3%=0.405(%)} 厚生年金 : H25 度 東京の保険料率 8.71%( 児童手当拠出金含む ) なので 厚生年金の事業所負担額 L=I 8.71/100で算出する 上記 3 保険の事業所負担額合計 (M)= 法定福利費を算出する 22 日換算 法定福利費 I( ) 料率 支払 雇用保険健康保険厚生年金 合計 A/E B/E 工事費 1.05% 5.39% 8.710% 15.150% G H I J K L M A/E B/E C/E I 1.05/100 I 5.39/100 I 8.71/100 I 15.15/100 サンプル1 g h i J K l m サンプル2 g' h' I' J' k' l' m' サンプル3 g'' h'' i'' J'' k'' l'' m'' ( 平均 ) AV(g) AV(h) AV(i) AV(j) AV(k) AV(l) AV(m) 手順 4 手順 3で算出した法定福利費 ( この例では3 保険の合計 ) をや台 ( 連 ) 数で割ることで 単位当りの法定福利費を算出する サンプル数種の計算をもとに平均値を求め 商品ごとの単位当りの法定福利費を算出しておく 22 日換算 法定福利費 I( ) 料率 単位あたり法定福利費 支払 雇用保険健康保険厚生年金 合計 換算 換算 A/E B/E 工事費 1.05% 5.39% 8.710% 15.150% G H I J K L M N O A/E B/E C/E I 1.05/100 I 5.39/100 I 8.71/100 I 15.15/100 M/G M/H サンプル1 g h i J K l m n o サンプル2 g' h' I' J' k' l' m' n' o' サンプル3 g'' h'' i'' J'' k'' l'' m'' n'' o'' ( 平均 ) AV(g) AV(h) AV(i) AV(j) AV(k) AV(l) AV(m) AV(n) AV(o) 以上の手順 1~4 で単位当りの法定福利費が算出できるので 他の商品や 同じ商品でも仕様の 違い ( 電動 / ステンレス等の化粧枠を使った仕様 他 ) で 単位当りの法定福利費 を算出し 準備しておく 標準見積への法定福利費計上 上記 ( 手順 4) で算出した単位当りの法定福利費をもとに 見積を行う際に 該当商品から法定福利費を計算し 見積書に別枠で計上する 商品が多岐にわたる場合は材料 施工費見積の種類と同様に法定福利費を計算し 別枠計上する ( 材料 施工費を合算する場合は 法定福利費も合算とする ただし 元請より詳細提示があった場合に説明ができるようにしておく ) 4

法定福利費計算シート のイメージ < 計算例 > 数字はサンプルであり イメージ説明として使用しています 所要日数 22 日比率工事単価 A/E 22 日換算法定福利費 I( ) 料率 雇用保険健康保険厚生年金 単位あたり法定福利費 1.05% 5.39% 8.710% 15.150% A B C D E F G H I J K L M N O D/22 C/A A/E B/E C/E I 1.05/100 I 5.39/100 I 8.71/100 I 15.15/100 M/G M/H サンプル1 18 3 30,000 3 0.13636 1,667 132 22 220,000 2,310 11,858 19,162 33,330 253 1,515 サンプル2 11 1 20,000 1 0.04545 1,818 242 22 440,000 4,620 23,716 38,324 66,660 275 3,030 サンプル3 19 2 40,000 2 0.09091 2,105 209 22 440,000 4,620 23,716 38,324 66,660 319 3,030 ( 平均 ) 16 2 30,000 2 0.09091 1,875 176 22 330,000 3,465 17,787 28,743 49,995 284 2,273 B/E C/E 合計 換算 M/G 換算 M/H 3 保険適用の A パターンの場合 その他 標準見積書に関する注意事項等 1) 標準見積書の活用開始時期は 別途当協会より会員企業各位に通知することとする 2) 雇用保険 健康保険 厚生年金の 3 保険の保険料率は 毎年変わるので正式には修正が必要 となる 保険料率は毎年国土交通省より案内連絡がある また 健康保険料率は 都道府県によって変わるので注意する 3) 下請企業に発注しようとする際には 当該下請企業に対し 同様に標準見積書の活用等により 法定福利費が内訳明示された見積書の作成 / 提出を求めるよう働きかけることとする 4) なお 本計算 2 単位( または箇所 ) 当たり法定福利費をもとめておいて算出する方法 は EXCEL シートを添付しますので活用下さい 5) 本手順書に関するお問い合わせは 協会事務局遠藤までお願いします 以上 5