23 年のアジア ーアジア経済の長期展望と自律的発展のための課題ー 平成 22 年 11 月 19 日 内閣府
1. アジア経済の長期展望 人口の将来見通し 長期経済展望 2. 自律的発展のための課題 1
出生率は低下傾向 合計特殊出生率 8 7 ベトナム (1) 中位推計 予測 (2) 現在の出生率 ネシア 日本 マレーシア 1.72 2.68 2.18 1.37 2.19 韓国 シンガポール ベトナム 2.48 1.19 1.28 1.81 2.14 6 5 マレーシア ネシア ( 備考 )1. マレーシア は 国連 Demographic Yearbook 27 ネシア ベトナムは 世界銀行 World Development Indicators 29 日本は 厚生労働省 平成 21 年人口動態統計の年間推計 韓国は 韓国統計庁資料 シンガポールは シンガポール統計局資料より作成 2. 日本は29 年 韓国 シンガポールは28 年 は25 年 その他は27 年 4 韓国 3 シンガポール 2.8( 人口置換水準値 ) 2 1.85( 国連推計の収束値 ) 1 日本 195 6 7 8 9 2 1 2 3 4 ( 年 ) ( 備考 )1. 国連人口推計より作成 2. 中位推計は 前提となる出生率が長期的に1.85に収束すると仮定したもの 3. 厚生労働省 平成 21 年人口動態統計の年間推計 によると 9 年の日本の実績値は 1.37 2
23 年にはほとんどの国は高齢化社会へ (%) 4 65 歳以上人口の割合 日本 35 シンガポール 3 25 2 15 21% 以上 : 超高齢社会 14~21%: 高齢社会 韓国 ネシア ベトナム 1 7~14%: 高齢化社会 マレーシア 5 195 6 7 8 9 2 1 2 3 4 5 ( 年 ) <25 年の 65 歳以上人口の割合 > ネシア 日本 マレーシア 7.6 4.6 5.5 22.1 4.4 韓国 シンガポール ベトナム 3.9 9.3 8.5 7.1 6.2 ( 備考 )1. 国連人口推計より作成 2. 前提となる出生率は 長期的に 1.85 に収束 3. 日本は 8 年の実績値 ( 国立社会保障 人口問題研究所 ) 3
総人口は多くの国で減少へ アジアの総人口 (1 万人 ) 1,8 1,6 1,4 25 年 16 億 1,38 万人 (1 万人 ) 16 14 12 日本 ( ピーク ) 24 年 1 億 2,779 万人 ベトナム 25 年 1 億 1,17 万人 25 年 1 億 4,62 万人 日本 ( 国連 ) 25 年 1 億,17 万人 1,2 1, 8 6 4 2 ( ピーク ) 23 年 14 億 6,25 万人 25 年 14 億 1,7 万人 ネシア 25 年 2 億 8,81 万人 1 8 6 4 2 シンガポール ( ピーク ) 235 年 55 万人 ( ピーク ) 24 年 7,4 万人 韓国 ( ピーク ) 225 年 4,95 万人 シンガポール 25 年 52 万人 日本 ( 社人研 ) 25 年 9,515 万人 25 年 7,34 万人 韓国 25 年 4,41 万人 マレーシア 25 年 3,97 万人 195 6 7 8 9 2 1 2 3 4 5 ( 年 ) ( 備考 )1. 国連人口推計 国立社会保障 人口問題研究所 ( 社人研 ) より作成 2. 前提となる出生率は 長期的に1.85に収束 195 6 7 8 9 2 1 2 3 4 5 ( 年 ) ( 備考 )1. 国連人口推計 国立社会保障 人口問題研究所 ( 社人研 ) より作成 2. 前提となる出生率は 長期的に 1.85 に収束 4
人口ボーナス期は終了し負担期へと移行 アジアの従属人口指数の推移 ( 従属人口指数 =( 幼年人口 + 老年人口 )/ 生産年齢人口 ) (%) 11 1 9 8 7 6 5 4 3 (1) 第一グループ ( 日本 ) 日本 1888 192 4 5 6 7 8 9 21 2 3 4 5( ( 年 ) (%) 1 9 8 7 6 5 4 3 (2) 第二グループ ( 韓国 シンガポール ) 韓国 シンガポール 195 6 7 8 9 2 1 2 3 4 5( ( 年 ) (3) 第三グループ (%)( ベトナム マレーシア ネシア ) 1 (%) 1 (4) 第四グループ ( ) 9 ベトナム 9 8 7 マレーシア 8 7 6 6 5 4 ネシア 5 4 3 3 195 6 7 8 9 2 1 2 3 4 5 ( 年 ) 195 6 7 8 9 2 1 2 3 4 5( 年 ) ( 備考 )1. 国連人口推計より作成 ただし 日本の195 年以前の値は 国立社会保障 人口問題研究所資料より作成 2. 前提となる出生率は 原則として長期的に1.85に収束と仮定 3. 網掛け部分の時期は 人口ボーナス期から負担期への転換期 4. 従属人口指数 =( 幼年人口 + 老年人口 )/ 生産年齢人口 5
人口ボーナス期が短期間の国も 人口ボーナスの長さ シンガポール 日本 193 65 人口ボーナス期 197 45 韓国 ベトナム マレーシア 197 197 197 1975 45 45 5 45 1995 ネシア 1975 55 197 75 197 197 65 75 215 215 215 22 22 23 235 245 245 192 3 4 5 6 7 8 9 2 1 2 3 4 5( 年 ) ( 備考 )1. 国連人口推計 (195 年以降 ) 国立社会保障 人口問題研究所( 日本 195 年以前 ) より作成 2. 前提となる出生率は 長期的に 1.85 に収束 3. 日本については 人口ボーナス期の開始は193 年頃で 約 65 年間続いた ただし ボーナス期に転換した時期に第二次世界大戦を経験したこともあり 本格的なボーナス期となったのは195 年以降である 6
23 年までのアジア経済展望 潜在成長率は鈍化するものの高い成長率が続く見通し 潜在成長率 実質 GDP 成長率 2 年代 (a) 潜在成長率 21 年代 (b) (%) 潜在成長率 22 年代 (c) アジア 1. 9.1 7.9 7.2 6.9 5.7 ネシア 5.2 5.7 5. マレーシア 5.5 5.2 4.8 5. 5. 5. 4.8 4.9 4.6 シンガポール 5.5 4.6 2.7 香港 5. 3.9 3. 韓国 4.44 3.9 2.8 台湾 4. 2.2 1.7 ( 備考 )2 年代については ~8 8 年における実質 GDP 成長率の年平均値 ( 出所 ) 内閣府 世界経済の潮流 21 年 Ⅰ 7
アジアの GDP シェアは 23 年に約 4 割へ GDP< 市場レートベース > シェアの変化 29 年 (IMF) 23 年 ( 推計結果 ) その他地域 2.1% その他 21.3% 8.3% 2.2% 日本 8.8% その他イタリアアジア 3.7% 5.4% フランス 4.6% 英国 3.8% アメリカドイツ 24.9% 5.7% その他北米 中南米 7.9% イタリア 1.6% フランス 2.6% 英国 その他地域 1.6% その他 23.2% ( 全体 )55.5 5 兆ドル ( 全体 )17. 兆ドル 23.9% 4.% 日本 5.8% 2.9% その他アジアドイツ 6.8% 3.1% その他北米 中南米 6.5% アメリカ 17.% ( 備考 )1.IMF World Economic Outlook (9 年 1 月 1 日 ) 前出で推計した潜在成長率より作成 2. 全体は 9 年時点で世界全体の97.% のシェアを占める 3. その他アジア はネシア マレーシア シンガポール 香港 韓国及び台湾 その他北米 中南米 はアルゼンチン ブラジル メキシコ及びカナダ その他地域 は南アフリカ共和国及びオーストラリア ( 出所 ) 内閣府 世界経済の潮流 21 年 Ⅰ 8
過去 1 年間の世界経済におけるアジア 世界の GDP の推移 ( 西暦 1~187 187 年 ) (1 億ドル ) 1,2 187 年 アフリカ 1, 8 182 年 アジア :59.2% ( うち ( 清 ):32.9%) 欧米 :36.3% アフリカ :4.5% アジア :38.3% ( うち ( 清 ):17.2%) 欧米:58.1% アフリカ:3.6% その他欧米 米国 旧ソ連 東欧 6 15 年 西欧 アジア :65.3% ( うち ( 明 ):25.%) 欧米 :27.3% その他 アフリカ:7.4% 4 アジア 2 世界全体 1 15 16 17 182 187 ( 年 ) 日本 第一次産業革命 第二次産業革命 ( 備考 )OECD The World Economy: A Millennial Perspective(21) より作成 9
自律的発展のための課題 1. 社会保障制度の整備 2. 所得格差の是正 3. 労働力の質の向上 4. インフラの整備 5. ビジネス環境の改善 6. マクロ経済環境及び金融環境の安定維持 1
長寿化や核家族化が進展 平均寿命 ( 人 ) 平均世帯人数 ( 年 ) 9 8 7 61.7 6 5 199 年 2 年 27 年 73. 197 年 74.3 68.88 7.6 71.7 64.7 59.7 61.6 57.4 49.3 47.9 49.44 74.2 72. 82.5 5.5 5. 4.5 4. 3.5 3. 5.1 4.5 4.6 マレーシア, 4.3 ( 農村部 ), 4. 3.9 ネシア, 4. 3.1, 3.3 ( 都市部 ), 2.9 4 2.5 日本, 2.5 3 マレー シア ネシア ベトナム日本 ( 備考 ) 世界銀行 World Development Indicators 29 より作成 ( 備考 ) 各国統計より作成 2. 1985 87 89 91 93 95 97 99 21 3 5 7 ( 年 ) 11
(%) 9 8 7 6 5 公的な年金 医療のカバー率は低い 公的年金制度のカバー率 65. 労働力人口に占める割合 6.4 83.33 医療支出に占める公的及び私的支出の割合 (26 年 ) 2 4 6 8 1(%) 35.5 59.3 75. 64.5 4.7 25. 4 生産年齢人口に占める割合 マレーシア 55.4 44.6 3 2 1 2.5 22.5 17.2 18. 9.1 5.7 15.5 11.3 18.7 27.1 13.2 1.8 ネシア 49.5 67.1 5.5 32.9 マレー シア ネシア ベトナム OECD ( 備考 )OECD Pensions at a Glance Asia/Pacific 世界銀行 World Development Indicators 29 より作成 ベトナム 67.7 32.3 私的支出 一般政府支出 ( 備考 )WHO World Health Statistics 29 より作成 12
地域間格差は総じて拡大傾向 アジア各国の地域間格差の現状 ( 一人当たり域内総生産 (GRDP) のジニ係数の比較 ).5.4.3.2.1. 日本 (1965) 2 年代前半 2 年代後半 日本 (-7) 日本 (-7) 韓国 (-5) 韓国 (-5) マレーシア (-7) マレーシア (-7) (3-8) 最大最小倍率 (3-8) (4-8) (4-8) ネシア (2-7) ネシア (2-7) (3-8) (3-8) (-9) (-9) 2.4 3.34 4.88 7.49 11.37 13.81 12.97 7.69 2.72 3.41 7.23 8.33 13.24 18.59 8.25 9.94 ( 備考 )1. 内閣府 県民経済計算 ほか 各国統計資料より作成 2. 地域の数は 日本は47 都道府県 韓国は16 道 市 マレーシアは14 州 は7 地域 は 17 地域 ネシアは 3 州 は 31 省 直轄市 自治区 は 27 州 3. 2 年代前半 及び 2 年代後半 の時点は カッコ内の各年のデータによる 4. ジニ係数の測定にあたっては 地域の人口でウェイトを付けている 5. 最大最小倍率は 一人当たりGRDPが最大地域と最小地域の倍率を示したもの なお 日本 (1965 年 ) の最大最小倍率は 3.76 13
教育水準と労働力の質の向上は不十分 教育水準の達成度 ベトナム 1 中等教育就学率 (%) 1 8 6 4 2 香港 27 1991 (%) 3 25 2 15 1 5 アジアの労働力需要 7.1 (1) 技術系人材の確保が困難 9.6 16.3 25. 29.2 ベトナム マレーシア 2 高等教育就学率 (%) 5 4 3 2 1 ネシア 香港 27 1991 ネシア マレーシア ( 備考 )1. 世界銀行より作成 2. 中等教育は日本の中学 高校等に相当 高等教育は大学とその他の専門的教育 職業的教育のための学校に相当する機関 3.7 年についてデータの制約からは6 年 マレーシアは5 年 ベトナムは1 年 (%) 3 25 2 15 1 5 マレー ネシア シア (2) 管理職クラスの人材確保が困難 29.8 27.1 25. 2.8 15.8 マレー ネシア シア ( 備考 )1. 国際協力銀行 わが国製造業企業の海外事業展開に関する調査報告 より作成 2. 製造業で海外現地法人を3 社以上有する企業に対してアンケート調査を行ったもの ( 回答企業の割合 ) 14
道路 電力インフラの整備が必要 整備が望まれるインフラ ( 整備が望まれる と回答した企業割合 ) (%) (%) 8 9 7 8 6 7 6 5 5 4 4 3 3 2 2 1 道路電力水通信鉄道港湾空港 1 道路電力水通信鉄道港湾空港 (%) ネシア (%) ベトナム 9 8 7 6 5 4 3 2 1 道路電力水通信鉄道港湾空港 9 8 7 6 5 4 3 2 1 道路電力水通信鉄道港湾空港 ( 備考 )1. 国際協力銀行 わが国製造業企業の海外事業展開に関する調査報告 より作成 2. 製造業で海外現地法人を 3 社以上有する企業に対してアンケート調査を行ったもの 15
ビジネス環境の改善も必要 アジアのビジネス環境 ( 円が大きいほど良い評価 ) 企業の清算手続き 契約の執行 貿易手続き 5 ビジネス環境総合 1 15 2 起業手続き 建設の許可 雇用 企業の清算手続き 契約の執行 貿易手続き ビジネス環境総合 5 1 15 2 起業手続き 建設の許可 雇用 ビジネス環境総合 企業の清算手続き起業手続き 5 契約の執行 貿易手続き 1 15 2 建設の許可 雇用 納税 投資家保護 資産登録 信用情報の共有 納税 投資家保護 資産登録 信用情報の共有 納税 投資家保護 資産登録 信用情報の共有 ネシア ベトナムビジネス環境総合 企業の清算手続き起業手続き 5 ビジネス環境総合 ( 備考 )1. 世界銀行 Doing Business 21 より作成 2.183か国中の順位で評価したもの 企業の清算手続き起業手続き 5 3. Doing Businessについて : 起業手続き等 1 項目について各国の法律と規制制度に基づき専門家がデータを作成 1 契約の執行建設の許可 1 ビジネス環境総合は 1 項目の平均により算出されている 貿易手続き 納税 投資家保護 15 2 雇用 資産登録 信用情報の共有 契約の執行 貿易手続き 納税 投資家保護 15 2 建設の許可 雇用 資産登録 信用情報の共有 ( 詳細は以下の 参考 を参照 ) ( 参考 ) ビジネス環境総合を構成する1 項目とその主な詳細項目 1. 起業手続き 手続きの数 要する日数 コスト等 2. 建設の許可 手続きの数 要する日数 コスト等 3. 雇用 雇用の困難さ 労働時間の厳しさ等 4. 資産登録 手続きの数 要する日数 コスト等 5. 信用情報の共有 法的権利の強さ 信用情報の深さ等 6. 投資家保護 ディスクロージャー等 7. 納税 支払いの回数 要する時間 税率等 8. 貿易手続き 輸出入に係る書類の数 コンテナ1 台当たりコスト等 9. 契約の執行 手続きの数 要する日数 コスト等 1. 企業の清算手続き 要する期間 コスト等 16
マクロ経済環境及び金融環境の安定維持が大前提 外貨準備 / 対外短期債務残高 外貨準備 / 対外短期債務残高 ( アジア通貨危機発生前 ) (2 年以降 ) ( 億ドル ) 韓国 ( 倍 ) 6 2. 外貨準備 / 対外短期債務 5 ( 右目盛 ) 1.5 4 3 2 外貨準備 1..5 ( 倍 ) 8 7 6 5 4 ネシア 1. 199 91 92 93 94 95 96 97 98 ( 年 ) ( 億ドル ) ( 倍 ) 4 2. 3 外貨準備 1.5 1. 3 2 1 韓国 2 1 2 Q1 Q3 Q1 Q3 Q1 Q3 Q1 Q3 Q1 Q3 Q1 Q3 Q1 Q3 3 4 5 6 7 8 9 ( 備考 ) 各国中央銀行より作成 ( 年 / 期 ) ( 年 ) 2 外貨準備 / 対外短期債務.5 ( 右目盛 ) 1. 199 91 92 93 94 95 96 97 98 ( 年 ) ( 備考 )1. 世界銀行 World Development Indicators IMF International Financial Statistics より作成 2. 韓国はADB Key Indicators for Asia and the Pacific より作成 17
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