PowerPoint Presentation

Similar documents
リムLNG年鑑2010

Microsoft PowerPoint - Itoh_IEEJ(150410)_rev

2007年12月10日 初稿

Microsoft Word - 世界のエアコン2014 (Word)

Microsoft Word - 10 統計 参考.doc

います 石油換算百万ト1 世界のエネルギー情勢 ⑴ エネルギーを巡る情勢の変化 近年の新興国を中心としたエネルギー需要の増加や米国のシェール革命などの世界的なエネルギー需給構造の変化 資源国における不安定な情勢 これらの要因などを背景とした油価の不安定な動きに見られるように エネルギーを巡る国際情勢

地域別世界のエアコン需要の推定について 年 月 一般社団法人 日本冷凍空調工業会 日本冷凍空調工業会ではこのほど 年までの世界各国のエアコン需要の推定結果を まとめましたのでご紹介します この推定は 工業会の空調グローバル委員会が毎年行 なっているもので 今回は 年から 年までの過去 ヵ年について主


エネルギー供給事業者による非化石エネルギー源の利用及び化石エネルギー原料の有効な利用の促進に関する法律の制定の背景及び概要 ( 平成 22 年 11 月 ) 資源エネルギー庁総合政策課編

<4D F736F F F696E74202D E9197BF A A C5816A CE97CD82CC90A28A458E738FEA2E B8CDD8AB B83685D>

地域別世界のエアコン需要の推定について 2018 年 4 月一般社団法人日本冷凍空調工業会日本冷凍空調工業会ではこのほど 2017 年までの世界各国のエアコン需要の推定結果をまとめましたのでご紹介します この推定は 工業会の空調グローバル委員会が毎年行なっているもので 今回は 2012 年から 20

03_2_oil

1. 世界における日 経済 人口 (216 年 ) GDP(216 年 ) 貿易 ( 輸出 + 輸入 )(216 年 ) +=8.6% +=28.4% +=36.8% 1.7% 6.9% 6.6% 4.% 68.6% 中国 18.5% 米国 4.3% 32.1% 中国 14.9% 米国 24.7%


参考資料 1 約束草案関連資料 中央環境審議会地球環境部会 2020 年以降の地球温暖化対策検討小委員会 産業構造審議会産業技術環境分科会地球環境小委員会約束草案検討ワーキンググループ合同会合事務局 平成 27 年 4 月 30 日

国際数学・理科教育動向調査(TIMSS)結果の推移

銅地金輸入 ( その2) HS モンゴル 0 0 ラオス 0 0 イラン 0 0 オマーン 0 0 ウズベキスタン 0 0 ノルウェー 0 0 ポーランド 0 0 コンゴ共和国 0 0 コンゴ民主共和国 0 0 タンザニア 0 0 モザンビーク 0 0 ジンバブエ 0 0 ニ

アジア/世界エネルギーアウトルック 2013

銅地金輸入 ( その2) HS モンゴル 0 0 ラオス 0 0 イラン 0 0 オマーン 0 0 ウズベキスタン 0 0 ノルウェー 0 0 ポーランド 0 0 コンゴ共和国 0 0 コンゴ民主共和国 0 0 タンザニア 0 0 モザンビーク 0 0 ジンバブエ 0 0 ニ


銅地金輸入 ( その2) HS モンゴル 0 0 ラオス 0 0 イラン 0 0 オマーン 0 0 ウズベキスタン 0 0 ノルウェー 0 0 ポーランド 0 0 コンゴ共和国 0 0 コンゴ民主共和国 0 0 タンザニア 0 0 モザンビーク 0 0 ジンバブエ 0 0 ニ

銅地金輸入 ( その2) HS モンゴル 0 0 ラオス 0 0 イラン 0 0 オマーン 0 0 ウズベキスタン 0 0 ノルウェー 0 0 ポーランド 0 0 コンゴ共和国 0 0 コンゴ民主共和国 0 0 タンザニア 0 0 モザンビーク 0 0 ジンバブエ 0 0 ニ

目次 1. コメ 1 2. 野菜 果実 2 3. 茶 3 4. 薬用植物 4 5. 牛乳 乳製品 5 6. 食肉 6 7. 水産物 7 8. 加工食品 8

1.ASEAN 概要 (1) 現在の ASEAN(217 年 ) 加盟国 (1カ国: ブルネイ カンボジア インドネシア ラオス マレーシア ミャンマー フィリピン シンガポール タイ ベトナム ) 面積 449 万 km2 日本 (37.8 万 km2 ) の11.9 倍 世界 (1 億 3,43

弱な他の国々が 強靱で完全に競争的なエネルギー システムを追及することに対しても 支援する 6. 我々は 国連気候変動枠組条約 (UNFCCC) の締約国が第 21 回締約国会議 (COP21) において 産業革命以前と比べ 世界の平均気温上昇を 2 よりも十分低く保持すること 及び世界の平均気温上

目次 1. コメ 1 2. 野菜 果実 2 3. 茶 3 4. 薬用植物 4 5. 牛乳 乳製品 5 6. 食肉 6 7. 水産物 7 8. 加工食品 8

1.ASEAN 概要 (1) 現在の ASEAN(216 年 ) 加盟国 (1カ国: ブルネイ カンボジア インドネシア ラオス マレーシア ミャンマー フィリピン シンガポール タイ ベトナム ) 面積 449 万 km2 日本 (37.8 万 km2 ) の11.9 倍 世界 (1 億 3,43

1. 近年における東アジア諸国との交流状況 (1 人の動き 25 千人 世界全体 千人 45 アセアン地域 訪日外国人旅行者 日

財務省貿易統計

財務省貿易統計

財務省貿易統計

財務省貿易統計

財務省貿易統計

2017 年訪日外客数 ( 総数 ) 出典 : 日本政府観光局 (JNTO) 総数 2,295, ,035, ,205, ,578, ,294, ,346, ,681, ,477

財務省貿易統計

財務省貿易統計

Microsoft Word - ブラジル経済概観(2019年2月)

仮訳 日本と ASEAN 各国との二国間金融協力について 2013 年 5 月 3 日 ( 於 : インド デリー ) 日本は ASEAN+3 財務大臣 中央銀行総裁プロセスの下 チェンマイ イニシアティブやアジア債券市場育成イニシアティブ等の地域金融協力を推進してきました また 日本は中国や韓国を

Microsoft Word - 校了 11 統計 ①増田、田辺.doc

OECD生徒の学習到達度調査(PISA2012)のポイント|国立教育政策研究所 National Institute for Educational Policy Research

財務省貿易統計

財務省貿易統計

銀行等の非居住者等に対する国別債権債務に関する報告書

リサーチ Press Release 報道関係者各位 2015 年 7 月 29 日 アウンコンサルティング株式会社 世界 40 カ国 主要 OS 機種シェア状況 2015 年 6 月 ~ iphone 大国 日本 高い Apple シェア率 ~ アジア 8 拠点で SEM( 検索エンジンマーケティ



数字で見る国連WFP 2014

平成 21 年度資源エネルギー関連概算要求について 21 年度概算要求の考え方 1. 資源 エネルギー政策の重要性の加速度的高まり 2. 歳出 歳入一体改革の推進 予算の効率化と重点化の徹底 エネルギー安全保障の強化 資源の安定供給確保 低炭素社会の実現 Cool Earth -1-

<4D F736F F D20819A F F15F907D955C93FC82E F193B989F08BD682C882B5816A2E646F6378>

<4D F736F F F696E74202D B837E814095F18D908E9197BF>

財務省貿易統計

財務省貿易統計

財務省貿易統計

財務省貿易統計

財務省貿易統計

2017 電波産業調査統計

71 平成 27 年度の SBS 米の輸入入札状況 ( 単位 : 実トン ) 全体 丸米 砕米 入札回数輸入予定数量応札数量落札数量輸入予定数量応札数量落札数量輸入予定数量応札数量落札数量 第 1 回 (27 年 9 月 16 日 ) 4, ,000 2, ,000 2

目 次 Ⅰ. 今後の電力需給見通しと燃料について Ⅱ. 原油 重油を巡る状況について Ⅲ.LNGを巡る状況について IV. 石炭を巡る状況について V. 電力の燃料調達について ( まとめ ) 2

2010年における原油価格の見通しについて

国際会議等への参加のために行った受入れ状況

資料 2 平成 27 年度の政策対話等の実施実績及び予定について ( 未定稿 ) 1. 概要 平成 27 年度は 以下の取組につき 各国の状況に応じ組み合わせて実施 (1) 各国との政策対話の実施 (2) 対話の場を活用した 我が国食関連産業と先方政府 先方民間企業のとの情報共有 マッチングの促進

扉〜目次

原油価格の動向 2019 年 2 月 株式会社三井住友銀行 コーポレート アドバイザリー本部企業調査部 本資料は 情報提供を目的に作成されたものであり 何らかの取引を誘引することを目的としたものではありません 本資料は 作成日時点で弊行が一般に信頼できると思われる資料に基づいて作成されたものですが

内の他の国を見てみよう 他の国の発電の特徴は何だろうか ロシアでは火力発電が カナダでは水力発電が フランスでは原子力発電が多い それぞれの国の特徴を簡単に説明 いったいどうして日本では火力発電がさかんなのだろうか 水力発電の特徴は何だろうか 水力発電所はどこに位置しているだろうか ダムを作り 水を

<4D F736F F F696E74202D FEA91CC8CB18A778F4B81838E9197BF95D >

untitled

MENAなんでもランキング・シリーズ その1

企画書タイトル - 企画書サブタイトル -

42

LNGチェーンにおける事業者の変化とわが国の課題に関する調査

JNTO


目次 Ⅰ エネルギー供給の概要 1. 主要国の一次エネルギー供給構成 1 2. 主要国の石油輸入依存度 2 3. 我が国の一次エネルギー供給状況の推移 3 Ⅱ 石油 1. 世界の石油消費量の推移 4 2. 我が国の石油需給原油輸入状況 ( 国別 ) 5 製油所の能力と立地状況 6 石油製品生産量の推

Microsoft Word - insight120203jp

<4D F736F F F696E74202D E9197BF A835E83435F F837E D815B5F AD8DF491CE98622E B8CDD8AB B83685D>

ecuador

資料1:地球温暖化対策基本法案(環境大臣案の概要)

輸入バイオマス燃料の状況 2019 年 10 月 株式会社 FT カーボン 目 次 1. 概要 PKS PKS の輸入動向 年の PKS の輸入動向 PKS の輸入単価 木質ペレット

世界および日本のエネルギー情勢- 2 -Ⅰカ4本3人類とエネルギーのかかわり ンジン一人あたり消費量(一〇〇〇キロカロリー/日日)) 棒グラ薪炭 水車 風車 馬力エネルギー石炭エネルギー石油エネルギー 火の発見 火と家畜エネルギー 原子力発電 1 2 業食 一B.

MENAなんでもランキング・シリーズ その1

地球規模の地理空間情報管理に関する国連専門家委員会 (UNCE-GGIM) 報告 2012 年 8 月ニューヨークで第 2 回の地球規模の地理空間情報管理に関する国連専門家委員会 (UN Committee of Experts on Global Geospatial Information Ma

untitled

原稿メモ

目次 Ⅰ エネルギー供給の概要 1. 主要国の一次エネルギー供給構成 1 2. 主要国の石油輸入依存度 2 3. 我が国の一次エネルギー供給状況の推移 3 Ⅱ 石油 1. 世界の石油消費量の推移 4 2. 我が国の石油需給原油輸入状況 ( 国別 ) 5 製油所の能力と立地状況 6 石油製品生産量の推

ITI-stat91

Ⅰ. 世界海運とわが国海運の輸送活動 1. 主要資源の対外依存度 わが国は エネルギー資源のほぼ全量を海外に依存し 衣食住の面で欠くことのでき ない多くの資源を輸入に頼っている わが国海運は こうした海外からの貿易物質の安定輸送に大きな役割を果たしている 石 炭 100% 原 油 99.6% 天然ガ

原稿メモ

【ロシア最新経済金融週報】

産業トピックス

[グループⅠ]公募仕様書案

The Sanwa Bank Limited

第1章

出力-トンボなし.indd

Rodrigo Domingues UNDP Borja Santos Porras/UNDP Ecuador UNDP Kazakhstan 2

Invesco Premia Plus Fund

北米からの原油供給量は 2011 年は前年比日量 +21 万バレル増であったが 2012 年は前年比 +158 万バレル増となり 2013 年は +130 万バレル増 2014 年は +92 万バレル増と見込まれている 北米を含めた OECD 先進諸国からの供給は 2011 年は +1 万バレル増

の自由 妨げられない通商活動 自制と 1982 年の国連海洋法条約 (UNCLOS) を含む国際法の普遍的な原則に従った紛争の平和的手段による解決を推進することの重要性を強調した 我々は ARF や ASEAN 海洋フォーラム拡大会合等を通じた情報共有や能力構築を含む 海洋安全保障及び海上の安全に関

現代資本主義論

1999

Transcription:

我が国の資源外交と エネルギー安全保障 平成 20 年 12 月 外務省経済安全保障課

エネルギー安全保障の強化と資源外交の推進 我が国の現状 一次エネルギー供給の 8 割以上を輸入に依存 原油輸入の約 9 割を中東地域に依存 資源 エネルギー輸入の殆どを海上輸送 世界的な流れ 中 印を中心とした世界的なエネルギー需要の増加 生産国の不安定要素 ( 治安 テロ 紛争 資源ナショナリズム等 ) 資源 エネルギー価格高騰 変動問題 ( バレル当たりの原油価格 (WTI): 2007 年 7 月 70 ドル台 2008 年 7 月 140 ドル台 同年 9 月 100 ドル前後 同年 10 月 60 ドル台 ) 気候変動問題への対応の必要性 我が国資源外交のプライオリティ 資源 エネルギー安定供給の確保 資源 エネルギー生産国との二国間関係の強化 資源 エネルギー源の多様化 供給源の多様化 資源 エネルギー輸送路等の安全確保 国際機関との連携の強化 国際協調 協力の促進 国際エネルギー市場の透明性向上 国際エネルギー機関を通じた緊急時対応策の整備 改善 生産国 消費国の対話を通じた良好な市場環境の醸成 - 2008 年 6 月ジッダ石油産消国会議 - 2008 年 7 月 G8 北海道洞爺湖サミット エネルギー効率改善を通じた需要の抑制 中 印等に我が国の技術や知見を普及 -2008 年 6 月 国際省エネ協力パートナーシップ に合意 1

我が国のエネルギーをめぐる現状 我が国の一次エネルギー消費内訳 (2005 年 ) 原子力 79.4 15.0% 石炭 112.1 21.1% 水力 6.7 1.3% その他 10.0 1.9% 石油 251.7 47.4% 主要各国におけるエネルギー輸入依存度 全一次エネルギー 石炭 石油 天然ガス イタリア 87.3 99.6 94.5 85.9 韓国 83.1 97.4 99.6 98.3 日本 81.8 100.0 99.7 96.0 ドイツ 65.5 31.8 97.1 83.8 フランス 56.6 97.4 98.9 98.0 アメリカ 34.1 3.5 69.0 19.2 イギリス 38.4 70.3 48.8 14.5 カナダ 16.9 26.9 29.1 4.8 中国 10.0 1.3 48.1 0.0 ロシア 1.8 8.2 0.1 1.2 天然ガス 70.5 13.3% 合計 :530.5 石油換算百万トン 単位 :% 出典 :IEA Energy Balances of OECD Countries 2004-2005 注 : 一次エネルギーに含まれる原子力については IEA の統計では国産エネルギーとして換算されている 単位 : 石油換算百万トン出典 :IEA Energy Balances of OECD Countries 2004-2005 IEA Energy Balances of NON-OECD Countries 2004-2005 我が国はエネルギーのほとんどを海外から輸入 2

我が国の石油輸入 (2007 年 ) その他中東, 146(3.6%) スーダン 103(2.5%) インドネシア 124(3.0%) ロシア 144(3.5%) その他, 176(4.3%) ( 単位 : 千バレル / 日 ) サウジアラビア 1,148(27.9%) クウェート 339(8.2%) 合計 :4,115 千バレル / 日 カタール 426(10.4%) イラン 499(12.1%) アラブ首長国連邦, 1,009 (24.5%) 注 ) サウジアラビア クウェートは分割地帯からの輸入量をそれぞれ 50% 含む ( 出典 : 石油連盟 石油資料月報 ) 中東への依存度は約 87% 分割地帯 : サウジアラビアとクウェートによって 1922 年 12 月に調印された協定により 領有権問題が解決されるまでは両国が同等の権利を有することとなった 共通の行政地帯 同地帯に存在する天然資源については 不可分割半権益を原則とし 両国の合同委員会が資源の開発を監督している 3

我が国の原油中東依存度 (1) 中東依存度の推移 中東依存度は 70 年代前半には 80% を超えていたが その後石油危機の経験を踏まえ 輸入化の多様化を進めた結果 87 年度には 68% まで低下した しかし 90 年代に入り中国やインドネシア メキシコをはじめとする非中東産油国から輸入が伸び悩んだことから 中東依存度は再び上昇 2006 年は 89.2% 2007 年は 86.7% となっている (2) 我が国の中東依存度の高い理由 ( イ ) 我が国には アフリカ産原油等に比べてその性状 ( 重質 高硫黄 ) から相対的に安価な中東産原油からガソリンや軽油等の石油製品の生産が可能な高度な精製施設が十分に存在する ( ロ ) さらに 中東産原油はアフリカ産原油に比べて輸送距離が短く アジア ( インドネシア ベトナム等 ) の原油に比べて大型タンカーでの輸送が可能であることから 輸送面の採算でも優位 上記理由より 中東依存度が高いのは経済的に合理的である 4

ブルネイ, 6,439, 9.6% 我が国の LNG 輸入 (2007 年 ) 米国, 893, 1.3% エジプト, 1,223, 1.8% オマーン, 3,624, 5.4% ア首連, 5,572, 8.3% ナイジェリア, 657, 1.0% アルジェリア, 595, 0.9% トリニダード トバゴ, 432, 0.6% ( 単位 : 千トン ) 赤道ギニア, 269, 0.4% インドネシア, 13,592, 20.3% カタール, 8,172, 12.2% 豪州, 12,074, 18.1% マレーシア, 13,274, 19.9% 合計 :66,816 千トン ( 出典 : 財務省貿易統計 ) 5

我が国の石炭輸入 (2007 年 ) ( 単位 : 千トン ) カナダ 10,568(5.7%) ロシア 11,486(6.2%) 中国 15,167(8.1%) ベトナム 2,212(1.2%) NZ 516(0.3%) その他 530(0.3%) インドネシア 32,652(17.5%) オーストラリア 113,355(60.8%) 合計 :186,486 千トン 出典 : 貿易統計 6

食料価格高騰に起因する暴動が多発リスクの多くは 地下 ではなく 地上 BTC パイプラインに対するクルド過激派の爆破事件 (2008 年 ) レバノンにおけるイスラエルと武装勢力ヒズボラとの紛争 (2006 年 ) イランにおけるウラン濃縮を巡る国際的な緊張の高まり (2006 年 ) サウジアラビアのアブ カイク石油施設へのテロ未遂事件 (2006 年 ) ベネズエラでのゼネストに伴う原油生産停止 (2002 年 ) ナイジェリアにおける情勢不安 (~2008 年 ) 7

世界のエネルギー海上輸送の要衝と通油量 (2004 年 ) ボスポラス海峡 310 万バレル / 日 スエズ運河 420 万バレル / 日 マラッカ海峡 1,170 万バレル / 日 パナマ運河 50 万バレル / 日 バブルマンデブ海峡 300 万バレル / 日 ホルムズ海峡 1,650 万 ~1,700 万バレル / 日 出典 : 日本エネルギー経済研究所 アジア / 世界エネルギーアウトルック 2006 8

国際エネルギー機関 (IEA) の協調行動 (1) 備蓄義務 IEA 加盟国 (26 カ国 ) は純輸入量の 90 日分に相当する石油の備蓄義務を有する ( 国際エネルギー計画 (IEP) 第 1 章第 2 条 ) (2) 緊急時対応措置の発動 (3) 総備蓄量及び割当量 IEA 加盟国全体の石油備蓄量は約 41 億バレル ( 純輸入量の約 150 日分 )(2006 年末現在 ) 割当量は 過去 1 年間の各国の最終消費量によって割り当てられる (4) 措置の種類 備蓄放出 増産 ( 産油国のみ ) 需要抑制 燃料転換 9

我が国の石油備蓄の現状 (1) 石油備蓄は 石油輸入の 9 割を依存する中東など産油国からの供給が途絶するといった重大な事態に備え 供給途絶下における緊急避難のために蓄えているもの 我が国への石油の供給が不足する事態が生じ 又は生ずるおそれがある場合に備えて石油を備蓄し 石油の安定供給を確保 我が国の備蓄制度は 国家備蓄と民間備蓄により構成されている (2) 備蓄量は国内需要の 178 日分 (2008 年 6 月末現在 ) 内訳 ( イ ) 国家備蓄 : 国内需要の 98 日分 ( 原油 :5,092 万キロリットル ) ( ロ ) 民間備蓄 : 国内需要の 80 日分 ( 原油 2,090 万キロリットル 製品 1,955 万キロリットル ) 10

主要資源供給国との関係強化に努めつつ 供給源の多様化を検討 また 海上輸送路の安全確保に努力 我が国政府として資源確保指針を策定 (2008 年 3 月閣議了解 ) 中央アジア諸国との関係強化 ( ウラン等 ) 輸入先の多様化 東シベリア サハリン開発 ( 石油 天然ガス ) カナダとの関係強化 ( オイルサンド等 ) 中東の安定 FTA 交渉を通じた GCC 諸国との関係強化 ( 石油 天然ガス ) 日本 ODA の戦略的活用 アフリカ諸国との関係強化 ( レアメタル等 ) マラッカ海峡に関するアジア海賊対策地域協力協定 ( 輸送路の安全確保 ) シーレーンの安全 EPA 交渉等を通じた資源大国 豪州との関係強化 ( 石炭 鉄鉱石 ウラン等 ) 南米諸国との関係強化 ( 銅 エタノール レアメタル等 ) 11

GDP あたりの一次エネルギー消費量の各国比較 ( 一次エネルギー消費量 ( 石油換算トン )/ 実質 GDP を 日本 =1 として換算 ) 17.4 15.0 20.0 10.0 日6.0 7.5 8.6 7.9 5.0 1.0 1.4 1.5 1.7 1.8 2.0 3.1 2.9 3.2 2.6 3.0 0.0 ドイツフランス米国イタリア英国本メキシコ韓国ブラジルカナダ中東インド南中国ロシアア12 世界平均Source: IEA Energy Balances of OECD Countries 2004-2005 (2007) IEA Energy Balances of non-oecd Countries 2004-2005 (2007)

13 ジッダ石油産消国会議 (6 月 22 日 於 : サウジアラビア ) - 原油価格高騰を巡る状況を受け サウジアラビアの呼びかけにより急遽開催 - 38 ヵ国から閣僚等 7 国際機関 (OPEC IEA IEF 等 ) 約 20 の石油企業等が参加 我が国より甘利経産大臣が出席した他 新日石 三菱商事が参加 - 以下の点につき認識が一致した 石油供給の生産余力の予想について 上流から下流における投資の適切な増加が重要 予見可能なエネルギー 投資政策及び技術へのアクセス向上が必要 金融市場の透明性及び規制の改善が必要 上流 下流の供給能力と拡張計画についてのデータを含む共同石油データ イニシアティブ (JODI) の一層の強化に取組む 石油市場の傾向及び見通し 価格レベル 金融市場のインパクトに関する分析の共有について IEF IEA 及びOPECの迅速な連携が必要 全てのセクターにおけるエネルギー効率向上が重要 サウジアラビア及びIEA OPEC IEFは 作業部会を立ち上げる 英国政府が本年後半にロンドンでフォローアップ会合を開催

G8 北海道洞爺湖サミット (7 月 7~9 日 ) - 首脳文書において 以下の点で認識を共有した 原油価格の急激な上昇は強く懸念すべき世界経済のリスク 供給面では短期的には生産量及び精製能力の増強 中期的には上下流に亘る投資拡大努力が必要 エネルギー効率改善及びエネルギー多様化に向けた更なる努力が重要 エネルギー安全保障強化のため エネルギー効率と新技術に焦点を当てたエネルギー フォーラムを開催 共同石油データ イニシアティブ (JODI) を引き続き強く支持 G8 財務大臣による原油 一次産品価格高騰分析に関する IMF 及び IEA への要請を歓迎 商品先物市場の透明性向上に向けた各国当局間の更なる協力を奨励 エネルギー効率に関する中期的な展望としての目標設定の重要性を認識 クリーン エネルギーを推進 再生可能エネルギーの重要性を確認 持続可能なバイオ燃料の生産と利用の重要性を強調 第二世代のバイオ燃料技術の研究開発に継続して取組む 革新的技術のロードマップを策定する国際的イニシアティブを立ち上げ 14

国際省エネ協力パートナーシップ (IPEEC) 国際省エネ協力パートナーシップ (IPEEC:International Partnership for Energy Efficiency Cooperation) は 2008 年 6 月の G8+ 中 印 韓エネルギー大臣会合 ( 於 : 青森 ) において 省エネを推進するとの共通の関心の下に設立が合意され 参加国の省エネ向上のための自主的な取組を促進することを目的とする IPEEC 宣言を採択 対象となる活動等は以下のとおり エネルギー効率指標の開発 ベストプラクティスの収集 データ収集の強化 省エネ向上のためのセクター別 セクター横断的な手法についての情報交換 主要エネルギー消費セクターにおける省エネ官民パートナーシップの展開 主要な省エネ技術の共同研究開発 省エネに資する製品やサービスの普及の促進 その他参加国により決定される取組み 15