平成 30 年度農作物鳥獣被害防止対策研修資料 鳥獣被害の現状と対策 平成 30 年 6 月 7 日 農林水産省 農村振興局 農村政策部 農村環境課 鳥獣対策室 中村 秀樹 増加する野生動物 昔は貴重なタンパク源 衣服や小物にも使われ 角や骨も利活用 重要な資源として利用されてきたが これは概ね明治時代まで 狩猟による生息頭数の減少により 明治以降 保護政策が段階的に強化 一部地域ではシカの絶滅の危惧も 戦後 狩猟対象鳥獣数を半減 保護の結果 1970 年代に徐々に個体数が増加 ところが 近年になって状況が激変!! 1
全国のニホンジカ及びイノシシの生息分布拡大状況 ニホンジカは昭和 53 年度から平成 26 年度までの36 年間で生息分布が約 2.5 倍に拡大 イノシシは昭和 53 年度から平成 26 年度までの36 年間で生息分布が約 1.7 倍に拡大 出典 : 全国のニホンジカ及びイノシシの生息分布拡大状況調査 ( 環境省 ) 2 シカ イノシシの推定個体数及び狩猟者の推移 ( 環境省調べ ) 推定個体数 狩猟者数 400 万頭 300 万頭 200 万頭 < シカ ( 北海道除く )> 25 年間で約 10 倍に増加 ( 中央値 ) 90% 信用区間 50% 信用区間 約 456 万頭 約 352 万頭 約 304 万頭 ( 中央値 ) 約 266 万頭 約 224 万頭 ( 万人 ) 60 50 40 30 20 51.8 46.1 < 免許種別狩猟免許所持者数 > 32.6 銃猟免許が大きく減少する一方 わな猟免許が増加 29.0 24.6 21.020.4 18.7 網 わな猟 網猟 わな猟 第 1 種銃猟 第 2 種銃猟 22.9 22.2 18.619.0 19.8 18.1 18.5 19.4 19.0 10 0 H 元 H5 H10 H15 H20 H25 H27 0 S50 S55 S60 H2 H7 H12H17 H18 H19H20 H21H22 H23H24 H25H26 H27 120 万頭 100 万頭 40 万頭 20 万頭 H27 年度の北海道の推定個体数は約 49~55 万頭 < イノシシ > 25 年間で約 3 倍に増加 ( 中央値 ) 0 H 元 H5 H10 H15 H20 H25 H27 約 123 万頭 約 104 万頭 約 94 万頭 ( 中央値 ) 約 85 万頭 約 73 万頭 ( 人 ) 20,000 18,000 16,000 14,000 12,000 10,000 8,000 6,000 4,000 2,000 0 < 新規狩猟免許取得者数 > 新規の免許取得者は近年増加傾向 7,261 5,914 14,912 13,139 12,434 11,551 10,291 10,782 8,112 7,040 免許所持者のうち 39 歳未満の占める割合 H18 5.3% H22 6.3% H27 10.8% 17,823 H17 H18 H19 H20 H21 H22 H23 H24 H25 H26 H27 3
野 獣による農作物被害 1 収穫期の 稲の 害 ( イノシシ ) 根の 害 ( サル ) 育期の 稲の 害 ( シカ ) 収穫物の 害 ( サル ) 4 野 獣による農作物被害 2 シカによる牧場内の飼料作物への食害 (= 栄養豊富なエサ場の提供 ) 5
活環境における野 獣による被害 シカと衝突した 両 イノシシが冷蔵庫の扉を破壊し 保管されていた新 を 害 お供え物を狙うサル 家屋内に 息するアライグマ ( 特定外来 物 ) アライグマによる屋根裏の糞尿被害 ぶどうハウスで捕獲されたアライグマ 6 野生鳥獣による農林水産被害の概要 野生鳥獣による農作物被害額は 近年 200 億円前後で推移 全体の 7 割がシカ イノシシ サル 森林の被害面積は全国で年間約 7 千 ha( 平成 28 年度 ) で このうちシカによる被害が約 8 割を占める 水産被害としては 河川 湖沼ではカワウによるアユ等の捕食 海面ではトドによる漁具の破損等が深刻 鳥獣被害は営農意欲の減退 耕作放棄 離農の増加 さらには森林の下層植生の消失等による土壌流出 希少植物の食害 車両との衝突事故等の被害ももたらしており 被害額として数字に表れる以上に農山漁村に深刻な影響を及ぼしている < 農作物被害額の推移 > 農作物被害 ( 億円 ) 239 億円 250 226 億円 230 億円 200 199 億円 191 億円 176 億円 172 億円 その他鳥類 19 車両との衝突事故 住宅地への侵入 150 100 50 0 22 年度 23 年度 24 年度 25 年度 26 年度 27 年度 28 年度 カラス 16 その他獣類 19 サル 10 イノシシ 51 シカ 56 家屋の糞尿被害 7
全な発展に寄与 国 都道府県 鳥獣被害対策の 3 つの柱 鳥獣被害対策は 個体群管理 侵入防止対策 生息環境管理の 3 本柱が鉄則 この 3 つの活動をいかに徹底してできるかが 対策の効果を大きく左右 第 1 の柱 個体群管理 ( 捕獲 ) 鳥獣対策の鉄則!3 つの柱! 第 2 の柱 侵入防止対策 ( 柵の設置等による侵入防止 ) 第 3 の柱 生息環境管理 ( 放任果樹の伐採 刈払いによる餌場 隠れ場の撲滅 ) 侵入防止柵の設置 緩衝地帯の整備 放任果樹の伐採 8 鳥獣保護管理法 鳥獣被害防止特措法 銃刀法との関係 鳥獣保護管理法 は 都道府県を中心とした鳥獣保護管理事業 狩猟免許や捕獲の許可等の制度について定めた法律 我が国の鳥獣に関する法制度として 明治期の制定時より 時代の多様な要請を受けて数度の改正を経て現在の制度となっている 一方で 近年の鳥獣被害の深刻化 広域化を踏まえ 平成 19 年 12 月に 現場に最も近い行政機関である市町村が中心となって様々な被害防止のための総合的な取組に対して支援すること等を内容とする 鳥獣被害防止特措法 が議員立法により成立 銃を使用する猟については 鳥獣保護管理法に基づく銃猟免許に加え 銃刀法 に基づく銃所持許可が必要 鳥獣保護管理法 ( 環境省 ) ( 平成 27 年 5 月 29 日施行 ) 目的 鳥獣の保護及び管理を図るための事業の実施 猟具の使用に係る危険の予防 鳥獣被害防止特措法 ( 農水省 ) 農林水産業等の鳥獣被害防止のための施策の総合的推進 生物多様性の確保 生活環境の保全及び農林水産業の健 農林水産業の発展 農山漁村地域の振興に寄与 鳥獣保護管理事業計画 基本指針 ( 環境大臣が策定 ) 整合性 基本指針 ( 農林水産大臣が策定 ) 国基本指針に即して作成 予算措置基本指針に即して作成 整合性 市 被害防止計画町村 目的 第一種特定鳥獣保護計画 担い手生息数が著しく減少又は生息地が縮小している鳥獣の保護 狩猟免許鳥獣被害対策実施隊認定鳥獣捕獲等事業者等 捕獲許可 銃刀法 ( 警察庁 ) 第二種特定鳥獣管理計画生息数が著しく増加又は生息地が拡大している鳥獣の管理指定管理鳥獣捕獲等事業 銃所持許可 銃所持許可更新時の技能講習の免除 ライフル銃の所持許可要件の緩和 ( 隊員は狩猟者 農業者 市町村職員等 ) 趣旨 銃砲 刀剣類等の所持 使用等に関する危害予防上必要な規制を定める 9
有害捕獲と狩猟について 有害捕獲 狩猟 資格必要な 続き場所 時期 捕獲頭数等 原則として狩猟免許を有する者 都道府県知事の免許 ( 獣保護管理法第 39 条 ) 網猟 わな猟 第 1 種銃猟 ( 装薬銃 ) 第 2 種銃猟 ( 空気銃 ) の 4 種類 農家の 衛のための囲いわなによる捕獲等は免許不要 狩猟免許を有する者 有害捕獲の許可を受けた者 都道府県知事の捕獲許可 ( 獣保護管理法第 9 条 ) 有害捕獲のほか 学術捕獲等がある 有害捕獲は市町村に権限委譲されている場合がある ( 獣被害防 特措法第 6 条 ) 該当都道府県で狩猟者登録をした者 ( 狩猟税や登録 数料がかかる ) 狩猟をするには 狩猟したい場所の都道府県知事に対して 狩猟者登録をしなければならない ( 獣保護管理法第 55 条 ) 狩猟税については 獣被害対策実施隊の隊員は免税 有害捕獲の許可を受けた者は 1/2 減税 < 場所 > 許可された範囲 < 時期 > 許可された有害捕獲期間 ( 狩猟以外の場合が多いが 通年の場合などもある ) < 捕獲頭数の制限 > 許可された範囲 < 場所 > 捕獲禁 の場所 ( 獣保護区等 ) 以外 < 時期 > 狩猟期 ( おおむね11 2 ) < 捕獲頭数の制限 > あり 地域の実情に応じて 地 治体により緩和 ( 獣保護管理法 ) 10 鳥獣被害防止特措法 ( 鳥獣による農林水産業等に係る被害の防止のための特別措置に関する法律 ) 鳥獣被害の深刻化 広域化を踏まえ 平成 19 年 12 月に鳥獣被害防止特措法が全会一致で成立 被害対策の担い手の確保 捕獲の一層の推進 捕獲鳥獣の利活用の推進等を図るため 平成 24 年 26 年及び28 年に改正 この法律は 現場に最も近い行政機関である市町村が中心となって 様々な被害防止のための総合的な取組を主体的に行うことに対して支援すること等を内容とするもの 農林水産大臣が被害防止施策の基本指針を作成 基本指針に即して 市町村が被害防止計画を作成 < 被害防止計画を作成した市町村に対し 必要な支援措置を実施 > 制定時 (H19) の主な措置 財政支援 特別交付税の拡充 ( 交付率 0.5 0.8) 補助事業による支援など 必要な財政上の措置が講じられる 権限委譲 市町村が希望する場合 都道府県から被害防止のための鳥獣の捕獲許可の権限が委譲される 人材確保 鳥獣被害対策実施隊を設置することができ ( 民間隊員は非常勤の公務員 ) 捕獲隊員には狩猟税の軽減措置等の措置が講じられる これまで改正 (H24 26 28) で追加された主な措置 一定の要件を満たす 1 鳥獣被害対策実施隊員については 当分の間 2 鳥獣被害対策実施隊員以外の者で被害防止計画に基づく対象鳥獣の捕獲等に従事する者については 平成 33 年 12 月 3 日までの間 銃刀法に基づく猟銃の所持許可の更新時等における技能講習を免除 平成 24 年改正で 平成 26 年 12 月 3 日までの間 とされていたものを 平成 26 年改正で2 年間延長され 平成 28 年改正でさらに5 年間延長 対象鳥獣の捕獲等に要する費用の補助 捕獲鳥獣の食肉処理施設の整備充実 流通の円滑化等の措置等を国等が講ずる旨を明記 (H24 改正時 ) 目的規定に捕獲した鳥獣の食品としての利用等を明記するとともに 食品としての利用等を推進するため 人材育成や関係者間の連携強化に必要な施策等を国等が講ずる旨の規定を新設 (H28 改正時 ) 市町村が必要と認める場合 鳥獣被害対策実施隊の設置に関する事項を被害防止計画に記載しなければならない旨の規定を新設 (H28 改正時 ) 特別交付税の対象経費 柵 ( 防護柵 電気柵等 ) 罠 檻 移動箱等の購入 設置費 これらの維持修繕費 捕獲のための餌 弾薬等の消耗品購入費 捕獲駆除等経費 ( 交付率 8 割 ) した鳥獣の買い上げ費や輸送 処理経費 猟友会等に駆除を依頼した場合の経費負担分 鳥獣被害対策実施隊の活動経費等広報費 ( 5 割 ) 大型獣との出会い頭事故等の防止のための広報経費 鳥獣の餌となるものを捨てないように啓発するための広報経費等調査 研究費 ( 5 割 ) 有害鳥獣を効果的に駆除するための研究 生態研究 捕獲等に関する実態調査等に要する経費 ( 注 ) 下線部は 被害防止計画を作成していない場合の交付率は5 割 11
国の対策の考え 国 ( 農水省など ) は基本的に市町村の取り組みを支援 市町村 被害を防止するための計画を作成し 対策を実施 < 対策例 > 捕獲活動 柵の設置 緩衝帯の設置 追い払い 捕獲の実施 柵の設置 罠の購入などを補助 農林水産省 市町村が負担した経費の 8 割を特別交付税措置 総務省 12 鳥獣被害対策実施隊の概要 < 鳥獣被害対策実施隊の活動内容等 > 活動内容 : 捕獲活動 防護柵の設置 その他の被害防止計画に基づく被害防止施策の実施 < 活動例 > 捕獲活動柵の設置緩衝帯の設置追い払い ( その他 農業者への指導 助言や生息状況調査など ) 隊員構成 : 市町村長が 1 市町村職員から指名する者 2 対策に積極的に取り組むと見込まれる者から任命する者から構成され 隊員は公務として被害対策に従事 実施隊設置の必要な市町村の手続き : 1 市町村長が隊員を任命又は指名する 2 隊員の報酬や補償措置を条例等で定める 実施隊員へのメリット措置 : 主として捕獲に従事する隊員民間の隊員 ( 非常勤の公務員 ) 銃刀法の技能講習 ライフル銃の所持許可 狩猟税は非課税 狩猟者 ( 散弾銃等 )16,500 円 0 円 公務災害が適用 一定の要件を満たす隊員は 猟銃所持許可の更新等における技能講習が免除 継続 10 年以上猟銃の所持がなくても ライフル銃の所持許可の対象になり得る 実施隊員以外で捕獲に従事する者については 狩猟税は半額に減免 技能講習については H33 年 12 月 3 日まで免除 13
害防止計画作成市町村実施隊鳥獣被害防止特措法に基づく被害防止計画作成市町村数 実施隊設置市町村数の推移 1,400 1,331 1,401 1,409 ( 市町村数 ) 被1,600 1,428 1,432 1,443 1,444 1,458 1,462 1,200 1,128 1,195 1,000 800 600 400 674 864 939 986 1,012 1,073 1,093 1,140 1,154 200 418 0 87 H23.4 H24.4 H25.4 H26.4 H26.10 H27.4 H27.10 H28.4 H28.10 H29.4 H29.10 設置市町村 全国の市町村数は1741 うち鳥獣による農作物被害が認められる市町村数は約 1500 14 抜本的な捕獲強化対策 ( 平成 25 年 12 月環境省 農林水産省策定 ) 概要 生態系や農林水産業等に深刻な被害を及ぼしている野生鳥獣について 抜本的な捕獲強化に向けた対策を講じ 当面の捕獲目標として シカ イノシシの生息頭数の 10 年後までの半減を目指すこととした 抜本的な捕獲強化対策 を平成 25 年 12 月に環境省及び農林水産省にて策定 抜本的な鳥獣捕獲強化対策イメージ シカ イノシシ生息頭数 ( 万 ) 当面の捕獲目標 シカ イノシシの生息頭数を 10 年後までに半減 400 200 412 万頭 * シカ 316 万頭 北海道 : 65 万頭北海道以外 :251 万頭 イノシシ 96 万頭 基準年 ( 平成 23(2011) 年度 ) 特に 北海道以外のシカについて 年間 70 万頭の捕獲を目指して取り組む必要 捕獲事業の強化 都道府県による個体数調整の強化 (H26 鳥獣保護法改正 ) 管理のための捕獲事業の制度化 上記事業における夜間銃猟の実施 * 環境省において推定 ( 北海道の生息頭数は北海道が独自に推定 ) 推定値は随時新たなデータを活用し補正 (H29.9 更新 ) 捕獲従事者の育成 確保 事業者を認定する制度の創設 (H26 鳥獣保護法改正 ) 鳥獣被害対策実施隊の設置促進 射撃場整備の推進等 市町村による有害捕獲の強化 緊急捕獲対策 ICT 等を用いた捕獲技術の高度化 出口対策としての処理加工施設整備の推進等 この他 被害防除や生息環境管理等の関連施策を併せて実施 進捗状況を確認し 必要に応じて目標を見直し 注 ) ニホンザル カワウについても それぞれ別途 加害群半減に向けた被害対策強化の考え方を策定 ( 平成 26 年 4 月 ) ** 北海道は 独自の特定計画における 34 年度目標の 30 万頭を仮置き 約 205 万頭 シカ ** 約 155 万頭 イノシシ約 50 万頭 5 年後 ( 平成 30(2018) 年度 ) 10 年後 ( 平成 35(2023) 年度 ) 15
:9 千円 / 頭以内 搬入しない場合 :7 千円 / 頭以内 売等 ジビエの処理加工施設へ搬入した場合 イノシシ シカの捕獲頭数の推移 ( 環境省調べ ) ( 捕獲頭数 ) 60 55 万頭 60 62 万頭 50 17 万頭 50 17 万頭 40 狩猟による捕獲 40 狩猟による捕獲 30 30 20 10 0 15 万頭 10 万頭 5 万頭 被害防止等を目的とした市町村長等の許可に基づく捕獲 H12 H13 H14 H15 H16 H17 H18 H19 H20 H21 H22 H23 H24 H25 H26 H27 39 万頭 20 14 万頭 10 9 万頭 45 万頭 被害防止等を目的とした 5 万頭市町村長等の許可に基づく捕獲 0 H12 H13 H14 H15 H16 H17 H18 H19 H20 H21 H22 H23 H24 H25 H26 H27 シカは北海道のエゾシカを含む数値 16 ハード対策 侵入防止柵等の被害防止施設 侵入防止柵を自力施工する場合 資材費相当分を定額支援 なお 電気柵を施工する場合は 安全基準を遵守すること 処理加工施設 焼却施設 捕獲技術高度化施設 ( 射撃場 ) 事業実施主体 地域協議会 地域協議会の構成員捕獲機材の導入 交付率 侵入防止柵都道府県へは定額 ( 事業実施主体へは事業費の1/2 以内等 ) ( 条件不利地域は55/100 以内 沖縄は2/3 以内 その他 条件により 一部定額支援あり ) ジビエ倍増モデル整備事業 鳥獣被害防止総合対策交付金 鳥獣被害防止対策支援事業野生鳥獣被害の深刻化 広域化に対応するため 市町村が作成した 被害防止計画 に基づく取組を総合的に支援します 捕獲技術高度化施設 ソフト対策 鳥獣被害対策実施隊 民間団体等による地域ぐるみの被害防止活動 ( 実施隊 民間団体 新規地区が取り組む場合 定額支援 ( 市町村当たり200 万円以内等 )) 捕獲を含めたサルの複合対策 他地域の人材を活用した捕獲 ICT 等を用いた新技術実証 ( 実施隊が取り組む場合 それぞれ市町村当たり100 万円以内等を定額支援 ) 都道府県が実施する広域捕獲活動 新技術実証活動 人材育成活動等の取組 ( 都道府県の取組に対して 都道府県当たり2,300 万円以内を定額支援 ) 捕獲活動経費の直接支援 ( シカ イノシシの成獣に限る ) ( ただし 放射性物質による出荷制限地域は現行どおり ) クマ サル カモシカ その他中型獣類 幼獣 鳥類は現行どおり 捕獲機材の導入 鳥獣被害対策の地域リーダーや対策の中核となるコーディネーター育成等のための研修等 事業実施主体 交付率 ( 定額支援 ) 地域協議会 民間団体等 都道府県へは定額 ( 事業実施主体へは事業費の1/2 以内等 ) ( 条件により 一部定額支援あり ) ビジネスとして持続できる安全で良質なジビエの提供を実現するため 捕獲から搬送 処理加工がしっかりとつながったモデル地区 ( 処理頭数 衛生管理等の諸条件を確保 ) を整備します さらに 全国的な需要拡大のため プロモーション等の取組を支援します 事業内容 中核保冷施設 中核処理加工施設 移動式解体処理車 ( ジビエカー ) 保冷車等の整備 コンソーシアム の運営 市町村 処理加工施設 捕獲従事者 流通等の関係者により構成される組織 ジビエビジネスの展開に向けた地域の取組中核的な処理加 施設 ( 人材の確保 技能向上 流通 消費等の連携等 ) 飲 年間を通じたジビエの安定供給定時 定量 市町村等が開設 運営安定取引 ICTによる捕獲から流通に至る情報管理の効率化 ( 実証 ) 等への支援 公的施設を中 として拠点化 1,000 1,500 頭 / 年以上が 字化の 標需要 事業実施主体 民間団体 交付率 事業費の1/2 以内等 定額 保冷施設 在庫調整機能 予算額の推移 ( 億円 ) 年度 H20 H21 H22 H23 H24 H25 H26 H27 H28 H29 H30 概算決定 当初予算額 28 28 23 113 95 95 95 95 95 95 104 補正予算額 - 4 - - 10 30 20 12 9 13 - 上表以外に H24 年度補正予算で別途措置した基金事業により 捕獲活動経費の直接支援等を実施 (H26 年度まで ) 17
18 鳥獣被害対策の技術的支援 農林水産省では 鳥獣被害に関する専門的知識及び経験を有し 地域における被害防止計画の作成及びその実施に際して助言等を行う 農作物野生鳥獣被害対策アドバイザー を紹介 また 被害防止対策を効果的に進めるためのマニュアルの作成 技術指導者等を育成する研修等を開催するほか 農林水産省ホームページでも 優良活動事例などの各種情報を紹介 農作物野生鳥獣被害対策アドバイザー 登録者数 :214 名 ( 平成 30 年 4 月現在 ) 野生鳥獣被害防止マニュアル 農林水産省が実施する研修等 ( 平成 28 年度の実績 ) 研修名時期研修の趣旨 目的 農作物鳥獣被害防止対策研修 5 月鳥獣被害防止に関する知識や技術の修得 利活用技術指導者育成研修 地域リーダー育成研修 鳥獣被害防止対策支援研修 対策手法全国鳥獣被害対策サミット 名 称 作成年月 生態と被害防止対策 ( 基礎編 ) 平成 18 年 3 月 鳥類編 平成 20 年 3 月 ハクビシン 平成 20 年 3 月 イノシシ シカ サル カラス- 捕獲編 - 平成 21 年 3 月 特定外来生物編 平成 22 年 3 月 ニホンザル ニホンジカの総合的な被害対策のすすめ方 平成 24 年 3 月 イノシシ被害対策の進め方 平成 25 年 3 月 イノシシ シカ サル- 実践編 -( 改訂版 ) 平成 26 年 3 月 捕獲鳥獣の食肉等利活用 ( 処理 ) の手法 平成 28 年 3 月 鳥獣被害対策関連制度早わかりマニュアル 平成 28 年 3 月 8 月 ~1 月 10 月 ~2 月 1 月 2 月 捕獲鳥獣の利活用を推進する人材の育成 ( 年 3 回 ) 鳥獣被害の防止対策を担う人材 ( 地域リーダー ) の育成 ( 年 7 回 ) 鳥獣被害防止技術と地域における体制整備手法の習得 ( 普及指導員が対象 ) 鳥獣被害対策の先進事例の発表 技術展示等を開催 農林水産省ホームページ 鳥獣被害対策コーナー (http://www.maff.go.jp/j/seisan/tyozyu/higai/index.html) 19
参考となる資料等 ( 農 省 HP 獣対策コーナー ) どう対策してよいか分からない 動画解説 動画 おいしいジビエのための止め刺し 放血 運搬 野生鳥獣被害防止マニュアル - アライグマ ハクビシン タヌキ アナグマ -( 中型獣類編 )30 年 3 月版 改訂版 野生鳥獣被害防止マニュアル 鳥類編 29 年 3 月版 野生動物による被害対策 - 特色ある人材育成プログラムの実例 -29 年 3 月版 改訂版 野生鳥獣被害防止マニュアル ( 捕獲鳥獣の食肉等利活用 ( 処理 ) の手法 ) 28 年 3 月版 鳥獣被害対策関連制度早わかりマニュアル 28 年 3 月版 野生動物による被害対策 - 特色ある実施体制の実例 28 年 3 月版 改訂版 野生鳥獣被害防止マニュアル イノシシ シカ サル ( 実践編 ) 26 年 3 月版 イノシシ被害対策の進め方 ~ 捕獲を中心とした先進的な取り組み 25 年 3 月版 野生動物管理システムハンドブックニホンザル ニホンジカの総合的な被害対策のすすめ方 (24 年 3 月版 ) 野生鳥獣被害防止マニュアル - アライグマ ヌートリア キョン マングース タイワンリス ( 特定外来生物編 ) 22 年 3 月版 地域リーダー等を育成したい (1) 平成 29 年度地域リーダー育成研修 9 月 5 日熊本県 ( 益城町 ) 9 月 26 日石川県 ( 七尾町 ) 9 月 27 日大阪府 ( 太子町 ) 10 月 5 日宮城県 ( 大和町 ) 11 月 13 日岐阜県 ( 下呂市 ) 11 月 17 日茨城県 ( 行方市 ) 11 月 30 日岡山県 ( 井原市 ) 12 月 7 日鹿児島県 ( 西之表市 ) 30 年度は 都道府県等を対象に 7 ヶ所 市町村等を対象に 5 ヶ所の予定 (2) 平成 29 年度利活用技術指導者育成研修利活用基礎技術研修会 (8 月 17 日兵庫県 8 月 31 日東京都 ) 利活用実践技術研修会 (11 月北海道 兵庫県 12 月長崎県 ) 20 鳥獣被害対策における ICT 等の新技術の活用について 効果的 効率的に鳥獣被害を防止する観点から 近年 ICT 等を活用した捕獲機材等の新たな技術が開発 農林水産省ではこれらの技術の活用を促進するため 鳥獣被害防止総合対策交付金 にて 地域が行う実証 導入の取組を支援 事例 1: 遠隔監視 操作システム パソコンやスマートフォンで遠隔地から現場の映像を確認し 無線で操作が可能 ( 映像の録画も可能 ) 遠隔操作で鳥獣の獣種 個数を確認し 確実に捕獲 捕獲装置の設置 事例 2: 個体数 獣種判別システム わなに入った 頭数 や 獣種 をセンサーで判別 電子トリガー ( 扉やネットなどを落下させるための電子制御装置 ) との併用により 省力的 効果的な捕獲が可能 人が監視する労力が省け 狙った獲物だけを捕獲することで作業効率が向上 型箱わな ネットワークカメラ投光器 ソーラーパネルバッテリーボックス制御ボックス電 トリガー 新たな農林水産政策を推進する実用技術開発事業 を活用して開発 (H21~23) 獣の侵 をメール受信パソコン等での遠隔監視 操作 獣の捕獲 21
ICT 利活用の状況と効果を上げている事例 平成 29 年 10 月時点で 333 市町村がICTを活用 今後 150の市町村でICTの活用を検討 三重県伊賀市では 捕獲の基本的な技術からICTの活用方法まで 専門的知見を有する者からアドバイスをもらいつつ 取組 その結果 捕獲頭数の向上 被害の軽減に成功 ICT 利活用の現状 ( 平成 29 年 10 月末時点 ) 都道府県 市町村数 北海道 18 青森県 3 岩手県 5 宮城県 5 秋田県 0 山形県 9 福島県 11 茨城県 2 栃木県 5 群馬県 3 埼玉県 0 千葉県 12 東京都 0 神奈川県 3 山梨県 5 長野県 10 都道府県 市町村数 静岡県 4 新潟県 5 富山県 8 石川県 8 福井県 14 岐阜県 7 愛知県 7 三重県 14 滋賀県 11 京都府 12 大阪府 0 兵庫県 12 奈良県 13 和歌山県 12 鳥取県 2 島根県 6 都道府県 全国 42 道府県の333 市町村でICTを活 した取組を実施 今後も全国で 150 の市町村が ICT の利活 を計画 市町村数 岡山県 5 広島県 10 山口県 2 徳島県 8 香川県 12 愛媛県 7 高知県 8 福岡県 9 佐賀県 6 長崎県 9 熊本県 9 大分県 10 宮崎県 7 鹿児島県 5 沖縄県 0 計 333 ( 農林水産省調べ ) ICT の取組による効果 ( 三重県伊賀市の例 ) ICT 付き囲いわなを設置するとともに 兵庫県立大学 三重県農業研究所等専門的知見を有する者のアドバイスを受けながら シカ サルの捕獲を実施 シカの捕獲数を 100 頭 / 年の増加に成功 サルについては 430 頭強を捕獲し 群れの縮小に成功 これらの取組の結果被害の大幅減を実現 ( 出典 ) アイエスイー総合カタログ 22 ICT 技術の動画による情報発信 鳥獣被害対策技術の普及を促進するため 農林水産省ホームページ 鳥獣被害対策コーナー に 鳥獣被害対策の基本技術について動画を掲載 昨年 4 月からの1 年間で7,000 件を越えるアクセス 動画はわかりやすく 理解を促進するためには極めて有効なツールであることから ICTの活用についても動画で情報発信することを検討 現在 鳥獣被害対策コーナーに被害防止技術の基礎について動画を掲載 基礎技術の動画に加え ICT の活用についても動画で情報発信予定 23
参考となる資料等 攻めの農林水産業の実現に向けた革新的技術緊急展開事業 (ICT を用いたシカ イノシシ サルの防除 捕獲 処理一環体系技術の実証 ) http://www.pref.mie.lg.jp/common/content/000618442.pdf 24 ドローン等を利用した技術開発 ドローンを用いた 鳥獣の生息実態の把握や監視 追払いによる被害防止技術の開発を推進 より正確な生息実態の情報に基づく効率的な捕獲や 器機を活用した追払いによる省力化によりスマートな被害防止を目指す 野生鳥獣の生息実態把握技術開発 研究概要 ドローンからの空撮技術と赤外線サーモカメラ等画像解析技術とを組み合わせ イノシシ シカ等の生息状況をより正確に把握する技術の開発を目指す 研究実施機関 スカイシーカー ( 一社 ) 大日本猟友会 東京都あきる野市 他 広範囲を監視 追払いするためのセンシング技術の開発 研究概要 広範囲監視のためのセンシング技術を開発し 鳥獣の侵入感知を行うシステムを構築 ( 湛水田のレンコン食害のカモの侵入感知と追払技術 システムの開発 ) 研究実施機関 徳島県立農林水産総合技術支援センター 徳島大学 NPO 法人れんこん研究会他 4K カメラで撮影 ( シカがいるがわからない ) 赤外線サーモカメラで撮影シカカウンターソフトで自動集計 シカの生息場所 行動範囲がより正確に把握可能 シカのみならず 獣道まではっきりと可視化できるため 効率的に捕獲できる場所にわなを設置できるようになる 効率的なカモ被害防止技術を開発し 農業者の収益増大等を図る 25
被害対策のポイント 対策をしているのに被害が減らない よくある原因 食べられても気にならないエサ 正しく設置できていない 管理されていない柵 栗畑にイノシシがきて困ってる しっかりした電気柵で防御している 檻のすぐ横にクズいもの山 頑張って捕獲している 26 よくある被害対策の流れ 集落 住民 被害が出た 捕獲してほしい 柵を設置するから補助してほしい 市町村 農家から相談が来た 猟友会に捕獲を依頼 相談のあった農家や集落に柵の補助 研修会を開催 都道府県 市町村から申請のあった補助金の手続 研修会を年 1~2 回 モデル集落づくりを支援 被害を防ぐために 必要な地域で 必要な対策が進むとは限らない 何が原因で被害が出た? どの畑でどれくらいの被害? いつから? 柵は誰が維持管理? 個人や集落でできることは? 何を行政に頼む? どの地域で捕獲を進める? 柵を張っているのに被害が出ている畑はどこ? 集落の対策レベルはどの程度? どこの集落で対策を進めるべき? 市町村の取組は十分? 被害が拡大しそうな市町村はどこ? 被害対策や捕獲の人材育成を組織的 計画的に ポイント まずは現状をしっかり把握する! 受け身ではなく 自ら積極的に動く! 27
市町村における対策の基本的な視点 ただ一生懸命に 鳥獣被害防止総合対策交付金等を活用して柵の設置 捕獲を進める! 実施隊を設置する! ということではない 対策しているのに 被害が増えている 減らない もっと柵の設置を進める 捕獲を進める等? 結果 には必ず 原因 がある 28 国の予算等に関する運用上の課題 鳥獣被害防止総合対策交付金 計画的でない柵の設置 不十分な地域合意 柵や捕獲機材の維持管理の不徹底 高い機材の不十分な活用 必要以上の申請 要望 鳥獣被害対策実施隊 市町村の鳥獣担当職員を任命しているだけ 又は地元猟友会員を全員任命しているだけで隊としての活動していない 29
< 被害が減らないと悩んでいる市町村がすぐに取り組むべき事 > 被害状況の把握 現行の対策の妥当性の検討 新たにやるべき ( やれる ) こと 目標 対策の役割分担を検討 〇主役は農家 基本は集落ごと 地区ごとの検討〇でも農家まかせ 集落まかせは 行政主導も 協働のまちづくり ( 対策の継続性にも影響 ) 〇鳥獣種に応じた総合対策 防犯対策 : 戸締まり 貴重品の管理 暗がりなくす パトロール 逮捕鳥獣対策 : 柵の設置 放任果樹の除去 草刈り 追払い 捕獲 30 最後に 鳥獣対策の基本チェックシート ( 市町村向け ) 鳥獣被害は 農家や集落が主体的に対応しないと解決しない問題だと 農家や集落に認識してもらえていますか? ( 認識してもらえるような具体的な働きかけを行っていますか?) 被害を防止するためには 1 守る ( 柵の設置など ) 2 寄せ付けない ( 耕作放棄地の管理や野菜クズの撤去など ) 3 減らす ( 被害を与えている加害個体の捕獲 ) といった総合的な対策が必要だと理解していますか? その前提で具体的な対策を講じていますか? 柵の設置は計画的に行われるように考えた上で 支援していますか? ( 単に農家の申請に応じて補助しているだけではないですか?) 捕獲は必要な場所に必要なタイミングで実施できていますか? ( 猟友会に単に捕獲をお願いしているだけではないですか?) 被害を正しく把握できていますか? ( 農家から報告がないから分からない という受け身の体制ではないですか?) 31
鳥獣対策は まずは市町村 ( 役場 ) が主体的に動く必要 < 鳥獣対策に求められるもの > 市町村 専属 中長期的な人員配置 法律防除技術予算調整能力動物生態説明能力など 理解と協力 自ら汗をかく努力 1 度上手く動き出すと それぞれがエンジンとなり鳥獣対策は進んでいく ( 歯車の大きさも変わってくる ) 32 市町村における今後の被害対策 目標設定をしっかりと ( どの程度までやるか ) まずは緊急的に対策を講じるので 負担がインフレ 被害対策が進むと 費用対効果は下がってくる 被害を完全にゼロにすることは困難 鳥獣対策は長期戦を覚悟する必要 緊急的に全力投球するだけでなく 持続性も求める ( 息切れしないように!!) 許容できる被害の程度を見据えて対策! 被害農家に納得してもらう努力 工夫 33