幼児の実態を捉えると共に 幼児が自分たちで生活をつくり出す保育の在り方を探り 主体的 に生活する子どもを育むための教育課程及び指導計画を作成する 3 研究の計画 <1 年次 > 主体的に生活する幼児の姿を捉える 教育課程 指導計画を見直す <2 年次 > 主体的に生活する幼児の姿を捉え その要因につ

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新しい幼稚園教育要領について

「主体的・対話的で深い学び」の実現に向けて

平成29年度 小学校教育課程講習会 総合的な学習の時間

乳児期からの幼児教育について 大阪総合保育大学 大方美香

7 本時の指導構想 (1) 本時のねらい本時は, 前時までの活動を受けて, 単元テーマ なぜ働くのだろう について, さらに考えを深めるための自己課題を設定させる () 論理の意識化を図る学習活動 に関わって 考えがいのある課題設定 学習課題を 職業調べの自己課題を設定する と設定する ( 学習課題

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1 発達とそのメカニズム 7/21 幼児教育 保育に関する理解を深め 適切 (1) 幼児教育 保育の意義 2 幼児教育 保育の役割と機能及び現状と課題 8/21 12/15 2/13 3 幼児教育 保育と児童福祉の関係性 12/19 な環境を構成し 個々 1 幼児期にふさわしい生活 7/21 12/

考え 主体的な学び 対話的な学び 問題意識を持つ 多面的 多角的思考 自分自身との関わりで考える 協働 対話 自らを振り返る 学級経営の充実 議論する 主体的に自分との関わりで考え 自分の感じ方 考え方を 明確にする 多様な感じ方 考え方と出会い 交流し 自分の感じ方 考え方を より明確にする 教師

1 幼児期の教育 保育と小学校教育の違い 幼児期の教育 保育と小学校の教育では 発達の段階の違いだけでなく 教育課程等の違いもあります まずは相互を理解することが必要です 幼児期の教育 保育と小学校教育との間には このように教育課程や指導方法の相違点がある一方で 5 歳児から小学校低学年までの発達の

Taro-小学校第5学年国語科「ゆる

3. ➀ 1 1 ➁ 2 ➀ ➁ /

平成 30 年度なごや小学校努力点推進計画 1 研究主題なかまとともに感性輝くなごやっ子 (1 年次 ) 2 研究主題について本校では 昨年度までの努力点研究において 道徳や特別活動の時間を中心に 子ども一人一人の成長と互いの認め合いをめざすことで 子ども自らが なごや小でよかった と感じられるよう

3 平成 29 年 3 月に幼稚園教育要領 保育所保育指針 幼保連携型認定こども園教育 保育要領が改訂され 来年度から全面実施されます 新幼稚園教育要領等では 改訂の基本的な方針として 1) 幼児期の終わりまでに育ってほしい姿 の明確化 健康な心と体 自立心 協同性 道徳性 規範意識の芽生え 社会生

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基本方針 これまでも幼稚園は幼稚園教育要領に 保育園は保育所保育指針に基づいた幼児教育 保育を展開してきた また 平成 20 年 3 月の大幅な改定により 3 歳児から5 歳児の教育に関する内容では整合性が図られている しかし 統一されたカリキュラムがないことで 幼稚園と保育園の内容に違いがあるかの

はじめに P1 Ⅰ 豊後大野市幼児教育の現状と課題 P2~3 1 幼児数の変遷... P2 2 幼児教育の現状... P2~3 3 幼児教育の課題... P3 Ⅱ 豊後大野市幼児教育の基本方針 P4~7 1 豊後大野市幼児教育の基本... P4 2 豊後大野市幼児教育のねらい... P5 (1) 育

彦根市立城陽幼稚園 幼稚園の特色 本園は 荒神山を間近に仰ぎ 琵琶湖岸まで広がる田畑や犬上川 宇曽川の両河川に囲まれた 自然に恵まれたところに位置し 旧市街地と新興住宅地が点在する地域にあります 平成 3 年 ( 旧 ) 平田幼稚園の一室を借りて開園し 翌年 3 月 日夏町の現在地に移りました 今年

ハンドブックp10-14:東京都教育委員会

H30全国HP

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資料3 道徳科における「主体的・対話的で深い学び」を実現する学習・指導改善について

(1) 体育・保健体育の授業を改善するために

学習指導要領改訂の方向性

2 単元の目標 廿日市市 についての魅力を目的意識や相手意識を明確にして地域内外に発信することができる 自分たちの住む 廿日市市 に愛着をもつことができる 3 単元の評価規準 学習方法 自分自身 他者や社会 課題発見力 思考力 判断力 表現力 主体性 自らへの自信 対象と積極的にかかわる中で, 課題

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幼保連携型認定こども園教育・保育要領 中央説明会

ホームページ掲載資料 平成 30 年度 全国学力 学習状況調査結果 ( 上尾市立小 中学校概要 ) 平成 30 年 4 月 17 日実施 上尾市教育委員会

第 1 章 札幌市幼児教育振興計画の策定 本計画は 主に幼稚園教育を対象とする 本計画は 平成 18 年度から概ね10 年間を計画期間とし 今後はこの方向性に基づいて早期に具体的な施策 ( アクションプログラム ) を打ち出していく 本計画は 社会情勢の変化などに対応し 必要に応じて計画の見直しを行

ぐんま幼児教育センターだより№33①

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エコポリスセンターとの打合せ内容 2007

ている それらを取り入れたルーブリックを生徒に提示することにより 前回の反省点を改善し より具体的な目標を持って今回のパフォーマンスに取り組むことができると考える 同に そのような流れを繰り返すことにより 次回のパフォーマンス評価へとつながっていくものと考えている () 本単元で重点的に育成をめざす

ポイント 1: 幼児教育と小学校教育の特徴や違いを理解する 保幼小の円滑な接続に向けて まずは 幼児教育と小学校教育の特徴や違いを理解することが重要です 幼児教育 幼児期の教育では 幼児の自発的な活動としての 遊び を通して 様々な体験や学びの芽生えを積み重ねることができるよう 保育者が環境を構成し

地域の幼児教育の拠点となる幼児教育センターの設置及び「幼児教育アドバイザー」の育成・配置に関する調査研究 実施報告書(2年次)(4)

学習意欲の向上 学習習慣の確立 改訂の趣旨 今回の学習指導要領改訂に当たって 基本的な考え方の一つに学習 意欲の向上 学習習慣の確立が明示された これは 教育基本法第 6 条第 2 項 あるいは学校教育法第 30 条第 2 項の条文にある 自ら進んで学習する意欲の重視にかかわる文言を受けるものである

1 国の動向 平成 17 年 1 月に中央教育審議会答申 子どもを取り巻く環境の変化を踏まえた今後の幼児教育の在り方について が出されました この答申では 幼稚園 保育所 ( 園 ) の別なく 子どもの健やかな成長のための今後の幼児教育の在り方についての考え方がまとめられています この答申を踏まえ

13 Ⅱ-1-(2)-2 経営の改善や業務の実行性を高める取組に指導力を発揮している Ⅱ-2 福祉人材の確保 育成 Ⅱ-2-(1) 福祉人材の確保 育成計画 人事管理の体制が整備されている 14 Ⅱ-2-(1)-1 必要な福祉人材の確保 定着等に関する具体的な計画が確立し 取組が実施されている 15

【参考資料1】審議のまとめ反映版

市中学校の状況及び体力向上策 ( 学校数 : 校 生徒数 :13,836 名 ) を とした時の数値 (T 得点 ) をレーダーチャートで表示 [ ] [ ] ハンドボール ハンドボール投げ投げ H29 市中学校 H29 m 走 m 走 表中の 網掛け 数値は 平均と同等または上回っているもの 付き

幼児教育とは: 幼稚園教育要領、保育所保育指針、幼保連携型認定こども園教育・保育要領の改訂を受けて

総合的な学習の時間とカリキュラム・マネジメント

高松っ子いきいきプラン策定の趣旨 本プランは, 就学前の子どもが幼稚園 保育所 幼保一体化施設など, どこに在籍していても, 等しく質の高い教育 保育を受けられるよう, 各施設が積み上げてきたものを生かしつつ, 今後, 重点的に取り組むための方針や具体的な取り組みを示しています さらに小学校との連携

Microsoft PowerPoint - 幼稚園教育要領の改訂について

PowerPoint プレゼンテーション

1 一日の生活の連続性及びリズムの多様性への配慮 (1) 全体的な計画の作成幼保連携型認定こども園教育保育要領第 1 章総則では 幼保連携型認定こども園の 全体的な計画 の作成について示されています 全体的な計画は 保育所保育指針における保育課程 幼稚園教育要領における教育課程に当たります また 全

3 調査結果 1 平成 30 年度大分県学力定着状況調査 学年 小学校 5 年生 教科 国語 算数 理科 項目 知識 活用 知識 活用 知識 活用 大分県平均正答率 大分県偏差値

教育と法Ⅰ(学習指導要領と教育課程の編成)

訂されている 幼稚園 小 中学校学習指導要領改訂の基本的な考え方として 次の 3つがあげられる 1. 子供たちに求められる資質 能力を明確にし それらを社会と共有していくという社会に開かれた教育課程を実現していく 2. 現行学習指導要領の枠組みや教育内容を維持した上で 知識の理解の質を高めていく 3

平成 年度佐賀県教育センタープロジェクト研究小 中学校校内研究の在り方研究委員会 2 研究の実際 (4) 校内研究の推進 充実のための方策の実施 実践 3 教科の枠を越えた協議を目指した授業研究会 C 中学校における実践 C 中学校は 昨年度までの付箋を用いた協議の場においては 意見を出

(2) 授業者が学びの見通しを持つ ( 学習目標の明確化 ) 問題解決的な学習に取り組む際, どのような場面で, どのようにして, どのような力を子どもたちに付けるのか, 単元や授業における目標を明確にして学びを見通しておくことが大切です 目標が不明確であると, 作業や体験などの活動そのものに, 子

60 金沢星稜大学人間科学研究第 11 巻第 2 号平成 30 年 2 月 要領を主な資料として内容を分析 考察する (1) 乳児保育に関わる ねらい及び内容 の3 視点,1 歳以上 3 歳未満児及び3 歳以上児に関わる ねらい及び内容 の5 領域, 幼児期の終わりまでに育ってほしい10の姿, 小学

看護部 : 教育理念 目標 目的 理念 看護部理念に基づき組織の中での自分の位置づけを明らかにし 主体的によりよい看護実践ができる看護職員を育成する 目標 看護職員の個々の学習ニーズを尊重し 専門職業人として成長 発達を支援するための教育環境を提供する 目的 1 看護専門職として 質の高いケアを提供

平成 29 年度 全国学力 学習状況調査結果と対策 1 全国学力調査の結果 ( 校種 検査項目ごとの平均正答率の比較から ) (1) 小学校の結果 会津若松市 国語 A は 全国平均を上回る 国語 B はやや上回る 算数は A B ともに全国平均を上回る 昨年度の国語 A はほぼ同じ 他科目はやや下

持続可能な「幼児教育アドバイザー」育成のための体制構築と展開 ― 実践を核にした育成プログラムと研修体制の開発 ―(2)

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資料3 文部科学省説明資料

山梨大学教職大学院専攻長 堀哲夫教授提出資料

1. 研究主題 学び方を身につけ, 見通しをもって意欲的に学ぶ子どもの育成 ~ 複式学級における算数科授業づくりを通して ~ 2. 主題設定の理由 本校では, 平成 22 年度から平成 24 年度までの3 年間, 生き生きと学ぶ子どもの育成 ~ 複式学級における授業づくり通して~ を研究主題に意欲的


課題研究の進め方 これは,10 年経験者研修講座の各教科の課題研究の研修で使っている資料をまとめたものです 課題研究の進め方 と 課題研究報告書の書き方 について, 教科を限定せずに一般的に紹介してありますので, 校内研修などにご活用ください

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愛媛県学力向上5か年計画

幼児教育概要版案 xbd

難聴児童の伝える力を 高めるための指導の工夫 -iPadを活用した取り組みを通して-

を生かした環境を構成することも求められます 3 安全で保健的な環境次に 施設などの環境整備を通して 保育所の保健的環境や安全の確保などに努めること としています 子どもの健康と安全を守ることは保育所の基本的かつ重大な責任です 全職員が常に心を配り 確認を怠らず 子どもが安心 安全に過ごせる保育の環境

算数でも 知識 (A) 問題 活用 (B) 問題とも 全領域で全国平均を上回りました A 問題では 14 問中 12 問が全国平均を上回り うち8 問が5ポイント以上上回りました 下回った2 問は 直径と円周の長さの関係理解 と 除法で表す2 量関係の理解 でした B 問題では 10 問中 9 問が

PowerPoint プレゼンテーション

2017 年度は 過去 年間の経験を踏まえ 以下の 5 項目を事業計画とした 認定子ども園豊中愛光幼稚園 2017 年度事業計画 (1) 豊中愛光幼稚園の質の向上に努める 1. 教育 保育の質の向上を目指して 幼児クラスの保育のあり方を再確認する 特に 幼児クラスの預かり保育時間 (1:00~18:

平成27年度公立小・中学校における教育課程の編成実施状況調査結果について

○数学科 2年 連立方程式

小中学校表紙(新)

平成23年度全国学力・学習状況調査問題を活用した結果の分析   資料

長崎女子短期大学紀要 第 号 平成 年度 保育者養成課程に在籍する学生の領域 人間関係 に対する捉え方と授業改善に関する一考察 福 井 謙 一 郎 A Study on the Perception of Human Relations and the Improvement of the Clas

保育の内容の見直しを行い 改善を図ること 指導計画を作成することは子どもの生活を見通してデザインしていくことですが それは 保育の過程 という考え方で理解することができます 保育実践は子どもの生活実態を理解することから始まります そしてその生活を見通して作成した指導計画をもとに 保育を柔軟に実践して

幼稚園と小学校の連携の在り方について 学びの連続性 の視点に立って考察する 3 研究内容と考察 (1) 学びの連続性 に立った幼稚園と小学校の連携とは何か中教審の答申 子どもを取り巻く環境の変化を踏まえた今後の幼児教育の在り方について は 子どもを取り巻く環境の変化を踏まえ 今後の幼児教育の方向性と

(6) 調査結果の取扱いに関する配慮事項調査結果については 調査の目的を達成するため 自らの教育及び教育施策の改善 各児童生徒の全般的な学習状況の改善等につなげることが重要であることに留意し 適切に取り扱うものとする 調査結果の公表に関しては 教育委員会や学校が 保護者や地域住民に対して説明責任を果

2 教科に関する調査の結果 (1) 平均正答率 % 小学校 中学校 4 年生 5 年生 6 年生 1 年生 2 年生 3 年生 国語算数 数学英語 狭山市 埼玉県 狭山市 61.4

幼稚園教育要領解説

とで児童に活動の見通しを持たせ, 自分で課題を立て情報を集め整理し, 発表する等に取り組めるようにしていきたい 調査計画の場面では, 目的に照らしてどのような調査をしていくことがよいのか児童にしっかりと考えさせたい 例えば, データはどう集めたらよいのか, アンケートを実施する場合には, 誰にアンケ

に教室の中を立ち歩いたり 教室の外へ出て行ったりする 68.5% 次に 担任の指示通りに行動しない 62.1% などとなっている また 不適応状況の発生の予防に効果的と思われる対応策 ( 図 2) 6 として最も多かったのが 学級担任の援助となる指導員等の配置 校長 61.4% 教諭 61.0% 次

ニュースレター 報道関係各位 2018 年 10 月 26 日 株式会社ベネッセホールディングス広報 IR 部 小学生の読書に関する実態調査 研究 読書は学力が低い子どもたちに大きなプラス効果 自分で調べる 話題が増える 幅広いメリットが明らかに 株式会社ベネッセホールディングスの子会社 株式会社ベ

4. 単元の実際 習得 (1) 三部構成のモデル文 ゲームなんてやめなさい を提示し 子どもの意識とのズレを生む 実践を行った4 年生のクラス 38 名全員が何らかのゲームをもっていることを確認し 子どもがゲームについて感じている楽しさを十分掘り起こす その上で はじめ なか おわり の形式で書かれ

4 本単元と情報リテラシーの関わり 課題設定担任による 説明会におけるデモンストレーションを見ることを通して 本単元を貫く言語活動としての これぞ和の文化! おすすめの 和の文化 を調べて説明会を開こう を知り 見通しを持たせ学校司書による関連図書紹介を通して 和の文化への関心を高め 進んで調べよう

41 仲間との学び合い を通した クラス全員が学習に参加できる 授業づくり自分の考えを伝え 友達の考えを聞くことができる子どもの育成 42 ~ペア グループ学習を通して~ 体育における 主体的 対話的で深い学び を実現する授業づくり 43 ~ 子どもたちが意欲をもって取り組める場の設定の工夫 ~ 4

Microsoft Word 教育課程の編成

「標準的な研修プログラム《

授業概要と課題 第 1 回 オリエンテェーション 授業内容の説明と予定 指定された幼児さんびか 聖書絵本について事後学習する 第 2 回 宗教教育について 宗教と教育の関係を考える 次回の授業内容を事前学習し 聖書劇で扱う絵本を選択する 第 3 回 キリスト教保育とは 1 キリスト教保育の理念と目的

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平成 29 年度児童発達支援センターバンビ事業計画 1. 基本方針 児童発達支援センターバンビは相模原市南区の発達障害児の療育を遂行するため 以下の基本理 念 療育基本指針に則りサービスを提供する 1) 基本理念 1 児童一人ひとりに対する丁寧な 根拠 ある療育相模原療育園の医療スタッフとの連携によ

○ ○ 科 学 習 指 導 案

幼稚園 保育所ができること 一緒にやりましょう! 幼稚園 保育所は 子ども同士がふれあう以外に 保護者同士が交流できる場でもあります ここでは 各幼稚園 保育所が保護者と連携するとともに 保護者同士のふれあい つながりづくりに向けた取組みを記載しています 1 ( 幼稚園 保育所 ) 幼稚園 保育所と

内容 児童 経験したことや調べたことから選んで話す 内容 ( 考え ) を分かりやすく話す はっきりした発音で声の大きさを考えて話す 丁寧な言葉を使って話す 相手の顔を見ながら話す 大事なこと

第 4 学年算数科学習指導案 平成 23 年 10 月 17 日 ( 月 ) 授業者川口雄 1 単元名 面積 2 児童の実態中条小学校の4 年生 (36 名 ) では算数において習熟度別学習を行っている 今回授業を行うのは算数が得意な どんどんコース の26 名である 課題に対して意欲的に取り組むこ

Microsoft Word - 研究の概要他(西小) 最終

61.8%

多様な関係機関を巻き込んだ 包括的な質向上システムの構築が必要 長野県幼児教育振興基本方針 ( 仮称 ) の策定 幼児教育の質向上推進の中心的機能を担うセンターの立ち上げを視野に入れる センターの機能 ( 想定 ) 〇幼児教育関係課 団体 大学等をつなぐ 既存の枠組みを超え 幼児教育に関わる教育 行

Transcription:

主体的に生活する子どもを育むための教育課程の創造 ( 第二報 ) 1 研究の動機 本園の近年の幼児の実態として 衣服の着脱や排泄などの 生活習慣が身に付く年齢が遅くなってきているという傾向がある また 子どもが困らないように 子どもが困る前に と 幼児より先に いろいろなことを解決しようとする保護者も見られる その影響からか 大人に言われたことはできるが 自分で考えて動くことが難しい姿 自分で考えて動くことに不安があるため これをしてもいい? と一つずつ確認する姿が増えてきたと感じている さらに 幼児が遊ぶ姿を見ていると 一見 好きな遊びを楽しんでいるように見えても 自分たちから遊びを生み出したり 広げたり 深めたりする姿が減少し より遊びを楽しくするためには どのようにするとよいのか という 遊びに対する思いの乏しくなってきているように感じている 生活習慣面で困っている姿が多く見られる幼児は 遊びこむという姿も見られにくいという傾向があるのではないかと思い 生活習慣や遊びも含めた園生活全体の充実が必要であると考えた 一方で 教師自身も 主体的に生活することが大切である ということは分かっているものの 主体的 の捉え方が それぞれの教師によって異なっている 保育をスムーズに進めようとするあまり 教師が幼児の行動を待てずに 先に援助をしていることもある また 幼児の発達より難しい保育内容を行うことで 過度な教師の援助が必要となっている場合もある そのような保育を行うことで 幼児が自ら考える機会を十分に確保できていないのではないかと考えた 幼児教育の動向としても 平成 27 年度から 子ども 子育て支援新制度 が実施され 公立 私立の幼稚園 認定こども園 保育所などのように 保育施設が多様化している また 平成 29 年度には新しい幼稚園教育要領が告示された このように 幼児教育が大きな変革期にある中 日々の保育を振り返り 保育の質のさらなる向上が求められている 以上のことから 主体的に生活する幼児の実態を捉えると共に 幼児が自分たちで生活をつくり出す保育を探る中で 何ができるようになるか という身に付けたい力を整理し その上で 何を学ぶか という内容を検討し どのように学ぶか という過程を考えていく そして それらを取り入れた教育課程 指導計画を創造しようと考えた 2 研究の目的図 1 幼児の学びの構図 - 2 -

幼児の実態を捉えると共に 幼児が自分たちで生活をつくり出す保育の在り方を探り 主体的 に生活する子どもを育むための教育課程及び指導計画を作成する 3 研究の計画 <1 年次 > 主体的に生活する幼児の姿を捉える 教育課程 指導計画を見直す <2 年次 > 主体的に生活する幼児の姿を捉え その要因について探る 1 年次に見直した教育課程 指導計画を実践 検証する 幼児がより主体的に生活するための行事の在り方について見直す <3 年次 > 保育の手帳 を再構成する 4 研究の方法 主体的 の定義について 文献等で調べたり 協議を重ねたりし 本園が考える 主体的 の定義を明確にする 園内研修会や事例 記録などから 主体的に生活する幼児の姿を捉え その姿が見られるために大切にしたいものを探る 主体的に生活する幼児を育むための教師の援助や環境構成について考える 教育課程 指導計画と日々の保育を照らし合わせ 主体的に生活する子どもが育まれる保育について探る 教育課程 指導計画を再構成し 保育の手帳 ( 本園の教育課程 指導計画など 園全体の計画を載せたもの ) を発刊する 5 研究の内容と成果 - 3 -

1 年次の研究から 主体的の定義を明確にする文献や大学の先生方から教えていただいたことをまとめた結果 自発 主体的 の定義を次のように捉えた 自発 すでにある環境を自ら選ぶこと 目的意識が薄く 偶発的であること 主体的 自ら考え 進んで行う姿 目的があり 継続的である姿 自発から変容した姿 また 主体 は 誰もがもっているもの 人との関わりの中で 結果的に見えてくるもの と いうことが分かり 幼児は 幼稚園という場で教師や友達と関わることによって 主体的に生活す るようになると考えた 主体的に生活する幼児の姿を捉える 1 年次には事例を集め まとめた結果 主体的に生活する子どもの姿 は 次のような傾向が あるのではないかと考えた ( 図 2) 相手に伝えよう 発信しようとする姿 他者に対するもの 自分の思いを出す姿 主体的に生活する姿 継続して遊ぶ姿 自分から ものや人に関わろうとする姿 目的をもって生活する姿 継続 目的のもの 図 2 主体的に生活する姿の傾向 自分から関わろうとする対象が広がっていく姿 遊びに関わっているもの 2 年次の研究から - 4 -

2 年次も 主体的に生活する子どもの姿 について 事例 園内研修会などから 探り続けたと ころ 1 年次に探った 主体的に生活する子どもの姿の傾向 に加え 次のように表せるのではな いかと考えた ( 図 3) 図 3 主体的に生活する子どもの姿 子どもは日々の生活の中で 対象と対話することで 物事の性質に気付いたり 探求したりする姿につながる また 子どもが他者と対話することで 自分の思いを表現しようとしたり 相手の考えていることを理解しようとしたりする姿につながる 他者と対象が対話する様子を 自分が見ることで 新たな発見をすることもある このような対話を繰り返すことで 深い学びになり 深い学びが主体的に生活する姿へとつながるのではないかと考えた また 安心感 自己有能感 などの丸の部分は 主体的に生活する子どもを育むために 教師が大切にしたいと考えているものである これらは 事例から導き出されたものである 主体的に生活する子どもの姿 を見出すにあたって上記のように 主体的に生活する子どもの姿 を見出すまでには いくつかの過程がある 1 保育構想の見直し本園の保育構想を見直すにあたって 幼稚園教育要領に記載されている資質 能力の3つの柱 個別の知識及び技能の基礎 思考力 判断力 表現力等の基礎 学びに向かう力 人間性等 と照らし合わせることで 本園が育みたい資質 能力について確認した 2 幼児の姿を捉える - 5 -

学年の教師が捉えた幼児の姿を 幼稚園教育要領の5 領域を基にした7つの項目に分け 振り返るようにした ( 健康 の領域を 生活習慣 と 体を動かして遊ぶ に分け 表現 の領域を 音と関わる こと かいたりつくったりする ことに分けた ) 領域を細かく分けることにより より細かな視点で幼児の姿を捉えようと考えた また それぞれの項目の幼児の姿が 幼稚園教育要領の 幼児期の終わりまでに育ってほしい姿 のどの姿につながっているのかを記載するようにした 到達目標にするわけではなく 各学年で10の姿を用いて幼児の姿を振り返ることで 修了まで 系統立てて育ちを捉えることができるようにした ( 図 4) 5 領域をもとにした 7 つの項目 幼児期の終わりまで に育ってほしい姿 図 4 幼児の姿 また 幼児の姿 は指導計画の 学びの時を捉えるために というページにも生かした 学びの時を捉えるために というページは 幼児の姿 と同じ7 項目に分けている 以前は 学びを捉える視点 を記載していたが 今回 どのように学ぶか という 教師の配慮を下部に加えることにした 幼児の到達目標を示したものではなく 幼児が 何を学ぶか どのように学ぶか - 6 -

何ができるようになるか という点についての 1 年間の流れを記載し それを見据えることによ って 教師の保育を見直せるような形にした ( 図 5) 何を学ぶか どのように学ぶか 何ができるようになるか 図 5 指導計画 学びの時を捉えるために 3 事例検討事例は 教師が捉えた 主体的に生活する子どもの姿 について記録し 主体的に生活する姿を見出す視点 主体的に生活する子どもを育むために大切にしたいもの 主体的に生活する姿につながる教師の援助の視点 教育課程と照らし合わせて という点について考察している 教育課程と照らし合わせる際には ねらい 内容 かもしだす雰囲気 幼児の実態 教師の配慮 を 幼児の実態を踏まえた上で見直している 昨年度に見直したものを 今年度さらに見直し 各学年のつながりも踏まえた上で 文言や形式を変更した ( 図 6) - 7 -

図 6 ( 左 ) 現行の教育課程 ( 中央 ) 平成 28 年度案 ( 右 ) 平成 29 年度案 かもしだす雰囲気 とは 幼児や教師自身 まわりの環境などから その時期に漂ってくる雰囲気を 幼児の気持ちに添った言葉として表現したものである これを横断的 縦断的に見ることができるように 一覧にして見直すことも進めた 教育目標に合わせて 時期に合う かもしだす雰囲気 を事例や幼児の姿から見直し 各学年 各期の教育課程にも記載するようにした ( 図 7) 主体的に生活する子どもの姿 を見取る評価について図 7 かもしだす雰囲気 の一覧表以上のような過程を経て 主体的に生活する子どもの姿 を探ると 教師は 幼児の姿に変容があった時に 幼児が 主体的に生活している と捉えていることが分かった また その変容は - 8 -

1 日の中で見られたものではなく 数日 数ヶ月に渡る期間の中での変容に着目していた 幼児の対象や他者との関係性の積み上げを踏まえた上で 主体的に生活する子どもの姿 をエピソードとして語ることが評価につながると考えた 幼稚園教育要領には 幼児理解に基づいた評価の実施 として 指導の過程を振り返りながら幼児の理解を進め 幼児の一人一人のよさや可能性などを把握し 指導の改善に生かすようにすること と記載されている 幼児の主体性を引き出すための評価であり 幼児自身の評定ではない 教師が 幼児のどのような姿を見て主体的と捉えているのかを探り その上で 主体的に生活する幼児の姿が見られるようにするためには どのような保育をするとよいのかを振り返ることが大切である カリキュラム マネジメントについて主体的に生活する子どもの姿を探りながら そのような子どもが育まれるための保育とは どのようなものかを考え 保育を見直していく また 教育課程 指導計画は 保育構想を元にして つくっていることを教師同士で共通認識し 全体を包括する視点から 日々の保育の視点まで 様々な目で 保育を振り返り 次に生かせるようにする これを続けることが カリキュラム マネジメントにつながると考えている 自分の保育だけでなく 幼稚園全体の保育の質の向上を 組織的で計画的に進めることが大切であると感じた 6 次年度に向けて 主体的に生活する姿についての評価の観点について探る 学びの時を捉えるために 行事の見直し など 指導計画 資料編の検討を進める 保育の手帳 として 教育課程 指導計画など 園全体の計画をまとめたものを発刊する - 9 -