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14個人情報の取扱いに関する規程

社会福祉法人春栄会個人情報保護規程 ( 目的 ) 第 1 条社会福祉法人春栄会 ( 以下 本会 という ) は 基本理念のもと 個人情報の適正な取り扱いに関して 個人情報の保護に関する法律 及びその他の関連法令等を遵守し 個人情報保護に努める ( 利用目的の特定 ) 第 2 条本会が個人情報を取り扱

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個人情報の保護に関する規程(案)

社会福祉法人○○会 個人情報保護規程

個人情報保護規程

( 内部規程 ) 第 5 条当社は 番号法 個人情報保護法 これらの法律に関する政省令及びこれらの法令に関して所管官庁が策定するガイドライン等を遵守し 特定個人情報等を適正に取り扱うため この規程を定める 2 当社は 特定個人情報等の取扱いにかかる事務フロー及び各種安全管理措置等を明確にするため 特

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防犯カメラの設置及び運用に関するガイドライン

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はじめてのマイナンバーガイドライン(事業者編)

Microsoft Word - ○指針改正版(101111).doc

第 4 条 ( 取得に関する規律 ) 本会が個人情報を取得するときには その利用目的を具体的に特定して明示し 適法かつ適正な方法で行うものとする ただし 人の生命 身体又は財産の保護のために緊急に必要がある場合には 利用目的を具体的に特定して明示することなく 個人情報を取得できるものとする 2 本会

個人情報保護規程 株式会社守破離 代表取締役佐藤治郎 目次 第 1 章総則 ( 第 1 条 - 第 3 条 ) 第 2 章個人情報の利用目的の特定等 ( 第 4 条 - 第 6 条 ) 第 3 章個人情報の取得の制限等 ( 第 7 条 - 第 8 条 ) 第 4 章個人データの安全管理 ( 第 9

個人情報保護規定

特定個人情報の取扱いの対応について

に含まれるノウハウ コンセプト アイディアその他の知的財産権は すべて乙に帰属するに同意する 2 乙は 本契約第 5 条の秘密保持契約および第 6 条の競業避止義務に違反しない限度で 本件成果物 自他およびこれに含まれるノウハウ コンセプトまたはアイディア等を 甲以外の第三者に対する本件業務と同一ま

マンション管理の現状と課題

8. 内部監査部門を設置し 当社グループのコンプライアンスの状況 業務の適正性に関する内部監査を実施する 内部監査部門はその結果を 適宜 監査等委員会及び代表取締役社長に報告するものとする 9. 当社グループの財務報告の適正性の確保に向けた内部統制体制を整備 構築する 10. 取締役及び執行役員は

文書管理番号

Ⅰ バイタルリンク 利用申込書 ( 様式 1-1)( 様式 ) の手続 バイタルリンク を利用する者 ( 以下 システム利用者 という ) は 小松島市医師会長宛に あらかじ め次の手順による手続きが必要になります 新規登録手続の手順 1 <システム利用者 ( 医療 介護事業者 )>

個人情報保護規程例 本文

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プライバシーマーク付与適格性審査に関する約款

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弦打校区コミュニティ協議会会則 ( 名称及び組織 第 1 条この会は, 弦打校区コミュニティ協議会 ( 以下 協議会 という ) と称し, 協議会の区域内に居住する個人および所在する法人ならびに別表 ( 組織図 ) に掲げる構成団体等で組織する ( 目的 ) 第 2 条協議会は, 住みよい地域社会の

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中井町木造住宅耐震診断費補助金交付要綱


共同事業体協定書ひな形 ( 名称 ) 第 1 条この機関は 共同事業体 ( 以下 機関 という ) と称する ここでいう 機関 は 応募要領の参加資格に示した共同事業体のことであるが 協定書等において必ず 共同事業体 という名称を用いなければならない ということはない ( 目的 ) 第 2 条機関は

制定 : 平成 24 年 5 月 30 日平成 23 年度第 4 回理事会決議施行 : 平成 24 年 6 月 1 日 個人情報管理規程 ( 定款第 65 条第 2 項 ) 制定平成 24 年 5 月 30 日 ( 目的 ) 第 1 条この規程は 定款第 66 条第 2 項の規定に基づき 公益社団法

マンション管理士 平成 28 年度マンション管理士全国公開模試総合成績表 VU16122

Microsoft Word - ★HP版平成28年度検査の結果

第 1 章総則 ( 目的 ) 第 1 条この業務規程は 工業所有権に関する手続等の特例に関する法律 ( 平成 2 年法律第 30 号 以下 法 という ) 第 39 条において準用する同法第 22 条第 1 項の規定に基づき 調査業務の実施に関し必要な事項を定めることを目的とする ( 調査業務実施の

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< 賃貸住宅管理業者登録制度 > 国土交通省では 賃貸住宅管理業の適正化を図るため 平成 23 年から任意の登録制度として賃貸住宅管理業者登録制度を実施しています 賃貸住宅管理業者登録制度では サブリースを含む賃貸住宅管理業の遵守すべきルールを設けており 登録業者は このルールを守らなければなりませ

2 センターは 前項の届出を受理したときは 当該利用者の設定を解除するものとする ( 設定票等の再発行 ) 第 7 条利用者は センターが交付した Web-EDI 機能利用情報の書類の再交付を申請するときは 様式 WE-04 号 Web-EDI 機能利用証等再交付申込書 に必要事項を記載して センタ

財団法人日本体育協会個人情報保護規程

一般社団法人北海道町内会連合会定款変更(案)

Transcription:

第 4 章 マンション管理業者編 管理業者の役割 第 29 マンション管理業者は 受託業務を適切に実施するとともに 管理組合のパートナーとして 管理組合の運営等に対し 専門的見地から提案や助言を行い 管理組合が適正かつ円滑に管理を行える環境を整え 管理組合の活動が活性化するよう努める ガイドライン第 29 の解説 マンションの管理は 管理組合が主体となって行うものである マンションを管理するに当たっては 法律 建築 会計 税務などの専門的な知識が不可欠であるが 管理組合の役員や各区分所有者はその知識 経験を十分に持っていないこともある このため マンション管理業者は 受託業務を適切に実施するとともに 管理組合にとって身近で信頼できるパートナーとして その専門性を活かして 管理組合が適正な維持管理を行えるよう 組合を支援していくことが必要である マンション管理業者は その役割を果たせるよう 常に法令等の改正に気を配り 管理に関する最新の情報を得るように努めるとともに 管理組合に情報提供を行うことが重要である 91

管理業者の義務 第 30 マンション管理業者は 次に掲げる義務を負う 1 マンション管理適正化法を遵守し 信義を旨とし 誠実にその業務を行わなければならない 2 正当な理由がなく その業務に関して知り得た秘密を漏らしてはならない ガイドライン第 30 の解説 マンション管理業者は 業務を遂行するに当たり マンション管理適正化法上 信義を旨とし 誠実に業務を行う義務及び守秘義務が課されている これに反することは マンション管理適正化法違反になるのみならず 管理組合の信頼を失うことにもなるため 管理業者としての心構えや求められる職業倫理等を自覚しながら業務を遂行することが必要である マンション管理業者は 守秘義務を踏まえ 重要書類を第三者が見ることができないよう施錠できる書庫等に整理 保管 外出時の机上への放置禁止 シュレッダーによる廃棄 鍵管理 パソコンの使用ルールの設定等の対応をとることが重要である また この守秘義務については 管理員等の従業者にも課されている ( 付録マンションの管理の適正化の推進に関する法律 P138) 92

重要事項説明 管理受託契約の締結 第 31 マンション管理業者は 管理組合と管理受託契約を締結するに当たっては あらかじめ管理組合に対して説明会を開催し ( ただし 従前と同一条件での契約更新の場合は不要 ) 管理業務主任者の資格を持つ者が 契約締結に際して法令で定められた重要事項について書面を交付して説明しなければならない また マンション管理業者は 管理組合と管理受託契約を締結する際は 管理組合に対し 法令で定められた事項を記載した書面を交付しなければならない ガイドライン第 31 の解説 マンション管理業者は 管理組合が総会で管理受託契約の締結に関する意思決定を行う前に 重要事項説明を行わなければならない 重要事項説明書には 管理業務主任者が記名 押印しなければならない マンション管理業者は 管理組合とトラブルになることのないよう 管理受託契約の範囲及び内容 管理業者の責任の範囲 管理組合の権利の範囲等について十分に説明し 質問等を受けた場合は 誠実かつ適切に回答することが必要である マンション管理業者は 管理組合として委託業務の内容について十分検討し 決定した事項について 管理受託契約を締結する際に 後日 両者の間にそごが生じることのないよう 重要な事項については必ず書面により確認を取っておくことが必要である 管理受託契約を締結する際には 管理業務主任者の記名 押印のある書面を交付する 書面としては 管理委託契約書を用いるのが一般的である 93

管理事務の報告等 第 32 マンション管理業者は 管理組合に対し 定期的に管理事務の処理状況について報告しなければならない ガイドライン第 32 の解説 マンション管理業者は 管理組合と密にコミュニケーションを図ることが重要であり 報告に当たっては 定期的に理事会等に参加し その中で 管理業務全般について報告を行うことが望ましい 管理組合の事業年度終了後 遅滞なく管理事務報告書を交付し 管理業務主任者により管理組合に説明する必要がある 毎月 管理組合の会計区分ごとの収支状況及び収納状況が確認できる書面を作成し その翌月末までに交付する必要がある ( 参照ガイドライン第 16 マンション管理業者への委託等 P50) 94

財産の分別管理 第 33 マンション管理業者は 管理組合から委託を受けて管理する財産については 自己の固有財産及び他の管理組合の財産と分別して管理しなければならない ガイドライン第 33 の解説 マンション管理業者は 管理組合の財産が損なわれることのないよう 管理組合と協力して財産の管理を行う必要がある 滞納管理費等の督促をする場合も 管理組合と協力して行うことが重要である ( 参照ガイドライン第 14 出納 会計処理 P44) ( 参照ガイドライン第 15 滞納防止 滞納処理 P47) 95

マンションに関する情報の提供 第 34 マンション管理業者は 専有部分の売却等を目的とする区分所有者又は区分所有者から専有部分の売却等に係る媒介の依頼を受けた宅地建物取引業者が マンションの財務 管理に関する情報等の提供を求めてきた場合は 管理受託契約の内容に応じ 求められた情報を開示する ガイドライン第 34 の解説 マンション標準管理委託契約書では 専有部分の売却等をしようとする区分所有者又は売却等の媒介の依頼を受けた宅地建物取引事業者に対し マンション管理業者は 管理組合に代わって マンションの財務 管理に関する情報等を提供することができる旨定められている ただし これらの情報の開示は本来は管理組合が行うべきものであるため マンション管理業者が行う場合は 管理委託契約書においてその根拠を明確に規定する必要がある マンション管理業者が提供 開示できる範囲は 原則として管理委託契約書に定める範囲となるため 管理委託契約書の作成の際には 管理組合と十分に協議することが重要である また 管理委託契約書に定める範囲外の事項については 管理組合に開示の可否を確認した上で開示することが必要である なお 管理委託契約書に定める範囲内の事項であっても 該当事項の個別性が高いと想定されるものについては 管理組合に開示の可否を確認し 承認を得た上で開示することも考えられる 提供を求められた事項に組合員等の個人情報が含まれる場合は 個人情報保護法の趣旨を踏まえて適切に対応する必要がある 宅地建物取引業者等に提供 開示した件数 相手方から受領した金額等については 管理事務の報告の一環として管理組合に報告することも考えられる ( 参照ガイドライン第 10 管理規約等 P27) ( 付録 : マンション管理標準委託契約書 P180) 96

緊急時の業務 第 35 マンション管理業者は 管理受託契約の範囲において 災害又は事故等の事由により 管理組合のために緊急に行う必要がある業務で 管理組合の承認を受ける時間的な余裕がないものについては 管理組合の承認を受けないで実施することができる 実施した場合は書面により その業務の内容及び実施に要した費用について管理組合に通知する ガイドライン第 35 の解説 マンション管理業者は 地震 台風等の天変地異による災害や 火災 漏水等の偶発的な事故等による被害の連絡を受けた場合は 速やかに管理員等と連絡を取って現状を確認し 必要に応じて立入禁止 使用禁止等の案内などを実施することが必要である また 原因箇所の究明を行い 復旧の手配をした上で 理事長に状況を報告することが必要である 97

良好なコミュニティの形成に向けた支援 第 36 マンション管理業者は 良好なコミュニティ形成に向けて 管理組合や居住者のニーズに合った支援策を提供するよう配慮する ガイドライン第 36 の解説 マンション管理業者は 快適な居住環境を維持 向上するため 自らが持つ様々なノウハウを基に コミュニティ形成に向けたアドバイスを行うことが重要である 地域と連携したコミュニティ形成については マンション管理適正化指針や標準管理規約の趣旨を踏まえた上での対応をとるようにアドバイスを行うことが重要である ( 参照ガイドライン第 25 居住者コミュニティ 地域コミュニティ P82) 98

防災対策 第 37 マンション管理業者は 管理組合の求めに応じて防災対策に関するノウハウを管理組合に提供し 連携して防災対策を行う ガイドライン第 37 の解説 マンション管理業者は そのマンションに合った防災活動の計画やマニュアルの作成について管理組合を支援し 定期的な防災訓練の実施を提案することが重要である ( 参照ガイドライン第 26 防災対策 P83) 99

マンション管理業者の変更に伴う業務等の引継ぎ 第 38 マンション管理業者が変更になる場合 従前のマンション管理業者は 新しいマンション管理業者に 受託していた業務について遺漏なく引き継ぐとともに マンション管理業者が保管していた書類や設計図書類は管理組合に返却する ガイドライン第 38 の解説 マンション管理業者が変更となる場合 従前のマンション管理業者は 管理組合が引き続き適正な管理を行えるよう 円滑に新しいマンション管理業者に引継ぎを行うことが重要である 従前のマンション管理業者は 管理規約や総会 理事会の議事録 長期修繕計画 設計図書類は管理組合の所有物であることから これらの書類を管理組合に返却することが必要である 100