企業向けサービス価格指数(2010年基準)の概要

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各資産のリスク 相関の検証 分析に使用した期間 現行のポートフォリオ策定時 :1973 年 ~2003 年 (31 年間 ) 今回 :1973 年 ~2006 年 (34 年間 ) 使用データ 短期資産 : コールレート ( 有担保翌日 ) 年次リターン 国内債券 : NOMURA-BPI 総合指数

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第1章

平成 22 年基準 秋田県鉱工業生産指数月報 平成 30 年 12 月分 鉱工業生産指数の推移 季節調整済指数全国 東北 : 平成 27 年 =100 秋田 : 平成 22 年 =

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物価指数研究会(第2回) 2015年基準 モデル式の検討「授業料」・「保育料」

物価の動向 輸入物価は 2 年に入り 為替レートの円安方向への動きがあったものの 原油や石炭 等の国際価格が下落したことなどから横ばいとなった後 2 年 1 月期をピークとし て下落している このような輸入物価の動きもあり 緩やかに上昇していた国内企業物価は 2 年 1 月期より下落した 年平均でみ

平成 30 年 4 月 10 日公表平成 28 年 農業 食料関連産業の経済計算 ( 概算 ) - 農業 食料関連産業の国内生産額は 兆円で全経済活動の約 1 割 - 統計結果 1 農業 食料関連産業の国内生産額平成 28 年における農業 食料関連産業の国内生産額は 115 兆 9,63

1 仮想通貨の売却問保有する仮想通貨を売却 ( 日本円に換金 ) した際の所得の計算方法を教えてください ( 例 )3 月 9 日 2,000,000 円 ( 支払手数料を含む ) で4ビットコインを購入した 5 月 20 日 0.2 ビットコイン ( 支払手数料を含む ) を 110,000 円で

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イクル成分 のみから 需要側の動きの 仮置き値 の作成を行う これにより 次 QE から 2 次 QE への改定幅を縮小させることが期待される 本改善策は 22 年 4-6 月期 次 QE から導入する 本改善策の効果について 一定の仮定をおいて試算を行ったところ 民間企業設備の 2 年 7-9 月

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第 3 節食料消費の動向と食育の推進 表 食料消費支出の対前年実質増減率の推移 平成 17 (2005) 年 18 (2006) 19 (2007) 20 (2008) 21 (2009) 22 (2010) 23 (2011) 24 (2012) 食料

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為替リスクについてこの保険は 一時払保険料の払込通貨と契約通貨が異なる場合や 死亡保険金 解約払戻金 年金および定期支払金等 ( 以下 保険金等 ) 受取時の通貨が一時払保険料の払込通貨と異なる場合等に 為替相場の変動による影響を受けます したがって 保険金等を一時払保険料の払込通貨で換算した場合の

2. 管内の主な商品の動き 品目寄与度主な動き (%) 全店既存店 合計 1.7 猛暑により 帽子 日傘など UV 関連商品の動きが良かったことに加え 化粧品 高額品の動きが引き続き良かったことなどから 2 か月ぶりに前年を上回った 衣料品計 0.1 猛暑により 秋物衣料の動きは鈍か

申込にあたっての留意事項この仮想通貨付与プラン ( 以下 本プラン といいます ) にお申込みいただいたお客さまは 以下に定める内容に同意したものとみなします 適用対象本プランは 株式会社リミックスポイント ( 以下 当社 といいます ) との間で従量電灯又は低圧電力に関する需給契約を締結しているお

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第2章_プラントコストインデックス

事業所規模 5 人以上 (1 表 ) 月間現金給与額 産 業 ( 単位 : 円 %) 現金給与総額 きまって支給する給与 所定内給与 特別に支払われた給与 対前月増減差 対前年同月増減差 全国 ( 調査産業計 確報値 ) 262, , ,075

2015 年 3 月 9 日 対外 対内証券投資の動向 (2015 年 2 月分 ) 投資信託委託会社等による対外証券投資が大幅増加 財務省の 対外及び対内証券売買契約等の状況 ( 指定報告機関ベース ) によると 2 月の対外証券投資は +2 兆 6,754 億円の取得超となり 前月の +2 兆

九州百貨店 スーパー販売動向 平成 30 年 1 月 11 日 ( 平成 29 年 11 月分速報 ) 1. 概況 (1) 百貨店 スーパーの販売動向 1 全店 ( 百貨店 19 店舗 スーパー 409 店舗 計 428 店舗 ) 11 月の百貨店 スーパー販売額は1,312 億円 前年同月比 +2

1. 30 第 1 運用環境 各市場の動き ( 4 月 ~ 6 月 ) 国内債券 :10 年国債利回りは狭いレンジでの取引が続きました 海外金利の上昇により 国内金利が若干上昇する場面もありましたが 日銀による緩和的な金融政策の継続により 上昇幅は限定的となりました : 東証株価指数 (TOPIX)

平成 28 年 3 月 25 日公表平成 25 年度 農業 食料関連産業の経済計算 - 農業 食料関連産業の国内生産額は 97.6 兆円で全経済活動の約 1 割 - 統計結果の概要 1 農業 食料関連産業の国内生産額平成 25 年度における農業 食料関連産業の国内生産額は 97 兆 5,777 億円

事業所規模 5 人以上 (1 表 ) 月間現金給与額 産 業 ( 単位 : 円 %) 現金給与総額 きまって支給する給与 所定内給与 特別に支払われた給与 対前月増減差 対前年同月増減差 全国 ( 調査産業計 確報値 ) 278, , ,036

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夢のプレゼントの概要 (1) 仕組図 < イメージ図 > 円で目標設定タイプ 保険期間 10 年 (2) 主な取扱条件 米ドルで入金 3 万米ドル (1 米ドル単位 ) 最低豪ドルで入金 3 万豪ドル (1 豪ドル単位 ) 一時払保険料円で入金 300 万円 (10 万円単位 ) ( 基本保険金額

[ 調査の実施要領 ] 調査時点 製 造 業 鉱 業 建 設 業 運送業 ( 除水運 ) 水 運 業 倉 庫 業 情 報 通 信 業 ガ ス 供 給 業 不 動 産 業 宿泊 飲食サービス業 卸 売 業 小 売 業 サ ー ビ ス 業 2015 年 3 月中旬 調査対象当公庫 ( 中小企業事業 )

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空調夏期契約 ( 選択約款 ) 東海ガス株式会社 平成 28 年 5 月 1 日実施 平成 28 年 3 月 18 日届出

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輸送量 (kg) 海上分担率 図 1 に 07~14 年の日本発米国向けトランジスタ輸送の海上 航空輸送量と海上分担 率の推移を示す 800, , , , , , , ,

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2-2 需要予測モデルの全体構造交通需要予測の方法としては,1950 年代より四段階推定法が開発され, 広く実務的に適用されてきた 四段階推定法とは, 以下の4つの手順によって交通需要を予測する方法である 四段階推定法将来人口を出発点に, 1 発生集中交通量 ( 交通が, どこで発生し, どこへ集中

平成 23 年北海道産業連関表について 北海道開発局 1 北海道産業連関表作成の趣旨 北海道開発局では 北海道の経済 社会動向を的確に把握し 北海道総合開発計画を立案 推進するための基礎資料として 昭和 30 年表からおおむね 5 年ごとに 北海道産業連関表 を作成しています なお 北海道産業連関表

1 ( ) 4.1% 4.4% 4.% 1 ( ) 1.2%( ) 1.6% 3.8% 1( ) 5.6% 4, % 8 6.5% % 2 4.3% 47.8% 18.8% % 13 2, % 2.2% 13.% 218 ( ).

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日本において英語で経済学を教えるとは?

アヴァトレード ジャパン ( 株 ) 投資顧問契約締結前交付書面 ( 選択型自動売買 ) の改訂に係る新旧対照表平成 30 年 7 月 9 日改定後 ( 新 ) 改定前 ( 旧 ) < 省略 > < 省略 > P1 投資顧問契約の概要 P1 投資顧問契約の概要 < 省略 > < 省略 > 5MT4

受益者の皆様へ 平成 28 年 2 月 15 日 弊社投資信託の基準価額の下落について 平素より弊社投資信託をご愛顧賜り 厚くお礼申しあげます さて 先週末 2 月 12 日 ( 金 ) 以下のファンドの基準価額が 前営業日の基準価額に対して 5% 以上下落しており その要因につきましてご報告いたし

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審議事項 (2) 年 7 月 ASBJ/EFRAG のスタッフがのれんと減損に関する定量的調査の付属資料として作成した付録付録 1: 定量的調査の概要付録 2: 主要なデータ セット 参考訳 財務会計基準機構の Web サイトに掲載した情報は 著作権法及び国際著作権条約をはじめ

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I. 調査結果概況 景気判断 DI( 現状判断 ) は小幅に上昇し最高値を更新 仕入原価高止まりも客単価が上昇 10 月スーパーマーケット中核店舗における景気判断 49.1 と小幅に上昇し 2010 年 4 月の調査開始以降最高値を記録した 経営動向調査によると売上高 DI が 1.1 とはじめてプ

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別表 外国株券等に関する手数料及びその料率 1. 外国株券等 (1) 外国株券及び外国株式 区分 徴収対象者 徴収料率 預託手数料 預託等を行った外国株券等機構加入者 預託等 1 件につき 2,000 円 振替手数料 1 一般振替 ( 次の 2 及び 3 の振替以外の振替をいう ) の場合 a 細則

Transcription:

企業向けサービス価格指数 (2010 年基準 ) の概要 2016 年 12 月 作成部署 作成周期 公表時期等作成部署 : 調査統計局物価統計課作成周期 : 月次公表時期 : 速報値 原則として翌月の第 18 営業日 確報値 翌月分の速報公表日 ( 注 ) 計数の遡及訂正を年 2 回 (3 9 月 :2 8 月速報公表時 ) 定期的に実施( 対象は原則として過去 1 年半分 ) 公表方法 : インターネット ホームページ 日本銀行本店情報ルーム ( 月 ~ 金 8:50~17:00) 統計書 : 物価指数年報 金融経済統計月報 日本銀行統計 データ始期 : 1985 年 1 月 1. 調査対象 企業間で取引されるサービスの価格 調査価格数:3,533( 参考指数を含むベース 2014 年 5 月時点 ) 企業向けサービス価格指数は グローバル スタンダードであるサービスの 生産者物価指数 に概ね相当する 2. 統計内容 (1) 概要 目的 機能企業向けサービス価格指数は 企業間で取引されるサービスの価格変動を測定するものである その主な目的は 企業間で取引されるサービスに関する価格の集約を通じて サービスの需給動向を把握し 景気動向ひいては金融政策を判断するための材料を提供することにある また 名目生産額などの金額計数の変動から価格要因に起因する部分を取り除いて実質値を算出するデフレーターとしての機能のほか 企業間での個々の商取引における値決めの参考指標としての機能も有している (2) 対象範囲企業向けサービス価格指数は 国内のサービス提供者 ( 生産者 ) と国内企業との間で取引されるサービス ( 国内取引サービス ) を対象とし 原則 サービスの提供者 ( 生産者 ) 段階における価格 ( 生産者価格 ) を調査している 個人向けサービスは対象外としているが 主として個人向けであっても企業が同様に需要するサービス ( 郵便 電話など ) は 調査対象としている ただし 継続的に信頼性のある価格を調査することが困難で かつ採用品目の中に 属性の類似するサービスや価格動向を近似できる適当なサービスがないもの ( 金融仲介 卸小売など ) については 対象外としている

(3) 指数体系 品目分類編成 ウエイト企業向けサービス価格指数の指数体系は 基本分類指数と参考指数から構成される 基本分類指数は 国内のサービス提供者 ( 生産者 ) と国内企業との間で取引されるサービス ( 国内取引サービス ) を対象としている 一方 統計利用者からのニーズを考慮して 基本分類指数に属さないもの ( 企業間で取引されるサービスのうち 輸出 輸入取引 ) や 基本分類指数を加工したものを 参考指数として公表している < 基本分類指数 > 2010 年基準は 総平均 7 大類別 22 類別 57 小類別 147 品目から構成 基本分類指数は 消費税を含むベースで作成するほか 契約通貨が外貨建ての調査価格は円換算して集計している 参考系列として 総平均 ( 除く国際運輸 ) のほか 外貨建て価格を円換算せずに集計した 契約通貨ベース を作成 公表している ウエイトは 国内取引に該当する企業間取引額から算出している 基礎データとして 経済産業省 延長産業連関表 (2010 年 ) におけるサービス部門の企業間取引額 ( 中間需要部門 + 国内総固定資本形成 + 家計外消費支出 ) から 輸入取引該当額を控除した取引額を利用している < 参考指数 > 基本分類構成項目 ( 基本分類指数を構成する品目の内訳を指数化したもの ) リース料率 ならびに 清掃 設備管理 警備( 除機械警備 ) の民間向け/ 官公庁向け指数 輸出 輸入サービス価格指数企業間で取引されるサービスのうち 輸出取引 輸入取引を対象とする指数 各々 2 項目 5 項目から構成される 消費税を除く企業向けサービス価格指数基本分類指数について 消費税を除いたベースで作成したもの なお 消費税を除く企業向けサービス価格指数 の品目分類編成およびウエイトは 基本分類指数に準じる その他の参考指数はウエイトを設定していない (4) 指数の基準時およびウエイト算定年次指数の基準時およびウエイト算定年次は 2010 年 (5) 採用品目採用品目の選定は次のとおりである まず 企業間取引額が 原則として 5,000 億円以上のサービスを 小類別 として採用する 次に 各小類別を構成する個別品目のうち ウエイトデータが利用可能であり かつ 品質一定の下で継続的な価格調査が可能なものを 採用品目として選定している (6) 調査価格調査価格とは 継続的にサービスの価格を調査するに当たって 調査内容を定めた企業向けサービス価格指数の調査単位である 企業向けサービス価格指数は 品目内に複数の調査価格を設定している 調査価格の設定に際しては 1) サービスの代表性 2) 純粋な価格変化の補足 の 2 点を重視している

調査段階サービスは提供者 ( 生産者 ) から需要者へ直接供給されるケースが一般的なため 原則 サービスの提供者 ( 生産者 ) 段階における価格を調査している 調査時点原則としてサービス提供時点 価格調査方法原則としてサービス内容 取引先 取引条件などを特定した 実際の取引価格 を 継続的に調査している ( 銘柄指定調査 ) ただし 価格設定が多様化しているサービスや サービス内容の個別性が強いサービス ( オーダーメード サービス ) など 品質を固定した価格の継続調査が難しい場合は 取引実態に応じて 以下の価格調査方法を採用している 1 建値調査サービス内容や取引条件を特定した実際の取引において 目安とされる標準的な価格 ( 仕切価格 料金表価格など ) を調査 2 平均価格品質一定の条件を損なわない範囲で サービス内容や取引先 取引条件の異なる複数の取引をグルーピングして売上高を集計し 合計販売数量で除した平均価格を調査 3 モデル価格価格設定が多様化しているサービスについて 1) 取引条件の異なる複数の需要者を想定し それぞれの需要者にとっての最安値を 需要者のウエイトで平均した価格を調査 オーダーメード サービスについて 2) 仮想的な取引 ( サービス内容 取引先 取引条件 ) を設定し その条件でサービスを提供する場合の価格を調査 4 労働時間当たり単価 ( 人月単価 ) 労働投入量 ( 作業人月数 ) が品質に比例するとみなし得るサービスについて 労働時間当たりの単価を調査 また 従価制料金が適用される ( 金融やリースなど名目取引金額に対する料率で価格が表示される ) サービスについては 以下の価格調査方法を採用している 5 料率 インフレーター料率に適当な価格指数 ( インフレーター ) を乗じ 従量制に変換した価格を調査 毎月の価格は 原則として 翌月央に書面で調査している 外貨建て価格を調査している場合は 調査時点における銀行の対顧客電信直物相場 ( 月中平均 仲値 ) を用い 円換算している 欠測価格の取扱い統計公表までに報告がない場合や 取引の成約がない場合等に生じる 欠測価格 は 原則として前月の価格と同値 ( 横這い ) とする 外貨建て価格を調査している場合は 外貨建て価格を前月と同値とし 当該月の為替相場の動きを一律に反映させて 円建て価格を算出する 外部データの採用報告者負担の軽減を図るため 海上貨物輸送や土木建築サービスなどの一部品目では 精度が高く 継続的に利用可能な他機関統計や外部のデータベースを調査価格として採用している

調査価格の変更および品質調整方法調査価格について 調査対象サービスの代表性喪失 取引先の変更 調査先の変更などが生じた場合 速やかに調査価格の変更を行う この際 新旧調査価格における品質の変化に相当する価格差を除いた純粋な価格変動分のみを指数に反映する 品質調整方法としては 直接比較法 単価比較法 オーバーラップ法 コスト評価法 ヘドニック法の 5 つを用いている < 品質調整方法 > 名称 内容 直接比較法 単価比較法 オーバーラップ法 コスト評価法 ( 注 ) ヘドニック法 新旧調査価格の品質差を無視し得るものと判断し 表面価格差をそのまま価格変動として処理する方法 新旧サービスは数量こそ異なるが 新旧調査価格の品質は本質的に同一とみなされる場合において 新旧サービスの単価比を価格比とみなし 価格指数を接続する方法 同一条件の下で 一定期間 並行販売された 2 つのサービスの価格比が安定している場合 同一時点における新旧調査価格の価格差を品質差とみなし 価格指数を接続する方法 調査先企業からヒアリングした新旧調査価格の品質変化に要したコストを 両調査価格の品質差に対応する価格差とみなし 新旧調査価格の価格差の残り部分を 純粋な価格変動 (= 物価の変動 ) として処理する方法 サービス間の価格差の一部は これらサービスの有する共通の諸特性によって測られる品質差に起因していると考え サービスの諸特性の変化から 品質変化に見合う価格変動 部分を回帰方程式により定量的に推定し 残り部分を 純粋な価格変動 として処理する方法 ( 注 ) 他の品質調整方法の適用が困難である ないしは十分な品質調整が行えない場合において 特性を定量的に示すデータが継続的に入手可能であることを前提に 適用している (7) 指数算式 各時点ごとに各種サービスの価格をまず指数化し その価格指数を基準時に固定した金額ウエイトにより加重算術平均する 固定基準ラスパイレス指数算式 を用いている 固定基準ラスパイレス指数算式 : p q L t, i 0, i t, i P w 0, t 0, i p 0, i q 0, i p 0, i L P 0,t : 基準時点を 0 とした比較時点 t における固定基準ラスパイレス指数 p ti, : 比較時点 t における商品 i の価格 p 0,i : 基準時点 0 における商品 i の価格 w 0, i : 基準時点 0 における全取引額に対する商品 i の取引額シェア ( ウエイト ) q 0,i : 基準時点 0 における商品 i の数量 p

< 品目指数の算出 > 調査価格ごとに 当月の報告価格 ( 比較時価格 ) をそれぞれの 基準時価格 ( 基準年平均 =100.0 に相当する価格 ) で除して個別の調査価格指数を算出する この調査価格指数に各々の調査価格ウエイトを乗じ ( 調査価格の加重指数 ) 当該品目に属する全調査価格の加重指数の合計 ( 品目加重指数 ) を当該品目のウエイトで除することにより 品目指数を算出している < 上位段階の指数の算出 > 総平均 大類別 類別 小類別といった上位段階についても 品目指数と同様の集計方法により 当該分類に属する全調査価格の加重指数の合計を当該分類のウエイトで除することにより 指数を算出している (8) 指数の公表企業向けサービス価格指数は 毎月第 18 営業日 ( ただし 月間の営業日数が短い場合などには公表日を若干繰り上げる ) の午前 8 時 50 分に 前月分の速報値および前々月分の確報値を公表している また 年 2 回 (3 9 月 :2 8 月速報公表時 ) 指数の定期遡及訂正を実施している < 指数を非公表とする品目 > 複数調査先による 3 調査価格以上を設定できない品目は 価格情報を秘匿するため 同じ小類別に属している別の 1 品目と共に非公表としている ( 指数公表に調査先からの同意が得られた場合を除く ) < 指数の訂正 > 確報値の公表以降に判明した計数を指数に反映するため 遡及訂正を実施している 定期遡及訂正は 原則として 過去 1 年半分を対象とする 複数月に亘る契約期間の終了後に価格が確定する場合など 統計公表までに入手できない 欠測価格 は 定期遡及訂正時に確定価格に置き換えるため 大幅な指数の訂正が生じる場合がある ( 品目 携帯電話 PHS 移動データ通信専用サービス 受託開発ソフトウェア など ) なお 総平均指数に影響が及ぶなどの大きな変動が生じた場合には 定期遡及訂正とは別に 判明した直後の公表月に遡及訂正を実施することがある (9) 接続指数接続指数は 基本分類指数の品目以上の全指数系列と 参考指数 消費税を除く企業向けサービス価格指数 のうち 総平均 総平均 ( 除く国際運輸 ) 国際運輸 について 作成している