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3. 排ガスガス処理設備 3.1 ばいじん除去設備ごみ焼却排ガス中のばいじんを除去する設備は 近年では 焼却施設には使用実績が最も多いろ過式集じん器が多く使用されています ろ過式集じん器はバグフィルタとして知られています バグフィルタは 単にばいじんを除去することだけを目的とするのでなく 有害ガス ( 酸性ガス ) 除去を含めた排ガス処理システムの一部として使用されています (1) 原理バグフィルタは テフロンフェルトやガラス繊維等を使ったろ布 ( 織布 不織布 ) によりばいじんをろ過するもので ろ布の表面にたい積したばいじん等が粒子層を形成して ろ過効果を高め 非常に微細な粒子まで集じんすることができます 非常な大きな電気掃除機と同じ機構と考えられます ろ布にばいじんが堆積することにより圧力損失が上昇した場合 払い落とし操作によって堆積したばいじん ( 集じん灰 ) を払い落とし 再度ろ過を継続する機構となっています 払い落とし方式としては代表的なものは 逆圧払い落し方式とパルスジェット式が一般的に使われています 図 -1に一般的な構造図とパルスジェット式の払い落としの機構図を参考として示します 後述するようにバグフィルタの手前の煙道に消石灰や活性炭等を吹き込むことにより HClや SOxを中和し除去する目的でも乾式法として使用されています バグフィルタの構造例 パルスジェット式 処理排ガス出口 捕集 逆洗中 排ガス入口 図 -1 バグフィルタの構造図と払い落とし機構 2

3.2 酸性ガス (HCL,SOx) 除去設備排ガス中の HCl, SOxを除去する方式として前述したような乾式法と湿式法に大別できます 乾式法は反応生成物が乾燥状態で排出され 湿式法は水溶液にて排出されます (1) 乾式法乾式法は 消石灰 (Ca(OH) 2 ) 等のアルカリ粉体をバグフィルタの前の煙道に吹込み 反応生成物を乾燥状態でバグフィルタで捕集し回収する方法です HCl, SOxと消石灰との反応式は Ca(OH) 2 + 2HCl CaCl 2 +2H 2 O Ca(OH) 2 + SO 2 CaSO 3 + H 2 O で 生成された塩化カルシウム (CaCl 2) ) 等がばいじんとしてバグフィルタで捕集されます 乾式法は 湿式法に較べて薬剤の使用量は多いが 最近では 湿式法と較べて性能的で遜色の無い機種も実用化されています また 活性炭を吹込み ダイオキシン類を同時に除去する方法が併用されていることもあります 図 -2にバグフィルタによる乾式法の処理フロー例を示します 消石灰貯留槽 活性炭貯留槽 ボイラ 減温塔 バグフィルタ 二次送風機ごみ 焼却炉 バグフィルタへの排ガスの入口温度を 200 以下にする 熱効率を考慮し 設けないこともある 排ガス中のばいじん 重金属類 消石灰等との反応生成物や活性炭に吸着したダイオキシン類 水銀等を除去する 誘引送風機 押込送風機 蒸気式空気予熱 灰出し装置 灰ピット 図 -2 バグフィルタによる乾式法 3

(2) 湿式法湿式法は水や苛性ソーダ (NaOH) を吸収塔に噴霧し 反応生成物を NaCl Na 2 SO 3 等の水溶液で回収する方法です 一般に湿式排ガス処理方式は 乾式処理方式に比べて酸性ガス 有害ガスや水銀や重金属類の除去に優れています 湿式ガス洗浄塔のフローを図 -3に示します ガス出口 ガス入口 ガス再加熱器 NaOH P 図 -3 湿式処理フロー この反応式は以下のとおりです NaOH + HCl NaCl +H 2 O 2NaOH + SO 2 Na 2 SO 3 + H 2 O この NaCl,Na 2 SO 3 溶液は 重金属類を含んでおり排水処理設備で処理することになるので 乾式法に比べて複雑となり 運転費や建設費は高くなります また 排水処理後の処理水は 下水道処理施設への接続が一般的です 洗浄塔出口排ガスは 水分飽和ガスの状態なっているので大気に放出すると白煙を生じやすい そのため 減湿塔を設け冷水で温度を下げて除湿し さらに排ガスを再加熱してガス温度を上げ 白煙防止を図ることが多いです その分 蒸気の熱エネルギーが必要となります ( 発電量は乾式よりその分少なくなります ) 湿式法は 乾式法と併用で用いられることが一般的です 図 -4には 乾式法 + 湿式の処理フローを示します この図に示しますように 前段でバグフィルタを設け 湿式と併用することが多いです この湿式法により酸性ガスを除去するので HClやSO 2 15ppm 以下にすることは可能です 4

ボイラ 消石灰貯留槽 減温塔 活性炭貯留槽 白煙を抑制するためにガスの温度を上げるために再加熱する 二次送風機ごみ ろ過式集じん器 ガス再加熱器 押込送風機蒸気式空気予熱器 焼却炉 灰出し装置 灰ピット バグフィルタへの排ガスの入口温度を 200 以下にする 熱効率を考慮し設けないこともある 排ガス中のばいじん 重金属類 消石灰等との反応生成物や活性炭に吸着したダイオキシン類 水銀等を除去する ガス洗浄塔 NaOH バグフィルタでばいじんを除去した後 苛性ソーダ等と排ガスを接触させて高効率で酸性ガスを除去するとともに重金属類も除去する 誘引送風機 図 -4 乾式法 + 湿式法の排ガス処理フロー 3.3 NOx 除去設備ごみ焼却排ガス中の窒素酸化物 (NOx) 除去 ( 脱硝 ) 技術は 大別すると燃焼制御法と乾式法があります このうち 燃焼制御法では 低酸素法や水噴射法 乾式法では無触媒脱硝法 触媒脱硝法の採用例が多いです (1) 燃焼制御法燃焼制御により NOxの発生を抑制する方式で 炉内を低酸素雰囲気にすることにより 燃焼ガスからアンモニアを発生させてアンモニアの還元作用により NOxを窒素ガスに分解する方式 ( 自己脱硝方式 ) です しかし 過度な低酸素を行うと不完全燃焼を生じやすいので 自己脱硝反応の完了後に二次空気を供給し 未燃ガスの完全燃焼を図っています 水噴射法は 炉内に水を噴霧し 燃焼温度を制御する方法です また 排ガス再循環法として燃焼ガスの一部を炉内に戻すことにより 低酸素雰囲気を作り NOxの発生量を低減する方式もあります いずれも 簡易な設備で済むことから採用例は多いですが 除去効率はあまり高くなく 80~ 150ppm 程度です (2) 乾式法 1 無触媒脱硝法焼却炉内にアンモニアガス (NH 3 ) 又はアンモニア水 尿素 ((NH 2 ) 2 CO) を噴霧して NOxを分解する方式 反応は次式で進行している 4NO+4NH 3 +O 2 4N 2 +6H 2 O 5

4NO+2(NH 2 ) 2 CO+O 2 4N 2 +4H 2 O+2CO 2 この方式の除去率は 30% 程度であるが 設備構成が簡単で設置も容易なことから簡易脱硝方式として広く採用されています 2 触媒脱硝法本方式は 触媒表面上で排ガス中の窒素酸化物をアンモ ニアの存在下で窒素ガスに分解するものです アンモニア (NH3) を排ガスに吹き込み 触媒によりアンモニア (NH3) と窒素酸化物 NOx(NO NO2) を選択的に反応させ 水 (H 2 O) と窒素 (N 2 ) に分解する方法です 脱硝装置では 触媒は 図 - 5 に示すようにハニカム形状に充填され 触媒層入口部に吹き込んだ NH3 との反応により NOx(NO, NO 2 ) は水蒸気 (H 2 O) と窒素 (N 2 ) に分解する 触媒の成分は 酸化チタン (TiO 2 ) を主成分 A とし 活性成分である酸化バナジウム (V 2 O 5 ) 酸化タングステン (WO 3 ) などが添加されています 4NO + 4NH 3 +O 2 4N 2 + 6H 2 O 図 -5 触媒脱硝装置方式は 高効率 (60%~80%) で NOxを除去します 排出濃度は 20~60ppm 程度です ( ごみ処理施設整備の計画 設計要領参照 ) しかし 構成設備が複雑で設備と維持管理は乾式法に比べると高くなります - 触媒脱硝設備は ばいじんが除去されたバグフィルタの後段に設置されることが多いです 図 -6 に乾式 + 湿式 + 触媒脱硝法の排ガス処理フローを示す 混合スクリーン A 消石灰貯留槽 活性炭貯留槽 ボイラ 二次送風機ごみ 減温塔 ろ過式集じん器 ガス再加熱器 触媒脱硝反応塔 NaOH アンモニア注入 焼却炉 ガス洗浄塔 誘引送風 押込送風機蒸気式空気予熱 灰出し装置 飛灰貯留槽 灰ピット 図 -6 乾式 + 湿式 + 触媒脱硝法の排ガス処理フロー 6

3.4 ダイオキシン類対策ダイオキシン類は 焼却炉の性能や完全燃焼の維持等により抑制することができます 具体的には 850 以上での燃焼 2 秒以上の燃焼室でのガスの滞留時間 燃焼ガスの十分な攪拌により抑制が図られます ダイオキシン類の除去は 表 -1に示すように活性炭の吹き込みによりろ過式集じん器で捕集する乾式法の併用や 触媒によるダイオキシン類の分解方式が用いられることが多くなっています 表 -1 ダイオキシン類の低減対策 対策 1 ろ過式集じん器を低温域で運転することで ダイオキシン類除去率を高くする 排ガス中に活性炭あるいは活性コークスの微粉を吹き込み 後段のろ過式集じん器 2 で捕集する 粒状活性炭あるいは活性コークスの充填塔 ( 活性炭吸着塔 ) に排ガスを通し これら 3 の吸着能により排ガス中のガス状ダイオキシン類を除去する 4 触媒を用いることによってダイオキシン類を分解して無害化する 7