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第1 予算編成の基本的な考え方

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0.表紙

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総務委員会会議録

Transcription:

笠原諸島森林生態系保護地域林野庁関東森林管理局小後世に 残したい自然

Ⅰ はじめに 小笠原諸島は過去に一度も大 陸と陸続きになったことがない 海洋島で 独自の進化を遂げ 他では見られない貴重な野生動 植物が生息 生育する森林が多 く残されています 一方 人為的影響を受けやす い非常にぜい弱な地域です 父島 夜明山の乾性低木林 小笠原諸島の固有種が数多く生息 生育する独自の生態系です 小笠原諸島の生き物たち 写真提供 千葉夕佳 無断転用禁止 複製禁止 オガサワラノスリ 父島 母島列島に分布する固有亜種で 全島で150個体程度が生息していると考え られます ムニンツツジ 父島の固有種で 躑躅山 つつじやま に自生 している希少種です

Ⅱ 小笠原諸島森林生態系保護地域の設定 関東森林管理局では 小笠原諸島固有の生態系の保護や保全を行うために 平成 18 年 3 月 小笠原諸島森林生態系保護地域設定委員会 を設置し 平成 1 9 年 4 月に小笠原諸島にある国有林野のほとんどを森林生態系保護地域に設定しました (1) 設定委員会設定にあたっては 東京都 小笠原村 環境省 小笠原総合事務所 地元観光協会 小笠原村エコツーリズム協議会 地元 NPO NGO 日本自然保護協会 研究機関や学識経験者から構成された設定委員会で検討を行いました (2) 概要 委員会による現地確認 面積は小笠原諸島 (10,441ha) の 53% にあたる 5,580ha の国有林です 内訳 保存地区 ( コアゾゾーン ) 5,319ha 保全利用地区 ( バッファゾーン ) 261ha 保存地区 ( コアゾーン ) 原則として人手を加えず 自然の推移に委ねる地区 既設の歩道等を利用し 必要に応じ利用の制限などを行います 保全利用地区 ( バッファゾーン ) 保存地区への影響を緩和する地区 教育的利用 森林レクリェーションとして保存地区に影響が及ばない範囲で利用することができます

森林生態系保護地域 ( 父島列島 聟島列島 ) 保存地区 保全利用地区

森林生態系保護地域 ( 母島列島 火山列島 ) 保存地区 保全利用地区

Ⅲ 森林生態系保護地域の主な植生 小笠原諸島の植物は 自生する 309 種のうち 143 種 (46%) が固有種となっており これらの植物により構成される植生は他では見られない独自のものです 固有種率が高いのは海洋島の特徴です 湿性高木林 ウドノキ - シマホルトノキ群落 亜熱帯気候における小笠原固有の植生 ( 極相林 ) で ウドノキの存在が特徴的です 母島の石門山と桑ノ木山 父島の三日月山と桑木山の一部に見られます 弱湿性風衝地低木林 ( 雲霧林 ) ワダンノキ群落 母島の乳房山から石門山にかけての標高 30 0m 以上の稜線に近いところに見られ ワダンノキが優占する高さ 2~4m の低木林です 乾性低木林 コバノアカテツ - シマイスノキ群落 父島 ( 夜明平 中央山東平など ) 兄島の乾燥した山頂緩斜面を中心に広がる高さ 5~8 m の低木林で シマイスノキの優占が特徴的です 母島の湿性高木林と並んで小笠原を代表する森林タイプです このほか 湿性亜高木林 ( モクタチバナ - テリハコブガシ群落 ) 適潤性高木林 ( ムニンヒメツバキ - コブガシ群落 ) 風衝地高木林 ( オガサワラビロウ - タコノキ群落 ) などの植生があり いずれも小笠原本来の代表的な自然を残す貴重なものです

Ⅳ 保全管理の方向づけ 小笠原諸島森林生態系保護地域においては 小笠原諸島の特異的な自然をこれ以上劣化させず後世に残すと同時に 人為活動や外来種の影響により劣化した自然を 徐々に原生的な自然に回復させることを目標として 多くの関係者の方々にご協力をいただき 平成 20 年 3 月に 保全管理計画 を作りました (1) 保全管理計画の策定保全管理計画の策定にあたっては 地元行政機関 観光協会 地元 NPO 地元 NGO 各種研究機関や学識経験者から構成された保全管理委員会で検討 審議を行いました ご協力いただいた団体等です 環境省小笠原自然保護官事務所 NGO 小笠原自然観察指導員連絡会 NPO 小笠原野生生物研究会小笠原村 NPO 小笠原自然文化研究所東京都小笠原支庁小笠原村観光協会各種研究機関等母島観光協会 小笠原諸島森林生態系保護地域の保全管理計画は 関東森林管理局のホームページで公開しています (2) 保全管理計画のポイント保全管理計画のポイントは 次の2 点です ポイント1 固有の生態系の保護 小笠原諸島固有の生態系を保護するために 外来種対策を計画的に進めます ポイント 2 利用と保護の調整 利用による固有の生態系へのインパクトの軽減を図るため 関係機関と連携して利用と保護の調整を図ります (1) 立入は指定されたルートに限定します (2) ガイド等の同行を条件とします

ポイント 1 固有の生態系保護固有の生態系保護 小笠原諸島には 貴重な野生動植物が生息 生育していますが アカギ等の外来種の拡大などにより固有の生態系の衰退が深刻な状況となっています 外来樹木の脅威 アカギに占有された森林 モクマオウに占有された森林 修復に向けて 外来種の駆除 国有林を管理している林野庁 ( 関東森林管理局 ) では 関係機関等と連携し 島民の方々の協力を得て 外来種対策を計画的に進めていくこととしています

特に緊急に対策を講じる地域 保全管理計画では 外来種駆除などについて 特に緊急に行う地域を定め 関係機関 ( 小笠原村 東京都 環境省等 ) や地元 NPO NGO と連携を図りながら 優先的に生態系の修復を図っていくこととしています 兄島 小笠原諸島で最大規模の乾性低木林が分布 母島 ( 中北部 ) 湿性高木林が分布 アカカ シラカラスハ ト等が繁殖 父島 ( 東部 ) 乾性低木林の分布 アカカ シラカラスハ ト等が繁殖

ポイント 2 利用と保護の調整利用と保護の調整 レクリェーションや環境教育活動等 利用による固有の生態系へのインパクトを軽減し 将来的にも持続可能な利用と生態系保護の調整を図るため 次のような仕組みを導入します (1) 立入は指定されたルートに限定します (2) ガイド等の同行を条件とします ( 指定ルート ) ( 指定ルート以外 ) 保存地区 保全利用地区 ( ピンク色のルート ) 入林許可を受けたガイド等に同行してください なお 調査 研究活動 環境教育 商業的活動の場合は活動報告の提出が必要です ( 緑色のルート ) 入林許可は不要です 原則として入林禁止です ただし 次に該当する行為に限り 入林申請により入林可能です 1 モニタリング 学術研究 2 標識類の設置 維持修繕 3 既設歩道等の維持修繕 4 その他法令に基づく行為 入林許可が必要です 入林申請を提出し 許可を受けてください なお 調査 研究活動 環境教育 商業的活動の場合は 活動報告の提出が必要です ( 注 1) 海岸及び保全利用地区内の指定ルートの利用については入林許可は不要です ( 注 2) 保存地区の入林許可にあたっては 希少な動植物の生息 生育環境の保全と利用に関する講習 ( 利用講習 ) を受けていることを要件としています ( 利用講習は毎年定期開催します ) 利用講習の受講資格は 18 歳以上であって 1 小笠原村に住所を有する者 2 小笠原村居住者 3 自然観察会 環境学習の指導者 4 研究者及び同補助者 作業者です なお 個人的レクリエーション活動の上記 2 の者 調査研究を行う上記 4 の者は 入林申請に際し 国有林課で簡易な講習を受けることにより 利用講習の受講に代えることができます 詳細は小笠原総合事務所国有林課にお問い合わせ下さい ハハジマノボタン ムニンノボタン

森林生態系保護地域内のルートの扱い 保存地区 ( コアゾーン ) 保存地区内の指定ルート ( ガイド等の同行が必要 ) 保全利用地区 ( バッファゾーン ) 保全利用地区内の指定ルート ( ガイド等の同行は不要 ) 公道 貸付歩道 公園歩道等 ( ガイド等の同行は不要 ) 注 1 オガサワラノスリやアカガシラカラスバトの生息に影響を与える可能性のあるルートについては 繁殖期間中の立入をご遠慮いただきます 注 2 保護地域の中でも 東平アカガシラカラスバトサンクチュアリー 南島 石門地区については それぞれの地域ごとのガイド資格を有したガイドの同行が必要です

写真提供 千葉夕佳 無断転用禁止 複製禁止 オガサワラノスリ アカガシラカラスバト 乾性低木林 シマホルトノキ 小笠原の森林生態系保護地域の保護 保全にご理解 ご協力をお願いします 問い合わせ先 関東森林管理局 計画課 371-8505 群馬県前橋市岩神町4-16-25 TEL 027-210-1170 小笠原総合事務所国有林課 小笠原諸島森林生態系保全センター 100-2101 FAX 027-210-1174 東京都小笠原村父島字東町152 TEL 04998-2-2103 FAX 04998-2-2650