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全苗連だより Vol.44(3 月号 ) 平成 30 年 3 月 26 日発行 : 全国山林種苗協同組合連合会 Tel.03-3262-3071 Fax.03-3262-3074 宮﨑県苗組林田喜昭氏 第 56 回農林水産祭天皇杯受賞の 業績概要並びに天皇皇后両陛下拝謁のご報告 平成 29 年度 ( 第 56 回 ) 農林水産祭において宮崎県苗組の林田喜昭氏が天皇杯を受賞されましたことは 全苗連だより 10 11 月号にて既報したところですが 林田氏は農林水産祭天皇杯の受賞者 (7 部門 14 人 ) として 去る1 月 26 日 皇居において天皇皇后両陛下に拝謁を賜り 林田氏が代表でお礼の言葉を述べました その後の各部門の受賞者による概要説明に移り 林田夫妻との懇談では天皇皇后両陛下からの励ましのお言葉を賜りました 氏の業績概要等につきまして 以下に紹介します 林田喜昭氏のプロフィール 1. 略歴昭和 31 年宮崎県日向市生まれ昭和 54 年日本大学農獣医学部林学科卒業昭和 54 年株式会社本橋造園就職昭和 55 年家業である林田農園を父林田富雄氏より引き継ぐ平成 3 年宮崎県緑化樹苗農業協同組合理事就任 (~8 期 ) 平成 9 年宮崎県林業用種苗需給調整協議会委員就任平成 9 年宮崎県樹苗需給安定基金協会理事就任平成 27 年宮崎県緑化樹苗農業協同組合副組合長就任平成 28 年公益財団法人宮崎県森林林業協会理事就任 2. 受賞歴平成 16 年第 55 回全国植樹祭緑化功労賞受賞平成 17 年平成 16 年度全国山林苗畑品評会林野庁長官賞受賞

平成 18 年第 42 回宮崎日日新聞賞産業賞受賞 ~スギ小型挿し穂の生産技術開発 ~ 平成 22 年公益社団法人国土緑化推進機構 森の名手 名人 顕彰平成 25 年第 49 回宮崎日日新聞賞科学賞受賞 ~Mスターコンテナ苗を用いたスギ苗生産技術の開発研究 ~ 平成 29 年平成 28 年度全国山林苗畑品評会農林水産大臣賞受賞平成 29 年第 56 回農林水産祭天皇杯受賞 業績概要 1. 地域の概要川南町は 宮崎県のほぼ中央部に位置し 優れた自然景観に恵まれている 宮崎県は温暖 多照にして降雨量の多い気象条件でスギの成育に非常に適しており スギ素材生産量が平成 3 年から 26 年連続で全国 1 位となるなど 国内最大のスギ生産拠点となっている 2. 取組の経過と経営の状況林田氏は 昭和 55 年に家業の林田農園を引き継ぎ スギ挿し木苗を中心に 抵抗性クロマツやクヌギの苗木生産を専業で行ってきた 本人夫婦と息子夫婦に加え4 名の女性を通年雇用しており スギの挿し付け本数約 37 万本は宮崎県の中でもトップクラスの規模である 得苗率 ( 植付本数に対する出荷苗木本数の割合 ) も毎年安定して高く 平成 28 年は 84% で宮崎県平均の 72% を大きく上回っている スギ路地苗 写真 1 苗畑の状況 スギコンテナ苗 3. 特色 (1) 小型さし穂による育苗技術の確立通常 1 本の母樹から確保できる穂木は 100 本程度であるが 林田氏は小型挿し穂を用いたスギの育苗技術を確立し 1 本の母樹から 300 本以上の穂木を確保することに成功している

写真 2 スギ小型挿し穂と品種系統が明確な自家採穂園 (2)M スターコンテナ苗生産のパイオニア将来の低コスト林業実現に向けて宮崎県林業技術センターが開発したコンテナ苗 (M スターコンテナ苗 : 培地を片面が波形になったシートで巻いて育成した苗 ) を苗木生産現場に展開するに当たり 実用化に向けたマニュアル作成に多大な役割を果たすとともに 育苗技術の高度化に向けた実績を積み上げている 写真 3 M スターコンテナ苗 (3) 技術の組み合わせによる大量生産と安定経営挿し穂の挿し付け時期を路地苗用の春期とコンテナ苗用の秋期に分散させ 年間労務が平準化するよう調整することや ハウスを活用して育苗期間を短縮させるなど独自に開発した技術の組み合わせによって 優良苗木を大量かつ安定的に供給することにより現場ニーズに応えている 4. 普及性と今後の発展方向

苗木の善し悪しは林業にとって大変重要であるが 技術的 経営的工夫を行いつつ 地域の苗木供給全体の状況を踏まえて取り組んでいる林田氏の姿勢は 地域の生産者の模範となっている 林田氏の取組は 主伐期を迎えた人工林の伐採後の再造林を進めるに当たり 今後ともその役割が大きくなっていくものと期待される ( 文 : 農林水産祭式典資料より ) 愛知県林業種苗協同組合初の女性理事長前田臣代さんが 平成 29 年度農山漁村女性活躍表彰 で林野庁長官賞を受賞! 農林水産業における女性の優れた活動を表彰する 農山漁村女性活躍表彰 ( 農山漁村男女共同参画推進協議会主催 ) において 愛知県苗組の前田臣代 ( まえだとみよ ) さんが 優秀賞である林野庁長官賞 ( 女性起業 新規事業開拓部門 ) を受賞されました 前田さんは愛知県林業種苗協同組合初の女性理事長であり 全国でも唯一の女性理事長です 祖父 父に続く前田樹苗園の三代目であり 苗木づくりは林業の根幹である という強い熱意のもと苗木生産に取り組んでおり 今後の活躍が期待されています 受賞の内容 (1) 受賞者 : 前田臣代 ( 丹羽郡大口町 ) (2) 賞の種類 : 優秀賞 (3) 賞の名称 : 林野庁長官賞 (4) 部門 : 女性起業 新規事業開拓部門 ( 女性ならではのアイディア等に基づいた起業活動や新規事業により成果を得ている取組 ) 表彰式 (1) 日時 : 平成 30 年 3 月 7 日 ( 水 ) ( 農山漁村女性の日記念行事 未来農業 DAYs にて行われました ) (2) 場所 : 東京大学安田講堂 ( 東京都文京区本郷 7-3-1) 宮城県農林種苗農業協同組合の齋藤豊彦氏が 平成 29 年度 森の名手 名人 に認定されました!

公益社団法人国土緑化推進機構が主催する平成 29 年度 森の名手 名人 に, 宮城県苗組の齋藤豊彦氏が認定されました 氏は, 家業の山林種苗生産業を受け継いで優れた苗木を生産しながら, 全国に先駆けてコンテナ苗の生産方法を確立し, 高い養苗技術を有し, 近年は海岸防災林再生のためのクロマツ苗の生産に尽力され, 地域の模範的苗畑経営を持続させながら, 被災地の復興に貢献されています この認定を受け, 去る 2 月 28 日に開催されました公益社団法人宮城県緑化推進委員会定時総会の席上で, その功績を称え県産ケヤキ材で製作された 称号板 が授与されました 森の名手 名人 は, 森や山に関わる生業や, 日本の風土 地域生活に染みこまれた営為のうち, 特に優れた技をもってその業を究め, 他の技術 技能者, 生活者らの模範となっている達人が認定されるもので, その技を育んできた地域の自然や気風を守り育てていくことが期待されています ( 技術情報 ) 静岡県の苗木申込生産の仕組みについて 山林種苗の需給関係は これまでお伝えしてきたように 昭和 40 年代初頭の13 億本から減少を続けて50 年余 ここにきてやっと底を打った (H25/56 百万本 H26/57 百万本 H27/61 百万本 ) ところです これまでの需給調整会議の議論の中心であった残苗対策が影を潜め 1 裸苗からコンテナ苗への切り替え 2 特定母樹由来や花粉症対策苗木の供給 3カラマツの増産等 時代のニーズに対応するものとなってきています 今回は 変化する需給状況に対応するための取組の一例として 静岡県山林種苗協同組合連合会の 苗木申込生産の仕組みについて 以下に紹介します ( 基本的考え方 ) 静岡県ではスギ ヒノキ コンテナ苗共に 2 年生で生産しています 需要者側と生産者側の信頼関係に基づき 2 年先まで需要者側は県苗連に対して苗木需要量の計画を提示し それに基づき県苗連が責任をもって得苗率を考慮しながら生産計画を立案し実施していくことになります それぞれの需要申込 生産計画は静岡県種苗委員会で検討 承認され 出荷状況等も出荷終了後 残苗は規定の範囲内か 品質のトラブルの有無等 この委員会で報告されていきます この様なシステムを導入することにより 残苗の低減につながり 生産者の経費減 リスク減になり毎年需要本数だけ生産できる体制が整うことが出来ました

( 静岡県種苗委員会とは ) 県 森林管理署 静岡県森林組合連合会 森林整備センター 静岡県山林種苗協同組合連合会で 構成され 担当者レベルの幹事会 各長を主体とした委員会を出荷終了時 6 月と 12 月にそれぞれ 年 2 回開催します 県苗連に対し各需要申込は下記の様になります 播種計画 山行仕立 (2 年前 ) ( 次年度 ) 森林管理署 県内 3 管理署の需要申込 見込計画本数 計画本数 森林整備センター 需要申込 見込計画本数 計画本数 森林組合連合会 各森林組合の需要申込 見込予約本数 予約本数 播種計画から山行仕立の計画時に変更可能とします 次年度の計画は特に森林管理署 森林整備センターは予算執行の判断もあり 2 年前の見込計画と は相違することは認められます 県苗連では次年度の作付け本数は稚苗で調整することを前提にし ており変更されても被害を最小限にすることができます ( 今後の課題 ) 残苗が生じた時には 90% 出荷を目途とし それ以上に出荷が減ったときは当事者間で話し合 い 補償の対象にしたいと考えています 静岡県では県苗連が各団体より需要計画を提示してもらい生産計画を立ててい ます 生産の効率と少しでも残苗が生じない方策が示されています 全苗連 苗組の行事予定 ~H30.3 1コンテナ苗生産未経験者を対象とした研修会 2コンテナ苗生産新規参入者を対象とした研修会 3コンテナ苗生産経験者を対象とした巡回指導等実施者 ; 該当道県苗組 3 月 23 日第 36 回林業退職金共済事業関係運営委員会 ( コープビル ) 3 月 23 日一般社団法人林業薬剤協会第 3 回理事会 ( 学士会館 ) 5 月 11 日全苗連理事会 5 月 25 日全苗連通常総会 9 月 6 日全苗連生産者の集い ( 岡山コンベンションセンター ) ~7 日