公共建築工事積算に資する調査・検討(08)業務

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建築コスト研究 第13号 平成26年度

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公共建築改善プロジェクト(仮)

(2) 共通費 第 3 編共通費 2 第 1 章共通事項 1 共通費算定に関する数値の取り扱い (1) 率による算定共通費基準の率により算定した金額は 一円未満切捨てとする (2) 積み上げによる算定積み上げによる算定は第 4 編 1に準ずる (3) 一般管理費等イ. 算出された金額の範囲内で 原則

(3) 中規模改修工事費 建設年代別にm2単価を設定する 大規模改修後及び改築後は 水準別にm2単価を設定し 冷房設備ありの場合は別途m2単価を設定して加算する 表 中規模改修工事費 大規模改修前 大規模改修後 改築後 中規模改修建設年代改築後改築後大規模改修後円 / m2従来改築一般施

イプ 継手バルブ計器計測配管関連排水 鋳鉄ポンプ ろ過機タンク 給水装置浄化槽 トイレ機械工具付録106 本カタログに掲載の価格 規格 仕様は予告なく変更することがありますのでご了承ください 価格には消費税は含まれておりません パダブルロック給水 給湯配管システム 定価 : 円

202000歩掛関係(151001) END.xls

Microsoft PowerPoint _IAI総会用(設備FM分科会配布資料)Ver10.pptx


また 建築工事市場単価フォローアップ要領 の3. 検討のための要件及び対応の内 3-4 本施行されている工種の急激な価格変動が認められた場合 の調査方法について フォローアップにおける定点調査の所要な変更を行った 内容は次回の定点調査は代表細目から全細目に変更することし 解りやすい表現とした 3.2

【配布資料】

岐阜県県土整備部発注の建設現場環境改善モデル工事実施要領 ( 趣旨 ) 第 1 条この要領は 岐阜県県土整備部の各機関が発注する建設工事のうち 担い手確保のため建設現場環境改善モデル工事 ( 以下 モデル工事 という ) を実施するための事項を定めるものとする ( モデル工事 ) 第 2 条モデル工

市場単価 2,500 Market unit price コンクリート工事 ( 施工費のみ )1 Placing concrete (labor only) ( コンクリート打設手間 コンクリートポンプ圧送 ) ( 単位 : 円 /m 3 ) (Concrete placing works, Con

市場単価 8,000 シーリングディフューザー ( アネモ形 取付費のみ )1 Ceiling diffuser (labor only) C2#20( ネック径 200φ) (\/ 個 ) 0 Market unit price C2#20 (neck diameter 200mm) (\/eac

仮設建物費 ( 建築分野のみに適用 ) 工事等協力の対象となる地域によって 安全上の配慮から日本人常駐管理者の宿泊施設が JICA もしくは在外公館によって指定される場合には 指定された宿泊施設の中から見積を取り その金額 (JICA 等との間に料金に係る取極めがある場合にはその金額 ) に基づいて

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平成 30 年度 施工パッケージ型積算方式標準単価表 (30 年 4 月 1 日以降入札を行う工事から適用 ) 国土交通省 港湾空港関係

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ダクトの吊り金物 形鋼振れ止め支持要領 (a) 横走りダクト (1) 吊り金物 (2) 形鋼振れ止め支持インサート金物インサート金物 ダクト 吊り用ボルト (M10) h ダクト L a 材 形鋼 (b) 立てダクト ( 形鋼振れ止め支持 ) 注 (2) のa 材及びインサート金物は 形鋼振れ止め支

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スライド 1

国土技術政策総合研究所 研究資料

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8 章橋梁補修工 8.1 橋梁地覆補修工 ( 撤去 復旧 ) 8.2 支承取替工 8.3 沓座拡幅工 8.4 桁連結工 8.5 現場溶接鋼桁補強工 8.6 ひび割れ補修工 ( 充てん工法 ) 8.7 ひび割れ補修工 ( 低圧注入工法 ) 8.8 断面修復工 ( 左官工法 ) 8.9 表面被覆工 (

第 3 回検討会でご意見を頂いた内容に対する対応方針 ( 案 ) 中長期保全計画の策定において 更新 修繕 といった言葉の使い分けは明確にすべき その際 部位による使い分けや ライフサイクルコストの視点を踏まえた 更新 修繕 のレベル設定にも留意すること 建物を 使える 状態に維持するという観点から

外気カット制御 有 外気冷房制御 無 全熱交換器制御 有 ( 全熱交換効率 0.) 2 換気設備 室用途毎に基準設定換気風量 ( 換気回数 ) 基準設定全圧損失 標準的な送風機の送風機効 率 伝達効率 余裕率 モータ効率を定め これらを標準設備仕様とする 基準設定換気風量 : 設計者へのヒアリング調

( 第二面 ) 建築設備の状況等 1. 建築物の概要 イ. 階 数 地上 階 地下 階 ロ. 建築面積 m2 ハ. 延べ面積 m2 ニ. 検査対象建築設備 換気設備 排煙設備 非常用の照明装置 給水設備及び排水設備 2. 確認済証交付年月日等 イ. 確認済証交付年月日 昭和 平成 年 月 日 第 号

業種地質調査業務 (H29) 改正現行備考 第 1 章地質調査積算基準第 1 章地質調査積算基準 第 1 節地質調査積算基準 第 1 節地質調査積算基準 別表第 1 別表第 1 (1) 諸経費率標準値 (1) 諸経費率標準値 対象額 100 万円以下 100 万円を超え 3000 万円以下 3000

一般仕様

山形県県土整備部資材単価及び歩掛等決定要領

様式 2-2 平成 27 年度耐震対策緊急促進事業補助金交付 申請 決定 額表 事業主体名 ( 単位 : 千 ) 都道府県名 市町村名 耐震診断 補強設計 耐震改修対象建築物の名称 補助金額 摘要 ( 備考 ) 1 本表は別に 2 部作成し 提出すること 2 本表は 事業ごとに作成すること

政策課題分析シリーズ14(本文2)

基礎 据付工事 /0 以下の画面が表示されたら 充電器の基礎 据付工事を入力します 入力後に追加ボタンを押して登録します 基礎 据付工事は全ての申請で入力必須項目となります 充電設備の他に防護部材基礎 屋根基礎等 充電設備と同じ基礎であれば申告して下さい 防護部材基礎 屋根基礎等が単独の場合は該当す

i-Construction型工事の概要 (素案)

埼玉県建築工事成績評定結果通知公表要領 新旧対照表

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耐震診断 耐震改修に関する設計に係る業務報酬基準案について寄せられたご意見と国土交通省の考え方 20 名の個人 団体から合計 66 件の意見をいただきました とりまとめの都合上 内容を適宜要約させていただいております 本業務報酬基準案と直接の関係がないため掲載しなかったご意見についても 今後の施策の

標準見積書に計上する 法定福利費 の算出は次の2つの方法とし 手順は以下の通り 1 施工見積の取付費総額から労務費を算出し それに法定福利費の保険料率を乗じる 2 これまでの施工実績をもとに施工従事者に支払った正味労務費から各商品の単位当りの法定福利費をあらかじめ算出した上で 法定福利費を簡便に算出

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円形直管ダクトの算定 ( 抵抗基準 ) タ クト材料 : スハ イラルタ クト 絶対粗度 ε= 空気の密度 P = 1.20 [kg/ m3 ] 摩擦抵抗損失の目標値 : 1.0 [Pa/m] 風量 Q [ m3 /h] 1,000 2,000 3,000 5,000 10,00

工事費構成内訳書の提出について ~ 法定福利費の明示が必要になります ~ 平成 29 年 12 月 6 日 中日本高速道路株式会社

課長係長 設計精算 平成 27 年度 実施工事設計書 河川路線名久慈湊漁港海岸工事名久慈湊漁港海岸災害復旧 (23 災第 70 号水門 ) ほか工事 施工箇所名 久慈市夏井町地内 円也 137 日間 名称 数 量 単位 水門設備 2 門 工種区分水門設備 ( 小形水門 ) 工 工事中止日数地区 久慈

標準入力法H28_解説書_ALL_v2.3_

一般揚水用立形多段うず巻インラインポンプ設備編 陸上ポンプ一般社団法人公共建築協会殿の 立形遠心ポンプ 評価品です TCR 型ポンプ 要部標準仕様 特殊仕様 ポンプ ラン 立 上記以外の特殊仕様につきましては最寄りの営業店迄お問い合わせください 特別付属品 JIS20K 相フランジ ( ボルト パッ

第二面 1. 建築物の位置 延べ面積 構造 設備及び用途並びに敷地面積に関する事項 建築物に関する事項 1. 地名地番 2. 敷地面積 m2 3. 建築面積 m2 4. 延べ面積 m2 5. 建築物の階数 地上 階 地下 階 6. 建築物の用途 一戸建ての住宅 共同住宅等 非住宅建築物 複合建築物

業務積算に関する問題意識 業務積算に関する問題意識 1. 現行積算基準の費目構成では 原価の概念が不明確である 2. 現行積算基準の費目構成は企業会計と乖離しており このことが積算の妥当性 説明性に影響を及ぼ している 3. 非定型業務の適正な対価を的確に算定することは難しい 4. 高度な技術力に基

二重床下地 という 参考図参照) として施工する方法がある 二重床下地は 支持脚の高さを一定程度容易に調整することができること また コンクリートスラブと床パネルとの間には給排水管等を配置できる空間があることから 施工が比較的容易なものとなっている 2 本院の検査結果 ( 検査の観点 着眼点 対象及

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福井県建設リサイクルガイドライン 第 1. 目的資源の有効な利用の確保および建設副産物の適正な処理を図るためには 建設資材の開発 製造から土木構造物や建築物等の設計 建設資材の選択 分別解体等を含む建設工事の施工 建設廃棄物の廃棄等に至る各段階において 建設副産物の排出の抑制 建設資材の再使用および

Ⅰ. 概要 団地型マンションの修繕に対する資金 ( 会計 ) は棟別に会計するのが理想とされるが 実際に棟別会計が必要か? 団地型マンションで 現在一般的に取られている会計手法を整理し 棟別会計の利点を確認 実際にはどのように棟ごとに修繕費の格差が生じているかを検証 団地型マンションにおける修繕費の

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変更理由 備考 地区単価適用年月工期経費適用年月 ( 000 ) 県南 ( H3004 ) 平成 30 年 04 月自当初日数変更平成 30 年 04 月 至 至 当初金額 変更金額 設計 請負 業務価格消費税相当額業務価格消費税相当額 請負増減額 n0-00-V 狭山

(2) 法定福利費の基本的な算出方法 法定福利費 = 労務費総額 法定保険料率 法定福利費は 通常 年間の賃金総額に各保険の保険料率を乗じて計算します しかし 各工事の見積りでは 労働者の年間賃金を把握することは不可能です そのため 見積額に計上した 労務費 を賃金とみなして それに各保険の保険料率

別紙 1 提出書類一覧様式番号 様式 1 様式 2-1 様式 2-2 様式 3 様式 4 様式名 施工体制確認調査報告書積算内訳書内訳明細書工程計画配置予定技術者名簿 次に該当する場合は 様式 4を提出する必要はありません 一般競争入札の場合 ( 開札後に提出のある 配置予定技術者の資格 工事経歴報

3 積算業務は 監督職員の承諾を受けた実施設計図書及び適用基準に基づいて行う (2) 適用基準等本仕様書において適用すべき基準等については 別紙 2 適用すべき基準及び参考とすべき資料 によるものとする なお 特記なき場合は国土交通大臣官房官庁営繕部が制定又は監修したものとする (3) 貸与資料等設

変更理由 備考 地区単価適用年月工期経費適用年月 ( 000 ) 県南 ( H3004 ) 平成 30 年 04 月自当初日数変更平成 30 年 04 月 至 至 当初金額 変更金額 設計 請負 業務価格消費税相当額業務価格消費税相当額 請負増減額 V 狭

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2. 療養型病院 (1) 機能性の状況 療養型病院 施設数 ( 施設 ) 470 病床数 ( 床 ) 利用率 90.3 在院日数 ( 日 ) 92.7 入院外来比 0.52 新患率 日平均患者数 ( 人 ) 入院 外来 床当たり医業収益 ( 千円 )

配管用支持金具 A 立バンド 住設管材の友 積算価格: 円 A A A VP 立バンド TNF 立バンド ステンといバンド A A A ステン VP 立バンド ステン TNF 立バンド PP 吊タ

鉄骨工場加工組立 1 Structural steel framing of shop-fabricated steel (S 造工場副資材費 間接費含む鋼材費 溶接費 塗装費等別途 ) ( 単位 : 円 /t) (Fabrication yard, incl. subsidiary materia

北海道建設部営繕工事積算基準取扱要領 北海道建設部営繕工事積算基準取扱要領 第 1 章建築工事第 1 章建築工事 2. 仮設 2. 仮設 2) 共通仮設 2) 共通仮設 共通仮設は 共通仮設費率により算定するが 率に含まれない項目は必要に応じて 積み上 共通仮設は 共通仮設費率により算定するが 率に

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( 参考 ) 業務報酬基準の概要について ( 告示 15 号の構成 ) 建築士事務所の開設者が業務に関して請求することのできる報酬の基準を示しており 第一 ~ 第三の実費加算方法に関する項と第四の略算方法に関する項で構成されている 実費加算方法 ( 第一 第二 第三 ) 実費加算方法 : 各経費等に

12章 標準設計

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2017 年度 1 指定地球温暖化対策事業者の概要 (1) 指定地球温暖化対策事業者及び特定テナント等事業者の氏名 指定地球温暖化対策事業者又は特定テナント等事業者の別 地球温暖化対策計画書 氏名 ( 法人にあっては名称 ) 指定地球温暖化対策事業者 国土交通省 (2) 指定地球温暖化対策事業所の概

アスカフレックス瞬間流量計カタログ

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資料6 標準見積書の活用グラフ道塗連全体

ダモ角型鉛改修ドレン ダモ改修ドレンをモデルチェンジしました 用途によって選べるN( ノーマル )/S( 砂付 ) の2タイプを用意し 様々な防水工法に対応 また 従来品よりも更にホースが挿入しやすく ツバ部も角丸形状に改良しました より高機能な改修用鉛ドレンに生まれ変わった ダモ角型鉛改修ドレン

建築工事共通費積算基準 平成 2 9 年版 沖縄県土木建築部 ( 改定日 : 平成 29 年 4 月 1 日 )

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工事一時中止に係るガイドラインの運用について ( 案 ) 北海道建設部建設政策局建設管理課 平成 28 年 4 月

公共建築工事共通費積算基準 1 共通費の区分と内容共通費は 共通仮設費 現場管理費 及び 一般管理費等 に区分し それぞれ表 -1 表-2 及び表 -3の内容と付加利益を一式として計上する ただし 共通費を算定する場合の直接工事費には 本設のための電力 水道等の各種負担金は含まないものとする 表 -

(更新)-2

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2. 提出資料一覧表 落札予定者に求める提出資料は 要請書に示す調査区分 ( 基本調査または重点調査 ) に応じて下表に を付している内容とする なお 調査区分が 基本調査 の場合は 3 頁 ~4 頁に基づき作成すること 調査区分が 重点調査 の場合は 5 頁 ~7 頁に基づき作成すること 様式番号

橋梁定期点検業務積算基準書_平成30年4月_広島県

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第1章 導入編

Microsoft Word - 文教センター・仕様書

A 下E A E プ地処理A E 舗ライマー塗布A E 舗設材の混合A E 仕設上材げの 敷養設生下プ地処理A E 舗ライマー塗布A E 舗設材の混合A E 仕設上材げの 敷養設A E A 生E 11 薄層カラー舗装工 1. 適用範囲 本資料は 市場単価方式による 薄層カラー舗装工に適用する 1-1

住宅部分の外壁 窓等を通しての熱の損失の防止に関する基準及び一次エネルギー消費量に関する基準 ( 平成 28 年国土交通省告示第 266 号 ) における 同等以上の評価となるもの の確認方法について 住宅部分の外壁 窓等を通しての熱の損失の防止に関する基準及び一次エネルギー消費量に関する基準 (

営繕積算システムの構成 システムの種別 営繕積算システム (RIBC2) は 標準単価作成システムと内訳書作成システムから構成されています 標準単価作成システム 内訳書作成システム 建築工事の設計積算に必要な 公共建築工事標準単価 ( 複合 市場 ) を計算し 単価表を作成します 改修や撤去の単価

0 事前準備 公共施設等の更新費用比較分析表作成フォーマット の作成に当たっては 地方公共団体の財政分析等に関する調査研究会報告書 公共施設及びインフラ資産の更新に係る費用を簡便に推計する方法に関する調査研究 における更新費用試算ソフト ( 以下 試算ソフト という ) を用います 試算ソフトは今回

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法定福利費の明示について 1 社会保険等未加入対策 建設業者の社会保険等未加入対策として 社会保険等への加入を一層推進していくためには 必要な法定福利費が契約段階でも確保されていることが重要です 建設工事における元請 下請間では 各専門工事業団体が法定福利費を内訳明示した 標準見積書 を作成しており

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目 次 Ⅰ. 下水道土木工事施工管理基準及び規格値 1. 目的 1 2. 適用 1 3. 構成 1 4. 管理の実施 1 5. 管理項目及び方法 2 6. 規格値 2 7. その他 2 表 -1 出来形管理基準及び規格値 ( 管渠工事 ) 3 表 -2 出来形管理基準及び規格値 ( 処理場 ポンプ場

別紙 3-1Ⅱ-2-1 評価者氏名 : 考査項目対象 a : 施工管理が b : 施工管理が c : 施工管理が d : 施工管理が e : 施工管理が不適切である 2 Ⅰ 1 契約書第 18 条第 1 項 ( 条件変更等 ) に基づく設計図書の照査結果について 協議を行っている 施工状況 施工管理

CASBEE評価ソフトの使用方法

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設備工事の概算手法 ( その 1)( 機械設備 ) 主席研究員 山崎雄司 1. はじめに機械設備のコスト管理について 官庁施設の設計段階におけるコスト管理ガイドライン では 概算工事費算定に使用する数量の算出は概略平面図からの拾い並びに類似施設の実績値より算出される資器材の数量を使用する と示されているが 設計の初期の段階ではシステムが確定していない等の理由により 妥当な概算価格を算定できず 過去の実績値 ( 円 / m2 ) を使用することが多かった 本研究は 可能な範囲でシステム変更 管種変更 単価の異なる地域への対応 改修工事における数量の把握に利用可能なコスト管理手法について 国土交通省発注の完成工事 ( 設計変更含む ) の内訳書の数量および複合単価 (H24) を用いて検討を行った 2. 概算手法としての必要事項概算手法を検討するうえで考慮しなければならない必要事項については以下のとおりと考える (1) 全体工事に占める金額割合が大きい項目を適切に捉える (2) 設計により金額が大きく変動する項目を適切に捉える (3) 効率的な算出を行える ( 数量及び単価は大くくりにする ) (4) 仕様変更への対応が可能である ( 例 : 配管 保温の種類 ) (5) システム間での比較が可能である ( 例 : ダクト方式 ファンコイルダクト併用方式 ) (6) 各設計段階で必要な精度がある (7) 特殊な工事 改修工事に準用が可能である (8) 検証が可能である 上記の事項を考慮のうえ 機械設備の概算算定方法についてまとめたものを表 1 に示す 表 1 機械設備における各設計段階の数量及び単価 ( 例 ) 主要機器 主要機器廻り コスト配分表作成段階 基本設計着手段階基本設計審査段階実施設計審査段階備考 数量企画設計図による基本設計図による実施設計図による 単価実績 or 超概略見積り実績 or 概略見積り 見積り ( 複数社が望ましい ) SIBC 統計分析に数量基本設計図による実施設計図によるよる 単価 実績 or 合成単価 合成単価 ( 対応する仕様ごと ) その他の機器数量 単価主要機器に対する比率代表機器単価 * 台数 ダクト 配管 ダクト 配管付属品 共通費 and 税 項目 数量 単価 数量 単価 SIBC 統計分析による SIBC 類似モデルによる SIBC 類似モデルによる 延べ面積あたりの換算数量 指標合成単価 ダクト 配管に対する比率 共通費積算基準 ( 率 )+ 積上げ 概算数量 ( 仕様ごとが望ましい ) 合成単価 ( 対応する仕様ごと ) ダクト 配管に対する比率 段階が進むに伴いその他機器より移行 検証等の必要に応じダクト 配管に移行 段階が進むに伴い主要機器に移行 経費率計算プログラム or 早見表による - 55 -

3. 空気調和設備の概算手法機械設備工事は空調設備 ( 空気調和設備 換気設備 排煙設備 自動制御設備 ) と給排水衛生設備 ( 衛生器具設備 給水設備 排水設備 給湯設備 消火設備等 ) に区分される また 空気調和設備はさらに機器設備 ( 熱源機器 空気調和機器 ) ダクト設備 配管設備に区分される これらの工事費をどのように算出するかが 機械設備の概算算出の大きな課題である ここでは 空気調和設備の 概算算出担当者 が 基本設計審査段階 で算出する概算について 項目ごとに換算する手法について述べる 機械設備工事および空気調和設備の構成比率について6000 型の地方合同庁舎を例に図 1 図 2に示す 機械設備の工事構成割合( 例 ) 建物名称地方合同庁舎 (2006 年 ) 構造規模 RC-5-1 4,764m2熱源方式中央熱源方式 ( 油だき吸収冷温水機 ) 直接工事費約 200,000,000 円図 1 機械設備工事の構成割合 (1) 機器空気調和設備における機器類は工事費に占める割合が大きい ( 図 2 参照 ) また 空気調和設備以外でも換気 設備の送風機 給水設備のタンク類 ポンプ類 給湯設備の給湯器等の機器類に 熱源付属機器 :TO TOS PO CT 煙道 PCD PCH TE 図 2 空気調和設備の構成割合 ついても多くの割合を占めるため適切に把握することが必要となる これらの機器は 設備システム 付加仕様及び需給状況等によって大きく価格は変動することから 次のことを考慮する必要がある 1 機器類は 仕様が若干変化しても設置台数は大きく変わらないため 数量は設計数量とする 2 機器は付加仕様および需給状況等社会情勢による価格変動を考慮し 主要機器は設計の初期より見積りによる 3 熱源付属機器等のうち金額割合が小さいものは 主要機器に対する比率や過去の事例によってもよい (2) 機器廻り主要機器等と密接不可分な配管 基礎等の 機器廻り の構成比率を図 3に示す 機器廻り は一般に項目数は多いが機器本体に比べると価格割合は低い これらの項目は 過大な手間をかけずに効率的に算出する必要がある 図 3に示すように基礎 搬入据付 計器類 ダンパー 弁類 ダクト 配管などは 機器廻り の合成単価として計上することにより効率が図れることができる - 56 -

図 3 機器本体 と 機器廻り の構成割合 仕様 数量及び価格は設計 VE 概算手法 ( 平成 12 年 ) による (3) 長方形ダクトダクト設備は 保温 ダンパー 制気口等から構成されるが 空調方式により数量は変化する また 工事費に占める割合は比較的大きい ( 図 2 参照 ) ことから ダクト設備の価格を適切に把握することが重要となる 長方形ダクトは ダクトの展開面積が積算数量の基準となるため 設計の初期の段階で詳細を把握することは困難である このため 基本設計審査時段階で利用できる数量および単価について 実績値を利用したダクト数量の換算手法と基準となる単価の設定方法 について検討を行う ( 換気ダクトも保温を除くことにより同様に扱うことができる ) 1) 換算方法と単価設定の条件計算対象とするダクトの換算係数および使用する単価として設定可能となる条件を以下に示す 換算および単価の条件 1 各板厚において実価格と換算値による価格が近似していること 2 換算が容易である 3 延べ面積 空調方式ごとに一定の比率が設定できる 4 工種の全数量をイメージしやすいことが望ましい 5 単価は ダクト施工に伴い一般に必要となる全ての項目を含む合成単価とし 材料 労務費の変動による板厚間の単価の比率の変化が少ないことが望ましい 6 換算の指標となる単価は板厚ごとの価格割合が大きい単価または近い値で 設定が容易で あることが望ましい 単価 ( 円 / m2 ) 保温 : 天井内 GW( アルミカ ラスクロス ) また 長方形ダクトの板厚 毎の合成単価の構成を図 4 による 11,340 13,600 5,210 板厚 ( mm ) 図 4 長方形ダクトの板厚別合成単価の構成 - 57 -

2) 換算方法によるコスト算出について a. 手法 1 長方形ダクトの合計金額から換算する手法 ここでは長方形ダクトの合計金額 ( 円 ) を特定の板厚の複合単価 ( 指標複合単価 ) を用いて換算ダクト数量を求め ダクト関係の概算を算出する手法について述べる 換算式 換算面積 = 長方形ダクトの合計金額 ( 円 )/( 指標複合単価 )( m2 ) 長方形ダクトの合計金額 :Σ( 面積 ( 複合単価 )) 指標複合単価 : 代表となるダクトの複合単価 0.5mmを使用 価格式 ダクト関連価格 = 換算面積 ( m2 ) 指標合成単価 ( 円 / m2 ) 指標合成単価 : 代表となる板厚の合成単価 ( 円 / m2 ) 0.5mm を使用長方形ダクトの複合単価による換算の可能性について0.5mmの複合単価及び合成単価を代表単価として過去の実績を用いて検証を行った結果を表 2に示す 計算例 1 実面積による価格の合計 Σ( 各板厚毎実面積 複合単価 )=686,560( 円 ) 2 換算面積 686,560 複合単価 (5,210( 円 / m2 ) = 131.78 132 ( m2 ) 3ダクト関連価格 132 ( m2 ) 合成単価 (11,340( 円 / m2 )) =1,494,421( 円 ) 表 2 長方形ダクトの複合単価による換算の検証 (0.5mm の複合単価及び合成単価の場合 ) 建物規模モデル ( 実延べ床面積 ) 750 形 (712 m2 ) 1500 形 (1,204 m2 ) 3000 形 (4,258 m2 ) 6000 形 (5,329 m2 ) 15000 形 (17,323 m2 ) 30000 形 (31,046 m2 ) 1Σ( 実面積 複合単価 ) 686,560 1,767,580 4,041,460 7,144,750 28,678,020 29,591,070 2 換算面積 ( 5,210) 132 339 776 1,371 5,504 5,680 32 合成単価 (11,340) 1,494,421 3,847,455 8,796,963 15,551,831 62,422,854 64,410,274 4Σ( 実面積 合成単価 ) 1,483,460 3,761,700 8,185,340 15,094,840 60,357,120 57,720,080 5 比率 (3/4) 1.01 1.02 1.07 1.03 1.03 1.12 各モデルの5 比率 (3/4) の値が1に近い値であることから サンプルと同程度の構成比率であれば 概算額の算定として使用可能であると考察する 0.5mmの複合単価及び合成単価を代表単価とした場合の換算面積と延べ面積の関係を図 5 に示す 3,848 2,310 図 5 長方形ダクト延べ面積あたりの換算面積 - 58 -

( 例 ) 延べ面積 10,000 m2の庁舎の長方形ダクト関連工事の直接工事費を求める 延べ面積あたりの換算ダクト面積( 空調方式ファンコイルユニット ダクト併用方式 ) 図 6の近似線の計算式 Y=0.2017 Ⅹ 1.0147 より長方形ダクトの換算面積は約 2,310 m2 ダクト関連価格( 換算面積 指標合成単価 (0.5mm) より ) 2,310 m2 11,340 円 / m2 26,200,000 円 延べ面積あたりの換算ダクト面積( 空調方式ダクト方式 ) 図 6の近似線の計算式 Y=1.2718 Ⅹ 0.8702 より 約 3,848 m2 3,848 m2 11,340 円 / m2 43,636,000 円 b. 手法 2 長方形ダクトの数量から換算する手法 数量だけが既知のデータでも 換算面積を算出し図 5 延べ面積当たりの換算面積 を作成することで概算額を算出することができる ここでは 板厚毎の数量を特定の板厚 ( 指標板厚 ) に換算する換算係数として ( 板厚 +Y)/( 指標板厚 +Y) を用いた手法について以下に述べる 換算式 換算面積 =Σ( 板厚ごとの面積 換算係数 ) ( m2 ) 換算係数 :( 板厚 + Y)/( 指標板厚 + Y) 価格式 ダクト関連価格 = 換算面積 ( m2 ) 指標合成単価 ( 円 / m2 ) 指標合成単価 : 代表となる板厚における合成単価 Yは指標合成単価と ( 板厚毎の合成単価 / 換算係数 ) の比が一定になるよう設定する定数で 指標板厚を価格割合が大きい板厚 (0.5mm) として試算した結果 Y=2が最も近似する数値となった 試算結果を図 6に示す ( 例 )Y=2を代入して換算した 0.5mmと1.0mm換算の単価比較 =11,340:13,600/((1.0+2)/(0.5+2))=11,340:11,333 1 : 1 使用割合が少ない 面積あたり ( 換算無し ) 図 6 長方形ダクトの板厚別合成単価比率 換算計算例 指標ダクトの板厚 0.5mmで0.8mm厚ダクトの面積を換算する場合の例換算面積算定実面積 13m2 13 ((0.8+2) (0.5+2))=13 1.12=14.56( m2 ) ダクト関連価格指標合成単価 11,340 円 / m2 14.56( m2 ) 11,340=165,110 円 - 59 -

(4) スパイラルダクトスパイラルダクトを長方形ダクトに含めて算出する方法もあるが スパイラルダクト特有の用途もあるので長方形ダクトと区分して算出する ここでは 長辺ダクトと同様に実績値を利用したダクト数量の換算手法と基準となる価格の設定方法及び数量が明確になった段階での換算方法について検討する スパイラルダクトの合成単価の構成については図 7による 単価 ( 円 / m2 ) 保温 : 天井内 GW( アルミカ ラスクロス ) 5,200 2,970 図 7 スパイラルダクトの口径別合成単価の構成 口径 (φ) 1) 換算方法によるコスト算出について a. 手法 1 スパイラルダクトの合計金額から換算する手法 長方形ダクトと同様に ここではスパイラルダクトの合計金額 ( 円 ) を特定の口径の複合単価 ( 指標複合単価 ) を用いて換算ダクト数量を求め ダクト関係の概算を算出する手法について述べる 換算式 換算長さ=スパイラルダクトの合計金額 ( 円 )/( 指標複合単価 )(m) スパイラルダクトの合計金額 :Σ( 長さ ( 複合単価 )) 指標複合単価 : 代表となる口径の複合単価 100φを使用 価格式 ダクト関係価格 = 換算長さ (m) 指標合成単価 ( 円 /m) 指標複合単価 : 代表となる口径の合成単価 スパイラルダクトの複合単価による換算の可能性について100φの複合単価及び合成単価を代表単価として過去の実績を用いて検証を行った結果を表 3に示す 表 3 スパイラルダクトの複合単価による換算の検証 (100φの複合及び合成単価の場合) 建物規模モデル ( 実延べ床面積 ) 750 形 (712 m2 ) 1500 形 (1,204 m2 ) 3000 形 (4,258 m2 ) 6000 形 (5,329 m2 ) 15000 形 (17,323 m2 ) 30000 形 (31,046 m2 ) 1Σ( 実面積 複合単価 ) 596,760 640,210 7,868,830 5,564,630 7,171,500 39,922,750 2 換算面積 ( 2,970) 167 216 2,649 1,874 2,415 13,442 32 合成単価 (5,200) 869,748 1,120,906 13,777,076 9,742,787 12,556,162 69,898,418 4Σ( 実面積 合成単価 ) 875,120 1,127,900 13,699,794 9,821,335 12,649,400 72,456,464 5 比率 (3/4) 0.99 0.99 1.01 0.99 0.99 0.96 各モデルの5 比率 (3/4) の値が1に近い値であることから サンプルと同程度の構成比率であれば 概算額の算定として使用可能であると考察する 100φの複合単価及び合成単価を代表単価とした場合の換算面積と延べ面積の関係を図 8に示す - 60 -

換算長さ (m) 指標価格 100φ 3,030 延べ面積 ( m2 ) 図 8 スパイラルダクト延べ面積あたりの換算長さ ( ファンコイルダクト併用方式 ) ( 例 ) 延べ面積 10,000 m2の庁舎のスパイラルダクト関連工事の直接工事費を求める 延べ面積あたりの換算長さ図または 近似線の計算式 Y=0.152 Ⅹ 1.0751 よりスパイラルダクトの換算長さは約 3,030 m ダクト関連価格( 換算長さ 指標合成単価 (100mmΦ) より ) 3,030 m 5,200 円 /m = 15,756,000 円 b. 手法 2 スパイラルダクトの数量から換算する手法 長方形ダクトと同様に 各口径のダクトの長さを特定の口径 ( 指標口径 ) に換算する換算係数として ( 口径 +Y)/( 指標口径 +Y) を用いた手法について述べる 換算式 換算長さ=Σ( 長さ 換算係数 ) (m) 換算係数 :(( ダクト口径 + Y)/( 指標口径 + Y)) 価格式 ダクト関係価格 = 換算長さ (m) 指標合成単価 ( 円 / m2 ) Yは指標合成単価と ( 口径毎の合成単価 / 換算係数 ) の比が一定になるよう設定する定数で 指標口径を100mmφとして試算した結果 Y=70が最も近似する数値となった 試算結果を図 9に示す 合成単価 ( 円 /m)/ 換算係数 100φ を 100 とした単価比率 ( 口径 +70) (Y=0) (Y=0) 参考 ( スパイラルダクトのみの価格 ) 口径 (φ) 図 9 スパイラルダクトの口径別合成単価比率 - 61 -

(5) 冷温水配管配管に関しては これまで トン単価 と言われる質量あたり単価が多く使用されてきたが 空調システムによる数量の把握 管種を変更する際の対応等を考慮し ダクトと同様に実績値を利用し たダ配管数量の換算手法と基準となる価格の設定方法及び数量が明確になった段階での換算方法について検討する 冷温水配管の口径別合成単価の構成について図 10に示す 図 10 冷温水配管の口径別合成単価の構成 (SGP 白 ) 1) 換算方法によるコスト算出について 保温 : 天井内 GW( アルミカ ラスクロス ) a. 手法 1 冷温水配管の合計金額から換算する手法 ダクトと同様に ここでは冷温水配管の合計金額 ( 円 ) を特定の口径の複合単価 ( 指標複合単価 ) により換算配管数量を求め 概算額を算出する手法について述べる 換算式 換算長さ= 冷温水配管の合計金額 ( 円 )/( 指標複合単価 )(m) 冷温水配管の合計金額 :Σ( 長さ ( 複合単価 )) 指標複合単価 : 代表となる口径の複合単価 50A を使用 価格式 冷温水配管の関係価格 = 換算長さ (m) 指標合成単価 ( 円 /m) 指標複合単価 : 代表となる口径の合成単価 冷温水配管の複合単価による換算の可能性について 50A の複合及び合成単価を用いて検証を行った結果 ( 表は省略 ) ダクトと同様に各モデルの5 比率 (3/4) の値が0.98~1.08と 1に近い値であり 利用可能であることが確認できた 50A 複合単価及び合成単価を代表単価とした場合の換算長さと延べ面積の関係を図 11に示す (A) 2,970 1,670 図 11 冷温水配管延べ面積当たりの換算長さ (SGP 白 ) - 62 -

概算算出例( 異なる空調方式 )+( 異なる管種 ) 管種 :SGP( 白 ) SUS ( 例 1) 延べ面積 10,000 m2空調方式ファンコイルユニット ダクト併用方式 延べ面積あたりの換算長さ: Y=0.297 Ⅹ 1 より 約 2,970 m 概算額: 換算長さ 指標合成単価 (50A) より 2,970 10,095 29,980,000 円 ( 例 2) 延べ面積 10,000 m2空調方式ダクト方式 パッケージエアコン併用方式 延べ面積あたりの換算長さ: Y=0.025 Ⅹ 1.206 より 約 1,670 m 概算額: 1,670 m 10,095 円 / m 16,860,000 円 ( 例 3) 延べ面積 10,000 m2空調方式ファンコイルユニット ダクト併用方式 延べ面積あたりの換算長さ: Y=0.297 Ⅹ 1 より 約 2,970 m 概算額: 換算長さ 指標合成単価 (SUS50A) より 2,970 9,100 27,030,000 円 b. 手法 2 冷温水配管の数量から換算する手法 ダクトと同様に 各口径の配管の長さを特定の口径 ( 指標口径 ) に換算する換算係数として ( 口径 +Y)/( 指標口径 +Y) を用いた手法について述べる 換算式 換算長さ =Σ( 長さ 換算係数 ) (m) 換算係数 :(( 呼び径 + Y)/( 指標呼び径 + Y)) 価格式 冷温水配管関係価格 = 換算長さ (m) 指標合成単価 ( 円 / m2 ) Y は指標合成単価と ( 呼び径毎の合成単価 / 換算係数 ) の比が一定になるよう設定する定数 で 指標呼び径を 50A として試算した結果 Y=10 が最も近似する数値となった 換算は屋内一般配 管を標準とする 機械 室内の配管は 図 12 の 1 屋内一般配管と 2 機械室配管の比率 がおおよそ 1.1 倍であ ることから 換算係数 を ( 呼び径 +Y) 1.1/ ( 指標呼び径 + Y) と して換算を行う 試算 結果を図 12 に示す 合成単価 ( 円 /m)/ 換算係数 50A( 一般 ) を 100 とした単価比率 160 140 120 100 80 60 40 20 0 114 115 104 104 120 108 70 71 69 110 111 111 104 99 100 62 63 65 1 ( 呼び径 +10) での加工した合成単価 ( 円 /m)(150a 基準 ) 2 機械室 ( 呼び径 +10) で加工した合成単価 ( 円 /m)(150a 基準 ) 3 呼び径で加工した合成単価 ( 円 /m)(350a 基準 ) 4 ( 呼び径 +10) で加工した配管の複合単価 ( 円 /m)(150a 基準 ) 108 97 116 119 99 101 60 62 64 128 108 124 106 70 68 139 118 142 121 75 77 20 25 32 40 50 65 80 100 125 150 200 250 300 図 12 冷温水配管の呼び径別合成単価比率 (SGP 白 ) (Y=0) 呼び径 (A) (6) 共通費共通費は概算単価に包含されて計算されることが多いが 共通費は直接工事費及び工期により変わること 内訳書を用いた検証のしやすさを考慮し 共通費は直接工事費とは区分して計上することが望ましい 新営における機械設備工事の総合共通費率 (%) について表 4に示す また 全体直接工事費の違いによる内包される配管工事費に掛かる共通費率 (%) の違いにつて試算例を以下に示す - 63 -

( 総合共通比率算出例 ) 直接工事費 100,000,000 円 工期 12か月の工事の場合の総合共通費率の算出共通仮設費 (3.86%) 現場管理費(12.36%) 一般管理費等(9.13%) 1.0386 1.1236 1.0913=1.274 27.4% 表 4 新営機械設備工事の主な総合共通費率 (%) ( 積み上げ分を除く ) T: 工期 P: 直接工事費 ( 千円 ) ( か月 ) 10,000 50,000 100,000 500,000 1,000,000 3 32.6 26.1 23.8 19.4 17.7 6 37.3 26.8 23.8 19.4 17.7 9 41.6 29.4 25.6 19.4 17.7 12 45.0 31.5 27.4 20.1 17.8 15 47.4 33.4 28.8 21.0 18.5 18 47.4 35.0 30.1 21.8 19.2 21 47.4 36.4 31.3 22.5 19.8 24 47.4 36.9 32.4 23.2 20.3 新営の機械設備工事における総合共通費率 (%) 使用例を以下に示す 条件 機械設備 ( 新営 ) 工事全体直接工事費 A 工事 100,000,000 円 ( 配管の直接工事費 1,000,000 円を含む ) B 工事 10,000,000 円 ( 配管の直接工事費 1,000,000 円を含む ) 工期 12か月 (A 工事 B 工事共 ) 共通比率の比較 上記工事に含まれる配管の直接工事費 1,000,000 円に掛かる共通比率の比較 A 工事 B 工事 1,000,000 1.274 = 1,247,000 円 1,000,000 1.450 = 1,450,000 円 上記より内包される配管工事に掛かる共通比率は A 工事と B 工事で 1.274/1.450=1.16 倍の違 いがある このように 共通比率は 直接工事費および工期により変動することから 直接工事費と 共通費は区分して計上することが望ましい 4. まとめここで紹介した空気調和設備の機器 機器廻り ダクト 冷温水配管の換算方式による概算金額の算出方法 設計の初期段階から設計の各段階において換算方法の使い分けを行うことで充分使用できる事が可能である システムの違いへの対応については ここで紹介した空調システムの違いによる分析結果より 分析するサンプルを変更することで十分対応可能である 材料および仕様の違いによる対応方法は 冷温水配管の概算算出例で示したが 換算面積および長さに乗ずる合成単価を構成する部材の単価を変更することで対応可能であり 地域等による単価の違いも同様の手法で対応可能と考えられる 共通費については 直接工事費および工期により変動することから 直接工事費と共通費は区分して計上することとした 以上から ここで紹介した手法は 2. 換算手法としての必要事項 で設定した条件を ほぼ満足しているものと考える 今回は空気調和設備について紹介を行ったが 今後他の項目についても検証を進めていきたい - 64 -