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装置クレームにおける方法的記載 ~ 方法的記載とした場合の明確性判断 ~ 米国特許判例紹介 (141) 2017 年 11 月 29 日執筆者河野特許事務所所長弁理士河野英仁 MASTERMINE SOFTWARE, INC., Plaintiff-Appellant v. MICROSOFT CORPORATION, Defendant-Appellee 1. 概要 米国特許法第 112 条 (b) は記載要件である明確性に関し以下の通り規定している 明細書は, 出願人が自己の発明とみなす主題を特定し, 明白にクレームする 1 又は 2 以上のクレームで終わらなければならない 装置クレームにおいては 物 としてハード構成を記載するのが原則であるが 方法 的な記載を行った場合 侵害時に装置の侵害となるのか 当該装置を使用する方法を使 用した場合に侵害となるのか不明確となり 特許が無効となるリスクがある 本事件では クレーム中に方法的な記載があったものの 装置の侵害であることは明 確であるとして CAFC は 記載不備により無効とした地裁判決を取り消した 2. 背景 (1) 特許の内容 MasterMine( 原告 ) は 顧客関係管理 (CRM) アプリケーションによって維持されるデータをユーザが容易にマイニングし報告することができる方法およびシステム と称する2 件の特許 U.S. Patent Nos. 7,945,850 及び 8,429,518 を所有している CRM アプリケーションは 企業の営業部門 プロセス 販売チャネル 顧客を 1 つ の環境に統合することで 顧客関係のあらゆる側面を管理するために使用される 本特 1

許は 電子ワークシートが自動的に作成されるプロセスを記載している この電子ワークシートでは ピボットテーブルと呼ばれる多次元分析テーブルを使用することで 大量の CRM データをすばやく簡単に要約または表示できる たとえば ピボットテーブルの行と列を回転させて CRM データのさまざまな要約を表示したり 異なるページを表示してデータをフィルタリングしたり 関心領域の詳細を表示することができる さらに 特許は ピボットテーブルの生成時に ユーザが キャプチャされた CRM データを分析し 重要な洞察のためにデータをマイニングする ことができることを説明している (2) 訴訟の経緯 原告は マイクロソフト ( 被告 ) がこれら 2 つの特許を侵害するとして連邦地方裁判 所に提訴した 2

被告は 850 特許のクレーム 8 及び 10 が不明確であり 特許は無効と主張した 地 裁は 被告の主張に同意し 不適切に 2 つの異なる主題 ( 装置と方法 ) を記載したクレ ームは不明確であるとした 原告は判決を不服として控訴した 3.CAFC での争点 争点 : 装置クレームにおける方法的記載が不明確か否か 4.CAFC の判断 結論 : システムを製造 販売した場合に侵害が発生することは明らかであり 記載は明 確である 米国特許法第 112 条 (b) は記載要件に関し以下の通り規定している 明細書は, 出願人が自己の発明とみなす主題を特定し, 明白にクレームする 1 又は 2 以上のクレームで終わらなければならない 最高裁は 明確性に関し Nautilus 事件 1 において 明細書および審査経過に照らし て見た特許クレームが当業者に合理的確実性をもって本発明の範囲について知らせる ことを要求 している また IPXL Holdings 事件 2 において CAFC は 装置の使用方法とその使用方法の両 方をカバーする単一のクレームは 第 112 条第 2 項に基づいて不明確であると判断し た 430 F.3d 1377 (Fed. Cir. 2005). IPXL 事件における懸念事項は 単一の装置クレーム内で装置と方法の両方をクレー ムすれば 侵害システムが生成された場合に侵害が起きるのか ユーザが実際に侵害す るやり方でシステムを使用した場合に侵害が起きるのかが不明確になる可能性がある IPXL 事件判決の後 CAFC は この判決を多数の異なるクレームに適用し検討して きた 方法と装置の両方を対象とするクレームは不明確であるかもしれないが 装置 クレームは必ずしも機能的文言を使用したからといって不明確であるとは限らない 1 Nautilus, Inc. v. Biosig Instruments, Inc., 134 S. Ct. 2120, 2129 (2014). 2 IPXL Holdings, L.L.C. v. Amazon.com, Inc. 430 F.3d 1377 (Fed. Cir. 2005) 3

実際には means-plus-function 形式の機能的文言は 法律 ( 米国特許法第条 112 条 (f)) によって明示的に許されており means-plus-function 形式を使用しないで 機能 型文言を使用してクレームを限定することもできる ここで 地裁は '850 特許のクレーム 8と 10 と ' 518 特許のクレーム 1 2 および 3は システムクレームに方法要素を導入したための明確性に関し無効であると判断した CAFC は地裁判決に同意しなかった CAFC は これらのクレームは 適切な機能的文言を備えた単なる装置クレームと判断した 以下に過去の事件との対比を示す (1)IPXL Holdings 事件 IPXL Holdings 事件では 以下の従属クレーム 25 があった クレーム 25 クレーム 2のシステムにおいて 入力手段を含み 予測された取引情報は 取引タイプと その取引タイプに関連する取引パラメータの両方を含み ユーザは 予測された取引情報を変更するかまたは表示された取引タイプおよび取引パラメータを受け入れるために入力手段を使用する CAFC は クレームは クレーム 2のシステムと そのシステムを使用するための方法の双方を記載していると判断した 予測された取引情報をユーザに変更させる若しくは表示された情報をユーザに受け付けさせることを可能にするシステムを生成した場合にクレーム 25 の侵害が生じるのか または ユーザが実際に取引情報を変更するために入力手段を使用した もしくは 表示された取引を受け付けるために入力手段を使用した場合にクレーム 25 の侵害が生じるのか不明確だからである したがって CAFC は クレーム 25 は システムとそのシステムを使用する方法の 両方を記載しているため その範囲を当業者には知らせておらず 第 112 条 2 項の下 では無効であると結論付けた (2)Katz 事件 3 Katz 事件において 問題のクレームは 個々の発信者のうちの特定人に自動音声メッセージを提供するためのインターフェース手段を備えたシステムであり 前記個々の発信者のうちの特定人はデジタル的にデ 3 In re Katz 639 F.3d 1303, 1318 (Fed. Cir. 2011) 4

ータを入力する を対象としていた Katz は wherein という用語は方法のステップを意味するのではなく 代わりに 機能的能力を定義しているとの理由で IPXL Holdings 事件と区別することを試みたが CAFC は同意しなかった クレームがシステムと 個々の発信者 によって実行されるアクションの両方を対象 としているため 直接的な侵害がいつ発生するかについての混乱を招くため Katz の クレームは 不明確である (3)Rembrandt 事件 4 CAFC はまた この原則を Rembrandt 事件に適用した ここで IPXL Holdings 事件と Katz 事件のクレームとは異なり 問題のクレームはユーザの行動をクレームしていなかった Rembrandt 事件で争点となったのは以下の独立クレーム 3 である 3. ビットの入って来るストリームに対応する信号を送信するためのデータ送信装置であって 前記ストリームを不等ビット数のフレームに分割し 各フレームのビットを第 1のグループおよび第 2のビットグループに分離する第 1のバッファ手段と 各フレームの第 1ビット群を受信し 分数符号化ビットのグループを生成するために分数符号化を実行する分数符号化手段と 前記第 2 のビット群を前記部分的に符号化されたビット群と組み合わせて等しい数のビットのフレームを形成する第 2のバッファ手段と 前記第 2のバッファ手段からの前記フレームを符号化するトレリス符号化手段と トレリス符号化フレームを送信する CAFC は本クレームを不明確であるとして無効と判断した CAFC は 236 特許のクレーム 3 の最初の 4つの要素 バッファ手段 部分符号化手段 第 2のバッファ手段 およびトレリス符号化手段は装置要素を記載している が 最後の要素 トレリス符号化フレームを送信する は方法であると 述べた 4 Rembrandt Data Techs., LP v. AOL, LLC 641 F.3d 1331 (Fed. Cir. 2011) 5

(4)HTC 事件 5 逆に HTC 事件において CAFC は 機能的文言を使用しているにも関わらず 装 置クレームは不明確により無効でないと判断した HTC 事件において 下記の独立クレーム 1 が問題となった 1. 第 1 の基地局と 第 1 の基地局から第 2 の基地局へのハンドオーバを実現する第 2 の基地局とを含むネットワークに用いられる移動局であって 第 1の基地局にリンク用リンクデータを格納し 第 1の基地局のリンクリソースのために予備を保持し リンクが第 2の基地局にハンドオーバされるとき : 最初に第 1の基地局におけるリンクデータの記憶を維持し 最初は第 1の基地局のリソースを予備状態に保ち続けさせ ハンドオーバの開始時にあらかじめ定められた一定の期間によって決定された後の時点で 第 1の基地局からリンクデータを削除し 第 1の基地局のリソースを解放し 前記移動局は ハンドオーバが失敗した場合に 第 1の基地局とのリンクを再アクティブ化するための構成を含む CAFC は IPXL 事件におけるクレームと異なり 本クレームは 移動局に言及し 次に移動局に 6つの列挙された機能を実行させる というわけではなく むしろクレームは単に これらの機能を単に移動局が動作する基本的なネットワーク環境として確立しているに過ぎない と判断した 当裁判所は 特定のネットワーク環境で使用されるクレームされた装置 ( 通信局 ) の 製造 使用 販売の申し立てまたは販売を行う際に侵害が起きることを明確にしている ため このクレームの 一般的ではない形式 は明確であると判断した (5)MEC 事件 6 同様に MEC 事件におけるクレーム 7 は以下の通りである 7. 命令を実行するパイプライン型プロセッサであって 5 HTC Corp. v. IPCom GmbH & Co., KG, 667 F.3d 1270(Fed. Cir. 2012) 6 Microprocessor Enhancement Corp. v. Tex. Instruments Inc. (MEC), 520 F.3d 1367, 1375 (Fed. Cir. 2008) 6

条件付き実行決定論理パイプラインステージと;.... 前記条件実行判定ロジックパイプラインステージは 条件コードと前記条件実行指定子とのブール代数評価を実行し 少なくとも 2 つの状態が真と偽のイネーブル - ライトを生成し 前記イネーブル-ライトは 前記ライトパイプラインステージにて 命令結果の書込みを 真の場合イネーブルし 誤の場合ディスエーブルし... 前記条件付き実行決定ロジックパイプラインステージは 前記条件付き実行指定子によって指定された場合 ブール代数評価を使用して前記イネーブル - ライトを決定する.... CAFC は このクレームは 列挙された構造を持ち 列挙された機能を実行すること ができるパイプライン型プロセッサに明確に限定されており したがって IPXL Holding 事件の下 不明確ではないと結論付けた (6)UltimatePointer 事件 7 最近では UltimatePointer 事件において 問題のクレームが 画像センサ データを生成する前記画像センサを含むハンドヘルド装置 データを生成する をクレームしている CAFC は これらのクレームは IPXL Holding 事件及び Katz 事件とは異なると判断した なぜならこれらは データを生成する 限定は ユーザの活動ではなくその構造の能力を反映している ことを明確にしているからである そして 装置と方法の両方をクレームする試みを反映するのではなく むしろ特定の能力を有する装置をクレームしているからである (7) 本事件への適用 本事件におけるクレームは MEC 事件 HTC 事件及び UltimatePointer 事件に類 似している 地裁は 850 の特許のクレーム 8 に注目した クレーム 8 システムは以下を含む : 7 Ultimate- Pointer, L.L.C. v. Nintendo Co., 816 F.3d 816, 826 (Fed. Cir. 2016) 7

CRM ソフトウェアアプリケーション内にインストールされたレポーティングモジュール ; CRM ソフトウェアアプリケーション内にインストールされたレポーティングモジュールは 選択されたレポートテンプレートの関数としてユーザ選択可能なデータベースフィールドのセットを提示し 1つ以上のユーザ選択可能なデータベースフィールドの選択をユーザから受け取り ユーザが選択したデータベースフィールドの関数としてデータベースクエリを生成する クレーム 8 には 提示 受け取り 生成のアクティブ動詞が含まれているが これら の動詞は レポーティングモジュール の能力を記述するために使用される許容され る機能的文言を示している MEC 事件 HTC 事件及び UltimatePointer 事件のように ここで問題となってい るクレームは システムが 列挙された機能を実行することができる列挙された構造を 有する と単にクレームしているだけである これらのクレームは IPXL Holdings 事件および Katz 事件の争点と区別することが できる ここでのクレームは ユーザが実行した活動をクレームしていないからである これらのクレームはユーザの選択に言及しているが ユーザの選択行為を明示的にク レームするのではなく むしろシステムのユーザ選択を受信して対応する能力をクレー ムしている ここで争点となっている限定 ( ユーザから選択を受け取る と ユーザが選択したデータベースフィールドの関数としてデータベースクエリを生成する ) は システムの能力に重点を置いているが IPXL Holdings 事件 ( ユーザが入力手段を使用する ) および Katz 事件 ( 前記個々の発呼者はデータをデジタル入力する ) は ユーザによって実行される特定の行為に焦点を合わせている さらに Rembrandt 事件とは異なり 機能的な文言はここでは孤立して存在するの ではなく CRM ソフトウェアアプリケーション内にインストールされたレポーティン グモジュールの構造に結びついている 8

上述した通り IPXL Holdings 事件において CAFC は 1つのクレーム内で装置と 装置を使用する方法との双方をクレームすれば 侵害システムを生成した場合に侵害が発生するかどうか または ユーザが実際に侵害する方法でシステムを使用した場合に侵害が発生するのか 明らかでなくなると述べている 一方 本事件におけるクレームは この問題を提起していない クレームは クレームされたシステムの能力を記述するために許容される機能的文言を使用するだけであるため クレームされたシステムを製造 使用 販売の申し出 または販売した場合に 侵害が起きることは明らかである CAFC は これらのクレームは 当業者に妥当な確実性をもって本発明の範囲を知ら せているため '850 特許の請求項 8 及び 10 並びに ' 518 特許の請求項 1,2 及び 3 を不 明確で無効とした地裁の判決を取り消した 5. 結論 CAFC は不明確により無効とした地裁の判決を取り消した 6. コメント各種制御処理については装置クレームにおいても 方法的 機能的な記載とならざるを得ない場合がある 本事件では数々の判例が示されたが 装置クレームにおいて方法的 機能的な記載とする場合 装置 システムの目線からクレームを記載することが大事である プログラムコードによって装置 システムが実行する方法 機能を構成要件として記載する必要があり ユーザが実行する行為を構成要件として記載してはならない 後者では侵害システムを生成した場合に侵害が発生するのか または ユーザが実際に侵害する方法でシステムを使用した場合に侵害が発生するのか不明確となるからである 判決 2017 年 10 月 30 日以上 関連事項 判決の全文は裁判所のホームページから閲覧することができる http://www.cafc.uscourts.gov/sites/default/files/opinions-orders/16-2465.opinion.10-26-2017.1.pdf 9